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JP2007171665A - カラーフィルタ及びその製造方法、表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法、表示装置 Download PDF

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JP2007171665A
JP2007171665A JP2005370544A JP2005370544A JP2007171665A JP 2007171665 A JP2007171665 A JP 2007171665A JP 2005370544 A JP2005370544 A JP 2005370544A JP 2005370544 A JP2005370544 A JP 2005370544A JP 2007171665 A JP2007171665 A JP 2007171665A
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Kazuhito Miyake
一仁 宮宅
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】表示ムラの発生が抑制され、かつ、色鮮やかな画像を表示することができるカラーフィルタを提供する。
【解決手段】金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタであって、該ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ及び製造方法、表示装置に関する。
金属粒子を含む組成物は、印刷インク、インクジェットインク、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、プラズマデイスプレイパネル(PDP)の隔壁、誘電体パターン、電極(導体回路)パターン、電子部品の配線パターン、導電ペースト、導電フイルム、ブラックマトリクス等に広く用いられている。前記ブラックマトリクスとしては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等、いわゆるブラックマトリクス等の各種ブラックマトリクスが挙げられる。
ブラックマトリクスは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光の電流リークによる画質低下を防止するために用いられており、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
一方で、近年は液晶表示装置がTVへ応用されるようになってきたが、TVでは透過率が低く、かつ高い色純度カラーフィルタを使用して高輝度を得るため、バックライトの輝度が高くなる傾向にあり、コントラストの低下や、周辺額縁部分の透けを防止するため、ブラックマトリクスに高い遮光性が要求される。
更にTVは、太陽光が入射する部屋に長期間設置されることから、太陽光によるTFTの劣化が懸念され、また、(1)ODが高いことで画像の引締まり感がでること、つまりコントラストが高いこと、及び(2)外光での液晶の白さが目立たなくなることの意味でもブラックマトリクスに高い遮光性が要求される。
高い遮光性を有するブラックマトリクスを形成する方法としては、材料としてクロム等の金属膜を用いる方法がある(例えば非特許文献1参照)。しかし、この方法ではスパッタリング法等の真空成膜工程やエッチング工程が必須であり、コストが高くなるとともに環境に対する負荷も無視できないという問題がある。
上記問題を解決する方法として、材料として遮光性顔料、例えばカーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を用いる方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法では単位膜厚当たりの遮光性が十分でないため、十分な遮光性を得るためには膜厚が厚くなるという問題がある。
これらの問題を解決する方法として、環境負荷が小さく薄膜で遮光性の高いブラックマトリクスを得るべく、カーボンブラックの代わりに金属粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、薄膜で遮光性能が高いブラックマトリクス、および、表示コントラストが高くまた平坦性に優れたカラーフィルタを提供することができる。
一方、異物突起検査を正常に行うことができるカラーフィルタとして、ブラックマトリクスの表面粗さを、中心平均粗さ30nm以下に抑えたカラーフィルタが知られている(例えば、特許文献3参照)。尚、このカラーフィルタに備えられたブラックマトリクスには、単位膜厚当たりの遮光性を確保すべく、カーボンブラックの代わりにグラファイト粒子が用いられている。
特開昭62−9301号公報 特開2005−17322号公報 特開2004−93656号公報 「カラーTFT液晶ディスプレイ」p.218〜p.220、共立出版(株)発行(1997年4月10日)
しかし、金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタを表示装置に用いた場合には、ブラックマトリクスの表面粗さを、中心平均粗さ30nm以下に抑えることのみによっては、必ずしも要求される色鮮やかな画像を表示するカラーフィルタを得ることができるとは限らない。
本発明は前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、表示ムラの発生が抑制され、かつ、色鮮やかな画像を表示することができるカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを備えた表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタを表示装置に用いた場合、画像の色鮮やかさは、ブラックマトリクス表面の中心平均粗さ(Ra)より、十点平均粗さ(Rz)に依存することが大きいことを見出した。
この知見により、前記課題は以下の手段によって解決される。即ち、本発明は、
<1> 金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタであって、該ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であることを特徴とするカラーフィルタである。
<2> 前記金属粒子の少なくとも一部に合金を有することを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタである。
<3> 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.R.254を含むことを特徴とする<1>または<2>に記載のカラーフィルタである。
<4> 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.G.36を含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタである。
