JP2007238245A - 糸巻取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸巻取装置において、糸継ぎ後の巻取再開時等においても綾乱れやリボン巻、不適切な張力での巻取りを防止できる構成を提供する。
【解決手段】糸の巻取速度が加速又は減速しているときに、前記トラバースガイドによる糸の綾振りが前記巻取速度の加速又は減速に同期するように、トラバースガイドを駆動するトラバースガイド駆動モータを加速又は減速するように同期制御する。この糸の綾振速度の同期制御は、選択図の例では、トラバースガイドが1トラバースストローク分移動する間(区間STの間)に複数回行われている。
【選択図】図6
【解決手段】糸の巻取速度が加速又は減速しているときに、前記トラバースガイドによる糸の綾振りが前記巻取速度の加速又は減速に同期するように、トラバースガイドを駆動するトラバースガイド駆動モータを加速又は減速するように同期制御する。この糸の綾振速度の同期制御は、選択図の例では、トラバースガイドが1トラバースストローク分移動する間(区間STの間)に複数回行われている。
【選択図】図6
Description
本発明は、糸をトラバースガイドで綾振りしながらボビンに巻き取る糸巻取装置に関する。
従来の一般的な自動ワインダとして、特許文献1に開示された自動ワインダが知られている。この自動ワインダは、巻取ボビンと接する綾振ドラムを備え、この綾振ドラムにて巻取ボビンを回転駆動するとともに、巻取ボビンに巻き取られる糸をトラバースさせるようにしている。この自動ワインダにおいては、綾振ドラムに形成された綾振溝によって決められた綾角にて巻取ボビンに糸が巻き取られる。
特開平6−247629号公報
一方、特許文献2は、巻取ボビン回転駆動とトラバース駆動とが別駆動となった自動ワインダを開示する。この特許文献2の自動ワインダは、特許文献1の自動ワインダと比較して、糸の多様な巻取り方が可能になる。
特開2002−114445号公報
ここで、自動ワインダにおいては、巻取ボビンの回転が停止している状態から糸の巻取が開始され、巻取ボビンの回転速度(糸の巻取速度)及びトラバース速度が設定速度に到達するまでの加速中も糸の巻取が行われる。
この点、特許文献1の自動ワインダでは、加速期間も、綾振ドラムの綾振溝で決められた綾角にて糸が巻き取られる。しかしながら、特許文献2の構成は巻取ボビン回転駆動とトラバース駆動とが別駆動となっているため、加速期間において所定の綾角を保持することができず、この結果、リボン巻や綾乱れ、不適切な巻取張力で巻き取られることにより、パッケージ品質の劣化を誘発していた。この状況は、加速完了後の定常巻取区間においても、巻取ボビンの回転変動が生じた場合に発生していた。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、糸を巻き取るための巻取ボビンを回転駆動するための巻取ボビン回転駆動装置と、この巻取ボビン回転駆動装置とは切り離されて駆動し、前記巻取ボビンへの糸の巻取りの際にその糸を綾振るようにトラバースガイドを駆動するトラバースガイド駆動モータと、このトラバースガイド駆動モータを制御するトラバース速度制御装置と、を備える。糸の巻取速度が加速又は減速しているときに、その加速又は減速に同期させて前記トラバースガイド駆動モータを加速又は減速するように同期制御する同期制御手段を前記トラバース速度制御装置に有する。
この構成により、巻取速度が加速又は減速しても、それに同期させてトラバースガイドを駆動制御できる。従って、加減速中においても所定の綾角を保持することができるので、リボン巻や綾乱れを防止し、適切な張力で安定して巻き取ることができ、良好な品質のパッケージを提供できる。
前記の糸巻取装置においては、前記同期制御手段による糸の巻取速度との同期制御は、前記トラバースガイドが1トラバースストローク分移動するごとに1回のタイミングで行われることが好ましい。
この構成により、1トラバースストロークに1回の同期で良いので、巻取速度の変動に対するトラバース速度の同期を簡素な制御によって実現できる。従って、トラバース速度制御装置の負荷を軽減することができる。
