JP2007230366A - 動力出力装置、それを搭載する車両及び動力出力装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機を制御する電動機制御手段の作動周波数を低く抑えることにより電動機制御手段の選択の幅を広げることができる。
【解決手段】後輪64a,64bに接続されたモータMG3の回転数が所定の閾値以下の範囲にあるときには、前輪62a,62bに接続されたエンジン22とモータMG1,MG2と、モータMG3とから要求トルクが出力されるようにこれらの制御指令を設定し、モータMG3の回転数が閾値を超えているときにはエンジン22とモータMG1,MG2から要求トルクが出力されるようこれらの制御指令を設定すると共に、モータMG3を駆動するインバータ43のゲート遮断指令を設定し、設定された制御指令に基づいてこれらを制御する。このように、高回転数の範囲ではモータMG3の駆動制御を実行しないため、リヤモータECU47の作動周波数を低く抑えることができ、ひいては性能の劣るリヤモータECUを利用可能である。
【選択図】図1
【解決手段】後輪64a,64bに接続されたモータMG3の回転数が所定の閾値以下の範囲にあるときには、前輪62a,62bに接続されたエンジン22とモータMG1,MG2と、モータMG3とから要求トルクが出力されるようにこれらの制御指令を設定し、モータMG3の回転数が閾値を超えているときにはエンジン22とモータMG1,MG2から要求トルクが出力されるようこれらの制御指令を設定すると共に、モータMG3を駆動するインバータ43のゲート遮断指令を設定し、設定された制御指令に基づいてこれらを制御する。このように、高回転数の範囲ではモータMG3の駆動制御を実行しないため、リヤモータECU47の作動周波数を低く抑えることができ、ひいては性能の劣るリヤモータECUを利用可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、動力出力装置、それを搭載する車両及び動力出力装置の制御方法に関する。
従来、動力出力装置としては、プラネタリギヤを介してエンジンからの動力と前輪用モータからの動力とを前輪に出力する前輪駆動系と、後輪用モータからの動力を後輪に出力する後輪駆動系と、後輪モータとバッテリとの電気的接続を遮断するリレーとを備えたハイブリッド車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、路面の摩擦係数が低いときなど後輪用モータを駆動する以外ではリレーを開放し、後輪用モータの回転数が所定値を超えるとリレーの開放を禁止していわゆる弱め界磁制御を実行することにより、後輪用モータが発電するのを抑制する。
特開2000−253512号公報
ところで、一般に、モータの回転数が高いほど、モータを駆動するための信号を単位時間あたりに多く出力する必要があるため、モータを制御する制御機器(例えば電子制御ユニットなど)も高い周波数で作動することが求められる。この特許文献1に記載された動力出力装置では、弱め界磁制御を実行するような高回転領域まで後輪用モータを駆動制御することを前提としているため、高い周波数帯で作動可能なモータの制御機器を後輪用モータの駆動制御に用いなければならず、後輪用モータの制御機器の作動周波数を低く抑えることができず、比較的高い性能を有する制御機器しか利用できなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、電動機を制御する電動機制御手段の作動周波数を低く抑えることにより電動機制御手段の選択の幅を広げることができる動力出力装置、それを搭載する車両及び動力出力装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な動力源と、
駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数を検出可能な検出手段と、
前記検出された回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定する目標駆動状態設定手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御する動力源制御手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機を制御する電動機制御手段と、
を備えたものである。
駆動軸に動力を出力可能な動力源と、
駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数を検出可能な検出手段と、
前記検出された回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定する目標駆動状態設定手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御する動力源制御手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機を制御する電動機制御手段と、
を備えたものである。
この動力出力装置では、電動機の回転軸回転数が所定範囲内にあるときには動力源及び電動機から操作者の操作に基づいて設定された要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるように動力源と電動機との目標駆動状態を設定し、回転軸回転数が所定範囲を超えているときには動力源から要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう動力源の目標駆動状態を設定すると共に、電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定し、設定された目標駆動状態に基づいて動力源と電動機とを制御する。一般に、電動機の回転数が所定範囲を超えて大きくなると、それに合わせ高い周波数で作動する電動機制御手段が必要となる。ここでは、電動機の回転数が所定範囲を超えたときには電動機への電力供給を行わないようにするのである。したがって、電動機を制御する電動機制御手段の作動周波数を低く抑えることができ、ひいては電動機制御手段の選択の幅を広げることができる。
本発明の動力出力装置において、前記目標駆動状態設定手段は、前記所定範囲として前記電動機の最大許容回転数よりも小さい回転数を上限とした範囲を用いて前記目標駆動状態を設定する手段であるものとしてもよい。
