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JP2007205335A - 斜板式コンプレッサの斜板および斜板式コンプレッサ - Google Patents

斜板式コンプレッサの斜板および斜板式コンプレッサ Download PDF

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Abstract

【課題】斜板式コンプレッサの金属基材で形成された斜板を、耐焼付き性はもとより、密着性と耐摩耗性の優れた潤滑性皮膜で被覆し、炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにも耐用可能なものとすることである。
【解決手段】斜板3を形成する金属基材3aの表面に、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜11を形成し、この潤滑性皮膜11と金属基材3aとの間に、多孔質溶射層10を形成することにより、多孔質溶射層10へのアンカー効果によって潤滑性皮膜11の密着性を高め、摩擦摩耗特性の優れたフッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜11によって、摺動面での十分な耐焼付き性と耐摩耗性を確保して、炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにも耐用可能なものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアコンディショナ等に用いられる斜板式コンプレッサの斜板および斜板式コンプレッサに関する。
冷媒が存在するハウジング内で、回転軸に直接固定するように、または連結部材を介して間接的に、斜めに取り付けた斜板にシューを摺動させ、このシューを介して斜板の回転運動をピストンの往復運動に変換して、冷媒を圧縮、膨張させる斜板式コンプレッサには、両頭形のピストンを用いて冷媒を両側で圧縮、膨張させる両斜板タイプのものと、片頭形のピストンを用いて冷媒を片側のみで圧縮、膨張させる片斜板タイプのものとがある。また、シューは斜板の片側面のみで摺動するものと、斜板の両側面で摺動するものとがある。
これらの斜板式コンプレッサでは、運転初期において、冷媒が存在するハウジング内へ潤滑油が到達する前に金属製の斜板とシューが摺動するので、これらの摺動部が潤滑油のないドライ潤滑状態となり、焼付きが発生しやすい。この焼付きを防止する手段としては、これまでに、シューが摺動する金属製斜板の摺動面に、銅系またはアルミニウム系の金属材料を溶射し、この金属溶射層に鉛系めっき、錫系めっき、鉛−錫系めっき、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系被覆、二硫化モリブデン被覆または二硫化モリブデン・黒鉛混合被覆を施したもの(例えば、特許文献1参照)や、アルミニウムまたは鉄系基材、主として錫、銅または金属リン酸塩からなる中間層、および熱硬化性樹脂と二硫化モリブデンおよびグラファイトから選択された少なくとも1種の固体潤滑剤とを含む摺接層を有する斜板(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開平8−199327号公報 特開平11−13638号公報
近年開発が行なわれている炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにおいては、コンプレッサ内の圧力が10MPaにも達するため、斜板とシューとの摺動圧力がこれまでより高くなり、金属基材で形成された斜板の皮膜には、より密着性と耐摩耗性の優れたものが要求されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載された従来の斜板は、炭酸ガスを冷媒に用いたコンプレッサ内の圧力が10MPaにも達する斜板式コンプレッサに対しては、摺動面の皮膜の密着性や耐摩耗性を確保できず、耐久性が十分でないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、斜板式コンプレッサの金属基材で形成された斜板を、耐焼付き性はもとより、密着性と耐摩耗性の優れた潤滑性皮膜で被覆し、炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにも耐用可能なものとすることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、冷媒が存在するハウジング内で、回転軸に直接固定するように、または連結部材を介して間接的に、斜めに取り付けた斜板にシューを摺動させ、このシューを介して前記斜板の回転運動をピストンの往復運動に変換して、冷媒を圧縮、膨張させる斜板式コンプレッサの斜板において、前記斜板を金属基材で形成し、前記シューが摺動する摺動面に、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜を形成し、この潤滑性皮膜と前記金属基材との間に、多孔質溶射層を形成した構成を採用した。
