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JP2007186580A - 重合体粒子、蛍光性重合体微粒子、重合体微粒子の製造方法、蛍光性重合体微粒子の製造方法、蛍光検出キット及び蛍光検出方法 - Google Patents

重合体粒子、蛍光性重合体微粒子、重合体微粒子の製造方法、蛍光性重合体微粒子の製造方法、蛍光検出キット及び蛍光検出方法 Download PDF

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JP2007186580A JP2006005181A JP2006005181A JP2007186580A JP 2007186580 A JP2007186580 A JP 2007186580A JP 2006005181 A JP2006005181 A JP 2006005181A JP 2006005181 A JP2006005181 A JP 2006005181A JP 2007186580 A JP2007186580 A JP 2007186580A
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Naonori Makino
直憲 牧野
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Abstract

【課題】検出対象物質と効率よく反応して、高感度な検出を行う。
【解決手段】疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子であって、前記親水性シェルを形成する水溶性ポリマーが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー、例えば(1)アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーと、反応性基を含有する水溶性マクロモノマー、例えば(2)水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーからなる複数の水溶性ポリマー主で構成された重合体粒子と、該重合体粒子に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素と、を含む蛍光性樹脂微粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合体微粒子、蛍光性重合体微粒子、重合体微粒子の製造方法、蛍光性重合体微粒子の製造方法、蛍光検出キット及び蛍光検出方法に関する。
微量な物質を視覚化又は定量するために、種々の標識物が開発されてきた。特に高感度を必要とする分野では、ラジオアイソトープが代表的な標識物であり、トリチウムや放射性ヨウ素等が代表例として用いられている。しかし、放射性物質の使用には、使用後の廃棄や取り扱いに多くの課題があるため、放射性物質に代わる手法が開発された。このような手法としては、例えば酵素標識法(ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、又はβ−D−ガラクトシダーゼ等が利用)や、蛍光物質標識法(フルオレッセイン又はローダミン等が利用)が挙げられる。
しかしこれらの方法では、標識としての絶対的感度が不足するという欠点がある。
測定の精度及び感度を上昇させるために、蛍光物質標識法の一つの発展型として時間分解蛍光測定が開発された(例えば、特許文献1)。この方法は、ユーロピウムキレートに代表される蛍光消光時間の長い蛍光物質にパルスの励起光を照射し、直接の励起光や周辺物質に起因する短い蛍光が消光する一定時間の後に蛍光を測定して、ユーロピウム特異的蛍光を測定する方法である。
更に、感度を上げるために、このユーロピウムキレートや色素をポリスチレン粒子に閉じこめ、ポリスチレン粒子の表面に抗原又は抗体をコートして試薬とし、抗原抗体反応によって固定化されたポリスチレン粒子を視覚的に検出しようとする試みもなされている(例えば、特許文献2)。
しかし、色素や蛍光物質をポリスチレン粒子に閉じこめて標識物質とする公知の方法では、簡便な操作で或る程度の感度が得られるものであるが、感度的に満足できるものでなく、更なる高感度化が求められていた。
更に、表面が疎水性ポリスチレンであるという特質から、(1)コートしたい抗原又は抗体等の機能性分子を結合した後、非結合表面にタンパク質や種々の生体物質の類似物質をコートしてポリスチレンの疎水性を覆い隠す方法、あるいは、(2)反応時に液体中に界面活性剤を加えてポリスチレン粒子が相互に影響し合うのを防ぐ方法等といった種々の工夫をして用いてきた。しかし、それでも非特異的な反応による判定の誤りが生まれることがあった。
一方、ポリスチレン粒子に起因する非特異的反応を改良するために、ポリエチレンオキシ基の片末端に反応性基を有し、もう一方の末端にラジカル重合性基を有する水溶性マクロモノマーと疎水性ラジカル重合性モノマーとの重合により、水不溶性高分子化合物からなるコアと反応性基を有する水溶性シェル部分とからなるコアシェル型微粒子を作成し、コア部分に蛍光色素を封入する技術及び、これによって得られた高い蛍光強度を安定して有する蛍光分析用組成物などが開発された(例えば、特許文献3)。ここで用いられる末端に官能基を有するポリエチレンオキシ基を有する水溶性マクロモノマーは、完全無水条件下でのアニオン重合反応を含む反応経路によって得られるものである。
特開昭61−128168号公報。 特開2000−345052号公報。 国際公開第2002/097436号パンフレット
しかし、このコアシェル型微粒子を利用した方法では、非特異的な反応によるノイズが抑制できるものの、蛍光強度的には満足できるものでない。また、被検出物質との反応性も充分でない。
本発明の目的は、非特異的吸着が効果的に抑制されると共に、被検出物質と効率よく反応する重合体微粒子と、この重合体微粒子を用いて高い蛍光強度を有する蛍光性重合体微粒子と、このような蛍光性重合体微粒子を用いて検出対象物質を高感度に検出することができる蛍光検出用複合体、蛍光検出キット及び蛍光検出方法とを提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成すべく、特に重合体微粒子合成時に用いる水溶性マクロモノマーに関して、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
[1] 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子であって、前記親水性シェルを形成する水溶性ポリマーが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーで構成されていることを特徴とする重合体粒子。
[2] 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子の製造方法であって、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーと、ラジカル発生剤との存在下、水系溶媒中で疎水性ラジカル重合性モノマーを分散重合することを含む重合体粒子の製造方法。
[3] 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子と、該重合体粒子に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素と、を含む蛍光性樹脂微粒子であって、前記重合体粒子が上記[1]記載のものであることを特徴とする蛍光性樹脂微粒子。
[4] 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子と、該重合体粒子に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素と、を含む蛍光性樹脂微粒子の製造方法であって、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーと、ラジカル発生剤との存在下、水系溶媒中で疎水性ラジカル重合性モノマーを分散重合して、コアシェル型の重合体粒子を形成すること、得られたコアシェル型の重合体粒子に、前記ランタノイド色素を導入することを含む蛍光性重合体微粒子の製造方法。
[5] 前記蛍光性重合体微粒子と、該蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質と、で構成された蛍光検出用複合体。
[6] 前記蛍光性重合体微粒子と、該蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質とを用いて、該検出対象物質を検出することを特徴とする蛍光検出方法。
[7] 前記蛍光性重合体微粒子を含む蛍光検出キット。
ここで、前記反応性基を含有する水溶性マクロモノマーの数平均分子量が、前記反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーの数平均分子量の少なくとも1.5倍大きいことが好ましい。
また、前記反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーが、アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーであり、前記反応性基を含有する水溶性マクロモノマーが水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーであることが好ましい。
またここで、前記疎水性コアを形成する疎水性ポリマーは、前記水溶性マクロモノマーの片末端に結合していることが好ましい。
また、前記ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーが下記一般式(I)で表され、前記水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーポリマーまたは前記水溶性ビニルマクロモノマーが下記一般式(II)または下記一般式(III)で表されるものであることが好ましい。
上記一般式において、M1はエチレン基、M2は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。R3、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。R5は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R6は、水素原子、ホルミル基またはアセチル基を表す。R7、R8は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、お互いに結合して含窒素環を形成してもよい。Lは、2価の連結基を表す。Zは、ポリマー主鎖末端に結合する原子団を表す。m1は1以上の繰り返し数を表す。m2は0以上の繰り返し数を表す。xおよびyは、1以上の繰り返し数を表す。wは0以上の繰り返し数を表す。