本発明の動力出力装置は、スイッチング素子のスイッチングにより前記電動機を駆動する駆動回路、を備え、前記電動機制御手段は、前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態が設定されたときには、前記駆動回路のスイッチング素子を遮断する手段であるものとしてもよい。こうすれば、スイッチング素子のスイッチングを利用して、比較的容易に電動機への電力供給を行わないようにすることができる。
本発明の動力出力装置において、前記電動機は、永久磁石を備えずに前記駆動軸に動力を出力可能な非永久磁石式電動機であるものとしてもよい。こうすれば、回転軸が連れ回され回転軸回転数が所定範囲を超えたときに電動機への電力の供給を行わないものとしても、電動機の発電を防止することができる。
本発明の動力出力装置において、前記動力源は、内燃機関を含み該内燃機関から前記駆動軸に動力を出力可能であるものとしてもよい。このとき、前記動力源は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、該駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、を備えるものとしてもよい。
本発明の車両は、上述したいずれかに記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなるものである。この動力出力装置は、上述したように電動機を制御する電動機制御手段の作動周波数を低く抑えることにより電動機制御手段の選択の幅を広げることができるものであるから、これを備えた車両も同様の効果が得られる。
本発明の車両において、前記電動機は、前記動力源の出力軸が駆動軸を介して連結した車軸とは異なる車軸に前記回転軸が駆動軸を介して連結されてなるものとしてもよい。こうすれば、回転軸回転数が所定範囲にあるときには複数の車軸を駆動可能であるため、安定した走行を行うことができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な動力源と、駆動軸に動力を出力可能な電動機と、電動機を制御する電動機制御手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定し、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御すると共に前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機制御手段が電動機を制御する、ことを含むものである。
駆動軸に動力を出力可能な動力源と、駆動軸に動力を出力可能な電動機と、電動機を制御する電動機制御手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定し、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御すると共に前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機制御手段が電動機を制御する、ことを含むものである。
この動力出力装置の制御方法では、電動機の回転軸回転数が所定範囲内にあるときには動力源及び電動機から操作者の操作に基づいて設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように動力源と電動機との制御指令を設定し、回転軸回転数が所定範囲を超えているときには動力源から要求駆動力に基づく駆動力が出力されるよう動力源の制御指令を設定すると共に、電動機に電力供給を行わない制御指令を設定し、設定された制御指令に基づいて動力源と電動機とを制御する。一般に、電動機の回転数が所定範囲を超えて大きくなると、それに合わせ高い周波数で作動する電動機制御手段が必要となる。ここでは、電動機の回転数が所定範囲を超えたときには電動機への電力供給を行わないようにするのである。したがって、電動機を制御する電動機制御手段の作動周波数を低く抑えることができ、ひいては電動機制御手段の選択の幅を広げることができる。なお、この動力出力装置の制御方法において、上述した動力出力装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した動力出力装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されると共にギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ61を介して前輪62a,62bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、デファレンシャルギヤ63を介して後輪64a,64bに接続されたモータMG3と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ61を介して、最終的には前輪62a,62bに出力される。
モータMG1,MG2,MG3は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されている。ここでは、モータMG1,MG2は、ロータ内に永久磁石を埋め込んだいわゆるPMモータとして構成され、モータMG3は、永久磁石を備えず、ロータに凸極を設けステータに設けられたコイルで発生する回転磁界の力によって回転駆動するシンクロナスリラクタンスモータとして構成されている。これらモータMG1,MG2,MG3は、インバータ41,42,43を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。図2に、インバータ43の構成の概略を示す構成図を示す。なお、インバータ41,42,43は、いずれも同様の構成としたから、各インバータ41,42,43のうち一つだけを図示し他のインバータの図示は省略した。インバータ43は、図示するように、6個のスイッチング素子43a〜43f(例えばIGBTなど)から構成される三相ブリッジ回路により直流電流と三相交流電流との変換を行ったり、供給する電力の電圧の変換を行ったりする電力変換器である。このインバータ43は、バッテリ50からの直流電力を三相交流電力に変換してモータMG3に供給可能であり、モータMG3からの三相交流電力を整流してバッテリ50へ供給可能となっている。インバータ41,42,43とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42,43が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2,MG3のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2,MG3のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2,MG3により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。