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JP2007207655A - 有機elディスプレイ - Google Patents

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JP2007207655A
JP2007207655A JP2006026910A JP2006026910A JP2007207655A JP 2007207655 A JP2007207655 A JP 2007207655A JP 2006026910 A JP2006026910 A JP 2006026910A JP 2006026910 A JP2006026910 A JP 2006026910A JP 2007207655 A JP2007207655 A JP 2007207655A
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JP2006026910A
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Yasuko Baba
康子 馬場
Seiji Tawaraya
誠治 俵屋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 ディスプレイ内部での光の反射を抑制し、光の利用効率が高い有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】 有機ELディスプレイを、電極間に少なくとも発光層を有する有機EL素子と、この有機EL素子の一方の面側に配設された透明基材と、この透明基材の光取出し面側に位置する低屈折率膜とを備えたものとし、この低屈折率膜の屈折率を、透明基材の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機発光ディスプレイに係り、特に有機ELディスプレイに関する。
有機のエレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いた有機ELディスプレイは、自発光により視認性が高いこと、液晶ディスプレイと異なり全固体ディスプレイであること、温度変化の影響をあまり受けないこと、視野角が大きいこと等の利点をもっており、近年、フルカラー表示装置、エリアカラー表示装置、照明等の有機発光ディスプレイとして実用化が進んでいる。
有機ELディスプレイとしては、例えば、(1)三原色の有機EL素子を各発光色毎に所定のパターンで配列する方式、(2)白色発光の有機EL素子を使用し、三原色のカラーフィルタ層を介して表示する方式、(3)青色発光の有機EL素子を使用し、蛍光色素を利用した色変換蛍光体層(CCM層)を設置して、青色光を緑色蛍光や赤色蛍光に変換して三原色表示をするCCM方式等が提案されている。
このような有機ELディスプレイでは、有機EL素子から出た光が、例えば、カラーフィルタ層や、色変換蛍光体層(CCM層)、透明基材等の積層構造を透過して、観察者に表示光として認識される。
しかし、透明基材と空気との界面に、大きな入射角(臨界角以上の入射角)で透明基材側から入射した光は、上記の界面で全反射され、有機EL素子を構成する積層構造内を伝搬してしまい表示に供されないものとなる。すなわち、有機EL素子から出た光の利用効率が低いという問題があった。
上記のようなディスプレイ内部での反射を防止するために、カラーフィルタ層や色変換蛍光体層の表面を粗面化することが行われている。(特許文献1)
また、光の波長以下のピッチで複数の微細凹凸が形成された凹凸部を有する反射防止フィルムが開発されており、この反射防止フィルムを各種ディスプレイの表面に配置することにより、外光の反射を防止できることが知られている(特許文献2)。
特開2004−258586号公報 特開2001−264520号公報
しかし、上記の粗面化を目的として、微粒子を配合した層を塗布等によりカラーフィルタ層や色変換蛍光体層の表面に積層すると、入射光の乱反射が生じ、有機EL素子から出た光の一部が失われて、有機EL素子から出た光の利用効率(カラーフィルタ層や色変換蛍光体層への光の入射効率)が低下することになる。また、一定の粗面を形成するための工程管理が難しいという問題もあった。
一方、上述のような凹凸部を有する反射防止フィルムをディスプレイの表面に配設した場合、外光反射が防止されて、ディスプレイからの映像光を明瞭に認識することは可能である。しかし、ディスプレイ内部での反射を防止して、有機EL素子から出た光の利用効率を向上させることは困難であった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ディスプレイ内部での光の反射を抑制し、光の利用効率が高い有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、電極間に少なくとも発光層を有する有機EL素子と、該有機EL素子の一方の面側に配設された透明基材と、該透明基材の光取出し面側に位置する低屈折率膜とを備え、該低屈折率膜の屈折率は前記透明基材の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記低屈折率膜は、前記透明基材側から外側に向けて屈折率が小さくなるような多層構造であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記透明基材の前記有機EL素子側にカラーフィルタ層を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