JP2007224167A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リードフレーム、特にニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)メッキ処理されたリードフレームに対する優れた接着性を有し耐半田性に優れ、かつ不純物の低減が図られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の0.0015〜0.6重量%の範囲に設定されている。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)無機質充填剤。
(D)トリアジンチオ基を有する化合物。
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の0.0015〜0.6重量%の範囲に設定されている。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)無機質充填剤。
(D)トリアジンチオ基を有する化合物。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置に関し、詳しくは、トリアジンチオ基を有する化合物の使用によりニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)メッキ処理されたリードフレームとの密着性を向上させて耐半田性に優れ、かつ不純物の低減が図られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置に関するものである。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、外部環境の保護の観点および半導体素子のハンドリングを簡易にする観点から、エポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を用いたプラスチックパッケージ等により封止され半導体装置化されている。そして、上記プラスチックパッケージに用いられる封止材料としては、従来、耐半田性が要求される場合には、低吸湿材料であるビフェニル型エポキシ樹脂が用いられてきた。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂を用いた封止材料は、例えば、これに硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂を用い、さらに無機質充填剤、離型剤、難燃剤、カップリング剤等を用いた配合成分から構成されている(特許文献1参照)。
特開平11−240937号公報
しかしながら、近年、鉛フリー化による環境対応技術の進展とともにリードフレームは従来の銅製フレームから、これにNi/Pd/Auメッキ処理されたリードフレームへと置き換わりつつある。そして、上記ビフェニル型エポキシ樹脂を用いた封止材料からなる封止樹脂(硬化体)は、上記Ni/Pd/Auメッキ処理されたリードフレーム面に対する接着力が充分ではないことから、半田条件時におけるパッケージクラックの発生や、半導体素子,リードフレーム界面の剥離の発生等耐半田性に関して満足のいくものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、リードフレームに対する優れた接着性を有し耐半田性に優れ、かつ不純物の低減が図られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の0.0015〜0.6重量%の範囲に設定されている半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)無機質充填剤。
(D)トリアジンチオ基を有する化合物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)無機質充填剤。
(D)トリアジンチオ基を有する化合物。
そして、本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
本発明者らは、リードフレーム、特に表面がNi/Pd/Auメッキ処理された金属製リードフレームに対して優れた接着性を備え、しかも不純物の含有量が低減され高い信頼性を備えた封止材料を得るべく鋭意検討を行った。そして、封止材料を構成する配合成分を種々検討した結果、トリアジンチオールを多量に用いた場合、チオール基が酸化されやすいため、熱水抽出すると硫酸イオンが非常に多く検出されていたが、これとともに不飽和結合を有する無水マレイン酸等を併用する、あるいはトリアジンチオールとα−不飽和脂肪酸、例えば、無水マレイン酸の付加反応物を特定量含有する、またはトリアジンチオールを特定量含有することにより、硫酸イオンの量が減少することを見出し、本発明に到達した。上記硫酸イオンの生成抑制効果については、明確な原因は定かではないが、マレイン酸等の二重結合が酸素、ラジカル捕捉効果を有するため、チオール基の酸化による硫酸イオンが生成することを抑制しているのではないかと考えられる。また、チオール基に無水マレイン酸等を付加させた付加反応物の場合には、結合が切断されやすい硫黄−水素結合をより安定なものにし、硫黄の酸素による攻撃(酸化)が直接起こり難くなっているものと考えられる。このように、トリアジンチオールとともに無水マレイン酸等のα−不飽和脂肪酸(誘導体)を併用する、あるいはトリアジンチオールとの付加反応物を特定量含有する、さらにはトリアジンチオールを特定量含有することにより硫酸イオン等の不純物イオンの発生の抑制効果を奏するのである。ここで、前記(D)成分の含有量を特定範囲に設定したのは、含有量が少な過ぎると、当然ながら上記効果が得られず、逆に含有量が多過ぎると不純物抑制効果以上にトータルの不純物イオン量が多くなってしまうからである。