また、モータMG3は、リヤモータ用電子制御ユニット(以下、リヤモータECUという)47により駆動制御されている。リヤモータECU47は、モータECU40よりも作動周波数の低いCPUなどにより構成されている。リヤモータECU47には、モータMG3を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ46からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG3に印加される相電流などが入力されており、リヤモータECU47からは、インバータ43へのスイッチング制御信号などが出力されている。モータECU40やリヤモータECU47は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2,MG3を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2,MG3の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両から出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とモータMG3とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2とモータMG3の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3の一方または両方とによってトルク変換されて出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3の一方または両方とによるトルク変換を伴って要求動力が出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2およびモータMG3の一方または両方から要求動力に見合う動力が出力されるよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度AccやモータMG1,MG2,MG3の各回転数Nm1,Nm2,Nm3,車速センサ88からの車速V,バッテリ50の充放電要求パワーPb*など制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、回転数Nm1,Nm2,Nm3は、回転位置検出センサ44,45,46からのモータMG1,MG2,MG3のロータの回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40及びリヤモータECU47から通信により入力するものとした。充放電要求パワーPb*は、図示しない充放電要求パワー設定処理ルーチンによりバッテリECU52から通信により入力した残容量SOCが所定量よりも大きいときには大きいほど放電用のパワーが大きくなる傾向に設定され、残容量SOCが所定量よりも小さいときには小さいほど充電用のパワーが大きくなる傾向に設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求される要求トルクT*と要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。ここで、要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め求めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vが与えられると要求トルク設定用マップから対応する要求トルクT*を導出することにより設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図4に示す。また、要求パワーP*は、設定した要求トルクT*に車速Vを乗じたものと充放電要求パワーPb*と損失Lossとの和により計算したものを設定するものとした。
続いて、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3ref以下であるか否かを判定する(ステップS120)。閾値Nm3refは、予め設定されたモータMG3の最大回転数Nm3maxよりも小さな値、例えば、最大回転数Nm3maxの5割や6割、7割などの回転数に定められている。回転数Nm3が閾値Nm3ref以下であるときには、モータMG3を駆動可能であるものとみなし、以下の処理を実行する。具体的には、まず、要求トルクT*を前輪62a,62bおよび後輪64a,64bに分配するための分配比Dを設定する(ステップS130)。ここで、分配比Dは、要求トルクT*に対する前輪62a,62bに出力するトルクの割合として車両の走行状態に基づいて値1〜値0の範囲で設定されるものである。例えば、通常走行時には前輪62a,62b側だけにトルクが出力されるよう値1.0の分配比Dを設定したり、坂路走行時や発進走行時には前輪62a,62bと後輪64a,64bの両方にトルクが出力されるよう値0.5や値0.6などの分配比Dを設定したり、前輪62a,62bと後輪64a,64bの一方にスリップが発生したスリップ発生時にはスリップが発生した車輪に出力されるトルクの割合が小さくなると共にスリップが発生していない車輪に出力されるトルクの割合が大きくなるように分配比Dを設定したりすることができる。分配比Dを設定すると、設定した分配比Dに要求トルクT*を乗じて前輪62a,62b側に出力すべき前輪側トルクTf*を設定すると共に値1から分配比Dを減じたものに要求トルクT*を乗じて後輪64a,64b側に出力すべき後輪側トルクTr*を設定する(ステップS140)。続いて、後輪側トルクTr*を設定すると、次式(1)に示すように、後輪側トルクTr*を換算係数Grで除することによりモータMG3から出力すべきトルク指令Tm3*を設定すると共に、設定したトルク指令Tm3*をリヤモータECU47へ送信する(ステップS150)。ここで、換算係数Grは、後輪64a,64bに作用するトルクをモータMG3に作用するトルクに換算するための係数である。
Tm3*=Tr*/Gr (1)