<5> 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.B.15:6を含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタである。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を実効ろ過径1μm以下でろ過した組成物によりブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<7> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を再分散して得た組成物によりブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記再分散の方法が、超音波分散であることを特徴とする<7>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を実効ろ過径1μm以下でろ過する工程と、金属粒子を含む組成物を再分散する工程とにより得た組成物により、ブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<10> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、表示ムラの発生が抑制され、かつ、色鮮やかな画像を表示することができるカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを備えた表示装置を提供することができる。
本発明のカラーフィルタは、金属粒子を含むブラックマトリクスを備え、該ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であることを特徴とする。
以下、ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)及び金属粒子について説明する。さらに、金属粒子を含む組成物、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、表示装置について順次説明する。
≪ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)≫
金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタを用いて表示装置を構成する場合、例えばカラーフィルタを備えた液晶表示装置に表示される画像の色鮮やかさは、ブラックマトリクス表面の中心平均粗さ(Ra)より、十点平均粗さ(Rz)に依存することが大きい。
そこで、本発明におけるブラックマトリクスは、表面粗さ(Rz)が、0.2μm以下となるように構成されたものである。表面粗さ(Rz)は、小さいほど好ましく、より好ましくは0.18μmより小さく、特に好ましくは0.15μmより小さいことである。
金属粒子を含むブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)が0.2μmより大きくなると、該ブラックマトリクスを備えたカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、表示ムラの程度が悪化し、色鮮やかさが損なわれる。
本発明においては、表面粗さ(Rz)とは、十点平均粗さ(JIS B 601−1994)を意味し、3次元表面粗さ計サーフコム1400−3DF(東京精密(株))を用い、測定面積0.6mm×0.4mm、測定速度0.06mm/s、カットオフ波長0.08μm、加重0.75mNの測定条件にて測定した値を意味する。
下記の金属粒子を用いることで、前記表面粗さ(Rz)を達成することができる。
≪金属粒子≫
本発明のカラーフィルタに備えられたブラックマトリクスは金属粒子を含むことを特徴とする。
以下、本発明における金属粒子に関し、金属粒子の形状、金属粒子の金属種、金属粒子の作製について詳細に説明する。
<金属粒子の形状>
本発明に用いる金属粒子の形状は、特に制限はなく適宜用いることができるが、ブラックマトリクスに用いる際に、遮光性の高いブラックマトリクスが好ましいという観点から、棒状であることが好ましい。
本発明において「棒状」であるとは、下記の方法によって粒子を、X軸、Y軸、Z軸からなる三軸径の直方体と捉えた場合に、細長い棒状形態となることを指す。即ち、三軸径の直方体と捉えた場合に、平板状となる粒子や、正側面体となる粒子(例えば、粒子自体の形状が真球、立方体等の粒子)を除くことを意味する。
具体的には粒子自体の形状が、例えば、針状、円柱状、直方体等の角柱状、ラグビーボール状、繊維状、コイル状等である粒子が、本発明における棒状の金属粒子として挙げられ、これらの中でも、針状、円柱状、直方体等の角柱状、ラグビーボール状である粒子がより好ましい。
(三軸径)
本発明における金属粒子は下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属粒子の寸法と定義する。前記寸法にはL>b≧tの関係をもたせ、同一の場合以外は、bとtの大きい方を幅bと定義する。
具体的には、まず、平面上に、金属粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔をたもつ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
尚、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行った場合の値と定義する。
(長軸長さL)
金属粒子の長軸長さLは、10nm乃至1000nmであることが好ましく、10nm乃至800nmであることがより好ましく、20nm乃至400nmである(可視光の波長より短い)ことが最も好ましい。10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、且つ、耐熱性や色味も良好という利点があり、また1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
(幅bと厚みtとの比)
本発明において、金属粒子の「幅bと厚みtとの比」とは、100個の金属粒子について測定した値の平均値と定義する。金属粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
(長軸長さLと幅b及び厚みtとの関係)
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が生じ、耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなり薄層高濃度化ができないことがある。
(長さLと幅b及び厚みtの測定)
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることが出来、100個の金属粒子について測定した値の平均値とする。
