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JP2007216667A - セメント凝結遅延用塗料、コンクリート表面の処理方法及びコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

セメント凝結遅延用塗料、コンクリート表面の処理方法及びコンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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JP2007216667A JP2006347250A JP2006347250A JP2007216667A JP 2007216667 A JP2007216667 A JP 2007216667A JP 2006347250 A JP2006347250 A JP 2006347250A JP 2006347250 A JP2006347250 A JP 2006347250A JP 2007216667 A JP2007216667 A JP 2007216667A
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Abstract

【課題】コンクリートの打設により移動又は破損し難い優れた接着性と、セメント凝結遅延性とを兼ね備えた、環境的にも優れた塗膜を、如何なる形状においても容易に形成することが可能なセメント凝結遅延用無機系塗料、該塗料を用いたコンクリート表面の処理方法及びコンクリート構造物の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の無機系塗料は、セメント凝結遅延性を有する塗膜を形成しうる塗料であって、セメント凝結遅延剤、接着性及び塗膜形成能を付与する、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウム等のアルカリケイ酸塩水溶液、フィラー及び水、必要によりフィラー分散性を保持する増粘剤を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリートを打設する際に用い、得られるコンクリート表面の所定箇所に水洗により骨材を効率良く露出させることが可能なセメント凝結遅延用無機系塗料、該塗料を用いたコンクリート表面の処理方法及び該処理方法を利用したコンクリート構造物の製造方法に関する。
硬化コンクリート表面に骨材の一部分を露出させる方法は、コンクリートの外観デザイン形成や、コンクリート路面の滑り止め、コンクリートの打ち継ぎ面の接着強化などに利用されている。
このような方法に用いる処理剤としては、例えば、特許文献1〜5において、セメント凝結遅延剤及び増粘剤を含有する表面処理剤が提案されている。該表面処理剤は、コンクリート打ち込み用型枠に塗布し、コンクリートを型枠から脱型後、該コンクリート表面を水洗して骨材を露出させる方法に使用される。
しかし、これら表面処理剤は、型枠との接着強度が低いため、コンクリートの打ち込み中、コンクリートと一緒に流れて、表面処理したい部分に処理剤を留めておくことが困難であり、必要な所定箇所の表面処理ができなくなるだけでなく、このような表面処理を施す必要がない部分に処理剤の一部が流れ、コンクリート表面に色むらや斑点が発生するという問題が生じる。
そこで、特許文献6〜12には、紙タオル、布タオル、プラスチックシート、金属箔、不織布に、予めセメント凝結遅延成分を含浸または塗布した、凝結遅延成分が流されることを防止しうるセメント凝結遅延シート、並びに該シートを型枠に貼付し、コンクリートの打ち込みを行うコンクリート表面の処理方法が提案されている。
特許第2601368号 特開平4−163104号公報 特開平6−47725号公報 特開平7−206496号公報 特開2001−106583号公報 特公昭54−141020号公報 特開平9−183643号公報 特開平11−278896号公報 特開平11−291212号公報 特開平11−320522号公報 特開2001−107558号公報 特許第3285192号公報