トルク指令Tm3*を送信すると、要求パワーP*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーP*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーP*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Ga;「Ga」は減速ギヤ35のギヤ比)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に設定した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(3)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS170)。動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。前述したように、サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でもありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neでもあるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nrとエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(2)により計算することができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。ここで、式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。なお、図6におけるR軸上の2つの上向き太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*がリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)-Nm2/Ga)/ρ (2)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*-Nm1)+KI∫(Nm1*-Nm1)dt (3)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*-Nm1)+KI∫(Nm1*-Nm1)dt (3)
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、次式(4)に示すように、前輪側トルクTf*を換算係数Gfで除したものからエンジン22からリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルク(=−Tm1*/ρ)を減じこれを更に減速ギヤ35のギヤ比Gaで除することによりモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。ここで、換算係数Gfは、前輪62a,62bに作用するトルクをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算するための係数である。
Tm2*=(Tf*/Gf+Tm1*/ρ)/Ga (4)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。また、ステップS150で送信されたトルク指令Tm3*を受信したリヤモータECU47は、トルク指令Tm3*でモータMG3が駆動されるようインバータ43のスイッチング素子43a〜43fのスイッチング制御を行なう。このように、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3ref以下であるときには、操作者の要求する要求トルクT*が前輪62a,62b及び後輪64a,64bに出力されるようエンジン22、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するのである。
一方、ステップS120で、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えていると判定されたときにはモータMG3を駆動可能な範囲を超えたものとみなし、要求トルクT*を前輪62a,62bおよび後輪64a,64bに分配するための分配比Dを設定する(ステップS200)。ここでは、分配比Dは、値1に定めることにより、後輪64a,64bからトルクを出力しないようにする。分配比Dを設定すると、設定した分配比Dに要求トルクT*を乗じる、即ち前輪62a,62b側に出力すべき前輪側トルクTf*を要求トルクT*に設定すると共に後輪側トルクTr*を値0に設定し(ステップS210)、インバータ43のゲート遮断指令をリヤモータECU47へ送信する(ステップS220)。
そして、上述と同様に、ステップS160〜S190の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。また、インバータ43のゲート遮断指令を受信したリヤモータECU47は、インバータ43のスイッチング素子43a〜43fのゲート遮断を行なう。このように、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えているときには、操作者の要求する要求トルクT*がエンジン22とモータMG1,MG2から前輪62a,62bに出力されるようこれらを制御すると共に、モータMG3への電力の供給を行わない、即ちモータMG3の駆動制御を全く行わないようにするのである。ここで、例えば、極数が8極のPMモータを駆動制御する場合、モータECUは、ロータが1回転する間に4回の制御信号をインバータに出力する必要がある。したがって、モータの回転数をより高い回転数(例えば最高回転数Nm3maxなど)まで駆動可能とするためには、モータMG3の制御機器(例えばモータECUなど)をより高い周波数まで作動可能なものとすることが必要になる。図7は、モータMG3のトルクTm3と、回転数Nm3との関係を表す説明図である。なお、図中に斜線で示した範囲がモータMG3を駆動制御する範囲である。本実施例では、モータMG3が坂路走行時や発進走行時、スリップ時などのアシストを行う補助的なものであり、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えるような高車速では駆動する必要性がそもそも低いことから、閾値Nm3refを超えた範囲では、モータMG3への電力の供給を停止する、即ちモータMG3の駆動制御を全く行わないようにするのである。このため、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3ref以上で駆動制御するものに比べてリヤモータECU47の作動周波数を低く抑えることができ、より性能の劣るリヤモータECUを利用可能である。また、モータMG3が、永久磁石を備えていないシンクロナスリラクタンスモータであり、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えるような高車速であっても、発電する(逆起電圧が発生する)ことがないため、モータMG3を弱め界磁制御などの駆動制御をしないことによる弊害(例えば発電によるトルクショックなど)が生じない。
