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JP2007175906A - ヘッドクリーニング装置 - Google Patents

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JP2007175906A JP2005374389A JP2005374389A JP2007175906A JP 2007175906 A JP2007175906 A JP 2007175906A JP 2005374389 A JP2005374389 A JP 2005374389A JP 2005374389 A JP2005374389 A JP 2005374389A JP 2007175906 A JP2007175906 A JP 2007175906A
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    • B41J2/16535Cleaning of print head nozzles using wiping constructions

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Abstract

【課題】インクジェット記録ヘッドのノズル面から非接触でインクを除去する手段を提供する。
【解決手段】ヘッドクリーニング装置80は、所定方向にスライド移動して被記録媒体に対してノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドのカバープレートに接触する接触ローラ81と、接触ローラ81により、そのローラ面とノズル面とに微小隙間Dが形成され、該ローラ面とノズル面とが対向した状態で、インクジェット記録ヘッドのスライド方向と逆方向に回転されるクリーニングローラ82と、クリーニングローラ82のローラ面からインク滴を除去するクリーニングブレード83とを具備する。
【選択図】図7

Description

本発明は、被記録媒体に対してノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドのノズル面からインクを除去するヘッドクリーニング装置に関する。
従来より、インクジェット記録ヘッドからインク滴を吐出して記録用紙に着弾させることにより、記録用紙に画像記録を行う所謂インクジェット方式の画像記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置では、インクを貯留するインク室から所定のインク通路を通じてインクジェット記録ヘッドへインクが供給され、インクジェット記録ヘッドのノズルからインクが所定のタイミングで吐出される。
このようなインクジェット記録ヘッドを有する画像記録装置では、インクに混入した気泡や異物を除去するために、パージと称されるクリーニングが行われる。パージは、インクジェット記録ヘッドのノズル面をキャップで密封し、減圧ポンプ等によりキャップ内を負圧にして、ノズルから気泡や異物をインクとともに吸引するものである。
パージ後のノズル面には、キャップ内で飛散したインクが付着しているので、インクジェット記録ヘッドのノズルから的確にインクを吐出させるために、該インクをノズル面から除去する必要がある。このインクの除去には、従来より所謂ワイパーと呼ばれるゴムブレードが用いられている。具体的には、インクジェット記録ヘッドからインクが吸引された後、キャップが外される。そして、インクジェット記録ヘッドが、ノズル面をゴムブレードに接触させた状態で移動されることにより、ゴムブレードがノズル面に付着したインクを拭い取る。このようなゴムブレードによるインクの除去では、ゴムブレードがノズル面を繰り返し摺動することにより、ノズル面に施された撥水層が摩耗するという問題がある。
これに対し、インクジェット記録ヘッドのノズル面に非接触で、インクの吸引を行いながら吸引具をノズルのない位置まで移動させる清掃機構が提案されている(特許文献1参照)。これにより、ノズル面のノズル周辺からインクが移動されるので、その後のノズルからのインク吐出に際して、ノズル面に付着したインクが吐出不良を引き起こすことが防止される。
また、ゴムブレードより確実なインク除去を行うことができるメンテナンス装置として、洗浄液が含浸された清掃ローラが提案されている(特許文献2参照)。清掃ローラは、フェルトのような多孔質部材からなり、洗浄液が含浸された状態でインクジェット記録ヘッドのノズル面に圧接される。その状態でインクジェット記録ヘッドが移動されることにより、清掃ローラがノズル面に付着したインクを除去する。
特開2003−39710号公報 特開2004−106280号公報
しかし、特許文献1に示されるように、インクジェット記録ヘッドのノズル面に付着したインクを、吸引具によりノズル周辺から移動させてインクの吐出不良を防止したとしても、ノズル面からはインクが除去されない。したがって、画像記録の際に、記録用紙がインクジェット記録ヘッドのノズル面に接触すれば、記録用紙がインクで汚れるという不具合が生じる。また、吸引具による吸引力でインクを確実に移動させるためには、吸引具の吸引圧とインクジェット記録ヘッドに対する相対的な移動速度とを適合させる必要があり、また、これらを適合させたとしても、吸引具とインクジェット記録ヘッドとの相対的な移動速度が秒速3mm程度と比較的遅く、メンテナンス時間が長くなるという問題がある。
