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JP2007197323A - 四塩化チタンの製造方法 - Google Patents

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Fumito Arai
文人 荒井
Hitoshi Yamamoto
山本  仁
Shigeyuki Tajiri
茂行 田尻
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Abstract

【課題】四塩化チタンの製造において、四塩化チタンガスの冷却及び温度制御と、四塩化チタンスラリーの乾燥を同時にかつ効率的に行うことができる四塩化チタンの製造方法を提供する。
【解決手段】塩化炉にてチタン鉱石を塩素化した後、冷却工程、凝縮工程、蒸留工程を経て四塩化チタンを製造する方法において、前記塩化炉下流側に位置する冷却工程の冷却塔内で、固形不純物と液状不純物及び液状四塩化チタンからなる四塩化チタンスラリーを噴霧して生成された体積メジアン径が300μm以下の液滴と前記塩化炉で生成した四塩化チタンガスを接触させ、前記四塩化チタンスラリー中の固形不純物の乾燥と、前記四塩化チタンガスの前記冷却工程の出口温度を四塩化チタンの沸点以上であって200℃以下となるような冷却操作とを同時に行なうものであって、前記四塩化チタンガスは前記冷却塔の円周方向と斜めに直交する方向に導入される、前記四塩化チタンスラリーは噴霧角を50°〜90°とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、四塩化チタンの製造方法に係り、特に、塩化炉で生成された四塩化チタンガスを冷却して四塩化チタンを製造し、併せて四塩化チタンのスラリー乾燥を行うための、四塩化チタンの製造方法に関する。
精製四塩化チタンは、以下の製造工程を経て製造される。まず、チタン鉱石であるルチルまたはイルメナイトとコークスを、1000℃近傍に加熱された塩化炉内で、塩素含有ガスと反応させることにより四塩化チタンガスが生成される。
塩化炉で製造された四塩化チタンガスは、冷却装置に導かれて所定温度まで冷却され、大半の不純物が凝縮除去された後、次いで凝縮工程にて四塩化チタンの沸点以下まで冷却されて、液状の四塩化チタンが回収される。回収された液状四塩化チタンは、塩化炉からキャリーオーバーした鉱石やコークス、或いは鉄,アルミニウム,バナジウム等の不純物が含まれているので、前記四塩化チタンは、粗四塩化チタンと称される。粗四塩化チタン中に溶解または混合されている不純物は、蒸留工程において除去され精製四塩化チタンとなる。
前記粗四塩化チタンは、蒸留工程を経て精製されるが、この過程で固形及び液状の不純物が濃縮された四塩化チタン(以下、「四塩化チタンスラリー」と呼ぶ場合がある。)が蒸留工程内に残留蓄積する。蒸留工程内に残留蓄積された四塩化チタンスラリーは、系外に排出して水処理されてきた。
上記四塩化チタンの製造において、製造効率の向上を図るとともに、製造工程で副生される四塩化チタンスラリーの処理を好適に行うために、四塩化チタンガスの冷却と、四塩化チタンスラリーの乾燥を効率よくかつ安定的に行うことができる技術が望まれていた。
本発明の目的は、四塩化チタンの製造において、四塩化チタンガスの冷却及び温度制御と、四塩化チタンスラリーの乾燥を同時にかつ効率的に行うことができる四塩化チタンの製造方法を提供することにある。