記透明基材の前記有機EL素子側に色変換蛍光体層を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記透明基材と前記色変換蛍光体層との間にカラーフィルタ層を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発光層は三原色の各発光層が所望のパターンで配列されたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発光層は白色の発光層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発光層は青色の発光層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記低屈折率膜は、真空成膜法により成膜したものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記有機EL素子がアクティブマトリックス駆動方式のものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記アクティブマトリックス駆動方式を構成する対向した電極のうち、駆動素子を備えた電極側に前記透明基材が位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記アクティブマトリックス駆動方式を構成する対向した電極のうち、駆動素子を備えていない電極側に前記透明基材が位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記有機EL素子がパッシブマトリックス駆動方式のものであるような構成とした。
本発明の有機ELディスプレイでは、透明基材の光取り出し面に低屈折率膜が存在するので、透明基材と空気との界面に対して大きな入射角で入射した光の全反射が抑制され、有機EL素子から出た光のディスプレイ内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなり、かつ、外光反射も防止されて、明瞭な表示が可能である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
[第1の形態]
図1は、本発明の有機ELディスプレイの一実施形態を示す概略構成図である。図1に示されるように、本発明の有機ELディスプレイ1は、有機EL素子2と、この有機EL素子2の一方の面側に配設された透明基材3と、この透明基材3の光取出し面3a側に配設された低屈折率膜4とを備えている。
有機ELディスプレイ1を構成する有機EL素子2は、三原色の有機EL素子2R,2G,2Bが所定のパターンで配列したものである。
有機ELディスプレイ1を構成する低屈折率膜4は、その屈折率が透明基材3の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものである。
このような有機ELディスプレイ1では、透明基材3と空気との間に低屈折率膜4が存在するので、透明基材3の光取出し面3aが直接空気と接している場合に比べ、透明基材3の光取出し面3aで全反射が生じる臨界角は大きなものとなる。したがって、有機EL素子2から出た光の有機ELディスプレイ1内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなる。
尚、透明基材3は、三原色の有機EL素子2R,2G,2Bの境界部位に対応したパターン形状のブラックマトリックスを有機EL素子2側に備えたものであってもよい。
[第2の形態]
図2は、本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。図2に示される有機ELディスプレイ1′は、有機EL素子2と、この有機EL素子2の一方の面側に配設されたカラーフィルタ層5、透明基材3と、この透明基材3の光取出し面3a側に配設された低屈折率膜4とを備えている。
この有機ELディスプレイ1′は、有機EL素子2R,2G,2Bに対応した三原色の着色層5R,5G,5Bからなるカラーフィルタ層5と、着色層5R,5G,5Bの境界部位に対応したパターン形状のブラックマトリックス7を備えている他は、上述の有機ELディスプレイ1と同様である。尚、有機ELディスプレイ1と同様の部材には、同じ部材番号を付している。
このような有機ELディスプレイ1′においても、透明基材3と空気との間に低屈折率膜4が存在するので、透明基材3の光取出し面3aが直接空気と接している場合に比べ、透明基材3の光取出し面3aで全反射が生じる臨界角は大きなものとなり、これにより、有機EL素子2から出た光の有機ELディスプレイ1内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなる。
[第3の形態]
図3は、本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。図3に示される有機ELディスプレイ11は、有機EL素子12と、この有機EL素子12の一方の面側に配設されたカラーフィルタ層15、透明基材13と、この透明基材13の光取出し面13a側に配設された低屈折率膜14とを備えている。
有機ELディスプレイ11を構成する有機EL素子12は、白色発光の有機EL素子である。
有機ELディスプレイ11を構成する低屈折率膜14は、上述の有機ELディスプレイ1を構成する低屈折率膜4と同様に、その屈折率が透明基材13の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものである。