ここで、本実施例の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施例のエンジン22、モータMG1,MG2及び動力分配統合機構30が本発明の動力源に相当し、このうち、モータMG1及び動力分配統合機構30が電力動力入出力手段に相当し、モータMG2が第2電動機に相当する。また、本実施例のモータMG3が本発明の電動機に相当し、回転位置検出センサ46が検出手段に相当し、ハイブリッド用電子制御ユニット70が要求駆動力設定手段及び指令設定手段に相当し、エンジンECU24及びモータECU40が動力源制御手段に相当し、リヤモータECU47が電動機制御手段に相当し、インバータ43が駆動回路に相当する。なお、本実施例では、ハイブリッド自動車20の動作を説明することにより本発明の動力出力装置の制御方法の一例も明らかにしている。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG3の回転数Nm3が所定範囲にあるときにはエンジン22,モータMG1,MG2及びモータMG3から操作者の操作に基づいて設定された要求トルクT*が出力されるようエンジン22,モータMG1,MG2とモータMG3との制御指令を設定し、回転数Nm3が閾値Nm3refを超えているときにはエンジン22,モータMG1,MG2から要求トルクT*が出力されるようエンジン22,モータMG1,MG2の制御指令を設定すると共に、モータMG3に電力供給を行わない制御指令を設定し、設定された制御指令に基づいてエンジン22,モータMG1,MG2とモータMG3とを制御する。一般に、モータMG3の回転数が所定範囲を超えて大きくなると、それに合わせて高い周波数で作動するリヤモータECUが必要となる。ここでは、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えたときにはモータMG3への電力供給を行わないようにするのである。したがって、リヤモータECU47やインバータ43など、モータMG3の制御機器の作動周波数を低く抑えることができる。このため、従来、例えばモータMG3を最高回転数Nm3maxまで駆動制御可能としようとすると利用できなかった性能の劣るモータECUやインバータなどを利用することができ、ひいては、より安価にハイブリッド自動車20を製造することができる。
また、リヤモータECU47は、モータMG3に電力供給を行わないゲート遮断指令が設定・送信されたときには、インバータ43のスイッチング素子43a〜43fのスイッチングを遮断するため、スイッチング素子43a〜43fのスイッチングを利用して、比較的容易にモータMG3への電力供給を行わないようにすることができる。また、モータMG3は、永久磁石を備えずに前記駆動軸に動力を出力可能なシンクロナスリラクタンスモータであるため、モータMG3のロータが連れ回されモータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3refを超えたときにモータMG3への電力の供給を行わないものとしても、モータMG3による発電(逆起電圧の発生)を防止することができる。更に、前輪62a,62bを駆動するエンジン22,モータMG1,MG2の接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aとは異なる後輪64a,64bを駆動する駆動軸にモータMG3が接続されているため、モータMG3の回転数Nm3が閾値Nm3ref以下の範囲にあるときには前輪62a,62bと後輪64a,64bとを駆動することができ、安定した走行をすることができる。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施例では、モータMG3を永久磁石を備えないシンクロナスリラクタンスモータとしたが、特にこれに限られず、モータMG3を永久磁石を備えない他のモータ(例えば、誘導モータなど)としてもよい。こうしても、上述した実施例と同様の効果が得られる。また、モータMG3を永久磁石を備えたモータ(例えばPMモータ)としてもよい。こうしても、リヤモータECU47やインバータ43など、モータMG3の制御系機器の作動周波数を低く抑えることはできる。
上述した実施例では、同期モータとしてのモータMG1,MG2,MG3をインバータ41,42,43により駆動するものとしたが、これに限られず、例えば、直流モータをチョッパ回路により駆動するものとしてもよい。
上述した実施例では、モータMG3の回転数Nm3は、回転位置検出センサ46の回転位置を用いて演算するものとしたが、モータMG3の回転数Nm3は、車速センサ88の車速Vに変換係数を乗算することにより間接的に演算するものとしてもよい。
上述した実施例では、ハイブリッド用電子制御ユニット70がエンジン22やモータMG1,MG2,MG3の指令値を設定し、エンジンECU24がエンジン22を制御し、モータECU40がモータMG1,MG2を制御するものとしたが、エンジン22とモータMG1,MG2とを要求トルクT*に基づいて制御可能なものとすれば、例えば、ハイブリッド用電子制御ユニット70にエンジンECU24とモータECU40との機能を持たせてエンジンECU24とモータECU40とを省略するなど、自由に任意のECUを用いるものとしてもよい。
上述した実施例では、閾値Nm3refは、モータMG3の最大回転数Nm3maxよりも小さな回転数に定められ、リヤモータECU47は、モータECU40よりも作動周波数の低いCPUなどにより構成されているものとしたが、リヤモータECU47やインバータ43などモータMG3の制御機器の作動周波数やモータMG3の最大回転数などを予め決定し、決定したモータMG3の制御機器の作動周波数やモータMG3の最大回転数から閾値Nm3refを設定するとしてもよい。
上述した実施例では、エンジン22からの動力を前輪62a,62bに出力するものとしたが、エンジン22からの動力を後輪64a,64bに出力するものとしてもよい。