本発明においては前記したような課題を解決すべく鋭意検討してきたところ、四塩化チタン製造における冷却工程において、四塩化チタンスラリーと塩化炉で生成した四塩化チタンガスとを接触させることにより、四塩化チタンスラリーの乾燥と四塩化チタンガスの冷却を同時にかつ効率良く安定的に行い得ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題は、本発明の請求項1に係る四塩化チタンの製造方法によれば、塩化炉にてチタン鉱石を塩素化した後、冷却工程、凝縮工程、蒸留工程を経て四塩化チタンを製造する方法において、前記塩化炉下流側に位置する冷却工程の冷却塔内で、固形不純物と液状不純物及び液状四塩化チタンからなる四塩化チタンスラリーを噴霧して生成された体積メジアン径が300μm以下の液滴と前記塩化炉で生成した四塩化チタンガスを接触させ、前記四塩化チタンスラリー中の固形不純物の乾燥と、前記四塩化チタンガスの前記冷却工程の出口温度を四塩化チタンの沸点以上であって200℃以下となるような冷却操作とを同時に行なうものであって、前記四塩化チタンガスは前記冷却塔の円周方向と斜めに直交する方向に導入される、前記四塩化チタンスラリーは噴霧角を50°〜90°としたこと、により解決される。
このような操作を行うことで、四塩化チタンスラリー中の固形不純物および/または液状不純物が凝縮して固化した不純物を効率よく乾燥でき、また、四塩化チタンガスを所定の温度まで冷却することにより、四塩化チタンガス中に含有される不純物ガス成分も選択的に凝縮乾燥して四塩化チタンガスから分離除去することができる。
このとき、前記冷却工程では、前記四塩化チタンガス中に含まれる不純物成分を凝縮乾燥すると好適である。
また前記四塩化チタンガスと前記四塩化チタンスラリーとを接触させる工程において、前記四塩化チタンガスを鉛直方向に下方から上方に向けて流し、前記四塩化チタンスラリーを上方から下方に向けて噴霧する。このように、四塩化チタンガスと四塩化チタンスラリーを向流接触させることにより、四塩化チタンガスと四塩化チタンスラリーが効率良く接触し、四塩化チタンスラリーの乾燥と四塩化チタンガスの冷却を十分に行うことが可能となる。
また、前記四塩化チタンガスと前記四塩化チタンスラリーとを接触させる工程において、前記四塩化チタンガスを鉛直方向に上方から下方に向けて流し、前記四塩化チタンスラリーを上方から下方に向けて噴霧するようにしても良い。このように、四塩化チタンガスと四塩化チタンスラリーを並流接触させることにより、四塩化チタンスラリー中の固形物や、四塩化チタンガスの冷却中に析出する微細な固形残さを効率良く回収することができる。
また、前記四塩化チタンスラリーを高圧噴霧して前記四塩化チタンガスと接触させることにより、四塩化チタンスラリーの乾燥を効率的に行うことが可能となる。
具体的には、前記四塩化チタンスラリーの噴霧圧力を5Kg/cmG〜30Kg/cmGとすることである。
以上のように、本発明の四塩化チタンの製造方法によれば、冷却塔において、四塩化チタンガスと、微粒化された四塩化チタンスラリーとを向流または並流接触させることで、四塩化チタンガスの冷却と四塩化チタンスラリーの乾燥を同時にかつ安定して行わせることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する実施形態は、本発明のなかで、塩化炉で生成された四塩化チタンガスを鉛直方向に下方から上方に流し、一方、四塩化チタンスラリーは、上方から下方に向けて流して両者を向流接触させる態様に関するものである。
なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1及び図2は本発明の実施例を示すものであり、図1は本発明の四塩化チタンの製造方法を示す説明図、図2は四塩化チタンの製造に用いられる製造装置の一例を示す説明図である。
四塩化チタンの製造方法は、塩化炉1にて四塩化チタンガスを生成する工程と、冷却塔3にて四塩化チタンガスを冷却する工程と、凝縮塔7にて四塩化チタンガスを凝縮して液状四塩化チタンを回収する工程および前記液状四塩化チタンを精製して、精製四塩化チタンを得る蒸留工程とを主たる工程として備えている。
そして、本例の四塩化チタンの製造方法は、冷却工程においては、四塩化チタンガスと、液状四塩化チタンと固形及び液状の不純物を含む固形物からなる四塩化チタンスラリーとを向流接触させて、四塩化チタンガスの冷却と、四塩化チタンスラリーの乾燥とを同時に行わせることができる。
