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JP2007186140A - ブレーキ液圧系、ブレーキエア抜き作業支援装置、およびブレーキ液圧系のエア抜き作業方法 - Google Patents

ブレーキ液圧系、ブレーキエア抜き作業支援装置、およびブレーキ液圧系のエア抜き作業方法 Download PDF

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JP2007186140A
JP2007186140A JP2006006945A JP2006006945A JP2007186140A JP 2007186140 A JP2007186140 A JP 2007186140A JP 2006006945 A JP2006006945 A JP 2006006945A JP 2006006945 A JP2006006945 A JP 2006006945A JP 2007186140 A JP2007186140 A JP 2007186140A
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brake
pressure
brake fluid
hydraulic
wheel cylinder
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Application number
JP2006006945A
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English (en)
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Masahito Iida
雅人 飯田
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
Keigo Kajiyama
径吾 梶山
Koji Takahashi
広治 高橋
Satoshi Nakagawa
郷志 中川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】 ブレーキ液のエア抜き時に必要な人員を減らし、作業効率を向上させた車両のブレーキ液圧制御装置を提供する。
【解決手段】 車両の運転状況に基づきホイルシリンダの液圧を制御するコントロールユニットと、前記コントロールユニットからの指令に基づき前記ホイルシリンダの液圧を増減圧するアクチュエータとを有するブレーキ液圧制御装置において、前記車両は、切換弁によって開閉され、ブレーキ液を排出する排出孔を備え、前記コントロールユニットは、ブレーキ液のエア抜きを行う作業者からの指令に基づき、前記アクチュエータを駆動して前記排出孔またはマスタシリンダへ前記ブレーキ液を排出することとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホイルシリンダ内の液圧を制御することで制動力を得るブレーキ液圧系、ブレーキエア抜き作業支援装置、およびブレーキ液圧系のエア抜き作業方法に関する。
従来、液圧源とホイルシリンダとの間に液圧制御手段を設け、この液圧制御手段によってホイルシリンダ圧を制御するブレーキ液圧系を搭載した車両においては、ブレーキ液を交換する際はブレーキ制御を停止し、ブレーキペダルを踏み込んで液圧を上昇させる。その際、ホイルシリンダのブレーキプラグを外しておくことでエアが混合したブレーキ液を排出し、排出後に新しいブレーキ液を充填する、という作業を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
2005年7月5日発行 トヨタ クラウンマジェスタ修理書 A巻 P45〜P49
しかしながら上記従来技術にあっては、エア抜き作業時にブレーキペダルを踏み込む必要があるため、作業時にはブレーキペダルを踏む人、ホイルシリンダのブレーキプラグを操作する人、ブレーキ液を充填する人の合計3人が必要であり、作業が非効率的であった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ブレーキ液のエア抜き時における作業人員を減らし、作業効率を向上させた車両のブレーキ液圧制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、車両の運転状況に基づきホイルシリンダの液圧を制御するコントロールユニットと、前記コントロールユニットからの指令に基づき前記ホイルシリンダの液圧を増減圧するアクチュエータとを有するブレーキ液圧制御装置において、前記車両は、切換弁によって開閉され、ブレーキ液を排出する排出孔を備え、前記コントロールユニットは、ブレーキ液のエア抜きを行う作業者からの指令に基づき、前記アクチュエータを駆動して前記排出孔またはマスタシリンダへ前記ブレーキ液を排出することとした。
よって、ブレーキ液のエア抜き時に必要な人員を減らし、作業効率を向上させた車両のブレーキ液圧制御装置を提供できる。
以下、本発明の車両のブレーキ液圧制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[システム構成図]
実施例1につき図1ないし図8に基づき説明する。図1は車両のブレーキ液圧制御装置のシステム構成図である。本願車両のブレーキ液圧制御装置はいわゆるブレーキバイワイヤシステムであり、前輪には液圧ブレーキ装置を備える一方、後輪側は油圧を用いず電気的にブレーキ制御を行う方式を採用しているが、後輪側も油圧により制動力を得ることとしてもよく特に限定しない。
マスタシリンダM/CにはストロークセンサS/Sen及びストロークシミュレータS/Simが設けられている。ブレーキペダルBPの踏み込みに伴ってマスタシリンダM/C内に液圧が発生するとともに、ブレーキペダルBPのストローク信号がメインECU300に出力される。発生したマスタシリンダ圧は油路A,Aを介して液圧ユニットHUに供給され、液圧制御が施された後油路D,Dを介してキャリパ5内の前輪のホイルシリンダW/Cに供給される。
メインECU300はストローク信号に基づき車速やヨーレイトなど車両の状態量を考慮して前輪の目標液圧を演算し、サブECU100を介して液圧ユニットHUへ指令信号を出力してホイルシリンダW/Cの液圧を制御するとともに、制動時には回生ブレーキ装置9により前輪を制動する。後輪ブレーキアクチュエータ6はメインECU300からの指令信号に基づいて電動キャリパ7の制動力を制御する。
液圧ユニットHUは、ブレーキバイワイヤシステムにおける通常制動時はマスタシリンダ圧とホイルシリンダW/Cとの連通をシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)により遮断し、ポンプPによりホイルシリンダW/Cに液圧を供給して制動力を発生させる。また、運転者の急制動操作により車輪がロック傾向になると、ロックを解除するために、増圧バルブを駆動し、ポンプP側から前輪ホイルシリンダW/Cへの液圧の供給を遮断する。
そして、減圧バルブを適宜駆動することで、前輪ホイルシリンダW/C内の液圧を減圧し、車輪のロックを回避しつつ制動力を得る。また、ブレーキバイワイヤ機能故障時には、マスタシリンダ圧を前輪ホイルシリンダW/Cに液圧を供給し、制動力を得る。
なお、本実施例では後輪ブレーキアクチュエータ6にマスタシリンダ圧を供給する油路構成を備えていない。すなわち、後輪は前輪に比べて制動力が小さく(一般的に前輪と後輪の制動力比は7:3ないし2:1程度)、フェールに陥ったとしても前輪のみで十分な制動力を確保できるためである。
(ブレーキ液エア抜き時)
ブレーキ液のエア抜きを行う際は、サービスツール1を用いてメインECU300に指令を出力し、液圧ユニットHU内のポンプを駆動して液圧を上昇させ、ホイルシリンダW/Cのエアブリーダ52(図3参照)からブレーキ液を排出する。油圧回路内の各部における混入エアを確実に排出するため、液圧ユニットHU内の各バルブを駆動することで各油路にポンプ圧を供給する。
なお、エアブリーダ52の開閉は手動で開閉するものとするが、サービスツール1により遠隔操作されるものであってもよい。また、本願実施例ではサービスツール1とメインECU300はハーネス1aを介して接続されるが、無線によってメインECU300に指令を与えることとしてもよい。
[液圧ユニットの油圧回路図]
図2は、液圧ユニットHUの油圧回路図である。液圧ユニットHUは左前輪に接続するS系統と、右前輪に接続するP系統とで構成されたタンデム型ユニットである。左右のFL,FR輪はともに同一のポンプPと接続し、モータMによって駆動される。モータMはメインECU300により制御される。
