以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について、図1(A)〜図1(B)を用いて説明する。
図1(A)には、積層された偏光子を設けた表示装置の断面図、図1(B)には表示装置の斜視図を示す。
図1(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、表示素子100が挟持されている。
第1の基板101及び第2の基板102として、透光性基板を用いることができる。このような透光性基板には、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また透光性基板には、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板101の外側、つまり表示素子100と接しない側には、積層された偏光子が設けられている。第1の基板101の外側には、第1の偏光子103、第2の偏光子104が設けられている。
次に図1(B)に示す斜視図をみると、第1の偏光子103の吸収軸151と、第2の偏光子104の吸収軸152とは平行となるように積層されている。この平行状態を、パラレルニコルと呼ぶ。
このように積層された偏光子は、パラレルニコルとなるように配置される。
なお、偏光子の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
また第1の偏光子103及び第2の偏光子104の消衰係数は異なるものである。ただし、本明細書において、偏光子の吸収軸の消衰係数の範囲は、3.0×10−4〜3.0×10−2であるものである。第1の偏光子103の消衰係数と、第2の偏光子104の消衰係数は、この範囲内で異なっていればよい。あるいは第1の偏光子103及び第2の偏光子104の消衰係数の消衰係数の波長分布が異なっていてもよい。また以下の実施の形態及び実施例についても同様である。
また図1(A)〜図1(B)では偏光子を2層積層した例を示しているが、3層以上積層しても構わない。
このように積層された偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、黒表示を暗くでき、すなわち黒輝度を高めることができ、このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態2]
本実施の形態では、図2(A)〜図2(C)を用いて、積層された偏光子の構造について説明する。
図2(A)では、積層された偏光子の例として、1つの偏光膜を有する偏光板を積層する例を示している。
図2(A)において、偏光板113及び偏光板114は、それぞれ直線偏光板であり、公知の材料を用いて以下の構成で形成することができる。例えば基板111側から接着層131と、保護膜132、偏光膜133、保護膜132が順に積層された構成を有する偏光板113と、接着層135と、偏光板113と同様に、保護膜136、偏光膜137、保護膜136を有する偏光板114を用いることができる(図2(A)参照)。保護膜132及び136としては、TAC(トリアセチルセルロース)等を用いることができる。また偏光膜133及び偏光膜137としては、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層が形成される。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。また偏光板113と偏光板114は上下の位置を逆にしてもよい。また保護膜136の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
また図2(B)には、積層された偏光子の例として、1つの偏光板に複数の偏光膜を積層する例を示す。図2(B)では、基板111側から接着層140と、保護膜142、偏光膜(A)143、偏光膜(B)144、保護膜142を有する偏光板145が積層されている。また偏光膜143と偏光膜144は上下の位置を逆にしてもよい。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
さらに図2(C)では、1つの偏光板に複数の偏光膜を積層する別の例を示す。図2(C)では、基板111側から接着層141と、保護膜146、偏光膜(A)147、保護膜146、偏光膜(B)148、保護膜146を積層した偏光板149を示す。すなわち、図2(C)の構成は偏光膜と偏光膜との間に保護膜を設けた構成である。また偏光膜147と偏光膜148は上下の位置を逆にしてもよい。また保護膜146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
保護膜142及び146は保護膜132と同様の材料を用いればよく、また偏光膜(A)143、偏光膜(B)144、偏光膜(A)147、偏光膜(B)148はそれぞれ、偏光膜133あるいは偏光膜137と同様の材料を用いて形成すればよい。
図2(A)〜図2(C)において、2つの偏光子を積層する例を示したが、偏光子の数は2つに限定されないのはもちろんである。3つ以上の偏光子を積層する場合は、図2(A)の構成であれば、偏光板を3枚以上積層すればよい。図2(B)の構成であれば、保護膜142の間に設けられる偏光膜の数を増やせばよい。また図2(C)であれば、保護膜146、偏光膜(A)147、保護膜146、偏光膜(B)148、保護膜146、偏光膜(C)、保護膜146、…、というように、偏光膜とその上に設けられる保護膜を重ねてゆけばよい。
また、図2(A)〜図2(C)に示す積層構成を組み合わせてもよい。すなわち、例えば図2(A)に示す偏光膜133を含む偏光板113と、図2(B)に示す偏光膜143及び偏光膜144を含む偏光板145を組み合わせて、偏光子を3つ積層した構成にしてもよい。このような積層された偏光子の構成は、必要に応じて適宜図2(A)〜図2(C)を組み合わせて形成すればよい。
さらに、偏光子を積層するために、図2(B)における偏光板145をさらに複数積層してもよい。同様に、図2(C)における偏光板149を複数積層した構成にしてもよい。
偏光子の吸収軸がパラレルニコルに配置されているというのは、図2(A)であれば、偏光板113と偏光板114の吸収軸が互いにパラレルニコルということであり、すなわち、偏光膜133と偏光膜137の吸収軸が互いにパラレルニコルであるということである。図2(B)においては、偏光膜143及び偏光膜144の吸収軸が互いにパラレルニコルに配置される。また図2(C)においては、偏光膜147と偏光膜148の吸収軸がパラレルニコルに配置されるということである。
なお偏光膜及び偏光板の数が増えても、それぞれの吸収軸を互いにパラレルニコルとなるように配置する。
図2(A)〜図2(C)において、2つの偏光子を積層する例を示したが、3つ偏光子を積層する例を図59(A)〜図59(B)に示す。
図59(A)に、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113と、図2(B)の偏光膜143及び偏光膜144を含む偏光板145を積層した例を示す。なお偏光板113と偏光板145は上下逆でもよい。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図59(B)に、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113と、図2(C)の偏光膜147及び偏光膜148を含む偏光板149を積層した例を示す。なお偏光板113と偏光板149は上下逆でもよい。また保護膜146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図60(A)〜図60(C)、図61(A)〜図61(B)、図62(A)〜図62(B)には、4つの偏光子を積層する例を示す。
図60(A)は、図2(C)の偏光膜147及び偏光膜148を含む偏光板149と、図2(B)の偏光膜143と偏光膜144を含む偏光板145を積層した例である。なお偏光板149と偏光板145は上下逆でもよい。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図60(B)は、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113及び偏光膜137を含む偏光板114と、図2(B)の偏光膜143と偏光膜144を含む偏光板145を積層した例である。なお、偏光板113、偏光板114、偏光板145の上下の順はこの通りでなくてもよい。また保護膜146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図60(C)は、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113及び偏光膜137を含む偏光板114と、図2(C)の偏光膜147と偏光膜148を含む偏光板149を積層した例である。なお、偏光板113、偏光板114、偏光板149の上下の順はこの通りでなくてもよい。また保護膜146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図61(A)は、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113と、図2(B)の偏光膜を三層にした、偏光膜143、偏光膜144及び偏光膜158を有する偏光板159を積層した例である。なお偏光板113と偏光板159は上下逆でもよい。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図61(B)は、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113と、図2(C)の偏光膜を三層にした、偏光膜147、偏光膜148及び偏光膜168を含む偏光板169を積層した例である。なお偏光板113と偏光板169は上下逆でもよい。また保護膜146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図62(A)は、図2(B)の偏光膜143及び偏光膜144を含む偏光板145と、図2(B)と同じ構造である偏光膜215及び偏光膜216を有する偏光板217を積層した例である。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図62(B)は、図2(C)の偏光膜147及び偏光膜148を含む偏光板149と、図2(C)と同じ構造である偏光膜225及び偏光膜226を含む偏光板227を積層した例である。また保護膜142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
なお、図59〜図62において、必要であれば基板111と偏光子との間に位相差板を設ける。
図63(A)〜図63(B)及び図64では、基板111及び基板112の間に表示素子を有する層176が挟持されており、表示素子を有する層176の上下で積層する偏光子の構成を異ならせた例を示す。なお図面の簡略化のために位相差板は図示しないが、必要であれば基板と偏光子との間に位相差板を設けてもよい。
また図63(A)〜図63(B)及び図64では、基板111及び基板112に設けられる偏光子の数は、それぞれ2つであるが、もちろん3つ以上でもよい。3つ以上の場合、図59〜図62に示す構成を援用してもよい。
図63(A)では、基板111側に、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113、及び、偏光膜137を含む偏光板114を積層する。基板112側には、図2(B)の偏光膜143及び偏光膜144を含む偏光板145を設ける。なお、表示装置に上下の順がある場合、偏光板113及び偏光板114と偏光板145を上下逆に設けてもよい。また保護膜136及び142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図63(B)では、基板111側に、図2(A)の偏光膜133を含む偏光板113、及び、偏光膜137を含む偏光板114を積層する。基板112側には、図2(C)の偏光膜147及び偏光膜148を含む偏光板149を設ける。なお、表示装置に上下の順がある場合、偏光板113及び偏光板114と偏光板149を上下逆に設けてもよい。また保護膜136及び146の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
図64には、基板111側に、図2(C)の偏光膜147及び偏光膜148を含む偏光板149を設ける。また基板112側には、偏光膜143及び偏光膜144を含む偏光板145を設ける。なお、表示装置に上下の順がある場合、偏光板149と偏光板145を上下逆に設けてもよい。また保護膜146及び142の表面に、アンチグレア処理やアンチリフレクション処理を行ってもよい。
本実施の形態は、実施の形態1に援用できるのは言うまでもなく、本明細書の他の実施の形態、実施例についても、本実施の形態を応用することは可能である。
[実施の形態3]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について、図3(A)〜図3(B)を用いて説明する。
図3(A)には、位相差板と積層された偏光子を設けた表示装置の断面図、図3(B)には表示装置の斜視図を示す。
図3(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板201及び第2の基板202に、表示素子200が挟持されている。
第1の基板201及び第2の基板202として、透光性基板を用いることができる。このような透光性基板には、実施の形態1で述べた基板101と同様の材料を用いればよい。
第1の基板201の外側、つまり第1の基板201の表示素子200と接しない側には、位相差板211、積層された偏光子である偏光子203及び偏光子204が設けられている。光は、偏光子により直線偏光され、位相差板(位相差フィルム、波長板ともいう)により円偏光される。すなわち、積層された偏光子は、積層された直線偏光子と記すことができる。積層された偏光子は、2つ以上の偏光子が積層された状態を指す。この偏光子の積層の構成は、実施の形態2を援用することができる。
また図3(A)〜図3(B)では偏光子を2層積層した例を示しているが、3層以上積層しても構わない。
また第1の偏光子203及び第2の偏光子204の消衰係数は異なるものである。あるいは第1の偏光子203及び第2の偏光子204の消衰係数の波長分布が異なっていてもよい。
第1の基板201の外側には、順に位相差板211、第1の偏光子203、第2の偏光子204が設けられている。本実施の形態では、位相差板211として1/4波長板を用いてもよい。
本明細書では、このように位相差板と積層された偏光子とを合わせて、積層された偏光子(直線偏光子)を有する円偏光板とも記す。
第1の偏光子203の吸収軸221と、第2の偏光子204の吸収軸222とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光子203と、第2の偏光子204、つまり積層された偏光子はパラレルニコルとなるように配置される。
また位相差板211の遅相軸223は、第1の偏光子203の吸収軸221及び第2の偏光子204の吸収軸222と45°ずれるように配置される。
図4には、吸収軸221と遅相軸223のずれ角を示す。遅相軸223が135°をなし、吸収軸221は90°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
また位相差板の特性上、遅相軸と直交方向には進相軸がある。そのため、偏光板との配置は、遅相軸だけではなく進相軸を用いて決定することができる。本実施の形態では、吸収軸と遅相軸が45°ずれるように配置するため、言い換えると、吸収軸と進相軸とが135°ずれるように配置することとなる。
本明細書では、吸収軸と遅相軸のずれに付いて述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
位相差板211としては、液晶をハイブリット配向させたフィルム、液晶を捻れ配向させたフィルム、1軸性位相差フィルム、又は2軸性位相差フィルムが挙げられる。このような位相差板によって表示装置の広視野角化を図ることができる。
1軸性位相差フィルムは、樹脂を一方向に延伸させて形成される。また2軸性位相差フィルムは、樹脂を横方向に1軸延伸させた後、縦方向に弱く1軸延伸させて形成される。ここで用いられる樹脂にはシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネイト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
なお液晶をハイブリット配向させたフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを支持体としディスコティック液晶またはネマティック液晶をハイブリット配向させて形成させたフィルムである。位相差板は、偏光板と貼り合わせた状態で、基板に貼り付けることができる。
このように積層された偏光板同士の透過軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、偏光板が単数のときと比べて、外光からの反射光を低減することができる。このため黒表示を暗くでき、すなわち黒輝度を高めることができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
さらに本実施の形態では、位相差板として1/4波長板を用いているため、反射光の写り込みを抑制できる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態4]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について説明する。
図5(A)には、積層構造を有する偏光子を設けた表示装置の断面図、図5(B)には表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図5(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板301及び第2の基板302に、液晶素子を有する層300が挟持されている。基板301及び302は、透光性を有する絶縁基板(以下、透光性基板とも記す)とする。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板301及び302それぞれの外側、つまり液晶素子を有する層300と接しない側には、積層された偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
第1の基板301側には、第1の偏光板303、第2の偏光板304が設けられ、第2の基板302側には、第3の偏光板305、第4の偏光板306が設けられている。
これら偏光板303〜306は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
また第1の偏光板303と第2の偏光板304の消衰係数は異なるものであり、第3の偏光板305と第4の偏光板306は消衰係数は異なるものである。あるいは第1の偏光板303と第2の偏光板304の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、第3の偏光板305と第4の偏光板306の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図5(A)〜図5(B)では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
図5(B)に示すように、第1の偏光板303の吸収軸321と、第2の偏光板304の吸収軸322とを平行となるように積層する。この平行状態を、パラレルニコルと呼ぶ。同様に、第3の偏光板305の吸収軸323と、第4の偏光板306の吸収軸324とを平行となるように、つまりパラレルニコルとなるように積層する。このような積層された偏光板同士は、吸収軸が直交をなすように配置する。この直交状態を、クロスニコルと呼ぶ。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。また、透過軸同士が直交となる場合もクロスニコルと呼ぶことができる。
このように偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして、積層された偏光板同士をクロスニコルとなるように配置することにより、偏光板単層同士のクロスニコルに配置した場合と比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態5]
本実施の形態では、実施の形態4で述べた液晶表示装置の具体的な構成について説明する。
図6には、積層構造を有する偏光板を設けた液晶表示装置の断面図を示す。
図6に示す液晶表示装置は、画素部405、及び駆動回路部408を有する。画素部405、及び駆動回路部408において、基板501上に、下地膜502が設けられている。基板501には、実施の形態1〜実施の形態4と同様の絶縁基板を適用することができる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較して耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置することによっても採用することが可能となる。
画素部405には、下地膜502を介してスイッチング素子となるトランジスタが設けられている。本実施の形態では、トランジスタに薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))を用い、これをスイッチングTFT503と呼ぶ。
TFTは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導体膜を適用する。結晶性半導体膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。ゲート電極を用いて活性層へ不純物元素を添加することができる。このようにゲート電極を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要はない。ゲート電極は、単層構造、又は積層構造を有することができる。不純物領域は、その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができる。このように低濃度不純物領域を有するTFTを、LDD(Light doped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるように形成することができ、このようなTFTを、GOLD(Gate Overlaped LDD)構造と呼ぶ。
なおTFTはトップゲート型TFTであってもボトムゲート型TFTであってもよく、必要に応じて作製すればよい。
図6においては、GOLD構造を有するスイッチングTFT503を示す。またスイッチングTFT503の極性は、不純物領域にリン(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すればよい。その後、ゲート電極等を覆う保護膜を形成する。保護膜に混入された水素元素により、結晶性半導体膜のダングリングボンドを終端することができる。
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁膜505を形成してもよい。層間絶縁膜505には、有機材料、又は無機材料、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。そして、層間絶縁膜505、保護膜、ゲート絶縁膜に開口部を形成し、不純物領域と接続された配線を形成する。このようにして、スイッチングTFT503を形成することができる。なお本発明は、スイッチングTFT503の構成に限定されるものではない。
そして、配線に接続された画素電極506を形成する。
またスイッチングTFT503と同時に、容量素子504を形成することができる。本実施の形態では、ゲート電極と同時に形成された導電膜、保護膜及び層間絶縁膜505、画素電極506の積層体により、容量素子504を形成する。
また結晶性半導体膜を用いることにより、画素部405と駆動回路部408を同一基板上に一体形成することができる。その場合、画素部のトランジスタと、駆動回路部408のトランジスタとは同時に形成される。駆動回路部408に用いるトランジスタは、CMOS回路を構成するため、CMOS回路554と呼ぶ。CMOS回路554を構成するTFTは、スイッチングTFT503と同様の構成とすることができる。またGOLD構造に変えて、LDD構造を用いることができ、必ずしも同様の構成とする必要はない。
画素電極506を覆うように配向膜508を形成する。配向膜508にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
次に対向基板520を用意する。対向基板520の内側、つまり液晶に接する側には、カラーフィルタ522、及びブラックマトリクス(BM)524を設けることができる。これらは公知の方法で作製することができるが、所定の材料が滴下される液滴吐出法(代表的にはインクジェット法)により形成すると、材料の無駄をなくすことができる。カラーフィルタ等は、スイッチングTFT503が配置されない領域に設ける。すなわち、光の透過領域、つまり開口領域と対向するようにカラーフィルタを設ける。なお、カラーフィルタ等は、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
なお、バックライトにRGBのダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合がある。