四塩化チタンガスの生成工程では、1000℃近傍まで加熱された塩化炉1で流動状態にあるチタン鉱石とコークスが、塩化炉底部から供給された塩素ガスと流動接触しつつ反応して、これにより四塩化チタンガスが生成される。塩化炉1で生成された四塩化チタンガス(不純物ガス及び固形不純物を含むが、以下、単に四塩化チタンガスと表現する場合がある。)は、接続導管2を経由して冷却塔3に導かれる。
冷却塔3では、四塩化チタンガスと四塩化チタンスラリーが向流接触する工程が行われ、この工程により、四塩化チタンガスが冷却され、同時に四塩化チタンスラリーに含まれる不純物の乾燥がなされる。
塩化炉1から冷却塔3に導かれた四塩化チタンガスは、冷却塔3の頂部から噴霧された四塩化チタンのスラリーと向流接触して200℃付近まで冷却される。冷却された四塩化チタンガスは次いで、凝縮塔7に導かれる。
また、冷却塔3の頂部から噴霧された四塩化チタンスラリー中の固形残さは、塩化炉1から導かれた高温の四塩化チタンガスと接触して乾燥され、重力により冷却塔3の底部に沈積する。
また、四塩化チタンスラリー中の液状四塩化チタンは、蒸発して四塩化チタンガスとなり、塩化炉1から導入された四塩化チタンガスと共に凝縮塔7に導かれる。
冷却塔3にて冷却された四塩化チタンガスの出口温度は四塩化チタンの沸点以上〜250℃の範囲に制御することが好ましい。好ましくは、150℃から200℃の範囲に制御することが好ましい。
これは、四塩化チタンガスの出口温度が200℃を超えるようになると、凝縮塔7に持ち込まれる四塩化チタンガス中に含まれるニオブやアルミニウムの塩化物の量が増加して、当該工程で凝縮回収される四塩化チタン中のニオブやアルミニウムの濃度が上昇して好ましくないためである。
また、冷却塔3の出口での四塩化チタンガスの温度を150℃以下に制御しようとすると、冷却塔3における四塩化チタンスラリーの乾燥が不充分となり、乾燥残さを水処理する場合の白煙の発生原因になる。
このため、前記したように、四塩化チタンガスの出口温度を150℃から200℃の温度範囲になるように制御することが好ましく、また、できる限り一定になるように制御することが好ましい。
四塩化チタンガスの出口温度を一定に制御するためには、冷却塔3の出口温度を連続的に検出して、冷却塔3に供給する四塩化チタンスラリーの噴霧量を自動的に制御する設備仕様とすることで達成できる。
四塩化チタンスラリーの噴霧量について、調整可能とするため、四塩化チタンスラリー供給装置9を例えば次に述べるような構成とすると良い。以下、冷却塔3に設けられた四塩化チタンスラリー供給装置9について説明する。四塩化チタンスラリー供給装置9は、図示しない供給管と、この供給管に連結された噴霧ノズルとから構成されている。供給管には、移送手段としてのポンプ及び移送管を介して、蒸留工程より四塩化チタンスラリーが供給される。
四塩化チタンスラリー供給装置9の噴霧ノズルからは、冷却塔3内を上昇する四塩化チタンガスの流れに向けて、四塩化チタンスラリーが噴霧される。四塩化チタンスラリー供給装置9は複数配設されており、それぞれの四塩化チタンスラリー供給装置9の噴霧ノズルから四塩化チタンスラリーが噴霧される。
各噴霧ノズルに対する最適流量は、それぞれ異なるように構成されているので、塩化炉1から導かれる四塩化チタンガス流量に応じた最適な噴霧ノズルを選択することにより、四塩化チタンスラリーの噴霧量を好適に調整することができる。
例えば、四塩化チタンガスの生成量が多い夜間では、大流量の四塩化チタンスラリーを供給可能な噴霧ノズルを備えた各四塩化チタンスラリー供給装置9を使用し、四塩化チタンガスの生成量が少ない昼間では、小流量の四塩化チタンスラリーを供給する噴霧ノズルを備えた各四塩化チタンスラリー供給装置9を選択的に使用する。
なお、噴霧ノズルの選択及び切換えは、手動もしくは自動で行う。自動で行う場合は、例えば、四塩化チタンスラリーの集積部と、各四塩化チタンスラリー供給装置9へとの間に制御機器を配設することで達成される。