マスタシリンダM/Cは油路A,A、常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)、及び油路D,Dを介してホイルシリンダW/Cへ接続する。ポンプPはギヤポンプであり、吸入側は油路Bを介してリザーバRSVと接続され、吐出側は油路Fを介して油路C,Cと接続される。マスタシリンダM/Cには運転者の踏力を検出するストロークセンサS/Sen及びストロークシミュレータS/Simが設けられて検出信号をメインECU300へ出力する。
油路C,Cには常開比例弁であるインバルブIN/V(FL,FR)が設けられ、それぞれ油路E,Eと接続する。油路E,Eには常閉比例弁であるアウトバルブOUT/V(FL,FR)が設けられ、油路Bと接続する。また、油路C,CにはポンプPからインバルブIN/V(FL,FR)への流れのみを許容するチェック弁C/V(FL,FR)が設けられている。さらに、油路C,Cと油路Bとを接続する油路Gには、過剰吐出圧を逃がすリリーフバルブRef/Vが設けられている。
油路A,AであってマスタシリンダM/CとシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)の間には、マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサMC/Sen1,2が設けられている。また、油路D,Dにも、ホイルシリンダ圧を検出するホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,FR)が設けられ、油路Fにもポンプ吐出圧を検出するポンプ圧センサP/Senが設けられている。検出された各液圧はメインECU300に出力される。
(増圧時)
増圧時には、ポンプPにより油路Bを介してリザーバRSVから作動油を汲み出し、常開のインバルブIN/V(FL,FR)を介してホイルシリンダW/Cを増圧する。このとき常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は閉弁され、マスタシリンダ圧がホイルシリンダW/Cに導入されないものとしている。また、アウトバルブOUT/V(FL,FR)も閉弁され、ホイルシリンダW/CとリザーバRSVとを遮断する。
(減圧時)
減圧時にはポンプPを停止し、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を開弁する。常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は閉弁とする。これによりホイルシリンダW/Cは油路D,D及びE,E、さらに油路Bを介してリザーバRSVと連通し、ホイルシリンダ圧の減圧が行われる。
(保持時)
保持時にはポンプPを停止し、チェック弁C/V(FL,FR)によりインバルブIN/V(FL,FR)の開/閉によらずポンプ側への逆流を回避する。また、アウトバルブOUT/V(FL,FR)、及びシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁とする。これによりホイルシリンダW/CはマスタシリンダM/C及びリザーバRSVとの連通を遮断され、液圧が保持される。
(フェイル時)
フェイル時には各電磁弁は非通電状態となり、常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)及びインバルブIN/V(FL,FR)は自動的に開弁し、常閉のアウトバルブOUT/V(FL,FR)は閉弁となる。これによりマスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cは連通され、ホイルシリンダW/CとリザーバRSVとが遮断されてマニュアルブレーキが確保される。
[ホイルシリンダにおけるエアブリーダ]
図3は、ホイルシリンダW/Cの斜視図である。ホイルシリンダW/Cはキャリパ5に設けられ、増圧されることで車輪とともに回転するロータ51の回転を規制する。キャリパ5にはホイルシリンダW/Cと接続するエアブリーダ52が設けられ、増圧時にこのエアブリーダ52のプラグ53を開閉することによりブレーキ液が排出される。上述のように、エアブリーダ52のプラグ53は手動で開閉される。
[油圧回路内のエア抜き制御]
ブレーキ液交換時にはリザーバRSVから真空引きによってエアが混入したブレーキ液を排出する。一方、回路構成上真空引きでは混入エアを排出できない油路にあっては、油圧回路内の液圧を上昇させてエアが混入したブレーキ液を排出する必要がある。ここで交換時にブレーキ制御を完全停止してしまうと、ブレーキペダルBPによって油圧回路内の液圧を上昇させざるを得ないため、ブレーキペダルBPを踏み込む人員が不可欠となる。
したがって本願実施例では、ブレーキ液交換時にポンプPを駆動し、ポンプ圧によって油圧回路内の液圧を上昇させ、ブレーキ液の排出を行う。具体的には、リザーバRSVと直接連通しない油路C,D,Fのうち、油路Dについては、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁、インバルブIN/V(FL,FR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を閉弁し、ポンプ増圧によってリザーバRSVからエア混入のないブレーキ液を油路Dに供給する。これによりエアが混入したブレーキ液をホイルシリンダW/Cから排出する。
油路C,FについてはシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)およびインバルブIN/V(FL,FR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を閉弁してポンプ圧を油路C,Fに供給する。油路C,F内の液圧はホイルシリンダW/Cにも作用するが、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が開弁されているため油路C,F内のブレーキ液はマスタシリンダM/Cへ導入され、エアの排出が行われる。
リザーバRSVと直接連通する油路A,Bについては、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)およびインバルブIN/V(FL,FR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を閉弁してリザーバRSVから真空引きを行う。
各油路A〜Fのエア抜きを行った後、油圧回路が正常に作動するかを確認する増圧確認制御を実行する。P,S系統のホイルシリンダW/Cをそれぞれ単独でポンプ増圧し、圧力を計測することで油圧回路内にエアが混入していないかをチェックする。
[サービスツールによるエア抜き]
図4はエア抜き時におけるサービスツール1の表示画面1bである。表示画面1bには油路CまたはDのエア抜き、もしくは増圧確認のいずれを行うかの選択画面が表示され、選択により制御が行われる。図5は表示画面1bにFL,FR輪液圧の現在値を示す場合である。液圧値が正常であればOK表示が出力される。
[エア抜き制御処理]
図6はエア抜き制御処理の流れを示すメインフローである。以下、各ステップにつき説明する。
ステップS100ではリザーバRSVから真空引きを行って油路A,Bのエア抜きを行い、ステップS200へ移行する。
ステップS200ではサービスツール1をメインECU300に接続し、ステップS300へ移行する。
ステップS300ではイグニッションをONし、ステップS400へ移行する。
ステップS400ではポンプ増圧により油路C,Fのエア抜きを行い、ステップS500へ移行する。
ステップS500ではポンプ増圧により油路Dのエア抜きを行い、ステップS600へ移行する。
ステップS600では増圧確認制御を行い、ステップS700へ移行する。
ステップS700ではサービスツール1上にOKまたはNG表示を出力し、ステップS800へ移行する。
ステップS800ではエア抜きが完了したかどうかが判断され、YESであれば制御を終了し、NOであればステップS100へ戻る。
[エア抜き制御処理(油路D)]
図7は油路Dのエア抜き制御処理(上記メインフロー:ステップS500)の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
ステップS501では、サービスツール1から油路Dのエア抜き指令が出力されてからの時間tのカウントを開始し、ステップS502へ移行する。
ステップS502ではシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁し、ステップS503へ移行する。
ステップS503では経過時間t>Ta(増圧前待機時間)であるかどうかが判断され、YESであればステップS504へ移行し、NOであればステップS502へ戻る。