上記蛍光性重合体微粒子において、前記蛍光性ランタノイド色素は、下記一般式(L−I)で表される含窒素複素環含有配位子を少なくとも1個有することものであることが好ましい。
一般式(L−I)において、A1、A2、A3は、下記一般式(L−II)〜(L−V)で表される原子団、または水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基を表し、互いに同一であってもよい。B1、B2は、それぞれ独立に、窒素原子または=C(−R20)−を表し、R20は水素原子または置換基を表す。
各式中R11〜R19は、それぞれ水素原子または置換基を表す。R17とR18、R18とR19およびR17とR19は可能な場合には互いに結合して環を形成してもよい。nは0、1又は2を表す。Gは置換基を有してもよい炭素原子又は窒素原子を表す。Qは5員環又は6員環の含窒素複素環を形成するのに必要な原子団を表し、さらに含窒素複素環は縮合環を形成してもよい。Ar1は芳香族炭素環、芳香族複素環を表す。一般式(L−II)〜(L−V)において、#は一般式(L−I)で表される含窒素複素環と結合する位置を表す。]
なお、前記水溶性マクロモノマー、特に水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーが、アミノ基前駆体部分を含むものであり、該アミノ基前駆体を活性化することを更に含むことが好ましい。
本発明によれば、重合体粒子を構成する親水性シェルが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーで構成されているので、被検出物質と効率よく反応すると共に非特異的吸着が効果的に抑制された重合体微粒子と、この重合体微粒子を用いて高い蛍光強度を有する蛍光性重合体微粒子と、このような蛍光性重合体微粒子を用いて検出対象物質を高感度に検出することができる蛍光検出用複合体、蛍光検出キット及び蛍光検出方法とを提供することができる。
本発明の重合体粒子は、疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子であって、前記親水性シェルを形成する水溶性ポリマーが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーで構成されていることを特徴としている。
本重合体粒子は、重合体粒子を構成する親水性シェルが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーで構成されているので、反応性基と抗原又は抗体などの検出対象物質との結合において、反応性基を含有する水溶性マクロモノマーのみで構成された親水性シェルと比較して、親水性シェルを形成する他のポリマー鎖の立体障害を小さくすることができ、高効率で検出対象物質と反応することができ、検出感度を高めることができる。
また、この場合、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーの数平均分子量の方が、反応性基を含有する水溶性マクロモノマーの数平均分子量よりも大きいことが、親水性シェルからより外側に反応性基を配置することができるため好ましく、より確実に外側に反応性基を配置するためには、反応性基を含有する水溶性マクロモノマーの数平均分子量が反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーの数平均分子量の少なくとも1.5倍大きいことが更に好ましい。
以下に一例を示す。
親水性シェルを構成する前記複数の水溶性マクロモノマーは、上記構成を有するものであれば特に制限されないが、非特異的吸着抑制の観点から、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーが、(1)アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーであり、反応性基を含有する水溶性マクロモノマーが、(2)水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーであることが好ましく、これらを共に有するものであることが更に好ましい。このような水溶性マクロモノマーにすることによって、親水性シェルの親水性が高く、非特異的吸着を効果的に抑制することができる。また、水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマー又は水溶性ビニルマクロモノマーは、共にラジカル重合性モノマーであるため、連鎖移動剤及び重開始剤を用いて重合し、連鎖移動剤に由来する反応性ポリマー片末端に、ラジカル重合性基を導入することで合成できるため、反応操作が容易であり、簡便に得ることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
(1)アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマー
本発明にかかるアルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーは、重合性二重結合をポリアルキレンオキシポリマーの主鎖末端に有する。本水溶性マクロモノマーは、後述するように、水系溶媒中において、ラジカル重合性モノマーと重合開始剤の反応で生成したラジカル種と反応し、他の水溶性マクロモノマーと共に親水性シェルを構成し、水溶性マクロモノマーの末端に結合した疎水性ラジカル重合性モノマーから構成された疎水性ポリマーを疎水性コアとするコアシェル型樹脂微粒子を形成する。
上記アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーとしては、粒子形成容易性の観点から下記一般式(I)で表されるマクロモノマーであることが好ましい。
上記一般式において、M1はエチレン基、M2は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。アルキレン基の具体例としては、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基をあげることができる。
1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を表し、直鎖、分岐、環状いずれの形式であってもよい。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素をあげることができる。R1としては、粒子形成の観点から水素原子、メチル基が好ましい。
2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基の具体例としては、前述のR1のアルキル基の具体例と同じものをあげることができる。R2としては、粒子形成容易性の観点からメチル基が好ましい。
Lは、2価の連結基を表し、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等)、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等)、−COO−、−OCO−、−(CH2tCOO−、−(CH2kOCO−、−O−、−SO2−、−CONHCOO−、−CONHCONH−、−CON(R9)−、−SO2N(R9)(ここでR9は水素原子または炭素数1〜22のアルキル基等の炭化水素基を示し、tは、1、2又は3の整数を示し、kは1〜4の整数を示す)、または、下記一般式(IA)で表される原子団、
(L1は単結合、メチレン、−O−、−OCO−又は−COO−を表わす)、およびこれらの組み合わせによって形成される2価の原子団を表す。アルキレン基、アルキレンオキシ基、一般式(IA)で表される原子団の場合、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アリール基、水酸基、アミノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、アミド基、ウレイド基およびハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基などが挙げられる。ここで挙げた置換基の例において、水素原子以外の原子数は1乃至50が好ましく、より好ましくは1乃至30であり、1乃至20が最も好ましい。
また、Lにおいて、−CON(R9)−、−SO2N(R9)−の連結基におけるR9は、好ましくは水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基を表す。
Zは、ポリマー主鎖末端の片末端に直接連結する結合、または任意の連結基を介した結合基を表す。
結合基としては炭素原子−炭素原子結合(一重結合あるいは二重結合)、炭素原子−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組合せで構成されるものである。例えば、
1、Z2は各々、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)等を示す。Z3、Z4は各々、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基等)または−OZ5等が挙げられ、Z5は、Z3における炭化水素基と同じ意味を表す。
1は1以上の繰り返し数を表す。m2は0以上の繰り返し数を表す。
1とm2の合計を仮に100とした場合、m1は、水溶性マクロモノマーの水溶性の観点から10〜100の範囲が好ましく、20〜100が更に好ましく、50〜100が特に好ましい。この場合、m2は、(1)の水溶性マクロモノマーの水溶性の観点から0〜80の範囲が好ましく、0〜50が更に好ましく、0〜20が特に好ましい。
(1)アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーとしての数平均分子量は、種々のものを適宜使用することができるが、微粒子形成の観点から好ましくは、100〜100000、更に好ましくは200〜10000である。数平均分子量の測定は、この用途に通常用いられる測定方法であればいずれも使用することができるが、GPC測定を使用することが好ましい。
本発明において(1)アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーとしては、市販のマクロモノマーを使用することができる。市販品の具体例としては、日本油脂株式会社製のブレンマー(登録商標、以下同じ)PME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、新中村化学工業株式会社製のメトキシポリエチレングリコールアクリレートAM−90G、メトキシポリエチレングリコールアクリレートAM−230G、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートM−90G、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートM−230Gを挙げることができる。