制御機器には、四塩化チタンガスの出口温度に応じて、各四塩化チタンスラリー供給装置9への四塩化チタンスラリーの供給量を調整する処理を実行させる制御部及びプログラムが搭載される。そして、プログラムに従って、各四塩化チタンスラリー供給装置9へのスラリー供給の有無や、その供給量が調整される。なお、四塩化チタンガスの出口温度に加えて、塩化炉1での四塩化チタンガスの生成量や、予め決められた時間帯に応じて噴霧ノズルを予め選択しておき、四塩化チタンスラリーの供給量を調整する構成としても良い。
このようにして、塩化炉1から排出される四塩化チタンガスの量に応じて、冷却塔3に適量の四塩化チタンスラリーが噴霧され、四塩化チタンガスの冷却と、四塩化チタンスラリーの乾燥がバランス良く行われ、四塩化チタンガスの出口温度が一定に保たれる。
なお、使用されていない四塩化チタンスラリー供給装置9を、そのまま冷却塔3内で高温の四塩化チタンガス中にさらしておくと、噴霧ノズルまたは供給管に残留した四塩化チタンスラリーに含まれる固形分が乾固し、噴霧ノズルまたは供給管が閉塞してスラリー噴霧を再開できない場合が考えられる。
このため、使用されていない四塩化チタンスラリー供給装置9については、窒素ガス等の不活性ガスを常に流通させておく方が好ましい。これにより、噴霧ノズル及び供給管の閉塞を防止することができる。
或いは、四塩化チタンスラリーを噴霧した後、蒸留工程を経て形成された精製四塩化チタンを、短時間に供給して、噴霧ノズルと供給管を洗浄するようにしても良い。或いは、供給管にドレン抜き部を設け、定期的に供給管内の滞留物を抜き取るようにしても良い。
さらにまた、四塩化チタンスラリーを供給していないときには、四塩化チタンスラリー供給装置9を、冷却塔3の外に退避させておくことも、ノズル閉塞防止の上からは有効な手段の一つである。この場合は、四塩化チタンスラリー供給装置9の収納部を設け、四塩化チタンスラリーを供給していないときには、収納部に位置させるようにすると良い。
四塩化チタンスラリー供給装置9を収納部に退避させるときは、ゲートバルブやシール部材を用いて、四塩化チタンスラリー供給装置9の移動に伴って外部からの空気が冷却塔3に侵入したり、或いは冷却塔3内の四塩化チタンガスが外部へ漏れないようにすることが好ましい。また、このような構成をとることで、噴霧ノズルが高温の四塩化チタンガスと接触することが避けられるので、噴霧ノズルの閉塞防止にも有効である。
四塩化チタンスラリー供給装置9の噴霧ノズルとしては、種々の形式のものが利用できるが、四塩化チタンスラリーの乾燥を十分に行うという点から、できる限り微粒滴が得られ、しかも目詰まりしにい噴霧ノズルを選択することが望ましい。
また、四塩化チタンスラリーの供給量によらず、噴霧液滴の粒径が変化しがたい特性を有する噴霧ノズルを選定することが好ましい。さらに、噴霧された四塩化チタンスラリーの滴が微粒で、しかも高い流量を確保できる噴霧ノズルが好ましい。
なお、噴霧ノズルから噴霧される四塩化チタンスラリーの噴霧角が、30°〜100°、好ましくは50°〜90°となるよう構成することにより、四塩化チタンスラリーが冷却塔3の内壁に衝突することを回避でき、冷却塔内面への固形物の付着防止にも好適である。
前記の冷却塔3の頂部から噴霧される四塩化チタンスラリーの液滴は乾燥を十分に行うという点からは微細にして、比表面積を大にして、高温ガスとの接触面積を増やすことが好ましい。具体的には、体積メジアン径を400μm以下、さらに好ましくは300μm以下にすることが好ましい。ただし、過度に微細な液滴を生成させようとすると噴霧ノズルの口径を小さくする必要があり、ひいてはノズルの閉塞を伴う場合があるので数10μm程度を下限にするようなノズルを選定する方が現実的である。噴霧ノズルとしては、スプレー乾燥用の一般的な噴霧ノズルを利用することができるが、固形スラリーを噴霧媒体とするため耐磨耗性のある材料を選択することが好ましい。
