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JP2007211135A - 粘着フィルムおよびその用途 - Google Patents

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JP2007211135A
JP2007211135A JP2006032517A JP2006032517A JP2007211135A JP 2007211135 A JP2007211135 A JP 2007211135A JP 2006032517 A JP2006032517 A JP 2006032517A JP 2006032517 A JP2006032517 A JP 2006032517A JP 2007211135 A JP2007211135 A JP 2007211135A
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Yoshito Shiba
賢人 志波
Takemasa Yoshino
剛正 吉野
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Unitika Ltd
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Abstract

【課題】被着体面に対して適度な粘着性、接着性を有しており、しかも、長期間保存後も剥離除去する際に粘着層の糊残りが起こり難い粘着フィルムを提供する。
【解決手段】不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%および(メタ)アクリル酸エステル成分28〜45質量%を含有するポリオレフィン樹脂(A)を含有する粘着層を樹脂フィルム上に設けてなる粘着フィルムであって、この粘着層の量が0.01〜5g/mであることを特徴とする粘着フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着フィルムに関する。さらに詳しくは、合成樹脂板、合成樹脂フィルム、合成紙、金属板、化粧合板、液晶板、ガラス板などの表面あるいは、それらの基材に機能性処理(金属の場合は防錆処理など、合成樹脂基材の場合はコロナ処理、各種蒸着処理、各種バリア処理、易接着処理、UV感光体や各種受容層を設ける処理など、ガラスの場合は撥水処理など)を施した表面への塵の付着や傷付きを防止するために用いられる表面保護フィルムとして好適な粘着フィルムに関する。
従来より、合成樹脂板、合成樹脂フィルム、合成紙、金属板、化粧合板、液晶板、ガラス板など(以下「被着体」という)の加工時や運搬時(使用以前)に、これらの表面に汚れが付着したり、傷が付いたりすることを防止するために表面保護フィルムが広く用いられている。表面保護フィルムは熱可塑性樹脂や紙等からなる基材層の片面に粘着層が形成されたものである。表面保護フィルムは、被着体が加工、運搬される間、粘着剤層により被着体表面に仮着されて被着体表面を被覆し、汚れの付着や傷付きを防止する。
表面保護フィルムは、被着体が本来の用途に使用される際に被着体表面から剥離される。従って、表面保護フィルムには被着体表面に容易に仮着され得る適度の粘着性を有すると共に、使用後には被着体表面から容易に剥離され得る良好な剥離性が必要であり、且つ、剥離後に被着体表面に粘着剤が残らないことが要求される。
上記の要求を満たすために、例えば、特許文献1には、スチレン1〜50重量%とジエン系炭化水素99〜50重量%からなるランダム共重合体の水素添加物60重量%以上及びポリオレフィン40重量%以下の組成からなる(A)層と、スチレン1〜50重量%とジエン系炭化水素99〜50重量%からなるランダム共重合体の水素添加物60重量%未満及びポリオレフィンが40重量%を超える組成からなる(B)層とが、共押出成形によって積層一体化された表面保護フィルムが開示されている。
特開平7−241960公報
しかしながら、特許文献1に記載の表面保護フィルムの粘着剤層に相当する(A)層の組成によると、被着体に仮着された後に接着昂進が起こり、剥離除去する際に被着体表面に粘着剤の一部が残される(以下「糊残り」という)ことが起こり易くなる。特に、40℃程度で保存した場合には糊残りが起こり易くなる。これにより商品価値が低下もしくは消失してしまう等の問題点がある。
本発明は、上記の課題に対して、被着体面に対して適度な粘着性、接着性を有しており、しかも、長期間保存後も剥離除去する際に粘着層の糊残りが起こり難い粘着フィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に特定組成のポリオレフィン樹脂を含有する特定量の粘着層を設けたフィルムは、被着体面に対して適度な粘着性、接着性を有しており、しかも、長期間保存後も剥離除去する際に粘着層の糊残りが起こり難いことを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%および(メタ)アクリル酸エステル成分28〜45質量%を含有するポリオレフィン樹脂(A)を含有する粘着層を樹脂フィルム上に設けてなる粘着フィルムであって、この粘着層の量が0.01〜5g/mであることを特徴とする粘着フィルム。
[2]粘着層中に、さらに、不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%および(メタ)アクリル酸エステル成分0〜12質量%を含有するポリオレフィン樹脂(A)を含有することを特徴とする[1]記載の粘着フィルム。
[3]粘着層中に、さらに、数平均分子量が1万以上の水溶性高分子化合物を含有し、この含有量がポリオレフィン樹脂(A)および(A)の合計100質量部に対して0.1〜30質量部であることを特徴とする[1]または[2]に記載の粘着フィルム。
[4]樹脂フィルムがポリオレフィン樹脂フィルムであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着フィルム。
[5]保護フィルムとして使用するフィルムである[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着フィルム。
[6]ポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体を樹脂フィルム表面に塗布した後、水性媒体を乾燥させることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着フィルムの製造方法。
本発明の粘着フィルムは、様々な被着体面に対して適度な粘着性、接着性を有しており、しかも、長期間保存後も剥離除去する際に粘着層の糊残りが起こり難い。また、粘着性や接着性の塗布量依存性が小さくなり、性能が安定しやすくなるという長所も有する。従って、本発明の粘着フィルムは各種被着体表面を保護する保護フィルムとして好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着フィルムは、樹脂フィルム上に、ポリオレフィン樹脂を含有する粘着剤層を設けてなるものであり、この粘着層の塗膜量が0.01〜5g/mであり、粘着層に数平均分子量1万以下の乳化剤成分を実質的に含有しない。