(2)水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマー、水溶性ビニルマクロモノマー
本発明にかかる水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーおよび水溶性ビニルマクロモノマーは、重合性二重結合をポリマー主鎖末端に有する。本水溶性マクロモノマーは、後述するように、水系溶媒中において、ラジカル重合性モノマーと重合開始剤の反応で生成したラジカル種と反応し、他の水溶性マクロモノマーと共に親水性シェルを構成し、水溶性マクロモノマーの末端に結合した疎水性ラジカル重合性モノマーから構成された疎水性ポリマーを疎水性コアとするコアシェル型樹脂微粒子を形成する。
また(2)の水溶性マクロモノマーは、後述する連結物質[例えば、生理活性物質(例えば、抗体、酵素、又はDNA]と連結可能な反応性官能基を有することができる。
反応性官能基は、上記水溶性ポリマー形成時の(2)の水溶性マクロモノマーに導入してもよく及び/又は、後述するコア部分表面に結合させた後から(2)の水溶性ポリマーに導入することができる。(2)の水溶性マクロモノマー形成時に反応性官能基として導入することが、反応性官能基反応性の導入率を調整することができるため好ましい。
これらの反応性官能基は、いずれも水(又は水系溶媒)中で安定であり、しかも、本発明の蛍光性重合体粒子を標識物質として使用する際の連結物質[例えば、生理活性物質(例えば、抗体、酵素、又はDNA)]と反応可能な官能基である限り、特に限定されるものではない。重合体微粒子表面に設ける官能基として好適なのは、アルデヒド基、カルボキシル基、メルカプト基、酸塩化物基等の酸ハロゲン化物基、酸無水物基、エステル基、アミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、メタンスルホニル基、チオール基、水酸基、およびアミノ基等およびこれらの前駆体構造で、中でもアルデヒド基、カルボキシル基、酸塩化物基、酸無水物基、マレイミド基、チオール基、アミノ基等が更に好適で、アルデヒド基、マレイミド基、チオール基及びアミノ基およびこれらの前駆体構造が好適である。なお、エステル基は加水分解により容易にカルボキシル基に変換できるので、エステル基を表面に有する重合体微粒子は有用な中間体である。
これらの連結物質を結合するための官能基量は、本発明の重合体微粒子の単位質量当たりの官能基当量として表現すると、通常、0.001〜0.5ミリ当量/グラム、好ましくは0.005〜0.2ミリ当量/グラム、より好ましくは0.01〜0.1ミリ当量/グラム、更に好ましくは0.02〜0.07ミリ当量/グラム、最も好ましくは0.03〜0.05ミリ当量/グラムとする。
ここで上記(2)の水溶性マクロモノマーとしては、粒子形成性の観点及び、後述する連結物質との反応性の観点から下記一般式(II)または(III)で表されるマクロモノマーであることが好ましい。
上記一般式(II)及び(III)において、R1、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を挙げることができ、直鎖、環状のいずれであってもよい。また、アルキル基は、置換基を有してもよく、置換基の例としてアリール基、水酸基、アミノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、アミド基、ウレイド基およびハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基などが挙げられる。ここで挙げた置換基の例において、水素原子以外の原子数は1乃至50が好ましく、より好ましくは1乃至30であり、1乃至20が最も好ましい。アリール基が置換基を有している場合、好ましい置換基の例としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、スルホニル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基またはカルボキシル基などが挙げられる。R1、R3、R4としては、粒子形成の観点から水素原子、メチル基が好ましい。
5は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基をあげることができ、このうち、R5としては、(2)の水溶性マクロモノマーの水溶性の観点から水素原子、メチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
6は、水素原子、ホルミル基またはアセチル基を表す。
7、R8は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、お互いに結合して含窒素環を形成してもよい。アルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げることができる。お互いに結合して含窒素環を形成している場合の、含窒素複素環の例として、ピロリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ピロリドン環、ピロール環を挙げることができる。R7、R8としては、マクロモノマーの水溶性、粒子形成性の観点から、R7がメチル基かつR8が水素原子または、R7、R8でピロリドン環を形成することが好ましい。
Lは、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等)、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等)、−COO−、−OCO−、−(CH2tCOO−、−(CH2kOCO−、−O−、−SO2−、−CONHCOO−、−CONHCONH−、−CON(R9 −、−SO2N(R9)(ここでR9 は水素原子または炭素数1〜22のアルキル基等の炭化水素基を示し、tは、1、2又は3の整数を示し、kは1〜4の整数を示す)、または、下記一般式(IA)で表される原子団、
(ここでL1は単結合、メチレン、−O−、−OCO−又は−COO−を表わす)、およびこれらの組み合わせによって形成される2価の原子団を表す。アルキレン基、アルキレンオキシ基、一般式(IA)で表される原子団の場合、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、炭素数1〜6のアルキル基および前述のR1、R3、R4がアルキル基である場合の置換基と同じものをあげることができる。
また、Lにおいて、−CON(R9)−、−SO2N(R9)−の連結基におけるR9は、好ましくは水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基を表す。
Zは、ポリマー主鎖末端の片末端に直接連結する結合、または任意の連結基を介した結合基を表す。
結合基としては炭素原子−炭素原子結合(一重結合あるいは二重結合)、炭素原子−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組合せで構成されるものである。例えば、
1、Z2は各々、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)等を示す。Z3、Z4は各々、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基等)または−OZ5等が挙げられ、Z5は、Z3における炭化水素基と同じ意味を表す。
xおよびyは、1以上の繰り返し数を表す。wは0以上の繰り返し数を表す。
xとyの合計を仮に100とした場合、xは、(2)の水溶性マクロモノマーの水溶性の観点から10〜99の範囲が好ましく、20〜99が更に好ましく、60〜99が特に好ましい。この場合、yは、連結物質の導入量の観点から1〜60の範囲が好ましく、2〜50が更に好ましく、5〜40が特に好ましい。
また、wとyとの合計を仮に100とした場合、wは、(2)の水溶性マクロモノマーの水溶性の観点から10〜99の範囲が好ましく、20〜99が更に好ましく、60〜99が特に好ましい。この場合、yは、連結物質の導入量の観点から1〜60の範囲が好ましく、2〜50が更に好ましく、5〜40が特に好ましい。
(2)の水溶性マクロモノマーは、まず下記一般式(IV)、(V)および(VI)で表される公知の重合性モノマーを用い、従来公知のラジカル重合(例えばiniferter 法等)、アニオン重合あるいはカチオン重合によって得られるポリマーの末端に種々の二重結合基を含有する試薬を反応させるか、あるいはこのポリマーの末端に特定の反応性基(例えば−OH、−COOH、−SO3H、−NH2、−SH、−PO32、−NCO、−NCS、
、−COCl、−SO2Cl等)を含有した試薬を反応させた後、高分子反応により重合性二重結合基を導入する方法(イオン重合法による方法)、または分子中に上記特定の反応性基を含有する重合開始剤および/または連鎖移動剤を用いてラジカル重合させた後、重合体主鎖の片末端に結合した特定の反応性基を利用して高分子反応を行うことにより重合性二重結合基を導入する方法等の合成法によって容易に製造することができる。
一般式(IV)、(V)および一般式(VI)において、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、前述のR3、R4、R5、R6、R7及びR8と同じ意味を表す。
具体的には、大津隆行、高分子、33 (No.3) 、222 (1984)、P.Dreyfuss & R.P.Quirk, Encycl. Polym. Sci. Eng., 7 , 551 (1987)、中條善樹、山下雄也「染料と薬品」、30, 232 (1985)、上田明、永井進「化学と工業」、60、57 (1986)、P.F.Rempp & E.Franta, Advances in Polymer Science 、58、1 (1984)、伊藤浩一「高分子加工」、35、262(1986)、V.Percec, Applied Polymer Science 、285 、97 (1984) 等の総説およびそれに引用の文献等に記載の方法に従って重合性二重結合基を導入することができる。
さらに、具体的には、(a)一般式で(IV)、(V)および一般式(VI)示される繰り返し単位に相当する単量体の少なくとも1種、および分子中に上記特定の反応性基を含有する連鎖移動剤の混合物を重合開始剤(例えばアゾビス系化合物、過酸化物等)により重合する方法、(b)上記連鎖移動剤を用いずに、分子中に上記特定の反応性基を含有する重合開始剤を用いて重合する方法、あるいは(c)連鎖移動剤および重合開始剤のいずれにも分子中に上記特定の反応性基を含有する化合物を用いる方法、等により重合体主鎖の片末端に特定の反応性基を結合した重合体を合成し、次にこの特定の反応性基を利用して、高分子反応により重合性二重結合基を導入する方法が挙げられる。
