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JP2007227312A - プラズマ発生装置及びワーク処理装置。 - Google Patents

プラズマ発生装置及びワーク処理装置。 Download PDF

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JP2007227312A JP2006050145A JP2006050145A JP2007227312A JP 2007227312 A JP2007227312 A JP 2007227312A JP 2006050145 A JP2006050145 A JP 2006050145A JP 2006050145 A JP2006050145 A JP 2006050145A JP 2007227312 A JP2007227312 A JP 2007227312A
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和弘 吉田
Masaaki Mike
正明 三毛
Hidetaka Matsuuchi
秀高 松内
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Abstract

【課題】長時間安定したプラズマを放出する。
【解決手段】電極ピン38は、プラズマ発生ノズル31から放出されるプラズマ中のイオンを取り込み、電流計961は、電極ピン38により取り込まれたイオンのイオン電流値を測定し、センサ入力部96に出力する。PWM制御部901は、センサ入力部96から出力されたイオン電流値が、目標イオン範囲に属するように、マイクロ波出力制御部91にPWM信号を生成させ、マイクロ波のパワーを調整する。
【選択図】図10

Description

本発明は、基板等の被処理ワークなどに対してプラズマを照射することで、前記ワークの表面の清浄化や改質などを図ることが可能なプラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置に関する。
近年、半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成または薄膜除去等を行う技術が知られている。また、特許文献1には、プラズマ中の粒子密度を赤外吸収分光装置により計測し、計測結果に応じて高周波電界をパルス変調する技術が開示されている。また、特許文献2には、プラズマ中のイオンを質量分析計検出器で計測する技術が開示されている。また、特許文献3には、プラズマからイオンビーム電流を算出する技術が開示されている。また、特許文献4には、プラズマを計測し、プラズマを発生させるためのガスのガス圧力を制御する技術が開示されている。
特開平9−199485号公報 特開平4−106855号公報 特開平1−195644号公報 特開平4−72064号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4には、プラズマ中に含まれるイオンを測定し、その測定結果に基づいて、プラズマに含まれるイオンの量が目標量になるように制御することが開示されておらず、この点、改良の余地がある。特に、ワークに対して所望の改質効果を得るためには、一定のイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出する必要がある。
本発明の目的は、一定のイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出することができるプラズマ発生装置及びワーク処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明によるプラズマ発生装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波発生部により発生されたマイクロ波を伝搬する導波部と、プラズマ化されるガスを供給するガス供給部と、前記マイクロ波を受信し、受信したマイクロ波を基に、前記ガス供給部から供給されるガスをプラズマ化して放出するプラズマ発生部と、前記プラズマ発生部から放出されるプラズマに含まれるイオンの量を測定するイオン量測定部と、前記イオン量測定部により測定されるイオンの量が所定の目標イオン量を保つように、前記プラズマ発生部から出力されるプラズマの状態を制御する状態制御部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、プラズマ発生部から放出されるプラズマ中のイオンの量が順次測定され、測定されたイオンの量が目標イオン量を保つように、プラズマ発生部から出力されるプラズマの状態が制御される。すなわち、プラズマ中に含まれるイオンの量が目標イオン量を保つように、プラズマの状態がフィードバック制御されているため、目標イオン量に合致するイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出することができる。
また、上記構成において、前記状態制御部は、前記マイクロ波発生部から出力されるマイクロ波のパワーを調整することで前記プラズマの状態を制御することが好ましい。
この構成によれば、マイクロ波発生部から出力されるマイクロ波のパワーを調整することで、プラズマ中のイオンの量が目標イオン量とされているため、目標イオン量を含むプラズマを長時間安定して放出することができる。
また、上記構成において、前記プラズマ発生部は、前記状態制御部により出力されるPWM信号により、出力するマイクロ波のパワーが調整され、前記状態制御部は、前記PWM信号のデューティー比を所定の分解能で増減させることで、マイクロ波のパワーを調整し、前記イオン量測定部により測定されたイオンの量が前記目標イオン量に近づくにつれて、前記分解能を小さくすることが好ましい。
