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JP2007219221A - 感光性平版印刷版材料、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法 - Google Patents

感光性平版印刷版材料、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法 Download PDF

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JP2007219221A
JP2007219221A JP2006040472A JP2006040472A JP2007219221A JP 2007219221 A JP2007219221 A JP 2007219221A JP 2006040472 A JP2006040472 A JP 2006040472A JP 2006040472 A JP2006040472 A JP 2006040472A JP 2007219221 A JP2007219221 A JP 2007219221A
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Kunio Tani
邦夫 谷
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Konica Minolta Medical and Graphic Inc
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Abstract

【課題】塗布性、酸素遮断層の接着性が良好でありかつ感度が高く、プレヒートラチチュードに優れた感光性平版印刷版材料と、その製造方法及びそれを用いた印刷方法を提供する。
【解決手段】支持体上に感光層を有する感光性平版印刷版材料において、該感光層が特定の一般式で表される構造単位を有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、いわゆるコンピューター・トゥ・プレート(computer−to−plate:以下において、「CTP」という。)システムに用いられる感光性平版印刷版材料、その製造方法、及びそれを用いた印刷法に関する。
近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及し、オフセット印刷用の印刷版の作製技術においては、デジタル化された画像情報に従って、指向性の高いレーザー光を走査し、直接平版印刷版に記録するいわゆるCTPシステムが開発され、実用化が進展している。
CTPに用いられる印刷版材料としては、例えば特開平11−84649号公報に記載のノボラック樹脂、架橋剤、光酸発生剤、赤外線吸収色素を含有してなる感光層を用いたネガ型サーマル平版印刷版材料、特開平10−268512号公報に記載の光熱変換剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤を含有してなる感光層を用いたポジ型サーマル平版印刷版材料などが知られている。
またCTPに用いられる印刷版材料のうち、比較的高い耐刷力を要求される印刷の分野においては、重合可能な化合物を含む重合型の感光層を有するネガ型の感光性平版印刷版材料を用いることが知られている(例えば特許文献1)。
これらの重合型の感光層を有する平版印刷版材料は、単に感光層を設けたのみでは、感光層が空気中の酸素の影響を受け、感度が低下する等、保存安定性が不充分であった。
酸素の影響を少なくするための方法として、感光層上に酸素遮断層(保護層)を設ける方法が知られている。
これらの方法として、例えば、ポリビニルアルコールとビニルピロリドンを40mol%以上含有し重量平均分子量が10,000から500,000であるビニルピロリドン系共重合体とを含有する保護層を設ける方法(特許文献2参照)、平均鹸化度70以上85%未満のポリ酢酸ビニル樹脂と平均鹸化度85以上100%以下のポリ酢酸ビニル樹脂とを組み合わせ含有する酸素遮断層を設ける方法(特許文献3参照)などが知られている。
他方、感光層の均一な膜厚を得るために、感光層にフルオロ脂肪族基を含有するアクリレートと、ポリ(オキシアルキレン)アクリレートとの共重合体を含有させた感光性平版印刷版材料(特許文献4参照)が知られており、また均一な膜厚を有する塗膜を形成するために、例えばフッ化アルキル基を有するアクリレート共重合体などのフッ素系界面活性剤を含有させたレジスト組成物などが知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、上記の印刷版材料においては、レーザー光源で、直接画像形成が行えるものの、汚れが発生し易くなる場合があるなど保存安定性が不充分であり、また酸素遮断層を有する場合には、酸素遮断層の剥がれなどによる画像欠陥などを生じる場合がある、などの問題があり、これらを感度、網点再現性などを維持したまま改善することは困難であった。
特開平10−104835号公報 特開2002−169272号公報 特開平9−204049号公報 特開昭62−226143号公報 特開昭62−36657号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗布性、酸素遮断層の接着性が良好でありかつ感度が高く、プレヒートラチチュードに優れた感光性平版印刷版材料と、その製造方法及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
1.支持体上に感光層を有する感光性平版印刷版材料において、該感光層が下記一般式(1)で表される構造単位を有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
Figure 2007219221
式中、Yは
Figure 2007219221
を表し、Qは
Figure 2007219221
を表し、Rfはフッ素原子を含有する置換基、L1、L2及びL3はスルホンアミド基及びカルバミド基を除くところのフッ素原子を有しない2価の連結基を表し、Aはアニオン基またはその塩を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは1〜17の正の整数、mは0〜17の正の整数を表す。
2.前記感光層が、(A)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(B)光重合開始剤、(C)高分子結合材、および(D)分光増感剤を含有することを特徴とする前記1に記載の感光性平版印刷版材料。
3.前記感光性平版印刷版材料が、前記感光層上に酸素遮断層を有することを特徴とする前記1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
4.前記酸素遮断層が、鹸化度が90%〜100%であるポリビニルアルコールを含有することを特徴とする前記3に記載の感光性平版印刷版材料。
5.前記1〜4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版材料を製造することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
6.前記1〜4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版材料を用いることを特徴とする印刷方法。
本発明の上記構成により、塗布性、酸素遮断層の接着性が良好であり、かつ感度が高く、プレヒートラチチュードに優れた感光性平版印刷版材料と、その製造方法及びそれを用いた印刷方法を提供することができる。