有機ELディスプレイ11を構成するカラーフィルタ層15は、三原色の着色層15R,15G,15Bが所望のパターンで配列されたものであり、着色層15R,15G,15Bの境界部位にはブラックマトリックス17が配設されている。
このような有機ELディスプレイ11では、透明基材13と空気との間に低屈折率膜14が存在するので、透明基材13の光取出し面13aが直接空気と接している場合に比べ、透明基材13の光取出し面13aで全反射が生じる臨界角は大きなものとなる。したがって、有機EL素子12から出た光の有機ELディスプレイ11内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなる。
[第4の形態]
図4は、本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。図4に示される有機ELディスプレイ21は、有機EL素子22と、この有機EL素子22の一方の面側に配設された色変換蛍光体層26、透明基材23と、この透明基材23の光取出し面23a側に配設された低屈折率膜24とを備えている。
有機ELディスプレイ21を構成する有機EL素子22は、青色発光の有機EL素子である。
有機ELディスプレイ21を構成する低屈折率膜24は、上述の有機ELディスプレイ1を構成する低屈折率膜4と同様に、その屈折率が透明基材23の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものである。
有機ELディスプレイ21を構成する色変換蛍光体層26は、青色光を赤色蛍光に変換する赤色変換蛍光体層26R、青色光を緑色蛍光に変換する緑色変換蛍光体層26G、青色光をそのまま透過する青色変換ダミー層26Bが所望のパターンで配列されたものであり、各層26R,26G,26Bの境界部位には、ブラックマトリックス27を備えている。
このような有機ELディスプレイ21では、透明基材23と空気との間に低屈折率膜4が存在するので、透明基材23の光取出し面23aが直接空気と接している場合に比べ、透明基材23の光取出し面23aで全反射が生じる臨界角は大きなものとなる。したがって、有機EL素子22から出た光の有機ELディスプレイ21内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなる。
[第5の形態]
図5は、本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。図5に示される有機ELディスプレイ21′は、有機EL素子22と、この有機EL素子22の一方の面側に配設された色変換蛍光体層26、カラーフィルタ層25、透明基材23と、この透明基材23の光取出し面23a側に配設された低屈折率膜24とを備えている。
この有機ELディスプレイ21′は、色変換蛍光体層26を構成する各層26R,26G,26Bに対応した三原色の着色層25R,25G,25Bからなるカラーフィルタ層25を備えている他は、上述の有機ELディスプレイ21と同様である。尚、有機ELディスプレイ21と同様の部材には、同じ部材番号を付している。
このような有機ELディスプレイ21′においても、透明基材23と空気との間に低屈折率膜4が存在するので、透明基材23の光取出し面23aが直接空気と接している場合に比べ、透明基材23の光取出し面23aで全反射が生じる臨界角は大きなものとなり、これにより、有機EL素子22から出た光の有機ELディスプレイ21内部での損失が大幅に低減され、光の利用効率が極めて高いものとなる。
本発明の有機ELディスプレイは、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、有機EL素子2,12,22と他の層との間にガスバリアー層を有するものであってもよい。
次に、本発明の有機ELディスプレイの各構成部材について説明する。
[低屈折率膜]
本発明の有機ELディスプレイを構成する低屈折率膜4,14,24は、上述のように、その屈折率が透明基材3,13,23の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものである。このような低屈折率膜としては、例えば、SiO、SiOx(xは1<x≦2の範囲)、SiON等の酸化ケイ素系(屈折率は1.4〜1.5程度)、CaF2(屈折率1.4)、NaF(屈折率1.32)、LiF(屈折率1.39)、MgF2(屈折率1.37)等の無機材料からなる低屈折率膜、シリコン系樹脂(屈折率1.4〜1.5)、フッ素樹脂(屈折率1.30〜1.45)等の有機材料からなる低屈折率膜とすることができる。低屈折率膜4,14,24の屈折率と透明基材3,13,23の屈折率との差は、0.05〜0.8程度、低屈折率膜4,14,24の屈折率と空気の屈折率との差は、0.1〜0.5程度とすることができる。
また、低屈折率膜は、上記の材料を2種以上用いた多層構造であってもよく、この場合、透明基材側から外側(光取出し方向)に向けて屈折率が小さくなるように設定する。
このような低屈折率膜4,14,24は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の真空成膜法により形成することができる。低屈折率膜4,14,24の厚みは特に制限がなく、例えば、50〜5000Åの範囲で設定することができる。
[有機EL素子]
本発明の有機ELディスプレイを構成する有機EL素子2,12,22は、基本的に、1対の電極と、この電極間に位置する発光層とを少なくとも有している。また、有機EL素子の駆動方式は、パッシブマトリックス、アクティブマトリックスのいずれであってもよい。
