以下,本発明の好ましい実施の形態を,焼却物(焼却原料)としての廃棄自動車のシュレッダーダストを焼却する流動床炉に基づいて説明する。図1に示す流動床炉1は,傾斜分散型流動層燃焼炉であり,略角型の炉体2を有する。炉体2の内部空間のうち,下部は焼却物の燃焼(一次燃焼)を行う一次燃焼室S1となっており,上部は,焼却物の一次燃焼で発生した排ガスの燃焼(二次燃焼)を行う二次燃焼室(フリーボード)S2となっている。
炉体2の側壁部6は,略長方形状のほぼ一様な横断面形状を有する略角筒状をなし,略鉛直方向に立設された4つの内側面,即ち,図2に示す前内側面6a,後内側面6b,左内側面6c,右内側面6dを有している。また,側壁部6の内面には,例えばモルタルなどの耐火性を有する材料によって形成された被覆層6eが設けられている。側壁部6の本体内面は,この被覆層6eによって覆われることにより保護されている。
炉体2の炉床7は,略長方形状をなし,幅方向を左右方向(水平方向)(図1においては手前側から後側へ向かう方向)に向け,前方(図1においては左方)から後方(図1においては右方)に向かうほど次第に低くなるように傾斜させて設けられている。即ち,炉床7は,互いに対向する一対の前内側面6aと後内側面6bとの間において,略水平面に対して傾斜させて設けられている。
図1に示すように,炉床7上,即ち一次燃焼室S1の底部には,粒子状の流動媒体である例えば珪砂等の流動砂が堆積させられ,焼却物を攪拌しながら燃焼させる流動層10が形成されている。
炉体2には,一次燃焼室S1に焼却物と流動砂とを投入するための投入口11が開口されている。投入口11は,流動層10の上方において,前内側面6aに開口されている。即ち,炉床7の傾斜方向において高所側(上部側)に設けられている。投入口11には通路12が接続されている。また,図2に示すように,投入口11は,平面視において前内側面6aのほぼ中央に配置された中央の投入口11aと,投入口11aの左右両側に配置された投入口11b,11bからなっている。これら投入口11a及び投入口11b,11bのそれぞれに給塵装置15及び通路12が接続してあり,各給塵装置15の稼動を制御することによって,各投入口11a,11b,11bから供給される焼却物及び流動砂の供給量を,それぞれ個別に,任意の量に設定できるようになっている。
図1に示すように,炉床7には,燃焼ガスであり,また,流動砂を吹き上げて流動化させるためのガスである流動化用ガスを一次燃焼室S1に供給する複数の流動化用ガス供給口20が,炉床7全体に設けられている。炉床7の下方には,複数に分割された吹込み部21が形成されている。これらの吹込み部21から流動化用ガス供給口20を介して流動化用ガスをそれぞれ吹き込み,流動化用ガスを上方に向かって吐出させることによって,一次燃焼室S1内の流動砂を吹き上げて攪拌,流動化させ,流動層10を形成させるようになっている。なお,この流動化用ガスは,例えば二次燃焼室S2から排気された排ガスの一部と空気とを混合した混合ガスであっても良い。
図1に示すように,炉床7には,焼却物の燃えがら(不燃物)及び流動砂を一次燃焼室S1から取り出すための取出し口30が設けられている。取出し口30は,炉床7の傾斜方向において低所側(下部側)の最下部に設けられている。この取出し口30には通路31が接続してある。一次燃焼室S1から取出し口30を通って通路31に落下した焼却物の燃えがら及び流動砂は,排出装置32,図示しないコンベア等の稼動によって搬出されるようになっている。
図2に示すように,一次燃焼室S1には,伝熱管群40が設けられている。伝熱管群40は,流動砂の温度を調節するための複数本の伝熱管(冷却管)41を備えている。炉体2の左内側面6cと右内側面6dには,伝熱管群40を支持する支持構造部42,43がそれぞれ備えられている。
伝熱管41は,例えばほぼ一定の外径及び内径を有する略円管状の金属製のパイプであり,内部の流路には,例えば水(水蒸気)などの冷媒が通されるようになっている。また,伝熱管41は,図3に示すように,複数箇所(図示の例では,左側2箇所,右側3箇所の合計5箇所)で交互に反対側へ折り返すように湾曲させられている。そして,複数本(図示の例では6本)の略直管状の直管部41aが,互いに略平行に並ぶように,また,平面視において上下に互いに同じ位置に重なるように,複数段に配設されており,各直管部41a同士の間には,所定の間隔の隙間が設けられている。また,直管部41aは,左内側面6cと右内側面6dとの間において,長さ方向を左内側面6c,右内側面6d,及び炉床7の傾斜方向に対して略垂直に,即ち左右方向(水平方向)に向けて配置されている。直管部41aの両端部同士は,湾曲部41bによって連結されている。