前記の糸巻取装置においては、前記同期制御手段による糸の巻取速度との同期制御は、前記トラバースガイドが1トラバースストローク分移動する間に複数回行われることが好ましい。
この構成により、巻取速度の変動に応じてトラバースガイドの速度をキメ細かく同期させることができるので、綾乱れやリボン巻、不適切な張力での巻取りを極めて良好に防止することができる。
前記の糸巻取装置においては、予め定められた速度パターンに従って前記トラバースガイドを駆動するとともに、前記速度パターンの途中で巻取速度が変化したときには、それに応じて当該速度パターンを補正した形でトラバースガイドを駆動することが好ましい。
この構成により、巻取速度の変動に対するトラバースガイドの同期を、制御パターンの補正という簡単な制御によって確実に行うことができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る自動ワインダの糸巻取ユニットを示す正面模式図及びブロック図である。図2はトラバース制御部によるトラバースガイドの速度制御のパターンを示すグラフ図である。
最初に図1に基づいて、自動ワインダ1の糸巻取ユニット(糸巻取装置)2を説明する。この糸巻取ユニット2は、給糸ボビン3の糸4をトラバース装置5でトラバースさせながら巻取チューブ6に巻き取って糸層を形成し、所定長で所定形状のパッケージ7を形成するものである。図1では糸巻取ユニット2を1台しか図示していないが、このような糸巻取ユニット2が図略の機台上に多数列設されることで、自動ワインダ1が構成されている。
なお本明細書では、巻取チューブ6及びパッケージ7を総称して巻取ボビンと呼ぶ。即ち、糸層が形成されていない巻取ボビンが巻取チューブ6であり、糸層が形成された巻取ボビンがパッケージ7である。
糸巻取ユニット2は、前記巻取チューブ6を着脱可能に支持するクレードル8と、前記巻取チューブ6の周面に又はパッケージ7の周面に接触して従動回転可能な接触ローラ9と、を備えている。前記クレードル8は、前記巻取チューブ6の両端を挟持して回転自在に支持できるように構成されている。また、このクレードル8は揺動軸10を中心に傾動自在に構成されており、巻取ボビン6,7への糸4の巻取りに伴う巻太り(糸層の径の増大)を、クレードル8が揺動することによって吸収できるように構成されている。
前記クレードル8の巻取チューブ6を挟持する部分にはパッケージ駆動モータ(巻取ボビン回転駆動装置)41が取り付けられており、このパッケージ駆動モータ41により巻取チューブ6を積極的に回転駆動して糸4を巻き取るように構成されている。パッケージ駆動モータ41のモータ軸は、巻取チューブ6をクレードル8に把持させたときに、当該巻取チューブ6と相対回転不能に連結されるようになっている(いわゆるダイレクトドライブ方式)。このパッケージ駆動モータ41の作動はパッケージ駆動制御部42により制御され、このパッケージ駆動制御部42はユニット制御部50からの信号を受けて前記パッケージ駆動モータ41の運転/停止を制御するように構成している。
また、前記クレードル8にはパッケージ回転速度センサ(回転速度センサ)43が取り付けられており、このパッケージ回転速度センサ43は、クレードル8に取り付けられた巻取ボビン6,7の回転速度(巻取チューブ6に形成された糸層7の回転速度)を検出するように構成している。この巻取ボビン6,7の回転速度検出信号は、パッケージ回転速度センサ43から、前記パッケージ駆動制御部42や前記ユニット制御部50へ送信される。更に、前記回転速度検出信号は、後述するトラバース制御部46へも入力される。
また、前記クレードル8にはロータリエンコーダ等からなるパッケージ径センサ(径センサ)44が取り付けられており、このパッケージ径センサ44は、クレードル8に取り付けられた巻取チューブ6に糸4を巻き取って形成される糸層(パッケージ7)の径を、クレードル8の揺動角を検出することで検出できるように構成されている。パッケージ径センサ44で取得された糸層7の径は、ユニット制御部50へ送信されるとともに、ユニット制御部50からパッケージ駆動制御部42へ転送される。