以下、本発明及びその構成要素等について詳細な説明をする。
(一般式(1)で表される構造単位を有する化合物)
本発明の感光性平版印刷版材料は、感光層に上記一般式(1)で表される構造単位を有する化合物を含有することを特徴とする。
一般式(1)において、Rfはフッ素原子を含有する炭素数1〜25のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基及びオクタデシル基等)またはアルケニル基(例えば、プロペニル基、ブテニル基、ノネニル基及びドデセニル基等)、L1、L2及びL3はフッ素原子を有しない2価の連結基でスルホンアミド基(−NHSO2−基、−N(R)SO2−基(Rは置換基を表す)を除き、例えば、酸素、アルキレンオキシ基(メチレンオキシ基、エチレンオキシ基及びブチレンオキシ基等)、オキシアルキレンオキシ基(例えば、オキシメチレンオキシ基、オキシエチレンオキシ基、オキシエチレンオキシエチレンオキシ基等)、フェニレンオキシ基、オキシフェニルオキシ基またはこれらの組み合わせ基等)、Aはアニオン基(例えば、カルボン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、スルホン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)及び燐酸基またはその塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)を表す。nは1〜17の正の整数、mは0〜17の正の整数を表す。
一般式(1)で示される化合物は、フッ素原子を導入した炭素数1〜25のアルキル化合物(例えば、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基及びパーフロロオクタデシル基等を有する化合物)及びアルケニル化合物(例えば、パーフロロヘキセニル基及びパーフロロノネニル基等)とそれぞれフッ素原子を導入していない3価〜6価のアルカノール化合物との付加反応や縮合反応によって得ることができる。アルカノール化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンテン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ブタノール)−3、脂肪族トリオール、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール等がある。
好ましい具体的化合物を下記に示す。
Figure 2007219221
Figure 2007219221
本発明に係る一般式(1)で示される化合物を塗布液に添加する方法は、公知の添加法に従って添加することができる。即ち、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができる。又、サンドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザー分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術については多くの技術が開示されているが、これらに準じて分散することができる。
本発明に係る一般式(1)で示される化合物の添加量は、感光層に対して、好ましくは、0.01質量%〜10質量%が好ましく、特に0.05質量%〜5質量%が好ましい。
(感光層:画像形成層)
本発明に係る感光層(「画像形成層」ともいう。)は、画像露光によって画像を形成し得る層であり、従来平版印刷版の感光層として用いられているネガ型、ポジ型どちらの感光層も用いることができる。例えば酸により分解可能な物質を含むポジ型の感光層あるいは、重合成分を含むネガ型の感光層が挙げられる。
本発明に係る感光層は、特に重合型感光層である場合に本発明は有効である。例えば、レーザー露光により生じた熱を利用して画像形成可能な変化を生じるものが好ましく用いられる。
上記の酸により分解可能な物質を含むポジ型の感光層としては、例えば特開平9−171254号に記載のレーザー露光により酸を発生する光酸発生剤と発生した酸により分解し、現像液への溶解性が増大する酸分解化合物および赤外線吸収剤からなる感光層が挙げられる。
(光酸発生剤)
光酸発生剤としては、各種の公知化合物及び混合物が挙げられる。例えば、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、及びヨードニウムのBF4-、PF6-、SbF6-、SiF6 2-、ClO4-などの塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物も活性光線の照射の際に酸を形成又は分離する活性光線感光性成分であり、光酸発生剤として使用することができる。原理的には遊離基形成性の光開始剤として知られるすべての有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化水素酸を形成する化合物で、光酸発生剤として使用することができる。前記のハロゲン化水素酸を形成する化合物の例としては、米国特許第3,515,552号、同3,536,489号及び同3,779,778号及び西ドイツ国特許第2,243,621号に記載されているものが挙げられ、又、例えば、西ドイツ国特許第2,610,842号に記載の光分解により酸を発生させる化合物も、使用することができる。また、特開昭50−36209号に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドを用いることができる。
光酸発生剤として、有機ハロゲン化合物が赤外線露光による画像形成における感度及び画像形成材料の保存性の面から好ましい。該有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン置換アルキル基を有するトリアジン類及びハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類が好ましく、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。
光酸発生剤の含有量は、その化学的性質及び感光層(画像形成層)の組成あるいは物性によって広範囲に変えることができるが、感光層の固形分の全質量に対して、約0.1〜約20質量%の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。
酸分解化合物としては、具体的には特開昭48−89003号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号等に記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号に記載されているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号に記載されているその他の酸分解化合物。さらにまた特願昭61−16687号に記載されているSi−N結合を有する化合物、特願昭61−94603号に記載されている炭酸エステル、特願昭60−251744号に記載されているオルト炭酸エステル、特願昭61−125473号に記載されているオルトチタン酸エステル、特願昭61−125474号に記載されているオルトケイ酸エステル、特願昭61−155481号に記載されているアセタール及びケタール、特願昭61−87769号に記載されているC−S結合を有する化合物などが挙げられるが、これらのうち、前記特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号及び特願昭60−251744号、同61−155481号に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類及びシリルエーテル類が好ましい。