前記原子間力顕微鏡(AFM)にはいくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式
プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式。
(2)タッピング方式
プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式。
(3)非接触方式
プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式。
一方、非接触方式は極めて弱い引力を高感度に検出する必要がある。そのため、カンチレバーの変位を直接測定する静的な力の検出では難しく、カンチレバーの機械的共振を応用している。
前記の3つの方法が挙げられるが、試料に合わせ何れかの方法をとることが可能である。
尚、本発明においては、前記電子顕微鏡として、日本電子社製の電子顕微鏡JEM2010を用い、加速電圧200kVで測定を行うことができる。また、原子間力顕微鏡(AFM)としては、セイコーインスツルメンツ株式会社製のSPA−400を使用できる。該原子間力顕微鏡(AFM)での測定では、比較にポリスチレンビーズを入れておくことにより、測定が容易になる。
<金属粒子の金属種>
本発明で用いられる金属粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。また、金属化合物でもよいし、金属化合物と金属との複合粒子やコア・シェル型の複合粒子であってもよい。
金属粒子としては、金属及び/又は金属化合物から形成されるものが好ましく、金属から形成されるものが特に好ましい。
(金属)
特に本発明においては、長周期周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる郡から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、本発明における金属粒子としては第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属が更に好ましく、カルシウム、金、銀、銅、白金、錫又はパラジウムが特に好ましい。その中でも金、銀、銅、スズが好ましく、とりわけ銀と錫が好ましく、銀としてはコロイド銀が最も好ましい。
前記金属粒子として分散金属粒子の好ましい例は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金、から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム又はこれらの合金、より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫又はこれらの合金から選ばれる少なくとも1種である。
(金属化合物)
前記金属化合物とは前記のごとき金属と金属以外の元素との化合物である。
金属と他の元素の化合物としては金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などがある。このうち硫化物が色調や微粒子形成のしやすさから特に好ましい。これら金属化合物の例としては酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、硫化銀は色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から特に好ましい。
(複合粒子)
本発明で言う金属化合物と金属との複合粒子とは金属と金属化合物が結合して1つの粒子になったものを言う。例えば粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種類の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属は、それぞれ1種でも2種以上であってもよい。金属化合物と金属との複合粒子の具体例としては銀と硫化銀の複合粒子、銀と酸化銅(II)の複合粒子などがある。
(コア・シェル型の複合粒子)
更に、本発明における金属粒子は、コア・シェル型の複合粒子であってもよい。コア・シェル型の複合粒子とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものである。コア・シェル型の複合粒子に用いる本発明におけるシェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP 、Ga、As、GaP 、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、TlBr、TlIや、これらの固溶体又はこれらを90mol%以上含む固溶体から選ばれる少なくとも1種の半導体、若しくは、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金、から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
好ましいコア材料としては、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、錫、ビスマス、アンモチン、鉛、又はこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
前記シェル材料は、反射率を低下させる目的で屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
コア・シェル型の複合粒子の作製方法に特に制限はなく、代表的な方法は以下のものが挙げられる。
(1)公知の方法で作製した金属粒子の表面に、酸化、硫化などにより、金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法がある。この方法により粒子の表面が硫化されてコア・シェル複合粒子が形成される。
この場合、用いる金属粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属粒子の作製方法については、例えば「超微粒子の技術と応用における最新動向II(住ベテクノリサーチ(株)2002年発行)」に記載されている。
(2)金属粒子を作製する過程で連続的に表面に金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属塩溶液に還元剤を添加して、金属イオンの一部を還元して金属粒子を作製し、次いで硫化物を添加して、作製した金属粒子の周囲に金属硫化物を形成する方法がある。
<金属粒子の作製>
金属粒子は市販のものを用いることができる他、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