ステップS504では、Tb(増圧時間)、Tc(減圧時間)に基づきTa+Tb+Tc>経過時間t>Ta+Tbであるかどうかが判断され、YESであればステップS505へ移行し、NOであればステップS509へ移行する。
ステップS505では、右前輪FRまたは左前輪FLのホイルシリンダ圧Pw_R,Pw_Lのいずれかが所定の液圧下限値Pbを下回るかどうかが判断され、YESであればステップS507へ移行し、NOであればステップS506へ移行する。
ステップS506では、FRまたはFLのホイルシリンダ圧Pw_R,Pw_Lのいずれかが所定の液圧上限値Paを上回るかどうかが判断され、YESであればステップS508へ移行し、NOであればステップS507へ移行する。
ステップS507では増圧制御が実行され、ステップS510へ移行する。
ステップS508では保持制御が実行され、ステップS510へ移行する。
ステップS509では減圧制御が実行され、ステップS510へ移行する。
ステップS510では計測時間t≧Ta+Tb+Tcであるかどうかが判断され、YESであればステップS511へ移行し、NOであればステップS502へ戻る。
ステップS511では、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を開弁し、制御を終了する。
[エア抜き制御の経時変化]
図8は、エア抜き制御の経時変化を示すタイムチャートである。なお、右前輪、左前輪ホイルシリンダ圧Pw_R,Pw_Lに付された括弧書き(Pfl)、(Prr)は実施例2における左前輪FL、右後輪RRのホイルシリンダ圧Pfl,Prrを示す。
[油路A,B真空引き]
(時刻t1)
時刻t1においてサービスツール1の操作者が真空ポンプ駆動指令を出力し、リザーバRSVから油路A,Bの真空引きを開始する。
(時刻t2)
時刻t2において油路A,Bのエア抜きが完了し、真空引きを終了する。
[油路C,Fエア抜き]
(時刻t3)
時刻t3においてイグニッションがONされる。
(時刻t4)
時刻t4においてサービスツール操作者が油路C,Fエア抜き指令を出力し、モータMが駆動して油路C,Fのエア抜きが開始される。その際、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)およびインバルブIN/V(FL,FR)は開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)は閉弁される。油路C,Fのエア抜きにおいては、ホイルシリンダW/Cを増圧する必要はなく、ブレーキ液をマスタシリンダM/Cに排出するのみであるためモータMのデューティは100%でなければよい。本願実施例では50%とする。
(時刻t5)
時刻t5において油路C,Fのエア抜きが完了し、モータMの駆動が停止する。
[油路Dエア抜き]
(時刻t6)
時刻t6においてサービスツール操作者が油路Dエア抜き指令を出力し、指令が出力されてからの時間tのカウントが開始される。カウント開始後モータ増圧前の待機時間Ta内はサービスツール操作者が準備を行うため増圧は行われない。その際、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は閉弁、インバルブIN/V(FL,FR)は開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)は閉弁される。
(時刻t7)
時刻t7において増圧前待機時間Taが経過し、モータMがデューティ100%で駆動を開始する。これに伴いFL,FR輪のホイルシリンダ圧Pw_L,Pw_Rが増圧される。
増圧時に液圧上限値Paを上回った場合は保持制御が行われ、液圧下限値Pbを下回った場合は増圧が行われる。したがって増圧時においては、ホイルシリンダ圧Pw_L,Pw_Rは上限値Paと下限値Pbの間となる。
(時刻t8)
時刻t8においてホイルシリンダ圧Pw_L,Pw_Rが液圧上限値Paとなり、保持制御が開始される。これによりエア抜きに十分な液圧となり、エアブリーダ開閉作業者によりホイルシリンダW/Cのエアブリーダ52が開閉され、エアが混入したブレーキ液を排出する。これに伴いブレーキ液補充者はホイルシリンダW/Cへブレーキ液を補充する。時刻t9に至るまで、排出・補充を繰り返す。
(時刻t9)
時刻t9において増圧開始(時刻t7)からの時間が所定時間Tbに達し、油路Dのエア抜き完了とされてモータ増圧が停止され、減圧が開始される。その際、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は閉弁、インバルブIN/V(FL,FR)は開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)は開弁される。
(時刻t10)
時刻t10において減圧開始(時刻t8)からの時間が所定時間Tcに達し、ホイルシリンダ圧Pw_L,Pw_Rが0となる。またシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)は閉弁される。インバルブは引き続き開弁されている。
[増圧確認:FR輪液圧値判定]
(時刻t11)
時刻t11においてサービスツール操作者が増圧確認指令を出力する。シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)は閉弁される。
(時刻t12)
時刻t12においてFR輪増圧確認を行うため、FL側(P系統)のインバルブIN/V(FL)を閉弁してデューティ100%でモータ増圧を行い、FR輪ホイルシリンダ圧Pw_Rを増圧する。増圧時間はTdである。
(時刻t13)
時刻t13において増圧時間Tdが経過し、保持制御が行われる。また、FR輪の液圧値が増圧と判定される。なお、(FL)は実施例2においてFL輪の液圧値が増圧と判定されることを示す。
(時刻t14)
時刻t14において保持時間Taが経過し、FR輪は正常に増圧されたとしてFL,FR両側のアウトバルブOUT/V(FL,FR)が開弁されて減圧される。減圧時間はTcである。
[FL輪液圧値判定]
(時刻t15〜t18)
FL輪の液圧値判定についても、FR輪と同様に行われる。時刻t15〜t18はFL,FRが反転するのみで時刻t12〜t14と同様である。時刻t16においてFL輪の液圧値が増圧と判定される。なお、(RR)は実施例2においてRR輪の液圧値が増圧と判定されることを示す。
(時刻t19)
時刻t19においてエア抜き完了と判断され、サービスツール1にOK表示が出力される。
[実施例1の効果]
(1)本願実施例1においては、ホイルシリンダW/Cを収装するキャリパ5に、エアブリーダ52によって開閉され、ブレーキ液を排出するプラグ53を設け、メインECU300は、ブレーキ液のエア抜きを行う作業者からの指令に基づき、液圧ユニットHUを駆動してプラグ53またはマスタシリンダM/Cへブレーキ液を排出することとした。
これにより、エア抜き時に作業員がブレーキペダルBPを踏み込まずとも油路A〜Fのブレーキ液を排出することが可能となり、エア抜き時における必要人員を削減して作業効率を向上させることができる。
(2)メインECU300は、車両外部に設けられ、作業者によって操作されるサービスツール1からの指令に基づき、ブレーキ液を排出することとした。
これにより、ディーラー等においてサービスツール1からメインECU300に対し指令を出力するのみでブレーキ液を排出することが可能となり、車両の特別な機器を標準装備することなく後付けの機器によって容易にエア抜きを行うことができる。
(3)エアブリーダ52は手動により開弁され、プラグ53が開放されることとするが、サービスツール1からの遠隔指令によって自動的に開閉されることとすれば、人員によってエアブリーダ52を操作する手間を省略できる。
(4)液圧ユニットHUは、ポンプPと、このポンプPを駆動するモータMを備え、メインECU300は、モータMを駆動することでブレーキ液を増圧、排出することとした。これにより、作業員がブレーキペダルBPを踏み込む場合に比べ、迅速にエア抜きを行うことができる。
(5)液圧ユニットHUは、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとを接続する油路A,D上に設けられたシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)をさらに備え、メインECU300は、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)の開閉を行うことにより油路A,Dを区画し、この区画された油路AまたはDにポンプPの吐出圧を導入することで、ブレーキ液を排出することとした。
これにより、各油路A,Dにおけるブレーキ液をマスタシリンダM/Cまたはエアブリーダ52に確実に排出し、効率よくエア抜きを実行することができる。