一方、特許文献2に示されるように、清掃ローラによるインク除去では、インクジェット記録ヘッドのノズル面に付着したインクを確実に拭い取ることができるものの、ノズル面に清掃ローラが圧接されるので、やはり撥水層の摩耗が生ずる。また、水やアルコールなどの洗浄液を装置内に貯蔵し、さらに、清掃ローラが洗浄液で湿潤された状態を維持する必要があり面倒である。また、ノズル面に洗浄液が残るおそれがあり、結局、ゴムブレードによりノズル面に付着した洗浄液を拭い取る必要が生じる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、インクジェット記録ヘッドのノズル面から非接触でインクを除去する手段を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係るヘッドクリーニング装置は、インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を有するインクジェット記録ヘッドと、上記ノズル面の領域外に接触する位置決め部材と、上記位置決め部材により、そのローラ面と上記ノズル面とに微小隙間が形成され、該ローラ面を該ノズル面に対向させて回転可能なクリーニングローラと、を具備してなるものである。
インクジェット記録ヘッドのノズル面には、被記録媒体に対してインク滴を吐出するためのノズルが形成されている。このノズルの目詰まりの修復や気泡の除去のために、ノズルからインクを吸引する手法があり、一般にパージと呼ばれている。パージ後のノズル面には、吸引されたインクの一部が残存して付着している。パージ後において、インクジェット記録ヘッドのノズル面は、その領域外において位置決め部材と接触する。この位置決め部材との接触により、クリーニングローラのローラ面とノズル面との間に微小隙間が形成される。クリーニングローラは、ローラ面をインクジェット記録ヘッドのノズル面に対向させて回転される。この際に、ノズル面に残存したインクがクリーニングローラのローラ面に接触する。つまり、ノズル面とローラ面との間にインクが介在した状態になる。インクは液体なので、接触角の小さい方向へ移動する力が作用する。この力により、ノズル面に残存したインクが、クリーニングローラのローラ面に移動する。このようにして、インクジェット記録ヘッドのノズル面に残存したインクが、クリーニングローラにより非接触で拭き取られる。
(2) 上記クリーニングローラのローラ面からインクを除去する清掃部材を更に具備するものであってもよい。
ノズル面と対向して回転されたクリーニングローラのローラ面には、ノズル面に残存したインクが付着する。クリーニングローラがさらに回転すると、クリーニングローラに移動したインクは、清掃部材によりローラ面から除去される。さらにクリーニングローラが回転すると、インクが除去されたクリーニングローラのローラ面がノズル面と対向するので、再び、ノズル面に残存したインクを除去することができる。
(3) 上記位置決め部材は、上記インクジェット記録ヘッドのノズル面の領域外に当接するローラであり、上記位置決め部材の回転に基づいて上記クリーニングローラを該位置決め部材と逆方向に回転する駆動伝達部材を具備するものであってもよい。
これにより、クリーニングローラに駆動源から駆動力を伝達することなく、位置決め部材の回転に基づいてクリーニングローラを回転させることができるので、ヘッドクリーニング装置が簡易な構造で実現される。
(4) 上記クリーニングローラのローラ面は、上記ノズル面より親水性の高い素材からなるものが好適である。
これにより、クリーニングローラのローラ面とインクとの接触角を、ノズル面とインクとの接触角より確実に小さくすることができる。
(5) 上記微小隙間は、0.01〜0.1mmの範囲内であることが好適である。
(6) 上記清掃部材として、上記クリーニングローラのローラ面に摺接するブレードが挙げられる。
(7) 上記清掃部材は、上記クリーニングローラのローラ面の最下位置より、該クリーニングローラの回転方向下流側に配設されることが好適である。
インクジェット記録ヘッドのノズル面からクリーニングローラのローラ面に移動したインクは、ローラ面の最下位置付近でクリーニングローラの回転による遠心力及び重力を受けて下方に振り落とされる。さらにローラ面に残ったインクは、清掃部材により除去される。これにより、インクジェット記録ヘッドのノズル面にインクが除去されたローラ面を確実に再び対向させることができる。
本発明に係るヘッドクリーニング装置によれば、インクジェット記録ヘッドのノズル面の領域外において位置決め部材を接触させて、クリーニングローラのローラ面とノズル面との間に微小隙間を形成し、クリーニングローラが、ローラ面がノズル面と対向した状態で回転されることにより、液体が接触角の小さい方向へ移動する力を利用して、ノズル面に残存したインクをクリーニングローラのローラ面に移動させることとしたので、インクジェット記録ヘッドのノズル面に残存したインクを、ノズル面に非接触で拭き取ることができる。これにより、ヘッドクリーニングの際に、インクジェット記録ヘッドのノズル面に形成された撥水層が摩耗したり、損傷されることを防止でき、インクジェット記録ヘッドの製品寿命を延長することができる。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施の形態に係る複合機1の外観構成を示すものである。図2は、複合機1の内部構成を示す縦断面図である。図3は、プリンタ部2の主要構成を示す拡大断面図であり、図4は、プリンタ部2の主要構成を示す拡大平面図である。
図1に示すように、複合機1は、下部にプリンタ部2を、上部にスキャナ部3を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。複合機1のプリンタ部2において、本発明に係るヘッドクリーニング装置が実現されているので、複合機1のプリンタ機能以外の機能は任意のものである。したがって、スキャナ部3がなく、スキャナ機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタとして本発明を実施してもよい。