前記接触ローラ9の近傍には前記トラバース装置5が設けられており、このトラバース装置5によって、糸4が綾振りされながらパッケージ7に巻き取られるようになっている。このトラバース装置5は、トラバース方向に往復移動自在に設けられたトラバースガイド(糸ガイド)11と、このトラバースガイド11を往復駆動するトラバースガイド駆動モータ45と、を備えている。
前記トラバース装置5は、支軸まわりに旋回可能に構成した細長状のアーム部材13の先端に前記トラバースガイド11をフック状に設けるとともに、このアーム部材13を前記トラバースガイド駆動モータ45により図1の矢印のように往復旋回駆動させる構成になっている。本実施形態において前記トラバースガイド駆動モータ45はボイスコイルモータで構成されている。
このトラバースガイド駆動モータ45の作動はマイクロコンピュータ式のトラバース制御部46により制御され、このトラバース制御部46はユニット制御部50からの信号を受けて前記トラバースガイド駆動モータ45の運転/停止を制御するように構成している。また、トラバース装置5はロータリエンコーダ等からなるトラバースガイド位置センサ47を備えており、アーム部材13の旋回位置(ひいては、トラバースガイド11の位置)を検出して、位置信号を前記トラバース制御部46へ送信できるように構成されている。
なお、本実施形態では図1に示すように、巻取ボビン6,7を駆動するパッケージ駆動モータ41と、トラバースガイド11を駆動するトラバースガイド駆動モータ45とは、別々に設けられており、巻取ボビン6,7とトラバースガイド11とは別個独立に駆動(制御)されるように構成されている。これにより、巻取ボビン6,7への糸4の巻取りの際に、プレシジョン巻、ステッププレシジョン巻、ランダム巻等、多種多様な巻き方を実現することができる。
図2には前記トラバース制御部46によるトラバースガイド11の速度制御の一例が示され、この図2に示すようにトラバース制御部46は、所定の単位制御パターン(区間STでのパターン)を繰り返すことによってトラバースガイド11を駆動制御するように構成している。この制御パターンを詳細に説明すると、トラバースガイド11は先ず、トラバースストローク一端部から中央側に向かって加速して(加速区間)、そのトラバースストロークの中央において所定の速度TSを保ちながら他端部へ向かい(定速区間)、トラバースストローク他端部近傍に差し掛かると前記の速度TSから減速する(減速区間)。こうして一単位の制御が終了し、次の単位の制御では、トラバースガイド11はトラバースストロークの当該他端部から前記一端部に向かって移動するよう制御される。
このように、一側、他側、一側、・・・と上記単位の制御が向きを反転しつつ交互に繰り返されることで、トラバースガイド11の往復駆動制御が実現されている。なお、この制御パターンにおいて平均トラバース速度TSavgとは、トラバースガイド11がトラバースストローク端部から移動を開始し、加速区間→定速区間→減速区間を経て反対側のトラバースストローク端部へ至るまでの時間における、トラバースガイド11の平均速度をいう。
また、図2では同一の単位制御パターンが繰り返されているが、これは糸の巻取速度が一定の場合であり、巻取速度が変動する場合はトラバースガイド11は図2とは異なったパターンで駆動されることになる。詳細は後述する。
次に、糸継装置14及びヤーンクリアラ15を説明する。即ち、前記糸巻取ユニット2は、給糸ボビン3と接触ローラ9との間の糸走行経路中に、給糸ボビン3側から順に、糸継装置14とヤーンクリアラ15を配設した構成となっている。
糸継装置14は、ヤーンクリアラ15が糸欠陥を検出して行う糸切断時、又は給糸ボビン3からの糸の糸切れ時に、給糸ボビン3側の下糸と、パッケージ7側の上糸とを糸継ぎするように構成されている。
また、ヤーンクリアラ15は糸4の太さ欠陥を検出するためのものであって、ヤーンクリアラ15の検出部の部分を通過する糸4の太さを適宜のセンサで検出し、このセンサからの信号をアナライザ23で分析することで、スラブ等の糸欠陥を検出するように構成されている。このヤーンクリアラ15には、糸欠陥を検出した時に直ちに糸4を切断するためのカッタ16が付設されている。