図6は、アクティブマトリックス駆動方式の有機EL素子2の例を示す概略構成図である。図6において、有機EL素子2は、透明基材31と、1対の電極32,34と、この電極32,34間に挟持された有機EL発光層33を備えている。尚、有機EL素子12,22についても同様である。
透明基材31は、有機EL発光層33からの光を図6の矢印a方向に取り出すボトム・エミッションの場合には、有機EL発光層33からの光を観察者が容易に視認することができる程度の透明性を有するものである。また、有機EL発光層33からの光を図6の矢印b方向に取り出すトップ・エミッションの場合には、透明基材31に替えて不透明な基材を使用してもよい。いずれの場合も、有機EL素子2の両面のうち、有機EL発光層33からの光の取り出し方向の面に、上述の透明基材3等が配設される。
透明基材31(これに替わる不透明な基材も含む)としては、ガラス材料、樹脂材料、または、これらの複合材料からなるもの、例えば、ガラス板に保護プラスチックフィルムもしくは保護プラスチック層を設けたもの等が用いられる。
上記の樹脂材料、保護プラスチック材料としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。この他の樹脂材料であっても、有機ELディスプレイ用として使用できる高分子材料であれば、使用可能である。
透明基材31の厚さは、通常、50μm〜2.0mm程度である。
このような透明基材31は、有機ELディスプレイの用途にもよるが、水蒸気や酸素等のガスバリアー性の良好なものであれば更に好ましい。また、透明基材31に、水蒸気や酸素等のガスバリアー層を形成してもよい。このようなガスバリアー層としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物をスパッタリング法や真空蒸着法等の物理蒸着法により形成したものであってよい。
電極32は画素電極であり、透明基材31上に形成された図示しない信号線、走査線、と、駆動素子であるTFT(薄膜トランジスタ)41とともに、電極配線パターンを構成するものである。そして、この電極32は、有機EL発光層33からの光を図6の矢印a方向に取り出すボトム・エミッションの場合には、透明電極(画素電極)となり、図6の矢印b方向に取り出すトップ・エミッションの場合には、透明、不透明いずれの電極(画素電極)であってもよい。
このような電極32は、通常の有機ELディスプレイに使用されるものであれば特に限定されず、金属、合金、これらの混合物等を使用することができ、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化第二錫、または金等の薄膜電極材料を挙げることができる。この電極32が正孔を注入するための電極である場合、正孔が注入し易いように、仕事関数の大きい(4eV以上)透明、または半透明材料であるITO、IZO、酸化インジウム、金が好ましい。また、電極32は、シート抵抗が数百Ω/□以下が好ましく、材質にもよるが、その厚みは、例えば、0.005〜1μm程度とすることができる。
一方、電極34は、共通電極であり、有機EL発光層33からの光を、図6の矢印a方向に取り出すボトム・エミッションの場合には、透明、不透明いずれであってもよく、図6の矢印b方向に取り出すトップ・エミッションの場合には、透明電極とする。
このような電極34の材料としては、通常の有機ELディスプレイに使用されるものであれば特に限定されず、上述の電極層32と同様に、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化第二錫、または金等の薄膜電極材料、さらに、マグネシウム合金(例えば、MgAg等)、アルミニウムまたはその合金(AlLi、AlCa、AlMg等)、銀等を挙げることができる。この電極34が電子を注入するための電極である場合、電子が注入し易いように仕事関数の小さい(4eV以下)マグネシウム合金、アルミニウム、銀等が好ましい。このような電極層34はシート抵抗が数百Ω/□以下が好ましく、このため、電極層34の厚みは、例えば、0.005〜0.5μm程度とすることができる。
有機EL素子2を構成する有機EL発光層33は、例えば、電極層32側から正孔注入層、発光層、および電子注入層が積層された構造、発光層単独からなる構造、正孔注入層と発光層とからなる構造、発光層と電子注入層とからなる構造、さらに、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層を介在させた構造、発光層と電子注入層との間に電子輸送層を介在させた構造等とすることができる。
また、発光波長を調整したり、発光効率を向上させる等の目的で、上記の各層に適当な材料をドーピングすることもできる。
有機EL発光層33を構成する発光層は、図1、図2に示す有機EL素子2では、赤色発光、緑色発光、青色発光の三原色の有機EL素子2R,2G,2Bからなっているが、有機ELディスプレイの使用目的等に応じて、所望の発光色(例えば、黄色、水色、オレンジ色)である発光層を単独で、また、赤色発光、緑色発光、青色発光以外の他の複数の発光色の所望の組み合わせ等、いずれであってもよい。また、図3に示す有機EL素子12では白色発光、図4、図5に示される有機EL素子22では青色発光とする。
有機EL発光層33を構成する発光層に用いる有機発光材料としては、例えば、下記のような色素系、金属錯体系、高分子系のものを挙げることができる。
(1)色素系発光材料
シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等が挙げられる。
(2)金属錯体系発光材料
アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体が挙げられる。
(3)高分子系発光材料
ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
特に、図4、図5に示される有機EL素子22において、有機EL発光層33に使用する青色発光である有機発光材料としては、例えば、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、芳香族ジメチリディン系化合物等を挙げることができる。
具体的には、2−2′−(p−フェニレンジビニレン)−ビスヘンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系; 2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系; 2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4′−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等のベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤を挙げることができる。
また、上記の金属キレート化オキシノイド化合物としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピントリジオン等を挙げることができる。
また、上記のスチリルベンゼン系化合物としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等を挙げることができる。
また、上記のジスチリルピラジン誘導体としては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等を挙げることができる。
また、上記の芳香族ジメチリディン系化合物としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4′−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、およびその誘導体を挙げることができる。
さらに、発光層の材料として、一般式(Rs−Q)2−AL−O−Lで表される化合物も挙げることができる(上記式中、ALはベンゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート置換基を表す)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラーフェニルフェノラート)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等が挙げられる。
有機EL発光層33の各層に用いるドーピング材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料等は、下記に例示するような無機材料、有機材料いずれでもよい。有機EL発光層33の各層の厚みは特に制限はなく、例えば、10〜1000nm程度とすることができる。
(ドーピング材料)
ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポリフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等が挙げられる。
(正孔輸送材料)
オキサジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチルベン二量体等が挙げられる。
また、π共役系高分子として、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリ(P−フェニレン)、ポリ(P−フェニレンスルフィド)、ポリ(P−フェニレンオキシド)、ポリ(1,6−ヘプタジエン)、ポリ(P−フェニレンビニレン)、ポリ(2,5−チエニレン)、ポリ(2,5−ピロール)、ポリ(m−フェニレンスルフィド)、ポリ(4,4′−ビフェニレン)等が挙げられる。
また、電荷移動高分子錯体として、ポリスチレン・AgC104、ポリビニルナフタレン・TCNE、ポリビニルナフタレン・P−CA、ポリビニルナフタレン・DDQ、ポリビニルメシチレン・TCNE、ポリナフタアセチレン・TCNE、ポリビニルアントラセン・Br2、ポリビニルアントラセン・I2、ポリビニルアントラセン・TNB、ポリジメチルアミノスチレン・CA、ポリビニルイミダゾール・CQ、ポリ−P−フェニレン・I2、ポリ−1−ビニルピリジン・I2、ポリ−4−ビニルピリジン・I2、ポリ−P−1−フェニレン・I2、ポリビニルピリジウム・TCNQ等が挙げられ、さらに、電荷移動低分子錯体として、TCNQ−TTF等が、高分子金属錯体としては、ポリ銅フタロシアニン等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、イオン化ポテンシャルの小さい材料が好ましく、特に、ブタジエン系、エナミン系、ヒドラゾン系、トリフェニルアミン系が好ましい。
(正孔注入材料)
フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー等の誘電性高分子オリゴマー等、を挙げることができる。