この構成によれば、測定されたイオンの量が目標イオン量に近づくにつれて、PWM信号のデューティー比の分解能が小さくされるため、高速、かつ高精度にプラズマに含まれるイオンの量を目標イオン量に合致させる制御を行うことができる。
また、上記構成において、前記状態制御部は、前記ガス供給部から前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整することで前記プラズマに含まれるイオンの量を調整することが好ましい。
この構成によれば、ガス量を調整することでイオンの量が目標イオン量となるように制御されるため、目標イオン量を含むプラズマを長時間安定して放出することができる。
また、上記構成において、前記状態制御部は、前記ガス供給部から前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整する流量制御弁と、前記流量制御弁の開度を調整するガス流量調整部とを含み、前記ガス流量調整部は、前記流量制御弁の開度を所定の分解能で増減させることで、前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整し、前記イオン量測定部により測定されたイオンの量が前記目標イオン量に近づくにつれて、前記分解能を小さくすることが好ましい。
この構成によれば、測定されたイオンの量が目標イオン量に近づくにつれて、流量制御弁の開度の分解能が小さくされるため、高速、かつ高精度にイオンの量を目標イオン量にすることができる。
また、上記構成において、前記イオン量測定部は、前記プラズマ発生部から放出されるプラズマ化されたガスからなるプルームが照射される位置に配設され、表面に金属メッキが施された電極ピンと、前記電極ピンを流れる電流を検出する電流計とを含むことが好ましい。
この構成によれば、表面に金属メッキが施された電極ピンが、プラズマ発生部から放出されるプルームに挿入されるように配設され、電極ピンを流れる電流によりプラズマ中のイオンの量が測定されているため、イオンの量を正確に測定することができる。
本発明によるプラズマ発生装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ発生装置を備え、前記プラズマ発生装置から放出されたプラズマをワークに照射することを特徴とする。
この構成によれば、プラズマに含まれるイオンの量が目標イオン量であるプラズマを長時間安定してワークに放出することができるワーク処理装置を提供することができる。
本発明によれば、一定のイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出することができる。
以下、本発明の実施の形態1によるワーク処理装置Sについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し被処理物となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生装置)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとから構成されている。図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットであって、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60及びインピーダンス整合を行うスタブチューナ70を備えて構成されている。また搬送手段Cは、図略の駆動手段により回転駆動される搬送ローラ80を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送手段Cにより搬送される例を示している。
導波管10は、例えば非磁性金属(アルミニウム等)からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組み付けられる第2導波管ピース12及びプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されてなる。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12及び第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板及び2枚の側面板を用いて角筒状に組み立てられ、その両端にフランジ板が取り付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押し出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピース若しくは非分割型の導波管を用いるようにしても良い。また、断面矩形の導波管に限らず、例えば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
マイクロ波発生装置20は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、例えば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
図3に示すようにマイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された例えば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(矩形導波管の一つの側面;処理対象ワークとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。例えば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合は、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すれば良い。