このように、本発明は、トリアジンチオ基を有する化合物〔(D)成分〕を特定量含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、リードフレームに対する優れた接着性を奏するようになり、半田時のパッケージクラックの発生や、封止樹脂部分との剥離の発生を抑制することが可能となり、優れた耐半田性が得られるとともに、作業性も向上する。しかも、上記トリアジンチオ基を有する化合物〔(D)成分〕を特定量含有する、すなわち、トリアジンチオールとともにα−不飽和脂肪酸誘導体、例えば、無水マレイン酸を併用する、あるいはトリアジンチオールと無水マレイン酸の付加反応物を特定量含有する、またはトリアジンチオールを特定量含有することにより、金属製フレーム、特にNi/Pd/Auメッキ処理された金属製フレームに対する接着力が高くなり、耐半田試験後のダイパッド裏面の剥離の発生が抑制される。また、無水マレイン酸を単独で用いてもある程度の接着力は得られるものの、本発明のように併用または付加物として用いることでこれら単独で用いる場合に比べてより一層接着性が向上する。さらに、上記無水マレイン酸は昇華しやすく、エポキシ樹脂組成物を製造する場合、成形時に周囲に白色の結晶物が生ずることがあるが、トリアジンチオールと付加させることにより昇華性が低下し、製造装置、成形装置周辺の汚れが減少するという効果も奏するようになる。したがって、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて得られる半導体装置では、封止樹脂部分の金属製フレームに対する高い接着力により、高い信頼性を備えたものを得ることができる。
また、上記トリアジンチオ基を有する化合物〔(D)成分〕を、150〜200℃の条件下、硬化剤〔(B)成分〕と予備混合し、この予備混合物として含有すると、より均一分散が可能となり、安定した接着性を発揮できるようになる。
さらに、上記各成分に加えて、α−不飽和脂肪酸およびその誘導体の少なくとも一方〔(E)成分〕を用いると、トリアジンチオ基を有する化合物を用いるために生ずる硫酸イオン等の不純物の量が減少するとともに、金属製フレーム、特にNi/Pd/Auメッキ処理された金属製フレームに対する接着力が上記(D)成分単体の場合に比べさらに高くなり、また、エポキシ樹脂と(E)成分のα−不飽和脂肪酸およびその誘導体の少なくとも一方は反応し、単官能の脂肪酸および誘導体の場合には弾性率の低減により低応力化がなされ、多官能の脂肪酸およびその誘導体の場合には、分子中の不飽和結合が弾力効果を有し、樹脂組成物硬化体の機械・熱に対する耐衝撃性が向上する。
そして、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、リードフレームが金属製フレームにおいてなかでも、封止樹脂との接着性に劣る、表面がNi/Pd/Auメッキ処理された金属製フレームに対して特に優れた接着性を示すものである。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、無機質充填剤(C成分)と、トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)を用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらエポキシ樹脂のなかでも、特に融点または軟化点が室温を超えていることが好ましい。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、軟化点60〜110℃のものが好適に用いられる。また、上記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、融点80〜120℃のものが好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられる硬化剤(B成分)は、上記エポキシ樹脂(A成分)を硬化させるものであれば特に限定するものではなく、例えば、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらフェノール樹脂としては、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましい。そして、上記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との好適な組み合わせとしては、エポキシ樹脂(A成分)としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いる場合はフェノールノボラック樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹脂(A成分)としてビフェニル型エポキシ樹脂を用いる場合はフェノールアラルキル樹脂を用いることが好ましい。具体的には、下記の一般式(1)で表されるフェノール樹脂を用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)の配合割合は、エポキシ樹脂を硬化させるに充分な量に設定することが好ましい。具体的には、硬化剤(B成分)としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましい。より好ましくは0.9〜1.2当量である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる無機質充填剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種充填剤が用いられる。例えば、石英ガラス、タルク、シリカ粉末(溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等)、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化珪素粉末等があげられる。これら無機質充填剤は、破砕状、球状、あるいは摩砕処理したもの等いずれのものでも使用可能である。そして、これら無機質充填剤は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数を低減できるという点から上記シリカ粉末を用いることが好ましく、さらに上記シリカ粉末のなかでも、溶融シリカ粉末を用いることが、高充填性,高流動性という点から特に好ましい。上記溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末があげられるが、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。特に、平均粒径が1〜35μmの範囲、特に好ましくは2〜10μmの範囲のものを用いることが好ましく、さらに平均粒径が0.5〜2μmの範囲のものを併用すると、流動性の向上という観点からさらに好ましい。なお、上記平均粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