複合機1は、主に不図示のコンピュータ(外部情報機器)と接続されて、該コンピュータから送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録するものである。また、複合機1は、コンピュータの他、デジタルカメラ等の外部機器と接続されてデジタルカメラから出力される画像データを記録用紙に記録したり、メモリカード等の各種記録媒体を装填して、該記録媒体に記録された画像データ等を記録用紙に記録することも可能である。また、以下に説明する複合機1の構成は、本発明に係るヘッドクリーニング装置が実現されるプリンタの一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲で構成を適宜変更できることは当然である。
図1に示すように、複合機1は高さより横幅及び奥行きが大きい幅広薄型の概ね直方体の外形であり、複合機1の下部がプリンタ部2である。プリンタ部2は、正面に開口2aが形成されており、開口2aの奥部に、装置正面から一部が露呈するようにして給紙トレイ20及び排紙トレイ21が上下2段に設けられている。給紙トレイ20は、被記録媒体である記録用紙を貯蔵するためのものであり、A4サイズ以下のB5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙が収容可能である。また、給紙トレイ20は、図2に示すように、必要に応じてスライドトレイ20aを引き出されることによりトレイ面が拡大され、例えばリーガルサイズの記録用紙が収容可能になる。給紙トレイ20に収容された記録用紙がプリンタ部2の内部へ給送されて所望の画像が記録され、排紙トレイ21へ排出される。
複合機1の上部はスキャナ部3であり、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。図1及び図2に示すように、複合機1の天板として開閉自在に設けられた原稿カバー30の下側に、プラテンガラス31及びイメージセンサ32が設けられている。プラテンガラス31は画像読取りを行う原稿を載置するためのものである。プラテンガラス31の下方には、複合機1の奥行き方向(図2の左右方向)を主走査方向とするイメージセンサ32が、複合機1の幅方向(図2の紙面垂直方向)に走査可能に設けられている。
複合機1の正面上部には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル4が設けられている。操作パネル4は各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機1は、操作パネル4からの操作指示に基づいて動作し、また、コンピュータに接続されている場合には、該コンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても動作する。また、複合機1の正面の左上部には、記録媒体である各種小型メモリカードを装填可能なスロット部5が設けられている。複合機1は、スロット部5に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出して、該画像データに関する情報を液晶表示部に表示させ、選択された任意の画像をプリンタ部2により記録用紙に記録する。任意の画像を選択するための等の入力は、操作パネル4から行われる。
図2に示すように、複合機1の底側に設けられた給紙トレイ20の奥側には、給紙トレイ20に積載された記録用紙を分離して上方へ案内するための分離傾斜板22が配設されている。用紙搬送路23は、分離傾斜板22から上方へ向かった後、正面側へ曲がって、複合機1の背面側から正面側へと延び、画像記録ユニット24を通過して排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録ユニット24に至り、画像記録ユニット24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
図3に示すように、給紙トレイ20の上側には、給紙トレイ20に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して用紙搬送路23へ供給するための給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の先端に軸支されており、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27により、モータ等の駆動源から駆動伝達されて回転する。
給紙アーム26は、基端側を軸として上下方向に揺動可能に配設されている。給紙アーム26は、待機状態では、給紙クラッチやバネ等により図2に示すように下側へ降下されて給紙トレイ20に収容された記録用紙に圧接している。給紙アーム26は、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が開口2aから引き抜かれる際に、上側へ跳ね上げられる。給紙アーム26が降下して給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙の表面に圧接した状態で、給紙ローラ25が回転されることにより、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力で最上位置の記録用紙が分離傾斜板22へ送り出される。該記録用紙は、その後端が分離傾斜板22に当接して上方へ案内され、用紙搬送路23へ送り込まれる。また、給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出される場合があるが、該記録用紙は分離傾斜板22との当接によって制止される。
用紙搬送路23は、画像記録ユニット24等が配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面と内側ガイド面とから構成されている。例えば、複合機1の背面側の用紙搬送路23は、外側ガイド面が複合機1のフレームと一体に形成され、内側ガイド面がガイド部材28がフレーム内に固定されることにより構成されている。用紙搬送路23において、特に用紙搬送路23が曲がっている箇所には、各搬送コロ29が外側ガイド面又は内側ガイド面へローラ面を露出するようにして、用紙搬送路23の幅方向を軸方向として回転自在に設けられている。これら各搬送コロ29によって、用紙搬送路23が曲がっている箇所においてガイド面に接触する記録用紙の搬送が円滑となる。