しかし、前記セメント凝結遅延シートは、コンクリート表面を処理する所定箇所の形状に合わせて事前にシートを切断する必要があるため、特に、コンクリートの処理面から多数の鉄筋又は埋め込み部材が突出している場合等は、このシートの切断及び切り込み作業が煩雑化する。
また、従来のコンクリート表面処理剤やセメント凝結遅延シートは、塗膜形成又はシート接着のために、有機系接着剤や、揮発性又は不揮発性の有機溶剤等が用いられていることが多く、環境的に望ましいものとは言えない。更に、従来のコンクリート表面処理剤やセメント凝結遅延シートは、コンクリート表面から処理すべき厚さ(深さ)制御が困難であり、コンクリート表面処理範囲が制限され易いという問題がある。
従って、本発明の課題は、コンクリートの打設により移動又は破損し難い優れた接着性と、セメント凝結遅延性とを兼ね備えた、有機系接着剤や有機溶媒を使用せずに環境的にも優れた塗膜を、如何なる形状においても容易に形成することが可能なセメント凝結遅延用無機系塗料を提供することにある。
本発明の別の課題は、コンクリート表面の所定箇所における未硬化セメントを含むモルタルを如何なる形状であっても精度良く除去でき、該所定箇所以外の表面に色むらや斑点等が発生することを充分抑制でき、しかも、その表面から除去するモルタルの厚さ(深さ)制御も可能な、環境的に優れたコンクリート表面の処理方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、上記本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料を利用して、2以上の硬化コンクリートを強固な接着強度で、しかも環境的にも優しく、連結したコンクリート構造物を簡便な方法で得ることができるコンクリート構造物の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、セメント凝結遅延性を有する塗膜を形成しうる塗料であって、セメント凝結遅延剤、接着性及び塗膜形成能を付与するアルカリケイ酸塩水溶液、フィラー及び水を含むセメント凝結遅延用無機系塗料が提供される。
また本発明によれば、コンクリート打ち込み用型枠の所定箇所に、前記セメント凝結遅延用無機系塗料を少なくとも1回塗布し、塗膜を形成する工程(A)と、該塗膜を形成した型枠内にコンクリートを打設し、硬化する工程(B)と、該型枠を外し、コンクリート表面上の前記塗膜成分及び未硬化セメント部分のモルタルを水洗し、硬化コンクリート表面の所定箇所に骨材を露出させる工程(C)とを含むコンクリート表面の処理方法が提供される。
更に本発明によれば、前記工程(A)と、工程(B)と、工程(C)と、該工程(C)において骨材を露出させた所定箇所を打ち継ぎ面として、別のコンクリートを打設・硬化し、少なくとも2つの硬化コンクリートを連結する工程(D)とを含むコンクリート構造物の製造方法が提供される。
本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料は、セメント凝結遅延剤、接着性及び塗膜形成能を付与するアルカリケイ酸塩水溶液、フィラー及び水を含み、特に、該セメント凝結遅延剤自体が水溶性があり、該アルカリケイ酸塩水溶液が、有機系接着剤や有機溶剤を用いなくても気中硬化性を示し、コンクリート打ち込み用型枠等の如何なる角度を有する面に対しても強固な接着性を発揮し、一方、打ち込まれるコンクリートと接触することにより、コンクリート中の水と接触し、コンクリート表層部におけるセメントの水和を遅延させるように、セメント凝結遅延剤を該表層部の水に徐々に放出させることができるので、コンクリートの打設により移動又は破損し難い優れた接着性と、セメント凝結遅延性とを兼ね備え、環境的にも優れた塗膜を、如何なる形状においても容易に形成することができる。
従って、本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料は、硬化コンクリートの所望する所定箇所表面に骨材の一部分を露出させ、コンクリートの外観デザインや、コンクリート路面の滑り止め、コンクリートの打ち継ぎ面の接着強化を目的とした各種コンクリートの表面処理やコンクリート構造物の製造方法に有用である。