また,伝熱管41の上流側の端部41cは,左内側面6c側かつ下側に配置されており,伝熱管41の下流側の端部41dは,左内側面6c側かつ上側に配置されている。端部41c,41dの間には,2つの湾曲部41b,41bが設けられている。そして,端部41c,湾曲部41b,41b,端部41dが,下方からこの順に,縦方向に並ぶように配置されている。一方,右内側面6d側には,3つの湾曲部41bが縦方向に並ぶように配置されている。また,左内側面6c側に設けられた湾曲部41b,端部41c,41d側は,後述する支持構造部42の伝熱管保持部材61によって保持されており,右内側面6d側に設けられた湾曲部41bは,後述する支持構造部43の伝熱管保持部材61によって保持されている。従って,湾曲部41bは一次燃焼室S1の外側に配置され,一次燃焼室S1内には,直管部41aのみが配設されている。
また,炉体2の外側において,上流側の端部41cには,伝熱管41内に冷媒を供給する冷媒供給管51が接続されている。この冷媒供給管51は,図示しない冷媒供給源に接続されている。冷媒供給管51には,冷媒供給管51の長さ(高さ)を調節可能な高さ調節部51aが介設されている。炉体2の外側において,下流側の端部41dには,伝熱管41内から冷媒を排出して回収する冷媒排出管52が接続されている。冷媒排出管52には,冷媒排出管52の長さ(高さ)を調節可能な高さ調節部52aが介設されている。
上記のような互いにほぼ同様の形状を有する伝熱管41が,図2に示すように,炉体2内で前後方向(直管部41aの長さ方向と略直交する略水平方向)において,等間隔を空けて,互いに略平行に並べられている。図示の例では,6本の伝熱管41によって伝熱管群40が構成されている。また,図1に示した例では,各伝熱管41に設けられた6本の直管部41aは,その伝熱管41と隣り合う他の伝熱管41の6本の直管部41aと一つずつ対応するように,互いに同じ高さにそれぞれ配置されている。こうして,一次燃焼室S1内には,直管部41aが異なる6つの高さに6本ずつ配置されており,合計で36本の直管部41aが備えられている。各伝熱管41の間には,流動砂や焼却物が流動可能な流路が,鉛直方向に沿って貫通するようにそれぞれ形成されており,上下に隣り合う直管部41a同士の間には,流動砂や焼却物が流動可能な流路が,前後方向に沿って貫通するようにそれぞれ形成されている。即ち,伝熱管群40を左内側面6c側又は右内側面6d側からみた側面視においては,略格子状の流路が形成された状態になっている。このように直管部41aを配列すると,直管部41aの周りで流動砂や焼却物を好適に流動させることができる。即ち,直管部41a同士の間に形成された縦向きの流路を通じて,流動砂や焼却物が,円滑に吹き上げられたり落下したりする。また,前後方向の流路を通じて,横方向にも円滑に流動することができる。
なお,伝熱管群40は,例えば投入口11が開口されている高さとほぼ同じ高さの範囲に配置されるが,炉床7の傾斜方向において低所側の上方に,即ち,後内側面6b側に備えられている。このようにすると,投入口11と伝熱管群40との間に,十分な空間が形成されるので,投入口11から投入された流動砂や焼却物が伝熱管群40に直接衝突せず,炉床7上に余裕を持って落下させられる。従って,伝熱管群40の損傷を防止できる。
図4に示すように,支持構造部42は,炉体2の側壁に開口された保持開口60,一本の伝熱管41をそれぞれ保持する複数の伝熱管保持部材61,伝熱管保持部材61に隣接させて備えられる第二のスペーサとしての複数のスペーサ62,及び,伝熱管保持部材61の上方又は下方に積み重ねて配置可能な,伝熱管40の高さ調節用の複数のスペーサ63A,63Bによって構成されている。図示の例では,伝熱管保持部材61は,伝熱管41の本数に対応させて6個備えられている。スペーサ62は5個,スペーサ63Aは3個,スペーサ63Bは6個備えられている。
保持開口60は,炉体2の側壁外面と側壁内面(左内側面6c)との間を貫通するように形成されており,例えば幅方向を前後方向に向けた略方形状に開口されている。
伝熱管保持部材61は,例えば略直方体状をなし,高さ方向を略鉛直方向に向け,厚さ方向を炉体2の側壁の厚さ方向(左右方向)に向け,幅方向を炉体2の前後方向に向けた状態で,保持開口60内に配置されるようになっている。図示の例では,伝熱管保持部材61は,その幅b1よりも高さh1が長い形状,即ち,高さ方向に細長い形状になっている。
伝熱管保持部材61の下端部には,伝熱管41の上流側の端部41cが,伝熱管保持部材61を厚さ方向に貫通するように設けられている。伝熱管保持部材61の外面(炉体2の外側に向けられる面)側においては,端部41cに冷媒供給管51が接続され,伝熱管保持部材61の内面(炉体2の内側に向けられる面)側には,端部41cに接続された直管部41aが,伝熱管保持部材61の内面から突出するように設けられている。