図4は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図5は、図4のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32、ノズル本体33、ノズルホルダ34、シール部材35及び保護管36を含んで構成されている。
中心導電体32は、良導電性の金属から構成された棒状部材からなり、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材からなり、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体からなる。
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、例えばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組み付けられているものである。
保護管36(図5では図示省略している)は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていても良い。
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34及び第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。従って、図6に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322及びノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
かかる状態で、ガス供給孔344から例えば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、例えば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
因みに、処理ガスとしてアルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、各種基板の表面クリーニングや表面改質を行うことができる。また、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば基板表面を撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで基板表面を親水性表面に改質することができる。さらに、金属元素を含む化合物ガスを用いれば、基板上に金属薄膜層を形成することができる。
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。従って、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取り付けられる。
図7は、スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。図7に示すように、スライディングショート40は、導波管10と同様な断面矩形の筐体構造を備えており、導波管10と同じ材料で構成された中空空間410を有する筐体部41と、前記中空空間410内に収納された円柱状の反射ブロック42と、反射ブロック42の基端部に一体的に取り付けられ前記中空空間410内を左右方向に摺動する矩形ブロック43と、この矩形ブロック43に組み付けられた移動機構44と、反射ブロック42にシャフト45を介して直結されている調整ノブ46とが備えられている。
反射ブロック42は、マイクロ波の反射面となる先端面421が第3導波管ピース13の導波空間130に対向するよう左右方向に延在する円柱体である。この反射ブロック42は、矩形ブロック43と同様な角柱状を呈していても良い。前記移動機構44は、調整ノブ46の回転操作により矩形ブロック43及びこれと一体化された反射ブロック42を左右方向に推進若しくは後退させる機構であって、調整ノブ46を回転させることで反射ブロック42が中空空間410内において矩形ブロック43にてガイドされつつ左右方向に移動可能とされている。かかる反射ブロック42の移動による先端面421の位置調整によって、定在波パターンが最適化される。なお、調整ノブ46の回転操作を、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
サーキュレータ50は、例えばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
図8は、サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。図示するように、サーキュレータ50の第1ポート51には第1導波管ピース11が、第2ポート52には第2導波管ピース12が、さらに第3ポート53にはダミーロード60がそれぞれ接続されている。そして、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から発生されたマイクロ波は、矢印aで示すように第1ポート51から第2ポート52を経由して第2導波管ピース12へ向かう。一方、第2導波管ピース12側から入射する反射マイクロ波は、矢印bで示すように、第2ポート52から第3ポート53へ向かうよう偏向され、ダミーロード60へ入射される。
ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。このダミーロード60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図9は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、例えばマイクロ波電力パワーをモニターしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。なお、このようなインピーダンス整合は、必要に応じてスライディングショート40と連動させて実行される。このスタブチューナ70の操作も、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動手段により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すれば良い。