ブラックマトリクス524は、スイッチングTFT503やCMOS回路554の配線による外光の反射を低減するためにも設けられている。そのためスイッチングTFT503やCMOS回路554と重なるように設ける。なお、ブラックマトリクス524は、容量素子504に重なるように形成してもよい。容量素子504を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
そして、対向電極523、配向膜526を設ける。配向膜526にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
なおTFTが有する配線、ゲート電極、画素電極506、対向電極523は、インジウム錫酸化物((Indium Tin Oxide(ITO))、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことができる。
このような対向基板520を、封止材528を用いて、基板501に貼り合わせる。封止材528は、ディスペンサ等を用いて、基板501上または対向基板520上に描画することができる。また基板501と、対向基板520との間隔を保持するため、画素部405、駆動回路部408の一部にスペーサ525を設ける。スペーサ525は、柱状、又は球状といった形状を有する。
このように貼り合わされた基板501及び対向基板520間に、液晶511を注入する。液晶を注入する場合、真空中で行うとよい。また液晶511は、注入法以外の方法により形成することができる。例えば、液晶511を滴下し、その後対向基板520を貼り合わせてもよい。このような滴下法は、注入法を適用しづらい大型基板を扱うときに適用するとよい。
液晶511は、液晶分子を有しており、液晶分子の傾きを画素電極506、及び対向電極523により制御する。具体的には、画素電極506と、対向電極523とに印加される電圧により制御する。このような制御は、駆動回路部408に設けられた制御回路を用いる。なお制御回路は、必ずしも基板501上に形成される必要はなく、接続端子510を介して接続された回路を用いてもよい。このとき、接続端子510と接続するために、導電性微粒子を有する異方性導電膜を用いることができる。また接続端子510の一部には、対向電極523が導通しており、対向電極523の電位をコモン電位とすることができる。例えば、バンプ537を用いて導通をとることができる。
次いで、バックライトユニット552の構成について説明する。バックライトユニット552は、光を発する光源531として冷陰極管、熱陰極管、ダイオード、無機EL、有機ELが、光を効率よく導光板535に導くためのランプリフレクタ532、光が全反射しながら全面に光を導くための導光板535、明度のムラを低減するための拡散板536、導光板535の下に漏れた光を再利用するための反射板534を有するように構成されている。
バックライトユニット552には、光源531の輝度を調整するための制御回路が接続されている。制御回路からの信号供給により、光源531の輝度を制御することができる。
また、本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いる。もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。図6に示すように基板501とバックライトユニット552の間には積層された偏光板516が設けられ、対向基板520にも積層された偏光板521が設けられている。
すなわち、基板501には、基板側から順に、積層された偏光板516として偏光板543及び偏光板544を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板543及び544は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また、対向基板520には、基板側から順に、積層された偏光板521として偏光板541及び偏光板542を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板541及び542は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板516及び521は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
また偏光板541と偏光板542の消衰係数は異なるものであり、偏光板543と偏光板544の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板541と偏光板542の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい、偏光板543と偏光板544の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図6では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
このような液晶表示装置に対して、積層された偏光板を設けたことにより、コントラスト比を高めることができる。消衰係数が異なる偏光板を用いることにより、あるいは、消衰係数の波長分布が異なる偏光板を用いることにより、より広い範囲の波長範囲の光を吸収することができ、よりコントラスト比を高めることができる点で好ましい。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態6]
本実施の形態では、積層構造を有する偏光子を有するが、実施の形態5と異なり、非晶質半導体膜を有するTFTを用いた液晶表示装置について説明する。
なお実施の形態5と同じものは同じ符号で示し、特に記載のないものは実施の形態5を援用する。
図7には、スイッチング用素子に非晶質半導体膜を用いたトランジスタ(以下、非晶質TFTと呼ぶ)液晶表示装置の構成について説明する。画素部405には、非晶質TFTからなるスイッチングTFT533が設けられている。非晶質TFTは、公知の方法により形成することができるが、例えばチャネルエッチ型の場合、下地膜502上にゲート電極を形成し、ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜、n型半導体膜、非晶質半導体膜、ソース電極及びドレイン電極を形成する。ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成する。このとき、非晶質半導体膜の一部も除去されるため、チャネルエッチ型と呼ぶ。その後、保護膜507を形成して、非晶質TFTを形成することができる。また非晶質TFTは、チャネル保護型もあり、ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成するとき、非晶質半導体膜が除去されないように保護膜を設ける。その他の構成は、チャネルエッチ型と同様とすることができる。
そして、図6と同様に配向膜508を形成し、ラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
また図6と同様に対向基板520を用意し、封止材528により貼り合わせる。これらの間に、液晶511を封入することにより液晶表示装置を形成することができる。
また図6と同様に、本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いる。もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。図6に示すように基板501とバックライトユニット552の間には積層された偏光板516が設けられ、対向基板520にも積層された偏光板521が設けられている。
すなわち、基板501には、基板側から順に、積層された偏光板516として偏光板543及び偏光板544を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板543及び544は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また、対向基板520には、基板側から順に、積層された偏光板521として偏光板541及び偏光板542を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板541及び542は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板516及び521は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
また偏光板541と偏光板542の消衰係数は異なるものであり、偏光板543と偏光板544の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板541と偏光板542の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板543と偏光板544の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図7では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
このようにスイッチングTFT533として非晶質TFTを用いて、液晶表示装置を形成する場合、動作性能を考慮して、駆動回路部408には、シリコンウェハから形成されるIC421をドライバとして実装することができる。例えば、IC421が有する配線と、スイッチングTFT533に接続される配線とを、導電性微粒子422を有する異方性導電体を用いて、接続することにより、スイッチングTFT533を制御する信号を供給することができる。なおIC421の実装方法はこれに限定されず、ワイヤボンディング法により実装することもできる。
またさらに、接続端子510を介して、制御回路と接続することができる。このとき、接続端子510と接続するために、導電性微粒子422を有する異方性導電膜を用いることができる。
その他の構成は、図6と同様であるため、説明を省略する。
このような液晶表示装置に対して、積層された偏光板を設けたことにより、コントラスト比を高めることができる。また本発明において複数の偏光板は、積層構造を有する偏光板とすることができ、消衰係数が異なる偏光板を用いることにより、あるいは消衰係数の波長分布が異なる偏光板を用いることにより、より広い範囲の波長範囲の光を吸収することができ、よりコントラスト比を高めることができる点で好ましい。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態7]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について説明する。
図8(A)には、積層構造を有する偏光子を設けた表示装置の断面図、図8(B)には表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図8(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板161及び第2の基板162に、液晶素子を有する層160が挟持されている。基板161及び162として透光性基板を用い、このような透光性基板には、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また透光性基板には、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板161及び162それぞれの外側、つまり液晶素子を有する層160と接しない側には、積層された偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
基板161及び162のそれぞれの外側、つまり液晶素子を有する層160と接しない側には、順に位相差板(位相差フィルム、波長板ともいう)、積層された偏光板が設けられている。第1の基板161側には、順に第1の位相差板171、第1の偏光板163、第2の偏光板164が設けられている。第2の基板162側には、順に第2の位相差板172、第3の偏光板165、第4の偏光板166が設けられている。位相差板は、広視野角化または反射防止効果を目的として用いられ、反射防止として使用する場合は、位相差板171及び172として1/4波長板が用いられる。
これら偏光板163〜166は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
また第1の偏光板163と第2の偏光板164の消衰係数は異なるものであり、第3の偏光板165と第4の偏光板166の消衰係数は異なるものである。あるいは第1の偏光板163と第2の偏光板164の消衰係数の波長分布が異なっていてもよく、第3の偏光板165と第4の偏光板166の消衰係数の波長分布が異なっていてもよい。
また図8(A)〜図8(B)では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
位相差フィルムは、液晶をハイブリット配向させたフィルム、液晶を捻れ配向させたフィルム、1軸性位相差フィルム、又は2軸性位相差フィルムが挙げられる。このような位相差フィルムは表示装置の広視野角化を図ることができる。
1軸性位相差フィルムは、樹脂を一方向に延伸させて形成される。また2軸性位相差フィルムは、樹脂を横方向に1軸延伸させた後、縦方向に弱く1軸延伸させて形成される。ここで用いられる樹脂にはシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネイト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリオフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
なお液晶をハイブリット配向させたフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを支持体としディスコティック液晶またはネマティック液晶をハイブリット配向させて形成させたフィルムである。位相差フィルムは、偏光板と貼り合わせた状態で、透光性基板に貼り付けることができる。
次に図8(B)に示す斜視図をみると、第1の偏光板163の吸収軸181と、第2の偏光板164の吸収軸182とは平行となるように積層されている。この平行状態を、パラレルニコルと呼ぶ。同様に、第3の偏光板165の吸収軸183と、第4の偏光板166の吸収軸184とを平行となるように、つまりパラレルニコルとなるように積層する。
このように積層された偏光板は、パラレルニコルとなるように配置される。
積層された偏光板同士、つまり対向する偏光板同士は、吸収軸は直交をなすように配置する。この直交状態を、クロスニコルと呼ぶ。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。また、透過軸同士が直交となる場合もクロスニコルと呼ぶことができる。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして対向する偏光板同士をクロスニコルとなるように配置することにより、偏光板単層同士のクロスニコルと比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
さらに本発明は位相差板を有するため、反射防止効果のある表示装置または広視野角な表示装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態8]
本実施の形態では、実施の形態7で述べた液晶表示装置の具体的な構成について説明する。
なお図9に示す液晶表示装置は、図6と同じものは同じ符号で示し、特に記載のないものは図6の説明を援用する。
図9には、積層された偏光板を設けた液晶表示装置の断面図を示す。
液晶表示装置は、画素部405、及び駆動回路部408を有する。画素部405、及び駆動回路部408において、基板501上に、下地膜502が設けられている。基板501には、実施の形態7と同様の絶縁基板を適用することができる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較して耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置することによっても採用することが可能となる。
画素部405には、下地膜502を介してスイッチング素子となるトランジスタが設けられている。本実施の形態では、トランジスタに薄膜トランジスタ((Thin Film Transistor(TFT))を用い、これをスイッチングTFT503とする。TFTは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導体膜を適用する。結晶性半導体膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。該ゲート電極を用いて該活性層へ不純物元素を添加することができる。このようにゲート電極を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要はない。ゲート電極は、単層構造、又は積層構造を有することができる。不純物領域は、その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができる。このように低濃度不純物領域を有するTFTを、LDD(Light doped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるように形成することができ、このようなTFTを、GOLD(Gate Overlaped LDD)構造と呼ぶ。
なおTFTはトップゲート型TFTであってもボトムゲート型TFTであってもよく、必要に応じて作製すればよい。
図9においては、GOLD構造を有するスイッチングTFT503を示す。またスイッチングTFT503の極性は、不純物領域にリン(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すればよい。その後、ゲート電極等を覆う保護膜を形成する。保護膜に混入された水素元素により、結晶性半導体膜のダングリングボンドを終端することができる。
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁膜505を形成してもよい。層間絶縁膜505には、有機材料、又は無機材料、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。そして、層間絶縁膜505、保護膜、ゲート絶縁膜に開口部を形成し、不純物領域と接続された配線を形成する。このようにして、スイッチングTFT503を形成することができる。なお本発明は、スイッチングTFT503の構成に限定されるものではない。
そして、配線に接続された画素電極506を形成する。
またスイッチングTFT503と同時に、容量素子504を形成することができる。本実施の形態では、ゲート電極と同時に形成された導電膜、保護膜及び層間絶縁膜505、画素電極506の積層体により、容量素子504を形成する。
また結晶性半導体膜を用いることにより、画素部405と駆動回路部408を同一基板上に一体形成することができる。その場合、画素部405のトランジスタと、駆動回路部408のトランジスタとは同時に形成される。駆動回路部408に用いるトランジスタは、CMOS回路を構成するため、CMOS回路554と呼ぶ。CMOS回路554を構成するTFTは、スイッチングTFT503と同様の構成とすることができる。またGOLD構造に変えて、LDD構造を用いることができ、必ずしも同様の構成とする必要はない。
画素電極506を覆うように配向膜508を形成する。配向膜508にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
次に対向基板520を用意する。対向基板520の内側、つまり液晶に接する側には、カラーフィルタ522、及びブラックマトリクス(BM)524を設けることができる。これらは公知の方法で作製することができるが、所定の材料が滴下される液滴吐出法(代表的にはインクジェット法)により形成すると、材料の無駄をなくすことができる。カラーフィルタ等は、スイッチングTFT503が配置されない領域に設ける。すなわち、光の透過領域、つまり開口領域と対向するようにカラーフィルタを設ける。なお、カラーフィルタ等は、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
なお、バックライトにRGBのダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合がある。ブラックマトリクス524は、スイッチングTFT503やCMOS回路554の配線による外光の反射を低減するためにも設けられている。そのためスイッチングTFT503やCMOS回路554と重なるように設ける。なお、ブラックマトリクス524は、容量素子504に重なるように形成してもよい。容量素子504を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
そして、対向電極523、配向膜526を設ける。配向膜526にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
なおTFTが有する配線、ゲート電極、画素電極506、対向電極523は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことができる。
このような対向基板520を、封止材528を用いて、基板501に貼り合わせる。封止材528は、ディスペンサ等を用いて、基板501上または対向基板520上に描画することができる。また基板501と、対向基板520との間隔を保持するため、画素部405、駆動回路部408の一部にスペーサ525を設ける。スペーサ525は、柱状、又は球状といった形状を有する。
このように貼り合わされた基板501及び対向基板520間に、液晶511を注入する。液晶を注入する場合、真空中で行うとよい。また液晶511は、注入法以外の方法により形成することができる。例えば、液晶511を滴下し、その後対向基板520を貼り合わせてもよい。このような滴下法は、注入法を適用しづらい大型基板を扱うときに適用するとよい。
液晶511は、液晶分子を有しており、液晶分子の傾きを画素電極506、及び対向電極523により制御する。具体的には、画素電極506と、対向電極523とに印加される電圧により制御する。このような制御は、駆動回路部408に設けられた制御回路を用いる。なお制御回路は、必ずしも基板501上に形成される必要はなく、接続端子510を介して接続された回路を用いてもよい。このとき、接続端子510と接続するために、導電性微粒子を有する異方性導電膜を用いることができる。また接続端子510の一部には、対向電極523が導通しており、対向電極523の電位をコモン電位とすることができる。例えば、バンプ537を用いて導通をとることができる。
次いで、バックライトユニット552の構成について説明する。バックライトユニット552は、光を発する光源531として冷陰極管、熱陰極管、ダイオード、無機EL、有機ELが、光を効率よく導光板535に導くためのランプリフレクタ532、光が全反射しながら全面に光を導くための導光板535、明度のムラを低減するための拡散板536、導光板535の下に漏れた光を再利用するための反射板534を有するように構成されている。
バックライトユニット552には、光源531の輝度を調整するための制御回路が接続されている。制御回路からの信号供給により、光源531の輝度を制御することができる。
また、本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いる。もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。図9に示すように基板501とバックライトユニット552の間には位相差板547及び積層された偏光板516が設けられ、対向基板520にも位相差板546及び積層された偏光板521が設けられている。積層された偏光板と、位相差フィルムとは貼り合わされた状態で、基板501と520のそれぞれに接着することができる。
すなわち、基板501には、基板側から順に、位相差板547と、積層された偏光板516として偏光板543及び偏光板544を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板543及び544は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また、対向基板520には、基板側から順に、位相差板546と、積層された偏光板521として偏光板541及び偏光板542を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板541及び542は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板516及び521は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
また偏光板541と偏光板542の消衰係数は異なるものであり、偏光板543と偏光板544の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板541と偏光板542の消衰係数の波長分布は異ならせてもよく、偏光板543と偏光板544の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図9では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