用いる連鎖移動剤としては、例えば特定の反応性基または特定の反応性基に誘導しうる置換基を含有するメルカプト化合物{例えば、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール等}、あるいは特定の反応性基または特定の反応性基に誘導しうる置換基を含有するヨード化アルキル化合物(例えばヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等)が挙げられる。好ましくはメルカプト化合物が挙げられる。
また、特定の反応性基または特定の反応性基に誘導しうる置換基を含有する重合開始剤としては、例えば、アゾビス化合物{例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、2,2’−アゾビス(2−シアノペンタノール)、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオアミド]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)}、チオカルバメート化合物{例えば、ベンジルN−メチル−N−ヒドロキシエチルジチオカルバメート、2−カルボキシエチルN,N−ジエチルジチオカルバメート、3−ヒドロキシプロピルN,N−ジメチルジチオカルバメート}等が挙げられる。
これらの連鎖移動剤または重合開始剤の使用量は、各々全単量体100質量部に対して0.01〜10質量部であり、粒子形成の観点から好ましくは0.05〜5質量部である。
(2)の水溶性マクロモノマーの数平均分子量は、特に制限されないが粒子形成の観点から、500〜200,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、2000〜50000が更に好ましい。
また、親水性シェルを形成する他のポリマー鎖の立体障害を小さくして、検出対象物質との反応性を高めるために、(2)の水溶性マクロモノマーは、(1)の水溶性マクロモノマーよりも大きい数平均分子量であることが好ましく、少なくとも1.5倍以上、更に好ましくは2倍〜5倍である。1.5倍未満では、親水性シェルを形成したときに他の水溶性マクロモノマーとの差が小さく、他のポリマー鎖による立体障害によって充分な反応性を得ることができない場合がある。
(2)の水溶性マクロモノマーを合成するためには、水溶性、溶剤溶解性等を調節する目的で、上記(IV)、(V)および一般式(VI)で表されるモノマーに加えて、公知の重合性モノマーを共重合することができる。
公知の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−アセトキシスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、ビニルイミダゾール等のビニルモノマーを挙げることができる。これらの重合性モノマーの共重合量としては、全重合性モノマーに対して0.1〜30モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましい。
以下に水溶性マクロモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<疎水性ラジカル重合性モノマー>
疎水性ラジカル重合性モノマーとしては、公知のラジカル重合性モノマーを使用することができる。
公知のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−アセトキシスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマーを挙げることができる。これらのモノマーは、単独で重合することも可能であり、2種以上のモノマーを共重合しても良い。
また、粒子の強度向上の観点から、粒子ポリマーに架橋構造を導入することが可能である。このためには、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の2価のラジカル重合性モノマーを使用することができる。2価のラジカル重合性モノマーは、粒子を形成する全ラジカル重合性モノマーに対し、1〜20モル%の範囲で使用することができ、2〜10モル%が更に好ましい。
<重合体微粒子>
重合体微粒子の粒径には特に制限はないが、通常、体積平均粒径として0.01〜20μmの範囲とする。特に蛍光検出用複合体として用いる場合には、体積平均粒径が0.01〜2μmであることが好ましい。この値が大きすぎると沈降性等の理由で好ましくなく、逆に小さすぎると発光特性の点で好ましくない。こうした理由で、本発明の重合体微粒子の体積平均粒径はより好ましくは0.05〜1μm、更に好ましくは0.05〜0.5μm、最も好ましくは0.05〜0.3μmである。なお、体積平均粒径は、通常の測定方法で測定することができ、例えば、粒度分布測定装置(コールターN4Plus、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて簡便に測定することができる。
前記コア部分の形状は特に限定されるものではないが、一般的には大略球状あるいは大略楕球状である。また、前記コア部分の寸法も特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜変化させることができるが、大略球状のコア部分の直径は、一般的には5nm〜200nm程度である。
前記コア部分の直径と前記シェル部分の厚さとの比率は、用途に応じて適宜変化させることができる。例えば、コア部分の直径を、例えば、5nm〜200nmとすることができ、また、シェル部分の厚さを、例えば、5nm〜500nmとすることができる。
<重合体微粒子の製造方法>
本発明にかかる重合体微粒子は、(1)ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーと(2)水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーと、ラジカル発生剤の存在下、前記のスチレン誘導体やアクリル酸誘導体等の疎水性ラジカル重合性モノマーを、水系溶媒中に分散し、ラジカル重合させることによって製造することができる。
重合においては、ラジカル重合性モノマーと(1)及び(2)の水溶性マクロモノマーとを全量、水系溶媒、即ち水または含水有機溶媒中に混合溶解し、ラジカル発生剤(重合開始剤)を添加する方法が可能であるが、反応温度、及び粒子径を制御するために、水溶性マクロモノマーをあらかじめ溶解した水または含水有機溶媒中に、ラジカル重合性モノマー及び重合開始剤を徐々に添加する方法も好ましい。
水溶性マクロモノマーの使用量は、目的とする粒径、コア部分とシェル部分との比率、ラジカル重合性モノマーの種類に応じ、適宜調整することができる。粒子形成性の観点から、ラジカル重合性モノマーの全質量に対し、1〜300質量%の範囲で使用することができ、得られる微粒子の粒径の観点から20〜200質量%が更に好ましい。
(1)の水溶性マクロモノマーと(2)の水溶性マクロモノマーとの使用比率は、検出対象物質の種類や使用目的によって種々変更することができるが、検出感度及び粒子形成の観点から、(1):(2)(質量比)として、10:90〜90:10であることが好ましく、20:80〜80:20であることが更に好ましい。
好適な含水有機溶媒としては、例えば、水とメタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等との混合物が挙げられる。
ラジカル発生剤として一般的なものは、水溶性のラジカル開始剤、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸リチウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等、ラジカル重合性モノマーまたは含水有機溶媒に溶解性のもの、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等であるが、異種の重合開始剤を併用しても構わない。重合開始剤は、ラジカル重合性モノマーの全重量に対し0.01〜5質量%の範囲で使用することが好ましく、0.1〜3質量%より好ましい。
反応温度は、使用する開始剤の分解温度に応じ適宜設定できるが、40℃〜100℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
なお、本発明の蛍光性重合体微粒子において、本発明の趣旨を著しく損なわない限りにおいて任意の添加剤、例えばトリオクチルフォスフィンオキシドやトリブチルフォスフィンオキシド等の有機リン化合物のように、ランタノイド陽イオンに配位することで水和等による蛍光強度の低下を抑制することのできる添加剤を使用することも可能であり、かかる添加剤は重合時のモノマー溶液にあらかじめ添加しておくことが好適である。
次に、本発明にかかる蛍光性重合体微粒子について説明する。本蛍光性重合体微粒子は、上記の重合体粒子と、その中に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素とを含むものである。
<蛍光性ランタノイド色素>
本発明に用いられる蛍光性ランタノイド色素とは、ランタノイド陽イオンと有機配位子を少なくとも1個有する蛍光色素である。この蛍光色素は、可視光で励起することができ、また該配位子の増感作用(配位子を励起する光のエネルギーによりランタノイド陽イオンが発光する現象)を示す。
配位子として、高蛍光強度及び長い蛍光寿命を有する一般式(L−1)で表される含窒素複素環含有配位子を用いることが好ましい。
一般式(I)において、A1、A2、A3は、下記一般式(L−II)〜(V)で表される原子団、または水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基を表し、互いに同一であってもよい。アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基である場合には、それぞれ重合体微粒子への取り込まれやすさ、溶剤溶解性の観点から炭素数1乃至12であることが好ましい。
1、A2、A3は、蛍光強度、励起波長の調節、ランタノイドイオンとの親和性調節、重合体微粒子への取り込まれやすさ、溶剤溶解性の観点から下記一般式(L−II)〜(V)で表される原子団であることが好ましい。
各式中R11およびR12は、それぞれ水素原子または置換基を表すが、置換基の例としてアルキル基、アリール基、アミノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、ウレイド基およびハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられる。ここで挙げた置換基の例において、水素原子以外の原子数は1乃至50が好ましく、より好ましくは1乃至30であり、1乃至20が最も好ましい。また、置換基がアルキル基を含む場合には環状であっても、鎖状であってもよく、鎖状の場合には直鎖でも分枝しているものであってもよく、飽和であっても不飽和結合を含むものであってもよい。アルキル基やアリール基が置換基を有している場合、好ましい置換基の例としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、スルホニル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基またはカルボキシル基などが挙げられる。