図3に示すように、用紙搬送路23には、画像記録ユニット24が設けられている。画像記録ユニット24は、インクジェット記録ヘッド39を搭載して主走査方向へ往復動するキャリッジ38を備えている。インクジェット記録ヘッド39は、複合機1内にインクジェット記録ヘッド39とは独立に配置されたインクカートリッジ40(図4参照)からインクチューブ41を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給され、各インクを微小なインク滴として吐出するものである。インクジェット記録ヘッド39が搭載されたキャリッジ38が記録用紙の搬送方向と直交する方向に往復動され、その間の所定のタイミングで各インクが選択的に吐出されることにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に所望の画像が記録される。
図4に示すように、用紙搬送路23の上側において記録用紙の搬送方向に隔てられて、一対のガイドレール43,44が用紙搬送路23の幅方向に延設されている。キャリッジ38は、ガイドレール43,44を跨ぐようにして摺動可能に設けられている。記録用紙の搬送方向の上流側に配設されたガイドレール43は、用紙搬送路23の幅方向の長さがキャリッジ38の往復動範囲より長い平板状のものであり、ガイドレール43の上面が、キャリッジ38の上流側の端部を摺動自在に担持している。
記録用紙の搬送方向の下流側に配設されたガイドレール44は、用紙搬送路23の幅方向の長さがガイドレール43とほぼ同じ長さの平板状のものであり、キャリッジ38の下流側の端部を支持する縁部45が、上方へ向かって略直角に曲折されている。キャリッジ38は、ガイドレール44の上面に摺動自在に担持されており、且つ、縁部45をローラ等により狭持している。したがって、キャリッジ38は、ガイドレール43,44上に摺動自在に担持され、ガイドレール44の縁部45を基準として、用紙搬送路23の幅方向に往復動する。なお、キャリッジ38がガイドレール43,44の上面と接触する部位には、摩擦を低減するための摺動部材が適宜設けられる。
ガイドレール44の上面には、ベルト駆動機構46が配設されている。ベルト駆動機構46は、用紙搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリ47と従動プーリ48との間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト49が張架されてなるものである。駆動プーリ47の軸にはモータ等の駆動源から駆動力が入力され、駆動プーリ47の回転によりタイミングベルト49が周運動する。なお、タイミングベルト49は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ38に固着するものを用いてもよい。
キャリッジ38は、タイミングベルト49に固着されており、タイミングベルト49の周運動により、縁部45を基準としてガイドレール43,44上を往復動する。このようなキャリッジ38にインクジェット記録ヘッド39が搭載されて、インクジェット記録ヘッド39が、用紙搬送路23の幅方向を主走査方向として往復動可能となっている。ガイドレール44には、縁部45に沿ってリニアエンコーダのエンコーダストリップ33が配設されている。リニアエンコーダは、キャリッジ38に搭載されたフォトインタラプタによりエンコーダストリップ33を検出するものであり、このリニアエンコーダの検出信号に基づいて、キャリッジ38の往復動が制御される。
図3に示すように、用紙搬送路23の下側には、インクジェット記録ヘッド39と対向してプラテン42が配設されている。プラテン42は、キャリッジ38の往復動範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン42の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン42の上を通過する。
図4に示すように、記録用紙が通過しない範囲、すなわちインクジェット記録ヘッド39による画像記録範囲外には、パージ機構34、廃インクトレイ35、ヘッドクリーニング装置80等のメンテナンスユニットが配設されている。パージ機構34は、インクジェット記録ヘッド39のノズル51(図5参照)から気泡や異物を吸引除去するためのものである。パージ機構34は、インクジェット記録ヘッド39の底面であるノズル面50に密着してノズル51を覆うキャップ36と、キャップ36を通じてインクジェット記録ヘッド39に接続されるポンプ機構と、キャップ36をインクジェット記録ヘッド39のノズル面50に接離させるための移動機構とからなる。なお、図4には、ポンプ機構及び移動機構は図示されていない。インクジェット記録ヘッド39の気泡等の吸引除去を行う際には、インクジェット記録ヘッド39がキャップ36上に位置するようにキャリッジ38が移動される。その状態でキャップ36が上方へ移動してインクジェット記録ヘッド39のノズル51を密閉するようノズル面50に密着する。キャップ36と連結されたポンプがキャップ36内を負圧にすることにより、インクジェット記録ヘッド39のノズル51からインクとともに気泡や異物が吸引除去される。
廃インクトレイ35は、フラッシングと呼ばれるインクジェット記録ヘッド39からのインクの空吐出を受けるためのものであり、キャリッジ38の往復動範囲内であって画像記録範囲外に設けられる。廃インクトレイ35は、例えば、プラテン42の一部として実現されていてもよい。