上述した実施例では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して前輪62a,62bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と前輪62a,62bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータモータ130を備えるものとしてもよい。
上述した実施例では、シリーズ型とパラレル型とを混成したハイブリッド自動車20について説明したが、駆動軸を駆動する主動力源とこの駆動軸と同一又は別の駆動軸を駆動する副動力源としてのモータとを備えた自動車であれば特にこれに限定されず、例えば、図9に示すように、主動力源としてのエンジン22のクランクシャフトに副動力源としてのモータMG3が接続され、エンジン22からの動力とモータMG3からの動力とによりトランスミッション38を介して前輪62a,62bを駆動するハイブリッド自動車220に本発明を適用してもよい。なお、トランスミッション38は、有段であっても無段であってもよい。このとき、後輪64a,64bを駆動する図示しないモータMGに本発明を適用してもよい。また、シリーズ型のハイブリッド自動車に本発明を適用してもよい。さらに、燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて発電する燃料電池と、燃料電池で発電した電力により動力を出力するモータMG2とを主動力源として備える燃料電池自動車に本発明を適用してもよい。
上述した実施例では、エンジン22とインバータ41,42,43により駆動されるモータMG1,MG2,MG3とを備えるハイブリッド自動車20に適用して説明したが、ハイブリッド自動車に限られず、図10の変形例の電気自動車320に例示するように、前輪62a,62bに動力を出力するモータMG1と後輪64a,64bに動力を出力するモータM2とを備え、エンジンを備えない電気自動車としてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車20に搭載された動力出力装置に限定されるものではなく、自動車以外の移動体(例えば列車や航空機、船舶)などに搭載された動力出力装置としても構わない。また、動力出力装置の形態としてもよいし、動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
20,120,220 ハイブリッド自動車、320 電気自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、38 トランスミッション、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、43a〜f スイッチング素子、44,45,46 回転位置検出センサ、47 リヤモータ用電子制御ユニット(リヤモータECU)、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、61,63 デファレンシャルギヤ、62a,62b 前輪、64a,64b 後輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ 134 アウターロータ、MG1,MG2,MG3, モータ。
Claims (9)
- 駆動軸に動力を出力可能な動力源と、
駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数を検出可能な検出手段と、
前記検出された回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定する目標駆動状態設定手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御する動力源制御手段と、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機を制御する電動機制御手段と、
を備えた動力出力装置。 - 前記目標駆動状態設定手段は、前記所定範囲として前記電動機の最大許容回転数よりも小さい回転数を上限とした範囲を用いて前記目標駆動状態を設定する手段である、
請求項1に記載の動力出力装置。 - 請求項1又は2に記載の動力出力装置であって、
スイッチング素子のスイッチングにより前記電動機を駆動する駆動回路、を備え、
前記電動機制御手段は、前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態が設定されたときには、前記駆動回路のスイッチング素子を遮断する手段である、
動力出力装置。 - 前記電動機は、永久磁石を備えずに前記駆動軸に動力を出力可能な非永久磁石式電動機である、
請求項3に記載の動力出力装置。 - 前記動力源は、内燃機関を含み該内燃機関から前記駆動軸に動力を出力可能である、
請求項1〜4のいずれかに記載の動力出力装置。 - 前記動力源は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、該駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、を備える、請求項5に記載の動力出力装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
- 前記電動機は、前記動力源の出力軸が駆動軸を介して連結した車軸とは異なる車軸に前記回転軸が駆動軸を介して連結されてなる、請求項7に記載の車両。
- 駆動軸に動力を出力可能な動力源と、駆動軸に動力を出力可能な電動機と、電動機を制御する電動機制御手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
前記電動機の回転軸の回転数である回転軸回転数が所定範囲内にあるときには前記動力源及び該電動機から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源と該電動機との目標駆動状態を設定し、前記回転軸回転数が所定範囲を超えているときには前記動力源から前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう該動力源の目標駆動状態を設定すると共に前記電動機に電力供給を行わない目標駆動状態を設定し、
前記設定された目標駆動状態に基づいて前記動力源を制御すると共に前記設定された目標駆動状態に基づいて前記電動機制御手段が電動機を制御する、
動力出力装置の制御方法。
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