JP2007216630A - 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイドシュータ型インクジェットヘッドにおいて、オリフィスーヒータ間距離を一定とし、かつゴミや増粘インクによる吐出不良の非常に少ない、小液滴記録を安定的に行うことを可能とする記録ヘッドを提供する。
【解決手段】 オリフィスプレートを平坦に形成する目的でパターン形成する土台部を、Deep−UV型レジスト(ODUR)ではなく、オリフィスプレート構成材料(CR)と同一の材料にて構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 オリフィスプレートを平坦に形成する目的でパターン形成する土台部を、Deep−UV型レジスト(ODUR)ではなく、オリフィスプレート構成材料(CR)と同一の材料にて構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液体噴射(以下、インクジェットという)記録方式に用いる記録液(インク)小滴を発生するためのインクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、記録時における騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点、また高速記録が可能であり、しかも所謂普通紙に定着可能で、特別な処理を必要とせずに記録が行えるという点で、ここ数年急速に普及しつつある。
またインクジェット記録ヘッドの中で、インク吐出エネルギー発生素子が形成された基体に対して、垂直方向にインク液滴が吐出するものを「サイドシュータ型記録ヘッド」と称し、本発明は、この種のサイドシュータ型記録ヘッドの構造に関するものである。
また特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載のインクジェット記録ヘッド(図5a〜図5d)は、発熱抵抗体を加熱することで生成した気泡が外気と連通することで、インク液滴を吐出させることを特徴とする。該記録ヘッドにおいては、従来のサイドシュータ型ヘッドの製造方法(例えば特許文献4)では困難であったインク吐出エネルギー発生素子とオリフィス間の距離を短くすることができ、小液滴記録を容易に達成することができ、近年の高精細記録への要求に答えることが可能である。しかし、上記した従来の方法によって製造されたインクジェット記録ヘッドでは、図5a〜図5dに示すように、溶解可能な樹脂層3をインク流路となるパターンに形成した基板上に、オリフィスプレートとなる被覆樹脂層5'をスピンコートなどにより塗布するため、溶解可能な樹脂層3の段差パターンに沿って形成されてしまい、オリフィスプレートの膜厚に厚い部分と薄い部分とのばらつきが生じてしまう。このような構造からなる記録ヘッドを使用した場合には、オリフィスプレートの膜厚の薄い部分での信頼性が悪くなり記録ヘッドの寿命を低下させてしまう。更に、インク吐出エネルギー発生のための発熱抵抗体1とオリフィス面との距離によってインクの吐出量が決定されてしまう前記記録ヘッドにおいて、高精細記録の有力な手段の一つである小液滴記録を安定的に行うことは、非常に困難となってしまう。
前記問題点を解決する手段として、特許文献5には、オリフィスプレートを平坦に形成する目的で、インク流路パターンの外周部に土台となるパターンを形成する手法が記載されている。該公報では図6a〜図6dおよび図7a〜図7cに示すように、溶解可能な樹脂層にて土台パターン4を形成していた(図7cは図7bのA-A'断面を表す)。該溶解可能な樹脂層は、熱硬化工程におけるオリフィスプレートの変形、破損を防止する上で、除去しておかなければならない。このため該土台部4を除去するための貫通ロパターン8を形成していた。
しかしながら図6a〜図6dおよび図7a〜図7cに示すように、溶解可能な樹脂層にて形成する土台部4と、該土台部4を除去するための貫通ロパターン8は、結果としてオリフィスプレートに大きな溝を形成してしまうこととなる。この溝部分には、インクジェットヘッドとして使用を繰り返しているうちに、インクのミストが溜まってしまう。ワイピングブレードを用いたクリーニングによっても、ふき残りが発生、堆積し、この増粘インク堆積物がワイピングブレードに引っかかると、インク吐出口を汚染して、吐出不良を引き起こす可能性が出てきてしまう。
また図8a〜図8cに示すように(図8cは図8bのA-A'断面を表す)、土台部を除去するための貫通口8を溝形状ではなく小穴形状とした場合には、溝形状とした場合に比ベインクミストは溜まりにくくすることが可能である。しかし貫通口開口部面積が小さくなることにより、溶解可能な樹脂層の除去性が悪化してしまう。このため除去工程のタクトがアップするだけでなく、除去のための超音波強度を高くするなどの対応では、オリフィスプレートヘのダメージを与えてしまい、ヘッドとしての信頼性が低下してしまう恐れがある。
更には図9a〜図9cに示すように(図9cは図9bのA-A'断面を表す)、土台部を除去するための貫通口8を、チップ切断工程で同時に形成する方法も提案されている。
この場合、オリフィスプレート面には貫通口が存在しないため、チップ側面の貫通口8を封止さえしてしまえば、増粘インクによるインク吐出に対する悪影響は発生しない。しかしながら、溶解可能な樹脂層からなる土台部の除去を切断工程終了後に行わなくてはならないことから、ウエハ単位での処理ができなくなってしまう。このため、土台部の除去時には、チップ単位で固定、搬送といった処理をしなければならず、特に除去液による処理、洗浄、乾燥を十分に行うためには、専用の装置を設計、開発する必要が生ずる。また切断時の切削くず、基板のチッピング残りなどを十分に洗浄した上で行わないと、溶解可能な樹脂層の除去時、除去されたインク流路内に異物が混入し、インク流路内、もしくはインク吐出口部に詰まってしまい、インク液滴が記録紙上によれて飛んでしまうことによる印字ムラや、インク液滴が全く飛ばない不吐出に至ってしまう。