糸継装置14の下側と上側には、給糸ボビン3側の下糸を吸引捕捉して案内する下糸捕捉案内手段17と、パッケージ7側の上糸を吸引捕捉して案内する上糸捕捉案内手段20が設けられている。上糸捕捉案内手段20はパイプ状に構成されており、軸21を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側にマウス22を設けている。同様に下糸捕捉案内手段17もパイプ状に構成されており、軸18を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側には吸引口19を設けている。上糸捕捉案内手段20及び下糸捕捉案内手段17には適宜の負圧源が接続されており、先端のマウス22及び吸引口19に吸引作用を生じさせるようになっている。
以上のようにして本実施形態の自動ワインダ1が構成されており、この構成においてトラバース速度制御装置63は、ユニット制御部50、パッケージ駆動制御部42、パッケージ回転センサ43、及びトラバース制御部46を少なくとも含んで構成されている。
次に、上記の自動ワインダ1の糸巻取ユニット2における、ユニット制御部50及びパッケージ駆動制御部42、トラバース制御部46の制御について、図3等を参照して説明する。図3はトラバース速度の巻取速度に対する同期制御の第1実施形態を示すフローチャート図である。図4は巻取速度が加速しているときのトラバース速度の同期制御を示すグラフ図である。
本実施形態において、前記パッケージ駆動制御部42やトラバース制御部46はマイクロコンピュータ式に構成されて、図示しない演算手段としてのCPUや、記憶手段としてのROM、RAM等を備えている。また、ユニット制御部50も同様に図略のCPUやROM、RAM等を備えている。
トラバース制御部46の前記ROMには、当該トラバース制御部46が備えるCPU等のハードウェアを同期制御手段71として動作させるための制御ソフトウェアが記憶されている。
前記ユニット制御部50は、例えば図示しない上位装置から入力される信号により、糸4の目標巻取速度WSTと設定綾角WASを予め設定できるように構成されている。そして、巻取速度(即ち、巻取チューブ6に糸4を巻き取って形成される糸層7の周面の速度)をWS、この糸層7の直径をD、巻取チューブ6(パッケージ7)の回転速度をB、綾角をWA、ワインド数をWN、トラバース幅をTW、トラバース速度をTSとすると、以下の式(1)〜(3)が成り立つ。
WS=π×D×B・・・(1)
TS=WS×tanWA・・・(2)
tanWA=2×TW/(π×D×WN)・・・(3)
TS=WS×tanWA・・・(2)
tanWA=2×TW/(π×D×WN)・・・(3)
ユニット制御部50は予め、前記の目標巻取速度WSTをパッケージ駆動制御部42へ送信し、また、設定綾角WASをトラバース制御部46へ送信しておく。そして巻取中は、前記パッケージ駆動制御部42は、前記パッケージ径センサ44から得られたパッケージの径Dと目標巻取速度WSTを式(1)に代入して必要回転速度Bを求め、当該回転速度Bで巻取ボビン6,7を駆動するようにパッケージ駆動制御部42を制御する。この結果、巻取速度WSは上記の目標巻取速度WSTで一定となるよう制御される。
これは、巻取速度WSが目標巻取速度WSTで一定になるように制御する定常巻取区間における回転速度Bの制御の方法である。巻取速度WSがゼロ速度から目標巻取速度WSTに上昇する加速巻取区間においては、図4の上側のグラフのように巻取速度WSが所定の直線式に従って上昇するので、その所定の直線式に基づいて巻取速度WSを求め、回転速度Bを演算する。
また、上記の加速巻取中及び定常巻取中に、トラバース制御部46は平均トラバース速度TSavgを、前記巻取ボビン6,7の回転速度(糸の巻取速度)と前記設定綾角WASとパッケージ径センサ44からのパッケージ径Dとから、上記(1)(2)の式に従って求める。更にトラバース制御部46は、上記のように得られた平均トラバース速度TSavgに基づいて一単位分の制御パターンを決定し、この制御パターンに従ってトラバースガイド駆動モータ45を制御する。