13〜R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R13〜R16が置換基を表す場合、好ましい例としては置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シリル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、スルホニル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、スルホ基またはカルボキシル基であり、より好ましくは置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基またはハロゲン原子またはシアノ基である。
13〜R16に関して、水素を除いた原子数は1〜60が好ましく、1〜45がより好ましく、1〜35が最も好ましい。
17、R18及びR19は水素原子または置換基を表し、R17とR18、R18とR19及びR17とR19は互いに結合して環を形成してもよい。ここで、置換基とは、アルキル基、アリール基、カルボアミド基、スルホンアミド基、アルキオチオ基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びこれらの組合からなる群から選択される置換基を示す。
nは0、1又は2を表す。
17〜R19に関して、水素を除いた原子数は1〜60が好ましく、1〜45がより好ましく、1〜35が最も好ましい。
Gは、炭素原子又は窒素原子を表すが、炭素原子の場合には置換基を有していてもよく、この場合の置換基としてはR11およびR12の例で挙げたものが使用できる。
Qは5又は6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、さらに該含窒素複素環は縮合環を形成していてもよい。また、R17、R18又はR19と結合して環を形成してもよい。
以下にQとして好ましい複素環の例を挙げる。以下の例においては複素環の骨格を表すものであり、部分的に飽和された骨格として用いられてもよく、ヘテロ原子の位置はそれぞれの環系で適宜選択が可能であり、縮合環については任意の位置で縮合してもよい。また、これらの環の組み合わせで表される環であってもよい。
ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、セレナゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、オキサジン、チアジン、オキサジアジン、チアジアジン、ピロロピロール、インドール、ピロロピラゾール、ピロロイミダゾール、ピロロトリアゾール、ピロロテトラゾール、チエノピロール、ピロロオキサゾール、チエノピロール、ピロロオキサゾール、ピロロチアゾール、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピラジン、ピロロピリダジン、ピロロトリアジン、ピロロテトラジン、ピロロオキサジン、ピロロチアジン、ピロロオキサジン、ピロロチアジアジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾセレナゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ベンゾトリアジン、ベンゾオキサジン、ベンゾチアジン、ピラゾロピラゾール、ピラゾロオキサゾール、ピラゾロチアジアゾール、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロピラジン、ピラゾロピリダジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロオキサジン、ピラゾロチアジン、ピラゾロチアジアジン、イミダゾロピラゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、チエノピラゾール、フロピラゾール、ピラゾロオキサゾール、イミダゾロイミダゾール、イミダゾロトリアゾール、イミダゾロテトラゾール、チエノイミダゾール、フロイミダゾール、イミダゾロオキサゾール、チエノイミダゾール、イミダゾロオキサジアゾール、イミダゾロチアジアゾール、イミダゾロセレナゾール、イミダゾロピリジン、イミダゾロピリミジン、イミダゾロピラジン、イミダゾロピリダジン、イミダゾロトリアジン、イミダゾロオキサジン、イミダゾロチアジン、イミダゾロオキサジアジン、イミダゾロチアジアジン、トリアゾロトリアゾール、チエノトリアゾール、フロトリアゾール、トリアゾロオキサゾール、トリアゾロチアゾール、トリアゾロオキサジアゾール、トリアゾロチアジアゾール、トリアゾロピリジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロオキサジン、トリアゾロチアジン、トリアゾロオキサジアジン、トリアゾロチアジアジン、テトラゾロオキサゾール、テトラゾロチアゾール、テトラゾロピリジン、テトラゾロピリミジン、テトラゾロピラジン、テトラゾロピリダジン、テトラゾロオキサジン、テトラゾロチアジン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノオキサゾール、チエノチアゾール、チエノオキサジアゾール、チエノチアジアゾール、チエノセレナゾール、チエノピリジン、チエノピリミジン、チエノピラジン、チエノピリダジン、チエノトリアジン、チエノテトラゾール、チエノオキサジン、チエノチアジン、チエノオキサジアジン、チエノチアジアジン、フロオキサゾール、フロチアゾール、フロオキサジアゾール、フロチアジアゾール、フロピリジン、フロピリミジン、フロピラジン、フロピリダジン、フロトリアジン、フロオキサジン、フロチアジン、オキサゾロオキサゾール、チアゾロオキサゾール、オキサゾロオキサジアゾール、オキサゾロチアジアゾール、オキサゾロピリジン、オキサゾロピリミジン、オキサゾロピラジン、オキサゾロピリダジン、オキサゾロトリアジン、オキサゾロオキサジン、オキサゾロチアジン、オキサゾロオキサジアジン、オキサゾロチアジアジン、チアゾロチアゾール、チアゾロオキサジアゾール、チアゾロオキサジアゾール、チアゾロセレナゾール、チアゾロピリジン、チアゾロピリミジン、チアゾロピラジン、チアゾロピリダジン、チアゾロトリアジン、チアゾロオキサジン、チアゾロチアジン、チアゾロオキサジアジン、チアゾロチアジアジン、ジチオール、ジオキソール、ベンゾジチオール、ベンゾジオキソール。
Qに関して、水素を除いた原子数は4〜70が好ましく、5〜55がより好ましく、6〜45が最も好ましい。
1、B2は、それぞれ独立に、窒素原子または=C(−R20)−を表し、R20は水素原子または置換基を表す。B1及びB2のうち少なくとも一方が窒素原子を表すことが好ましい。
20は水素原子または置換基を表す。R20が置換基を表す場合、好ましくは置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シリル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、スルホニル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基またはカルボキシル基であり、より好ましくは置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子またはシアノ基である。R20に関して、水素原子以外の原子数は1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が最も好ましい。
Ar1は炭素数6〜30の芳香族炭素環、芳香族複素環を表す。芳香族炭素環の例としては、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが好ましく、これらの環に対してさらに環が縮合していてもよい。Ar1は置換基を有する場合、置換基の例としては、前述のR11、R12の置換基の例と同じ基を挙げることができる。
一般式(L−II)〜(L−V)において、#は一般式(L−I)で表される含窒素複素環と結合する位置を表す。
本発明にかかる含窒素複素環配位子としては、蛍光強度及、吸収波長および重合体微粒子への取り込まれやすさの観点から一般式(L−VI)で表されるものが好ましく、更に好ましくは一般式(L−VII)で表されるものが好ましい。
[式中A1は前記一般式(L−I)のA1と同じ意味を表す。R11、R12及びGは、前記一般式(L−II)のR11、R12及びGと同じ意味を表す。]
[式中、R11、R12、R17、G及びQは、前記一般式(L−II)及び(L−IV)のR11、R12、R17、G及びQと同じ意味を表す。]
以下に、本発明にかかる含窒素複素環配位子の具体例を示す。
上記例示化合物は公知の化合物を用い、公知の反応条件において反応することにより合成することができる。一般式(L−I)で表される化合物は、好ましくは、シアヌル酸クロリドへの、A1〜A3原子団の求核置換反応により合成できる。
例えば、下記一般式(LP−I)で表される化合物と一般式(LP−III)で表される化合物を反応させることにより合成することができる。
一般式(LP−I)中、Aは前記A1、A2、A3で記述したものと同様であり、Eは、離脱性の基またはAを表し、一般式(LP−III)中、R17は前述したものと同様であり、R21は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基(ヘテロアリール基を含む)を表すが、好ましくは炭素数1乃至30のものであり、1乃至20がより好ましく、1乃至12がさらに好ましい。
22およびR23は、それぞれ水素原子または置換基を表し、R21とR22およびR22とR23は可能な場合には互いに結合して環を形成してもよい。R22およびR23が置換基を表す場合、好ましい置換基としてはアルキル基、アリール基、アミノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、ウレイド基およびハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが好ましい。ここで挙げた置換基の例において、水素を除いた原子数は1乃至60が好ましく、より好ましくは1乃至45であり、1乃至35が最も好ましい。