酸分解化合物の含有量は、感光層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜70質
量%が好ましく、特に好ましくは10〜50質量%である。酸分解化合物は1種を用いて
もよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
この感光層は、露光光を熱に変換する光熱変換材を含む態様(いわゆる感熱画像形成層)が好ましい態様である。光熱変換材としては、下記の光変換色素、その他の光熱変換材が用いられる。
[光熱変換色素]
光熱変換色素としては下記のようなものを用いることができる。
一般的な赤外線吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
[その他の光熱変換材]
上記光熱変換色素に加えて、それ以外の光熱変換材を併用することも可能である。
好ましく用いられる光熱変換材としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。
カーボンとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄(Fe34)や、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。
後者とては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。
又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。
これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換材のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。
したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
この感光層は、必要に応じ結着剤を適宜含んでもよい。
またポジ型の感光層として、o−ナフトキノンジアジド化合物を含むものも好ましく利用できる。
上記の光熱変換材は感光層に含有されてもよいし、感光層に隣接する層を設けこの隣接層に含有されていてもよい。
上記の重合成分を含む感光層としては、例えば(A)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(B)光重合開始剤、(C)高分子結合材、および(D)分光増感剤を含有する感光層が好ましく用いられる、特に分光増感剤として、吸収極大波長が350〜450nmにある分光増感剤を含有する感光層が好ましく用いられる。
この場合、本発明に係る化合物の含有量は、(A)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物に対して、0.01質量%〜10質量%含有することが好ましい。
((A)重合可能なエチレン性二重結合含有化合物)
本発明に係る(A)重合可能なエチレン性二重結合含有化合物は、画像露光により重合し得るエチレン性二重結合を有する化合物である。
重合可能なエチレン性二重結合含有化合物としては、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。該化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等を挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述のモノマー及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
また、感光層には、三級アミンモノマーである、分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物を使用することが好ましい。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613号公報、特開平1−203413号公報、特開平1−197213号公報に記載の重合可能な化合物が好ましく用いられる。
さらに本発明では、三級アミンモノマーである、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
ここでいう、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオール等が挙げられるが、これに限定されない。
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これに限定されない。
分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(MH−1)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(MH−2)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(MH−4)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(MH−7)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(MH−8)等が挙げられる。
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
また、これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載の、アクリレート又はアルキルアクリレートが用いることが出来る。
重合可能なエチレン性二重結合含有化合物の添加量は感光層の不揮発成分の30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
((B)光重合開始剤)
本発明に係る光重合開始剤は、画像露光により、(A)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物の重合を開始し得る化合物であり、例えばビイミダゾール化合物、鉄アレーン錯体化合物、チタノセン化合物、ポリハロゲン化合物、モノアルキルトリアリールボレート化合物などが好ましく用いられる。これらの中でも特に、ビイミダゾール化合物、鉄アレーン錯体化合物が好ましく、これに加えてさらにポリハロゲン化合物を含むことが特に好ましい。
(ビイミダゾール化合物)
ビイミダゾール化合物は、ビイミダゾールの誘導体であり、特開2003−295426号公報に記載される化合物等が挙げられる。
本発明においては、ビイミダゾール化合物として、ヘキサアリールビイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)化合物を含有することが好ましい。
HABI類の製造工程はDE1,470,154に記載されておりそして光重合可能な組成物中でのそれらの使用はEP24,629、EP107,792、US4,410,621、EP215,453およびDE3,211,312に記述されている。
好ましい誘導体は例えば、2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビイミダゾールである。
HABIの量は、感光性組成物の非揮発性成分の合計質量に対して、典型的には0.01〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。
〈鉄アレーン錯体化合物〉