次に、実施の形態1に係るワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図10は、ワーク処理装置Sの制御系を示すブロック図である。この制御系は、本装置を統括制御する全体制御部90(状態制御部の一例に相当)、マイクロ波出力制御部(状態制御部の一例に相当)91、ガス流量制御部92、搬送制御部93、ユーザからの操作指令を受け付け、全体制御部90に操作指令に応じた信号を出力する操作部95、IOポートやアナログ/デジタル変換器等から成るセンサ入力部96,97、速度センサ971、電極ピン(イオン量測定部の一例に相当)38、駆動モータ931、8個の流量制御弁923、及び8個の電流計961(イオン量測定部の一例に相当)を備えている。
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御等を行うと共に、全体制御部90から出力される制御信号に従って、PWM信号を生成し、マイクロ波発生装置20に出力し、マイクロ波発生装置20から2.45GHzのマイクロ波を発生させる。
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921と各プラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた前記流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整をそれぞれ行う。
搬送制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始/停止、および搬送速度の制御等を行うものである。操作部95は、テンキー、タッチパネル等から構成され、ユーザからの種々の入力を受け付ける。
全体制御部90は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びROM(リードオンリーメモリ)等から構成され、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司るもので、操作部95から与えられる信号に応じて、搬送制御部93等を制御する。特に、本実施の形態では、PWM制御部901、目標イオン範囲記憶部902の機能を備えている。これらの機能は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
PWM制御部901は、8個の電流計361の各々により測定されたプラズマ中のイオンの量を示すイオン電流値を、センサ入力部96を介して順次受信し、受信した8個のイオン電流値の代表値(例えば平均値、中央値)を算出し、算出したイオン電流代表値が目標イオン範囲記憶部902に記憶された目標イオン範囲内に属するようなデューティー比を有するPWM信号をマイクロ波出力制御部91に生成させる。
目標イオン範囲記憶部902は、PWM制御部901が算出したイオン電流代表値が目標とする目標イオン範囲に属するか否かを判定する際に参照する目標イオン範囲を記憶している。この目標イオン範囲は、ワークWに対して十分なプラズマ処理を施すことができるような範囲であり、予め実験的に定められたものである。なお、目標イオン範囲は、操作部95を操作することで変更することが可能であり、目標イオン範囲記憶部902は、目標光量範囲が変更された場合、変更後の目標光量範囲を記憶する。これにより、ユーザは、操作部95を操作するという簡便な操作を行うだけで目標イオン範囲を所望の値に変更することが可能となり、処理対象となるワークWに応じて好ましいイオンが含まれるプラズマを照射することができる。
センサ入力部96は、マルチプレクサ及びアナログ/デジタル変換器等から構成され、各電流計961が測定したイオンの量を示すイオン電流値を順次全体制御部90に出力する。ここで、マルチプレクサは、例えば、左から1番目のプラズマ発生ノズル31に対応する電流計961から、左から8番目のプラズマ発生ノズル31に対応する電流計961までのイオン電流値をサイクリックにアナログ/デジタル変換器を介して全体制御部90に出力する。これにより、PWM制御部901は、受信したイオン電流値がどのプラズマ発生ノズル31に対応するイオン電流値であるかを判定することができる。
8個の電流計961は、各々、一端が電極ピン38に接続され、他端が接地され、電極ピン38から流れる電流値を各プラズマ発生ノズル31から放出されるプラズマ中に含まれるイオンの量として検出し、検出した電流値をイオン電流値としてセンサ入力部96に出力する。センサ入力部97は、速度センサ971により測定されたワークWの搬送速度をセンサ入力部97に出力する。
電極ピン38は、8個のプラズマ発生ノズル31の各々に対して配設された8個の電極ピン38が存在する。図11は、8個の電極ピン38のうち、いずれか1つの電極ピン38の配置図を示している。図11に示すように、電極ピン38は、先端に向かうにつれて断面積が小さくなるような円錐、或いは四角錐等の形状を有し、表面に金、銀等のメッキが施された金属からなる部材により構成され、プラズマ発生ノズル31から放出されるプルームPに、先端側の一部の領域が埋没するように配設されている。電極ピン38の先端側とは反対側の他端側には、電流計961が接続され、電極ピン38は電流計961を介して接地されている。これにより、電極ピン38は、プラズマ発生ノズル31から放出されたプラズマ中に含まれるイオンを受け取り、電流計961に電流を流す。電流計961はこの電流を測定し、イオン電流値として全体制御部90に出力する。