ヘッドクリーニング装置80は、パージ機構34に隣接して配置されており、パージ機構34によりインクが吸引されたインクジェット記録ヘッド39のノズル面50をクリーニングするためのものである。このヘッドクリーニング装置80が本発明に係るヘッドクリーニング装置に相当するが、詳細な構成は後述される。これらメンテナンスユニットにより、インクジェット記録ヘッド39内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。
インクカートリッジ40は、図1及び図4に示すように、プリンタ部2の正面側であって左側方(図右側)の筐体内に設けられたカートリッジ装着部6に装着される。図4に示すように、カートリッジ装着部6は、装置内において、インクジェット記録ヘッド39を搭載するキャリッジ38と別途に配置されており、インクチューブ41を通じて、カートリッジ装着部6に装着された各インクカートリッジ40から、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクがキャリッジ38へ供給される。
各インクカートリッジ40からインクジェット記録ヘッド39へは、各色毎に独立したインクチューブ41により各色インクが供給される。インクチューブ41は、合成樹脂製のチューブであり、キャリッジ38の往復動に従って撓む可撓性を有する。
カートリッジ装着部6から導出された各インクチューブ41は、装置の幅方向に沿って中央付近まで引き出されて、装置フレーム等の適当な部材に一旦固定されている。そして、該固定箇所からキャリッジ38までの部分は、装置フレーム等に固定されておらず、キャリッジ38の往復動に追従して姿勢変化する。すなわち、キャリッジ38が往復動方向の一端(図左側)へ移動するに従い、各インクチューブ41は、U字形状の湾曲部分の曲げ半径が小さくなるように撓みながら、キャリッジ38の移動方向へ移動する。一方、キャリッジ38が往復動方向の他端(図右側)へ移動するに従い、各インクチューブ41は、湾曲部分の曲げ半径が大きくなるように撓みながら、キャリッジ38の移動方向へ移動する。
図5は、インクジェット記録ヘッド39の底面図である。インクジェット記録ヘッド39は、その底面であるノズル面50に、インクを吐出するためのノズル51が、CMYBkの各色インク毎に記録用紙の搬送方向に列設されている。ノズル面50は、インクジェット記録ヘッド39の下面の略中央に形成されており、その表面にはテフロン(登録商標)層などの撥水層が形成されている。ノズル面50の周縁、すなわちノズル面50の領域外には、カバープレート52が設けられている。カバープレート52は、後述されるヘッドクリーニング装置80の接触ローラ81が当接する領域であり、耐摩耗性の樹脂等から形成される。なお、図において、上下方向が記録用紙の搬送方向であり、左右方向がキャリッジ38の往復動方向である。CMYBkの各色インクのノズル51の列は、キャリッジ38の往復動方向に並んでいる。各ノズル51の搬送方向のピッチや数は、記録画像の解像度等を考慮して適宜設定されるものである。また、カラーインクの種類数に応じてノズル51の列数を増減することも可能である。
図6は、インクジェット記録ヘッド39の内部構成を示す断面図である。インクジェット記録ヘッド39のノズル面50に開口するように形成されたノズル51の上流側には、圧電素子54を備えたキャビティ55が形成されている。圧電素子54は、所定の電圧が印加されることにより変形してキャビティ55の容積を縮小する。このキャビティ55の容量の変化によって、キャビティ55内のインクがノズル51からインク滴として吐出される。
キャビティ55は、各ノズル51毎に設けられており、各色インク毎のノズル51の列の複数のキャビティ55に渡ってマニホールド56が形成されている。マニホールド56の上側にはバッファタンク57が配設されている。バッファタンク57は、CMYBkの各色インク毎に設けられている。各バッファタンク57には、インクカートリッジ40からインクチューブ41を通じてインク供給口58からインクが供給される。バッファタンク57に一旦インクが貯留されることにより、インクチューブ41等でインク内に発生した気泡が捕捉され、キャビティ55及びマニホールド56に気泡が進入することが防止される。バッファタンク57内で捕捉された気泡は、気泡排出口59からポンプ機構により吸引除去される。バッファタンク57からマニホールド56へ供給されたインクは、マニホールド56により各キャビティ55に分配される。
このようにして、インクカートリッジ40からインクチューブ41を通じて供給された各色インクが、バッファタンク57、マニホールド56を介してキャビティ55へ流れるようにインク通路が構成される。このようなインク通路を通じて供給されたCMYBkの各色インクが、ノズル51からインク滴として記録用紙に吐出される。
図3に示すように、画像記録ユニット24の上流側には、用紙搬送路23を搬送されている記録用紙を狭持して、プラテン42上へ搬送する一対の搬送ローラ60及び押さえローラ61が設けられている。画像記録ユニット24の下流側には、記録済みの記録用紙を狭持して搬送する一対の排紙ローラ62及び拍車ローラ63が設けられている。搬送ローラ60及び排紙ローラ62は、モータ等の駆動源から駆動伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動する。搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転は同期されており、搬送ローラ60に設けられたロータリーエンコーダが、搬送ローラ60とともに回転するエンコーダディスクをフォトインタラプタで検出する。この検出信号に基づいて、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転が制御される。