鉄アレーン錯体化合物は、下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(a)[A−Fe−B]+X-
式中Aは、置換、無置換のシクロペンタジエニル基または、シクロヘキサジエニル基を表す。式中Bは芳香族環を有する化合物を表す。式中X-はアニオンを表す。
芳香族環を有する化合物の、具体例としてはベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、ビフェニル、フルオレン、アントラセン、ピレン等が挙げられる。X−としては、PF6−、BF4−、SbF6−、AlF4−、CF3SO3−等が挙げられる。置換シクロペンタジエニル基またはシクロヘキサジエニル基の置換基としては、メチル、エチル基などのアルキル基、シアノ基、アセチル基、ハロゲン原子が挙げられる。
鉄アレーン錯体化合物は、重合可能な基を有する化合物に対して0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
鉄アレーン錯体化合物の具体例を以下に示す。
Fe−1:(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−2:(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロフェート
Fe−3:(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−4:(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロアルセネート
Fe−5:(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロポレート
Fe−6:(η6−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−7:(η6−アントラセン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−8:(η6−ピレン)(η5−シクロペンタジェニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−9:(η6−ベンゼン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−10:(η6−トルエン)(η5−アセチルシクロペンタジニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−11:(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレート
Fe−12:(η6−ベンゼン)(η5−カルボエトキシシクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−13:(η6−ベンゼン)(η5−1,3−ジクロルシクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−14:(η6−シアノベンゼン)(η5−シクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−15:(η6−アセトフェノン)(η5−シクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−16:(η6−メチルベンゾエ−ト)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−17:(η6−ベンゼンスルホンアミド)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレート
Fe−18:(η6−ベンズアミド)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−19:(η6−シアノベンゼン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
FE−20:(η6−クロルナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−21:(η6−アントラセン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−22:(η6−クロルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe−23:(η6−クロルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレート
これらの化合物は、Dokl.Akd.Nauk SSSR 149 615(1963)に記載された方法により合成できる。
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483、特開平2−291に記載される化合物等が挙げられるが、更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
光重合開始剤としてさらにポリハロゲン化合物を含有することが好ましい。
ポリハロゲン化合物は、トリハロゲンメチル基、ジハロゲンメチル基又はジハロゲンメチレン基を有する化合物であり、特に下記一般式(a)で表されるハロゲン化合物及び上記基がオキサジアゾール環に置換した化合物が好ましく用いられる。この中でも更に、下記一般式(b)で表されるハロゲン化合物が特に好ましく用いられる。
一般式(a) R1−CY2−(C=O)−R2
式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノスルホニル基またはシアノ基を表す。R2は一価の置換基を表す。R1とR2が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。
一般式(b) CY3−(C=O)−X−R3
式中、R3は、一価の置換基を表す。Xは、−O−、−NR4−を表す。R4は、水素原子、アルキル基を表す。R3とR4が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。これらの中でも特にポリハロゲンアセチルアミド基を有するものが好ましく用いられる。
又ポリハロゲンメチル基がオキサジアゾール環に置換した化合物も好ましく用いられる。
モノアルキルトリアリールボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ヘキシルートリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ヘキシルートリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
本発明では、光重合開始剤として、他の既知の光重合開始剤を併用してもよい。
((C)高分子結合材)
次に高分子結合材について説明する。
高分子結合材としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。また、これらを2種以上併用してもかまわない。
好ましくはアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
さらに、本発明の高分子結合材は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いる事が出来る。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
さらにこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