伝熱管保持部材61の上端部には,伝熱管41の下流側の端部41dが,伝熱管保持部材61を厚さ方向に貫通するように設けられている。伝熱管保持部材61の外面側においては,端部41cに冷媒排出管52が接続され,伝熱管保持部材61の内面側には,端部41dに接続された直管部41aが,伝熱管保持部材61の内面から突出するように設けられている。
端部41c,41dの間においては,2つの湾曲部41bが伝熱管保持部材61内に通されており,この各湾曲部41bの端部から延びるように設けられた4本の直管部41aが,伝熱管保持部材61の内面から突出するように設けられている。
スペーサ62は,例えば略直方体状をなし,高さ方向を略鉛直方向に向け,厚さ方向を炉体2の側壁の厚さ方向に向け,幅方向を炉体2の前後方向に向けた状態で,保持開口60内に配置されるようになっている。図示の例では,スペーサ62は,その幅b2よりも高さh1が長い形状,即ち,伝熱管保持部材61と同様に,高さ方向に細長い形状になっている。このスペーサ62の高さは,伝熱管保持部材61の高さh1とほぼ同じになっている。
なお,伝熱管保持部材61の幅b1,スペーサ62の幅b2,及び保持開口60の幅b0は,おおよそb1×6+b2×5=b0の関係が成り立つように設定されている。即ち,5個のスペーサ62と6個の伝熱管保持部材61とを幅方向に隣接させて並べた状態で,保持開口60内に嵌め込むことができるような構造になっている。
また,スペーサ62には,被覆層6eを保持するための被覆層用保持部材65が取り付けられている。この被覆層用保持部材65は,スペーサ62の内面(炉体2の内側に向けられる面)から炉体2内に突出するように設けられており,例えば先端部が複数本(図示の例では4本)に枝分かれした形状になっている。通常,被覆層6eは,モルタル等の材料を炉体2の内面に吹き付けて接着させた状態で固化させることにより形成されるが,このように被覆層用保持部材65を備えることにより,被覆層6eが被覆層用保持部材65に付着して保持され,被覆層6eを好適に補強することができる。
スペーサ63Aは,例えば略直方体状をなし,高さ方向を略鉛直方向に向け,厚さ方向を炉体2の側壁の厚さ方向に向け,幅方向を炉体2の前後方向に向けた状態で,保持開口60内に配置されるようになっている。図示の例では,スペーサ63Aは,高さh2よりも幅b3が長い形状,即ち,幅方向に長い形状になっている。
スペーサ63Bは,例えば略直方体状をなし,高さ方向を略鉛直方向に向け,厚さ方向を炉体2の側壁の厚さ方向に向け,幅方向を炉体2の前後方向に向けた状態で,保持開口60内に配置されるようになっている。図示の例では,スペーサ63Bは,高さh2よりも幅b4が長い形状,即ち,幅方向に長い形状になっている。スペーサ63Bの高さは,スペーサ63Aの高さh2とほぼ同じであるが,スペーサ63Bの幅b4は,スペーサ63Aの幅b3よりも長くなっている。即ち,スペーサ63A,63Bは大きさが互いに異なり,スペーサ63Bのほうがスペーサ63Aよりも大きく形成されている。
なお,伝熱管保持部材61の幅b1,スペーサ62の幅b2,スペーサ63Aの幅b3,及び,スペーサ63Bの幅b4は,おおよそb1×2+b2=b3,b1×2+b2×2=b4の関係が成り立つように設定されている。即ち,おおよそb3+b4×2=b0の関係が成り立つように設定されており,1個のスペーサ63Aと2個のスペーサ63Bとを幅方向に隣接させて並べた状態で,保持開口60内に嵌め込むことができるような構造になっている。
さらに,伝熱管保持部材61又はスペーサ62の高さh1,スペーサ63A,63Bの高さh2,保持開口60の高さh0とは,おおよそh1+h2×3=h0の関係が成り立つように設定されている。即ち,1個の伝熱管保持部材61又はスペーサ62と3個のスペーサ63A(63B)とを上下に積み重ねた状態で,保持開口60内に嵌め込むことができるような構造になっている。
また,スペーサ63には,被覆層6eを保持するための被覆層用保持部材(第二の被覆層用保持部材)66が取り付けられている。この被覆層用保持部材66は,スペーサ63の内面(炉体2の内側に向けられる面)から炉体2内に突出するように設けられており,例えば先端部が複数本(図示の例では4本)に枝分かれした形状になっている。通常,被覆層6eは,モルタル等の材料を炉体2の内面に吹き付けて接着させた状態で固化させることにより形成されるが,このように被覆層用保持部材66を備えることにより,被覆層6eが被覆層用保持部材66に付着して保持され,被覆層6eを好適に補強することができる。