図12は、実施の形態1によるワーク処理装置Sの動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、ガス流量制御部92は、全体制御部90の制御の下、8個の流量制御弁923を開き、処理ガス供給源921から供給されるガスを、ガス供給管922を介して、プラズマ発生ノズルに供給する。ここで、ガス流量制御部92は、全体制御部90から出力される制御信号のレベルに従って、各流量制御弁923の開度を調整する。また、このときの全流量制御弁923の開度は同一であり、予め定められた開度である。
ステップS2において、マイクロ波出力制御部91は、全体制御部90の制御の下、マイクロ波発生装置20にマイクロ波を出力させる。
ステップS3において、センサ入力部96は、8個の電流計961の各々から順次イオン電流値を取り込み、全体制御部90に順次出力する。ステップS4において、PWM制御部901は、センサ入力部96から順次出力された8個のイオン電流値の平均値を求め、イオン電流代表値Iiを算出する。
ステップS5において、PWM制御部901は、算出したイオン電流代表値Iiが目標イオン範囲記憶部902に記憶された目標イオン範囲に属するか否かを判定する。そして、イオン電流代表値Iiが、目標イオン範囲の下限値Imin以上、かつ、目標イオン範囲の上限値Imax以下であり、目標イオン範囲に属する場合(ステップS5でImin≦Ii≦Imax)、PWM信号のデューティー比を変更することなく、処理をステップS5に戻す。
一方、イオン電流代表値Iiが目標イオン範囲の上限値Imaxより大きい場合(ステップS5でIi>Imax)、PWM制御部901は、現在のデューティー比に対して、所定の分解能分、デューティー比が小さくされたPWM信号をマイクロ波出力制御部91に出力させ、処理をステップS3に戻す(ステップS7)。これにより、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーは小さくなる。
また、イオン電流代表値Iiが目標イオン範囲の下限値Iminより小さい場合(ステップS5でIi<Imin)、PWM制御部901は、現在のデューティー比に対して、所定の分解能分、デューティー比が大きくされたPWM信号をマイクロ波出力制御部91に出力させ、処理をステップS3に戻す(ステップS6)。これにより、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーは大きくなる。
ここで、PWM制御部901は、イオン電流代表値Iiが目標イオン範囲に対してどの程度離れているかに応じて、増減させるデューティー比の分解能を変更する。図13は、目標イオン範囲とデューティー比の分解能との関係を示した表であり、(a)はイオン電流代表値Iiが下限値Iminより小さい場合を示し、(b)はイオン電流代表値Iiが上限値Imaxより大きい場合を示している。
(a)に示すように、PWM制御部901は、イオン電流代表値Iiが下限値Iminより小さい場合、イオン電流代表値Iiと下限値Iminとの差をイオン電流代表値Iiで除した値(Ia=(Ii−Imin)÷Ii)の百分率が小さくなるにつれて、すなわち、イオン電流値Iiが下限値Iminに近づくにつれてデューティー比の分解能を小さくする。
具体的には、Iaの百分率が5%以下である場合、分解能が0.2%に設定され、デューティー比は、現在設定されているデューティー比に対して、0.2%単位で増加されていく。また、Iaが5%より大きく10%以下である場合、デューティー比は0.5%単位で増加され、10%より大きく、20%以下の場合、デューティー比は1.0%単位で増加され、20%より大きい場合、デューティー比は5.0%単位で増加される。
このように、してPWM信号のデューティー比が調整されるため、高速、かつ正確にイオン電流代表値Iiを目標イオン電流範囲内にすることが可能となる。
一方、イオン電流代表値Iiが上限値Imaxより大きい場合(ステップS5でIi>Imax)、PWM制御部901は、(b)に示すように、イオン電流代表値Iiと上限値Imaxとの差をイオン電流代表値Iiで除した値(Ib=(Ii−Imax)÷Ii)の百分率が小さくなるにつれて、すなわち、イオン電流値Iiが上限値Imaxに近づくにつれてデューティー比の分解能を小さくする。
具体的には、Ibの百分率が5%以下である場合、分解能が0.2%に設定され、デューティー比は、現在設定されているデューティー比に対して、0.2%単位で減少されていく。以下、(b)に示すようにして、イオン電流代表値Iiを基に算出されたIbの値に応じて、デューティー比の分解能が変更される。
以上説明したように、実施の形態1によるワーク処理装置Sによれば、プラズマ発生ノズル31から放出されるプラズマ中に含まれるイオンの量が測定され、測定されたイオンの量が目標とする範囲になるように、マイクロ波のパワーがフィードバック制御されるため、一定のイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出することができる。
次に、実施の形態2によるワーク処理装置Saについて説明する。実施の形態2によるワーク処理装置Saは、プラズマ発生ノズルに供給するガス量を調整することで、プラズマに含まれるイオンの量を目標範囲にすることを特徴とする。なお、実施の形態2によるワーク処理装置Saにおいて、実施の形態1のワーク処理装置Sと同一のものは同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、実施の形態2によるワーク処理装置Saの制御系を示すブロック図である。図14に示す制御系は、図10に示す制御系に対して全体制御部90が、ガス流量調整部(状態制御部の一例に相当)903の機能を備えている点が相違している。ガス流量調整部903は、各電流計961により測定された8個のイオン電流値の各々が、目標イオン範囲に属するように、ガス流量制御部(状態制御部の一例に相当)92に、8個の流量制御弁923の各々の開度を調整させる。