さらに、本発明の高分子結合材は、側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体であることが好ましい。例えば、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。
分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。また、上記ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。分子内に不飽和結合とイソシアネート基を共に有する化合物としては、ビニルイソシアネート、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−またはp−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネートが好ましく、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。使用する溶媒としては、上記ビニル系共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのまま脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。
ここで、触媒としてはアミン系または塩化アンモニウム系の物質が好ましく、具体的には、アミン系の物質としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ベンジルアミン等が挙げられ、塩化アンモニウム系の物質としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
これらを触媒として使用する場合、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加すればよい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられ、その使用量は、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜5.0質量%である。なお、なお、反応の進行状況は反応系の酸価を測定し、酸価が0になった時点で反応を停止させればよい。
ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として通常2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。使用する溶媒としては、上記高分子共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのままイソシアネート基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。ここで、触媒としてはスズ系またはアミン系の物質が好ましく、具体的には、ジブチルスズラウレート、トリエチルアミン等が挙げられる。
触媒は使用する二重結合を有する化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加することが好ましい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられ、その使用量は、使用するイソシアネート基含有不飽和化合物に対して、通常0.01〜5.0質量%である。なお、反応の進行状況は反応系のイソシアナト基の有無を赤外吸収スペクトル(IR)で判定し、吸収が無くなった時点で反応を停止させればよい。
上記した本発明に用いられる側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体は、全高分子結合剤において、50〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
感光層中における高分子結合材の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
((D)分光増感剤)
本発明においては、分光増感剤として吸収極大波長が300〜1200nmにある分光増感剤を用いる事ができる。これらの中で特に350〜450nmにある分光増感剤を含有する場合に本発明の効果が大きく好ましい態様である。
これらの分光増感剤としては、例えばシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、アクリジン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、クマリン誘導体、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合部、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、ケトアルコールボレート錯体等が挙げられる。
これらの分光増感剤のうち下記一般式(CS)で表されるクマリン系の分光増感剤が好ましく用いられる。
Figure 2007219221
式中、R31〜R36は、水素原子、置換基を表す。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、等が挙げられる。これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
この中で、特に好ましいのは、R35にアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基を有するクマリンである。この場合、アミノ基に置換したアルキル基が、R34、R36の置換基と環を形成しているものも好ましく用いることができる。
さらに、R31,R32のいずれか、あるいは両方が、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基等)であると更に好ましい。
好ましい具体例として、下記の化合物が挙げられるが、これに限定するものではない。
Figure 2007219221
Figure 2007219221
上記具体例の他に、特開平8−129258号公報のB−1からB−22のクマリン誘導体、特開2003−21901号公報のD−1からD−32のクマリン誘導体、特開2002−363206号公報の1から21のクマリン誘導体、特開2002−363207号公報の1から40のクマリン誘導体、特開2002−363208号公報の1から34のクマリン誘導体、特開2002−363209号公報の1から56のクマリン誘導体等も好ましく使用可能である。
以下、本発明において感光層に添加することのできる各種添加剤、感光性平版印刷版としての支持体、保護層、感光性組成物の支持体への塗布、感光性平版印刷版の画像記録法等について順次説明する。
(各種添加剤)
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光分光増感剤の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
上記の感光波長領域での顔料吸収及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
また、上記組成物は、本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
また、本発明に係る感光層を設けるために調製される、感光層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
本発明の感光性平版印刷版材料は上記の各成分を含む感光層用塗布液を調製し、これを支持体上に塗設することにより作製できる。
(塗布)