図5に示すように,右内側面6d側に設けられた支持構造部43は,左内側面6c側に設けられた支持構造部42と同様に,保持開口60,複数の伝熱管保持部材61,複数のスペーサ62,及び,複数のスペーサ63A,63Bによって構成されており,伝熱管保持部材61内の伝熱管41の形状が異なる点を除いては,支持構造部42と面対称な構成になっている。従って,実質的に同一の機能構成を有する部分については,同一の符号を付すこととし,重複説明は省略する。
この支持構造部43の伝熱管保持部材61内には,3つの湾曲部41bが通されており,この各湾曲部41bの端部から延びるように設けられた6本の直管部41aが,伝熱管保持部材61の内面から突出するように設けられている。
上記のようにして,各伝熱管41の左右両側には,各支持構造部42,43の一部を構成する伝熱管保持部材61が,それぞれ一つずつ対応させて設けられている。通常は,図4及び図5に示すように,各支持構造部42,43において,6つの伝熱管保持部材61と5つのスペーサ62が,幅方向において交互に並べて設けられている。即ち,各支持構造部42,43において,伝熱管保持部材61同士の間にスペーサ62がそれぞれ1つずつ挟まれており,隣り合う伝熱管41同士の間に所定の間隔が形成され,直管部41aが互いに略平行な姿勢にされるようになっている。また,直管部41a同士の間に,被覆層用保持部材65が上下に並べて配置されるようになっている。
各支持構造部42,43においては,保持開口60は6個の伝熱管保持部材61,5個のスペーサ62,3個のスペーサ63A,6個のスペーサ63Bによって閉塞されるようになっているが,さらに,各支持構造部42,43にあっては,各保持開口60内において,各伝熱管保持部材61,各スペーサ62,各スペーサ63の配置を適宜変更できる構成になっている。これにより,炉床7や流動層10に対する伝熱管41の高さを,複数の異なる高さに変えることができるようになっている。本実施形態においては,以下の4つの異なる高さに選択的に変更できる。
例えば図3〜図6に示す第一の配置パターン,即ち,3個のスペーサ63A,6個のスペーサ63Bを下方に,伝熱管保持部材61及びスペーサ62を上方に配置した状態にできる。図示の例では,スペーサ63Aが保持開口60の下縁部から3段1列に積み重ねられ,その隣に,スペーサ63Bが保持開口60の下縁部から3段2列に積み重ねて設けられている。そして,最上段(3段目)に設けられたスペーサ63A,63Bの上面に,伝熱管保持部材61及びスペーサ62が並べて載せられている。また,この場合,図6に示すように,最も下段かつ最も前側に設けられた直管部41aと炉床7との間には,高さH1の間隙が形成され,伝熱管群40は,後述する第二のパターンの場合よりも高い位置に配置される。
なお,図示の例では,スペーサ63Aは,炉体2の前後方向において最も前側に配置されており,スペーサ63Aの上面には,2個の伝熱管保持部材61と,その間に設けられた1個のスペーサ62とが支持されている。また,炉体2の前後方向において中央部に配置されたスペーサ63Bの上面には,交互に並べて設けられた2個の伝熱管保持部材61と2個のスペーサ62とが支持されている。炉体2の前後方向において最も後側に配置されたスペーサ63Bの上面にも,交互に並べて設けられた2個の伝熱管保持部材61と2個のスペーサ62とが支持されている。
また,例えば図7に示す第二の配置パターン,即ち,1個のスペーサ63A,2個のスペーサ63Bを伝熱管保持部材61及びスペーサ62の上方に移動させ,2個のスペーサ63A,4個のスペーサ63Bを伝熱管保持部材61及びスペーサ62の下方に配置した状態にできる。この図示の例では,伝熱管保持部材61及びスペーサ62よりも下側には,2個のスペーサ63Aが保持開口60の下縁部から2段1列に積み重ねられ,その隣(後側)に,4個のスペーサ63Bが保持開口60の下縁部から2段2列に積み重ねられている。そして,2段目に設けられたスペーサ63A,63Bの上面に,伝熱管保持部材61及びスペーサ62が並べて載せられている。伝熱管保持部材61及びスペーサ62よりも上側には,1個のスペーサ63A,2個のスペーサ63Bが1段に並べて載せられている。この場合,最も下段かつ最も前側に設けられた直管部41aと炉床7との間には,高さH2(H2=H1−h2)の間隙が形成される。即ち,伝熱管群40は,第一の配置パターンと比較して,1個のスペーサ63A,63Bの高さh2の分だけ低い位置に配置される。