次に実施の形態2によるワーク処理装置Saの動作について説明する。図15は、実施の形態2によるワーク処理装置Saの動作を示すフローチャートである。なお、図15のフローチャートは、8個の流量制御弁923のうちある1つの流量制御弁923に対する処理を示しており、実際には、ステップS13〜S16までの処理が8個の流量制御弁923の各々に対して実行される。
ステップS11及びステップS12は、図12に示すステップS1及びS2の処理と同一であるため、説明を省略する。ステップS13において、センサ入力部96は、電流計961により測定されたイオン電流値Iiを取り込み、全体制御部90に出力する。
ステップS14において、ガス流量調整部903は、センサ入力部96から出力されたイオン電流値Iiが目標イオン範囲に属するか否かの判定を行い、イオン電流値Iiが目標イオン範囲内に属する場合(ステップS14でImin≦Ii≦Imax)、ガス流量を調整することなく、処理をステップS14に戻す。
一方、イオン電流値Iiが目標イオン範囲の下限値Iminよりも小さい場合(ステップS14でIi<Imin)、ガス流量調整部903は、プラズマ発生ノズル31に供給するガス流量を増加させるために、ガス流量制御部92に、流量制御弁923の開度を所定の分解能分、大きくさせ、処理をステップS13に戻す(ステップS15)。これにより、プラズマ発生ノズル31から放出されるプラズマに含まれるイオンの量は増大する。一方、イオン電流値Iiが目標イオン範囲の上限値Imaxよりも大きい場合(ステップS14でIi>Imax)、ガス流量調整部903は、流量制御弁923の開度が所定の分解能分小さくされるように、ガス流量制御部92に、流量制御弁923の開度を所定の分解能分小さくさせ、処理をステップS13に戻す。(ステップS16)。これにより、プラズマ発生ノズル31から放出されるプラズマに含まれるイオンの量は減少する。
ここで、ガス流量調整部903は、図10に示すPWM制御部901と同様にイオン電流値Iiと上限値maxとの差、又はイオン電流値Iiと下限値minとの差が小さくなるにつれて分解能が小さくなるように、流量制御弁923の開度を調整することが好ましい。具体的には、図13(a),(b)に示す表のように、IaとIbとを4つの階級に分け、現在のイオン電流値Iiを基に算出されるIaとIbとが、4つの階級のうち、いずれの階級に属するかに応じて、分解能を変更する。
以上説明したように、実施の形態2によるワーク処理装置Saによれば、プラズマ発生ノズル31より放出されるプラズマ中のイオンの量が測定され、測定されたイオンの量が目標とするイオンの量となるように、各プラズマ発生ノズル31に供給されるガス量がフィードバック制御されるため、プラズマ発生ノズル31から一定のイオンの量が含まれるプラズマを長時間安定して放出することができる。
なお、本発明は以下の態様を採用することができる。
(1)上記実施の形態1では、複数のプラズマ発生ノズル31を一列に整列配置した例を示したが、ノズル配列はワークWの形状やマイクロ波電力のパワー等に応じて適宜決定すればよく、たとえばワークWの搬送方向に複数列プラズマ発生ノズル31をマトリクス整列したり、千鳥配列したりしてもよい。
(2)上記実施の形態1では、搬送手段Cとして搬送ローラ80の上面に平板状のワークWを載置して搬送する形態を例示したが、この他に、たとえば上下の搬送ローラ間にワークWをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークWを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークWを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であってもよい。
(3)上記実施の形態1,2では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示したが、マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
(4)実施の形態1では、マイクロ波のパワーを調整し、実施の形態2では、ガス量を調整して、プラズマに含まれるイオンの量を調整していたが、これに限定されず、マイクロ波のパワーを調整すると共に、ガス量を調整することで、すなわち、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた構成により、プラズマに含まれるイオンの量を調整してもよい。
(5)実施の形態2では、8個の流量制御弁923を個別に制御したが、これに限定されず、全ての流量制御弁923をまとめて制御してもよい。これにより制御を簡便化することができる。
(6)実施の形態1,2では、8個のプラズマ発生ノズル31の各々に対して電極ピン38を設けたが、これに限定されず、いずれか1つのプラズマ発生ノズル31に対してのみ電極ピン38を設け、この電極ピン38に流れるイオン電流値が目標イオン範囲に属するように、8個の流量制御弁923を一括して制御してもよい。これにより制御の簡略化を図ることができる。
(7)実施の形態1,2では、電流計961を用いてイオンの量を測定したが、これに限定されず、電圧計を用いてイオンの量を測定してもよい。
本発明に係るワーク処理装置およびプラズマ発生装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板やプリント基板の清浄化処理装置、医療機器等に対する滅菌処理装置、タンパク質の分解装置等に好適に適用することができる。