感光層用塗布液を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類:sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール等;エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等;ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等;エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等;が好ましく挙げられる。
調製された塗布組成物(感光層塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、光重合性感光性平版印刷版材料を作製することができる。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
感光層の乾燥温度は、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは90〜120℃の範囲である。
(酸素遮断層)
本発明に係る感光層が重合型感光層の場合には、感光層の上側には、酸素遮断層を設けることが好ましい。酸素遮断層は、現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましい。
酸素遮断層を構成する素材として好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種以上併用し保護層塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。ポリビニルアルコールの中でも鹸化度が90%〜100%であるポリビニルアルコールが好ましい。
具体的には、ゴーセノールAL−06、NL−05、以上日本合成化学社製、クラレポバールPVA706、PVACST、PVA105、以上クラレ社製、Mowiol30−92、Mowiol3−96、Mowiol4−98、Mowiol4−99、以上クラリアント社製、Erkol30/92、Erkol25/100、Erkol28/70、Erkol4/98、Erkol5/99、以上Wackerchem社製、Elvanol70−06、Elvanol71−30、以上Dupont社製、Celvol418、Celvol425、Celvol103、Celvol125、以上Celanese社製等が挙げられる。
これらの中で、鹸化度90−98%であることが好ましく、鹸化度90−96%であることが特に好ましい。
ポリビニルアルコールと供に酸素遮断層に用いられる素材としては、ビニルピロリドン共重合体が好ましく用いられる。ビニルピロリドン共重合体の中でも特にビニルピロリドン単位を40mol%以上含み重量平均分子量が10,000から500,000であるビニルピロリドン共重合体が好ましく用いられる。
ビニルピロリドン系共重合体は、N−ビニル−2−ピロリドンを用い、通常のラジカル重合法により共重合することにより製造することができる。
共重合成分としては、上記の重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物にあげられた種々化合物が使用し得るが、特に酢酸ビニルが好ましい。
共重合体中のビニルピロリドン単位の割合は、40mol%以上が好ましく、40〜80mol%が特に好ましく用いられる。
ビニルピロリドン共重合体の具体例としては、例えばルビスコールVA37E、371、551、64P、64W、73E、73W(ビーエスエフジャパン製)などをあげることができる。酸素遮断層層には、更に必要に応じて、親水性素材、界面活性剤、マット剤、などを含有することができる。
親水性素材としては、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド、等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤いずれも用いることができ、特にアセチレン系界面活性剤が好ましく用いることができる。
マット剤としては、径が概ね0.05〜10μmの無機、有機の粒子を用いることができる。
酸素遮断層塗布液を調製するには、上記の素材を適当な溶剤に溶解して塗布液とすることができ、この塗布液を本発明に係る光重合性感光層上に塗布し、乾燥して保護層を形成することができる。保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
(酸素遮断層用塗布液)
酸素遮断層用塗布液を調製するには、上記の素材を水を主体とする溶媒に溶解して保護層用塗布液とすることができる。
水以外の溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類などが挙げられる。
水を主体とするとは、溶媒の50質量%以上が水であることをいい、75質量%以上が好ましく特に、95質量%以上が好ましい。
この酸素遮断層用塗布液を本発明に係る光重合性感光層上に塗布し、乾燥して保護層を形成する。
酸素遮断層用塗布液を塗布、乾燥する場合の乾燥温度が、光重合性感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。
この乾燥温度と、光重合性感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)の差は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上であり、上限は概ね60℃程度である。
酸素遮断層用塗布液の塗布方法としては、エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等の公知の塗布方法を用いることができる。
(支持体)
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体またはフィルム体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有するのが好ましい。
本発明に係る支持体として、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が挙げられる。
また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの、あるいは親水層を設けたもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用される。アルミニウム支持体の場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
又アルミニウム支持体は、保水性付与のため、表面を粗面化したものが用いられる。
粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
本発明において、光重合性感光層は、感光層用の塗工液を調製し、感光層塗工液を、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥することにより得らる。
塗工液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出
来る。
感光層の塗設での乾燥温度は、非画線部のカブリ等の観点より、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
(支持体の作製1)
厚さ0.24mm、巾1003mm、長さ800mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を5%苛性ソーダ水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/lの塩酸水溶液中で温度;25℃、電流密度;60A/dm2、処理時間;30秒の条件で電解エッチング処理を行った。