本発明のコンクリート表面の処理方法は、上記工程(A)〜(C)を含み、特に、工程(A)において本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料を用いて、接着性、セメント凝結遅延性及び環境性に優れた塗膜を形成するので、コンクリート表面の所定箇所における未硬化セメントを含むモルタルを如何なる形状であっても精度良く除去でき、該所定箇所以外の表面に色むらや斑点等が発生することを充分抑制でき、しかも、工程(A)において本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料の塗布回数等を制御することにより、コンクリート表面から除去するモルタルの厚さ(深さ)制御も容易に行うことができる。
本発明のコンクリート構造物の製造方法は、上記工程(A)〜(D)を含み、特に、工程(A)において本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料を用いて、接着性、セメント凝結遅延性及び環境性に優れた塗膜を形成し、工程(B)及び(C)により所定箇所に骨材を露出させ、工程(D)により、該露出した骨材を打ち継ぎ面として他の硬化コンクリートと連結することができるので、2以上の硬化コンクリートを強固な接着強度で、しかも環境的にも優しく、連結したコンクリート構造物を容易に得ることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のセメント凝結遅延用無機系塗料(以下、単に無機系塗料と言うことがある)は、セメント凝結遅延剤と、接着性及び塗膜形成能を付与するアルカリケイ酸塩水溶液と、フィラーと、水とを含む。ここで、無機系塗料とは、有機系接着剤や有機溶剤を実質的に含まない塗料を意図する。
前記セメント凝結遅延剤は、本発明の無機系塗料をコンクリート表面に接触させた際に、該接触した表面のコンクリートの硬化を他の接触していない表面の硬化よりも遅延させる成分である。
このようなセメント凝結遅延剤としては、例えば、硅弗化塩類、糖類、オキシカルボン酸類、オキシカルボン酸塩類等の通常のセメント凝結遅延剤を使用することができる。遅延性の保持時間が長い点からは、グルコン酸ナトリウム等のオキシカルボン酸塩類の使用が好ましい。
前記アルカリケイ酸塩水溶液は、本発明の無機系塗料に、型枠表面やコンクリート表面への接着性及び該表面において塗膜形成能を発揮する成分であって、気中硬化性を示すと共に、水溶性で、塗膜形成後に水洗しうる成分である。
このようなアルカリケイ酸塩水溶液としては、例えば、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムの水溶液が挙げられる。具体的には、ケイ酸ナトリウム水溶液としては、一般に水ガラスと称されるNa2O・nSiO2水溶液が好ましい。ここで、nは2以上、特に3以上が好ましいが、その上限は、水溶性を示す範囲であれば特に限定されず、通常4程度である。ケイ酸カリウム水溶液としては、K2O・nSiO2水溶液が好ましい。ここで、nは2以上、特に3以上が好ましいが、その上限は、水溶性を示す範囲であれば特に限定されず、通常4程度である。これらのアルカリケイ酸塩水溶液の中でも、Na2O・nSiO2水ガラスの使用が特に接着性、塗膜形成能及び経済性に優れる点で好ましい。
前記フィラーは、本発明の無機系塗料において、該塗料の塗布のし易さを付与し、並びに塗布後の塗膜の厚さ調整に必要な成分であって、通常、鉱物質粉末等の無機質粉末を用いることができる。
このようなフィラーとしては、例えば、石灰石粉末、ベントナイト、珪石粉末、砕石粉末等が挙げられる。フィラーは、塗料の塗布性、分散性、分離抵抗性のために比表面積が大きい方が好ましく、通常、比表面積4000cm2/g以上のフィラーの使用が望ましい。
フィラーの粒径は、通常、200メッシュを通過する粒径、好ましくは325以上のメッシュを通過する粒径が挙げられるが、本発明の無機系塗料中において分散可能であれば特に限定されない。
本発明の無機系塗料は、水により上記各成分を流動化することにより塗料とすることができる。該水としては、特に限定されず、上水道水を用いることができる。
本発明の無機系塗料は、水溶液状態において前記フィラーの分散性を維持するために、増粘剤を配合することが好ましい。
該増粘剤としては、例えば、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、グリコール系増粘剤等が挙げられ、フィラーの分散性を容易に制御しうる点から、セルロース系増粘剤の使用が好ましい。