積層された偏光板を有することにより、コントラスト比を高めることができる。また、位相差板により、反射防止効果のある表示装置または広視野角な表示装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態9]
本実施の形態では、積層された偏光板を有するが、実施の形態8と異なり、非晶質半導体膜を有するTFTを用いた液晶表示装置について説明する。
図10には、スイッチング用素子に非晶質半導体膜を用いたトランジスタ(以下、非晶質TFTと呼ぶ)液晶表示装置の構成について説明する。画素部405には、非晶質TFTからなるスイッチングTFT533が設けられている。非晶質TFTは、公知の方法により形成することができるが、例えばチャネルエッチ型の場合、下地膜502上にゲート電極を形成し、ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜、n型半導体膜、非晶質半導体膜、ソース電極及びドレイン電極を形成する。ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成する。このとき、非晶質半導体膜の一部も除去されるため、チャネルエッチ型と呼ぶ。その後、保護膜507を形成して、非晶質TFTを形成することができる。また非晶質TFTは、チャネル保護型もあり、ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成するとき、非晶質半導体膜が除去されないように保護膜を設ける。その他の構成は、チャネルエッチ型と同様とすることができる。
そして、図9と同様に配向膜508を形成し、ラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモードによって、処理を行わないときがある。
また図9と同様に対向基板520を用意し、封止材528により貼り合わせる。これらの間に、液晶511を封入することにより液晶表示装置を形成することができる。
また、本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いる。もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。図10に示すように、図9と同様に、基板501とバックライトユニット552の間には位相差板547及び積層された偏光板516が設けられ、対向基板520にも位相差板546及び積層された偏光板521が設けられている。積層された偏光板と、位相差フィルムとは貼り合わされた状態で、基板501と520のそれぞれに接着することができる。
すなわち、基板501には、基板側から順に、位相差板(位相差フィルム、波長板ともいう)547と、積層された偏光板516として偏光板543及び偏光板544を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板543及び544は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また、対向基板520には、基板側から順に、位相差板546と、積層された偏光板521として偏光板541及び偏光板542を積層したものが設けられている。このとき積層された偏光板541及び542は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板516及び521は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
また偏光板541と偏光板542の消衰係数は異なるものであり、偏光板543と偏光板544の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板541と偏光板542の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板543と偏光板544の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図10では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
積層された偏光板を有することにより、コントラスト比を高めることができる。また位相差板により、広視野角の表示装置を提供することができる。
このようにスイッチングTFT533として非晶質TFTを用いて、液晶表示装置を形成する場合、動作性能を考慮して、駆動回路部408には、シリコンウェハから形成されるIC421をドライバとして実装することができる。例えば、IC421が有する配線と、スイッチングTFT533に接続される配線とを、導電性微粒子422を有する異方性導電体を用いて、接続することにより、スイッチングTFT533を制御する信号を供給することができる。なおICの実装方法はこれに限定されず、ワイヤボンディング法により実装することもできる。
またさらに、接続端子510を介して、制御回路と接続することができる。このとき、接続端子510と接続するために、導電性微粒子422を有する異方性導電膜を用いることができる。
その他の構成は、図9と同様であるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態10]
本実施の形態では、バックライトの構成について説明する。バックライトは光源を有するバックライトユニットとして表示装置に設けられ、バックライトユニットは効率よく光を散乱させるため、光源は反射板により囲まれている。
本実施の形態のバックライトは、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態8及び実施の形態9で述べられた、バックライトユニット552として用いられる。
図11に示すように、バックライトユニット552は、光源として冷陰極管571を用いることができる。また、冷陰極管571からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ532を設けることができる。冷陰極管571は、大型表示装置に用いることが多い。これは冷陰極管からの輝度の強度のためである。そのため、冷陰極管を有するバックライトユニットは、パーソナルコンピュータのディスプレイに用いることができる。
図12に示すように、バックライトユニット552は、光源としてダイオード(LED)572を用いることができる。例えば、白色に発するダイオード(W)572を所定の間隔に配置する。また、ダイオード(W)572からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ532を設けることができる。
また図13(A)に示すように、バックライトユニット552は、光源として各色RGBのダイオード(LED)、すなわち赤色に発するダイオード(R)573、緑色に発するダイオード(G)574、青色に発するダイオード(B)575を用いることができる。各色RGBのダイオード(LED)573、574、575を用いることにより、白色を発するダイオード(W)572のみと比較して、色再現性を高くすることができる。また、ダイオード(R)573、ダイオード(G)574及びダイオード(B)575からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ532を設けることができる。
またさらに図13(B)に示すように、光源として各色RGBのダイオード(LED)573、574、575を用いる場合、それらの数や配置を同じとする必要はない。例えば、発光強度の低い色(例えば緑)を複数配置してもよい。
さらに白色を発するダイオード(W)572と、各色RGBのダイオード(LED)573、574、575とを組み合わせて用いてもよい。
なおRGBのダイオードを有する場合、フィールドシーケンシャルモードを適用すると、時間に応じてRGBのダイオードを順次点灯させることによりカラー表示を行うことができる。
ダイオードを用いると、輝度が高いため、大型表示装置に適する。また、RGB各色の色純度が良いため冷陰極管と比べて色再現性に優れており、配置面積を小さくすることができるため、小型表示装置に適用すると、狭額縁化を図ることができる。
また、光源を必ずしも図11、図12、図13(A)〜図13(B)に示すバックライトユニットとして配置する必要はない。例えば、大型表示装置にダイオードを有するバックライトを搭載する場合、ダイオードは該基板の背面に配置することができる。このときダイオードは、所定の間隔を維持し、各色のダイオードを順に配置させることができる。ダイオードの配置により、色再現性を高めることができる。
このようなバックライトを用いた表示装置に対し、積層された偏光子を設けることにより、コントラスト比の高い映像を提供することができる。特に、ダイオードを有するバックライトは、大型表示装置に適しており、大型表示装置のコントラスト比を高めることにより、暗所でも質の高い映像を提供することができる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態11]
本実施の形態では、本発明の反射型液晶表示装置の概念について、図14(A)〜図14(B)を用いて説明する。
図14(A)には、積層された偏光子を設けた液晶表示装置の断面図、図14(B)には該表示装置の斜視図を示す。
図14(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板601及び第2の基板602に、液晶素子を有する層600が挟持されている。
第1の基板601及び第2の基板602として、透光性基板を用いることができる。このような透光性基板には、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また透光性基板には、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板601の外側、つまり液晶素子を有する層600と接しない側には、順に位相差板(「位相差フィルム」、「波長板」ともいう)、積層された偏光子が設けられている。本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される偏光板を積層した構造を用いる。もちろん必要に応じて、図2(B)または図2(C)の構成を用いてもよい。
第1の基板601側には、順に位相差板621、第1の偏光板603、第2の偏光板604が設けられている。位相差板621の遅相軸は653で示される。外光は、第2の偏光板604、第1の偏光板603、位相差板621、基板601を通過し、液晶素子を有する層600に入射する。そして第2の基板602に設けられている反射性材料により反射されることにより、表示が行われる。
偏光板603及び604は、それぞれ直線偏光板であり、図2(A)の偏光板113及び114と同じものであるので、詳細な説明は省略する。
また偏光板603及び604の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板603及び604の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図14(A)〜図14(B)では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
位相差板(位相差フィルムともいう)621としては、1軸性位相差フィルム(例えば1/4波長板)が挙げられる。
1軸性位相差フィルムは、樹脂を一方向に延伸させて形成される。ここで用いられる樹脂にはシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネイト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリオフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
位相差フィルムは、偏光板と貼り合わせた状態で、基板に貼り付けることができる。
次に図14(B)に示す斜視図をみると、第1の直線偏光板603の吸収軸651と、第2の直線偏光板604の吸収軸652とは平行となるように積層されている。この平行状態を、パラレルニコルと呼ぶ。
このように積層された偏光板は、パラレルニコルとなるように配置される。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、黒表示を暗くでき、すなわち黒輝度を高めることができ、このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
さらに本発明は位相差板を有するため、反射光の写り込みを抑制できる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態12]
本実施の形態では、実施の形態11で述べた反射型液晶表示装置の具体的な構成について説明する。
図15には、積層された偏光子を設けた反射型液晶表示装置の断面図を示す。
本実施の形態の反射型液晶表示装置は、画素部405、及び駆動回路部408を有する。画素部405、及び駆動回路部408において、基板701上に、下地膜702が設けられている。基板701には、実施の形態11と同様の基板を適用することができる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較して耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置することによっても採用することが可能となる。
画素部405には、下地膜702を介してスイッチング素子となるトランジスタが設けられている。本実施の形態では、該トランジスタに薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))を用い、これをスイッチングTFT703と呼ぶ。
スイッチングTFT703や駆動回路部408に用いるTFTは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導体膜を適用する。結晶性半導体膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。ゲート電極を用いて活性層となる結晶性半導体膜へ不純物元素を添加して不純物領域を形成することができる。このようにゲート電極を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要はない。またゲート電極は、単層構造、又は積層構造を有することができる。
なおTFTはトップゲート型TFTであってもボトムゲート型TFTであってもよく、必要に応じて作成すればよい。
不純物領域は、その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができる。このように低濃度不純物領域を有するTFTを、LDD(Light doped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるように形成することができ、このようなTFTを、本明細書ではGOLD(Gate Overlaped LDD)構造と呼ぶ。
図15においては、GOLD構造を有するスイッチングTFT703を示す。またスイッチングTFT703の極性は、不純物領域にリン(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すればよい。
その後、ゲート電極等を覆う保護膜を形成する。保護膜に混入された水素元素により、結晶性半導体膜のダングリングボンドを終端することができる。
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁膜705を形成してもよい。層間絶縁膜705には、有機材料、又は無機材料、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。
そして、層間絶縁膜705、保護膜、ゲート絶縁膜に開口部を形成し、不純物領域と接続された配線を形成する。このようにして、スイッチングTFT703を形成することができる。なお本発明は、スイッチングTFT703の構成に限定されるものではない。
そして、配線に接続された画素電極706を形成する。
またスイッチングTFT703と同時に、容量素子704を形成することができる。本実施の形態では、ゲート電極と同時に形成された導電膜、保護膜及び層間絶縁膜705、画素電極706の積層体により、容量素子704を形成する。
また結晶性半導体膜を用いることにより、画素部と駆動回路部を同一基板上に一体形成することができる。その場合、画素部の薄膜トランジスタと、駆動回路部408の薄膜トランジスタとは同時に形成される。
駆動回路部408に用いる薄膜トランジスタは、CMOS回路を構成するため、CMOS回路754と呼ぶ。CMOS回路754を構成するTFTは、スイッチングTFT703と同様の構成とすることができる。またGOLD構造に変えて、LDD構造を用いることができ、必ずしも同様の構成とする必要はない。
画素電極706を覆うように配向膜708を形成する。配向膜708にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
次に対向基板720を用意する。対向基板720の内側、つまり液晶に接する側には、カラーフィルタ722、及びブラックマトリクス(BM)724を設けることができる。カラーフィルタ722及びブラックマトリクス724は公知の方法で作製することができるが、所定の材料が滴下される液滴吐出法(代表的にはインクジェット法)により形成すると、材料の無駄をなくすことができる。
カラーフィルタ722は、スイッチングTFT703が配置されない領域に設ける。すなわち、光の透過領域、つまり開口領域と対向するようにカラーフィルタ722を設ける。なお、カラーフィルタ722は、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
なお、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合がある。
ブラックマトリクス724は、スイッチングTFT703やCMOS回路754の配線による外光の反射を低減するためにも設けられている。そのためスイッチングTFT703やCMOS回路754と重なるように設ける。なお、ブラックマトリクス724は、容量素子704に重なるように形成してもよい。容量素子704を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
そして、対向電極723、配向膜726を設ける。配向膜726にはラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。
なお画素電極706は、反射性導電材料で形成する。このような反射性導電材料として、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことができる。反射電極である画素電極706により、外光はスイッチングTFT703やCMOS回路754の上方であり対向基板720側に反射される。
またTFTが有する配線やゲート電極は、画素電極706と同様の材料を用いて形成すればよい。
また対向電極723は、透光性導電材料により形成する。このような透光性導電材料として、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide(ITO))、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した導電材料、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ等を選ぶことができる。
このような対向基板720を、封止材728を用いて、基板701に貼り合わせる。封止材728は、ディスペンサ等を用いて、基板701上または対向基板720上に形成することができる。また基板701と、対向基板720との間隔を保持するため、画素部405、駆動回路部408の一部にスペーサ725を設ける。スペーサ725は、柱状、又は球状といった形状を有する。
このように貼り合わされた基板701及び対向基板720間に、液晶711を注入する。液晶を注入する場合、真空中で行うとよい。また液晶711は、注入法以外の方法により形成することができる。例えば、液晶711を滴下し、その後対向基板720を貼り合わせてもよい。このような滴下法は、注入法を適用しづらい大型基板を扱うときに適用するとよい。
液晶711は、液晶分子を有しており、液晶分子の傾きを画素電極706、及び対向電極723により制御する。具体的には、画素電極706と、対向電極723とに印加される電圧により制御する。このような制御は、駆動回路部408に設けられた制御回路を用いる。なお制御回路は、必ずしも基板701上に形成される必要はなく、接続端子710を介して接続された回路を用いてもよい。このとき、接続端子710と接続するために、導電性微粒子を有する異方性導電膜を用いることができる。また接続端子710の一部に、対向電極723を導通させ、対向電極723の電位をコモン電位としてもよい。
また、本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いる。もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。
対向基板720には、基板側から順に、位相差板741、積層された偏光板である偏光板742及び偏光板743が設けられている。積層された偏光板と、位相差板741とは貼り合わされた状態で、対向基板720に接着することができる。このとき積層された偏光板742及び743は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また偏光板742及び743の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板742及び743の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図15では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
積層された偏光板を有することにより、コントラスト比を高めることができる。また位相差フィルムにより、より黒輝度が高い表示装置を提供することができる。
なお本実施の形態では、必要であれば実施の形態11と組み合わせることが可能である。
また、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態13]
本実施の形態では、積層された偏光板を有するが、実施の形態12と異なり、非晶質半導体膜を有するTFTを用いた液晶表示装置について説明する。
図16には、スイッチング用素子に非晶質半導体膜を用いたトランジスタ(以下、非晶質TFTと呼ぶ)を有する反射型液晶表示装置の構成について説明する。
画素部405には、非晶質TFTからなるスイッチングTFT733が設けられている。非晶質TFTは、公知の方法により形成することができるが、例えばチャネルエッチ型の場合、下地膜702上にゲート電極を形成し、ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜、非晶質半導体膜、n型半導体膜、ソース電極及びドレイン電極を形成する。ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成する。このとき、非晶質半導体膜の一部も除去されるため、チャネルエッチ型と呼ぶ。その後、保護膜707を形成して、非晶質TFTを形成することができる。また非晶質TFTは、チャネル保護型もあり、ソース電極及びドレイン電極を用いて、n型半導体膜に開口部を形成するとき、非晶質半導体膜が除去されないように保護膜を設ける。その他の構成は、チャネルエッチ型と同様とすることができる。
そして、図15と同様に配向膜708を形成し、ラビング処理を施す。このラビング処理は液晶のモードによって、処理を行わないときがある。
また図15と同様に対向基板720を用意し、封止材728により貼り合わせる。これらの間に、液晶711を封入することにより反射型液晶表示装置を形成することができる。
対向基板720側には、基板側から順に、位相差板716、積層された偏光板である偏光板717及び偏光板718が設けられている。積層された偏光板717及び718と、位相差板716とは貼り合わされた状態で、対向基板720に接着することができる。このとき積層された偏光板717及び718は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
また偏光板717及び718の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板717及び718の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図16では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
積層された偏光板を有することにより、コントラスト比を高めることができる。また位相差板により、より黒輝度の高い表示装置を提供することができる。
このようにスイッチングTFT733として非晶質TFTを用いて、液晶表示装置を形成する場合、動作性能を考慮して、駆動回路部408には、シリコンウェハから形成されるIC421をドライバとして実装することができる。例えば、IC421が有する配線と、スイッチングTFT733に接続される配線とを、導電性微粒子422を有する異方性導電体を用いて、接続することにより、スイッチングTFT733を制御する信号を供給することができる。なおICの実装方法はこれに限定されず、ワイヤボンディング法により実装することもできる。