さらに、正孔注入材料として、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物を挙げることもできる。上記のポリフィリン化合物としては、ポリフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H、23H−ポリフィン銅(II)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、銅オクタメチルフタロシアニン等を挙げることができる。また、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、4,4′,4″−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等を挙げることができる。
(電子注入材料)
カルシウム、バリウム、アルミリチウム、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、上記のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ジスチリルピラジン誘導体等を挙げることができる。
有機EL発光層33を構成する各層の形成は、グラビアオフセット印刷やスクリーン印刷法等の印刷方法、フォトマスクを介した真空蒸着法等により成膜して形成することができる。
また、パッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子の場合には、例えば、上述のTFT41や信号線、走査線を設けずに、電極32を所定方向にストライプ形状に形成し、電極34を電極32に直交する方向でストライプ形状に形成することができる。また、パッシブマトリックス駆動方式においても、有機EL発光層33からの光の取り出し方向は、上述のボトム・エミッション、トップ・エミッションのいずれであってもよい。
本発明の有機ELディスプレイを構成する有機EL素子2,12,22は、上述の形態に限定されるものではなく、例えば、透明基材31を備えていないものであってもよい。この場合、例えば、図1に示される例では、透明基材3上に、1対の電極32,34と、この電極32,34間に挟持された有機EL発光層33を、ボトム・エミッション、トップ・エミッションを考慮して積層形成することができる。また、ガスバリアー層を介して有機EL素子を積層形成してもよい。ガスバリアー層としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物をスパッタリング法や真空蒸着法等の物理蒸着法により形成したものであってよい。
[透明基材]
透明基材3,13,23は、観察者側に設けられ、有機EL素子からの光を観察者が容易に視認することができる程度の透明性を有するものである。このような透明基材としては、上述の透明基材31として挙げた透明材料の中から、屈折率を考慮して選択することができる。
[カラーフィルタ層]
カラーフィルタ層5,15,25は、有機EL素子2,12,22からの光を色補正したり、色純度を高めるものである。カラーフィルタ層5,15,25を構成する赤色着色層5R,15R,25R、緑色着色層5G,15G,25G、青色着色層5B,15B,25Bは、有機EL素子2,12,22の発光特性に応じて適宜材料を選択することができ、例えば、顔料、顔料分散剤、バインダー樹脂、反応性化合物および溶媒を含有する顔料分散組成物で形成することができる。このようなカラーフィルタ層5,15,25の厚みは、各着色層の材料、有機EL素子2,12,22の発光特性等に応じて適宜設定することができ、例えば、1〜3μm程度の範囲で設定することができる。
[色変換蛍光体層]
色変換蛍光体層26は、有機EL素子22で発光された青色光を赤色蛍光に変換する赤色変換蛍光体層26R、青色光を緑色蛍光に変換する緑色変換蛍光体層26G、青色光をそのまま透過する青色変換ダミー層26Bが所望のパターンで配列されたものである。
上記の赤色変換蛍光体層26Rおよび緑色変換蛍光体層26Gは、蛍光色素単体からなる層、あるいは、樹脂中に蛍光色素を含有した層である。青色発光を赤色蛍光に変換する赤色変換蛍光体層26Rに使用する蛍光色素としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン色素、ローダミンB、ローダミン6G等のローダミン系色素、オキサジン系色素等が挙げられる。また、青色発光を緑色蛍光に変換する緑色変換蛍光体層26Gに使用する蛍光色素としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2′−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド色素等が挙げられる。さらに、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等の各種染料も蛍光性があれば使用することができる。上述のような蛍光色素は単独、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。赤色変換蛍光体層26Rおよび緑色変換蛍光体層26Gが樹脂中に蛍光色素を含有したものである場合、蛍光色素の含有量は、使用する蛍光色素、色変換蛍光体層の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、使用する樹脂100重量部に対し0.1〜1重量部程度とすることができる。
また、青色変換ダミー層26Bは、有機EL素子22で発光された青色光をそのまま透過するものであり、赤色変換蛍光体層26R、緑色変換蛍光体層26Gとほぼ同じ厚みの透明樹脂層とすることができる。