本発明の無機系塗料において上記各成分や後述する任意成分の含有割合は、塗料全量に対して、含有させる各成分の合計が100重量%となるように、本発明の所望の効果を達成するために適宜選択することができる。
前記セメント凝結遅延剤の含有割合は、その所望の効果が得られるように適宜選択でき特に限定されない。例えば、無機系塗料全量に対して、通常0.5〜20.0重量%、好ましくは1.0〜15.0重量%である。該割合が少ない場合には、所望のセメント凝結遅延作用が不十分になる恐れがあり、一方、割合が多い場合には、コンクリートの打ち込みに、遅延剤がコンクリートと一緒に流れて、該所定箇所以外のコンクリート表面に色むらや斑点等が発生する恐れがある。
前記アルカリケイ酸塩水溶液の含有割合は、塗布により接着性良好な被膜形成が可能な量であれば特に限定されない。例えば、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウム等のアルカリケイ酸塩(SiO2量+Na2O量)及び/又は(SiO2量+K2O量)に換算して、無機系塗料全量に対して、通常2.0〜20.0重量%、好ましくは4.0〜13.5重量%である。該割合が少ない場合には、得られる塗膜に所望の接着性や膜形成能を付与することが困難になり、一方、割合が多い場合には、得られる塗膜の接着性が強すぎ、コンクリートに遅延剤の放出が妨げられて表面処理効果が少なくなる恐れがある。
また、前記アルカリケイ酸塩水溶液の含有割合は、塗料全量に対して、通常5.0〜30.0重量%、好ましくは10.0〜30.0重量%である。該割合が少ない場合には、得られる塗膜に所望の接着性や膜形成能を付与することが困難になり、一方、該割合が多い場合には、得られる塗膜の接着性が強すぎ、コンクリートに遅延剤の放出が妨げられて表面処理効果が少なくなる恐れがある。
前記フィラーの含有割合は、塗料全量に対して、通常20.0〜70.0重量%、好ましくは30.0〜65.0重量%である。該割合が20.0重量%未満では、得られる塗料の塗布時にたれが多く発生する等の作業性低下が生じる恐れがあり、更に、所望の膜厚確保が困難になり所望のセメント凝結遅延作用が得られ難い。一方、70.0重量%を超えると、塗料が硬くなり、塗布し難い。
本発明の塗料において水の含有割合は、アルカリケイ酸塩水溶液や液体のセメント凝結遅延剤に含まれる水量も含まれる。上記各成分の混合時に加えられる水量は、得られる塗料が、塗布可能な状態に、例えば、アルカリケイ酸塩量及びフィラー量が上記割合となるような量を適宜選択して決定することができる。
本発明の無機系塗料に増粘剤を含有させる場合の該増粘剤の含有割合は、増粘剤の種類に応じて、所望のフィラー分散性が良好となるように適宜選択できるが、通常0.002〜2.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%である。該割合が、0.002重量%未満では、増粘剤を含有させる所望の効果が得られ難く、一方、2.0重量%を超えると、塗料自体の粘度が上昇し、塗料の均一塗布作業が煩雑になる恐れがある。
本発明の無機系塗料には、上記各成分の他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、更には他の効果を得るために、各種添加剤等を含有させることもできる。
該添加剤としては、例えば、色素、顔料、染料、インク等が挙げられるが、これらに限定されない。これら添加剤の添加により、処理するコンクリートの表面に色が付けられて、水洗時の処理範囲を分かり易くすることができる。
このような任意成分としての各種添加剤は、その所望の効果が得られるようにその含有割合を適宜選択することができるが、本発明の所望の効果を得るために、添加剤の合計量が塗料全量に対して10重量%を超えないように含有させることが好ましい。
本発明のコンクリート表面の処理方法は、コンクリート打ち込み用型枠の所定箇所に、上述の本発明の無機系塗料を少なくとも1回塗布し、塗膜を形成する工程(A)、該塗膜を形成した型枠内にコンクリートを打設し、硬化する工程(B)及び該型枠を外し、コンクリート表面上の前記塗膜成分及び未硬化セメント部分のモルタルを水洗し、硬化コンクリート表面の所定箇所に骨材を露出させる工程(C)を含み、本発明のコンクリート構造物の製造方法は、上記工程(A)〜(C)に加え、更に、前記骨材を露出させた所定箇所を打ち継ぎ面として、別のコンクリートを打設・固化し、少なくとも2つの硬化コンクリートを連結する工程(D)と含む。