またさらに、接続端子710を介して、制御回路と接続することができる。このとき、接続端子710と接続するために、導電性微粒子422を有する異方性導電膜を用いることができる。
その他の構成は、図15と同様であるため、説明を省略する。
なお本実施の形態では、必要であれば実施の形態11〜実施の形態12と組み合わせることが可能である。
また、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態14]
本実施の形態では、実施の形態11〜実施の形態13とは別の構成を有する反射型液晶表示装置を、図17(A)〜図17(B)、図18、図19を用いて説明する。
ただし、図14(A)〜図14(B)、図15及び図16と同じ符号のものは同じものを示しており、異なるものについてのみ説明する。
図17(A)及び図17(B)の反射型液晶表示装置には、互いに対向するように配置された第1の基板801及び第2の基板802に、液晶素子を有する層800が挟持されている。
基板801の外側、つまり液晶素子を有する層800と接しない側には、順に位相差板及び積層された偏光板が設けられている。第1の基板801側には、順に位相差板821、第1の偏光板803、第2の偏光板804が設けられている。第1の偏光板803の吸収軸851と、第2の偏光板804の吸収軸852とは平行となるように積層されている。位相差板821の遅相軸は853で示される。外光は、第2の偏光板804、第2の偏光板803、位相差板821、基板801を通過し、液晶素子を有する層800に入射する。そして第2の基板802に設けられている反射性材料により反射されることにより、表示が行われる。
また第1の偏光板803と第2の偏光板804の消衰係数は異なるものである。あるいは第1の偏光板803と第2の偏光板804の消衰係数の波長分分布を異ならせてもよい。
本実施の形態の反射型液晶表示装置の具体的な構成を図18及び図19に示す。なお、図18においては図15、図19においては図16についての説明を援用し、同じものは同じ符号で示すものである。
図18はスイッチング素子として結晶性半導体膜を有するTFTを用いた反射型液晶表示装置、図19はスイッチング素子として非晶質半導体膜を有するTFTを用いた反射型液晶表示装置を表す。
図18において、スイッチングTFT703に接続された画素電極811は、透光性導電材料で形成されている。このような透光性導電材料としては、実施の形態12の対向電極523と同様の材料を用いることができる。
また対向電極812は、反射性導電材料で形成する。このような反射性導電材料として、実施の形態2の画素電極706と同様の材料を用いることができる。
またカラーフィルタ722及びブラックマトリクス724は、基板701のTFTが形成される表面と反対の表面に設けられる。さらに、位相差板825、第1の偏光板826及び第2の偏光板827が積層される。
また第1の偏光板826と第2の偏光板827の消衰係数は異なるものである。あるいは第1の偏光板826と第2の偏光板827の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
図19において、スイッチングTFT733に接続された画素電極831は、透光性導電材料で形成されている。このような透光性導電材料としては、実施の形態12の対向電極723と同様の材料を用いることができる。
また対向電極832は、反射性導電材料で形成する。このような反射性導電材料として、実施の形態12の画素電極706と同様の材料を用いることができる。
またカラーフィルタ722及びブラックマトリクス724は、基板701のTFTが形成される表面と反対の表面に設けられる。さらに、位相差板841、第1の偏光板842及び第2の偏光板843が積層される。
また偏光板842及び843の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板842及び843の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図17(A)〜図17(B)、図18及び図19では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
なお本実施の形態では、積層された偏光子として積層された偏光板を用いる構成(図2(A)参照)としたが、図2(B)〜図2(C)に示す構成を用いてもよい。
なお本実施の形態では、必要であれば実施の形態11〜実施の形態13と組み合わせることが可能である。
また、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態15]
本実施の形態では、実施の形態4〜実施の形態14の液晶表示装置が有する各回路等の動作について説明する。
図20(A)〜図20(C)及び図21には、液晶表示装置の画素部405及び駆動回路部408のシステムブロック図を示す。
画素部405は、複数の画素を有し、各画素となる信号線412と、走査線410との交差領域には、スイッチング素子が設けられている。スイッチング素子により液晶分子の傾きを制御するための電圧の印加を制御することができる。このように各交差領域にスイッチング素子が設けられた構造をアクティブ型と呼ぶ。本発明の画素部は、このようなアクティブ型に限定されず、パッシブ型の構成を有してもよい。パッシブ型は、各画素にスイッチング素子がないため、工程が簡便である。
駆動回路部408は、制御回路402、信号線駆動回路403、走査線駆動回路404を有する。制御回路402は、画素部405の表示内容に応じて、階調制御を行う機能を有する。そのため、制御回路402は、生成された信号を信号線駆動回路403、及び走査線駆動回路404に入力する。そして、走査線駆動回路404に基づき、走査線410を介してスイッチング素子が選択されると、選択された交差領域の画素電極に電圧が印加される。この電圧の値は、信号線駆動回路403から信号線を介して入力される信号に基づき決定される。
さらに、図6、図7、図9、図10に示す透過型液晶表示装置について、図20(A)に示す制御回路402では、照明手段406へ供給する電力を制御する信号が生成され、該信号は、照明手段406の電源407に入力される。照明手段には、図11〜図13に示すバックライトユニットを用いることができる。なお照明手段はバックライト以外にフロントライトもある。フロントライトとは、画素部の前面側に取りつけ、全体を照らす発光体および導光体で構成された板状のライトユニットである。このような照明手段により、低消費電力で、均等に画素部を照らすことができる。
一方、図15、図16、図18、図19に示す反射型液晶表示装置では、照明手段及び電源は必要ないので、図21に示す構成を用いればよい。
図20(B)に示すように走査線駆動回路404は、シフトレジスタ441、レベルシフタ442、バッファ443として機能する回路を有する。シフトレジスタ441にはゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GCK)等の信号が入力される。なお、本発明の走査線駆動回路は、図20(B)に示す構成に限定されない。
また図20(C)に示すように信号線駆動回路403は、シフトレジスタ431、第1のラッチ432、第2のラッチ433、レベルシフタ434、バッファ435として機能する回路を有する。バッファ435として機能する回路とは、弱い信号を増幅させる機能を有する回路であり、オペアンプ等を有する。レベルシフタ434には、スタートパルス(SSP)等の信号が、第1のラッチ432には映像信号401に基づいて生成されたビデオ信号等のデータ(DATA)が入力される。第2のラッチ433にはラッチ(LAT)信号を一時保持することができ、一斉に画素部405へ入力させる。これを線順次駆動と呼ぶ。そのため、線順次駆動ではなく、点順次駆動を行う画素であれば、第2のラッチは不要とすることができる。このように、本発明の信号線駆動回路は図20(C)に示す構成に限定されない。
このような信号線駆動回路403、走査線駆動回路404、画素部405は、同一基板状に設けられた半導体素子によって形成することができる。半導体素子は、ガラス基板に設けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。この場合、半導体素子には結晶性半導体膜を適用するとよい。結晶性半導体膜は、電気特性、特に移動度が高いため、駆動回路部が有する回路を構成することができる。また、信号線駆動回路403や走査線駆動回路404は、IC(Integrated Circuit)チップを用いて、基板上に実装することもできる。この場合、画素部の半導体素子には非晶質半導体膜を適用することができる(上記実施の形態参照)。
このような液晶表示装置において、積層された偏光子を設けることにより、コントラスト比を高めることができる。すなわち、積層された偏光子により、制御回路により制御される照明手段からの光及び反射光のコントラスト比を高めることができる。
また、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態16]
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する表示装置の概念について説明する。
本発明の構成においては、発光素子としてエレクトロルミネッセンスを利用した素子(エレクトロルミネッセンス素子)、プラズマを利用した素子や電界放出を利用した素子がある。エレクトロルミネッセンス素子は適用する材料により、有機EL素子、又は無機EL素子と区別されうる。このような発光素子を有する表示装置を発光装置とも記す。本実施の形態では、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いてる。
図22に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板1101及び第2の基板1102に、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1100が挟持されている。なお、図22(A)は、本実施の形態の表示装置の断面図であり、図22(B)は本実施の形態の表示装置の斜視図である。
図22(B)において、エレクトロルミネッセンス素子からの光は、第1の基板1101側及び第2の基板1102側(点線矢印方向)に発光した光を放射することが可能である。第1の基板1101及び第2の基板1102として透光性基板を用いる。透光性基板には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
第1の基板1101及び第2の基板1102のそれぞれの外側、つまりエレクトロルミネッセンス素子を有する層1100と接しない側には、積層された偏光子が設けられている。エレクトロルミネッセンス素子より射出される光は、偏光子により直線偏光にされる。すなわち、積層された偏光子は、積層された直線偏光子と記すことができる。積層された偏光子は、2つ以上の偏光子が積層された状態を指す。本実施の形態においては2つの偏光子が積層された表示装置について例示し、積層される2つの偏光子については図22(A)に示すように接して積層されているものとする。
この偏光子の積層の構成は、実施の形態2を援用することができる。本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)の構成を用いるが、図2(B)または図2(C)の構成を用いても構わない。
また図22(A)〜図22(B)では偏光子を2つ積層した例を示しているが、3つ以上積層しても構わない。
第1の基板1101の外側には、積層された偏光板1131として、順に第1の偏光板1111、第2の偏光板1112が設けられている。第1の偏光板1111の吸収軸1151と、第2の偏光板1112の吸収軸1152とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光板1111と、第2の偏光板1112、つまり積層された偏光板1131はパラレルニコルとなるように配置される。
また第2の基板1102の外側には、積層された偏光板1132として、順に第3の偏光板1121、第4の偏光板1122が設けられている。第3の偏光板1121の吸収軸1153と、第4の偏光板1122の吸収軸1154とは平行になるように配置される。すなわち第3の偏光板1121と、第4の偏光板1122、つまり積層された偏光板1132はパラレルニコルとなるように配置される。
そして、第1の基板1101に設けられた、積層された偏光板1131の吸収軸1151(及び1152)と、第2の基板1102に設けられた、積層された偏光板1132の吸収軸1153(及び1154)とは直交することを特徴とする。すなわち、積層された偏光板1131と積層された偏光板1132、つまり対向する積層された偏光板はクロスニコルをなすように配置する。
これら偏光板1111、1112、1121、1122は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
このように積層された偏光板同士の透過軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして、対向する偏光板同士をクロスニコルとなるように配置する。このような積層された偏光板を有することにより、単に偏光板単層同士がクロスニコルとなるように配置された構成と比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また偏光板1111と偏光板1112の消衰係数は異なるものであり、偏光板1121と偏光板1122の消衰係数が異なるものである。あるいは偏光板1111と偏光板1112の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板1121と偏光板1122の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態17]
本実施の形態では、図23を用いて、本発明の表示装置の断面図を例示する。
絶縁表面を有する基板(以下、絶縁基板と記す)1201上に絶縁層を介して薄膜トランジスタが形成される。薄膜トランジスタ((Thin Film Transistor)TFTとも記す)は、所定の形状に加工された半導体層、半導体層を覆うゲート絶縁層、ゲート絶縁層を介して半導体層上に設けられたゲート電極、半導体膜中の不純物層に接続されるソース電極、又はドレイン電極を有する。
半導体層に用いられる材料は珪素を有する半導体材料であり、結晶状態は非晶質状態、微結晶状態、結晶状態のいずれであってもよい。ゲート絶縁膜を代表とする絶縁層は、好ましくは無機材料を用いるとよく、窒化珪素、又は酸化珪素を用いることができる。ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極は導電性材料から形成すればよく、タングステン、タンタル、アルミニウム、チタン、銀、金、モリブデン、銅等を有する。
本実施の形態の表示装置は、画素部1215、駆動回路部1218に大きく分けることができ、画素部1215に設けられた薄膜トランジスタ1203はスイッチング素子として、駆動回路部1218に設けられた薄膜トランジスタ1204はCMOS回路として用いられる。CMOS回路として用いるためには、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとから構成される。駆動回路部1218に設けられたCMOS回路により、薄膜トランジスタ1203を制御することができる。
なお図23では薄膜トランジスタとしてトップゲート型TFTを示しているが、ボトムゲート型TFTを用いてもよい。
薄膜トランジスタ1203及び1204を覆うように、積層構造、又は単層構造からなる絶縁層1205が形成される。絶縁層1205は、無機材料又は有機材料から形成することができる。
無機材料として、窒化珪素、酸化珪素を用いることができる。有機材料として、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンとは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を含む液体材料を出発原料として形成される。無機材料を用いて形成すると、下方の凹凸に沿うような表面状態となり、有機材料を用いて形成すると、表面は平坦化される。例えば、絶縁層1205において平坦性が要求される場合、有機材料を用いて形成するとよい。なお、無機材料であっても厚膜化することによって、平坦性を備えることができる。
ソース電極又はドレイン電極は、絶縁層1205等に設けられた開口部に導電層を形成して作製される。このとき、絶縁層1205上の配線として機能するような導電層を形成することができる。またゲート電極の導電層と、絶縁層1205と、ソース電極又はドレイン電極の導電層によって、容量素子1214を形成することができる。
そして、ソース電極又はドレイン電極のいずれか一と接続される第1の電極1206を形成する。第1の電極1206は透光性を有する材料を用いて形成する。透光性を有する材料とは、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide(ITO))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide(IZO))、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。またLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(弗化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属等の非透光性材料であっても、非常に薄い膜厚とすることにより、透光性を有することができるため、非透光性材料を第1の電極1206に用いてもよい。
第1の電極1206の端部を覆うように、絶縁層1210を形成する。絶縁層1210は絶縁層1205と同様に形成することができる。第1の電極1206の端部を覆うため、絶縁層1210に対して開口部を設ける。開口部の端面は、テーパ形状を有するとよく、その後形成される層の段切れを防止することができる。例えば、絶縁層1210に非感光性樹脂、又は感光性樹脂を用いる場合、露光条件により、開口部の側面にテーパを設けることができる。
その後、絶縁層1210の開口部に電界発光層1207を形成する。電界発光層は、各機能を有する層、具体的には正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する。また各層の境界は必ずしも明確となっておらず、その一部が混在している場合もある。
具体的な発光層を形成する材料を例示すると、赤色系の発光を得たいときには、発光層に、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナイト]イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir[Fdpq]2acac)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、600nmから700nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
緑色系の発光を得たいときは、発光層に、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、500nmから600nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また青色系の発光を得たいときは、発光層に、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、400nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また白色系の発光を得たいときは、TPD(芳香族ジアミン)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、Alq3を蒸着法等により積層した構成を用いることができる。
その後、第2の電極1208を形成する。第2の電極1208は、第1の電極1206と同様に形成することができる。第1の電極1206、電界発光層1207、第2の電極1208を有する発光素子1209を形成することができる。
このとき、第1の電極1206、及び第2の電極1208が透光性を有するため、電界発光層1207から光を両方向へ発光させることができる。このような両方向へ発光させることができる表示装置を両面発光型の表示装置と呼ぶことができる。
その後、封止材1228により、絶縁基板1201と、対向基板1220とを貼り合わせる。本実施の形態では、封止材1228は駆動回路部1218の一部上に設けられているため、狭額縁化を図ることができる。勿論、封止材1228の配置はこれに限定されるものではなく、駆動回路部1218の外側に設けてもよい。
貼り合わせたことにより形成される空間には、窒素等の不活性気体が封入されたり、透光性を有し、吸湿性の高い樹脂材料で充填する。その結果、発光素子1209の劣化の一要因となる水分や酸素の侵入を防止することができる。また、絶縁基板1201と、対向基板1220との間隔を保持するため、スペーサを設けてもよく、スペーサに吸湿性を持たせてもよい。スペーサは、球状又は柱状の形状を有する。
また対向基板1220には、カラーフィルタやブラックマトリクスを設けることができる。カラーフィルタにより、単色発光層、例えば白色発光層を用いる場合であっても、フルカラー表示が可能となる。また各RGBの発光層を用いる場合であっても、カラーフィルタを設けることにより、射出される光の波長を制御することができ、綺麗な表示を提供することができる。またブラックマトリクスにより、配線等による外光の反射を低減することができる。
その後、絶縁基板1201の外側に、積層された偏光板1219として順に第1の偏光板1216及び第2の偏光板1217、並びに、対向基板1220の外側に、積層された偏光板1229として順に第3の偏光板1226及び第4の偏光板1227を設ける。すなわち、絶縁基板1201及び対向基板1220のそれぞれ外側に、積層された偏光板1219及び1229を設ける。
このとき偏光板1216及び1217は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。また偏光板1226及び1227についても、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板1219及び1229は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
その結果、黒色表示を暗くすることができ、すなわち黒輝度を高めることができ、コントラスト比を高めることができる。
本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いるが、もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。
また偏光板1216と偏光板1217の消衰係数は異なるものであり、偏光板1226と偏光板1227の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1216と偏光板1217の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板1226と偏光板1227の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図23では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
本実施の形態では、駆動回路部も絶縁基板1201上に一体形成する形態を示したが、駆動回路部はシリコンウェハから形成されたIC回路を用いてもよい。その場合、IC回路からの映像信号等は、接続端子等を介して、スイッチング用の薄膜トランジスタ1203に入力することができる。
なお本実施の形態では、アクティブ型の表示装置を用いて説明したが、パッシブ型の表示装置であっても、積層された偏光板を設けることができる。その結果、コントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態18]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について説明する。本実施の形態では、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いて説明する。
図24に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板1301及び第2の基板1302に、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1300が挟持されている。エレクトロルミネッセンス素子からの光は、第1の基板1301側及び第2の基板1302側(点線矢印方向)に発光した光を放射することが可能である。
第1の基板1301及び第2の基板1302として透光性基板を用いる。透光性基板としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
第1の基板1301及び第2の基板1302の外側、つまりエレクトロルミネッセンス素子を有する層1300と接しない側には、位相差板及び積層された偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。光は、位相差板により円偏光され、偏光板により直線偏光される。すなわち、積層された偏光子は、積層された直線偏光子と記すことができる。積層された偏光子は、2つ以上の偏光子が積層された状態を指す。