Dは、一般式(LP−III)中のアンモニウムイオンの対イオンを表す。Jは、酸素原子、−CR2425−、NR26、硫黄原子を表し、可能な場合にはR17と互いに結合して環を形成してもよい。ここでR24、R25、R26は、置換されてもよいアルキル基またはアリール基を表すが、アルキル基の例としては炭素数1乃至30が好ましく、1乃至20がより好ましく、1乃至10が最も好ましく、環状であっても、鎖状であってもよく、鎖状の場合には直鎖でも分枝しているものであってもよく、飽和であっても不飽和結合を含むものであってもよい。
一般式(LP−I)におけるEとしての離脱性の基の例には、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アリールオキシ基(フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基など)、アリールチオ基(フェニルチオ基、4−ブロモフェニルチオ基など)、スルホニルオキシ基(p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基など)、カルバモイルオキシ基(ジメチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基など)が好ましく、ハロゲン原子が最も好ましい。
一般式(LP−III)におけるDとしての対イオンには、好ましくは、ハライドイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、硫酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン(p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオンなど)、硫酸エステルイオン(モノメチル硫酸イオンなど)、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオンなどが挙げられる。
本発明における含窒素複素環含有配位子は、一般式(LP−I)で表される化合物と一般式(LP−III)で表される化合物とを、好ましくは溶媒を用いて混合し、好ましくは塩基の存在下、適切な温度にて反応を行うことにより得ることができる。
この場合、塩基としては、通常有機合成で用いられる塩基であればほとんどのものが使用できるが、好ましくはピリジン類(ピリジン、2,6−ルチジンなど)、3級アミン類(トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリブチルアミンなど)、グアニジン類(トリフェニルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンなど)、アミジン類(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネンなど)、アニリン類(N,N−ジエチルアニリンなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキンド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどを好ましく用いることができるが、ピリジン類、3級アミン類、グアニジン類、アミジン類がより好ましい。
用いる溶媒に関してはプロトン性溶媒、非プロトン性溶媒のいずれも用いることができるが、非プロトン性溶媒が好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが好ましい。
反応温度は反応によってそれぞれ適当な温度が設定されるべきであるが、本発明においては一般に−20℃乃至150℃が好ましく、0℃乃至120℃がより好ましく、0℃乃至100℃が最も好ましい。
反応の仕込み順はどの順に仕込んでもよいが、一般式(LP−I)で表される化合物と一般式(LP−III)で表される化合物を溶媒に溶解または懸濁し、撹拌しながら塩基を添加するのが好ましい。
(合成例)例示化合物4の合成
例えば、上記化合物4は、下記の方法により合成することができる。
18.4gの塩化シアヌルを100mLのジメチルアセトアミドに溶解し、室温で69.2gの3,5−ジメチルピラゾールを添加した。ついで反応温度を80℃として2時間反応した。
冷却後、反応液を水に注ぎ、析出した結晶を濾取し、ジメチルホルムアミドから再結晶して、下記(LP−I−1)を得た。収量21.0g、収率57.9%
nmrスペクトルデータ(重クロロホルム):6.11(3H,s)、2.81(9H,s)、2.33(9H,s)
419mgの6−クロロ−5−シアノ−1,3−ジエチル−2−メチル−1H−ベンズイミダゾリウムp−トルエンスルホナートと363mgの上記化合物(LP−I−1)を8mLのジメチルスルホキシドに懸濁し、0.5mLのテトラメチルグアニジンを加えて、80℃で30分間反応した。
冷却後、水を加えて析出した結晶に減圧ろ過を施して、得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行った。さらに、メタノールと酢酸エチルの混合溶媒から再結晶を行い、目的物を得た。収量287mg、収率55.7%。
nmrスペクトルデータ(重クロロホルム):7.34(1H,s)、7.21(1H,s)、6.04(2H,s)、5.31(1H,s)、4.53(2H,q)、4.39(2H,q)、2.70(6H,s)、2.33(6H,s)、1.31(3H,t)、1.28(3H,t)
他の例示化合物も、A1〜A3に相当する部分を、対応する化合物に変更することにより、化合物4と同様に合成することができる。
本発明にかかる含窒素複素環配位子は、ランタノイド陽イオンに対して、0.1〜10当量の範囲で使用することができ、より好ましくは1〜5当量の範囲で使用することができる。
ランタノイド陽イオンとしては、2〜4価の陽イオンをあげることができ、具体例として、Ce3+,PR13+,Nd3+,Nd4+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,Dy4+,Ho3+,ER13+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+等が挙げられ、中でも、PR13+,Nd3+,Sm3+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,Ho3+,ER13+,Tm3+,Yb3+等の3価陽イオンは、紫外〜近赤外領域、長い寿命、狭い波長幅等の特徴を持つ蛍光を発することから好適であり、中でもNd3+,Sm3+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,およびTm3+が更に好適であり、Eu3+およびTb3+が発光強度の点で最も好適である。
一般式(L−I)以外の配位子に代え、又はこれを組み合わせて、蛍光強度、ランタノイド色素合成の容易さの観点から公知のランタノイド陽イオンの有機配位子を用いることもできる。
他の有機配位子の例としては、芳香族アミン類(Helv.Chim.Acta,Vol.79,P.789,1966)、β―ジケトン類(Anal.Chem.Vol.70,P.596-601,1998)、芳香族基含有カルボン酸類(Chem.Mater.,Vol.10,286-296,特開2000−345052号公報)をあげることができる。具体例として、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−ナフチル)−1,3−ブタンジオンを挙げることができる。芳香族カルボン酸としては、フォーカルポイントにカルボキシレート基を有しかつ繰り返し単位に芳香環を有するデンドロンを挙げることができる。
また、これらの配位子とともに、ランタノイド色素の蛍光強度低下を抑制する目的で、ホスフィンオキシド類、リン酸エステル類、スルホキシド類、亜リン酸エステル類、ホスフィン類、スルフィド類、アミン類、窒素含有芳香族複素環化合物を同時に用いることができる。
ランタノイド元素含有溶液に、本発明における配位子を少なくとも含む配位子溶液を加えることにより、蛍光性ランタノイド錯体、即ち本発明における蛍光性ランタノイド色素を、容易に合成することができる。蛍光性ランタノイド錯体が、溶液中から析出する場合には、ろ別することができる。蛍光性ランタノイド錯体析出しない場合は、溶媒を留去して結晶を得た後、必要に応じ精製して使用することができる。
本発明の重合体微粒子中の蛍光性ランタノイド錯体の濃度に制限はないが、通常、重合体粒子の質量に対して、0.01〜50質量%、輝度の点で好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
<蛍光性重合体微粒子の製造方法>
本発明の蛍光性重合体微粒子は、先に説明した種々の公知方法により調製した微粒子に、ランタノイド蛍光色素を導入(内蔵)することにより製造することができる。
色素の導入は次のように行うことができる。微粒子の疎水性部を形成する水不溶性高分子化合物を膨潤させる有機溶媒(例えば、アセトン又はトルエン等)が一定比率で含まれる溶液中に、微粒子及びランタノイド蛍光色素を浸漬させる。前記浸漬により、前記水不溶性高分子化合物は膨潤し、その膨潤に伴ってランタノイド蛍光色素が微粒子に取り込まれる。続いて、この混合物から、有機溶媒を除去すると、前記水不溶性高分子化合物は収縮するが、疎水的なランタノイド蛍光色素は微粒子から外に出ることができず、微粒子に封入される。所望により、微粒子に取り込まれなかったランタノイド蛍光色素を除去することにより、本発明の蛍光性重合体微粒子を得ることができる。
上記製造方法において、前記混合物から有機溶媒を除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、エバポレートなどにより有機溶媒を蒸発乾固する方法、あるいは、非溶媒中で収縮させる方法(例えば、有機溶媒を含有する溶液を、前記有機溶媒を含有しない溶液に置換する方法)などを挙げることができる。
また、微粒子を膨潤するのに用いる前記有機溶媒含有溶液における有機溶媒の割合は、ランタノイド蛍光色素が水不溶性高分子化合物に取り込まれる程度まで、前記水不溶性高分子化合物を膨潤させることができる割合である限り、特に限定されるものではないが、例えば、2〜50(vol/vol)%であることができる。
上記の方法の他に、重合性モノマー、マクロモノマーを含有する液体にランタノイド蛍光色素を溶解し、次いで重合することにより、微粒子形成と同時にランタノイド蛍光色素を導入する方法をとることも可能である。
本発明にかかる水溶性マクロモノマーに反応性官能基が含まれる場合には、反応性官能基を活性化することを更に含む。このような活性化としては、反応性官能基ユニットの種類によって適宜選択することができる。
例えば反応性官能基ユニットとしてアミノ基前駆体構造を含む場合には、アミノ基前駆体構造をアミノ基に変換するために、重合体微粒子に対して酸またはアルカリ性処理を行う。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の有機酸が使用できる。pHとしては、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が使用できる。pHとしては、9以上が好ましく、11以上がより好ましい。反応温度としては、25〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。