次いで、5%苛性ソーダ水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20%硫酸溶液中で温度;20℃、電流密度;3A/dm2、処理時間;1分間の条件で陽極酸化処理を行った、更に、30℃の熱水で20秒間、熱水封孔処理を行い、平版印刷版材料用支持体であるアルミニウム支持体を作製した。
(感光性平版印刷版材料の作製)
前記アルミニウム支持体上に下記組成の感光層塗布液を乾燥後の膜厚が2g/m2になるように押し出し方式コーターを用いて塗布し、第1乾燥;60℃20秒間、さらに第2乾燥100℃で40秒間乾燥して感光性平版印刷版材料(1〜6)を得た。
(感光層塗布液組成)
バインダー1(下記バインダー1) 20部
ノボラック樹脂(フェノールとm−,p−混合(6/4)クレゾールとホルムアルデヒ ド重縮合ノボラック樹脂(フェノールとクレゾール比は6/4)(いずれも質量比))
40部
酸分解化合物A(下記酸分解化合物A) 20部
光酸発生剤A(2−トリクロロメチル−5−〔β−(2−ベンゾフリル)ビニル〕−1 ,3,4−オキサジアゾール) 5部
赤外線吸収剤(下記IR−1) 2部
一般式(1)の構造単位を有する化合物(表1記載の化合物) 表1に記載の添加量
プロピレングルコールモノメチルエーテル 1000部
(酸分解化合物の合成)
1,1−ジメトキシシクロヘキサン(0.5モル)、フェニルセロソルブ(1.0モル)及びp−トルエンスルホン酸80mgを撹拌しながら100℃で1時間反応させ、その後150℃まで徐々に温度を上げ、更に150℃で4時間反応させた。
反応により生成するメタノールはこの間に留去した。冷却後、テトラヒドロフラン500ml及び無水炭酸カリウム2.5gを加えて撹拌し濾過した。
濾液から溶媒を減圧留去し、更に150℃、高真空下で低沸点成分を留去し、粘調な油状の下記酸分解化合物Aを得た。
Figure 2007219221
(画像形成)
露光条件
セッター:Trendsetter 400 Quantum(クレオ社製)
露光:2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、9.3W、185rpm(ドラムの回転数)を用いて行った。
(現像処理)
自動現像機:InterPlater 85HD(Glunz&Jensen)
現像液:
A珪酸カリウム 100.0部
水酸化カリウム 24.5部
カプリル酸 0.2部
マレイン酸 2.0部
EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸) 0.3部
水 1840部
現像温度:25℃±1℃
現像時間:20秒±1秒
(フィニッシャー)
GW−3(三菱化学社製)
<感度>
感光層の露光部が現像後完全に除去される最小のエネルギー量を測定し感度の指標とした。
<塗布性>
目視で評価し、以下の基準で判断し塗布性の指標とした。
○:マランゴニー無く、100μm以下の欠陥が20未満、大きな故障は無い
△:マランゴニー発生又は100μm以下の欠陥が20〜100個、大きな故障は無い
×:顕著なマランゴニー、100μm以下の欠陥が100以上又は大きな故障発生
<合紙貼り付き防止性>
続いて、PEフィルムをラミネートした合紙のPE面を感光層面と併せて100枚重ねた梱包品を作製し、25℃ 相対湿度25%の環境下で、Lotem 400 Quantumによる合紙自動除去搬送試験を実施し、合紙貼付きによる搬送不良の有無を確認し、合紙貼り付き防止性の指標とした。搬送不良有りを×、搬送不良なしを○とした。
表1から本発明の感光性平版印刷版材料は、塗布性が良好であり、感度が高く、網点再
現性、合紙貼り付き防止性、スラッジ汚れ防止性に優れることが分かる。
Figure 2007219221
F142D:パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物 E.O=10、ノニオン性界面活性剤(大日本インキ工業(株)製)
F178K:パーフルオロアルキルオリゴマー、ノニオン性界面活性剤(大日本インキ工業(株)製)
(支持体2の作製)
下記組成よりなる、親水性下引き層塗布液及び親水性層塗布液をそれぞれホモジナイザーで15分間混合し、各塗布液を作製した。親水性易接着の処理が施された厚み175μmのPETフィルム上に、親水性下引き層塗布液を3g/m2の付き量となるようにワイヤーバーで塗布し、100℃で1分乾燥させた。ついで、親水性層塗布液を1g/m2の付き量となるようにワイヤーバーで塗布し、100℃で1分乾燥させ、プラスチック基材の支持体2を作製した。
〈親水性下引き層塗布液〉
スノーテックスXS(固形分20%、平均粒径4〜6nmのコロイダルシリカ、日産化 学工業(株)製) 90質量部
スノーテックスZL(固形分40%、平均粒径70〜100nmのコロイダルシリカ、 日産化学工業(株)製) 2.5質量部
シルトンJC40(アルミノシリケート粒子、平均粒径4μm、水澤化学工業社製)
5質量部
ミネラルコロイドMO(モンモリロナイト、ウォルバーエルス社製) 2質量部
FZ2161(シリコン系界面活性剤、日本ユニカー社製) 0.5質量部
〈親水性層塗布液〉
スノーテックスXS(固形分20%、平均粒径4〜6nmのコロイダルシリカ、日産化 学工業(株)製) 80質量部
スノーテックスPSM(固形分20%、平均粒径80〜150nmのネックレス状コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 12.5質量部
シルトンJC40(アルミノシリケート粒子、平均粒径4μm、水澤化学工業社製)
5質量部
ミネラルコロイドMO(モンモリロナイト、ウォルバーエルス社製) 2質量部
FZ2161(シリコン系界面活性剤、日本ユニカー社製) 0.5質量部
(支持体3の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。
この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、塩酸濃度11g/L、温度25℃、周波数50Hz、50A/dm2の交流電流において20秒間電解粗面化処理を行った。
電解粗面化を行った後、水洗し、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行い、水洗し、50℃に保たれた30%硫酸中で30秒間中和処理を行い、水洗した。次いで20%硫酸溶液中で、25℃、電流密度5A/dm2、電圧15Vの条件下で40秒間陽極酸化処理を行い、水洗した。
更に、0.44%のポリビニルホスホン酸水溶液に、75℃、30秒間ディップ処理を行い、次いで蒸留水で水洗し、25℃の冷風で乾燥し、支持体3を得た。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(高分子結合剤Aの合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸メチル58.0部(0.58モル)、メタクリル酸35.0部(0.41モル)、メタクリル酸エチル6.0部(0.05モル)、エタノール100部及びα,α’−アゾビスイソブチロニトリル1.23部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させて高分子重合体を得た。
その後、該重合体に、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1部及びグリシジルメタクリレート28.0部(0.2モル)を加えて、温度25℃で3時間反応させて高分子結合剤Aを得た。GPCを用いて測定した質量平均分子量は約70,000、酸価95