第1の基板1301の外側には、順に第1の位相差板1313、積層された偏光板1315である第1の偏光板1311、第2の偏光板1312が設けられている。本実施の形態では、位相差板1313及び後述する位相差板1323としては1/4波長板を用いる。
このように位相差板、積層された偏光板とを合わせて、積層された偏光板(直線偏光板)を有する円偏光板とも記す。第1の偏光板1311の吸収軸1335と、第2の偏光板1312の吸収軸1336とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光板1311と、第2の偏光板1312、つまり積層された偏光板1315はパラレルニコルとなるように配置される。
また位相差板1313の遅相軸1331は、第1の偏光板1311の吸収軸1335及び第2の偏光板1312の吸収軸1336と45°ずれるように配置される。
図25(A)には、吸収軸1335(及び1336)と遅相軸1331のずれ角を示す。遅相軸1331が135°をなし、吸収軸1335(及び1336)は90°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
また第2の基板1302の外側には、順に第2の位相差板1323、積層された偏光板1325として第3の偏光板1321、第4の偏光板1322が設けられている。このように位相差板と積層された偏光板とを、積層された偏光板を有する円偏光板とも記す。第3の偏光板1321の吸収軸1337と、第4の偏光板1322の吸収軸1338とは平行になるように配置される。すなわち第3の偏光板1321と、第4の偏光板1322、つまり積層された偏光板1325はパラレルニコルとなるように配置される。
また位相差板1323の遅相軸1332は、第3の偏光板1321の吸収軸1337及び第4の偏光板1322の吸収軸1338と45°ずれるように配置される。
図25(B)には、吸収軸1337(及び1338)と遅相軸1332のずれ角を示す。遅相軸1332が45°をなし、吸収軸1337(及び1338)は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。すなわち第1の直線偏光板1311の吸収軸1335(及び第2の直線偏光板1312の吸収軸1336)に対し、第1の位相差板1313の遅相軸1331が45°ずれるように配置され、第3の直線偏光板1321の吸収軸1337(及び第4の直線偏光板1322の吸収軸1338)に対し、第2の位相差板1323の遅相軸1332が45°ずれるように配置される。
そして、第1の基板1301に設けられた、積層された偏光板1315の吸収軸1335(及び1336)と、第2の基板1302に設けられた、積層された偏光板1325の吸収軸1337(及び1338)とは直交することを特徴とする。すなわち、積層された偏光板1315と、積層された偏光板1325、つまり対向する偏光板はクロスニコルをなすように配置する。
また図25(C)には、吸収軸1335及び遅相軸1331を実線で示し、吸収軸1337及び遅相軸1332を点線で示し、これらを重ねた状態を示す。図2(C)より、吸収軸1335と吸収軸1337はクロスニコル状態を有し、且つ遅相軸1331と遅相軸1332ともクロスニコル状態を有することがわかる。
本明細書では、吸収軸と遅相軸のずれ、吸収軸同士のずれ、遅相軸同士のずれを述べるときは上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
これら偏光板1311、1312、1321、1322は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
また偏光板1311と偏光板1312の消衰係数は異なるものであり、偏光板1321と偏光板1322の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1311と偏光板1312の消衰係数の波長分布が異なっていてもよく、偏光板1321と偏光板1322の消衰係数の波長分布が異なっていてもよい。
また図24では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
また位相差板の特性上、遅相軸と直交方向には進相軸がある。そのため、偏光板との配置は、遅相軸だけではなく進相軸を用いて決定することができる。本実施の形態では、吸収軸と遅相軸が45°ずれるように配置するため、言い換えると、吸収軸と進相軸とが135°ずれるように配置することとなる。
そして、円偏光板には位相差板を数枚重ね合わせることによって位相差が90度の波長範囲を広げることができる広帯域化された円偏光板があるが、この場合においても第1の基板1301の外側に配置する各位相差板の遅相軸と第2の基板1302の外側に配置する各位相差板とで同じ位相差板の遅相軸同士は90度に配置され、かつ対向する偏光板の吸収軸同士はクロスニコル配置であればよい。
なお本明細書では、吸収軸同士のずれ、吸収軸と遅相軸のずれ、遅相軸同士のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして、対向する偏光板同士をクロスニコルとなるように配置する。このような偏光板を有する円偏光板を設けることにより、偏光板単層同士がクロスニコルとなるように配置された円偏光板と比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
[実施の形態19]
本実施の形態では、図26を用いて、本発明の表示装置の断面図を例示する。
なお図26に示す表示装置は、図23と同じものは同じ符号で示し、特に記載のないものは図23の説明を援用する。
絶縁表面を有する基板(以下、絶縁基板と記す)1201上に絶縁層を介して薄膜トランジスタが形成される。薄膜トランジスタ((Thin Film Transistor)TFTとも記す)は、所定の形状に加工された半導体層、半導体層を覆うゲート絶縁層、ゲート絶縁層を介して半導体層上に設けられたゲート電極、半導体膜中の不純物層に接続されるソース電極、又はドレイン電極を有する。半導体層に用いられる材料は珪素を有する半導体材料であり、結晶状態は非晶質状態、微結晶状態、結晶状態のいずれであってもよい。ゲート絶縁膜を代表とする絶縁層は、好ましくは無機材料を用いるとよく、窒化珪素、又は酸化珪素を用いることができる。ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極は導電性材料から形成すればよく、タングステン、タンタル、アルミニウム、チタン、銀、金、モリブデン、銅等を有する。
表示装置は、画素部1215、駆動回路部1218に大きく分けることができ、画素部1215に設けられた薄膜トランジスタ1203はスイッチング素子として、駆動回路部に設けられた薄膜トランジスタ1204はCMOS回路として用いられる。CMOS回路として用いるためには、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとから構成される。駆動回路部1218に設けられたCMOS回路により、薄膜トランジスタ1203を制御することができる。
なお図26では薄膜トランジスタとしてトップゲート型TFTを示しているが、ボトムゲート型TFTを用いてもよい。
薄膜トランジスタ1203及び1204を覆うように、積層構造、又は単層構造からなる絶縁層1205が形成される。絶縁層1205は、無機材料又は有機材料から形成することができる。無機材料として、窒化珪素、酸化珪素を用いることができる。有機材料として、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンとは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を含む液体材料を出発原料として形成される。無機材料を用いて形成すると、下方の凹凸に沿うような表面状態となり、有機材料を用いて形成すると、表面は平坦化される。例えば、絶縁層1205において平坦性が要求される場合、有機材料を用いて形成するとよい。なお、無機材料であっても厚膜化することによって、平坦性を備えることができる。
ソース電極又はドレイン電極は、絶縁層1205等に設けられた開口部に導電層を形成して作製される。このとき、絶縁層1205上の配線として機能するような導電層を形成することができる。またゲート電極の導電層と、絶縁層1205と、ソース電極又はドレイン電極の導電層によって、容量素子1214を形成することができる。
そして、ソース電極又はドレイン電極のいずれか一と接続される第1の電極1206を形成する。第1の電極1206は透光性を有する材料を用いて形成する。透光性を有する材料とは、酸化インジウムスズ((Indium Tin Oxide(ITO))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide(IZO))、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。またLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属等の非透光性材料であっても、非常に薄い膜厚とすることにより、透光性を有することができるため、非透光性材料を第1の電極1206に用いてもよい。
第1の電極1206の端部を覆うように、絶縁層1210を形成する。絶縁層1210は絶縁層1205と同様に形成することができる。第1の電極1206の端部を覆うため、絶縁層1210に対して開口部を設ける。開口部の端面は、テーパ形状を有するとよく、その後形成される層の段切れを防止することができる。例えば、絶縁層1210に非感光性樹脂、又は感光性樹脂を用いる場合、露光条件により、開口部の側面にテーパを設けることができる。
その後、絶縁層1210の開口部に電界発光層1207を形成する。電界発光層1207は、各機能を有する層、具体的には正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する。また各層の境界は必ずしも明確となっておらず、その一部が混在している場合もある。
具体的な発光層を形成する材料を例示すると、赤色系の発光を得たいときには、発光層に、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナイト]イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir[Fdpq]2acac)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、600nmから700nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
緑色系の発光を得たいときは、発光層に、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、500nmから600nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また青色系の発光を得たいときは、発光層に、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、400nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また白色系の発光を得たいときは、TPD(芳香族ジアミン)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、Alq3を蒸着法等により積層した構成を用いることができる。
その後、第2の電極1208を形成する。第2の電極1208は、第1の電極1206と同様に形成することができる。第1の電極1206、電界発光層1207、第2の電極1208を有する発光素子1209を形成することができる。
このとき、第1の電極1206及び第2の電極1208が透光性を有するため、電界発光層1207から光を両方向へ発光させることができる。このような両方向へ発光させることができる表示装置を両面射出型の表示装置と呼ぶことができる。
その後、封止材1228により、絶縁基板1201と対向基板1220とを貼り合わせる。本実施の形態では、封止材1228は駆動回路部1218の一部上に設けられているため、狭額縁化を図ることができる。勿論、封止材1228の配置はこれに限定されるものではなく、駆動回路部1218の外側に設けてもよい。
貼り合わせたことにより形成される空間には、窒素等の不活性気体が封入されたり、透光性を有し、吸湿性の高い樹脂材料で充填する。その結果、発光素子1209の劣化の一要因となる水分や酸素の侵入を防止することができる。また、絶縁基板1201と対向基板1220との間隔を保持するため、スペーサを設けてもよく、スペーサに吸湿性を持たせてもよい。スペーサは、球状又は柱状の形状を有する。
また対向基板1220には、カラーフィルタやブラックマトリクスを設けることができる。カラーフィルタにより、単色発光層、例えば白色発光層を用いる場合であっても、フルカラー表示が可能となる。また各RGBの発光層を用いる場合であっても、カラーフィルタを設けることにより、放射される光の波長を制御することができ、綺麗な表示を提供することができる。またブラックマトリクスにより、配線等による外光の反射を低減することができる。
その後、絶縁基板1201の外側に、第1の位相差板1235、積層された偏光板1219として順に第1の偏光板1216、第2の偏光板1217、並びに、対向基板1220の外側に、第2の位相差板1225、積層された偏光板1229として順に第3の偏光板1226、第4の偏光板1227を設ける。すなわち、絶縁基板1201及び対向基板1220のそれぞれ外側に、積層された偏光板を有する円偏光板を設ける。
このとき偏光板1216及び1217は、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。また偏光板1226及び1227についても、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
さらに積層された偏光板1219及び1229は、互いにクロスニコル状態になるように配置される。
その結果、黒色表示を暗くすることができ、すなわち黒輝度を高めることができ、コントラスト比を高めることができる。
また位相差板1235及び1225を設けることにより、表示装置に対する外光からの反射光を抑制することができる。
本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いるが、もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。
また偏光板1216と偏光板1217の消衰係数は異なるものであり、偏光板1226と偏光板1227の消衰係数は異なるものである。あるいは、偏光板1216と偏光板1217の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板1226と偏光板1227の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図26では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
本実施の形態では、駆動回路部も絶縁基板1201上に一体形成する形態を示したが、駆動回路部はシリコンウェハから形成されたIC回路を用いてもよい。その場合、IC回路からの映像信号等は、接続端子等を介して、スイッチング用TFT1203に入力することができる。
なお本実施の形態では、アクティブ型の表示装置を用いて説明したが、パッシブ型の表示装置であっても、積層された偏光板を有する円偏光板を設けることができる。その結果、コントラスト比を高めることができる。
本実施の形態は、必要であれば、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
[実施の形態20]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について説明する。本実施の形態では、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いて説明する。
図27(A)及び図27(B)に発光素子からの光が基板の上方に放射される表示装置を示す。図27(A)及び図27(B)に示されるように、互いに対向するように配置された第1の基板1401及び第2の基板1402に、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を有する層1400が挟持されている。エレクトロルミネッセンス素子からの光は、第1の基板1401側(点線矢印方向)に発光した光を放射することが可能である。
第1の基板1401として、透光性基板が用いられ、このような透光性基板には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
また第2の基板1402は透光性基板を用いてもよいが、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1400からの光は放射されない。これは、後述するようにエレクトロルミネッセンス素子を有する層1400に形成される電極を反射性を有する導電膜を用いて形成するか、もしくは第2の基板1402の全面に反射性を有する材料を形成することにより、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1400からの光を、第1の基板1401側に反射させればよい。
第1の基板1401の光が放射される面の外側には、位相差板(波長板ともいう)、積層された偏光子が設けられている。積層された偏光子は、積層された直線偏光子と記すことができる。積層された偏光子は、2つ以上の偏光子が積層された状態を指す。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
また図27(A)及び図27(B)では、偏光板は2枚設けた例しか示していないが、3枚以上設けてもよい。
このように位相差板、(本実施の形態では1/4波長板)積層された偏光板とを合わせて、積層された偏光板(直線偏光板)を有する円偏光板とも記す。
第1の偏光板1403の吸収軸1451と、第2の偏光板1404の吸収軸1452とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光板1403と、第2の偏光板1404、つまり積層された偏光板はパラレルニコルとなるように配置される。また位相差板1421の遅相軸1453は、第1の偏光板1403の吸収軸1451及び第2の偏光板1404の吸収軸1452と45°ずれるように配置される。
図28には、吸収軸1451、遅相軸1453のずれ角を示す。遅相軸1453が45°をなし、吸収軸1451は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。なお吸収軸1452は吸収軸1451と同じ方向なので省略する。すなわち第1の直線偏光板1403の吸収軸1451に対し、位相差板1421の遅相軸1453が45°ずれるように配置される。
これら偏光板1403及び1404は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
また偏光板1403及び1404の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1403及び1404の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図27では、1枚の基板に対して偏光板を2枚積層した例を示しているが、3枚以上積層しても構わない。
また位相差板の特性上、遅相軸と直交する方向には進相軸がある。そのため、偏光板との配置は、遅相軸だけではなく進相軸を用いて決定することができる。本実施の形態では、吸収軸と遅相軸が45°ずれるように配置するため、言い換えると、吸収軸と進相軸とが135°ずれるように配置することとなる。
なお本明細書では、吸収軸同士のずれ、吸収軸と遅相軸のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、偏光板が単数のときと比べて、外光からの反射光を低減することができる。このため黒表示を暗くでき、すなわち黒輝度を高めることができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
[実施の形態21]
本実施の形態では、図29を用いて、本発明の表示装置の断面図を示す。
なお図29に示す表示装置は、図26と同じものは同じ符号で示し、特に記載のないものは図26の説明を援用する。
絶縁表面を有する基板(以下、絶縁基板ともいう)1201上に絶縁層を介して薄膜トランジスタが形成される。薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFTとも記す))は、所定の形状に加工された半導体層、半導体層を覆うゲート絶縁層、ゲート絶縁層を介して半導体層上に設けられたゲート電極、半導体膜中の不純物層に接続されるソース電極、又はドレイン電極を有する。
半導体層に用いられる材料は珪素を有する半導体材料であり、結晶状態は非晶質状態、微結晶状態、結晶状態のいずれであってもよい。
ゲート絶縁膜を代表とする絶縁層は、好ましくは無機材料を用いるとよく、窒化珪素、又は酸化珪素を用いることができる。ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極は導電性材料から形成すればよく、タングステン、タンタル、アルミニウム、チタン、銀、金、モリブデン、銅等を有する。
表示装置は、画素部1215、駆動回路部1218に大きく分けることができ、画素部1215に設けられた薄膜トランジスタ1203は発光素子のスイッチング素子として、駆動回路部1218に設けられた薄膜トランジスタ1204はCMOS回路として用いられる。CMOS回路として用いるためには、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとから構成される。駆動回路部1218に設けられたCMOS回路により、画素部1215の薄膜トランジスタ1203を制御することができる。
なお図29において、薄膜トランジスタ1203及び1204はトップゲート型TFTを示しているが、ボトムゲート型TFTを用いても構わない。
画素部1215及び駆動回路部1218の薄膜トランジスタを覆うように、積層構造、又は単層構造からなる絶縁層1205が形成される。絶縁層1205は、無機材料又は有機材料から形成することができる。無機材料として、窒化珪素、酸化珪素を用いることができる。有機材料として、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。
シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンとは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を含む液体材料を出発原料として形成される。
無機材料を用いて絶縁層1205を形成すると、下方の凹凸に沿うような表面状態となり、有機材料を用いて形成すると、表面は平坦化される。例えば、絶縁層1205において平坦性が要求される場合、有機材料を用いて形成するとよい。なお、無機材料であっても厚膜化することによって、平坦性を備えることができる。
ソース電極又はドレイン電極は、絶縁層1205等に設けられた開口部に導電層を形成して作製される。このとき、絶縁層1205上の配線として機能するような導電層を形成することができる。またゲート電極の導電層と、絶縁層1205と、ソース電極又はドレイン電極の導電層によって、容量素子1214を形成することができる。
そして、ソース電極又はドレイン電極のいずれかと接続される第1の電極1241を形成する。第1の電極1241は、反射性を有する導電膜を用いて形成する。このような反射性を有する導電膜としては、白金(Pt)や金(Au)といった仕事関数の高い導電膜を用いる。また、これらの金属は、高価であるため、アルミニウム膜やタングステン膜といった適当な導電膜上に積層し、少なくとも最表面に白金もしくは金が露出するような画素電極としても良い。
第1の電極1241の端部を覆うように、絶縁層1210を形成する。絶縁層1210は絶縁層1205と同様に形成することができる。第1の電極1206の端部を覆うため、絶縁層1210に対して開口部を設ける。開口部の端面は、テーパ形状を有するとよく、その後形成される層の段切れを防止することができる。例えば、絶縁層1210に非感光性樹脂、又は感光性樹脂を用いる場合、露光条件により、開口部の側面にテーパを設けることができる。
その後、絶縁層1210の開口部に電界発光層1207を形成する。電界発光層1207は、各機能を有する層、具体的には正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する。また各層の境界は必ずしも明確となっておらず、その一部が混在している場合もある。
具体的な発光層を形成する材料を例示すると、赤色系の発光を得たいときには、発光層に、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナイト]イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir[Fdpq]2acac)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、600nmから700nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