すなわち、斜板を金属基材で形成し、前記シューが摺動する摺動面に、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜を形成し、この潤滑性皮膜と前記金属基材との間に、多孔質溶射層を形成することにより、多孔質溶射層へのアンカー効果によって潤滑性皮膜の密着性を高め、摩擦摩耗特性の優れたフッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜によって、摺動面での十分な耐焼付き性と耐摩耗性を確保して、炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにも耐用可能なものとした。
前記多孔質溶射層は、その細かい孔部に入り込む潤滑性皮膜の樹脂のアンカー効果によって潤滑性皮膜の密着性を高めることができ、その溶射金属としては、Cu、Sn、Al、Ni、Mo、Fe等、およびこれらの合金を使用することができる。
また、前記潤滑性皮膜を形成するフッ素樹脂は低摩擦特性を有し、皮膜に耐焼付き性を付与する役割をする。このフッ素樹脂は、シューとの摺動部での温度上昇に耐えられる耐熱性を有するものであれはよく、具体的には、PTFE(融点θ:327℃、連続使用温度θ:260℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(θ:270℃、θ:200℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(θ:310℃、θ:260℃)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(θ:270℃、θ:150℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(θ:210℃、θ:120℃)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(θ:240℃、θ:150℃)等が挙げられる。これらは、それぞれ単独または2種以上の共重合体や3共重合体等であってもよい。
このうちPTFEは、−CFCF−の繰り返し単位より構成され、340〜380℃でも溶融粘度が約1010〜1011Pa・sと高く、融点を越えても流動し難いので、フッ素樹脂の中では最も耐熱性が優れており、また、常温でも優れた摺動性を示すので好適である。さらに、PTFEの中でも、滑剤級の粉末PTFEを用いることが好ましく、滑剤級の粉末PTFEの市販品としては、ポリフロンM15、ルブロンL−2(以上ダイキン工業社製商品名)、テフロンTLP−10(デュポン社製商品名)、フルオンG163(旭硝子社製商品名)等を挙げることができる。なお、滑剤級の粉末PTFEとは、一度焼成したPTFEを粉砕した再生PTFEや、PTFEにガンマ線照射処理をして低分子量化したPTFE粉末を言い、ガンマ線照射処理をした市販品の例としては、KT400H(喜多村社製商品名)がある。
前記PTFEの形態は、成形用の粉末であっても、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末であってもよく、その平均粒径は0.1〜20μm、好ましくは0.2〜10μmの範囲にあるのがよい。平均粒径がこの範囲内にあると、コーティング剤中で凝集し難く、皮膜中に満遍なく均一に分散される。
前記耐熱性樹脂は、皮膜を熱劣化させることなく多孔質溶射層に強固に密着するとともに、粉末としたフッ素樹脂や金属酸化物粉末を結着する役割をする。耐熱性樹脂としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂等を挙げることができ、中でもポリイミド系樹脂が耐熱性と密着性に最も優れている。
前記ポリイミド系樹脂の具体例としては、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステルアミドイミド樹脂等を挙げることができ、中でもPIとPAIが好適であり、さらに、イミド結合またはアミド結合が芳香族基を介して結合している芳香族系ポリイミド樹脂や芳香族系ポリアミドイミド樹脂が特に好ましい。
前記PAIはイミド結合とアミド結合とを有する樹脂である。また、芳香族系ポリアミドイミド樹脂のイミド結合は、ポリアミド酸等の前駆体であっても、閉環したイミド環であってもよく、これらが混在する状態でもよい。このような芳香族系ポリアミドイミド樹脂には、芳香族第一級ジアミン(例えば、ジフェニルメタンジアミン)と芳香族三塩基酸無水物(例えば、トリメット酸無水物のモノまたはジアシルハライド誘導体)とから製造されるもの、芳香族ジイソシアネート化合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート)と芳香族三塩基酸無水物とから製造されるもの等がある。さらに、アミド結合に比べてイミド結合の割合を多くしたPAIとして、芳香族、脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物と芳香族四塩基酸二無水物および芳香族三塩基酸無水物とから製造されるもの等があり、いずれのPAIも使用することができる。
前記金属酸化物粉末は、皮膜の耐摩耗性を向上させる役割をし、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の粉末を使用することができる。