であった。
(感光性平版印刷版の作製)
上記で作製した支持体2及び3に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時1.7g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、100℃で1.5分間乾燥した。
その後、更に該感光層上に、下記組成の保護層塗工液を乾燥時1.7g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に保護層を有する平版印刷版材料を作製した。
《光重合性感光層塗工液》
高分子結合剤A 45.0部
分光増感剤A 4.0部
鉄アレーン化合物:イルガキュア261〔チバスペシャリティーケミカルズ社製〕
3.2部
トリアジン化合物:TAZ−107[みどり化学社製] 2.5部
付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有単量体(化合物A) 30.0部
ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート(NKエステル4G:新中村化学工業社製) 15.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製30%MEK分散物) 3.0部
ヒンダードアミン光安定化剤(LS770:三共ライフテック社製) 0.5部
フッ素系活性剤(表2記載の化合物及び添加量)
シクロヘキサノン(沸点=155℃) 820部
《保護層塗工液》
ポリビニルアルコール(AL06:日本合成化学社製) 95部
ポリビニルピロリドン共重合体(VA64W:BASF社製) 5部
界面活性剤(サーフィノール465:日新化学社製) 0.5部
水 900部
Figure 2007219221
(画像形成)
このようにして作製した光重合型平版印刷版材料について、408nm、30mW出力のレーザーを備えた光源を備えたプレートセッター(タイガーキャット:ECRM社製改造品)を用い、2400dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像露光を行った。
次いで、現像前に加熱装置部、保護層を除去する前水洗部、下記現像液組成1を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(PHW32−V:Technigraph社製)で現像処理を行い、各平版印刷版を得た。
加熱部条件は、版面温度110℃±5℃、熱処理時間15秒であった。
版面温度は、サーモラベル[日油技研社製]を作製した支持体の粗面化面に貼り付け処理した時の温度を測定した。
《現像液組成1》
Aケイ酸カリウム 8.0部
ニューコールB−13SN(日本乳化剤社製) 3.0部
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水和塩 0.1部
苛性カリ pH=12.1なるよう調整
(平版印刷版材料の評価)
上記のようにして得られた平版印刷版について、以下の評価をした。評価結果を表2に示す。
<感度>
レーザーの露光エネルギーを変化させながら、100%ベタ画像を出力する。上記の画像形成方法に従い、現像した画像の各エネルギーの濃度を濃度計〔D196:GRETAG社製〕で測定する。
感材の飽和ベタ濃度から濃度が落ちはじめる露光エネルギー、感度とした。飽和ベタ濃度×0.9となるエネルギー量を換算して求めた。
<塗布性>
目視で評価し、以下の基準で判断し塗布性の指標とした。
○:マランゴニー無く、100μm以下の欠陥が20未満、大きな故障は無い
△:マランゴニー発生又は100μm以下の欠陥が20〜100個、大きな故障は無い
×:顕著なマランゴニー、100μm以下の欠陥が100以上又は大きな故障発生
<酸素遮断層の接着性>
酸素遮断層の接着性評価として、スクラッチ試験を行った。作製した感材を25℃50%の環境で蛍光灯下に2時間放置後測定。測定は、スクラッチ試験機Heidon−18:Heidon社製を用い、0.1mmφサファイヤ針、0−100g連続加重、速度1000mm/min、N=5の平均値を評価した。評価は感光層から酸素遮断層が剥がれた加重を目視で評価し求め、酸素遮断層の接着性の指標とした。
<プレヒートラチチュード評価>
露光後の平版印刷版材料について、熱処理温度を変化させ、その他は同じ条件での現像処理を行った後、印刷し非画像部に汚れ若しくはシャドー部のインキ絡みの生じることのない、温度の上限を求め、プレヒートラチチュードの指標とした。
印刷条件:175線の画像を適性露光量で露光、各温度で熱処理後、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製の、大豆油インキ”ナチュラリス100”)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、刷りだし1000枚後の非画像部及びシャドーを目視評価し、基準である熱処理105℃の印刷物と比較し良否判断した。
この評価の際には、上記現像処理機の加熱装置部分の電源は切り、加熱処理は露光後、セーフライト環境下に置いた別の加熱装置を用いて、所望の版面温度となるように設定し、30秒間熱処理を行った。上記各評価結果を表2に示す。
表2から本発明の感光性平版印刷版材料は、塗布性、酸素遮断層の接着性が良好でありかつ感度が高く、網点再現性、プレヒートラチチュード、スラッジ汚れ防止性に優れることが分かる。
Figure 2007219221

Claims (6)

  1. 支持体上に感光層を有する感光性平版印刷版材料において、該感光層が下記一般式(1)で表される構造単位を有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
    Figure 2007219221
    式中、Yは
    Figure 2007219221
    を表し、Qは
    Figure 2007219221
    を表し、Rfはフッ素原子を含有する置換基、L1、L2及びL3はスルホンアミド基及びカルバミド基を除くところのフッ素原子を有しない2価の連結基を表し、Aはアニオン基またはその塩を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは1〜17の正の整数、mは0〜17の正の整数を表す。
  2. 前記感光層が、(A)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(B)光重合開始剤、(C)高分子結合材、および(D)分光増感剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
  3. 前記感光性平版印刷版材料が、前記感光層上に酸素遮断層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
  4. 前記酸素遮断層が、鹸化度が90%〜100%であるポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項3に記載の感光性平版印刷版材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版材料を製造することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版材料を用いることを特徴とする印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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