工程(A)において型枠は、本発明の無機系塗料が、あらゆる形状及び傾斜部分においても容易に塗布することが可能であるので、所望形態の型枠であっても良く、例えば、コンクリート内に配筋する鉄筋や鉄骨等が貫通する穴等を有する型枠であっても良い。
工程(A)において、本発明の無機系塗料を塗布する箇所は、コンクリート表面のセメント凝結を遅延させ、骨材の露出を所望する所定箇所に対応する型枠内面であれば特に限定されず、また、型枠が存在しないコンクリート上面等に直接塗布することも可能である。
塗布回数は、コンクリート表面の処理すべき箇所の所望する深さや、セメント凝結遅延期間の制御に応じて適宜選択することが可能である。
工程(B)において打設したコンクリートの打設は、工程(A)により本発明の無機系塗料が塗膜を形成し、硬化状態となった時点で行うことができ、工程(A)における塗膜形成時間は、環境温度や湿度等により異なるが通常、30〜120分程度である。
工程(B)においてコンクリートの硬化期間は、コンクリートの種類、その形状や大きさ等に応じて適宜選択でき、コンクリートの所望強度が確保できる程度に硬化しうる期間であれば良い。
工程(C)において水洗は、例えば、高圧水洗浄機や、ブラシ等により行うことができる。この際、本発明の無機系塗料は、実質的に有機系の接着剤を含まず、更には有機溶媒を実質的に含まずに、接着成分として前述の水溶性のアルカリケイ酸塩水溶液を含むので、環境的に優しく、更には、塗膜成分及び未硬化セメント部分の除去を容易に行なうことができる。
工程(D)は、前記骨材を露出させた所定箇所を打ち継ぎ面として、公知のコンクリート連結技術により、型枠等を設けて行うことができる。この際、新たに設けるコンクリートの型枠に本発明の無機系塗料を塗布し、前記工程(A)〜(D)を更に繰返すことで様々なコンクリート構造物を製造することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜15及び比較例1〜2
(セメント凝結遅延用無機系塗料の調製)
表1に示す組成の各成分をグラウトミキサにより混合し、セメント凝結遅延用無機系塗料を調製した。尚、表1中の各成分及びその略号は以下のとおりである。
W:上水道水、
GR:オキシカルボン酸塩類セメント凝結遅延剤(商品名グルコン酸ソーダ(25K)M、結晶、扶桑化学工業社製)、
FR:硅弗化塩類セメント凝結遅延剤(商品名レオリタード、液体、ポゾリス物産社製)
WG1:水ガラス1号(商品名J珪酸ソーダ1号、モル比(Na2O/SiO2)=2.15、含水率52.5%、日本化学工業社製)
WG2:水ガラス2号(商品名J珪酸ソーダ2号、モル比(Na2O/SiO2)=2.60、含水率59.5%、日本化学工業社製)
WG3:水ガラス3号(商品名J珪酸ソーダ3号、モル比(Na2O/SiO2)=3.18、含水率61.5%、日本化学工業社製)
F200:石灰石微粉末(商品名工業用タンカル200メッシュ、吉澤石灰工業製)
F325:石灰石微粉末(商品名工業用タンカル325メッシュ、吉澤石灰工業製)
B:ベントナイト(商品名浅間、ホージュン社製)
SV:セルロース系増粘剤(商品名SFCA2000、信越化学工業社製)
Figure 2007216667
(セメント凝結遅延用無機系塗料の性能確認試験)
上記で調製した各塗料の性能を確認するために、以下の試験及び測定を行った。結果を表2に示す。尚、実施例14及び実施例15は、塗料として実施例1で調製したものを用い、塗布層数をそれぞれ2層及び3層にした例である。
(1)塗布作業性試験
「試験用標準試験板JIS K5600-1-4」に規定されている磨き鋼板試験板を鉛直方向に設置し、その上に塗料を塗布し、塗料の付着し易さ及びたれの有無を判断した。塗布のし易さの評価は、優、良、不可の3段階で行った。
(2)塗布厚さ
1回塗布厚さを「試験版の塗装(はけ塗り)JIS K5600-1-5」に準拠し行った。
(3)塗膜の乾燥時間
「表面乾燥性(バロチニ法)JIS K5600-3-2」に準拠し行った。