特開平4-10940号公報
特開平4-10941号公報
特開平4-10942号公報
特開昭62-234941号公報
特開平10-157150号公報
本発明は上記の諸点に鑑み成されたものであって、オリフィスプレートを平坦に形成し、発熱抵抗体とオリフィスプレート表面間の距離を一定にすることを可能とする手段として、オリフィスプレート構成材料と同一の被覆樹脂層にて土台パターンを形成し、この土台部の除去を必要とせず、また除去のための貫通口をも必要としない構成とすることで、ゴミの発生が非常に少なく、信頼性の高い、高精細記録が可能なインクジェット記録ヘッドを提供することを目的としている。
このため本発明のインクジェット記録ヘッドは、発熱抵抗体を有する基板面に対して、垂直方向にインク液滴が吐出される液体噴射記録ヘッドにおいて、発熱抵抗体が形成された基板上にインク流路となる溶解可能な樹脂層を形成し、前記溶解可能な樹脂層上に、オリフィスプレートとなる被覆樹脂層を形成する際、前記被覆樹脂層を平坦に形成するための土台となるパターンを形成する液体噴射記録ヘッドであって、前記土台となるパターンが、前記オリフイスプレートとなる被覆樹脂層と同一の構成材料にて形成されていることを特徴としている。
更に、本発明のインクジェット記録一ツドは、発熱抵抗体が形成された基板上に、溶解可能な樹脂にてインク流路を形成する工程と、前記溶解可能な樹脂層上に更に被覆樹脂層を形成する工程と、前記被覆樹脂層にてオリフィスプレートを平坦に形成するための土台パターンを形成する工程と、前記インク流路となる溶解可能な樹脂層、および前記土台パターンとなる被覆樹脂層上に、被覆樹脂層を形成する工程と、前記被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、前記基板にインク供給口を形成する工程と、前記溶解可能な樹脂層を除去する工程とを少なくとも含むことを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、発熱抵抗体が形成された基板上に、被覆樹脂層を形成する工程と、前記被覆樹脂層にてオリフィスプレートを平坦に形成するための土台パターンを形成する工程と、溶解可能な樹脂にてインク流路を形成する工程と、前記土台パターンとなる被覆樹脂層、およびインク流路となる溶解可能な樹脂層上に、更に被覆樹脂層を形成する工程と、前記被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、前記基板にインク供給口を形成する工程と、前記溶解可能な樹脂層を除去する工程と、を少なくとも含むことを特徴としている。
更に本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記土台となるパターンは、インク流路となるパターンの外周部に形成されていることを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記土台となるパターンは、インク流路となるパターンの外周部に形成され、かつインク流路となるパターンの内部にも形成されていることを特徴としている。
(作用)
このような本発明に係る構造により、ゴミの発生による印字品位の低下が極めて少なく、信頼性の高い、小液滴高精細記録が安定的に可能なインクジェット記録ヘッドを提供することが可能となる。
このような本発明に係る構造により、ゴミの発生による印字品位の低下が極めて少なく、信頼性の高い、小液滴高精細記録が安定的に可能なインクジェット記録ヘッドを提供することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果を挙げることができる。
即ち、ゴミの発生による印字品位の低下が極めて少なく、信頼性の高い、小液滴記録が安定的に可能なインクジェット記録ヘッドを提供することが可能となる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施態様例を詳細に説明する。
図1a〜図1fは、本発明による液体噴射記録ヘッドの基本的な態様を示すための模式図であり、その製造方法が示されている。
まず本発明の液体噴射記録ヘッドにおいて、その製造方法について簡潔に記す。初めに本態様においては、図1aに示される基板2上には発熱抵抗体(電気熱変換素子)等のインク吐出エネルギー発生素子1が所望の個数配置される。
次いでインク吐出エネルギー発生素子1を含む基板2上に、溶解可能な樹脂層にてインク流路となるパターン3を形成する。溶解可能な樹脂層は、例えばドライフィルムのラミネート、レジストのスピンコート等により塗布した後、紫外線、Deep-UV光などによる露光などによりパターン形成すれば良い。
具体的な例としては、ポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社製ODUR-1010)をスピンコートにより塗布、乾燥した後、Deep-UV光により露光、現像することでパターン形成する。
そして前記溶解可能な樹脂層3上に図1bに示す様に被覆樹脂層5をスピンコート等により形成し、続いて図lcに示すように土台部4を形成する。該土台部4の形成は従来から行なわれている手法で充分で、紫外線、Deep-UV光などによる露光などで形成可能であるが、この際、インク流路パターンである溶解可能な樹脂層3のパターン形状を侵さない必要がある。