特に棒状の銀微粒子は球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより銀棒やワイヤーが得られることがAdvanced Materials 2002,14,80−82に記載されている。また、同様の記載がMaterials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。電気分解を用いた方法として、Materials Letters 2001,49,91−95やマイクロ波を照射することにより銀棒を生成する方法がJournal of Materials Research 2004,19,469−473に記載されている。逆ミセルと超音波の併用した例として、Journal of Physical Chemistry B 2003,107,3679−3683が挙げられる。
金に関しても、同様にJournal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明における金属粒子は、無彩色に近づけるために、色々な種類の棒状粒子を組み合わせることにより得ることもできる。
粒子を球形や立方体から棒状へ変化させることにより、より高い透過濃度を得ることができ、これにより金属粒子を含む組成物からなる層(以下「遮光層」ともいう。)の薄膜化を行うことが可能となる。
(粒度分布)
本発明における金属粒子の粒度分布は、粒子の分布を正規分布近似し、その数平均粒子径の粒度分布幅D90/D10が、1.2以上20未満であることが好ましい。ここで、粒子径は長軸長さLを粒子直径としたものであり、D90は平均粒径に近い粒子の90%が見出される粒子直径であり、D10は平均粒径に近い粒子の10%が見出される粒子直径である。粒度分布幅は色調の観点からさらに好ましくは2以上15以下である。さらに好ましくは、4以上10以下である。分布幅が1.2未満だと色調が単色に近くなる場合があり、20以上となると、粗大粒子による散乱によって濁りが生じる場合がある。
尚、前記粒度分布幅D90/D10の測定は、具体的には、塗布膜中の金属粒子を、上述の三軸径を測定する方法にてランダムに100個測定し、前記長軸長さLを粒子直径とし、粒径分布を正規分布近似し、平均粒子径に近い粒子の数で90%の範囲となる粒子直径をD90とし、平均粒子径から数で10%の範囲となる粒子直径をD10とし、D90/D10を算出することができる。
(金属粒子の分散)
本発明における金属粒子は、分散して用いられることが望ましい。分散時における金属粒子の存在状態は特に限定されないが、金属粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。
ここで、分散剤として、チオール基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類及び多糖類由来の天然高分子、合成高分子及びこれらに由来するゲルなどを用いることができる。
ここで用いるチオール基含有化合物の種類は特に限定されず、1個又は2個以上のチオール基を有する化合物であればいかなるものでもよい。チオール基含有化合物としては、例えば、アルキルチオール類(例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンなど)、アリールチオール類(例えば、チオフェノール、チオナフトール、ベンジルメルカプタンなど)が挙げられる。また、アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、システイン、グルタチオンなどが、ペプチド化合物としては、例えば、システイン残基を含むジペプチド化合物、トリペプチド化合物、テトラペプチド化合物、5以上のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド化合物などが挙げられ、更に分散剤として蛋白質(例えば、メタロチオネインやシステイン残基が表面に配置された球状蛋白質など)などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
分散剤に用いられる高分子類としては、保護コロイド性のあるポリマーでゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリビニルピロリドン共重合体などがある。分散剤として用いることができるポリマーについては例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、(株)朝倉書院発行、2000年)に記載されている。
また、分散液には、親水性高分子、界面活性剤、防腐剤、又は安定化剤などを適宜配合してもよい。親水性高分子としては、水に溶解でき、希薄状態において実質的に溶液状態を維持できるものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチンなどのタンパク質及びタンパク質由来の物質;セルロース、デンプン、アガロース、カラギーナン、デキストラン、デキストリン、キチン、キトサン、ペクチン、マンナンなどの多糖類及び多糖類由来の物質などの天然高分子;ポバール(ポリビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミンなどの合成高分子;又はこれらに由来するゲルなどを用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることができる。
前記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用でき、アニオン系及びノニオン系界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤のHLB値は塗布液の溶媒が水系か有機溶剤系かにより一概に言えないが、溶媒が水系の場合は8〜18程度のものが好ましく、有機溶剤系の場合は3〜6程度のものが好ましい。
尚、前記HLB値については、例えば「界面活性剤ハンドブック」(吉田時行、進藤信一、山中樹好編、工学図書(株)発行昭和62年)に記載されている。前記界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリル酸エステルなどがある。界面活性剤の例についても前述の「界面活性剤ハンドブック」に記載されている。
≪金属粒子を含む組成物≫
本発明のカラーフィルタに備えられたブラックマトリクスは、金属粒子を含む組成物によって得られたものであってもよい。
本発明における金属粒子を含む組成物は、金属粒子以外に、樹脂またはその前駆体の少なくとも1種を含有してもよい。また、必要に応じて、顔料、感光性樹脂組成物を含有してもよい。
<樹脂またはその前駆体>
本発明における金属粒子を含む組成物に含有する樹脂としては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他にも水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も挙げることができる。
前記樹脂は、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択して使用するのが好ましい。以上の他に、種々の性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ可溶性のポリマーを添加してもよい。これらのアルカリ可溶なバインダーポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロン或いはエポキシ樹脂を挙げることができる。