例えば,図8に示す第三の配置パターン,即ち,2個のスペーサ63A,4個のスペーサ63Bを伝熱管保持部材61及びスペーサ62の上方に移動させ,1個のスペーサ63A,2個のスペーサ63Bを伝熱管保持部材61及びスペーサ62の下方に配置した状態にできる。この図示の例では,伝熱管保持部材61及びスペーサ62よりも下側には,保持開口60の下縁部に沿って,1個のスペーサ63A,2個のスペーサ63Bが1段に並べて載せられており,各スペーサ63A,63Bの上面に,伝熱管保持部材61及びスペーサ62が並べて載せられている。伝熱管保持部材61及びスペーサ62よりも上側には,2個のスペーサ63Aが2段1列に積み重ねられ,その隣(後側)に,4個のスペーサ63Bが2段2列に積み重ねられている。この場合,最も下段かつ最も前側に設けられた直管部41aと炉床7との間には,高さH3(H3=H1−h2×2)の間隙が形成され,伝熱管群40は第二の配置パターンよりさらに低い位置に配置される。
また,図9に示す第四の配置パターン,即ち,3個のスペーサ63A,6個のスペーサ63Bを総て上方に移動させ,伝熱管保持部材61及びスペーサ62を下方に配置した状態にすることもできる。図示の例では,伝熱管保持部材61及びスペーサ62は保持開口60の下縁部に沿って並べられ,伝熱管保持部材61及びスペーサ62の上側においては,スペーサ63Aが3段1列に積み重ねられ,その隣(後側)に,スペーサ63Bが3段2列に積み重ねて設けられている。またこの場合,最も下段かつ最も前側に設けられた直管部41aと炉床7との間には,高さH4(H4=H1−h2×3)の間隙が形成され,伝熱管群40は,第三の配置パターンよりもさらに低い位置に配置される。
なお,スペーサ63A,63Bの配置変更は,被覆層6eを剥離させた状態で行うことができる。即ち,スペーサ63A,63Bの配置変更を行った後で,側壁部6,伝熱管保持部材61,スペーサ62,63A,63Bのそれぞれの内面等に対してモルタル等の材料を吹き付け,被覆層6eを形成すれば良い。また,伝熱管41の高さが変更されると,端部41c,41dの高さも変わるが,冷媒供給管51においては,調節部51aが設けられていることにより,端部41cの高さに応じて,冷媒供給管51の長さを調節でき,冷媒排出管52においては,調節部52aが設けられていることにより,端部41dの高さに応じて,冷媒排出管52の長さを調節できる。
図1に示すように,炉体2の側壁部6には,二次燃焼室S2に火炎を噴射するバーナの噴射口90が備えられている。この噴射口90から火炎が噴射されることにより,一次燃焼室S1から上昇した排ガスの燃焼が促進させられる。
後内側面6bの上端部には,二次燃焼室S2内の雰囲気を排気する排気口91が開口されている。排気口91には排気路92が接続されている。この排気路92はバグフィルタ93に接続されている。一次燃焼室S1,二次燃焼室S2内の雰囲気は,二次燃焼室S2内を上昇して,排気口91から排気され,バグフィルタ93で塵埃が捕捉された後,外部に排気されるようになっている。また,バグフィルタ93で塵埃を捕捉された排ガスの一部は,戻し経路101を通って,給気経路102から供給された例えば空気等の酸素含有気体と混合される。戻し経路101及び給気経路102は,供給経路103を介して前述したガス吹込み部21に接続されている。即ち,戻し経路101から送気された排ガスと給気経路102から供給された空気が混合され,その混合ガスが各供給経路103から各ガス吹込み部21にそれぞれ流動化用ガスとして供給されるようになっている。
次に,以上のように構成された流動床炉1を用いた焼却物の焼却処理について説明する。先ず,ホッパー13に投入された焼却物と流動砂をブレンダ14で混合し,給塵装置15の稼動によって,所定の供給流量で,通路12及び投入口11を介して一次燃焼室S1内に連続的に供給する。このように一次燃焼室S1内に供給される焼却物は,例えば廃棄自動車からリサイクル備品を取除いた残りを粉砕したシュレッダーダスト(ASR)等である。
一次燃焼室S1内に流動砂と焼却物を連続的に供給する一方で,各ガス吹込み部21から一次燃焼室S1内に流動化ガスを上向きに吹込み,流動砂を吹き上げて流動化させる。これにより,流動砂と一緒に投入した焼却物を攪拌させながら加熱して,焼却する。すると,焼却物中の樹脂,繊維くず等の可燃物が熱分解又は燃焼させられて,熱分解ガス,酸化ガス等のガス成分を含む排ガス(一次燃焼ガス)が生じる。排ガスは流動層10から上昇して,流動層10の上方に設けられた二次燃焼室S2に向かう。
また,伝熱管群40においては,各伝熱管41の内部の流路に,例えば水(水蒸気)などの冷媒がそれぞれ通される。冷媒は,図示しない冷媒供給源から冷媒供給管51,端部41cを通じて,各伝熱管41の最も下側に設けられた直管部41aにそれぞれ供給される。そして,直管部41a内と湾曲部41b内を交互に流れ,各直管部41a内においては交互に逆向きに流れながら,下方から上方に向かい,最も上側に設けられた直管部41aから,端部41d,冷媒排出管52を通じて排出される。このように直管部41aの内部に通水された冷媒と,直管部41aの表面に接触した流動砂や焼却物とが,直管部41aの内外面を介して熱交換し,これによって流動砂と焼却物が冷却され,流動砂及び焼却物の温度が調節される。これにより,焼却物のカロリーが高い場合であっても,流動層10の温度が過度に高くなることが防止され,安定した燃焼処理ができる。ASRのような焼却物についても安定した燃焼処理ができ,燃えがらを低減できる。なお,流動層10の温度は,例えば約600〜800℃程度に維持すると良い。