緑色系の発光を得たいときは、発光層に、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、500nmから600nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また青色系の発光を得たいときは、発光層に、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。但しこれらの材料に限定されず、400nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
また白色系の発光を得たいときは、TPD(芳香族ジアミン)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、Alq3を蒸着法等により積層した構成を用いることができる。
その後、第2の電極1242を形成する。第2の電極1242は、膜厚の薄い(好ましくは10〜50nm)仕事関数の小さい導電膜に、透光性を有する導電膜を積層して形成する。仕事関数の小さい導電膜は、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含む材料(例えば、Al、Mg、Ag、Li、Ca、又はこれらの合金MgAg、MgAgAl、MgIn、LiAl、LiFAl、CaF2、又はCa3N2など)を用いる。透光性を有する導電膜として、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide(ITO))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。
またLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属等の非透光性材料であっても、非常に薄い膜厚とすることにより、透光性を有することができるため、非透光性材料を第2の電極1242に用いてもよい。
以上のようにして一対の電極である、第1の電極1241及び第2の電極1242、電極間に設けられた電界発光層1207を有する発光素子1209を形成することができる。
このとき、第2の電極1242が透光性を有するため、電界発光層1207から光を上方へ発光させることができる。
その後、封止材1228により、絶縁基板1201と、対向基板1220とを貼り合わせる。本実施の形態では、封止材1228は駆動回路部1218の一部上に設けられているため、狭額縁化を図ることができる。勿論、封止材1228の配置はこれに限定されるものではなく、駆動回路部1218の外側に設けてもよい。
貼り合わせたことにより形成される空間には、窒素等の不活性気体が封入されたり、透光性を有し、吸湿性の高い樹脂材料で充填する。その結果、発光素子1209の劣化の一要因となる水分や酸素の侵入を防止することができる。また、絶縁基板1201と、対向基板1220との間隔を保持するため、スペーサを設けてもよく、スペーサに吸湿性を持たせてもよい。スペーサは、球状又は柱状の形状を有する。
また対向基板1220には、カラーフィルタやブラックマトリクスを設けることができる。カラーフィルタにより、単色発光層、例えば白色発光層を用いる場合であっても、フルカラー表示が可能となる。また各RGBの発光層を用いる場合であっても、カラーフィルタを設けることにより、放射される光の波長を制御することができ、綺麗な表示を提供することができる。またブラックマトリクスにより、配線等による外光の反射を低減することができる。
その後、発光素子からの光が放射される対向基板1220の外側に、位相差板1225、第1の偏光板1226、第2の偏光板1227を設ける。すなわち、対向基板1220の外側に、積層された偏光板を有する円偏光板を設ける。
このとき偏光板1226及び1227についても、パラレルニコル状態となるように貼り合わされる。
その結果、外光からの光漏れを防ぐことで黒色を暗くことができ、すなわたい黒輝度を高めることができ、コントラスト比を高めることができる。
また位相差板1225を設けることにより、外光からの表示装置に対する反射光を抑制することができる。
位相差板1225は、実施の形態20で述べた位相差板1421と同様に設ければよく、第1の偏光板1226及び第2の偏光板1227についても、偏光板1403及び1404と同様に設ければよい。なお本実施の形態では、偏光板は2枚しか設けていないが、3枚以上設けてもよい。
本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いるが、もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。
また偏光板1226及び1227の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1226及び1227の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
本実施の形態では、駆動回路部も絶縁基板1201上に一体形成する形態を示したが、駆動回路部はシリコンウェハから形成されたIC回路を用いてもよい。その場合、IC回路からの映像信号等は、接続端子等を介して、スイッチング用TFT1203に入力することができる。
なお本実施の形態では、アクティブ型の表示装置を用いて説明したが、パッシブ型の表示装置であっても、積層された偏光板を有する円偏光板を設けることができる。その結果、コントラスト比を高めることができる。
本実施の形態は、必要であれば上記実施の形態と自由に組み合わせることができる。
[実施の形態22]
本実施の形態では、本発明の表示装置の概念について説明する。本実施の形態では、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いて説明する。
図30(A)及び図30(B)に発光素子からの光が基板の下方に放射される表示装置を示す。図30(A)及び図30(B)に示されるように、互いに対向するように配置された第1の基板1501及び第2の基板1502に、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を有する層1500が挟持されている。エレクトロルミネッセンス素子からの光は、第1の基板1501側(点線矢印方向)に発光した光を放射することが可能である。
第1の基板1501として、透光性基板が用いられ、このような透光性基板には、実施の形態20の基板1401と同様の材料を用いればよい。
また第2の基板1502は透光性基板を用いてもよいが、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1500からの光は放射されない。これは、後述するようにエレクトロルミネッセンス素子を有する層1500に形成される電極を反射性を有する導電膜を用いて形成するか、もしくは第2の基板1502の全面に反射性を有する材料を形成することにより、エレクトロルミネッセンス素子を有する層1500からの光を、第1の基板1501側に反射させればよい。
第1の基板1501の光が放射される面の外側には、位相差板(波長板ともいう)、積層された偏光子が設けられている。
本実施の形態では、偏光子として図2(A)に示す偏光板を積層した構成を用いるが、もちろん図2(B)及び図2(C)に示す積層された偏光子を用いてもよい。
このように位相差板、(本実施の形態ではλ/4板)積層された偏光板とを合わせて、積層された偏光板(直線偏光板)を有する円偏光板とも記す。なお本実施の形態では、偏光板は2枚しか設けていないが、3枚以上設けてもよい。
第1の偏光板1503の吸収軸1551と、第2の偏光板1504の吸収軸1552とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光板1503と、第2の偏光板1504、つまり積層された偏光板はパラレルニコルとなるように配置される。また位相差板1521の遅相軸1553は、第1の偏光板1503の吸収軸1551及び第2の偏光板1504の吸収軸1552と45°ずれるように配置される。
なお本明細書では、吸収軸同士のずれ、吸収軸と遅相軸のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
これら偏光板1503及び1504は、実施の形態20の偏光板1403及び1404と同様の材料で形成すればよい。
また偏光板1503及び1504の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1503及び1504の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また偏光板1503の吸収軸1551、偏光板1504の吸収軸1552、位相差板1521の遅相軸1553の位置関係については、実施の形態20と同様である(図28参照)。
本実施の形態に示す基板の下方に光を放射する表示装置についても、積層された偏光板同士の透過軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、偏光板が単数のときと比べて、外光からの反射光を低減することができる。このため黒表示をより暗くすることにより、すなわち黒輝度を高めることにおり、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお本実施の形態は、必要であれば上記実施の形態と組み合わせることが可能である。
[実施の形態23]
本実施の形態では、図31を用いて、実施の形態21とは別の表示装置の断面図を示す。
図29では、薄膜トランジスタが形成された基板の上方に光が放射される表示装置を示したが、図31では、薄膜トランジスタが形成された基板の下方に光が放射される表示装置を示す。
図31において、図29と同じものは同じ符号で表している。図31の表示装置は、第1の電極1251、電界発光層1207、第2の電極1252を有している。第1の電極1251は、図29の第2の電極1242と同じ材料で形成すればよく、第2の電極1252は、図29の第1の電極1241と同じ材料で形成すればよい。また電界発光層1207は、実施の形態3の電界発光層1207と同様の材料を用いて形成すればよい。第1の電極1251が透光性を有するので、電界発光層1207から光を下方へ発光させることができる。
また、発光素子からの光が放射される基板1201の外側に、位相差板1235、第1の偏光板1216、第2の偏光板1217を設ける。すなわち、基板1201の外側に、積層された偏光板を有する円偏光板を設ける。これによりコントラスト比の高い表示装置を得ることが可能となる。位相差板1235は、実施の形態22で述べた位相差板1521と同様に設ければよく、第1の偏光板1216及び第2の偏光板1217についても、偏光板1503及び1504と同様に設ければよい。なお本実施の形態では、偏光板は2枚しか設けていないが、3枚以上設けてもよい。
また偏光板1216及び1217の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1216及び1217の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
本実施の形態は、必要であれば上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
[実施の形態24]
本実施の形態では、実施の形態16〜実施の形態23の画素部、駆動回路を有する表示装置の構成について説明する。
図32には、駆動回路部1218である走査線駆動回路部1218b及び信号線駆動回路部1218aを、画素部1215の周辺に設けた状態のブロック図を示す。
画素部1215は、複数の画素を有し、画素には発光素子及びスイッチング素子が設けられている。
走査線駆動回路部1218bは、シフトレジスタ1351、レベルシフタ1354、バッファ1355を有する。シフトレジスタ1351に入力されたスタートパルス(GSP)、クロックパルス(GCK)に基づき、信号が生成され、レベルシフタ1354を介して、バッファ1355へ入力される。バッファ1355では、信号が増幅されて、増幅された信号は走査線1371を介して画素部1215へ入力される。画素部1215には、発光素子と、発光素子を選択するスイッチング素子が設けられており、スイッチング素子が有するゲート線に、バッファ1355からの信号が入力される。すると、所定の画素のスイッチング素子が選択される。
信号線駆動回路部1218aは、シフトレジスタ1361、第1のラッチ回路1362、第2のラッチ回路1363、レベルシフタ1364、バッファ1365を有する。シフトレジスタ1361には、スタートパルス(SSP)及びクロックパルス(SCK)が入力され、第1のラッチ回路1362にはデータ信号(DATA)が入力され、第2のラッチ回路1363にはラッチパルス(LAT)が入力される。DATAは、SSP及びSCKに基づき、第2のラッチ回路1363へ入力され、第2のラッチ回路1363では一行分のDATAが保持され、信号線1372を介して一斉に画素部1215へ入力される。
信号線駆動回路部1218a、走査線駆動回路部1218b、画素部1215は、同一基板上に設けられた半導体素子によって形成することができる。例えば、上記実施の形態で示した絶縁基板に設けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。
また、本実施の形態の表示装置が有する画素の等価回路図について、図37(A)〜図37(C)を用いて説明する。
図37(A)は、画素の等価回路図の一例を示したものであり、信号線1384、電源線1385、走査線1386、それらの交点領域に発光素子1383、トランジスタ1380及び1381、容量素子1382を有する。信号線1384には信号線駆動回路によって映像信号(ビデオ信号とも記す)が入力される。トランジスタ1380は、走査線1386に入力される選択信号に従って、トランジスタ1381のゲートへの、映像信号の電位の供給を制御することができる。トランジスタ1381は、映像信号の電位に従って、発光素子1383への電流の供給を制御することができる。容量素子1382は、トランジスタ1381のゲートとソースとの間の電圧(ゲート・ソース間電圧と記す)を保持することができる。なお、図37(A)では、容量素子1382を図示したが、トランジスタ1381のゲート容量や他の寄生容量で賄うことが可能な場合には、設けなくてもよい。
図37(B)は、図37(A)に示した画素に、トランジスタ1388と走査線1389を新たに設けた画素の等価回路図である。トランジスタ1388により、トランジスタ1381のゲートとソースを同電位とし、強制的に発光素子1383に電流が流れない状態を作ることができるため、全ての画素に映像信号が入力される期間よりも、サブフレーム期間の長さを短くすることができる。
図37(C)は、図37(B)に示した画素に、新たにトランジスタ1395と、配線1396を設けた画素の等価回路図である。トランジスタ1395は、そのゲートの電位が、配線1396によって固定されている。そして、トランジスタ1381とトランジスタ1395は、電源線1385と発光素子1383との間に直列に接続されている。よって図37(C)では、トランジスタ1395により発光素子1383に供給される電流の値が制御され、トランジスタ1381により発光素子1383への該電流の供給の有無が制御できる。
なお、本発明の表示装置が有する画素回路は、本実施の形態で示した構成に限定されない。例えば、カレントミラーを有する画素回路であって、アナログ階調表示を行う構成であってもよい。
なお本実施の形態は、必要であれば上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
[実施の形態25]
本実施の形態では、積層された偏光子の同士の吸収軸がパラレルニコル状態、つまり対向する偏光子同士がパラレルニコル状態を有する表示装置の概念について説明する。
本実施の形態は、及び両面射出型発光表示装置(実施の形態18〜実施の形態19)に応用することが可能である。
図33に示すように、第1の基板1461及び第2の基板1462に、表示素子を有する層1460が挟持されている。表示素子は、エレクトロルミネッセンス素子であればよい。
第1の基板1461及び第2の基板1462として透光性基板を用いる。透光性基板としては、実施の形態1の基板101と同様の材料を用いればよい。
基板1461及び1462それぞれの外側、つまり表示素子を有する層1460と接しない側には、積層された偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
また発光表示装置では、エレクトロルミネッセンス素子からの光が、第1の基板1461側及び第2の基板1462側に発光する。
第1の基板1461の外側には、順に第1の位相差板1473、第1の偏光板1471、第2の偏光板1472が設けられている。第1の偏光板1471の吸収軸1495と第2の偏光板1472の吸収軸1496は平行になっており、つまり積層された偏光板1475はパラレルニコルとなるように配置される。また第1の位相差板1473の遅相軸1491は、第1の偏光板1471の吸収軸1495及び第2の偏光板1472の吸収軸1496と45°ずれるように配置される。
図34(A)には、吸収軸1495(及び1496)、遅相軸1491のずれ角を示す。遅相軸1491が45°をなし、吸収軸1495(及び1496)は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
また第2の基板1462の外側には、順に位相差板1483、第3の偏光板1481、第4の偏光板1482が設けられている。第3の偏光板1481の吸収軸1497と第4の偏光板1482の吸収軸1498は平行になっており、つまり積層された偏光板1485はパラレルニコルとなるように配置される。また位相差板1483の遅相軸1492は、第3の偏光板1481の吸収軸1497及び第4の偏光板1482の吸収軸1498と45°ずれるように配置される。
図34(B)には、吸収軸1497(及び1498)、遅相軸1492のずれ角を示す。遅相軸1492が45°をなし、吸収軸1497(及び1498)は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
すなわち第1及び第2の直線偏光板1471及び1472の吸収軸に対し、第1の位相差板1473の遅相軸1491が45°ずれるように配置され、第3及び第4の直線偏光板1481及び1482の吸収軸1497及び1498に対し、第2の位相差板1483の遅相軸1492が45°ずれるように配置され、第1及び第2の直線偏光板1471及び1472の吸収軸1495及び1496に対し、第3及び第4の直線偏光板1481及び1482の吸収軸1497及び1498は平行になるように配置される。
そして、第1の基板1461に設けられた、積層された偏光板1475の吸収軸1495(及び1496)と、第2の基板1462に設けられた、積層された偏光板1485の吸収軸1497(及び1498)とは平行とすることを特徴とする。すなわち、積層された偏光板1475と、積層された偏光板1485、つまり対向する偏光板同士はパラレルニコルをなすように配置する。
また図34(C)には、吸収軸1495及び遅相軸1491と、吸収軸1497及び遅相軸1492とを重ねた状態を示しているが、パラレルニコルであることがわかる。
なお本明細書では、パラレルニコル、吸収軸と遅相軸のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
また偏光板1471と偏光板1472の消衰係数は異なるものであり、偏光板1481と偏光板1482の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1471と偏光板1472の消衰係数の波長分布を異ならせてもよく、偏光板1481と偏光板1482の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
なお、円偏光板には位相差板を数枚重ね合わせることによって位相差が90度の波長範囲を広げることができる広帯域化された円偏光板があるが、この場合においても第1の基板1461の外側に配置する各位相差板の遅相軸と第2の基板1462の外側に配置する各位相差板とで同じ位相差板の遅相軸同士は平行に配置され、かつ対向する偏光板の吸収軸同士はパラレルニコル配置であればよい。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして、対向する偏光板同士をパラレルニコルとなるように配置する。このような円偏光板を設けることにより、偏光板単層同士がパラレルニコルとなるように配置された円偏光板と比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお本実施の形態は、必要であれば上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
[実施の形態26]
本実施の形態では、表示素子を有する層の上下で、偏光子の数を変えた構成を有する表示装置について説明する。
本実施の形態は、透過型液晶表示装置(実施の形態4〜実施の形態6)、及び両面射出型発光表示装置(実施の形態16〜実施の形態17)に応用することが可能である。
図35(A)〜図35(B)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板1601及び第2の基板1602に、表示素子を有する層1600が挟持されている。なお、図35において図35(A)は、本実施の形態の表示装置の断面図であり、図35(B)は本実施の形態の表示装置の斜視図である。
表示素子は、液晶表示装置の場合は液晶素子であり、発光表示装置の場合はエレクトロルミネッセンス素子であればよい。
第1の基板1601及び第2の基板1602としては透光性基板を用いる。透光性基板には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板1601及び1602それぞれの外側、つまり表示素子を有する層1600と接しない側には、積層された偏光子、単層構造の偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
液晶表示装置では、バックライト(図示せず)からの光が、液晶素子を有する層、基板、偏光子を通って外に取り出される。また発光表示装置では、エレクトロルミネッセンス素子からの光が、第1の基板1601側及び第2の基板1602側に発光する。
液晶素子を有する層を通る光、または、エレクトロルミネッセンス素子より射出される光は、偏光板により直線偏光にされる。すなわち、積層された偏光板、単層構造の偏光板は、積層された直線偏光板と記すことができる。積層された偏光板は、2つ以上の偏光板が積層された状態を指す。単層構造の偏光板は、1枚の偏光板が設けられた状態を指す。
本実施の形態においては表示素子を有する層1600に対して、一方の側に2枚の偏光板が積層され、他方の側に単層構造の偏光板が設けられた表示装置について例示し、積層される2枚の偏光板については図35(A)に示すように接して積層されているものとする。
第1の基板1601の外側には、順に第1の偏光板1611、第2の偏光板1612が設けられている。第1の偏光板1611の吸収軸1631と、第2の偏光板1612の吸収軸1632とは平行になるように配置される。すなわち第1の偏光板1611と、第2の偏光板1612、つまり積層された偏光板1613はパラレルニコルとなるように配置される。
また第2の基板1602の外側には、第3の偏光板1621が設けられている。
そして、第1の基板1601に設けられた、積層された偏光板1613の吸収軸1631及び1632と、第2の基板1602に設けられた、単層構造の偏光板1621の吸収軸1633とは直交することを特徴とする。すなわち、積層された偏光板1613と、単層構造の偏光板1621、つまり対向する偏光板はクロスニコルをなすように配置する。
これら偏光板1611、1612、1621は、公知の材料から形成することができ、例えば基板側から接着面、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)と二色性色素の混合層、TACが順に積層された構成を用いることができる。二色性色素は、ヨウ素と二色性有機染料がある。また偏光板とは、その形状から偏光フィルムと呼ぶこともある。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。
また偏光板1611と偏光板1612の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1611と偏光板1612の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図36(A)〜図36(B)に示すように、第1の基板1601側には、基板側から順に、第1の偏光板1611を配置する。すなわち、第1の基板1601側では、第1の偏光板1611により、単層構造の偏光板が構成される。また第2の基板1602側には、基板側から順に、第2の偏光板1621、第3の偏光板1622を配置する。すなわち、第2の基板1602側では、第2の偏光板1621及び第3の偏光板1622により、積層された偏光板1623が構成される。その他の構成は図35と同様であるため、説明を省略する。
第2の偏光板1621の吸収軸1633と、第3の偏光板1622の吸収軸1634とは平行になるように配置される。すなわち第2の偏光板1621と、第3の偏光板1622、つまり積層された偏光板1623はパラレルニコルとなるように配置される。
そして、第1の基板1601に設けられた、単層構造の偏光板1611の吸収軸1631と、第2の基板1602に設けられた、積層された偏光板1623の吸収軸1633及び1634とは直交することを特徴とする。すなわち、単層構造の偏光板1611と積層された偏光板1623、つまり対向する偏光板はクロスニコルをなすように配置する。