図3にトラバース制御部46における具体的な制御がフロー図として示され、このフローではS101〜S106の処理を1回行うことが、図2の一単位(区間ST)の制御を行うことに対応する。図3のフローを説明すると、先ず、トラバース制御部46はS101の処理で、現在(制御パターン開始時)のボビンの回転速度Bを、パッケージ回転速度センサ43から取得する。そして、S102の処理で、上記の式から新しい平均トラバース速度TSavg(制御パターン)を計算して取得するとともに、S103の処理で、次の制御パターンの平均トラバース速度TSavgが、S102で計算した新しい平均トラバース速度TSavgとなるように、制御パターンを決定する。
この制御パターンは図2に示すような「加速→定速→減速」のパターンであり、その定速区間の速度TSは、S102で取得した平均トラバース速度TSavgに対応した速度に設定される。また、上記制御パターン(区間ST)1つ分の時間は、上記の平均トラバース速度TSavgに対応して決定される。
そしてトラバース制御部46は、当該次の制御パターンに従って、トラバースガイド11を駆動制御する(S104)。この駆動制御は、一単位分の制御パターンの制御が終了したことが前記トラバースガイド位置センサ47の位置信号または1ストローク時間の経過によって検出されるまで継続される(S104〜S105のループ処理)。前記駆動制御が終了すると、巻取中断がないことを条件に(S106)、S101の処理に戻って次回の制御パターンの制御を行う。
上記のような制御により、トラバースガイド11がトラバースストローク端部に到達したことが前記トラバースガイド位置センサ47の位置信号によって、または、1ストローク時間の経過によって検出される毎に、上記の定速区間の速度TS(又は平均トラバース速度TSavg)が巻取ボビン6,7の回転速度Bに応じた速度に更新されることになる。
以上のフローにより前記同期制御手段71が実現されており、以下、この制御の効果を説明する。即ち、上記の自動ワインダ1において、給糸ボビン3からの糸の糸切れが発生した場合や、ヤーンクリアラ15の糸欠点検出に伴う糸切断の際は、パッケージ駆動モータ41は直ちに駆動を停止され、巻取ボビン6,7の回転が停止する。その後、糸継装置14による糸継作業が行われて、改めて目標巻取速度WSTまで巻取ボビン6,7を徐々に加速しながら巻き取り始めることになる。図4の上側のグラフには、糸巻取再開時において巻取速度がゼロから直線的に増加するように制御し、目標巻取速度WSTに到達した後は定速で巻き取る制御例が示されている。このときの巻取速度の上昇の傾き(加速度)は、図示しない設定手段によって予め設定することができる。
一方、図4の下側のグラフには、図3のフローによるトラバース速度の制御の様子が巻取速度の増加と対応した形で示される。この図4に示すように、巻取速度がゼロから目標巻取速度WSTまで徐々に増加してゆくに従って、平均トラバース速度TSavg(上記定速区間の速度TS)が階段状に増加してゆくことになる。
なお、上のグラフの点WS1、下のグラフの点TS1、及び上のグラフから下のグラフへ向かう矢印は、トラバースガイド11の一単位分の制御パターン(区間ST)が終わって次の一単位分の制御パターン(区間ST)が開始されるときの巻取速度WS1(具体的にはボビン回転速度B)に基づいて、次の制御パターンの平均トラバース速度TSavg(ひいては、トラバースストローク端部での折返し後の定速区間の速度TS1)が計算され、当該次の制御パターンに従ってトラバースガイド11が駆動制御されることを示す。WS2とTS2、WS3とTS3、WS4とTS4についても同様である。
このような制御を行うことにより、巻取の加速時に巻取速度とトラバース速度とを好適に同期・追従させて、巻取開始時の綾乱れやリボン巻、不適切な張力での巻取りを防止することができる。
なお、図4の上下のグラフの右側を参照すれば判るように、巻取ボビン6,7の加速の結果、巻取速度が目標巻取速度WSTに達して一定となった後は、平均トラバース速度TSavgもそれに対応して一定になることはいうまでもない。このように、加速巻取区間(巻取開始区間)を経て目標巻取速度WSTに到達した後の定常巻取区間においても、図3に示す制御が行われる。また、定常巻取区間において何らかの事情で巻取速度が加速又は減速した場合も、図3の制御により、トラバース速度は巻取速度の加速又は減速に同期・追従して、階段状に増大又は減少するように制御されることになる。