樹脂の前駆体としては硬化することで樹脂となるモノマー等が挙げられる。これらは後述する。
<顔料>
本発明における金属粒子を含む組成物には、金属粒子の他に、顔料微粒子を含有せしめることにより、色相を黒色に近づけることが可能となる。
本発明における金属粒子を含む組成物に含有させる顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛が好適なものとして挙げられる。
前記カーボンブラックの例として、Pigment Black(ピグメント・ブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品としては、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
前記チタンブラックの例として、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の商品名:12Sや13Mが挙げられる。また用いるチタンブラックの粒子径は40〜100nmが好ましい。
前記黒鉛の例として、粒子径がストークス径として3μm以下のものが好ましい。3μmを超えた黒鉛を用いると、遮光パターンの輪郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなるので好ましくない。また粒子径の大部分は0.1μm以下であることが望ましい。
前記顔料の他に、公知の顔料を用いることもできる。顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明においては有機顔料が好ましい。好適に使用される顔料の例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができる。該有機顔料の色相は、例えば黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が好ましい。以下に、金属粒子を含む組成物に用いられる顔料(着色剤)を列挙するが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いる着色剤としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
また、前記着色剤の他、「顔料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、1989」、「COLOUR INDEX、THE SOCIETY OF DYES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」に記載のものを参照して適宜用いることもできる。
顔料は、金属粒子の色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料は1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組合わせとしては、赤色系及び青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系及び紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
顔料は、金属粒子を含む組成物中に均一に分散されていることが好ましい。顔料の平均粒径は、5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては20nm以上0.5μm以下が好ましい。
<感光性樹脂組成物>
前記金属粒子を含む組成物は感光性を有することがより好ましい。具体的には、感光性樹脂組成物を添加することで感光性を付与することができる。前記感光性樹脂組成物は、バインダーとなるポリマー、光重合開始剤、及びエチレン性不飽和二重結合を有し光の照射によって付加重合するモノマー(以下「光重合性モノマー」という場合がある。)等を含有してなる態様が好ましくあげられる。以下、これらについて説明する。
(ポリマー)
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。そのようにするにはポリマーとして、アルカリ可溶性ポリマーを用いることが好ましい。
前記感光性樹脂組成物は、上述のような光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でもよいし、放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
前記ポジ型感光性樹脂組成物にはノボラック系の樹脂を用いたものが挙げられる。例えば、特開平7−43899号公報記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。また、特開平6−148888号公報記載のポジ型感光性樹脂組成物、即ち、該公報記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと熱硬化剤の混合物とを含む感光性樹脂組成物を用いることができる。更に、特開平5−262850号公報記載の組成物も活用可能である。
ネガ型感光性樹脂組成物としては、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを基本構成要素として含む光重合性組成物である。該光重合性組成物には、特開平11−133600号公報記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用できる。
例えば、ネガ型感光性樹脂組成物でアルカリ水溶液現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有バインダー(アルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光重合性モノマーと、を含んでなる感光性樹脂組成物が挙げられる。尚、前記アルカリ可溶性バインダーとしては、前述の<樹脂またはその前駆体>において挙げた樹脂を好適なものとして使用できる。
ポリマーは、金属粒子を含む組成物の全固形分に対して通常、10〜95質量%含有され、更に20〜90質量%が好ましい。10〜95質量%の範囲では、感光性樹脂層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることもない。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号及び同第2951758号の各明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。特に好ましくはトリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール、トリアリールイミダゾール二量体である。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、特に二種類以上を用いることが好ましい。また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