押さえローラ61は、搬送ローラ60に所定の押圧力で押圧するように付勢されて回転自在に設けられている。搬送ローラ60と押さえローラ61との間に記録用紙が進入した場合には、押さえローラ61は記録用紙の厚み分だけ退避して該記録用紙を搬送ローラ60とともに狭持する。これにより、搬送ローラ60の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。拍車ローラ63も排紙ローラ62に対して同様に設けられたものであるが、記録済みの記録用紙と圧接するので、記録用紙に記録された画像を劣化させないようにローラ面が拍車状に凹凸したものとなっている。
図4に示すように、メイン基板64からインクジェット記録ヘッド39へはフラットケーブル65を通じて記録用信号等の伝送が行われる。メイン基板64は、複合機1の動作を制御するための制御部を構成する。フラットケーブル65は、電気信号を伝送する導体をポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムで覆って絶縁した薄帯状のものであり、メイン基板64とインクジェット記録ヘッド39の制御基板とを電気的に接続している。フラットケーブル65は、キャリッジ38から往復動方向へ導出され、上下方向に略U字形状に曲折されており、この略U形状の部分は、他の部材に固定されておらず、キャリッジ38の往復動に追従して姿勢変化する。
以下、ヘッドクリーニング装置80について説明する。図7は、ヘッドクリーニング装置80の構成を示す正面図であり、図8は、ヘッドクリーニング装置80の構成を示す平面図である。ヘッドクリーニング装置80は、図4に示したように、キャリッジ38がガイドレール43,44上を往復動する範囲内であって画像記録領域外に、パージ機構34より内側に配置されている。このヘッドクリーニング装置80により、パージ機構34によりインクが吸引されたインクジェット記録ヘッド39のノズル面50から、付着したインクが除去される。
図7及び図8に示すように、ヘッドクリーニング装置80は、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50と当接する接触ローラ81(位置決め部材)と、ノズル面50に付着したインクを除去するクリーニングローラ82と、クリーニングローラ82のローラ面を清掃するクリーニングブレード83(清掃部材)と、除去したインクを吸収して保持する廃インクフォーム84とを具備する。
接触ローラ81は、一対の支持フレーム85,86の一方に回転自在に支持されている。支持フレーム85,86は、クリーニングローラ82をも回転自在に支持するものであり、クリーニングローラ82の軸方向に隔てられて対向位置に配設されている。支持フレーム85,86間の距離は、インクジェット記録ヘッド39の記録用紙の搬送方向の幅より若干広く、ガイドレール43,44上をキャリッジ38とともに往復動されるインクジェット記録ヘッド39は、支持フレーム85,86間の上側を通過する。支持フレーム85,86が対向する方向が、記録用紙の搬送方向であり、図4における上下方向である。支持フレーム85,86の基端は、複合機1の装置本体又はフレーム部材に固定されている。なお、支持フレーム85,86を、装置フレーム等に一体に形成されたリブとしてもよい。
接触ローラ81は、図8に示すように、記録用紙の搬送方向下流側の支持フレーム85の上端付近に、その軸方向を該搬送方向と一致させて軸支されている。図7に示すように、接触ローラ81のローラ面の上端位置H1が、ヘッドクリーニング装置80の最上位置である。接触ローラ81のローラ面の上端位置H1は、キャリッジ38に搭載されて往復動するインクジェット記録ヘッド39のノズル面50の高さに合致するように設定されている。また、接触ローラ81は、平面視において、インクジェット記録ヘッド39のカバープレート52の搬送方向下流側に対応して配置されている。したがって、キャリッジ38とともに往復動するインクジェット記録ヘッド39に対して、ノズル面50の領域外であるカバープレート52が、接触ローラ81のローラ面に当接する。接触ローラ81の軸方向長さは、カバープレート52の領域内に収まるように設定されており、接触ローラ81は、ノズル面50の領域内、すなわち撥水層が形成された領域には接触しない。
クリーニングローラ82は、図8に示すように、その軸方向を記録用紙の搬送方向と一致させて、支持フレーム85,86間に回転自在に設けられている。図7に示すように、クリーニングローラ82のローラ面の上端位置H2は、接触ローラ81のローラ面の上端位置H1より若干低くなるように設定されている。この接触ローラ81のローラ面の上端位置H1と、クリーニングローラ82のローラ面の上端位置H2との差が、クリーニングローラ82のローラ面とインクジェット記録ヘッド39のノズル面50との間の微小隙間Dとなる。この微小隙間Dは、0.01〜0.1mmの範囲内が、ノズル面50に付着したインクを除去するに好適であり、特に好ましくは、0.03〜0.05mmの範囲内である。クリーニングローラ82の軸方向長さは、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50に対応しており、ノズル面50とクリーニングローラ82のローラ面とが対向する。
クリーニングローラ82は、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50より、親水性が高いものが好適である。クリーニングローラ82のローラ面の親水性を高くすることにより、該ローラ面とインクとの接触角を、ノズル面50とインクとの接触角より確実に小さくすることができる。具体的には、テフロン(登録商標)等により撥水層が形成されたノズル面50に対して、クリーニングローラ82のローラ面を、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム、硫黄及び硫黄複合改削鋼鋼材(SUM)などの金属系素材や、ポリアセタール系樹脂(POM)、アクリル・ブタジエン・スチレン系樹脂(ABS)、ポリプロピレン系樹脂(PP)、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(PBT)、ポリエチレン系樹脂(PE)、ポリカーボネート系樹脂(PC)などの樹脂素材、これら素材にオゾン処理やプラズマ処理などの親水性処理を施したもの等からなるものとすることが好適である。