そして、上記無機質充填剤(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の50〜95重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜90重量%である。すなわち、50重量%未満のように少な過ぎると、エポキシ樹脂組成物中の有機成分の占める割合が多くなり、硬化物の難燃効果に乏しくなり、95重量%を超えて多くなると、エポキシ樹脂組成物の流動性が著しく低下する傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられるトリアジンチオ基を有する化合物(D成分)は、例えば、トリアジンチオールあるいは、そのチオール基が保護されたもの、例えば、α−不飽和脂肪酸およびその誘導体との付加物等があげられる。上記トリアジンチオールとしては、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−シクロヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−メチルフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−ブロモフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′,4′−チオプロピルチオ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−メトキシ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(2′−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール等があげられる。また、上記α−不飽和脂肪酸およびその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−フランカルボン酸、そのエステル等も例示することができるが、1,2−カルボエチレン骨格を有する化合物を用いる方がチオールとの反応性が高く好ましい。具体的には、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジ脂肪酸、不飽和ジカルボン酸無水物、およびその誘導体があげられる。そして、上記誘導体としては、例えば、マレイン酸を例にいくつかあげるならば、マレイン酸ジエチルエステル、マレイン酸ジエチルアミド、マレイン酸モノプロピルエステル、マレイン酸モノブチルアミド、マレイン酸フェニルイミド、マレイン酸ヒドロキシフェニルイミド、マレイン酸2−ヒドロキシエチルイミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、リードフレームとの接着性を高めるためには遊離のカルボキシル基が生成する化合物が好ましい。具体的には、無水マレイン酸等があげられる。なお、本発明において、上記α−不飽和脂肪酸とは、非芳香族の炭素−炭素不飽和結合炭素にカルボキシル基が直接結合してなる化合物をいい、R1 −C(R2 )=C(R3 )−COOH(R1 ,R2 ,R3 は互いに独立したアルキル基)あるいはR−C≡C−COOH(Rはアルキル基)という構造を有するものである。
そして、上記トリアジンチオールとα−不飽和脂肪酸誘導体との反応に関して、不飽和結合の両端に電子吸引性カルボニル基が結合した化合物については比較的低温の反応にて得ることができる。反応性が低い化合物については、光照射を併用することにより付加結合させることができる。
また、トリアジンチオールと無水マレイン酸の理論当量付加物を用いた場合に比べ、トリアジンチオールと無水マレイン酸混合物を用いた場合の方が同量のトリアジンチオ化合物量で比較した場合、接着性については効果が大きいといえる。したがって、トリアジンチオールと無水マレイン酸の混合物を用いる方が、少量のトリアジンチオ基を有する化合物の添加でよいが、イオン性不純物量は付加物に比べると多くなる。一方、チオール化合物、酸無水物はエポキシ樹脂と反応してしまうため、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなることもあり、封止材料の低粘度化という点では付加物の方が樹脂粘度が低くなり好ましい。
上記トリアジンチオールとα−不飽和脂肪酸およびその誘導体との付加物における、より具体的なものとして、s−トリアジン−2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオールに無水マレイン酸を二個付加させた下記の構造式(2)で表されるトリアジンチオール誘導体等があげられる。これは、下記の構造式(3)で表されるs−トリアジン−2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオールに無水マレイン酸を付加反応させることにより得られる化合物である。
上記トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)の含有量は、その配合方法に関わらず、エポキシ樹脂組成物全体の0.0015〜0.6重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは0.005〜0.06重量%である。すなわち、0.0015重量%未満では、Ni/Pd/Auメッキ処理されたリードフレーム表面に対する接着性の向上効果を得ることが困難となり、0.6重量%を超えると、D成分が反応してNi/Pd/Auメッキ処理されたリードフレーム表面に対する接着性の向上に充分な効果を奏することが困難となり、またエポキシ樹脂組成物の粉砕物パウダーがブロッキングする等して、作業性が低下するという傾向がみられるからである。