本発明に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。 図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。 ワーク処理装置の一部透視側面図である。 2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。 図4のA−A線側断面図である。 プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。 スライディングショートの内部構造を示す透視斜視図である。 サーキュレータの作用を説明するためのプラズマ発生ユニットの上面図である。 スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。 ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。 電極ピンの配置図を示している。 実施の形態1によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。 目標イオン範囲とデューティー比の分解能との関係を示した表であり、(a)はイオン電流代表値Iiが下限値Iminより小さい場合を示し、(b)はイオン電流代表値Iiが上限値Imaxより大きい場合を示している。 実施の形態2によるワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。 実施の形態2によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 導波管
20 マイクロ波発生装置
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
38 電極ピン
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
90 全体制御部
91 マイクロ波出力制御部
92 ガス流量制御部
93 搬送制御部
95 操作部
96,97 センサ入力部
361 電流計
902 目標イオン範囲記憶部
903 ガス流量調整部
921 処理ガス供給源
922 ガス供給管
923 流量制御弁
931 駆動モータ
961 電流計
Ii イオン電流代表値
Ii イオン電流値
Imax 上限値
Imin 下限値
P プルーム
PU プラズマ発生ユニット
S ワーク処理装置

Claims (7)

  1. マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
    前記マイクロ波発生部により発生されたマイクロ波を伝搬する導波部と、
    プラズマ化されるガスを供給するガス供給部と、
    前記マイクロ波を受信し、受信したマイクロ波を基に、前記ガス供給部から供給されるガスをプラズマ化して放出するプラズマ発生部と、
    前記プラズマ発生部から放出されるプラズマに含まれるイオンの量を測定するイオン量測定部と、
    前記イオン量測定部により測定されるイオンの量が所定の目標イオン量を保つように、前記プラズマ発生部から出力されるプラズマの状態を制御する状態制御部とを備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. 前記状態制御部は、前記マイクロ波発生部から出力されるマイクロ波のパワーを調整することで前記プラズマに含まれるイオンの量を調整することを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生装置。
  3. 前記プラズマ発生部は、前記状態制御部により出力されるPWM信号により、出力するマイクロ波のパワーが調整され、
    前記状態制御部は、前記PWM信号のデューティー比を所定の分解能で増減させることで、マイクロ波のパワーを調整し、前記イオン量測定部により測定されたイオンの量が前記目標イオン量に近づくにつれて、前記分解能を小さくすることを特徴とする請求項2記載のプラズマ発生装置。
  4. 前記状態制御部は、前記ガス供給部から前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整することで前記プラズマに含まれるイオンの量を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ発生装置。
  5. 前記状態制御部は、前記ガス供給部から前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整する流量制御弁と、前記流量制御弁の開度を調整するガス流量調整部とを含み、
    前記ガス流量調整部は、前記流量制御弁の開度を所定の分解能で増減させることで、前記プラズマ発生部に供給されるガス量を調整し、前記イオン量測定部により測定されたイオンの量が前記目標イオン量に近づくにつれて、前記分解能を小さくすることを特徴とする請求項4記載のプラズマ発生装置。
  6. 前記イオン量測定部は、前記プラズマ発生部から放出されるプラズマ化されたガスからなるプルームが照射される位置に配設され、表面に金属メッキが施された電極ピンと、前記電極ピンを流れる電流を検出する電流計とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ発生装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ発生装置を備え、前記プラズマ発生装置から放出されたプラズマをワークに照射することを特徴とするワーク処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010101180A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Daihatsu Motor Co Ltd 火花点火式内燃機関の運転制御方法
JP2011007161A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Daihatsu Motor Co Ltd 火花点火式内燃機関の運転制御方法
JP2011132900A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Mitsubishi Electric Corp 点火装置

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