(6)プラグ53はホイルシリンダW/Cの近傍に設けられ、メインECU300は、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁してマスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの連通を遮断することにより、油路におけるシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)とホイルシリンダW/Cとの間を区画して油路Dを形成し、この油路DにポンプPの吐出圧を導入することで、油路Dにおけるブレーキ液をプラグ53から排出することとした。
これにより、マスタシリンダM/Cからの真空引きでは十分なエア抜きを行うことができなかった油路Dにあっても、ポンプ圧によってプラグ53から強制的にブレーキ液を排出し、確実にエア抜きを行うことができる。
(7)メインECU300は、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を開弁してマスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとを連通することにより、油路におけるマスタシリンダM/CとポンプPとの間の油路C,Fを形成し、この油路C,FにポンプPの吐出圧を導入することで、油路C,Fにおけるブレーキ液をマスタシリンダM/Cに排出することとした。
これにより、マスタシリンダM/Cからの真空引きでは十分なエア抜きを行うことができなかった油路C,Fにあっても、ポンプ圧によってマスタシリンダM/Cから強制的にブレーキ液を排出し、確実にエア抜きを行うことができる。
(8)液圧ユニットHUはホイルシリンダW/Cの液圧を検出するホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,FR)をさらに備え、メインECU300は、作業者からの指令に基づき、ブレーキ液の排出終了後にホイルシリンダW/C圧を増圧するとともに、増圧後の所定時間経過後および液圧保持状態のホイルシリンダW/C圧が所定の範囲内であれば正常信号を出力し、所定の範囲内でなければ異常信号を出力することとした。
これにより、エア抜きと同時に液圧チェックを行うことが可能となり、作業精度を向上させることができる。
(9)車両外部からサービスツール1を操作することにより、ブレーキペダルBPを踏み込まずとも油路A〜Fのブレーキ液を排出することが可能となり、エア抜き時における必要人員を削減して作業効率を向上させることができる。
[システム構成]
実施例2につき図9ないし図15に基づき説明する。図9は実施例2におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。実施例1では前輪のみブレーキバイワイヤシステムを採用したが、実施例2では4輪全てをブレーキバイワイヤ制御とした点で実施例1と異なる。
実施例2におけるブレーキ制御装置は4輪ブレーキバイワイヤシステムであり、運転者によるブレーキペダルBPの操作とは独立して液圧を制御する2つの第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を備えている。
この第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はメインECU300からの指令に基づき第1、第2サブECU100,200により駆動される。ブレーキペダルBPはマスタシリンダM/Cと接続するストロークシミュレータS/Simにより反力を付与される。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ油路A1,A2によりマスタシリンダM/Cと接続し、油路B1,B2によりリザーバRSVと接続する。油路A1,A2には第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2が設けられている。
また、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は、それぞれポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を備え(図2参照)、それぞれ独立して液圧を発生させる油圧アクチュエータである。第1液圧ユニットHU1はFL,RR輪の液圧制御を行い、第2液圧ユニットHU2はFR,RL輪の液圧制御を行う。
すなわち、2つの液圧源であるポンプP1,P2によって、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)を直接増圧する。アキュムレータを用いずに直接ポンプP1,P2によってホイルシリンダW/Cを増圧するため、故障時にアキュムレータ内のガスが油路内にリークすることがない。また、ポンプP1はFL,RR輪、ポンプP2はFR,RL輪を増圧することにより、いわゆるX配管を構成する。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ別体に設けられている。別体とすることで、一方の液圧ユニットにリークが発生した場合であっても、他方のユニットにより制動力を確保するものである。なお、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を一体に設け、電気回路構成を1箇所に集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することとしてもよく、特に限定しない。
ここで、装置のコンパクト性を追求するためには液圧源の数は少ないほうが望ましいが、従来例のように液圧源が1つの場合、液圧源フェールの際にバックアップが存在しないこととなる。一方、液圧源を各輪に設けて4つとした場合、フェールに対しては有利であるが、装置が大型化して制御も困難となってしまう。とりわけ、ブレーキバイワイヤ制御には冗長系を組むことが必須であるが、液圧源の増大に伴ってシステムが発散するおそれがある。
また、現在では車両のブレーキ油路はX配管が一般的であるが、X配管は対角輪(FL−RRまたはFR−RL)同士を油路によって接続し、それぞれの系を独立の液圧源(タンデム型マスタシリンダ等)によって増圧する。これにより、一方の対角輪側が失陥した場合であっても他方の対角輪が制動力を発生させることで、失陥時における制動力が左右いずれかに偏ることを回避するものであり、液圧源の数は2つであることが前提となっている。
このため、従来例のように液圧源の数が1つの場合、そもそもX配管の構成をとることはできない。液圧源が3つまたは4つの場合であっても、同一液圧源により対角輪同士を接続することはできないため、X配管を観念する余地はない。
したがって本願実施例では、現在普及しているX配管構造を変更することなく耐フェール性を向上させるため、それぞれ液圧源としてポンプP1,P2を有する液圧ユニットHU1,HU2を設けて液圧源2重系をとることとする。
また、車両制動時には前輪荷重が大きいため後輪制動力はさほど期待できず、加えて後輪制動力が大きいとスピンするおそれがある。そのため、前後輪の制動力配分は一般的に前輪のほうが大きく、例えば前輪2に対し後輪1である。
ここで、耐フェール性を高めるため液圧源を多重系として複数の液圧ユニットを搭載する場合であっても、コスト面からなるべく同一スペックの液圧ユニットを複数搭載することが望ましい。しかし、前後輪の制動力配分を考慮した場合、4輪全てに液圧源を設ける場合は前輪と後輪でスペックの異なる液圧ユニットを2つずつ用意しなければならず、高コストとなる。液圧源を3つとする場合であっても、前後輪の制動力配分が異なる以上同様の問題が発生する。
したがって本願実施例では、2つの液圧ユニットHU1,HU2をX配管構造とし、液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路において前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるようバルブ開度等を予め設定することとする。このように同一スペックの液圧ユニットHU1,HU2を2つ搭載することにより、低コストな液圧源2重系を達成しつつ前後輪制動力配分を2:1とするものである。
[メインECU]
メインECU300は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2が発生する目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算する上位CPUである。このメインECU300は第1、第2電源BUTT1,BUTT2に接続してBUTT1,BUTT2のいずれかが正常であれば作動するよう設けられ、イグニッション信号IGNにより、またはCAN3により接続する他のコントロールユニットCU1〜CU6からの起動要求により起動する。