上記トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)の配合方法としては、従来と同様、他の配合成分とともにトリアジンチオール誘導体単独で直接配合する方法があげられる。また、前記硬化剤(B成分)と150〜200℃の条件下で予備混合して上記硬化剤(B成分)との予備混合物を作製した後、この予備混合物を他の配合成分とともに配合する方法があげられる。上記予備混合条件としては、前述のように150〜200℃の温度条件に設定することが好ましい。そして、上記2種類のトリアジンチオ基を有する化合物(D成分)の配合方法のなかでも、均一分散性という点から、上記硬化剤(B成分)とトリアジンチオ基を有する化合物(D成分)を150〜200℃の条件下で予備混合して予備混合物を作製した後、この予備混合物を他の配合成分とともに80〜150℃で配合する配合方法を採用することが好ましい。
そして、上記A〜D成分に加えて、さらにα−不飽和脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つ(E成分)を含有することが、接着力が相乗的に向上し、上記D成分中のイオウが酸化して生成すると思われる硫酸イオン等の不純物を低減するという点から好ましい。上記α−不飽和脂肪酸およびその誘導体としては、先に述べたと同様、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジ脂肪酸、不飽和ジカルボン酸無水物、およびその誘導体があげられる。そして、上記誘導体としては、例えば、マレイン酸を例にいくつかあげるならば、マレイン酸ジエチルエステル、マレイン酸ジエチルアミド、マレイン酸モノプロピルエステル、マレイン酸モノブチルアミド、マレイン酸フェニルイミド、マレイン酸ヒドロキシフェニルイミド、マレイン酸2−ヒドロキシエチルイミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、リードフレームとの接着性を高めるためには遊離のカルボキシル基が生成する化合物が好ましく、具体的には、無水マレイン酸等があげられる。
この場合の、E成分の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の5.0重量%以下に設定することが好ましい。そして、上記D成分がチオール基を有する場合には、0.005重量%以上に設定することがより好ましく、D成分のイオウに水素原子が結合していない場合には、エポキシ樹脂組成物全体の3.0重量%以下に設定することがより好ましい。すなわち、E成分の含有量が5.0重量%を超えて多くなりすぎると、エポキシ樹脂と反応して樹脂の架橋反応を阻害し、弾性率が低下したり、ガラス転移温度が下がったり、加水分解しやすくなり吸湿性が高まったり、長期間の熱処理で特性が低下する等の傾向がみられる。また、E成分を多く用いる場合、エポキシ樹脂との反応性を有する基を二つ以上生成する化合物を用いることが好ましく、遊離のカルボン酸を二つ生成する無水マレイン酸等を用いることが好ましい。
さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、上記A〜D成分ならびにE成分に加えて、硬化促進剤、離型剤、低応力化剤、難燃剤、カーボンブラック等の顔料、シランカップリング剤等のカップリング剤等の他の添加剤を適宜配合することができる。
上記硬化促進剤としては、特に限定するものではなく従来公知の各種硬化促進剤が用いられる。具体的には、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートやトリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾールやフェニルイミダゾール等のイミダゾール系、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5等のジアザビシクロアルケン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機リン系化合物を用いることが、半導体装置を構成するリードフレーム等の金属フレーム部と、封止樹脂との接着性が向上し、封止樹脂と成形時の金属フレーム部との剥離の発生が抑制される点から好ましい。
上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックス等が用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴムやシリコーン化合物等があげられる。
そして、上記難燃剤としては、有機リン化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等があげられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的として、ハイドロタルサイト類や水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を適宜配合することもできる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記A〜E成分、さらに必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、粉体ミキサーでブレンドする。ついで、ブレンドしたものをミキシングロールや押出式の混練機等を用いて加熱状態で溶融混練した後、これを室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により目的とするエポキシ樹脂組成物を製造することができる。
あるいは、先に述べたように、前記トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)と、前記硬化剤(B成分)とを150〜200℃の条件下で予備混合して、予備混合物を作製する。つぎに、この予備混合物と残りの他の配合成分を80〜150℃にて配合し、粉体ミキサーでブレンドする。後の工程は上述の製法と同様に行うことにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。このように、トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)と硬化剤との予備混合物を作製した後、残りの配合成分を配合する製造工程を経由して製造する方法が、硬化促進剤,カップリング剤,離型剤等がより一層均一に分散されて、結果、安定した接着性を発揮できるようになる。