焼却物の焼却中,伝熱管群40の冷却能力は,伝熱管41に通す冷媒の流量を増減させることにより,適宜調節することができる。即ち,伝熱管41に通す冷媒の流量を増加させれば,伝熱管群40の冷却能力を向上させることができ,流動層10の温度を効率的に低下させることができる。逆に,冷媒の流量を減少させると,伝熱管群40の冷却能力を低減させることができ,流動層10の温度を高く維持することができる。
この伝熱管群40では,直管部41aの略水平方向の位置と略鉛直方向の高さがそれぞれ揃えられ,略格子状の流路が形成されていることにより,流動砂や焼却物は,直管部41aの間で円滑に流動させられる。また,伝熱管群40は,炉床7の傾斜方向において低所側に設けられており,投入口11と伝熱管41との間や,炉床7と伝熱管41との間に,それぞれ十分な空間が形成されているので,これらの空間において,流動砂や焼却物を自在に流動させることができる。このように,流動砂や焼却物を円滑に流動させることで,焼却物の乾燥,熱分解,燃焼を効率的に行うことができる。また,直管部41a同士の間を通って流動が活発に行われることにより,伝熱管群40による温度調節を効率的に行うことができる。なお,複数本の直管部41aのうち,下側の一部の直管部41aのみを流動層10(流動砂及び焼却物)に埋没,接触させるようにすれば,総ての直管部41aを流動層10に埋没させる場合よりも,流動層10の流動に対する抵抗力が少なくなり,流動層10の流動をより円滑にすることができる。
焼却後に残った焼却物の燃えがらと流動砂は,取出し口30から排出される。そして,篩等によって燃えがらが選別除去された後,流動砂がホッパー13に戻される。
一方,一次燃焼室S1から二次燃焼室S2に上昇した排ガスは,二次燃焼室S2の下端部において,噴射口90から供給された火炎が混合させられることにより加熱される。排ガスは二次燃焼させられながら二次燃焼室S2内を上昇し,未燃ガスや微細な焼却物の燃焼が行われた後,排気口91から排出される。そして,バグフィルタ93によって排ガス中の飛灰等が集塵された後,外部に排出される。
以上のようにして,流動床炉1においては,流動化ガスによって流動層10を攪拌及び加熱しながら,伝熱管群40によって流動層10を冷却することにより,流動層10の温度調整を行いつつ,焼却物の焼却を行うようになっている。
ところで,この流動床炉1においては,前述のように,焼却物の焼却中,伝熱管群40における冷媒の流量を調節することで,伝熱管群40による冷却能力を調節できるが,焼却物の焼却を行う前に,予め伝熱管群40の高さを変えることでも,伝熱管群40による流動層10に対する冷却能力を調節できる。即ち,各支持構造部42,43におけるスペーサ63の配置を,4つの配置パターンのいずれかに変えることで,伝熱管群40の高さを変え,これにより,流動層10の流動砂や焼却物に埋没する直管部41aの本数を増減させ,直管部41aにおいて流動層10が接触する表面積,即ち,流動層10との熱交換が行われる面積を調節できる。伝熱管群40の高さを高くすれば,流動層10が接触する表面積が少なくなり,伝熱管群40の高さを低くすれば,流動層10が接触する表面積が多くなる。従って,伝熱管群40の冷却能力を変えることができる。
第一の配置パターン(図6)では,伝熱管群40は,4つの配置パターンのうち最も高い位置に配置される。流動層10に埋没する直管部41aの本数は,4つの配置パターンのうちでは最も少なくなる。図示の例では,流動層10が流動していない状態においては,下から1段目に位置する合計6本の直管部41aが流動層10に埋没し,流動層10が流動している状態では,下から1段目と2段目に位置する合計12本の直管部41aが流動層10に埋没するようになっている。
第二の配置パターン(図7)では,伝熱管群40は,4つの配置パターンのうち2番目に高い位置に配置される。また,流動層10に埋没する直管部41aの本数は,4つの配置パターンのうち2番目に少なくなる。図示の例では,流動層10が流動していない状態においては,下から1段目と2段目に位置する合計12本の直管部41aが流動層10に埋没し,流動層10が流動している状態では,下から1段目〜3段目に位置する合計18本の直管部41aが流動層10に埋没するようになっている。