このような活性化処理は、適用される具体的な処理に応じて蛍光性ランタノイド色素の導入工程の前及び後のいずれに行ってもよい。
<蛍光検出用複合体>
本発明の蛍光検出用複合体は、本発明の蛍光性重合体微粒子と、蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質とから構成されている。これにより、標的物質の検出を、連結物質を介した蛍光性重合体微粒子の蛍光発光に基づいて効率よく且つ高感度に行うことができる。
連結物質としては、抗原又は抗体を挙げることができる。このような抗体としては、ウサギ、ヤギ等のポリクローナル抗体、マウスのモノクローナル抗体のIgG、IgM、またはこれらを酵素処理又は還元剤処理して得るF(ab’)2、Fab、Fab’分画等が挙げられる。一方、抗原としては、タンパク質、ポリペプチド、ステロイド、多糖類、脂質、薬物、花粉など種々のものが挙げられる。
かかる抗体又は抗原の結合方法としては、重合体微粒子のアミノ基に対して抗体又は抗原の糖鎖を過ヨウ素酸を使用して結合する方法、重合体微粒子のアミノ基に対して抗体又は抗原のアミノ基をグルタルアルデヒドを使用して結合する方法、重合体微粒子のアミノ基に対して、Sulfo−SMCC(スルフォスクシニミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサンー1−カルボキシレート)との反応によりマレイミド基を導入し、抗体のメルカプト基と結合させる方法等をあげることができる。その結合量としては、重合体微粒子1ミリグラム当たりの質量として、通常50ナノグラム〜500マイクログラムが好ましく、500ナノグラム〜200マイクログラムがより好ましい。これにより、蛍光能を有する免疫分析試薬(蛍光免疫分析試薬)として使用可能である
また、連結物質としては、抗原及び抗体の他に、アレルゲン、酵素、酵素基質、補酵素、酵素阻害剤、ホスト化合物、ホルモン、ホルモンレセプター、タンパク質、血液タンパク質、組織タンパク質、細胞、細胞破砕物、核物質、ウイルス、ウイルス粒子、代謝産物、神経伝達物質、ハプテン、薬物、核酸、金属、金属錯体、微生物、寄生虫、細菌、ビオチン、アビジン、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、環境物質、化学種又はこれらの誘導体などから、検出対象物質に応じて適宜選択してもよい。例えば、予め検出対象物質をアビジン化処理することが可能である場合には、ビオチンを連結物質とすることができる。検出対象物質が所定のリガンドである場合、該リガンドに特異的に結合するレセプター及びその断片であってもよい。また、標的物質が核酸である場合、該核酸に特異的に結合するタンパク質やペプチド(アプタマー)であってもよい。
これらの連結物質との結合方法は、前述と同様に行ってもよく、その他の既知の結合方法によって結合してもよい。
このような連結物質は、検出対象物質そのものであってもよく、また蛍光性重合体微粒子と同様に検出対象物質に対して結合処理することにより、本蛍光検出用複合体によって検出可能としてもよい。
<蛍光検出方法>
本発明の蛍光検出方法は、上記蛍光性重合体微粒子と、蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質、即ち、蛍光検出用複合体を用いて検出対象物質を検出することを含む。これにより、蛍光強度が高く高感度に検出可能な本発明の蛍光性重合体微粒子を用いて、高感度に検出対象物質を検出することができる。
蛍光検出用複合体については、上記事項をそのまま適用することができる。
蛍光検出方法は、蛍光物質を利用した公知の蛍光検出方法における手順及び条件をそのまま適用することができ、測定対象物質と、蛍光検出用複合体とを接触させて検出試料を調製すること、蛍光検出用複合体を励起する励起光を照射すること、該照射による蛍光発光を測定することを含む。
また本発明の蛍光検出方法は、発光寿命の長いランタノイド錯体(特にユーロピウム、テルビウム、ルテニウム)を蛍光色素として用いているので、バックグランド蛍光が消滅した後に、目的の蛍光を検出する遅延蛍光分析法であることが好ましい。例えば、ユーロピウム錯体の発光寿命は、数百μsecからmsecであり、一般的な有機色素の10万〜100万倍である。さらに250nm以上の大きいストークスシフト、シャープな蛍光ピーク等の特徴を有している。分析のためには、ランタノイドイオンの配位子を励起し、発生する遅延を時間分解蛍光測定装置で測定する。
また、本発明における上記蛍光性ランタノイド色素は、可視光、例えば400nm程度の光による励起が可能である。このため、UVのような高エネルギーの励起光を使用する必要がなく、励起光源の選択の幅を広くすることができる。
これにより、低エネルギーの励起光源による蛍光検出を高感度に行うことができる。
本蛍光検出方法は、時間分解蛍光測定によるものであることが、測定の精度及び感度の観点から更に好ましい。時間分解蛍光測定における条件は、選択された金属イオンに応じて適宜選択することができる。
<蛍光検出キット>
本発明の蛍光検出キットは、本発明の蛍光性重合体微粒子を含むものである。
これにより、標的物質の検出を、連結物質を介した蛍光性重合体微粒子の蛍光発光に基づいて効率よく且つ高感度に行うことができる。
本蛍光検出キットにおける蛍光性重合体微粒子は、連結物質と共に含まれるものであってもよく、また蛍光検出用複合体として含まれるものであってもよい。
また連結物質の種類に応じて、検出対象物質を蛍光検出用複合体によって検出可能にするための試薬を含むものであってもよい。このような試薬としては、例えば、蛍光検出用複合体中の連結物質としてビオチンを選択した場合では、検出対象物質をアビジン化するための試薬が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これにより本発明は限定されるものではない。
実施例1
<水溶性マクロモノマーMM−8(x/y=90/10・モル比)の合成>
窒素気流下、アクリルアミド19.19g、N−ビニルアセトアミド2.53g、メルカプトプロピオン酸2.71gを、N,N―ジメチルアセトアミド90gに溶解し、60℃に加熱した。次に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.84gを加え、60℃で4時間攪拌した後、70℃に昇温して2時間攪拌し、更に85℃に昇温して2時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエタノールに注ぎ、析出したポリマーを吸引ろ過し、室温で真空乾燥した。21.2gのポリマーが得られた。0.1Nの水酸化カリウム水溶液で、滴定し酸価を測定したところ、このポリマー1gあたり、0.43ミリモルの酸が含有されていた。またGPC測定からこのポリマーの数平均分子量Mnは2400であった。
次に、上記で得られたポリマー20g、メタクリル酸グリシジル3.7g、N,N−ジメチルドデシルアミン0.28g、ハイドロキノン30mgをジメチルスルホキシド100gに溶解し、100℃で4時間攪拌した。この反応混合物を、エタノール1L中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過後、室温で真空乾燥し、19.8gのマクロモノマーMM−8を得た。0.1N水酸化カリウム水溶液による滴定では、酸が検出されず、カルボン酸がメタクリル酸グリシジルとの反応によって消失していることが判った。またGPC測定からこの水溶性マクロモノマーMM−8の数平均分子量Mnは2500であった。
<水溶性マクロモノマーMM−23(x/y=80/20・モル比)の合成>
窒素気流下、N−ビニルピロリドン27.4g、N−ビニルアセトアミド5.11g、メルカプトプロピオン酸4.1gを、エタノール98gに溶解し、60℃に加熱した。次に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.34gを加え、60℃で4時間攪拌した後、70℃に昇温して2時間攪拌し、更に80℃に昇温して2時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物をイソプロピルエーテル2Lに注ぎ、ポリマーを分離した。ポリマーに酢酸エチルを加え、よく攪拌してポリマーを固化させた。次に、吸引ろ過し、室温で真空乾燥した。28gのポリマーが得られた。0.1Nの水酸化カリウム水溶液で、滴定し酸価を測定したところ、このポリマー1gあたり、0.49ミリモルの酸が含有されていた。またGPC測定からこのポリマーの数平均分子量Mnは2000であった。
次に、上記で得られたポリマー9g、メタクリル酸グリシジル1.89g、N,N−ジメチルドデシルアミン0.14g、ハイドロキノン24mgをジメチルスルホキシド25gに溶解し、100℃で4時間攪拌した。反応混合物をイソプロピルエーテル2Lに注ぎ、ポリマーを分離した。ポリマーに酢酸エチルを加え、よく攪拌してポリマーを固化させた。次に、吸引ろ過後、室温で真空乾燥し、7.99gのMM−23を得た。0.1N水酸化カリウム水溶液による滴定では、酸が検出されず、カルボン酸がメタクリル酸グリシジルとの反応によって消失していることが判った。またGPC測定からこの水溶性マクロモノマーMM−23の数平均分子量Mnは2100であった。
<蛍光微粒子の合成>
上記で合成した水溶性マクロモノマーMM−8(数平均分子量2100)2g、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(M−230G、数平均分子量1000、新中村化学工業(株)製)1gを、蒸留水55gとエタノール8.3gの混合溶液中に溶解し、毎分50mLの窒素を流しつつ、60℃に加熱した。次に、この溶液中に、メタクリル酸メチル3g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.08gおよびエタノール6gからなる溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で3時間攪拌し、更に80℃で2時間攪拌し、室温まで冷却した。分散物を、蒸留水を用いて一日透析(分画分子量=12000〜14000)して精製を行った。更に遠心分離機を用いて粒子を分離した後、蒸留水を用いて希釈再分散し、粒子濃度を5質量%とした。粒度分布測定装置(コールターN4Plus、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて粒径を測定したところ体積平均粒径が140nmであった。
粒子分散物に塩酸を加え、pHを1とした後、80℃で24時間攪拌し、粒子表面に結合した水溶性ポリマー中のアセトアミド基の加水分解を行いアミノ基に変換した。室温まで冷却し、pHを7とし、蒸留水を用いて一日透析精製を行い、水溶性物質を除去した後、遠心分離機を用いて粒子を分離した後、蒸留水で濃度調節し、4質量%の分散液とした。