このようにして得られるエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法は、特に制限するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができ、半導体装置化することができる。このようにして得られる半導体装置としては、ICやLSI等の半導体装置等があげられる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を封止材料として用いる場合、例えば、リードフレームに対する接着性の向上という点から、特に上記リードフレームに関して、従来の封止材料では充分な接着力が得られなかった、Ni/Pd/Auメッキ処理(最外層からNi,Pd,Auの順にメッキ処理)され、最外層にNiメッキ層,中間層にPdメッキ層、最内層にAuメッキ層が形成されたリードフレームを備えたパッケージの封止材料に好適である。本発明において、Ni/Pd/Auメッキは、通常、銅あるいは銅合金製等の金属製リードフレーム素体表面に、公知の方法によりNiメッキ,Pdメッキ,Auメッキをこの順で順次施すことにより形成される。そして、上記Ni/Pd/Auメッキ処理された部材は、一般に、封止樹脂硬化体との接着性に乏しいものであるが、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いた場合、前記トリアジンチオ基を有する化合物(D成分)を特定の範囲で含有するため、優れた接着性を示すようになり、また不純物イオンの発生が抑制され、結果、耐半田信頼性の高い半導体装置が得られる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
ビフェニル型エポキシ樹脂(a)とビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(b)との混合物〔混合重量比(a)/(b)=50/50、エポキシ当量220、融点90℃〕
ビフェニル型エポキシ樹脂(a)とビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(b)との混合物〔混合重量比(a)/(b)=50/50、エポキシ当量220、融点90℃〕
〔硬化剤B〕
ノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105、軟化点70℃)
ノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105、軟化点70℃)
〔硬化促進剤〕
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
〔離型剤A〕
酸化ポリエチレンワックス(酸価60)
酸化ポリエチレンワックス(酸価60)
〔離型剤B〕
酸化ポリエチレンワックス(酸価17)
酸化ポリエチレンワックス(酸価17)
〔トリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸〕
下記の構造式(a)で表されるs−トリアジン−4−ジブチルアミノ−2,6−ジチオールと、下記の構造式(c)で表される無水マレイン酸との混合物〔混合重量比(a):(c)=1:5〕
下記の構造式(a)で表されるs−トリアジン−4−ジブチルアミノ−2,6−ジチオールと、下記の構造式(c)で表される無水マレイン酸との混合物〔混合重量比(a):(c)=1:5〕
〔α−不飽和脂肪酸〕
上記構造式(c)で表される無水マレイン酸
上記構造式(c)で表される無水マレイン酸
〔シリカ粉末〕
平均粒径30.4μmの溶融球状シリカ粉末
平均粒径30.4μmの溶融球状シリカ粉末
〔顔料〕
カーボンブラック
カーボンブラック
〔難燃剤〕
水酸化マグネシウム
水酸化マグネシウム
〔実施例1〜14、比較例1〜8〕
下記の表1〜表4に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機(5分間)にかけて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
下記の表1〜表4に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機(5分間)にかけて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例15〜21〕
〔トリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸・トリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物と硬化剤との予備混合物の作製〕
まず、下記の表5に示す各成分のうち、硬化剤とトリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸〔混合物(混合重量比1:5)〕あるいはトリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物を同表に示す割合で配合し、175℃で予備混合することにより硬化剤とトリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸、あるいは硬化剤とトリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物の予備混合物を作製した(作製条件:175℃で30分間溶融混合)。つぎに、この予備混合物と、下記の表5に示す各成分を同表に示す割合でそれぞれ配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機(5分間)にかけて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
〔トリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸・トリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物と硬化剤との予備混合物の作製〕