また偏光板1621と偏光板1622の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1621と偏光板1622の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
このように、互いに対向するように配置された偏光板のうち、一方の方向又は他方の方向に設けられる偏光板を積層された偏光板とし、対向する偏光板同士の吸収軸がクロスニコルとなるように配置することによっても、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。その結果、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態では、積層された偏光子の例として積層した偏光板を用い、一方の基板側に1枚の偏光板、他方の基板側に2枚の偏光板を設けた例について説明したが、積層する偏光子の数は2つでなくてもよく、3つ以上であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態27]
本実施の形態では、表示素子を有する層の上下で、積層された偏光子を有する円偏光板と、1つの偏光子を有する円偏光板を用いた表示装置について説明する。
本実施の形態は、透過型液晶表示装置(実施の形態7〜実施の形態9)、及び両面射出型発光表示装置(実施の形態18〜実施の形態19)に応用することが可能である。
図38に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板1561及び第2の基板1562に、表示素子を有する層1560が挟持されている。
図38に示すように、第1の基板1561側には、基板側から順に位相差板1575、第1の偏光板1571、第2の偏光板1572を配置する。すなわち、第1の基板1561側では、第1の偏光板1571及び第2の偏光板1572により積層された偏光板1573が構成される。また第2の基板1562側には、基板側から順に、位相差板1576、第3の偏光板1581を配置する。すなわち、第2の基板1562側では、第3の偏光板1581により、単層構造の偏光板が構成される。
表示素子は、液晶表示装置の場合は液晶素子であり、発光表示装置の場合はエレクトロルミネッセンス素子であればよい。
第1の基板1561及び第2の基板1562としては透光性基板を用いる。透光性基板には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。
基板1561及び1562それぞれの外側、つまり表示素子を有する層1560と接しない側には、位相差板と積層された偏光子、位相差板と単層構造の偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
液晶表示装置では、バックライト(図示せず)からの光が、液晶素子を有する層、基板、位相差板、偏光子を通って外に取り出される。また発光表示装置では、エレクトロルミネッセンス素子からの光が、第1の基板1561側及び第2の基板1562側に発光する。
エレクトロルミネッセンス素子より射出される光は、位相差板により円偏光され、偏光板により直線偏光にされる。すなわち、積層された偏光板、単層構造の偏光板は、積層された直線偏光板と記すことができる。積層された偏光板は、2つ以上の偏光板が積層された状態を指す。単層構造の偏光板は、1枚の偏光板が設けられた状態を指す。
また液晶表示装置の場合は、位相差板は広視野角を得るために設けられ、液晶の駆動モードによりどの位相差板を用いるかは適宜決めればよい。
第1の偏光板1571の吸収軸1595と、第2の偏光板1572の吸収軸1596とは平行となるように積層されている。この平行状態を、パラレルニコルと呼ぶ。
このように積層された偏光板1573は、パラレルニコルとなるように配置される。
積層された偏光板1573の吸収軸1595(及び1596)と単層構造の偏光板1581の吸収軸1597の直交している。つまり対向する偏光板同士は、吸収軸は直交をなすように配置する。この直交状態を、クロスニコルと呼ぶ。
なお、偏光板の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができる。また、透過軸同士が直交となる場合もクロスニコルと呼ぶことができる。
また偏光板1571と偏光板1572の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1571と偏光板1572の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
また図38及び図40を用いて、エレクトロルミネセンス素子を有する発光表示装置における、位相差板の遅相軸1591及び1592のずれについて説明する。図38において、矢印1591は位相差板1575の遅相軸を表しており、矢印1592は位相差板1576の遅相軸を表している。
位相差板1575の遅相軸1591は、第1の偏光板1571の吸収軸1595及び第2の偏光板1572の吸収軸1596と45°ずれるように配置される。
図40(A)には、第1の偏光板1571の吸収軸1595と位相差板1575の遅相軸1591のずれ角を示す。位相差板1575の遅相軸1591が135°をなし、第1の偏光板1571の吸収軸1595は90°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
また位相差板1576の遅相軸1592は、第3の偏光板1581の吸収軸1597と45°ずれるように配置される。
図40(B)には、第3の偏光板1581の吸収軸1597のずれ角を示す。位相差板1576の遅相軸1592が45°をなし、第3の偏光板1581の吸収軸1597は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。すなわち第1の直線偏光板1571の吸収軸1595及び第2の直線偏光板1572の吸収軸1596に対し、位相差板1575の遅相軸1591が45°ずれるように配置され、第3の直線偏光板1581の吸収軸1597に対し位相差板1576の遅相軸1592が45°ずれるように配置される。
そして、第1の基板1561に設けられた、積層された偏光板1573の吸収軸1595(及び1596)と、第2の基板1562に設けられた、単層構造の偏光板1581の吸収軸1597とは直交することを特徴とする。すなわち、対向する偏光板はクロスニコルをなすように配置する。
また図40(C)には、吸収軸1595及び遅相軸1591を実線で示し、吸収軸1597及び遅相軸1592を点線で示し、これらを重ねた状態を示す。図40(C)より、吸収軸1595と吸収軸1597はクロスニコル状態を有し、且つ遅相軸1591と遅相軸1592ともクロスニコル状態を有することがわかる。
また位相差板の特性上、遅相軸と直交方向には進相軸がある。そのため、偏光板との配置は、遅相軸だけではなく進相軸を用いて決定することができる。本実施の形態では、吸収軸と遅相軸が45°ずれるように配置するため、言い換えると、吸収軸と進相軸とが135°ずれるように配置することとなる。
なお本明細書では、吸収軸同士のずれ、吸収軸と遅相軸のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
また図39に図38と異なる積層構成を示す。図39では、第1の基板1561側には、基板側から順に位相差板1575、第1の偏光板1571を配置する。すなわち、第1の基板1561側では、第1の偏光板1571により、単層構造の偏光板が構成される。また第2の基板1562側には、基板側から順に、位相差板1576、積層された第2の偏光板1581、第3の偏光板1582を配置する。すなわち、第2の基板1562側では、第2の偏光板1581及び第3の偏光板1582により、積層された偏光板1583が構成される。
第3の偏光板1582の吸収軸1598は、第2の偏光板1581の吸収軸1597と平行である。よって吸収軸及び遅相軸のずれは図38の構成のものと同じであるので、説明は省略する。
また偏光板1581と偏光板1582の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1581と偏光板1582の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
このように一方の円偏光板に積層された偏光板を有し、対向する偏光板同士の吸収軸がクロスニコルとなるように配置することによっても、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。その結果、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態では、積層された偏光子の例として積層した偏光板を用い、一方の基板側に1枚の偏光板、他方の基板側に2枚の偏光板を設けた例について説明したが、積層する偏光子の数は2つでなくてもよく、3つ以上であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態28]
本実施の形態では、積層された偏光子を有する円偏光板と、1つの偏光子を有する円偏光板とを用いた表示装置の概念について説明する。
本実施の形態は、両面射出型発光表示装置(実施の形態25)に応用することが可能である。
図41に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板1661及び第2の基板1662に、表示素子を有する層1660が挟持されている。
表示素子は、エレクトロルミネッセンス素子であればよい。
第1の基板1661及び第2の基板1662としては透光性基板を用いる。透光性基板としては、実施の形態27で述べた基板1561及び1562と同様の材料を用いればよい。
基板1661及び1662それぞれの外側、つまり表示素子を有する層1660と接しない側には、積層された偏光子、単層構造の偏光子が設けられている。なお本実施の形態では、積層された偏光子として、図2(A)に示される1つの偏光膜を有する偏光板を積層する構成を用いる。もちろん図2(B)や図2(C)に示される構成を用いてもよいのは言うまでもない。
発光表示装置では、エレクトロルミネッセンス素子からの光が、第1の基板1661側及び第2の基板1662側に発光する。
エレクトロルミネッセンス素子より射出される光は、偏光板により直線偏光にされる。すなわち、積層された偏光板、単層構造の偏光板は、積層された直線偏光板と記すことができる。積層された偏光板は、2つ以上の偏光板が積層された状態を指す。単層構造の偏光板は、1枚の偏光板が設けられた状態を指す。
そして図41に示すように、第1の基板1661側には、基板側から順に位相差板1675、第1の偏光板1671及び第2の偏光板1672を配置する。すなわち、第1の基板1661側では、第1の偏光板1671及び第2の偏光板1672により積層された偏光板1673が構成される。また第2の基板1662側には、基板側から順に、位相差板1676、第3の偏光板1681を配置する。すなわち、第2の基板1662側では、第3の偏光板1681により、単層構造の偏光板が構成される。
第1の偏光板1671の吸収軸1695と第2の偏光板1672の吸収軸1696は平行になっており、つまり積層された偏光板1673はパラレルニコルとなるように配置される。また第1の位相差板1675の遅相軸1691は、第1の偏光板1671の吸収軸1695及び第2の偏光板1672の吸収軸1696と45°ずれるように配置される。
図43(A)には、吸収軸1695(及び1696)、遅相軸1691のずれ角を示す。遅相軸1691が45°をなし、吸収軸1695(及び1696)は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
また第2の基板1662の外側には、順に位相差板1676、第3の偏光板1681が設けられている。位相差板1676の遅相軸1692は、第3の偏光板1681の吸収軸1697と45°ずれるように配置される。
図43(B)には、吸収軸1697、遅相軸1692のずれ角を示す。遅相軸1692が45°をなし、吸収軸1697は0°をなし、これらは45°ずれた状態となる。
すなわち第1及び第2の直線偏光板1671及び1672の吸収軸1695及び1696に対し、位相差板1675の遅相軸1691が45°ずれるように配置され、第3の直線偏光板1681の吸収軸1697に対し、位相差板1676の遅相軸1692が45°ずれるように配置され、第1及び第2の直線偏光板1671及び1672の吸収軸1695及び1696に対し、第3の直線偏光板1681の吸収軸1697は平行になるように配置される。
そして、第1の基板1661に設けられた、積層された偏光板1673の吸収軸1695(及び1696)と、第2の基板1662に設けられた、積偏光板1681の吸収軸1697とは平行とすることを特徴とする。すなわち、積層された偏光板1673と、単層構造の偏光板1681、つまり対向する偏光板同士はパラレルニコルをなすように配置する。
また図43(C)には、吸収軸1695及び遅相軸1691と、吸収軸1697及び遅相軸1692とを重ねた状態を示しているが、パラレルニコルであることがわかる。
なお本明細書では、パラレルニコル、吸収軸と遅相軸のずれを述べるときは、上記の角度を前提とするが、同様な効果を発現できるのであれば、その角度から多少ずれていても良い。
また偏光板1671と偏光板1672の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1671と偏光板1672の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
なお、円偏光板には位相差板を数枚重ね合わせることによって位相差が90度の波長範囲を広げることができる広帯域化された円偏光板があるが、この場合においても第1の基板1661の外側に配置する各位相差板の遅相軸と第2の基板1662の外側に配置する各位相差板とで同じ位相差板の遅相軸同士は平行に配置され、かつ対向する偏光板の吸収軸同士はパラレルニコル配置であればよい。
このように積層された偏光板同士の吸収軸がパラレルニコルとなるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。そして、対向する偏光板同士をパラレルニコルとなるように配置する。このような円偏光板を設けることにより、偏光板単層同士がパラレルニコルとなるように配置された円偏光板と比べて光漏れを低減できる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また図42に示すように、第1の基板1661側には、基板側から順に位相差板1675、第1の偏光板1671を配置する。すなわち、第1の基板1661側では、第1の偏光板1671により単層構造の偏光板が構成される。また第2の基板1662側には、基板側から順に、位相差板1676、第2の偏光板1681、第3の偏光板1682を配置する。すなわち、第2の基板1662側では、第2の偏光板1681及び第3の偏光板1682により、積層された偏光板1683が構成される。
第3の偏光板1682の吸収軸1698は、第2の偏光板1681の吸収軸1697と平行である。よって吸収軸及び遅相軸のずれは図43の構成のものと同じであるので、説明は省略する。
また偏光板1681と偏光板1682の消衰係数は異なるものである。あるいは偏光板1681と偏光板1682の消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
このように一方の円偏光板に積層された偏光板を有し、対向する偏光板同士の透過軸がパラレルニコルとなるように配置することによっても、透過軸方向の光漏れを低減することができる。その結果、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、本実施の形態では、積層された偏光子の例として積層した偏光板を用い、一方の基板側に1枚の偏光板、他方の基板側に2枚の偏光板を設けた例について説明したが、積層する偏光子の数は2つでなくてもよく、3つ以上であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態29]
液晶表示装置には、液晶の駆動方法に、基板に対して直交に電圧を印加する縦電界方式、基板に対して平行に電圧を印加する横電界方式がある。本発明の複数の偏光板を設ける構成は、縦電界方式であっても、横電界方式であっても適用することができる。そこで、本実施の形態では、本発明の液晶表示装置を各種液晶モードに適用した形態について説明する。
本実施の形態は、液晶表示装置(実施の形態4〜実施の形態15、実施の形態26〜実施の形態27)に応用することが可能である。
なお本実施の形態において、同じものは同じ符号で表している。
まず図44(A)〜図44(B)にはTN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置の模式図を示す。
互いに対向するように配置された第1の基板121及び第2の基板122に、液晶素子を有する層120が挟持されている。そして第1の基板121側には、偏光子を有する層125が形成され、第2の基板122側には、偏光子を有する層126が形成される。偏光子を有する層125及び126は、実施の形態4〜実施の形態15及び実施の形態26〜実施の形態27に基づいた構成にすればよい。すなわち、積層された偏光子を含む円偏光板を設けてもよいし、積層された偏光子のみで位相差板を設けない構成にしてもよい。また表示素子を有する層の上下に設けられる偏光子の数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに積層された偏光子の吸収軸は基板の上下でクロスニコルである。また反射型液晶表示装置を作製する場合は、偏光子を有する層125及び126のいずれか一方を形成しなくてもよい。ただし反射型液晶表示装置の場合は、黒表示を行うために位相差板と偏光子を両方設ける構造にする。
本実施の形態では、1つの基板上に積層された偏光子それぞれの消衰係数は異なるものである。あるいは1つの基板上に積層された偏光子それぞれの消衰係数の波長分布を異ならせてもよい。
第1の基板121、及び第2の基板122上には、それぞれ第1の電極127、第2の電極128が設けられている。そして透過型液晶表示装置の場合は、少なくとも片方の基板には透光性を有するように形成する。また反射型液晶表示装置の場合は、第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方を反射性を有するようにし、他方を透光性を有するようにする。
このような構成を有する液晶表示装置において、ノーマリーホワイトモードの場合、第1の電極127及び第2の電極128に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図44(A)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子116は縦に並んだ状態となる。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、基板を通過することができず黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、位相差板が設けられており、外光からの光は偏光子の透過軸方向に振動する光の成分だけ透過し直線偏光となり、この光が位相差板を通過すると円偏光となる(例えば右円偏光)。この右円偏光が反射板(もしくは反射電極)で反射されると左円偏光となるが、左円偏光が位相差板を通過すると偏光子の透過軸に対して垂直(吸収軸に対して平行)に振動する直線偏光となる。したがって、偏光子の吸収軸で光は吸収されてしまうために黒表示となる。
そして図44(B)に示すように、第1の電極127及び第2の電極128の間に電圧が印加されていないときは白色表示となる。このとき、液晶分子116は横に並び、平面内で回転している状態となる。その結果、透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
TNモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図45(A)〜図45(B)にはVA(Vertically Aligned)モードの液晶表示装置の模式図を示す。VAモードは、無電界の時に液晶分子が基板に垂直となるように配向されているモードである。
図45(A)〜図45(B)の液晶表示装置は、図44(A)〜図44(B)と同様であり、第1の基板121、及び第2の基板122上には、それぞれ第1の電極127、第2の電極128が設けられている。そして透過型液晶表示装置の場合、少なくとも片方の電極は透光性を有するように形成する。また反射型液晶表示装置の場合は、第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方を反射性を有するようにし、他方を透光性を有するようにする。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極127及び第2の電極128に電圧が印加される(縦電界方式)と、図45(A)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。このとき液晶分子116は横に並んだ状態となる。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
そして図45(B)に示すように、第1の電極127及び第2の電極128の間に電圧が印加されていないときは黒色表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子116は縦に並んだ状態となる。その結果透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、位相差板が設けられており、外光からの光は偏光子の透過軸方向に振動する光の成分だけ透過し直線偏光となり、この光が位相差板を通過すると円偏光となる(例えば右円偏光)。この右円偏光が反射板(もしくは反射電極)で反射されると左円偏光となるが、左円偏光が位相差板を通過すると偏光子の透過軸に対して垂直(吸収軸に対して平行)に振動する直線偏光となる。したがって、偏光子の吸収軸で光は吸収されてしまうために黒表示となる。
このようにオフ状態では、液晶分子116が基板に対して垂直に立ち上がって、黒表示となり、オン状態では液晶分子116が基板に対して水平に倒れて白表示となる。オフ状態では液晶分子116が立ち上がっているため、透過型液晶表示装置の場合では、偏光されたバックライトからの光は、液晶分子116の影響を受けることなくセル内を通過し、対向基板側の偏光子で完全に遮断することができる。反射型液晶表示装置の場合は上記の通りである。そのため、偏光子を有する層を設けることにより、さらなるコントラストの向上が見込まれる。
VAモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
また液晶の配向が分割されたMVAモードに、本発明を適用することもできる。
図46(A)〜図46(B)にMVA(Multi−domain Vertically Aligned)モードの液晶表示装置の模式図を示す。
図46(A)〜図46(B)の液晶表示装置は、図44(A)〜図44(B)と同様であり、第1の基板121、及び第2の基板122上には、それぞれ第1の電極127、第2の電極128が設けられている。そして透過型液晶表示装置の場合、バックライトと反対側、つまり表示面側の電極、例えば第2の電極128は、少なくとも透光性を有するように形成する。また反射型液晶表示装置の場合は、第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方を反射性を有するようにし、他方を透光性を有するようにする。
第1の電極127及び第2の電極128上にはそれぞれ、複数の突起(リブともいう)118が形成されている。突起118は、アクリル等の樹脂で形成すればよい。突起118は左右対称、望ましくは四面体であればよい。
MVA方式では、突起118に対して、液晶分子116が左右対称に傾くように駆動される。これにより左右方向から見た色の差をおさえられる。画素内で液晶分子116の傾く方向を変えるとどの目線からも色のムラがでない。
図46(A)は印加電圧が印加された状態、すなわちオン状態の図を示している。オン状態のとき、傾斜電界がかかることより液晶分子116は突起118の傾斜方向に倒れる。これにより液晶分子116の長軸が偏光子の吸収軸に交わるので、光が出力側である、偏光子を有する層125及び126の一方を透過することから、明状態(白表示)となる。
図46(B)は印加電圧が印加されない状態、すなわちオフ状態であるときの図を示している。オフ状態のとき、液晶分子116は基板121及び122に対して垂直に配向している。このため基板121又は基板122に設けられた偏光子を有する層125及び126のいずれか一方から入った入射光はそのまま液晶分子116を透過するため、出力側である、偏光子を有する層125及び126の他方と直交する。よって光は出力されないことから暗状態(黒表示)となる。
突起118を設けることにより、液晶分子116が突起118の傾斜方向に倒れるように駆動され、対称性があり視角特性のよい表示を得ることができる。
図47(A)〜図47(B)には、MVAモードの別の例を示す。第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方、本実施の形態では第1の電極127に突起118を設け、第1の電極127または第2の電極128の他方、本実施の形態では第2の電極128の一部を除去して、スリット119を形成する。