メインECU300には第1、第2ストロークセンサS/Sen1、S/Sen2からストローク信号S1,S2、第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2からM/C圧Pm1、Pm2が入力される。
また、メインECU300には車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも入力される。さらに、リザーバRSVに設けられた液量センサL/Senの検出値が入力され、ポンプ駆動によるブレーキバイワイヤ制御を実行可能であるかが判断される。また、ストップランプスイッチSTP.SWからの信号により、ストローク信号S1,S2、およびM/C圧Pm1、Pm2によらずブレーキペダルBPの操作を検出する。
このメインECU300内には演算を行う2つの第1、第2CPU310,320が設けられている。第1、第2CPU310,320は、それぞれ第1、第2サブECU100,200とCAN通信線CAN1,CAN2によって接続され、第1、第2サブECU100,200を介して第1、第2CPU310,320にポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrが入力される。このCAN通信線CAN1,CAN2は相互に接続されるとともに、バックアップ用に2重系が組まれている。
入力されたストローク信号S1,S2、M/C圧Pm1、Pm2、実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrに基づき、第1、第2CPU310,320は目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算し、CAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200へ出力する。
なお、第1CPU310において第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrをまとめて演算し、第2CPU320は第1CPU310のバックアップ用としてもよく特に限定しない。
また、メインECU300はこのCAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200の起動を行う。第1、第2サブECU100,200をそれぞれ独立して起動する信号を発するが、1つの信号で各サブECU100,200を同時に起動することとしてもよく特に限定しない。またイグニッションスイッチIGNにより起動することとしてもよい。
ABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には、車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも合わせて取り込んで目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの制御を行う。VDC制御中にはブザーBUZZにより運転者に警告を発する。また、VDCスイッチVDC.SWにより制御のON/OFFを運転者の意思により切替可能となっている。
また、メインECU300はCAN通信線CAN3により他のコントロールユニットCU1〜CU6と接続し、協調制御を行う。回生ブレーキコントロールユニットCU1は制動力を回生して電力に変換し、レーダーコントロールユニットCU2は車間距離制御を行う。また、EPSコントロールユニットCU3は電動パワーステアリング装置のコントロールユニットである。
ECMコントロールユニットCU5はエンジンのコントロールユニット、ATコントロールユニットCU5は自動変速機のコントロールユニットである。さらに、メータコントロールユニットCU6は各メータを制御する。メインECU300に入力された車輪速VSPは、CAN通信線CAN3を介してECMコントロールユニットCU5、ATコントロールユニットCU5、メータコントロールユニットCU6へ出力される。
各ECU100,200,300の電源は第1、第2電源BUTT1,BUTT2である。第1電源BUTT1はメインECU300および第1サブECU100に接続し、第2電源BUTT2はメインECU300および第2サブECU200に接続する。
[サブECU]
第1、第2サブECU100,200はそれぞれ第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と一体に設けられる。なお、車両レイアウトに合わせ別体としてもよい。
この第1、第2サブECU100,200には、メインECU300から出力された目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rr、および第1、第2液圧ユニットHU1,HU2からそれぞれポンプP1,P2の吐出圧Pp1,Pp2、各実ホイルシリンダ圧Pfl,PrrおよびPfr,Prlが入力される。
入力されたポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Ffl〜Prrに基づき、目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを実現するよう各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2内のポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を駆動して液圧制御を行う。なお、第1、第2サブECU100,200は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と別体であってもよい。
この第1、第2サブECU100,200は、一旦目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが入力されると、新たな目標値が入力されるまでは前回入力値に収束するよう制御するサーボ制御系を構成している。
また、第1、第2サブECU100,200により電源BUTT1,BUTT2からの電流が第1、第2液圧ユニットHU1,HU2のバルブ駆動電流I1,I2およびモータ駆動電圧V1,V2に変換され、リレーRY11,12およびRY21,22を介して第1、第2液圧ユニットHU1,HU2へ出力される。
[液圧ユニットの目標値演算と駆動制御の分離]
本願のメインECU300は液圧ユニットHU1,HU2の目標値演算のみであり駆動制御は行わないが、仮にメインECU300が目標値演算と駆動制御の両方を行うものとした場合、CAN通信等により他のコントロールユニットとの協調制御に基づき液圧ユニットHU1,HU2に駆動指令を出力することとなる。
したがって、CAN通信線CAN3および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算が終了してから初めて目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが出力されることとなるため、CAN通信線CAN3の通信速度および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算速度が遅い場合、ブレーキ制御も遅れてしまう。
また、車内の他の制御コントローラとの接続を行う通信線の速度を上げると高コストとなり、またノイズによる耐フェール性の低下を招くおそれがある。
そのため本願実施例では、ブレーキ制御におけるメインECU300の役割は液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの演算に留め、油圧アクチュエータである液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御はサーボ制御系を有する第1、第2サブECU100,200により行うこととする。
これにより、液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御は第1、第2サブECU100,200に特化させ、他のコントロールユニットCU1〜CU6との協調制御はメインECU300に行わせることで、通信速度および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算速度に影響されずに行うことが可能となる。
したがって、ブレーキ制御系を他の制御系に対し独立させて制御することで、ハイブリッド車や燃料電池車で必須となっている回生協調ブレーキシステム、車両統合制御やITS等様々なユニットを付加した場合であっても、これらのユニットとの融合を円滑に行いつつ、ブレーキ制御の応答性を確保するものである。
とりわけ、本願のようなブレーキバイワイヤシステムにあっては、使用頻度の高い通常ブレーキ時においてブレーキペダル操作量に合わせた緻密な制御が要求される。そのため、本願のように液圧ユニットの目標値演算制御と駆動制御との分離はより有効となる。