接触ローラ81の軸には原動ギヤ87が設けられており、クリーニングローラ82の軸には従動ギヤ88が設けられている。原動ギヤ87と従動ギヤ88とは噛合されており、これにより、接触ローラ81の回転が、クリーニングローラ82に逆方向の回転として伝達される。原動ギヤ87及び従動ギヤ88が本発明に係る駆動伝達部材に相当するが、駆動伝達部材はギヤ列に限定されず、例えばタイミングベルトを用いるなど、駆動伝達が可能な周知の構成を採用し得る。原動ギヤ87及び従動ギヤ88が設けられることにより、クリーニングローラ82にモータ等の駆動源から駆動力を伝達する必要がなく、ヘッドクリーニング装置80を簡易な構造で実現することができる。勿論、モータ等の駆動源からクリーニングローラ82に駆動伝達を行って、クリーニングローラ82を回転させるようにしてよい。その場合には、原動ギヤ87及び従動ギヤ88を設ける必要はない。
クリーニングローラ82の下方には、廃インクフォーム84が敷設されている。廃インクフォーム84はフェルト等の吸水性部材であり、クリーニングローラ82の下方の領域を広く覆っている。インクジェット記録ヘッド39のノズル面50から除去されたインクは、クリーニングローラ82の回転により下方に振り落とされ、廃インクフォーム84に吸収されることにより回収される。
廃インクフォーム84のクリーニングローラ82の回転方向下流側となる位置に、クリーニングブレード83が配設されている。つまり、クリーニングローラ82のローラ面の最下位置H3よりクリーニングローラ82の回転方向下流側にクリーニングブレード83が配設されている。クリーニングブレード83は、ワイパー状のゴム部材である。このようにクリーニングローラ82のローラ面に摺接してインクを拭き取るワイパー状の弾性部材が、本発明においてブレードと称される。図7に示すように、クリーニングブレード83の先端は、クリーニングローラ82のローラ面の軸方向全域に圧接されている。クリーニングローラ82は、クリーニングブレード83が圧接された状態で回転され、そのローラ面に付着したインクがクリーニングブレード83により拭き取られて、廃インクフォーム84上に落とされる。これにより、クリーニングローラ82のローラ面のインクが確実に除去される。
以下、図9及び図10を用いて、クリーニング装置80によるインクジェット記録ヘッド39のノズル面50のクリーニングについて説明する。インクジェット記録ヘッド39は、複合機1の電源が入れられたときや所定の時間間隔で、ノズル51の目詰まり防止や気泡の除去のために、パージ機構34によるインクの吸引(パージ)が行われる。パージの際には、キャリッジ38がキャップ36上に移動され(図4参照)、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50がキャップ36に覆われて密封され、その状態でキャップ36内がポンプで負圧にされることにより、各ノズル51からインクが吸引される。
パージが終了すると、キャップ36内が常圧に戻され、ノズル面50からキャップ36が離される。このパージ後のノズル面50には、吸引されたインクの一部が飛散して付着している。ノズル面50にインクが付着した状態のインクジェット記録ヘッド39は、ガイドレール43,44上をキャリッジ38とともにヘッドクリーニング装置80側へ移動される。
図9(a)に示すように、ヘッドクリーニング装置80側へ移動されたインクジェット記録ヘッド39は、そのカバープレート52(図5参照)がヘッドクリーニング装置80の接触ローラ81と接触する。カバープレート52と接触ローラ81とが当接した状態でインクジェット記録ヘッド39がさらに移動されることにより、インクジェット記録ヘッド39の移動に伴って接触ローラ81が図9において半時計回りに回転する。
接触ローラ81の回転は、原動ギヤ87及び従動ギヤ88を介してクリーニングローラ82に伝達される。したがって、接触ローラ81が図9における半時計回りに回転すると、クリーニングローラ82は図9における時計回りに回転する。つまり、インクジェット記録ヘッド39の底面であるノズル面50と、クリーニングローラ82のローラ面とは、逆方向へ移動する。
前述したように、クリーニングローラ82のローラ面の上端位置H2は、接触ローラ81のローラ面の上端位置H1より若干低い。したがって、図9(b)に示す状態で、接触ローラ81のローラ面に接触して移動するインクジェット記録ヘッド39のノズル面50は、クリーニングローラ82のローラ面に接触せず、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50とクリーニングローラ82のローラ面との間には、微小隙間Dが維持される。
インクジェット記録ヘッド39のノズル面50に付着したインク滴89は、その表面張力により、ノズル面50から下方へ向かって膨出するように半球形となる。つまり、このインク滴89が下方へ膨出する大きさは、ノズル面50とクリーニングローラ82のローラ面との間の微小隙間Dより大きい。したがって、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50は、クリーニングローラ82のローラ面とは接触しないが、ノズル面50に付着したインク滴89は、クリーニングローラ82のローラ面と接触する。つまり、ノズル面50と該ローラ面との間にインク滴89が介在した状態になる。