(4)鋼板に塗膜の接着強度
「付着性(プルオフ法)JIS K5600-5-7」に準拠し行った。
(5)コンクリートの洗出し厚さ
鋼製型枠の鉛直面に調製した塗料を1回塗布し、塗料が乾燥した後コンクリートを打ち込み、1日間、20℃でコンクリートを養生した後、脱型を行い、塗料と接触したコンクリート表面のモルタルを高圧水洗浄機で洗出し、コンクリート表面から洗出されたモルタルの平均深さをコンクリートの洗出し厚さとして測定した。
(6)洗出し作業の可能日数
洗出し作業の可能日数は、塗料と接触したコンクリート表面のモルタルを高圧水洗浄機で洗出すことができる最長日数を確認した。
(7)洗出し部分の隣接部分への影響
洗出し部分の隣接するコンクリートの表面に骨材の露出や、色むらなどの現象の有無について目視で観察した。
(8)打ち継ぎ面の曲げ強度の達成率
曲げ強度6.34N/mm2のコンクリートを用いて、高さ100mm、幅100mm、長さ200mmの角柱試験体を製作する時、その1つの鉛直端面を試験塗料で鉛直打ち継ぎ面として処理し、材齢8日後、同じコンクリートを用いて打ち継ぎを行い、高さ100mm、幅100mm、長さ400mmの角柱試験体を製作した。この中央部に鉛直打ち継ぎ面を有する試験体を20℃で28日間気中養生を行った後、その打ち継ぎ面の曲げ強度を「コンクリートの曲げ強度試験方法 JIS A 1106」に準拠し測定し、測定された曲げ強度とコンクリートの曲げ強度との比率を打ち継ぎ面の曲げ強度の達成率とした。
Figure 2007216667

Claims (7)

  1. セメント凝結遅延性を有する塗膜を形成しうる塗料であって、
    セメント凝結遅延剤、接着性及び塗膜形成能を付与するアルカリケイ酸塩水溶液、フィラー及び水を含むセメント凝結遅延用無機系塗料。
  2. セメント凝結遅延剤が、硅弗化塩類、糖類、オキシカルボン酸類、オキシカルボン酸塩類又はこれら2種以上の混合物からなる群より選択され、アルカリケイ酸塩水溶液が、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムの水溶液であり、フィラーが比表面積4000cm2/g以上の無機質粉末であり、水が上水道水である請求項1記載のセメント凝結遅延用無機系塗料。
  3. フィラーの分散性を維持するための増粘剤を更に含む請求項1又は2記載のセメント凝結遅延用無機系塗料。
  4. セメント凝結遅延用無機系塗料全量に対し、アルカリケイ酸塩水溶液の割合が、含有されるアルカリケイ酸塩量に換算して、2.0〜20.0重量%であり、フィラーの割合が20.0〜70.0重量%である請求項1又は2記載のセメント凝結遅延用無機系塗料。
  5. セメント凝結遅延用無機系塗料全量に対し、アルカリケイ酸塩水溶液の割合が、含有されるアルカリケイ酸塩量に換算して、2.0〜20.0重量%であり、フィラーの割合が20.0〜70.0重量%であり、増粘剤の割合が0.002〜2.0重量%である請求項3記載のセメント凝結遅延用無機系塗料。
  6. コンクリート打ち込み用型枠の所定箇所に、請求項1〜5のいずれか1項記載のセメント凝結遅延用無機系塗料を少なくとも1回塗布し、塗膜を形成する工程(A)と、
    該塗膜を形成した型枠内にコンクリートを打設し、固化する工程(B)と、
    該型枠を外し、コンクリート表面上の前記塗膜成分及び未硬化セメント部分のモルタルを水洗し、硬化コンクリート表面の所定箇所に骨材を露出させる工程(C)と、を含むコンクリート表面の処理方法。
  7. コンクリート打ち込み用型枠の所定箇所に、請求項1〜5のいずれか1項記載のセメント凝結遅延用無機系塗料を少なくとも1回塗布し、塗膜を形成する工程(A)と、
    該塗膜を形成した型枠内にコンクリートを打設し、硬化する工程(B)と、
    該型枠を外し、コンクリート表面上の前記塗膜成分及び未硬化セメント箇所のモルタルを水洗し、硬化コンクリート表面の所定箇所に骨材を露出させる工程(C)と、
    前記骨材を露出させた所定箇所を打ち継ぎ面として、別のコンクリートを打設・硬化し、少なくとも2つの硬化コンクリートを連結する工程(D)とを含むコンクリート構造物の製造方法。
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