前記した微細な液滴のスラリーを噴霧するには、噴霧ノズルの口径を小さくする以外に、適切な背圧を選ぶことも重要である。本発明では、背圧を5Kg/cmG〜30Kg/cmG程度とすることが好ましい。このような背圧を選択することで、前記したような微細な四塩化チタンスラリーの液滴を生成することができる。
一方、塩化炉1から冷却塔3に導かれた四塩化チタンガスが冷却される間に、当該四塩化チタンガス中に含まれる鉄やアルミニウム、ニオブあるいはマンガン等の塩化物ガス成分も凝縮乾燥されて、冷却塔3の底部に沈降する。また、塩化炉1から排出された四塩化チタンガス中に含まれる鉱石やコークス等の微粉も同時に沈降分離される。
冷却塔3の底部に沈積した乾燥残さは、系外に抜き出された後、固形残さ処理設備8において水処理される。乾燥残さは、冷却塔3の底部に内装された粉体切り出し装置(図示せず)により、間欠的に系外に抜き出される。
なお、冷却塔3に四塩化チタンガスを導入する際に、四塩化チタンガスを、冷却塔3の円周と斜めに直交する方向に導入して、冷却塔3内に旋回上昇流を形成させるようにしても良い。
上記のように、四塩化チタンガスを旋回上昇させることにより、四塩化チタンスラリを噴霧したときに、四塩化チタンガスと液状四塩化チタンスラリーをより均一に熱交換することができ、四塩化チタンガスの冷却と、四塩化チタンスラリーの乾燥を同時に好適に行うことができる。
また、このような旋回流を形成することにより、四塩化チタンガス中の残さが冷却塔3の内壁に固着成長することを抑制することもできる。
なお、より効率よく四塩化チタンガスの冷却を行うために、冷却塔3の周りにジャケットを設けてそこに冷却用ガスを流し、外壁温度を200℃〜400℃に保持し、冷却塔3の周りからの冷却を促進するようにしても良い。
冷却塔3で不純物成分が除去された四塩化チタンガスは、凝縮塔7に導かれて四塩化チタンの沸点以下まで冷却されて液状四塩化チタンが回収される。当該液状四塩化チタンには、若干の固形不純物や液状の不純物が含まれているので粗四塩化チタンと呼ばれる場合がある。
凝縮塔7の頂部からは、冷却された液状四塩化チタンが噴霧される。凝縮塔7に導入された四塩化チタンガスは、上記冷却された液状四塩化チタンと接触して熱交換され液状の粗四塩化チタンが得られる。
凝縮塔7では、上記のように液状四塩化チタンが噴霧される他、水冷ジャケット等を併設することにより、四塩化チタンガスの冷却が行われる。凝縮塔7において凝縮された粗四塩化チタンは、蒸留工程に送られる。なお、凝縮塔7で四塩化チタンガスが凝縮除去された残りのガスは、排ガス処理設備に導かれて処理される。
蒸留工程に送られた粗四塩化チタンは、図示しない精留塔を通過させることで不純物が除去され精製四塩化チタンとなる。一方、精製中に分離された不純物は四塩化チタンスラリーの形で副生する。この四塩化チタンスラリーは、前記したように、冷却塔3に戻されて噴霧乾燥処理される。
なお、冷却塔3と凝縮塔7の間に、導管4及び6を介して、ガスサイクロン5を介装させることもできる。ガスサイクロン5を設けることにより、冷却塔3から排出される四塩化チタンガスに含まれる固形物や不純物を効果的に除去することが可能となる。
すなわち、塩化炉1で生成された四塩化チタンガスは、冷却塔3を通過する間に、大半の固形物や冷却中に析出した不純物が沈降分離される。しかし、四塩化チタンガスは冷却塔3内を下方から上方に流れているので、重力よりも四塩化チタンガスの流れの抵抗が大きい場合には、析出した不純物は沈降せずに、冷却塔3の下流にある凝縮塔7に逸流する。
凝縮塔7に持ち込まれた微粒残さは、液化した四塩化チタンと共に粗四塩化チタンとして蒸留工程に導かれて精製される。蒸留工程では、微粒残さは四塩化チタンスラリーとして分離されるので、凝縮塔7に持ち込まれる微粒残さの量が多くなれば、冷却塔3で乾燥処理される四塩化チタンスラリーの量も増加することになる。このため、凝縮塔7に入る前に、前記の微粒残さをできるだけ系外に排出しておくことが好ましい。