粘着層の塗膜量は、適度な粘着性、接着性を付与できる点から、0.01〜5g/mである必要があり、0.02〜2g/mであることが好ましく、0.05〜2g/mであることがより好ましく、0.05〜1g/mであることがさらに好ましく、0.1〜1g/mであることが特に好ましい。塗布量が0.01g/m未満の場合は粘着性、接着性が低下して粘着フィルムとしての性能が失われる傾向にあり、5g/mより多い場合は糊残りし易くなる傾向がある。
粘着層に含まれるポリオレフィン樹脂(A)は、不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%を含有する必要がある。不飽和カルボン酸成分の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%である。不飽和カルボン酸成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂を水性化(液状化)することが困難になり、本発明の粘着層を所定の厚みに積層することが困難となり、7質量%を超えると、ポリオレフィン基材との密着性が低下してしまう恐れがある。
ポリオレフィン樹脂(A)の不飽和カルボン酸成分は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、ポリオレフィン樹脂(A)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
また、ポリオレフィン樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル成分を28〜45質量%含が有する必要があり、好ましくは28〜40質量%、より好ましくは28〜38質量%である。この成分の含有量が28質量%未満の場合は、適切な粘着性を付与することが困難になり、45質量%以上の場合は、樹脂フィルム基材との密着性が低下してしまうおそれがある。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、様々な基材との接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
ポリオレフィン樹脂(A)のオレフィン成分は特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい。共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂(A)は塩素化されていてもよく、その場合塩素化率は5〜50質量%が適当である。塩素化する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、塩素化させたい樹脂をクロロホルム等の塩素系溶剤に溶解させた後、紫外線を照射しながら、または、ラジカル発生剤の存在下で、ガス状の塩素を吹き込むことにより行うことができる。
本発明において、ポリオレフィン樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜1000g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.01〜100g/10分である。中でも、期間保存後の粘着層の糊残りが起こり難い点や粘着性や接着性の塗布量依存性が小さくなり性能が安定しやすくなる点から、0.01〜30g/10分がさらに好ましく、0.1〜10g/10分が特に好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満では、基材との密着性が低下する傾向がある。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが1000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、基材との密着性が低下してしまう。
本発明において、長期保存後に剥離したときの糊残りを低減する点から、さらに粘着層中に、ポリオレフィン樹脂(A)を含有することが好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)は、不飽和カルボン酸成分を0.01〜7質量%含有している必要があり、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%である。この成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂を水性化(液状化)することが困難になり、粘着層を所定の塗膜量とすることが困難となり、一方、7質量%を超えると、樹脂基材との密着性が低下することがある。
ポリオレフィン樹脂(A)の不飽和カルボン酸成分は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、ポリオレフィン樹脂(A)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(A)には、ポリオレフィン樹脂(A)と混合した場合の適切な粘着性を付与し、長期保存後や熱下保存時の糊残りを低減させるために、(メタ)アクリル酸エステル成分が含有されていてもよい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は好ましくは0〜12質量%、より好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%である。いる。(A3)成分の含有量が12質量%以上の場合は、を取り難くなる。
ポリオレフィン樹脂(A)の(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、様々な基材との接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)のオレフィン成分は特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、(A2)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい。共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)を用いる場合のポリオレフィン樹脂(A)および(A)の質量比(A)/(A)は、適度な粘着性、接着性を付与できる点および長期保存後や熱下保存時の糊残りを低減する点から、5/95〜95/5であることが好ましく、10/90〜80/20であることがより好ましく、15/85〜70/30であることがさらに好ましく、20/80〜60/40であることが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)は塩素化されていてもよく、その場合塩素化率は5〜50質量%が適当である。塩素化する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、塩素化させたい樹脂をクロロホルム等の塩素系溶剤に溶解させた後、紫外線を照射しながら、または、ラジカル発生剤の存在下で、ガス状の塩素を吹き込むことにより行うことができる。