次に前記溶解可能な樹脂層からなるインク流路パターン3、および被覆樹脂層からなる土台部4上に、更に被覆樹脂層5を形成する(図1d)。ここで該被覆樹脂層5は土台部4と同一の構成材料である。この時、被覆樹脂層5は被覆樹脂層からなる土台部4が形成されていることにより、インク流路部3上では平坦に形成可能である。
そして図1eのように該被覆樹脂層5にインク吐出口6を形成する。この時土台部4は被覆樹脂層5と同一の構成材料で構成されていることから、従来例のように土台部4を除去するための貫通ロパターンを形成する必要はない。また該インク吐出口6の形成は従来から行なわれている手法で充分で、O2プラズマによるエッチング、エキシマレーザー穴明け、あるいは紫外線、Deep-UV光などによる露光など、あらゆる手法で形成可能である。
次に基板2にインク供給口7を設ける。該インク供給口7は、基板を化学的にエッチングすることにより形成する。より具体的には基板2としてSi基板を用い、KOH、NaOH、TMAHなどの強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する(図lf)。
一方この時、インク流路パターン3(図1a)、土台部となるパターン4の形成(図1c)、およびインク吐出口6の形成(図1e)を行う前に、インク供給口7の形成を行うことも可能である。
続いて図lfに示すように、溶解可能な樹脂層3を、インク吐出口6、およびインク供給口7から溶出することにより、インク流路および発泡室ができる。溶解可能な樹脂層3の除去の方法は、Deep-UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行えばよく、必要があれば現像の際、超音波浸漬すれば十分である。
更に以上の工程によりノズル部が作製された基板2を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、そして発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合(図示せず)を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
次に図2a〜図2fに示す実施形態を、その製造方法に従って簡潔に記す。初めに本態様においては、図2aに示される基板2上には発熱抵抗体(電気熱変換素子)等のインク吐出エネルギー発生素子1が所望の個数配置される。
次いでインク吐出エネルギー発生素子1を含む基板2上に、被覆樹脂層5をスピンコート等により形成し、図2bに示すように土台部4を形成する。該土台部4の形成は従来から行なわれている手法で充分で、紫外線、Deep-UV光などによる露光などで形成可能である。
続いて図2cに示すように、溶解可能な樹脂層にてインク流路となるパターン3を形成する。溶解可能な樹脂層は、例えばレジストのスピンコート等により塗布した後、紫外線、Deep-UV光などによる露光などによりパターン形成すれば良い。
具体的な例としては、ポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)ODUR-1010)をスピンコートにより塗布、乾燥した後、Deep-UV光により露光、現像することでパターン形成する。
次に前記溶解可能な樹脂層からなるインク流路パターン3、および被覆樹脂層からなる土台部4上に、更に被覆樹脂層5を形成する(図2d)。ここで該被覆樹脂層5は土台部4と同一の構成材料である。この時、被覆樹脂層5は被覆樹脂層からなる土台部4が形成されていることにより、インク流路部3上では平坦に形成可能である。
そして図2eのように該被覆樹脂層5にインク吐出口6を形成する。この時土台部4は被覆樹脂層5と同一の構成材料で構成されていることから、従来例のように土台部4を除去するための貫通ロパターンを形成する必要はない。また該インク吐出口6の形成は従来から行なわれている手法で充分で、O2プラズマによるエッチング、エキシマレーザー穴明け、あるいは紫外線、Deep-UV光などによる露光など、あらゆる手法で形成可能である。
次に基板2にインク供給口7を設ける。該インク供給口7は、基板を化学的にエッチングすることにより形成する。より具体的には基板2としてSi基板を用い、KOH、NaOH、TMAHなどの強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する(図2f)。
一方この時、土台部となるパターン4の形成(図2b)、インク流路パターン3(図2c)、およびインク吐出口6の形成(図2e)を行う前に、インク供給口7の形成を行うことも可能である。
続いて図2fに示すように、溶解可能な樹脂層3を、インク吐出口6、およびインク供給口7から溶出することにより、インク流路および発泡室ができる。溶解可能な樹脂層3の除去の方法は、Deep-UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行えばよく、必要があれば現像の際、超音波浸漬すれば十分である。
更に以上の工程によりノズル部が作製された基板2を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、そして発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合(図示せず)を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