赤色変換蛍光体層26Rおよび緑色変換蛍光体層26Gが樹脂中に蛍光色素を含有したものである場合、樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等の透明(可視光透過率50%以上)樹脂を使用することができる。また、色変換蛍光体層26のパターン形成をフォトリソグラフィー法により行う場合、例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト樹脂を使用することができる。さらに、これらの樹脂は、上述の青色変換ダミー層26Bに使用することができる。
色変換蛍光体層26を構成する赤色変換蛍光体層26Rと緑色変換蛍光体層26Gは、蛍光色素単体で形成する場合、例えば、所望のパターンマスクを介して真空蒸着法、スパッタリング法により帯状に形成することができる。また、樹脂中に蛍光色素を含有した層として形成する場合、例えば、蛍光色素と樹脂とを分散、または可溶化させた塗布液をスピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、これをフォトリソグラフィー法でパターニングする方法、上記の塗布液をスクリーン印刷法等でパターン印刷する方法等により赤色変換蛍光体層26Rや緑色変換蛍光体層26Gを形成することができる。また、青色変換ダミー層26Bは、所望の感光性樹脂塗料をスピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、これをフォトリソグラフィー法でパターニングする方法、所望の樹脂塗布液をスクリーン印刷法等でパターン印刷する方法等により形成することができる。
このような色変換蛍光体層26の厚みは、赤色変換蛍光体層26Rおよび緑色変換蛍光体層26Gが有機EL素子22で発光された青色光を十分に吸収し蛍光を発生する機能が発現できるものとする必要があり、使用する蛍光色素、蛍光色素濃度等を考慮して適宜設定することができ、例えば、10〜20μm程度とすることができ、赤色変換蛍光体層26Rと緑色変換蛍光体層26Gとの厚みが異なる場合があってもよい。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、ブラックマトリックス7,17,27を備えないものであってもよい。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
(透明基材への低屈折率膜の形成)
透明基材として、150mm×150mm、厚み0.7mmのガラス基板(セントラル硝子(株)製 ソーダライム、屈折率n0=1.57)を準備した。このガラス基板の一方の面に、スパッタリング法によりSiO膜(厚み1500Å)を成膜し、低屈折率膜とした。この低屈折率膜の屈折率は1.45であった。尚、屈折率の測定は分光エリプソメーター((株)堀場製作所製)を用いて行った。以下の実施例においても同様である。
(有機EL素子の形成と有機ELディスプレイの作製)
上述のように低屈折率膜を形成したガラス基板の反対面に、イオンプレーティング法により膜厚200nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、幅2.2mmのストライプ形状の透明電極層を4mmピッチで20本形成した。
各透明電極層上に2mm×2mmの発光エリアが4mmピッチで存在するように、このような発光エリアに対応した開口部を備えたマスクを介して、4,4′,4″−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを200nm厚まで蒸着して成膜し、その後、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを20nm厚まで蒸着して成膜することによって、透明電極層上に正孔注入層を形成した。
次に、下記組成の赤色発光層用のインキをスピンコート法で塗布し、120℃に設定したホットプレート上で30分間乾燥して、厚み300nmの赤色発光層を形成した。
(赤色発光層用のインキ組成)
・ポリフルオレン誘導体系の赤色発光材料 … 2.5重量%
・溶媒(メシチレン:テトラリン=50:50の混合溶媒)… 97.5重量%
赤色発光層を形成した面側に、2.2mm幅のストライプ状の開口部を4mmピッチで備えたメタルマスクを、この開口部が上記のストライプ形状の透明電極層と直交し、かつ、上記の正孔注入層の形成エリア上に位置するように配置した。次に、このマスクを介して真空蒸着法によりカルシウムを蒸着して成膜し、電子注入層(厚み10nm)を4mmピッチで20本形成した。
次に、電子注入層の形成に用いたメタルマスクをそのまま使用して、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着して成膜した。これにより、電子注入層上に、アルミニウムからなる幅2.2mmのストライプ形状の電極層(厚み300nm)を形成した。
最後に、電極層を形成した面側に、紫外線硬化型接着剤を介して封止板を貼り合わせた。これにより、図1に示されるような構造(ただし、発光は赤色発光のみ)の本発明の有機ELディスプレイを得た。
この有機ELディスプレイについて、発光輝度が1000cd/m2となるときの印加電流値を測定し、結果を下記の表1に示した。尚、輝度測定は分光放射計((株)トプコンテクノハウス製 SR−2)用いて行った。以下の実施例においても同様である。
[実施例2]
(透明基材への集光層の形成)
透明基材として、実施例1と同様のガラス基板を準備した。このガラス基板の一方の面に、スパッタリング法によりCaF膜(厚み1500Å)を成膜し、低屈折率膜とした。この低屈折率膜の屈折率は1.40であった。
(有機EL素子の形成と有機ELディスプレイの作製)