図47(A)は印加電圧が印加された状態、すなわちオン状態の図を示している。オン状態のとき、印加電圧が印加されると、突起118を設けていなくてもスリット119近傍に斜め電界が発生する。傾斜電界がかかることより液晶分子116は突起118の傾斜方向に倒れる。これにより液晶分子116の長軸が偏光子の吸収軸に交わるので、光が出力側である、偏光子を有する層125及び126の一方を透過することから、明状態(白表示)となる。
図47(B)は印加電圧が印加されない状態、すなわちオフ状態であるときの図を示している。オフ状態のとき、液晶分子116は基板121及び122に対して垂直に配向している。このため基板121又は基板122に設けられた偏光子を有する層125及び126のいずれか一方から入った入射光はそのまま液晶分子116を透過するため、出力側である、偏光子を有する層125及び126の他方と直交する。よって光は出力されないことから暗状態(黒表示)となる。
なおMVAモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図48は、図47(A)〜図47(B)のMVAモードの液晶表示装置において、任意の一画素の上面図の例である。
画素のスイッチング素子となるTFT251は、ゲート配線252、ゲート絶縁膜、島状半導体膜253、ソース電極257及びドレイン電極256を有している。
なお、画素電極259は、ドレイン電極256と電気的に接続されている。
画素電極259には、複数の溝263が形成されている。
またゲート配線252と画素電極259が重なる領域には、ゲート絶縁膜を誘電体として、補助容量267が形成される。
対向基板に設けられる対向電極(図示せず)側には、複数の突起(リブともいう)265が形成されている。突起265は、アクリル等の樹脂で形成すればよい。突起265は左右対称、望ましくは四面体であればよい。
図53(A)〜図53(B)にはPVA(Patterned Vertical Alignment)モードの液晶表示装置の模式図を示す。
図53(A)〜図53(B)は、液晶分子116の動きを表した図である。
PVAモードでは、電極127の溝173と電極128の溝174がずらして配置されており、液晶分子116が、お互いにずれた溝173及び174に向かって配向することで、光が透過する。
図53(A)は印加電圧が印加された状態、すなわちオン状態の図を示している。オン状態では、斜めに電界がかかることより液晶分子116は斜めに傾くこととなる。これにより液晶分子116の長軸が偏光子の吸収軸に交わるので、光が出力側である、偏光子を有する層125及び126の一方を透過することから、明状態(白表示)となる。
図53(B)は印加電圧が印加されない状態、すなわちオフ状態であるときの図を示している。オフ状態のとき、液晶分子116は基板121及び122に対して垂直に配向しているため、基板121又は基板122に設けられた偏光子を有する層125及び126から入った入射光はそのまま液晶分子116を透過するため、出力側の偏光板と直交する。よって光は出力されないことから暗状態(黒表示)となる。
電極127に溝173、及び、電極128に溝174を設けることにより、溝173及び174に向かう斜めの電界によって、液晶分子116が斜めに駆動され、上下方向や左右方向だけでなく斜め方向にも対称性があり視角特性のよい表示を得ることができる。
図54は、図53(A)〜図53(B)のPVAモードの液晶表示装置において、任意の一画素の上面図の例である。
画素のスイッチング素子となるTFT191は、ゲート配線192、ゲート絶縁膜、島状半導体膜193、ソース電極197及びドレイン電極196を有している。
ソース電極197とソース配線198は便宜上分けているが、同一の導電膜から形成され互いに接続されている。またドレイン電極196も、ソース電極197とソース配線198と同一の材料及び同じ工程で形成される。
ドレイン電極196と電気的に接続されている画素電極199には、複数の溝207が形成されている。
また画素電極199とゲート配線192が重なる領域には、ゲート絶縁膜を挟んで、補助容量208が形成される。
また、対向基板に形成される対向電極(図示せず)には、複数の溝206が形成されている。対向電極の溝206は、画素電極199の溝207と互い違いになるように配置されている。
PVA方式の液晶表示装置では、対称性があり視角特性のよい表示を得ることができる。
図49(A)〜図49(B)にはOCBモードの液晶表示装置の模式図を示す。OCBモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しており、これはベンド配向と呼ばれる。
図49(A)〜図49(B)の液晶表示装置は、図44(A)〜図44(B)と同様であり、第1の基板121、及び第2の基板122上には、それぞれ第1の電極127、第2の電極128が設けられている。そして透過型液晶表示装置の場合、バックライトと反対側、つまり表示面側の電極、例えば第2の電極128は、少なくとも片方が透光性を有するように形成する。また反射型液晶表示装置の場合は、第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方を反射性を有するようにし、他方を透光性を有するようにする。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極127及び第2の電極128に電圧が印加される(縦電界方式)と、図49(A)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子116は縦に並んだ状態となる。その結果透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、位相差板が設けられており、外光からの光は偏光子の透過軸方向に振動する光の成分だけ透過し直線偏光となり、この光が位相差板を通過すると円偏光となる(例えば右円偏光)。この右円偏光が反射板(もしくは反射電極)で反射されると左円偏光となるが、左円偏光が位相差板を通過すると偏光子の透過軸に対して垂直(吸収軸に対して平行)に振動する直線偏光となる。したがって、偏光子の吸収軸で光は吸収されてしまうために黒表示となる。
そして図49(B)に示すように、第1の電極127及び第2の電極128の間に電圧が印加されていないときは白色表示となる。このとき、液晶分子116は斜めに並んだ状態となる。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
このようなOCBモードでは、他モードで生じる液晶層での複屈折を液晶層のみで補償することにより広視野角を実現することができ、さらに本発明の偏光子を有する層によりコントラスト比を高めることができる。
図50(A)〜図50(B)にはIPS(In−Plane Switching)モードの液晶表示装置の模式図を示す。IPSモードは、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
IPSモードは一方の基板に設けられた一対の電極により液晶を制御することを特徴とする。そのため、第2の基板122上に一対の電極155、156が設けられている。一対の電極155、156は、それぞれ透光性を有するとよい。
このような構成を有する液晶表示装置において、一対の電極155,156に電圧が印加されると、図50(A)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
そして図50(B)に示すように、一対の電極155、156の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子116は、横に並び、且つ平面内で回転した状態となる。その結果透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、必要に応じて位相差板が設けられており、液晶層を含めて位相を90°ずらすことにより黒表示となる。
IPSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図51(A)〜図51(D)に、一対の電極155及び156の例を示す。図51(A)では、一対の電極155及び156は波状の形状をしている。また図51(B)では、一対の電極155及び156は、一部円状の形状を有している。また図51(C)では、格子状の電極155と櫛状の電極156が形成されている。また図51(D)では、一対の電極155及び156それぞれが櫛状の電極である。
図52は、図50(A)〜図50(B)のIPSモードの液晶表示装置において、任意の一画素の上面図の例である。
基板上に、ゲート配線232及びコモン配線233が形成されている。ゲート配線232及びコモン配線233は、同一の材料、同一の層及び同一の工程で形成されている。
画素のスイッチング素子となるTFT231は、ゲート配線232、ゲート絶縁膜、島状半導体膜237、ソース電極238及びドレイン電極236を有している。
ソース電極238とソース配線235は便宜上分けているが、同一の導電膜から形成され互いに接続されている。またドレイン電極236も、ソース電極238とソース配線235と同一の材料及び同じ工程で形成される。
ドレイン電極236と画素電極241は、電気的にも接続されている。
画素電極241と、複数のコモン電極242のそれぞれは、同一の材料及び同じ工程で形成される。コモン電極242は、ゲート絶縁膜中のコンタクトホール234を介して、コモン配線233と電気的に接続されている。
画素電極241とコモン電極242との間で、基板に平行な横方向電界が発生し、液晶を制御する。
IPSモードの液晶表示装置は、液晶分子116が斜めに立ち上がることがないため、見る角度による光学特性の変化が少なく、広視野特性を得ることができる。
本発明の偏光子を有する層を横電界方式の液晶表示装置に適用すると、広視野角に加えて、高コントラスト比の表示とすることができる。このような横電界方式は、携帯用の表示装置に好適である。
図55(A)〜図55(B)には、FLC(強誘電液晶、Ferro−Electric Liquid Crystal)モード及びAFLC(反強誘電液晶、Antiferro−Electric Liquid Crystal)モードの液晶表示装置の模式図を示す。
図55(A)〜図55(B)の液晶表示装置は、図44(A)〜図44(B)と同様であり、第1の基板121、及び第2の基板122上には、それぞれ第1の電極127、第2の電極128が設けられている。そして透過型液晶表示装置の場合、バックライトと反対側、つまり表示面側の電極、例えば第2の電極128は、少なくとも透光性を有するように形成する。また反射型液晶表示装置の場合は、第1の電極127または第2の電極128のいずれか一方を反射性を有するようにし、他方を透光性を有するようにする。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極127及び第2の電極128に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図55(A)に示すように白色表示となる。このとき、液晶分子116は横に並び、平面内で回転している状態となる。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
そして図55(B)に示すように、第1の電極127及び第2の電極128の間に電圧が印加されていないときは黒色表示が行われる。このとき液晶分子116は横に並んだ状態になる。その結果透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、必要に応じて位相差板が設けられており、液晶層を含めて位相を90°ずらすことにより黒表示となる。
FLCモード及びAFLCモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
次に本発明をFFS(Fringe Field Switching)モード及びAFFS(Advanced Fringe Field Switching)モードの液晶表示装置に応用した例について説明する。
図56(A)〜図56(B)にAFFSモードの液晶表示装置の模式図を示す。
図56(A)〜図56(B)の液晶表示装置において、図44(A)〜図44(B)と同様のものは同じ符号で示す。第2の基板122上には、第1の電極271、絶縁層273、第2の電極272が設けられている。第1の電極271及び第2の電極272は透光性を有している。
図56(A)に示すように、第1の電極271と第2の電極272に印加電圧が印加されると、水平方向の電界275が発生させる。液晶分子116は水平方向に回転し、ねじれた格好になることで光を通す。液晶分子の回転角は様々なので、斜めに入射してきた光も通るものである。すると透過型液晶表示装置の場合、バックライトからの光は、偏光子を有する層125及び126が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。また反射液晶表示装置の場合は、反射光が、偏光子を有する層が設けられた基板を通過することで、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板121側、又は第2の基板122側のいずれかに設けることができる。
そして図50(B)に示すように、第1の電極271と第2の電極272の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子116は、横に並び、且つ平面内で回転した状態となる。その結果透過型液晶表示装置の場合は、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。また反射型液晶表示装置の場合は、必要に応じて位相差板が設けられており、外光からの光は偏光子の透過軸方向に振動する光の成分だけ透過し直線偏光となり、この光が位相差板を通過すると円偏光となる(例えば右円偏光)。この右円偏光が反射板(もしくは反射電極)で反射されると左円偏光となるが、左円偏光が位相差板を通過すると偏光子の透過軸に対して垂直(吸収軸に対して平行)に振動する直線偏光となる。したがって、偏光子の吸収軸で光は吸収されてしまうために黒表示となる。
FFSモード及びAFFSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図57(A)〜図57(D)に、第1の電極271及び第2の電極272の例を示す。図57(A)〜図57(D)において、第1の電極271は全面に形成されており、第2の電極272が様々な形状を有している。図57(A)では、第2の電極272は短冊状の電極が斜めに並ぶ構成になっている。また図57(B)では、第2の電極272は、一部円状の形状を有している。また図57(C)では、第2の電極272は、ジグザグ状に形成されている。また図57(D)では、第2の電極272が櫛状である。
その他、本発明は旋光モード、散乱モード、複屈折モードの液晶表示装置において適用できる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態30]
本実施の形態では、上述した実施の形態4〜実施の形態15、実施の形態25〜実施の形態28の液晶表示装置を、2D/3D切替型(2次元/3次元切替型)液晶表示パネルに応用した例を示す。
本実施の形態の2D/3D切替型液晶表示パネルの構成を図58に示す。
図58に示すように、2D/3D切替型液晶表示パネルは、表示用液晶パネル350、位相差板360、スイッチング液晶パネル370を貼り合わせた構成となっている。
表示用液晶パネル350は、TFT液晶表示パネルとして具備されており、第1の偏光板351、対向基板352、液晶層353、アクティブマトリクス基板354、および第2の偏光板355が積層されてなり、アクティブマトリクス基板354には、表示を行うべき画像に対応した画像データがFPC(Flexible Printed Circuit)等の配線381を介して入力される。
すなわち、表示用液晶パネル350は、上記2D/3D切替型液晶表示パネルに対し、画像データに応じた表示画面を生成する機能を与えるために備えられている。尚、表示画面を生成する機能を有するものであれば、表示用液晶パネル350における表示方式(TN方式やSTN方式)や駆動方式(アクティブマトリクス駆動やパッシブマトリクス駆動)は特に限定されるものではない。
位相差板360は、視差バリアの一部として機能するものであり、透光性基板に配向膜を形成し、さらにその上に液晶層を積層してなる構成である。
スイッチング液晶パネル370は、駆動側基板371、液晶層372、対向基板373、および第3の偏光板374が積層されてなり、駆動側基板371には液晶層372のオン時に駆動電圧を印加するための配線382が接続されている。
スイッチング液晶パネル370は、液晶層372のオン/オフに応じて、スイッチング液晶パネル370を透過する光の偏光状態を切り替えるために配置されている。尚、スイッチング液晶パネル370は表示用液晶パネル350のようにマトリクス駆動される必要は無く、駆動側基板371および対向基板373に備えられる駆動電極はスイッチング液晶パネル370のアクティブエリア全面に形成されればよい。
次に、上記構成の2D/3D切替型液晶表示パネルの表示動作について説明する。
光源から射出された入射光は、最初に、スイッチング液晶パネル370の第3の偏光板374によって偏光される。また、スイッチング液晶パネル370は、3D表示時はオフの状態で位相差板(ここでは1/2波長板)として作用する。
また、スイッチング液晶パネル370を通過した光は、次に位相差板360に入射される。位相差板360は第1の領域と第2の領域を有しており、第1の領域と第2の領域のラビング方向が異なっている。ラビング方向が異なるということは、すなわち遅相軸の方向が異なるため、第1の領域を通過した光と第2の領域を通過した光とでは、その偏光状態が異なる。例えば、第1の領域を通過した光と第2の領域を通過した光との偏光軸は90°異なっている。また、位相差板360は、位相差板360に含まれる液晶層の複屈折率異方性と膜厚により、1/2波長板として作用するように設定されている。
位相差板360を通過した光は、表示用液晶パネル350の第2の偏光板355に入射される。3D表示時には、位相差板360の第1の領域を通過した光の偏光軸は第2の偏光板355の透過軸と平行であり、第1の領域を通過した光は偏光板355を透過する。一方で、第2の領域を通過した光の偏光軸は第2の偏光板355の透過軸と90°の角度をなし、第2の領域を通過した光は偏光板355を透過しない。
すなわち、位相差板360との第2の偏光板355との関連した光学作用によって視差バリアの機能が達成され、位相差板360における第1の領域が透過領域、第2の領域が遮断領域となる。
第2の偏光板355を通過した光は、表示用液晶パネル350の液晶層353において黒表示を行う画素と白表示を行う画素とで異なる光学変調を受け、白表示を行う画素によって光学変調を受けた光のみが第1の偏光板351を透過することで画像表示が行われる。
この時、上記視差バリアの透過領域を通過することや特定の視野角が与えられた光が、表示用液晶パネル350において右目用画像および左目用画像のそれぞれに対応する画素を通過することで右目用画像と左目用画像とが異なる視野角に分離され、3D表示が行われる。
また、2D表示が行われる場合には、スイッチング液晶パネル370がオンされ、スイッチング液晶パネル370を通過する光に対して光学変調が与えられない。スイッチング液晶パネル370を通過した光は、次に位相差板360を通過することで、第1の領域を通過した光と第2の領域を通過した光とで異なる偏光状態が与えられる。
しかしながら、2D表示の場合では、3D表示の場合とは異なり、スイッチング液晶パネル370での光学変調作用が無いため、位相差板360を通過した光の偏光軸は、第2の偏光板355の透過軸に対して、左右対称の角度のずれが生じることとなる。このため、位相差板360の第1の領域を通過した光、第2の領域を通過した光ともに、第2の偏光板355を同じ透過率で透過し、位相差板360と第2の偏光板355との関連した光学作用による視差バリアの機能が達成されず(特定の視野角が与えられない)、2D表示となる。
なお、本実施の形態は、必要であれば本明細書中の他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態31]
本発明の表示装置を応用した電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図65(A)〜図65(F)を参照して説明する。
図65(A)に示す携帯情報端末機器は、本体1701、表示部1702等を含んでいる。表示部1702は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯情報端末機器を提供することができる。
図65(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部1711、表示部1712等を含んでいる。表示部1711は本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高いデジタルビデオカメラを提供することができる。
図65(C)に示す携帯電話機は、本体1721、表示部1722等を含んでいる。表示部1722は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯電話機を提供することができる。
図65(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体1731、表示部1732等を含んでいる。表示部1732は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯型のテレビジョン装置を提供することができる。またテレビジョン装置としては、携帯電話機などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広いものに、本発明の表示装置を適用することができる。
図65(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体1741、表示部1742等を含んでいる。表示部1742は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯型のコンピュータを提供することができる。
図65(F)に示すテレビジョン装置は、本体1751、表示部1752等を含んでいる。表示部1752は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高いテレビジョン装置を提供することができる。
図65(F)のテレビジョン装置の詳しい構成を図66〜図68に示す。
図66は表示パネル1801と、回路基板1802を組み合わせた液晶モジュールまたは発光表示モジュール(ELモジュール)を示している。回路基板1802には、例えば、コントロール回路1803や信号分割回路1804などが形成されている。表示パネル1801と回路基板1802は、接続配線1808により電気的に接続されている。
この表示パネル1801は、画素部1805と、走査線駆動回路1806、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1807を備えており、この構成は図20、図21、図32と同様である。
この液晶モジュールまたは発光表示モジュールにより液晶テレビジョン装置あるいは発光表示テレビジョン装置を完成させることができる。図67は、液晶テレビジョン装置あるいは発光表示テレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図である。チューナ1811は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像波増幅回路1812と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路1813と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路1803により処理される。コントロール回路1803は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路1804を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ1811で受信した信号のうち、音声信号は音声波増幅回路1814に送られ、その出力は音声信号処理回路1815を経てスピーカ1816に供給される。制御回路1817は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部1818から受け、チューナ1811や音声信号処理回路1815に信号を送出する。
図68に示すように、液晶モジュールあるいは発光表示モジュールを本体1751に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。液晶モジュールあるいは発光表示モジュールにより、表示部1752が形成される。また、スピーカ1816、操作スイッチ1819などが適宜備えられている。
本発明により、表示パネル1801を含んで構成されることにより、コントラスト比の高いテレビジョン装置を得ることが可能になる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
このように、本発明の表示装置により、コントラスト比の高い電子機器を提供することができる。
本実施の形態は、必要であれば実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。