本発明はイングジェット記録ヘッドの中でもバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドにおいて優れた効果をもたらし、特に特開平4-10940号公報、特開平4-10941号公報、特開平4-10942号公報に記載の方法の記録ヘッドに最適である。
これら各公報は、インク吐出エネルギー発生素子(電気熱変換素子)に、記録清報に対応した駆動信号を印加し、電気熱変換素子にインクの核沸騰を越える急激な温度上昇を与える熱エネルギーを発生させ、インク内に気泡を形成させ、この気泡を外気と連通させてインク液滴を吐出させるものである。前記方法では、小インク液滴(50pl以下)の吐出が可能であり、且つヒータ前方のインク液を吐出させるため、インク液滴の体積や速度が温度の影響を受けず安定化し、高品位な画像を得ることができる。
また本発明は、記録紙の全幅に渡り同時に記録ができるフルラインタイプの記録ヘッドとして、更には記録ヘッドを一体的に、あるいは複数個組み合わせたカラー記録ヘッドにも有効である。
以下に本発明を、更に具体的な第1〜第4の実施例についてそれぞれ説明する。
本実施例1においては、前述の図1a〜図1fに示した手順に従ってインクジェット記録ヘッドを作製した。図1a〜図1fにおいては、溶解可能な樹脂層にてインク流路パターン3を形成した後、被覆樹脂層にて土台部4をパターン形成している。また土台部4はインク流路パターン3の外周部にのみ形成している。なお、図1eインク流路高さXは13μm、オリフィスプレートの厚さYは12μm、また吐出口6は直径20μmの正円形状にて形成した。
本実施例1において作製したインクジェット記録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印字記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られた。
更にまた、本実施例1の記録ヘッドをA4用紙1枚あたり7.5%duty相当の印字記録を行ったところ、印字枚数が8000枚を越えても吐出特性の悪化は全く見られず、良好な印字記録を得ることができた。
一方、従来例(図7a〜図7c)に示したインクジェット記録ヘッドにより同様のインク液を用いてf=15kHzで印字記録を行ったところ、印字記録開始当初は非常に良好な印字が得られた。しかしながら、A4用紙1枚あたり7.5%duty相当の印字記録を行ったところ、印字枚数が5000枚を越えると、記録媒体に対してインク液がまっすぐ飛ばずにヨレてしまうことによるスジが発生した。この吐出不良を起こした記録ヘッドを観察すると、一般ゴミ、あるいは増粘インクと思われる異物が、一部の吐出口に引っかかっているのが観察された。
本実施例2においては、図2a〜図2fに示した手順に従ってインクジェット記録ヘッドを作製した。図2a〜図2fにおいては、被覆樹脂層にて土台部4をパターン形成した後、溶解可能な樹脂層にてインク流路パターン3を形成している。また本実施例2においても、土台部4はインク流路パターン3の外周部にのみ形成している。なお、図2eインク流路高さXは13μm、オリフィスプレートの厚さYは12μm、また吐出口6は直径20μmの正円形状にて形成した。
本実施例1において作製したインクジェット記録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印字記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られた。
更にまた、本実施例2の記録ヘッドをA4用紙1枚あたり7.5%duty相当の印字記録を行ったところ、印字枚数が8000枚を越えても吐出特性の悪化は全く見られず、良好な印字記録を得ることができた。
本実施例3においては、図3a〜図3fに示した手順に従ってインクジェット記録ヘッドを作成した。
図3a〜図3fにおいては、溶解可能な樹脂層にてインク流路パターン3を形成した後、被覆樹脂層にて土台部4、40をパターン形成している。また本実施例においては、インク流路パターン3の外周部に士台部4を形成し、同時にインク流路パターンの内部にも土台部40を形成している。なお、図3eインク流路高さXは13μm、オリフィスプレートの厚さYは12μm、また吐出口6は直径20μmの正円形状にて形成した。
本実施例3において作製したインクジェット認録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/イソプロビルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印字記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られた。
更に又、本実施例3の記録ヘッドをA4用紙1枚あたり7.5%duty相当の印字記録を行ったところ、印字枚数が8000枚を越えても吐出特性の悪化は全く見られず、良好な印字記録を得ることができた。
本実施例4においては、図4a〜図4fに示した手順に従ってインクジェット記録ヘッドを作製した。図4a〜図4fにおいては、被覆樹脂層にて士台部4、40をパターン形成した後、溶解可能な樹脂層にてインク流路パターン3を形成している。また本実例においては、インク流路パターン3の外周部に土台部4を形成し、同時にインク流路パターンの内部にも土台部40を形成している、なお、図4eインク流路高さXは13μm、オリフィスプレートの厚さYは12μm、また吐出口6は直径20μmの正円形状にて形成した。
本実施例4において作製したインクジェット記録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印字記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られた。