第三の配置パターン(図8)では,伝熱管群40は,4つの配置パターンのうち3番目に高い位置に配置される。また,流動層10に埋没する直管部41aの本数が,4つの配置パターンのうち3番目に少なくなる。例えば,流動層10が流動していない状態においては,下から1段目〜3段目に位置する合計18本の直管部41aが流動層10に埋没し,流動層10が流動している状態では,下から1段目〜4段目に位置する合計24本の直管部41aが流動層10に埋没するようになっている。
第四の配置パターン(図9)では,伝熱管群40は,4つの配置パターンのうちで最も低い位置に配置される。また,流動層10に埋没する直管部41aの本数が,4つの配置パターンのうちで最も多くなる。例えば,流動層10が流動していない状態においては,下から1段目〜4段目に位置する合計24本の直管部41aが流動層10に埋没し,流動層10が流動している状態では,下から1段目〜5段目に位置する合計30本の直管部41aが流動層10に埋没するようになっている。
以上のように,伝熱管群40の高さは,第一の配置パターン,第二の配置パターン,第三の配置パターン,第四の配置パターンの順に次第に低くされ,流動層10に接触させられる直管部41aの表面積は,第一の配置パターン,第二の配置パターン,第三の配置パターン,第四の配置パターンの順に次第に大きくなる。従って,例えば伝熱管群40に通流させる冷媒の流量,伝熱管群40付近での流動層10の流動速度等の条件が同じと仮定した場合では,流動層10に対する冷却能力は,第一の配置パターン,第二の配置パターン,第三の配置パターン,第四の配置パターンの順に次第に大きくなると考えられる。伝熱管群40に通流させる冷媒の流量を可変とした場合でも,流動層10に対する冷却能力の上限や下限は,第一の配置パターン,第二の配置パターン,第三の配置パターン,第四の配置パターンの順に次第に大きくなると考えられる。従って,伝熱管群40の冷却能力を広い範囲で調節することができる。
なお,伝熱管群40の高さが低いほど,流動層10に接触する直管部41aの本数が増えることにより抵抗が大きくなり,また,伝熱管群40と炉床7との間の空間も狭くなるので,流動層10が流動しにくくなることが考えられるが,そのような場合でも,伝熱管群40の高さを高くすることにより,流動層10の流動状態を改善し,冷却効率を向上させることができる。
かかる流動床炉1によれば,保持開口60内の伝熱管保持部材61,スペーサ62,63A,63Bの配置を変えることで,流動層10(流動砂,焼却物)に対する伝熱管41の高さを変えることができる。これにより,流動層10に埋没させられる直管部41aの本数,即ち,流動層10に接触する各伝熱管41の表面積を調節できる。従って,各伝熱管41と流動層10とが熱交換可能な面積を変えることができ,これにより,流動層10に対する伝熱管41の冷却能力を変えることができる。例えば流動層10が高温になりやすい場合でも,十分な冷却能力を得ることができる。伝熱管41に通す冷媒の流量調節だけを行う場合よりも,さらに広い範囲で伝熱管41の冷却能力を調節することができる。
また,伝熱管41の高さを調節することにより,流動砂,焼却物,燃えがら等が伝熱管41に引っかかることや,伝熱管41の間に詰まったりすることを防止できる。例えば流動層10の流動性が悪い場合は,伝熱管41の高さを高くし,流動層10に埋没する直管部41aの本数を減らすことで,伝熱管41と流動層10とを円滑かつ確実に接触させ,流動層10の温度を確実に調節することができる。なお,流動層10の流動性が比較的良い場合は,伝熱管41の高さを低くし,流動層10に埋没する直管部41aの本数を多くしても良い。この場合,流動層10の流動速度を抑え,直管部41aと確実に熱交換が行われるように制御することでも,流動層10の温度を確実に調節することができる。
また,スペーサ63A,63B等の位置を移動させるだけで,伝熱管41の高さを所望の位置に簡単に変更できる。従って,伝熱管41の配置変更や被覆層6eの形成等に要する工期を短くすることができる。各支持構造部42,43においては,スペーサ63A,63Bの配置を変えても,炉体2に開口された保持開口60を伝熱管保持部材61,スペーサ62,63A,63Bを利用して密閉することができ,これにより,炉体2の性能を好適に維持できる。例えば熱応力によって側壁部6に熱ひずみが生じても支障なく対応できる。即ち,保持開口60において隙間が生じることを防止でき,炉体2から排ガスが漏れることや,炉体2内に外気が流入することを防止できる。また,側壁部6の強度が低下することを防止できる。