[マスタシリンダおよびストロークシミュレータ]
ストロークシミュレータS/SimはマスタシリンダM/Cに内蔵され、ブレーキペダルBPの反力を発生させる。また、マスタシリンダM/CにはマスタシリンダM/CとストロークシミュレータS/Simとの連通/遮断を切り替える切替弁Can/Vが設けられている。
この切替弁Can/VはメインECU300により開弁/閉弁され、ブレーキバイワイヤ制御終了時やサブECU100,200の失陥時に速やかにマニュアルブレーキに移行可能となっている。また、マスタシリンダM/Cには第1、第2ストロークセンサS/Sen1,S/Sen2が設けられている。ブレーキペダルBPのストローク信号S1,S2がメインECU300に出力される。
[液圧ユニット]
図2、図3は液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。第1液圧ユニットHU1にはシャットオフバルブS.OFF/V、FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)の各電磁弁、およびポンプP1、モータM1が設けられている。前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるよう、各バルブの開度等が予め設定されている。
ポンプP1の吐出側の油路F1は油路C1(FL,RR)を介してそれぞれFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)と接続し、吸入側は油路B1を介してリザーバRSVと接続する。油路C1(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,RR)を介して油路B1と接続する。
また、油路C1(FL)と油路E1(FL)の接続点I1は油路A1を介してマスタシリンダM/Cと接続する。さらに、油路C1(FL,RR)の接続点J1は油路G1を介して油路B1と接続する。
シャットオフバルブS.OFF/Vは常開電磁弁であり、油路A1上に設けられてマスタシリンダM/Cと接続点I1との連通/遮断を行う。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)はそれぞれ油路C1,C1上に設けられた常閉比例弁であり、ポンプP1の吐出圧を比例制御してFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に供給する。常閉とすることで、失陥時にマスタシリンダM/C圧PmがポンプP1側へ逆流することを防止する。
なお、インバルブIN/V(FL,RR)を常開とし、油路C1(FL,RR)上にポンプP1側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,RR)を設けて逆流を防止してもよい(図17参照)。常閉とすることで、消費電力を低減するものである。
FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,FR)上に設けられている。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉比例弁であるが、RR輪アウトバルブOUT/V(RR)は常開比例弁となっている。また、油路G1上にはリリーフバルブRef/Vが設けられている。
第1液圧ユニットHU1とマスタシリンダM/Cとの間の油路A1には第1M/C圧センサMC/Sen1が設けられ、第1M/C圧Pm1をメインECU300へ出力する。また液圧ユニットHU1内であって油路C1(FL,FR)上にはFL,RR輪ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,RR)が設けられ、ポンプP1の吐出側にはポンプ吐出圧センサP1/Senが設けられてそれぞれの検出値Pfl,PrrおよびPp1を第1サブECU100へ出力する。
[通常ブレーキ]
(増圧時)
通常ブレーキ増圧時にはシャットオフバルブS.OFF/Vを閉弁、インバルブIN/V(FL,RR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を閉弁し、モータMを駆動する。モータM1によりポンプP1が駆動されて吐出圧が油路C1(FL,FR)に供給され、インバルブIN/V(FL,RR)により液圧制御を行ってFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に導入し、増圧を行う。
(減圧時)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を開弁してホイルシリンダ圧をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持時)
通常ブレーキ保持時にはインバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)を全て閉弁し、ホイルシリンダ圧を保持する。
[マニュアルブレーキ]
システム失陥時等、マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,RR)が閉弁される。したがってマスタシリンダ圧PmはRR輪ホイルシリンダW/C(RR)には供給されない。
一方、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉であるため、マニュアル時には閉弁されてFL輪ホイルシリンダW/C(FL)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。よって、運転者のペダル踏力によって増圧したマスタシリンダ圧PmをFL輪ホイルシリンダW/C(FL)に作用させ、マニュアルブレーキを確保する。
なお、マニュアルブレーキをRR輪にも作用させてもよいが、FL輪に加えRR輪のホイルシリンダ圧をペダル踏力により増圧する場合、運転者に与える踏力負荷が大きくなりすぎて現実的でない。したがって本願実施例では、第1液圧ユニットHU1においては制動力の大きいFL輪にのみマニュアルブレーキを作用させることとする。
このためRR輪アウトバルブは常開とされ、システム失陥時に速やかにRR輪ホイルシリンダW/C(RR)の残圧を排出させてRR輪のロックを回避することとする。
第2液圧ユニットHU2についても、回路構成および制御は同一である。第1液圧ユニットHU1と同様、FR輪アウトバルブOUT/V(FR)は常閉、RL輪アウトバルブOUT/V(RL)は常開とされてマニュアルブレーキはFR輪にのみ作用する。
[ブレーキバイワイヤ制御処理]
図12は、メインECU300および第1、第2サブECU100,200において実行されるブレーキバイワイヤ制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
ステップS1では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS2では第1、第2M/C圧Pm1,Pm2を読み込み、ステップS3へ移行する。
ステップS3ではメインECU300の第1、第2CPU310,320において第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算し、ステップS4へ移行する。
ステップS4ではメインECU300から第1、第2サブECU100,200へ目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを送信し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では第1、第2サブECU100,200が目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを受信し、ステップS6へ移行する。
ステップS6では第1、第2サブECU100,200が第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を駆動して実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrを制御し、ステップS7へ移行する。
ステップS7では第1、第2サブECU100,200が実ホイルシリンダ圧Pfl〜PrrをメインECU300へ送信し、ステップS8へ移行する。
ステップS8ではメインECU300が各実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrを受信し、ステップS1へ戻る。
[ストロークシミュレータ切替弁開閉制御]
図13は、メインECU300において実行されるストロークシミュレータS/Simの切替弁Can/Vの開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS12へ移行する。