次に、トリス(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエノイル)−1,3−ブタンジオノ)ユーロピウム(III)と、化合物例4のトリアジン環を有する配位子を等モル量混合した後、メタノールで溶解し、ユーロピウム色素の2質量%溶液を作成した。
前記で合成した表面にアミノ基を有する微粒子の分散液10gに0.4gのユーロピウム色素溶液を加え、室温で3時間攪拌した。その後、アスピレータを用いて分散液中のメタノールを減圧留去した。不溶物をフィルターろ過し、蛍光微粒子の分散液を得た。
<抗体連結微粒子の合成>
次に、通常のヒンジ法(「酵素免疫測定法第3版」;石川栄治等編、医学書院)により上記で合成した蛍光微粒子へ抗体Fab’の導入を行った。
上記で合成した表面にアミノ基を有するユーロピウム色素染色粒子を、濃度14mg/mlで0.1M HEPES(pH8.0)緩衝液に分散した。微粒子分散液1mlにSulfo−GMBS(同仁化学)0.6mgを添加し室温で1時間反応させ、PD−10カラム(ファルマシアバイオサイエンス)で精製し表面にマレイミド基を有する蛍光微粒子溶液を得た。
次に、抗テオフィリン抗体7.2mgからペプシン処理、メルカプトエチルアミン還元により精製したFab’分画3.9mgを、pH7.4 0.1M HEPES緩衝液に溶解し濃度を1mg/mlとした。表面にマレイミド基を有する蛍光微粒子溶液(1mg/ml 0.1M HEPES(pH7.4))と等容量混合し、4℃で一晩攪拌した後、ゲルろ過により精製、抗体連結蛍光微粒子を得た。
<テオフィリン結合ポリ−L−リジンの調製と石英基板への結合と検出>
0.1%ポリ−L−リジン(Sigma)40mlと0.1M MES(pH6.0)を10mlを混合し、Theophylline-8-Butanoic Acid(Sigma)35mg、WSC(同仁化学)30mg、Sulfo−NHS(Pierce)34mgを添加し室温で6時間反応させた。反応液をセファデックスG−25でゲルろ過しテオフィリン結合ポリ−L−リジンを精製した。表面をアルカリ処理した合成石英基板を精製水で十分に洗浄した後、テオフィリン結合ポリ−L−リジン溶液に室温で2時間浸漬した。精製水で洗浄、風乾し以下の実験に用いた。
抗体連結蛍光微粒子(微粒子濃度3.0×10-6M)溶液と、その希釈液(×10、×100)をそれぞれ1μl石英基板上にスポットし、室温で2時間静置後、精製水で洗浄した。表面の水滴を除き、基板の時間分解蛍光量を時間分解蛍光光度計(ワラック社製)で測定した。その結果、蛍光微粒子濃度に依存した遅延蛍光が観察された。また、蛍光微粒子分散液を4℃の環境下で2週間保存した後、再び石英基板上にスポットし、前記と同様に蛍光測定を行った。石英基板上の蛍光強度はほとんど変化しないことを確認した。
実施例2〜6
実施例1において、水溶性マクロモノマーのMM−8、および疎水性モノマーのメタクリル酸メチルの代わりに、それぞれ第1表に示す水溶性マクロモノマーおよびラジカル重合性モノマーを用いた他は、実施例1と同様に蛍光性微粒子を作成した(ブレンマーPME−400:日本油脂株式会社製)。数平均粒径を、第1表に示す。
更に実施例1と同様にして抗体を結合した粒子を作成し蛍光測定を行った。蛍光性微粒子濃度に依存した遅延蛍光が観測され、4℃の環境下で2週間放置した後、再び蛍光測定を行った場合も、蛍光強度はいずれもほとんど変化せず、保存性に優れた蛍光検出試薬であることを確認した。

比較例
<ポリエチレンオキシ基が親水性シェルである蛍光微粒子>
Anal.Chem. 2003, 75, 6124-6132に記載の方法に従い、下記式で表されるポリエチレンオキシ末端にアミノ基を有するラジカル重合性マクロモノマーを合成した。GPC測定から数平均分子量は7000であった。
スチレン(100当量)と上記マクロモノマー(5当量)及び1,4−ジビニルベンゼン(1当量)を、重合開始剤V−65(2当量、和光純薬(株)製)の共存下、エタノール/蒸留水=4/1(体積比)中で70℃に6時間加熱し、ラジカル重合を行った。反応物をナイロンメッシュでろ過し、ろ液を、蒸留水を用いて一日透析(分画分子量=12000〜14000)を行い精製し、表面にアミノ基を有する微粒子の分散物を得た。粒度分布測定装置(コールターN4Plus、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて粒径を測定したところ平均粒径が130nmであった。蒸留水を用いて希釈し、粒子濃度を4質量%とした。更に実施例1と同様に蛍光微粒子を作成した後、抗体を結合した粒子を作成し蛍光測定を行った。
その結果、本比較粒子においても蛍光粒子濃度に依存した遅延蛍光が観測されたが、蛍光強度は実施例1に比べ20%であった。

Claims (13)

  1. 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子であって、前記親水性シェルを形成する水溶性ポリマーが、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーで構成されていることを特徴とする重合体粒子。
  2. 前記反応性基を含有する水溶性マクロモノマーの数平均分子量が、前記反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーの数平均分子量の少なくとも1.5倍大きいことを特徴とする請求項1記載の重合体粒子。
  3. 前記反応性基を含有しない水溶性マクロモノマーが、アルキル末端ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーであり、前記反応性基を含有する水溶性マクロモノマーが水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは水溶性ビニルマクロモノマーであることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体粒子。
  4. 前記疎水性コアを形成する疎水性ポリマーが、前記水溶性マクロモノマーの片末端に結合していることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の重合体粒子。
  5. 前記ポリアルキレンオキシ基含有水溶性マクロモノマーが下記一般式(I)で表され、前記水溶性(メタ)アクリル系マクロモノマーまたは前記水溶性ビニルマクロモノマーが下記一般式(II)または下記一般式(III)で表されるものであることを特徴とする請求項2又は3記載の重合体微粒子。
    [上記一般式において、M1はエチレン基、M2は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。R3、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。R5は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R6は、水素原子、ホルミル基またはアセチル基を表す。R7、R8は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、お互いに結合して含窒素環を形成してもよい。Lは、2価の連結基を表す。Zは、ポリマー主鎖末端に結合する原子団を表す。m1は1以上の繰り返し数を表す。m2は0以上の繰り返し数を表す。xおよびyは、1以上の繰り返し数を表す。wは0以上の繰り返し数を表す。]
  6. 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子の製造方法であって、反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーと、ラジカル発生剤との存在下、水系溶媒中で疎水性ラジカル重合性モノマーを分散重合することを含む重合体粒子の製造方法。
  7. 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子と、該重合体粒子に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素と、を含む蛍光性樹脂微粒子であって、前記重合体粒子が請求項1乃至5のいずれか1項記載のものであることを特徴とする蛍光性樹脂微粒子。
  8. 前記蛍光性ランタノイド色素が、下記一般式(L−I)で表される含窒素複素環含有配位子を少なくとも1個有することを特徴とする請求項7記載の蛍光性重合体微粒子。
    [一般式(L−I)において、A1、A2、A3は、下記一般式(L−II)〜(L−V)で表される原子団、または水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基を表し、互いに同一であってもよい。B1、B2は、それぞれ独立に、窒素原子または=C(−R20)−を表し、R20は水素原子または置換基を表す。
    各式中R11〜R19は、それぞれ水素原子または置換基を表す。R17とR18、R18とR19およびR17とR19は可能な場合には互いに結合して環を形成してもよい。nは0、1又は2を表す。Gは置換基を有してもよい炭素原子又は窒素原子を表す。Qは5員環又は6員環の含窒素複素環を形成するのに必要な原子団を表し、さらに含窒素複素環は縮合環を形成してもよい。Ar1は芳香族炭素環、芳香族複素環を表す。一般式(L−II)〜(L−V)において、#は一般式(L−I)で表される含窒素複素環と結合する位置を表す。]
  9. 疎水性コアと親水性シェルからなるコアシェル構造を有する重合体粒子と、該重合体粒子に内蔵されると共にランタノイド陽イオンを含有する蛍光性ランタノイド色素と、を含む蛍光性樹脂微粒子の製造方法であって、
    反応性基を含有しない水溶性マクロモノマー及び反応性基を含有する水溶性マクロモノマーからなる複数の水溶性マクロモノマーと、ラジカル発生剤との存在下、水系溶媒中で疎水性ラジカル重合性モノマーを分散重合して、コアシェル型の重合体粒子を形成すること、
    得られたコアシェル型の重合体粒子に、前記ランタノイド色素を導入すること
    を含む蛍光性重合体微粒子の製造方法。
  10. 前記水溶性マクロモノマーが、アミノ基前駆体部分を含むものであり、該アミノ基前駆体部分を活性化することを更に含む請求項9記載の蛍光性重合体微粒子の製造方法。
  11. 請求項7又は8記載の蛍光性重合体微粒子と、該蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質と、で構成された蛍光検出用複合体。
  12. 請求項7又は8記載の蛍光性重合体微粒子と、該蛍光性重合体微粒子及び検出対象物質を連結可能な連結物質とを用いて、該検出対象物質を検出することを特徴とする蛍光検出方法。
  13. 請求項7又は8記載の蛍光性重合体微粒子を含む蛍光検出キット。
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