以上に示すように、本実施形態の自動ワインダ1の糸巻取ユニット2は、巻取ボビン6,7を回転駆動するためのパッケージ駆動モータ41と、このパッケージ駆動モータとは切り離されて駆動し、前記巻取ボビン6,7への糸の巻取りの際にその糸を綾振るようにトラバースガイド11を駆動するトラバースガイド駆動モータ45と、このトラバースガイド駆動モータ45を制御するトラバース速度制御装置63と、を備える。そして、トラバース速度制御装置63(具体的には、トラバース制御部46)は同期制御手段71を備え、この同期制御手段71は、糸の巻取速度が加速又は減速しているときに、その加速又は減速に同期させて前記トラバースガイド駆動モータ45を加速又は減速するように同期制御する。
従って、巻取速度が巻取開始時や定常巻取時に加速又は減速しても、それに同期させてトラバースガイド11を駆動制御できるから、リボン巻や綾乱れ、不適切な張力での巻取りを防止でき、パッケージ品質を良好に維持することができる。
また、上記トラバース速度制御装置63の同期制御手段71は、前記糸4の綾振速度の同期制御を、前記トラバースガイドが1トラバースストローク分移動するごとに1回のタイミングで行う。
従って、1トラバースストロークに1回の同期制御で良いので、巻取速度の変動に対するトラバース速度の同期を簡素な制御によって実現できる。従って、トラバース速度制御装置63(トラバース制御部46)の負荷を軽減することができる。
次に、第2実施形態の制御を図5及び図6等を参照して説明する。この制御は、一単位の制御パターン内で巻取速度の変化(ボビンの回転速度の変化)が検出された場合に、それに応じて当該制御パターンをその場で補正し、トラバース速度を変化させる点が異なっている。
図5のフローが前記の第1実施形態のフローと異なっている点は、S105’の処理で制御パターンが終了しないと判定されたときに再度S101の処理に戻ることで、平均トラバース速度の再計算→制御パターンの補正を1つの単位制御パターンの中で繰返し行っている点である。この結果、1つの単位制御パターンでの制御の途中で、図2に示す短い周期時間Tfごとに、当該制御パターンの補正が複数回行われることになる。
なお、上記の制御パターンの補正は、単位制御パターンが開始されて最初のS102の処理で取得された平均トラバース速度TSfavgを記憶させておき、次回以降のS102の処理で新しく平均トラバース速度TSavgが計算された際は、元の制御パターンを、縦方向にTSavg/TSfavgの比率で引き伸ばすように変形させることで行うことができる。
上記のような制御を行った結果、図6の下側に示すように、単位制御パターンがその定速区間を右上がり斜状に傾けるように補正・変形されて、巻取速度の変動に対し第1実施形態(図4の下側)よりも滑らかに同期・追従させることができる。
以上に示すように、この第2実施形態では、巻取速度に対する糸4の綾振速度の前記同期制御手段71による同期制御(トラバースガイド11の加速・減速)が、前記トラバースガイド11が1トラバースストローク分移動する間に複数回(周期時間Tfごとに)行われる。
従って、1トラバースストロークの時間の中で巻取速度が変動した場合でも、それにトラバースガイド11をキメ細かく同期させて駆動することができ、綾乱れやリボン巻、不適切な張力での巻取りを極めて良好に防止することができる。
また、前記トラバース制御部46は、予め定められた速度パターン(図2参照)に従って前記トラバースガイド11を駆動する一方で、図6に示すように、前記速度パターンの途中で巻取速度(巻取ボビン6,7の回転速度B)が変化したときには、それに応じて当該速度パターンを随時補正した形でトラバースガイド11を駆動する。
従って、上記の糸の綾振速度の同期制御を、制御パターンの補正という簡単な制御によって確実に行うことができる。