まず、下記の表5に示す各成分のうち、硬化剤とトリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸〔混合物(混合重量比1:5)〕あるいはトリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物を同表に示す割合で配合し、175℃で予備混合することにより硬化剤とトリアジンチオール/α−不飽和脂肪酸、あるいは硬化剤とトリアジンチオールのα−不飽和脂肪酸付加物の予備混合物を作製した(作製条件:175℃で30分間溶融混合)。つぎに、この予備混合物と、下記の表5に示す各成分を同表に示す割合でそれぞれ配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機(5分間)にかけて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
このようにして得られた実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法に従って、接着性、耐半田性(パッケージクラックの発生数、半導体界面の剥離状況、リードフレーム界面の剥離状況)、含有不純物イオンを測定・評価した。これらの結果を後記の表6〜表10に併せて示す。
〔接着性〕
上記各エポキシ樹脂組成物を用い、さらにNi/Pd/Auメッキ処理された銅製金属フレーム板に対する接着力をつぎのようにして測定した。すなわち、Ni/Pd/Auメッキの施されたフレームを約8mm×8mm角に切断してチップを作製する。切断したチップを専用の金型に挟み、チップ上に底面積10mm2 ×高さ3mmの円錐台状の樹脂成形体をプレス機(東邦インターナショナル社製、TF15)を用いて成形し接着力試験片を作製した。成形条件は、175℃×120秒、型締め圧1960MPa、トランスファー圧686MPaとした。さらに、この試験片を175℃で5時間加熱によりキュアし、その後横型荷重測定器〔プッシュプルゲージ(Push-Pull gage)、アイコーエンジニアリング社製〕でチップに対する樹脂成形体の剪断接着力を測定した。一回の成形および測定に、6個の試験片を作製し、n6で測定し、その平均値を接着力とした。なお、剪断接着力を測定する際、測定台の温度は260℃とし、上記フレームを260℃測定台に接触、固定し、60秒後に樹脂円錐台のフレームとの界面に傾斜45°の三角刃型治具を5mm/分の速度で押し当て、樹脂が剥がれる際の最大荷重を治具に接続された上記プッシュプルゲージにて読み取った。
上記各エポキシ樹脂組成物を用い、さらにNi/Pd/Auメッキ処理された銅製金属フレーム板に対する接着力をつぎのようにして測定した。すなわち、Ni/Pd/Auメッキの施されたフレームを約8mm×8mm角に切断してチップを作製する。切断したチップを専用の金型に挟み、チップ上に底面積10mm2 ×高さ3mmの円錐台状の樹脂成形体をプレス機(東邦インターナショナル社製、TF15)を用いて成形し接着力試験片を作製した。成形条件は、175℃×120秒、型締め圧1960MPa、トランスファー圧686MPaとした。さらに、この試験片を175℃で5時間加熱によりキュアし、その後横型荷重測定器〔プッシュプルゲージ(Push-Pull gage)、アイコーエンジニアリング社製〕でチップに対する樹脂成形体の剪断接着力を測定した。一回の成形および測定に、6個の試験片を作製し、n6で測定し、その平均値を接着力とした。なお、剪断接着力を測定する際、測定台の温度は260℃とし、上記フレームを260℃測定台に接触、固定し、60秒後に樹脂円錐台のフレームとの界面に傾斜45°の三角刃型治具を5mm/分の速度で押し当て、樹脂が剥がれる際の最大荷重を治具に接続された上記プッシュプルゲージにて読み取った。
〔耐半田性〕
上記各エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファー成形(条件:175℃×2分)し、175℃×5時間で後硬化することにより半導体装置を作製した。この半導体装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5×7.5mm、銅製のNi/Pd/Auメッキ処理されたフレーム)である。
上記各エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファー成形(条件:175℃×2分)し、175℃×5時間で後硬化することにより半導体装置を作製した。この半導体装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5×7.5mm、銅製のNi/Pd/Auメッキ処理されたフレーム)である。
(1)パッケージクラックの発生数
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、クラックが発生したパッケージをカウントした。なお、パッケージのクラックの解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、クラックが発生したパッケージをカウントした。なお、パッケージのクラックの解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
(2)半導体素子界面の剥離状況
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、半導体素子と封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生したものを×、剥離が発生しなかったものを○として評価した。なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、半導体素子と封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生したものを×、剥離が発生しなかったものを○として評価した。なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
(3)リードフレーム界面の剥離状況