上述のように低屈折率膜を形成したガラス基板を用いて、実施例1と同様にして、透明電極層、正孔注入層、赤色発光層、電子注入層、アルミニウム電極層を積層形成し、その後、封止板を貼り合わせて、図1に示されるような構造(ただし、発光は赤色発光のみ)の本発明の有機ELディスプレイを得た。
この有機ELディスプレイについて、実施例1と同様に、発光輝度が1000cd/m2となるときの印加電流値を測定し、結果を下記の表1に示した。
[実施例3]
(透明基材への集光層の形成)
透明基材として、実施例1と同様のガラス基板を準備した。このガラス基板の一方の面に、スピン塗布法によりメタクリル酸メチル系樹脂膜(厚み1.0μm、屈折率1.50)を塗布し、次いで、スパッタリング法によりCaF2膜(厚み1500Å、屈折率1.40)を成膜して、2層構造の低屈折率膜とした。
(有機EL素子の形成と有機ELディスプレイの作製)
上述のように低屈折率膜を形成したガラス基板を用いて、実施例1と同様にして、透明電極層、正孔注入層、赤色発光層、電子注入層、アルミニウム電極層を積層形成し、その後、封止板を貼り合わせて、図1に示されるような構造(ただし、発光は赤色発光のみ)の本発明の有機ELディスプレイを得た。
この有機ELディスプレイについて、実施例1と同様に、発光輝度が1000cd/m2となるときの印加電流値を測定し、結果を下記の表1に示した。
[比較例]
低屈折率膜を形成しない他は、実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
この有機ELディスプレイについて、実施例1と同様に、発光輝度が1000cd/m2となるときの印加電流値を測定し、結果を下記の表1に示した。
Figure 2007207655
表1に示されるように、実施例1〜3の有機ELディスプレイは、発光輝度が1000cd/m2となるときの印加電流値が、比較例に比べて小さく、有機EL素子で発光した光の利用効率が高いことが確認された。
フルカラー表示装置、エリアカラー表示装置、照明等の種々の有機発光ディスプレイの製造において有用である。
本発明の有機ELディスプレイの一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の有機ELディスプレイを構成する有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,1′,11,21,21′…有機ELディスプレイ
2,12,22…有機EL素子
3,13,23…透明基材
4,14,24…低屈折率膜
5,15,25…カラーフィルタ層
7,17,27…ブラックマトリックス
26…色変換蛍光体層
31…透明基材
32,34…電極
33…有機EL発光層
41…TFT(薄膜トランジスタ)

Claims (13)

  1. 電極間に少なくとも発光層を有する有機EL素子と、該有機EL素子の一方の面側に配設された透明基材と、該透明基材の光取出し面側に位置する低屈折率膜とを備え、該低屈折率膜の屈折率は前記透明基材の屈折率よりも小さく、空気の屈折率よりも大きいものであることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 前記低屈折率膜は、前記透明基材側から外側に向けて屈折率が小さくなるような多層構造であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
  3. 前記透明基材の前記有機EL素子側にカラーフィルタ層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機ELディスプレイ。
  4. 前記透明基材の前記有機EL素子側に色変換蛍光体層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機ELディスプレイ。
  5. 前記透明基材と前記色変換蛍光体層との間にカラーフィルタ層を有することを特徴とする請求項4に記載の有機ELディスプレイ。
  6. 前記発光層は三原色の各発光層が所望のパターンで配列されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の有機ELディスプレイ。
  7. 前記発光層は白色の発光層であることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ。
  8. 前記発光層は青色の発光層であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の有機ELディスプレイ。
  9. 前記低屈折率膜は、真空成膜法により成膜したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
  10. 前記有機EL素子がアクティブマトリックス駆動方式のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
  11. 前記アクティブマトリックス駆動方式を構成する対向した電極のうち、駆動素子を備えた電極側に前記透明基材が位置することを特徴とする請求項10に記載の有機ELディスプレイ。
  12. 前記アクティブマトリックス駆動方式を構成する対向した電極のうち、駆動素子を備えていない電極側に前記透明基材が位置することを特徴とする請求項10に記載の有機ELディスプレイ。
  13. 前記有機EL素子がパッシブマトリックス駆動方式のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
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