図10は、ノズル面50からクリーニングローラ82のローラ面にインクが移動する状態を示している。ノズル面50とクリーニングローラ82のローラ面との間にインク滴89が介在した状態において、該ローラ面の進行方向、つまり図10の右側方向に着目すると、インク滴89とノズル面50と外気との接触点Aと、インク滴89とクリーニングローラ82のローラ面と外気との接触点Bとにおいて、接触角α,βが存在する。ここで、接触角とは、固体(ノズル面50,ローラ面)、液体(インク滴89)、気体(外気)の3相の接触点で液体面に接線を引き、液体を含む側の固体表面と挟まれた角度である。
クリーニングローラ82のローラ面は、ノズル面50に対して相対的に図10の右方向へ移動するので、インク滴89は、ノズル面50より親水性の高いクリーニングローラ82のローラ面に引っ張られるように変形して、接触角α>接触角βとなる。一方、液体の性質上、インク滴89は、接触角α,βが等しくなるように移動する。したがって、接触角αが小さくなり、且つ接触角βが大きくなる方向へ、つまり、ノズル面50からクリーニングローラ82のローラ面へインク滴89が移動する。これにより、ノズル面50に付着したインク滴89が、クリーニングローラ82のローラ面に移動する。
図9(c)に示すように、クリーニングローラ82のローラ面に移動したインク滴89は、クリーニングローラ82の回転による遠心力や自重に働く重力により、クリーニングローラ82から廃インクフォーム84へ向かって飛び出す。さらにクリーニングローラ82のローラ面残存するインク滴89は、クリーニングブレード83に掻き落とされて廃インクフォーム84に吸収される。これにより、インク滴89が付着していないローラ面を再びノズル面50に対向させることができる。
このように、本ヘッドクリーニング装置80によれば、スライド移動されたインクジェット記録ヘッド39のノズル面50のカバープレート52を接触ローラ81に接触させて、クリーニングローラ82のローラ面とノズル面50との間に微小隙間Dを形成し、クリーニングローラ82を、そのローラ面がインクジェット記録ヘッド39のノズル面50と対向した状態で回転させることにより、液体が接触角の小さい方向へ移動する力を利用して、ノズル面50に残存したインク滴89をクリーニングローラ82のローラ面に移動させることとしたので、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50に付着したインク滴89を、ノズル面50に非接触で拭き取ることができる。これにより、ヘッドクリーニングの際に、インクジェット記録ヘッド39のノズル面50に形成された撥水層が摩耗したり、損傷されることを防止でき、インクジェット記録ヘッド39の製品寿命を延長することができる。
なお、本実施形態では、本発明に係る清掃部材としてクリーニングブレード83を用いたが、これに代えて、インク滴89を吸収する吸収素材がローラ面に用いられたローラをクリーニングローラ82に接触させて、クリーニングローラ82のローラ面からインク滴89を除去するようにしてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る複合機1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、複合機1の内部構成を示す縦断面図である。 図3は、プリンタ部2の主要構成を示す拡大断面図である。 図4は、プリンタ部2の主要構成を示す拡大平面図である。 図5は、インクジェット記録ヘッド39の底面図である。 図6は、インクジェット記録ヘッド39の内部構成を示す拡大断面図である。 図7は、ヘッドクリーニング装置80の概略構成を示す正面図である。 図8は、ヘッドクリーニング装置80の概略構成を示す平面図である。 図9は、ヘッドクリーニング装置80によるクリーニング動作を示す図である。 図10は、ヘッドクリーニング装置80によるクリーニング動作を示す図である。
符号の説明
39・・・インクジェット記録ヘッド
50・・・ノズル面
51・・・ノズル
52・・・カバープレート(ノズル領域外)
80・・・ヘッドクリーニング装置
81・・・接触ローラ(位置決め部材)
82・・・クリーニングローラ
83・・・クリーニングブレード(清掃部材)
89・・・インク滴

Claims (7)

  1. インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を有するインクジェット記録ヘッドと、
    上記ノズル面の領域外に接触する位置決め部材と、
    上記位置決め部材により、そのローラ面と上記ノズル面とに微小隙間が形成され、該ローラ面を該ノズル面に対向させて回転可能なクリーニングローラと、を具備してなるものであるヘッドクリーニング装置。
  2. 上記クリーニングローラのローラ面からインクを除去する清掃部材を更に具備してなるものである請求項1に記載のヘッドクリーニング装置。
  3. 上記位置決め部材は、上記インクジェット記録ヘッドのノズル面の領域外に当接するローラであり、
    上記位置決め部材の回転に基づいて上記クリーニングローラを該位置決め部材と逆方向に回転する駆動伝達部材を具備するものである請求項1又は2に記載のヘッドクリーニング装置。
  4. 上記クリーニングローラのローラ面は、上記ノズル面より親水性の高い素材からなるものである請求項1から3のいずれかに記載のヘッドクリーニング装置。
  5. 上記微小隙間は、0.01〜0.1mmの範囲内である請求項1から4のいずれかに記載のヘッドクリーニング装置。
  6. 上記清掃部材は、上記クリーニングローラのローラ面に摺接するブレードである請求項2から5のいずれかに記載のヘッドクリーニング装置。
  7. 上記清掃部材は、上記クリーニングローラのローラ面の最下位置より、該クリーニングローラの回転方向下流側に配設されたものである請求項2から6のいずれかに記載のヘッドクリーニング装置。
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