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、リードフレームと封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生したものを×、剥離が発生しなかったものを○として評価した。なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168時間吸湿させた後、260℃×10秒間の赤外線(IR)リフローで耐半田性評価試験を行った。そして、リードフレームと封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生したものを×、剥離が発生しなかったものを○として評価した。なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡(Sonoscan Inc. 社製、C-SAM シリーズ D6000)を用いた。
〔SO4 2-不純物イオン含有量〕
上記エポキシ樹脂組成物を用い、粉砕したものを100メッシュの篩にて篩ったものを準備した。この試料5gに精製水50mlを加え、各抽出条件(95℃×20時間、121℃×20時間、160℃×20時間)により抽出液を採取した。これら抽出液をイオンクロマトグラフ(Dionex社製、DX−500あるいはDX−320)にて測定した。そして、121℃×20時間の測定結果をもとに、下記に示す基準にて不純物イオン含有の判定を行った。
○:硫酸イオン含有量が20ppm未満のもの。
△:硫酸イオン含有量が20ppm以上35ppm未満のもの。
×:硫酸イオン含有量が35ppm以上のもの。
上記エポキシ樹脂組成物を用い、粉砕したものを100メッシュの篩にて篩ったものを準備した。この試料5gに精製水50mlを加え、各抽出条件(95℃×20時間、121℃×20時間、160℃×20時間)により抽出液を採取した。これら抽出液をイオンクロマトグラフ(Dionex社製、DX−500あるいはDX−320)にて測定した。そして、121℃×20時間の測定結果をもとに、下記に示す基準にて不純物イオン含有の判定を行った。
○:硫酸イオン含有量が20ppm未満のもの。
△:硫酸イオン含有量が20ppm以上35ppm未満のもの。
×:硫酸イオン含有量が35ppm以上のもの。
上記結果から、トリアジンチオ基を有する化合物が特定の範囲の割合で配合された実施例品は、接着力が高く、接着性が向上しており、パッケージクラックが発生せず、半導体素子の界面剥離およびリードフレームの界面剥離も発生せず、耐半田性に関しても良好な結果が得られた。さらに、SO4 2-不純物イオン含有量に関し、各種条件において少なく、このことからも信頼性の高い半導体装置を得るのに適したものであると言える。
さらに、トリアジンチオ基を有する化合物の配合に際して、トリアジンチオ基を有する化合物と硬化剤とを予備混合して予備混合物を作製し、この予備混合物を用いてなる実施例品は、トリアジンチオ基を有する化合物とともに硬化促進剤,離型剤が均一分散され、より安定した接着力を示し、パッケージクラックの発生も無く、半導体素子の界面剥離およびリードフレームの界面剥離も発生しなかった。しかも、SO4 2-不純物イオン含有量に関し、各抽出条件において少ないことからも信頼性の高い半導体装置を得るのに適したものであると言える。
これに対して、トリアジンチオ基を有する化合物が配合されていない比較例1,6品は、接着力が弱く、パッケージクラックも発生し、かつ半導体素子の界面剥離およびリードフレームの界面剥離のいずれも発生しており、耐半田性に劣る結果が得られた。つぎに、トリアジンチオ基を有する化合物の含有量が特定範囲の下限を下回る比較例2,7品は、接着力が弱く、パッケージクラックも発生し、かつ半導体素子の界面剥離が発生しており、耐半田性に劣る結果が得られた。そして、α−不飽和脂肪酸を単独で配合してなる比較例3品は、当然ながらSO4 2-不純物イオン含有量は少なかったが、パッケージクラックが発生し、半導体素子の界面剥離も発生しており、耐半田性に劣る結果が得られた。また、トリアジンチオ基を有する化合物の含有量が特定範囲の上限を上回る比較例4,5,8品は、パッケージクラックが発生し、リードフレームの界面剥離も発生しており、SO4 2-不純物イオン含有量の多いものであった。同様に比較例5品は、接着力が弱く、パッケージクラックも発生し、かつ半導体素子の界面剥離が発生しており、耐半田性に劣る結果が得られた。しかも、SO4 2-不純物イオン含有量が多いものであった。
Claims (8)
- 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の0.0015〜0.6重量%の範囲に設定されていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)無機質充填剤。
(D)トリアジンチオ基を有する化合物。 - 上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物の一部または全てが、トリアジンチオールと、α−不飽和脂肪酸およびその誘導体の少なくとも一方との付加物である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 上記(A)〜(D)成分に加えて、さらに下記の(E)成分を含有する請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(E)α−不飽和脂肪酸およびその誘導体の少なくとも一方。 - 上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物が、エポキシ樹脂組成物に直接的に配合された状態で含有されている請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 上記(D)成分であるトリアジンチオ基を有する化合物が、150〜200℃の条件下、硬化剤〔(B)成分〕と予備混合し、上記硬化剤との予備混合物として含有されている請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- リードフレーム用封止材料である請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置。
- 表面がニッケル/パラジウム/金メッキ処理されたリードフレームを備えている請求項7記載の半導体装置。
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