なお、上記に開示された構成は一例であって、例えば以下のように変更することができる。
図2に示す制御パターンに代えて、他の任意の制御パターン(速度パターン)に従ってトラバースガイド11を駆動する構成に変更することができる。
また、前記の第2実施形態において周期時間Tfをどの程度に定めるかは任意であり、トラバースガイド11が1トラバースストローク移動する毎にボビン回転速度Bないし巻取速度WSを複数回取得して制御パターンを補正できるものであれば良い。
トラバース装置5は、ボイスコイルモータに構成したトラバースガイド駆動モータ45によってアーム部材13を旋回往復駆動させる構成に代えて、図7の変形例の巻取ユニット2’に示すように、接触ローラ9の近傍に無端状のタイミングベルト31を配置し、このタイミングベルト31にトラバースガイド11’を取り付けるとともに、当該タイミングベルト31を、例えばパルスモータとしてのトラバースガイド駆動モータ45’によって往復駆動する構成に変更することができる。また、ドラム状のトラバースカムの外周面にカム溝を斜状に設け、このカム溝にトラバースガイドを係合する構成等、他の構成のトラバース装置に変更することもできる。
パッケージ径センサ44が検出した径の信号は、ユニット制御部50を介してトラバース制御部46に転送される構成に代えて、トラバース制御部46に直接入力される構成に変更することができる。
図3や図5のフローに示す制御は、トラバース制御部46で行われることに代えて、例えばユニット制御部50で行われるように構成することができる。
1 自動ワインダ
2 糸巻取ユニット(糸巻取装置)
3 給糸ボビン
4 糸
6 ボビン
7 パッケージ
11 トラバースガイド
41 パッケージ駆動モータ
42 パッケージ駆動制御部
45 トラバースガイド駆動モータ
46 トラバース制御部
50 ユニット制御部
63 トラバース速度制御装置
71 同期制御手段
2 糸巻取ユニット(糸巻取装置)
3 給糸ボビン
4 糸
6 ボビン
7 パッケージ
11 トラバースガイド
41 パッケージ駆動モータ
42 パッケージ駆動制御部
45 トラバースガイド駆動モータ
46 トラバース制御部
50 ユニット制御部
63 トラバース速度制御装置
71 同期制御手段
Claims (4)
- 糸を巻き取るための巻取ボビンを回転駆動するための巻取ボビン回転駆動装置と、
この巻取ボビン回転駆動装置とは切り離されて駆動し、前記巻取ボビンへの糸の巻取りの際にその糸を綾振るようにトラバースガイドを駆動するトラバースガイド駆動モータと、
このトラバースガイド駆動モータを制御するトラバース速度制御装置と、
を備える糸巻取装置において、
糸の巻取速度が加速又は減速しているときに、その加速又は減速に同期させて前記トラバースガイド駆動モータを加速又は減速するように同期制御する同期制御手段を前記トラバース速度制御装置に有することを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項1に記載の糸巻取装置であって、
前記同期制御手段による糸の巻取速度との同期制御は、前記トラバースガイドが1トラバースストローク分移動するごとに1回のタイミングで行われることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項1に記載の糸巻取装置のトラバース速度制御装置であって、
前記同期制御手段による糸の巻取速度との同期制御は、前記トラバースガイドが1トラバースストローク分移動する間に複数回行われることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項3に記載の糸巻取装置であって、
予め定められた速度パターンに従って前記トラバースガイドを駆動するとともに、
前記速度パターンの途中で巻取速度が変化したときには、それに応じて当該速度パターンを補正した形でトラバースガイドを駆動することを特徴とする糸巻取装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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