ポリオレフィン樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜1000g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.01〜100g/10分である。中でも、期間保存後の粘着層の糊残りが起こり難い点や粘着性や接着性の塗布量依存性が小さくなり性能が安定しやすくなる点から、0.01〜30g/10分がさらに好ましく、0.1〜10g/10分が特に好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満では、基材との密着性が低下する傾向がある。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが1000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、基材との密着性が低下してしまう。
ポリオレフィン樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(A)には、次のような成分がそれぞれの樹脂中に25質量%を上限として含有されていてもよい。すなわち、1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数6以上のアルケン類、ブタジエンやイソプレン等のジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄などであり、これらの混合物でもよい。これらの成分は、各ポリオレフィン樹脂に共重合されていればよく、その形態は特に限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
粘着フィルムの粘着層には、粘着性の経時変化を低減させること目的として、数平均分子量は1万以上の水溶性高分子を含有していることが好ましい。粘着層の糊残りが起こり難くなる点から、数平均分子量は2万以上が好ましく、3万〜500万がより好ましく、3万〜200万がさらに好ましく、4万〜100万が特に好ましい。水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系化合物、デンプン、変性デンプン、グアガムやカラギーナンなどの多糖類、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリオキサゾリン、ポリ(メタ)アクリル酸およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびその塩、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびその塩、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体およびその塩、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体およびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、ポリマレイン酸およびその塩、ポリアクリルアミド等のアミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、コラーゲン等を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用しても良い。中でも、水性分散体の安定性や塗膜の透明性の点から、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンが好ましく、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は、水溶液として取り扱い易くなる点から80〜100%のものが好ましい。水溶性高分子の含有量は、適度な粘着性を付与できる点から、ポリオレフィン樹脂(A)および(A)の合計100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜28質量部がより好ましく、2〜25質量部がさらに好ましく、5〜25質量部が特に好ましい。
粘着フィルムの粘着層には、本発明の効果を損なわない範囲で他の重合体を含有していてもよい。他の重合体としては、特に限定されない。例えば、前記したもの以外のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用してもよい。他の重合体の添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)および(A)合計100質量部に対し、通常1〜50質量部である。
粘着層には、粘着性、接着性のバランスや塗膜の耐水性、耐溶剤性などの各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を添加してもよい。この場合、ポリオレフィン樹脂(A)および(A)の合計100質量部に対して0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部添加することができる。架橋剤の添加量が0.01質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、30質量部を超える場合は、粘着性能が低下することがある。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
粘着層には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、帯電防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を添加してもよい。
粘着層には、粘着層の糊残り低減させる点から、数平均分子量が1万未満の乳化剤成分を使用する場合には、その添加量をポリオレフィン樹脂成分100質量部に対して2質量部以下とすることが好ましく、1質量部以下がより好ましい。しかしながら、数平均分子量が1万未満の乳化剤を使用せず、粘着層中に実質的に含有していないことが特に好ましい。
本発明でいう乳化剤成分としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
本発明の粘着フィルムの基材樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリグリコール酸やポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル樹脂に代表される生分解性樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、PP、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、およびこれらの変性体(酸変性、塩素化物)等のポリオレフィン樹脂、ゴム系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物からなるフィルムが挙げられ、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、アイオノマー、PP等のポリオレフィン樹脂、ゴム系樹脂などの各フィルムがより好ましく、ポリオレフィン樹脂フィルムが特に好ましい。なお、ゴム系樹脂としては、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、天然ゴム、スチレン−アクリロニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