上述した潤滑性皮膜を多孔質溶射層の表面に形成する方法としては、ディッピング法、スプレーコート法、刷毛塗り法、粉体塗装法等によって、上述した構成のコーティング剤を多孔質溶射層の表面に塗布し、これを焼成する方法を採用することができる。スプレーコート法でコーティング剤を塗布する場合は、コーティング剤が微小な粒子となって多孔質溶射層の表面に付着するので、皮膜の厚みを精度よく管理することができる。
前記コーティング剤は、粉体塗装法を採用する場合を除いて、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末を溶剤類に分散または溶解することにより得られる。溶剤類としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルクロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロトリフルオロエタン等の有機ハロゲン化化合物類、NMP、DMAC、メチルイソピロリドン(MIP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン系極性溶剤類等を使用することができる。なお、粉体塗装法は無溶剤塗装である。
これらの方法で多孔質溶射層に塗布される潤滑性皮膜の膜厚は、焼成後の厚みで5〜40μm、好ましくは10〜30μmの膜厚とするのが好ましい。膜厚が5μm未満では、シューの片当たり等が生じたときに局部的な摩耗が生じる恐れがあり、膜厚が40μmを越えると、皮膜の剥離が生じやすくなるからである。
前記潤滑性皮膜の焼成温度は、コーティング剤を構成する耐熱性樹脂の種類によって異なるが、耐熱性樹脂がPIの場合は200〜350℃が適当である。焼成温度が200℃未満では、前駆体であるポリアミド酸のイミド反応が十分でなく、多孔質溶射層との密着性を十分に確保できない恐れがあり、350℃を越えると、フッ素樹脂が融点以上になって分解し始めるからである。
前記耐熱性樹脂がPAIの場合は、皮膜の焼成温度は180〜280℃が適当である。焼成温度が180℃未満では、PAIの硬化反応があまり進行しないので、多孔質溶射層ならびに金属基材との密着性を十分に確保できず、280℃を越えると、フッ素樹脂が融点以上になって分解し始めるからである。また、PAIの多孔質溶射層との密着性は280℃付近で平衡状態に達するので、昇温エネルギを考慮すると280℃以下で焼成することが好ましい。
前記潤滑性皮膜を、前記フッ素樹脂100重量部に対して、前記耐熱性樹脂が100〜150重量部、前記金属酸化物粉末が5〜20重量部であるものとすることにより、多孔質溶射層との密着性と耐摩耗性をより良好に発揮することができる。フッ素樹脂100重量部に対して、耐熱性樹脂が100重量部未満であると密着性が低下し、150重量部を越えると摺動特性が低下する。また、フッ素樹脂100重量部に対して、金属酸化物粉末が5重量部未満であると耐摩耗性が不足し、20重量部を越えると密着性が低下する。
前記金属酸化物粉末を酸化鉄粉末とすることにより、耐摩耗性をより優れたものとすることができ、入手性およびコストの面からも有利である。
前記酸化鉄粉末としては、酸化鉄(II)、三酸化二鉄、四酸化三鉄等を使用することができ、これらの酸化鉄の粉末形状は、球状、鱗片状、針状等のいずれの形状であってもよい。また、酸化鉄粉末の平均粒径は、例えば0.1〜10μm程度といかなる粒径であってもよいが、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.5μmである。平均粒径が0.1μm未満では、凝集しやすくなって分散性が悪くなり、1μmを越えると皮膜の耐摩耗性がやや不均一になる。なお、酸化鉄粉末の平均粒径はBET法により測定することができるが、とくにこの測定法に限られるものではない。
また、本発明は、斜板式コンプレッサを上述したいずれかの斜板を備えたものとした構成も採用した。
前記斜板式コンプレッサを、コンプレッサ内の圧力が10MPaにも達する炭酸ガスを冷媒に用いるものとしても、その斜板の金属基材の皮膜を密着性と耐摩耗性の優れたものとし、十分に耐用可能なものとすることができる。
本発明の斜板式コンプレッサの斜板は、斜板を金属基材で形成し、シューが摺動する摺動面に、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜を形成し、この潤滑性皮膜と金属基材との間に、多孔質溶射層を形成することにより、多孔質溶射層へのアンカー効果によって潤滑性皮膜の密着性を高め、摩擦摩耗特性の優れたフッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜によって、摺動面での十分な耐焼付き性と耐摩耗性を確保したので、炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサにも耐用可能なものとすることができる。
前記潤滑性皮膜を、フッ素樹脂100重量部に対して、耐熱性樹脂が100〜150重量部、金属酸化物粉末が5〜20重量部であるものとすることにより、金属基材との密着性と耐摩耗性をより良好に発揮することができる。
前記金属酸化物粉末を酸化鉄粉末とすることにより、耐摩耗性をより優れたものとすることができ、入手性およびコストの面からも有利である。
また、本発明の斜板式コンプレッサは、上述した斜板を備えたものとしたので、コンプレッサ内の圧力が10MPaにも達する炭酸ガスを冷媒に用いる斜板式コンプレッサに使用しても、十分に耐用可能なものとすることができる。