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば伝熱管群40の構造は,以上の実施形態に示したものに限定されない。伝熱管群40における伝熱管41の数は6つとしたが,5つ以下,7つ以上であっても良い。また,直管部41aの総数は36本としたが,これらの数は任意の複数に設定できる。また,流動層10に埋没させられる直管部41aの本数も限定されず,任意の数にすることができる。直管部41aの向きは左右方向としたが,例えば前後方向に向けても良い。また,伝熱管41の形状は,複数の直管部41aと湾曲部41bとを有する形状としたが,かかるものには限定されず,例えば,湾曲部41bを有しない直管状であっても良い。
各支持構造部42,43に設けられる伝熱管保持部材61,スペーサ62,スペーサ63A,63Bの個数は,以上の実施形態に示した数に限定されない。例えば伝熱管41の高さ調節用のスペーサとしては,異なる大きさの2種類のスペーサ63A,63Bを備えるとしたが,かかるスペーサは1種類でも3種類以上でも良い。例えばスペーサ63A,63Bに代えて,幅h0を有するスペーサを備えても良い。また,スペーサ62は必ずしも設けなくても良い。伝熱管保持部材61は伝熱管41を一つずつ保持する構成としたが,例えば,一つの伝熱管保持部材61によって複数の伝熱管41を保持するようにしても良い。
各支持構造部42,43におけるスペーサ63等の配置パターンは,以上の実施形態に示した配置パターンには限定されない。例えば図10に示すように,炉体2の前後方向における前側,中央部,後側において,伝熱管保持部材61,スペーサ62,63A,63Bの配置を,互いに異なるものにしても良い。そうすれば,伝熱管41の高さを前後方向で異なる高さにすることができる。
図10に示す例では,炉体2の前後方向における前側においては,1個の伝熱管保持部材61及び2個のスペーサ62の下方に,3個のスペーサ63Aを3段に配置している。同様に,中央部においても,2個の伝熱管保持部材61,2個のスペーサ62の下方に,3個のスペーサ63Bを3段に配置している。これに対し,後側においては,2個の伝熱管保持部材61,2個のスペーサ62の下方に,2個のスペーサ63Bを2段に配置し,上方に1個のスペーサ63Bを配置している。このようにすると,後側に配列された伝熱管41aは,前側の伝熱管41aよりも低い高さに配置される。即ち,後側ほど低くなる炉床7の傾斜に合わせて,伝熱管41aの高さも,後側ほど低くなるようにすることができる。
また,伝熱管保持部材61とスペーサ62の配置は,伝熱管保持部材61の間にスペーサ62を一つずつ配置するとしたが,かかる配置には限定されない。例えば伝熱管保持部材61の間にスペーサ62を挟まず,伝熱管保持部材61同士を隣接させたり,あるいは,伝熱管保持部材61の間に3個以上のスペーサ62を備えたりしても良い。このように,伝熱管保持部材61の間に備えるスペーサ62の個数を変更すれば,伝熱管41同士の間の隙間の大きさを変更できる。これにより,伝熱管41同士の間を通る流動層10の流動状態を調節することも可能である。
以上の実施形態では,焼却物としてASRを例示したが,焼却物はかかるものに限定されず,各種の廃棄物,例えば,都市ごみの粉砕物,産業廃棄物の粉砕物,汚泥,木屑等であっても良い。また,例えばASRと産業廃棄物の粉砕物との混合物など,異なる種類の廃棄物を混合したものであっても良い。本発明にかかる流動床炉によれば,様々な性質の廃棄物を,例えば難燃性の廃棄物であっても,効率的に焼却処理することが可能である。
また,以上の実施形態では,流動床炉1は角型の傾斜分散型流動層燃焼炉としたが,本発明はかかるものには限定されず,各種の方式の流動床炉に適用できる。例えば,実施の形態に示した流動床炉1において,燃えがら及び流動砂の取出し方式は,傾斜した炉床5の最低部から取り出す片端抜き出し式であったが,かかる取出し方式は,炉床の中央部から燃えがら及び流動砂を取出すいわゆるセンター抜き出し式等であっても良い。
本発明は,ボイラーや発電設備等を付設した流動床炉1に適用することもできる。例えば,側壁部6に冷媒配管を内設して,冷媒配管の内部に通された冷媒と排ガスが冷媒配管の内外面を介して熱交換することで,排ガスの熱が回収される構成としても良い。また,二次燃焼後の排ガスをボイラーに導入して,ボイラーの熱交換器において排ガスの熱を回収する構成としても良い。その場合,ボイラーは二次燃焼室S2とバグフィルタ93との間に設け,排ガスをボイラーによって冷却した後,バグフィルタ93において集塵することが好ましい。
また,以上の実施形態では,流動床炉1は廃棄物の焼却処理に用いるものとしたが,例えば石炭やごみ固形化燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)等を燃料(焼却物)として用いる発電施設の燃焼炉に適用することもできる。