樹脂フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も特に限定されない。また、フィルムは、複数の層からなる積層体であってもよい。厚さも特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。熱可塑性樹脂フィルムには、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
樹脂フィルムには、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、酸素ガスバリア層等のガスバリアコート層が積層されていてもよい。
粘着層を樹脂フィルム上に設ける方法は特に限定されないが、樹脂フィルムと粘着層をインフレーション法、Tダイ法等により共押出する方法、樹脂フィルムに粘着層成分を溶解または分散させた塗工剤を塗布して媒体を乾燥させる方法、剥離紙上に粘着層成分を溶解または分散させた塗工剤を塗布して媒体を乾燥させた粘着層を樹脂フィルムに転写する方法、Tダイにより粘着層成分を樹脂フィルムに溶融押出する方法等が挙げられる。中でも、環境面や性能面の点から、粘着層成分であるポリオレフィン樹脂を水性分散体中に溶解または分散させた塗工剤(水性分散体)を樹脂フィルム表面に塗布して媒体を乾燥させる方法が、粘着層の量を調整しやすく、特に、厚みを薄く制御し易い点から好ましい。このような粘着層形成に適した水性分散体とその製法は、例えば、特許第3699935号公報に記載されている。
水性分散体を用いる場合、その塗布方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により熱可塑性樹脂フィルム基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥又は乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な粘着層を各種基材表面に密着させて形成することができる。
また、未延伸フィルムに水性分散体を塗布した後、フィルムを延伸する、いわゆるインラインコートを行ってもよい。
本発明の粘着フィルムは被着体面に対して適度な粘着性、接着性を有しており、しかも、長期間保存後も剥離除去する際に粘着層の糊残りが起こり難いため被着体表面の保護フィルムとして好適である。被着体としては、合成樹脂板、合成樹脂フィルム、合成紙、金属板、化粧合板、液晶板、ガラス板などの表面あるいは、それらの基材に機能性処理(金属の場合は防錆処理など、合成樹脂基材の場合はコロナ処理、各種蒸着処理、各種バリア処理、易接着処理、UV感光体や各種受容層を設ける処理など、ガラスの場合は撥水処理など)を設けたものが挙げられる。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
1.樹脂の特性
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
不飽和カルボン酸成分以外の構成は、H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)より求めた。オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。不飽和カルボン酸含有量は、樹脂の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から算出した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS 6730記載(190℃、2160g荷重)の方法で測定した。
2.水性分散体の特性
(1)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(2)水性分散体の平均粒子径
日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用い、数平均粒子径(mn)および重量平均粒子径(mw)を求めた。ここで、粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とした。
3.材料特性
以下の評価においては、熱可塑性樹脂フィルムとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm、以下、PET)、延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製OP U−1、厚み50μm、以下、PP)を用いた。
(1)塗膜の耐水性評価方法
OPPフィルムのコロナ処理面に水性分散体を乾燥後の粘着層塗布量が2g/mになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、90℃で1分間、乾燥させた。得られたコートフィルムは室温で1日放置後、評価した。塗膜を水で濡らした布で10回擦り、塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が剥離または完全に溶解
(2)塗膜の密着性
各種基材に水性分散体を乾燥後の粘着層塗布量が2g/mになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、90℃で1分間、乾燥させた。得られた積層体は室温で1日放置後、表面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
○:全く剥がれなし、△:一部、剥がれた、×:全て剥がれた
(3)塗膜の透明性
JIS K7105に準じて、日本電色工業社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いて「ヘーズ(%)」を測定した。ヘーズが2.8%のPETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12,厚み12μm)に乾燥後の粘着層塗布量が2g/mになるように水性分散体をマイヤーバーを用いてコートした後、25℃で3日放置して乾燥させてコートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルム全体のヘーズを測定することで塗膜の透明性を評価した。
(4)初期粘着性
実施例記載の粘着フィルムを室温25℃で厚さ1mmのポリカーボネート板(三菱瓦斯社製、ユーピロンNF2000)に2kg/cmの圧着ローラーを用い300mm/分の速度で貼り付けた。それを室温で1日放置後、25mm幅で切り出して測定サンプルとし、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度で塗膜の剥離強度を評価した。
(5)経時粘着性
上記(4)の測定サンプルを50℃のギアオーブン中で1日放置し、(4)と同様の方法で剥離強度を評価した。
(6)被着体汚染性