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。この斜板式コンプレッサは炭酸ガスを冷媒に用いるものであり、図1に示すように、冷媒が存在するハウジング1内で、回転軸2に直接固定するように斜めに取り付けた斜板3の回転運動を、斜板3の両側面で摺動するシュー4を介して両頭形ピストン5の往復運動に変換し、ハウジング1の周方向に等間隔で形成されたシリンダボア6内の各ピストン5の両側で、冷媒を圧縮、膨張させる両斜板タイプのものであり、高速で回転駆動される回転軸2は、ラジアル方向を針状ころ軸受7で支持され、スラスト方向をスラスト針状ころ軸受8で支持されている。
前記各ピストン5には斜板3の外周部を跨ぐように凹部5aが形成され、この凹部5aの軸方向対向面に形成された球面座9に、半球状のシュー4が着座されている。このシュー4は球状のものもあり、ピストン5を斜板3の回転に対して相対移動自在に支持する。これによって、斜板3の回転運動からピストン5の往復運動への変換が円滑に行われる。
前記斜板3の基材3aは鋼S45Cで形成されており、図2に示すように、シュー4が摺動する基材3aの両側面には、銅合金の多孔質溶射層10が形成され、その上に、フッ素樹脂としてのPTFE、耐熱性樹脂としてのPAI、および金属酸化物粉末としての酸化鉄または酸化チタンから成る潤滑性皮膜11が形成されている。
実施例として、表1に示すように、鋼製のディスクの片面側にCu95質量%、Sn5質量%の銅合金の多孔質溶射層を形成し、PTFE、PAIおよび酸化鉄の粉末から成り、これらの配合割合が異なる潤滑性皮膜を形成した試験片(実施例1〜3)と、PTFE、PAIおよび酸化チタンの粉末から成る潤滑性皮膜を形成した試験片(実施例4)とを用意した。また、比較例として、上記多孔質溶射層を形成せずに、酸化鉄や酸化チタンの金属酸化物粉末の替りに、それぞれ銅粉末と二硫化モリブデン(MoS)を配合したコーティング剤を用いて、各実施例と同様の方法で潤滑性皮膜を形成した試験片(比較例1、2)も用意した。なお、表1中の数値は、PTFE100重量部に対する各組成物の重量部の値である。
Figure 2007205335
上記実施例と比較例の各試験片に対して3つの鋼製シューを摺動させるスラスト型試験機(3シュー・オン・タイプ)を用いた2種類の摩擦摩耗試験(試験1、2)を行い、試験初期と5分後の摺動部の摩擦係数、および5分後の試験片摺動面の摩耗量と温度を測定した。各試験1、2の試験条件は以下の通りである。
Figure 2007205335
上記摩擦摩耗試験の結果を表1に併せて示す。金属基材と潤滑性皮膜との間に多孔質溶射層を形成し、潤滑性皮膜に金属酸化物粉末を配合した実施例1〜4のものは、摺動面の潤滑条件をドライ状態とした試験1でも、摺動面圧を10MPaと高くした試験2でも、いずれも摩耗量が少なく、優れた耐摩耗性を有することが確認された。なお、各実施例のものは、摩擦係数や摩耗量の測定データではあまり優位差がないが、各試験後の摺動面を目視観察した結果では、実施例3のものが最も優れており、以下、実施例2、実施例4、実施例1の順であった。
これに対して、多孔質溶射層を形成せず、潤滑性皮膜に金属酸化物粉末を配合しなかった各比較例1、2のものは、いずれも摩耗量が多く、十分な耐摩耗性が得られなかった。また、試験2における比較例1の潤滑性皮膜は、金属基材から剥がれ落ちることはなかったが、わずかな界面剥離が生じていた。
上述した実施形態では、両斜板タイプの斜板式コンプレッサで、斜板の両側面でシューが摺動するものとしたが、本発明に係る斜板式コンプレッサの斜板は、片斜板タイプのものや、斜板の片面側にのみシューが摺動するもの、斜板が連結部材を介して回転軸に取り付けられたもの等、全てのタイプの斜板式コンプレッサに採用することができる。
斜板式コンプレッサの実施形態を示す縦断面図 図1の斜板を拡大して示す断面図
符号の説明
1 ハウジング
2 回転軸
3 斜板
4 シュー
5 ピストン
5a 凹部
6 シリンダボア
7 針状ころ軸受
8 スラスト針状ころ軸受
9 球面座
10 多孔質溶射層
11 潤滑性皮膜

Claims (5)

  1. 冷媒が存在するハウジング内で、回転軸に直接固定するように、または連結部材を介して間接的に、斜めに取り付けた斜板にシューを摺動させ、このシューを介して前記斜板の回転運動をピストンの往復運動に変換して、冷媒を圧縮、膨張させる斜板式コンプレッサの斜板において、前記斜板を金属基材で形成し、前記シューが摺動する摺動面に、フッ素樹脂、耐熱性樹脂および金属酸化物粉末から成る潤滑性皮膜を形成し、この潤滑性皮膜と前記金属基材との間に、多孔質溶射層を形成したことを特徴とする斜板式コンプレッサの斜板。
  2. 前記潤滑性皮膜が、前記フッ素樹脂100重量部に対して、前記耐熱性樹脂が100〜150重量部、前記金属酸化物粉末が5〜20重量部である請求項1に記載の斜板式コンプレッサの斜板。
  3. 前記金属酸化物粉末が酸化鉄粉末である請求項1または2に記載の斜板式コンプレッサの斜板。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の斜板を備えた斜板式コンプレッサ。
  5. 前記斜板式コンプレッサが炭酸ガスを冷媒に用いたものである請求項4に記載の斜板式コンプレッサ。
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