更にまた、本実施例4の記録ヘッドをA4用紙1枚あたり7.5%duty相当の印字記録を行ったところ、印字枚数が8000枚を越えても吐出特性の悪化は全く見られず、良好な印字記録を得ることができた。
1 インク吐出エネルギー発生素子
2 基板
3 溶解可能な樹脂層(インク流路部)
4 被覆樹脂層(土台部)
5 被服樹脂層(オリフィスプレート)
6 インク吐出ロ
7 インク供給口
8 溶解可能な樹脂層除去のための貫通口
9 被覆樹脂層(土台部)
2 基板
3 溶解可能な樹脂層(インク流路部)
4 被覆樹脂層(土台部)
5 被服樹脂層(オリフィスプレート)
6 インク吐出ロ
7 インク供給口
8 溶解可能な樹脂層除去のための貫通口
9 被覆樹脂層(土台部)
Claims (5)
- 発熱抵抗体を有する基板面に対して、垂直方向にインク液滴が吐出される液体噴射記録ヘッドにおいて、
発熱抵抗体が形成された基板上にインク流路となる溶解可能な樹脂層を形成し、前記溶解可能な樹脂層上に、オリフィスプレートとなる被覆樹脂層を形成する際、前記被覆樹脂層を平坦に形成するための土台となるパターンを形成し、前記土台となるパターンが、前記オリフィスプレートとなる被覆樹脂層と同一の構成材料にて形成されていることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法において、発熱抵抗体が形成された基板上に、
(1)溶解可能な樹脂にてインク流路を形成する工程と、
(2)前記溶解可能な樹脂層上に被覆樹脂層を形成する工程と、
(3)前記被覆樹脂層にてオリフィスプレートを平坦に形成するための土台パターンを形成する工程と、
(4)前記インク流路となる溶解可能な樹脂層、および前記土台パターンとなる被覆樹脂層上に、更に被覆樹脂層を形成する工程と、
(5)前記(4)で形成した被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、
(6)前記基板にインク供給口を形成する工程と、
(7)前記溶解可能な樹脂層を除去する工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする、液体噴射記録ヘッドの製造方法。 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法において、発熱抵抗体が形成された基板上に、
(1)被覆樹脂層を形成する工程と、
(2)前記被覆樹脂層にてオリフィスプレートを平坦に形成するための土台パターンを形成する工程と、
(3)溶解可能な樹脂にてインク流路を形成する工程と、
(4)前記土台パターンとなる被覆樹脂層、およびインク流路となる溶解可能な樹脂層上に、更に被覆樹脂層を形成する工程と、
(5)前記(4)で形成した被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、
(6)前記基板にインク供給口を形成する工程と、
(7)前記溶解可能な樹脂層を除去する工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする、液体噴射記録ヘッドの製造方法。 - 前記土台となるパターンは、インク流路となるパターンの外周部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記土台となるパターンは、インク流路となるパターンの外周部に形成され、かつインク流路となるパターンの内部にも形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006042572A JP2007216630A (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 |
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JP (1) | JP2007216630A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013095061A (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-20 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
CN103842179A (zh) * | 2011-09-29 | 2014-06-04 | 佳能株式会社 | 液体喷出头的制造方法 |
-
2006
- 2006-02-20 JP JP2006042572A patent/JP2007216630A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103842179A (zh) * | 2011-09-29 | 2014-06-04 | 佳能株式会社 | 液体喷出头的制造方法 |
US9738076B2 (en) | 2011-09-29 | 2017-08-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Manufacturing method of liquid ejection head |
JP2013095061A (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-20 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
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