冷却塔3と凝縮塔7との間にガスサイクロン5を介装させることは、冷却塔3から排出される四塩化チタンガスに含まれる微粒残さの分離除去には有効であり、これにより、系内を循環する残さ量を減らすことができるので、処理すべき四塩化チタンスラリーの量も減少させることができるという好ましい状況をもたらす。
なお、鉱石の種類や工程の変動により四塩化チタンガスの温度制御に比べて、四塩化チタンスラリーの処理が問題となる場合には、塩化炉1で発生した四塩化チタンガスを冷却塔3の上方から下方に向けて流し、また、四塩化チタンスラリーも上方から下方に向けて流し、両者を並流接触させると良い。
すなわち、高温の四塩化チタンガスと四塩化チタンスラリーを並流に接触させることで、四塩化チタンスラリー中の固形物や、四塩化チタンガスの冷却中に析出する微細な固形残さを、冷却塔3の底部にて効率良く回収することができる。したがって、冷却塔3の下流に位置する凝縮塔7への微粒残さの逸流を抑制でき、系内に滞留する残さの量も抑制することできる。
本発明の製造方法により、四塩化チタンの製造を行った。
15000L/minの塩素ガスを塩化炉に供給し、四塩化チタンスラリーを冷却工程の冷却塔頂部から噴霧した。四塩化チタンスラリーの噴霧量は、冷却塔出口温度が200℃近傍に一定になるように自動制御させて行った。
その結果、目標温度に対して、±10℃の範囲内で制御することができた。また、冷却塔底部に回収された残さの乾燥状態は良好であり、水処理時に白煙が発生することはほとんどなかった。
本発明の四塩化チタンの製造方法を示す説明図である。 四塩化チタンの製造に用いられる製造装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 塩化炉
2 接続導管
3 冷却塔
4 導管
5 ガスサイクロン
6 導管
7 凝縮塔
8 固形残さ処理設備
9 四塩化チタンスラリー供給装置
S 四塩化チタン製造装置

Claims (6)

  1. 塩化炉にてチタン鉱石を塩素化した後、冷却工程、凝縮工程、蒸留工程を経て四塩化チタンを製造する方法において、
    前記塩化炉下流側に位置する冷却工程の冷却塔内で、固形不純物と液状不純物及び液状四塩化チタンからなる四塩化チタンスラリーを噴霧して生成された体積メジアン径が300μm以下の液滴と前記塩化炉で生成した四塩化チタンガスを接触させ、前記四塩化チタンスラリー中の固形不純物の乾燥と、前記四塩化チタンガスの前記冷却工程の出口温度を四塩化チタンの沸点以上であって200℃以下となるような冷却操作とを同時に行なうものであって、前記四塩化チタンガスは前記冷却塔の円周方向と斜めに直交する方向に導入される、前記四塩化チタンスラリーは噴霧角を50°〜90°としたことを特徴とする四塩化チタンの製造方法。
  2. 前記冷却工程では、前記四塩化チタンガス中に含まれる不純物成分を凝縮乾燥することを特徴とする請求項1記載の四塩化チタンの製造方法。
  3. 前記四塩化チタンガスと前記四塩化チタンスラリーとを接触させる工程において、前記四塩化チタンガスを鉛直方向に下方から上方に向けて流し、前記四塩化チタンスラリーを上方から下方に向けて噴霧することを特徴とする請求項1記載の四塩化チタンの製造方法。
  4. 前記四塩化チタンガスと前記四塩化チタンスラリーとを接触させる工程において、前記四塩化チタンガスを鉛直方向から下方に向けて流し、前記四塩化チタンスラリーを上方から下方に向けて噴霧することを特徴とする請求項1記載の四塩化チタンの製造方法。
  5. 前記四塩化チタンスラリーを高圧噴霧して前記四塩化チタンガスと接触させることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の四塩化チタンの製造方法。
  6. 前記四塩化チタンスラリーの噴霧圧力を5Kg/cmG〜30Kg/cmGとすることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の四塩化チタンの製造方法。
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