ステップS12では第1、第2M/C圧センサ値Pm1,Pm2を読み込み、ステップS13へ移行する。
ステップS13では読み込んだストローク信号S1,S2およびPm1,Pm2に基づき運転者によるブレーキ要求があるかどうかを判断し、YESであればステップS14へ移行し、NOであればステップS19へ移行する。
ステップS14では切替弁Can/Vを開弁し、ステップS15へ移行する。
ステップS15では図4のブレーキバイワイヤ制御を実行し、ステップS16へ移行する。
ステップS16では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS17へ移行する。
ステップS17では第1、第2M/C圧センサ値Pm1,Pm2を読み込み、ステップS18へ移行する。
ステップS18では読み込んだストローク信号S1,S2およびPm1,Pm2に基づき運転者によるブレーキ要求があるかどうかを判断し、YESであればステップS15へ移行し、NOであればステップS19へ移行する。
ステップS19では切替弁Can/Vを閉弁し、ステップS11へ戻る。
[4輪ブレーキバイワイヤ車両におけるエア抜き制御処理]
図14は実施例2の4輪ブレーキバイワイヤ車両におけるエア抜き制御処理の流れを示すメインフローである。第1、第2液圧ユニットHU1,HU2ともにエア抜きは同様の作業工程であるため第1液圧ユニットHU1についてのみ説明する。また、実施例1のエア抜き制御処理(図6参照)とほば同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
ステップS100'では油路A1,B1の真空引きを行い、ステップS200へ移行する。
ステップS200'、S300'は、図6のS200、S300と同様である。
ステップS400'では油路C1,F1のエア抜きを行い、ステップS500'へ移行する。
ステップS500'では油路D1のエア抜きを行い、ステップS600'へ移行する。
ステップS600'〜S800'は、図6のS500〜S800と同様である。
[エア抜き制御処理(油路D1)]
図15は油路D1のエア抜き制御処理(上記4輪バイワイヤ車両のメインフロー:図14 ステップS500')の流れを示すフローチャートである。図14同様、第1液圧ユニットHU1についてのみ示し、実施例1の図7と異なるステップについてのみ説明する。また、タイムチャートは実施例1と同様である(図8参照)。
ステップS501は、図7のS501と同様である。
ステップS502'では、FL,RRシャットオフバルブS.OFF/V(FL,RR)を閉弁し、ステップS503'へ移行する。
ステップS503'、S504'は、図7のS503、S504と同様である。
ステップS505'、左前輪FLまたは右後輪RRのホイルシリンダ圧Pfl,Prrのいずれかが所定の液圧下限値Pbを下回るかどうかが判断され、YESであればステップS507'へ移行し、NOであればステップS506'へ移行する。
ステップS506'では、FLまたはRRのホイルシリンダ圧Pfl,Prrのいずれかが所定の液圧上限値Paを上回るかどうかが判断され、YESであればステップS508'へ移行し、NOであればステップS507'へ移行する。
ステップS507'〜S510'は、図7のS507〜S510と同様である。
ステップS511'では、FL,RRシャットオフバルブS.OFF/V(FL,RR)を開弁し、制御を終了する。
[実施例2の効果]
4輪ブレーキバイワイヤ車両にあっても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
また、ホイルシリンダW/Cの目標液圧P*を演算するメインECU300と、メインECU300により演算された目標液圧P*に基づき液圧ユニットHU1,HU2を駆動するサブECU100,200とを有することとした。
これにより、第1、第2サブECU100,200は液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御に特化させ、メインECU300は目標液圧P*の演算および他のコントロールユニットCU1〜CU6との協調制御に特化させることで、目標液圧P*演算と液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御を別体のコントロールユニットで行い、通信速度および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算速度に影響されずに行うことが可能となる。よって、様々なユニットを付加した場合であっても、これらのユニットとの融合を円滑に行いつつ、ブレーキ制御の応答性を確保することができる。
また、油圧アクチュエータとしてそれぞれ第1、第2の液圧源P1,P2を備えた第1、第2液圧ユニットHU1,HU2から構成され、第1液圧ユニットHU1は、第1の液圧源P1によってFL輪およびRR輪の増減圧を行い、第2液圧ユニットHU2は、第2の液圧源P2によってFR輪およびRL輪の増減圧を行うこととした。これにより、従来のX配管構造を有する車両に本願ブレーキ制御装置をそのまま適用することにより、ブレーキバイワイヤシステム車両を容易に提供することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、図16に示すように、回生協調ブレーキシステム、ITS等様々な制御を行う統合コントローラ600を設けた場合であっても、ブレーキ制御系を他の制御系に対し独立させて制御を行っているため、ブレーキ制御系に特別の処置を施すことなく統合コントローラ600を容易に融合させることができる。
本願実施例ではインバルブIN/VおよびアウトバルブOUT/Vを常閉弁としたが、図17に示すように、常開弁として油路A1,B1上にはポンプP1側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,RR)を設け、ポンプ側への逆流を防止してもよい。常閉とすることで、消費電力を低減できる。
実施例1におけるブレーキ液圧制御装置のシステム構成図である。 液圧ユニットの油圧回路図である。 ホイルシリンダの斜視図である。 エア抜き時におけるサービスツールの表示画面である。 FL,FR輪液圧の現在値を示す表示画面である。 エア抜き制御処理の流れを示すメインフローである。 油路Dのエア抜き制御処理の流れを示すフローチャートである。 エア抜き制御の経時変化を示すタイムチャートである。 実施例2におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。 第1液圧ユニットの油圧回路図である。 第2液圧ユニットの油圧回路図である。 メインECUおよび第1、第2サブECUにおいて実行されるブレーキバイワイヤ制御処理の流れを示すフローチャートである。 メインECUにおいて実行されるストロークシミュレータの切替弁の開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の4輪ブレーキバイワイヤ車両におけるエア抜き制御処理の流れを示すメインフローである。 油路D1のエア抜き制御処理の流れを示すフローチャートである。 本願ブレーキ制御装置のシステムに統合コントローラを融合させた例である。 インバルブを常開とし、チェック弁によってポンプ側への逆流を防止する例である。
符号の説明
1 サービスツール
1a ハーネス
1b 表示画面
5 キャリパ
6 後輪ブレーキアクチュエータ
7 電動キャリパ
9 回生ブレーキ装置
51 ロータ
52 エアブリーダ
53 プラグ
100,200 第1、第2サブユニット
300 メインユニット
310,320 第1、第2CPU
600 統合コントローラ
A〜F 油路
BP ブレーキペダル
BUTT1,BUTT2 第1、第2電源
BUZZ ブザー
C/V チェック弁
Can/V 切替弁
CAN1〜CAN3 CAN通信線
CU1 回生ブレーキコントロールユニット
CU2 レーダーコントロールユニット
CU3 電動パワーステアリングコントロールユニット
CU4 エンジンコントロールユニット
CU5 コントロールユニット
CU6 メータコントロールユニット
FL,FR 前輪
HU1,HU2 液圧ユニット
IGN.SW イグニッションスイッチ
IN/V インバルブ
I,J 接続点
L/Sen 液量センサ
M モータ
M/C マスタシリンダ
MC/Sen マスタシリンダ圧センサ
OUT/V アウトバルブ
P ポンプ
P/Sen ポンプ圧センサ
Ref/V リリーフバルブ
RL,RR 後輪
RSV リザーバ
RY11,12、21,22 リレー
S.OFF/V シャットオフバルブ
S/Sen ストロークセンサ
S/Sim ストロークシミュレータ
STP.SW ストップランプスイッチ