(4)と(5)の剥離試験終了後のポリカーボネート板の表面をATR測定(Perkin Elmer System−2000フーリエ変換赤外分光光度計、分解能4cm−1、512回積算、Ge60°プリズム使用)で分析し糊残りによる汚染物質の有無を確認した。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂は市販のものを使用した。使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインAX−8390、アルケマ社製〕、100.0gのn−プロパノール(和光純薬社製)、2.5gのトリエチルアミン(和光純薬社製)および137.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−2」の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインLX−4110、アルケマ社製〕、75.0gのn−プロパノール(和光純薬社製)、2.5gのトリエチルアミン(和光純薬社製)および162.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「E−2」を得た。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体「H−1」の製造)
ポリオレフィン樹脂としてエチレン−アクリル酸共重合体樹脂(プリマコール5980I、アクリル酸20質量%共重合体、ダウケミカル製)を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのプリマコール5980I、16.8gのトリエチルアミン、および223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに40分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁の水性分散体「H−1」を得た。
各種水性分散体の特性を表2に示す。
(実施例1)
水性分散体「E−1」と水性分散体「E−2」とを、ポリオレフィン樹脂の固形分質量比70/30になるように室温で混合、攪拌し、さらにこれをイソプルパノールで希釈してコート剤とし、これを各種熱可塑性樹脂フィルムに乾燥後の粘着層塗布量が0.5g/mとなるように塗布し、90℃で1分間乾燥して粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(実施例2)
水性分散体「E−1」と水性分散体「E−2」を、ポリオレフィン樹脂の固形分質量比が50/50となるように変えた以外は、実施例1と同様の方法で粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(実施例3)
水性分散体「E−1」と水性分散体「E−2」を、ポリオレフィン樹脂の固形分質量比が30/70となるように変えた以外は実施例1と同様の方法で粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(実施例4)
水溶性高分子としてポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社、UF170G、重合度1700、数平均分子量75000、ケン化度99%)を用いた。ポリビニルアルコールを熱水に溶解し3質量%水溶液を作製した。これを実施例3で得られたE−1とE−2の混合液のポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してポリビニルアルコールの固形分量が10質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(実施例5)
粘着層塗布量を0.2g/mに変えた以外は実施例1と同様で粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(実施例6)
水性分散体「E−1」のみを用い、粘着層塗布量を0.2g/mとした以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(比較例1)
水性分散体「E−1」に変えて「H−1」を用いた以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
(比較例2、3)
「E−2」(比較例2)、「H−1」(比較例3)をそれぞれの単独で用いた以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。各種物性評価結果を表3に示す。
実施例1〜6では、各粘着フィルムにおいて、粘着層は各種基材フィルムに対する密着性が良好であった。また、粘着フィルムは適度な粘着性を有しており、加熱下での経時粘着性(長期間保存後)に大きな変化は無かった。さらに、剥離後(初期、経時後共)も糊残りは無く、被着体表面の汚染は確認されなかった。実施例4では水溶性高分子を配合することで、経時的な粘着性の変化が抑制されていた。
一方、比較例1〜3では粘着層のポリオレフィン樹脂組成が本発明の範囲から外れたため基材フィルムとの密着性に劣っていたり、粘着性が十分ではなかった。

Claims (8)

  1. 不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%および(メタ)アクリル酸エステル成分28〜45質量%を含有するポリオレフィン樹脂(A)を含有する粘着層を樹脂フィルム上に設けてなる粘着フィルムであって、この粘着層の量が0.01〜5g/mであることを特徴とする粘着フィルム。
  2. 粘着層中に数平均分子量1万未満の乳化剤成分を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
  3. 粘着層中に、さらに、不飽和カルボン酸成分0.01〜7質量%および(メタ)アクリル酸エステル成分0〜12質量%を含有するポリオレフィン樹脂(A)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着フィルム。
  4. ポリオレフィン樹脂(A)および(A)の質量比(A)/(A)が5/95〜95/5であることを特徴とする請求項3記載の粘着フィルム。
  5. 粘着層中に、さらに、数平均分子量が1万以上の水溶性高分子化合物を含有し、この含有量がポリオレフィン樹脂(A)および(A)の合計100質量部に対して0.1〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着フィルム。
  6. 樹脂フィルムがポリオレフィン樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘着フィルム。
  7. 保護フィルムとして使用するフィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の粘着フィルム。
  8. ポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体を樹脂フィルム表面に塗布した後、水性媒体を乾燥させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粘着フィルムの製造方法。
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WO2013099801A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 住友化学株式会社 水性接着剤
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