VDC.SW スイッチ
W/C ホイルシリンダ
WC/Sen ホイルシリンダ圧センサ

Claims (17)

  1. 液圧源と、
    ホイルシリンダと、
    前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間に設けられ、前記ホイルシリンダの液圧を制御する液圧制御手段と
    を備えたブレーキ液圧系において、
    前記液圧制御手段は、車両の運転状況に基づき前記ホイルシリンダの液圧を制御するコントロールユニットと、このコントロールユニットからの指令に基づき前記ホイルシリンダの液圧を増減圧するアクチュエータとを備え、
    前記ブレーキ液圧系は、切換弁によって開閉され、ブレーキ液を排出する排出孔を有し、
    前記コントロールユニットは、ブレーキ液のエア抜き作業時には、前記アクチュエータを駆動して前記ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  2. 請求項1に記載のブレーキ液圧系において、
    前記コントロールユニットは、車両外部に設けられたブレーキエア抜き作業支援装置からの指令に基づき、前記ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  3. 請求項2に記載のブレーキ液圧系において、
    前記切換弁は、前記ブレーキエア抜き作業支援装置からの指令に基づき開弁されること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ液圧系において、
    前記アクチュエータはポンプを備え、
    前記コントロールユニットは、前記ポンプを駆動することで前記ブレーキ液を増圧し、排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  5. 請求項4に記載のブレーキ液圧系において、
    前記アクチュエータは、油路と、この油路上に設けられた電磁弁とをさらに備え、
    前記コントロールユニットは、前記電磁弁の開閉を行うことにより前記油路を区画し、この区画された油路に前記ポンプの吐出圧を導入することで、前記ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  6. 請求項5に記載のブレーキ液圧系において、
    前記排出孔は前記ホイルシリンダの近傍に設けられ、
    前記コントロールユニットは、前記電磁弁を閉弁することにより、前記油路における前記電磁弁と前記ホイルシリンダとの間を区画して第1区画を形成し、この第1区画に前記ポンプの吐出圧を導入することで、前記第1区画におけるブレーキ液を前記排出孔から排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  7. 請求項5に記載のブレーキ液圧系において、
    前記電磁弁は、前記油路上であってマスタシリンダと前記ホイルシリンダとの間に設けられ、
    前記コントロールユニットは、前記電磁弁を開弁して前記マスタシリンダと前記ポンプとを連通することにより、前記油路における前記マスタシリンダと前記ポンプとの間の第2区画を形成し、この第2区画に前記ポンプの吐出圧を導入することで、前記第2区画におけるブレーキ液を前記マスタシリンダに排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  8. 請求項5に記載のブレーキ液圧系において、
    前記ホイルシリンダの液圧を検出する液圧センサをさらに備え、
    前記コントロールユニットは、
    前記ブレーキエア抜き作業支援装置からの指令に基づき、前記ブレーキ液の排出終了後に前記ホイルシリンダ圧を増圧するとともに、
    増圧後のホイルシリンダ圧が所定の範囲内であれば正常信号を出力し、所定の範囲内でなければ異常信号を出力すること
    を特徴とするブレーキ液圧系。
  9. 液圧源と、
    ホイルシリンダと、
    前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間に設けられ、車両の運転状況に基づき前記ホイルシリンダの液圧を制御するコントロールユニットと、このコントロールユニットからの指令に基づき前記ホイルシリンダの液圧を増減圧するアクチュエータと、を備える液圧制御手段と
    を有するブレーキ液圧系のエア抜きを行うブレーキエア抜き作業支援装置であって、
    前記コントロールユニットに対し指令を出力して前記アクチュエータを駆動することにより、前記ブレーキ液圧系内に設けられた油路を区画するとともに、この区画された油路内のブレーキ液を増圧して前記ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキエア抜き作業支援装置。
  10. 液圧源と、
    ホイルシリンダと、
    前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間に設けられ、車両の運転状況に基づき前記ホイルシリンダの液圧を制御するコントロールユニットと、このコントロールユニットからの指令に基づき前記ホイルシリンダの液圧を増減圧するアクチュエータと、を備える液圧制御手段と、
    切換弁によって開閉され、ブレーキ液を排出する排出孔と
    を有するブレーキ液圧系のエア抜き作業方法であって、
    前記アクチュエータを駆動することにより、ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  11. 請求項10に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    車両外部に設けられたブレーキエア抜き作業支援装置から、前記コントロールユニットに対して指令を出力することにより、前記アクチュエータを駆動すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  12. 請求項11に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    前記ブレーキエア抜き作業支援装置からの指令に基づき、前記切換弁を開弁すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  13. 請求項11または請求項12に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    前記アクチュエータはポンプを備え、
    前記ポンプを駆動することで前記ブレーキ液の液圧を増圧し、前記ブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  14. 請求項13に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    電磁弁の開閉を行うことにより区画された油路に、前記ポンプの吐出圧を導入し、前記区画された油路内のブレーキ液を排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  15. 請求項14に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    前記排出孔は前記ホイルシリンダの近傍に設けられ、
    前記コントロールユニットは、前記電磁弁を閉弁し、前記油路における前記電磁弁と前記ホイルシリンダとの間に形成される第1区画に前記ポンプの吐出圧を導入し、前記第1区画におけるブレーキ液を前記排出孔から排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  16. 請求項14に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    前記電磁弁を開弁することにより、前記油路におけるマスタシリンダと前記ポンプとの間に第2区画を形成し、この第2区画に前記ポンプの吐出圧を導入することで、前記第2区画におけるブレーキ液を前記マスタシリンダに排出すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
  17. 請求項13に記載のブレーキ液圧系のエア抜き作業方法において、
    前記ブレーキエア抜き作業支援装置からの指令に基づき前記ブレーキ液の排出終了後に前記ホイルシリンダ圧を増圧し、増圧後の所定時間経過後および液圧保持状態における前記ホイルシリンダの液圧が所定の範囲内であれば正常、所定の範囲内でなければ異常と判断すること
    を特徴とするブレーキ液圧系のエア抜き作業方法。
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