黄ばみなどの着色がなく、かつ露光感度を高くすることができる、表示特性の良い例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤の組み合わせが挙げられ、中でも、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンの組み合わせが最も良い。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5から20/80、より好ましくは90/10から30/70、最も好ましくは80/20から60/40である。これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載されている。
更に、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
金属粒子を含む組成物の固形分全体に占める顔料の割合が15から25質量%付近の場合、前記光重合開始剤に、クマリン系化合物を混合することによっても、黄ばみなどの着色がなく、かつ高感度化することができる。クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最も良い。これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、最も好ましくは40/60から60/40である。
ただし、本発明に使用できる光重合性組成物はこれらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
前記光重合開始剤は、金属粒子を含む組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内であると、光感度や画像強度の低下を防止でき、十分に性能を向上させることができる。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
更に、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に開示されているウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に開示されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。前記光重合性モノマーは、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。前記光重合性モノマーの金属粒子を含む組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内にあると光感度や画像の強度も低下せず、感光性遮光層の粘着性が過剰になることもない。
(その他の添加剤)
前記感光性樹脂組成物としては、前記成分の他に更に熱重合防止剤を添加することが好ましい。前記熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロール等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩又はアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
前記感光性樹脂組成物として、更に必要に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、界面活性剤、密着促進剤、分散剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。
前記密着促進剤としては、例えばアルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂系粘着剤、芳香族系、脂肪族系又は脂環族系の石油樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明における金属粒子を銀コロイドのように水分散物として用いる場合には、前記感光性樹脂組成物として水系のもの用いることが必要である。このような感光性樹脂組成物としては特開平8−271727号公報の段落[0015]乃至[0023]に記載のものの他、市販のものとしては例えば、東洋合成工業(株)製の「SPP−M20」等が挙げられる。
<金属粒子を含む組成物の調整方法>
本発明の金属粒子を含む組成物は、前記表面粗さ(Rz)が0.2μm以下のブラックマトリクスを形成するためには、より分散された状態で用いることが好ましい。該分散する方法として、ろ過や再分散が挙げられる。ろ過と再分散とを行うときは、いずれを先に行ってもよい。
(ろ過)
ろ過により粗大粒子を取り除き、分散されている粒子のみを取り出すことができる。取り除く粒子の粒子径は、フィルターの実効ろ過径により制御でき、通常膜厚以上の粒子を取り除くことができるフィルターを選択する。本発明の効果を達成するためには、実効ろ過径1μm以下が好ましく、実効ろ過径0.7μm以下がより好ましい。
ここで、実行ろ過径とは、ろ過効率が100%である粒子径であり、ANSI B93、31−1973に基づいたシングルパスF−2試験法によって測定されるものである。
(再分散)
本発明において再分散とは、金属粒子を含む金属粒子分散液又はこれにより作成された塗布液を、再度分散させることをいう。
組成物中の金属粒子を再分散させるのに、さまざまな分散方法を使用できる。例えば、ボールミル、サンドミル、ダイノミル、ディゾルバー等機械的なシェアをかけて分散する方法や、超音波により分散する方法(以下「超音波分散」という。)が挙げられる。中でも超音波分散であることが好ましい。
<金属粒子の含有量>
ここで、金属粒子を含む組成物中における金属粒子の含有量について説明する。
本発明における金属粒子を含む組成物を用いて遮光層(パターニングする前の層)形成した場合、遮光層の光学濃度が3.0以上となることが好ましい。例えば、カラーフィルタの作製時など、ポストベークの際、金属粒子が融着するのを防止することを考慮すると、前記ブラックマトリクス作製用金属粒子を含む組成物における金属粒子の含有量は、形成される遮光層において10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%程度になるように調節することが好ましい。また、前記含有量は、金属粒子の平均粒径による光学濃度の変動を考慮して行うのが好ましい。
以上で説明した金属粒子を含む組成物を用いてブラックマトリクスを形成することで、薄膜でかつ光学濃度が高いブラックマトリクスを形成することができる。
≪ブラックマトリクス≫
本発明において「ブラックマトリクス」とは、液晶表示装置等の表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことである。このブラックマトリクスの定義については、例えば、菅野泰平著、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」、第2版、日刊工業新聞社、1996年、p.64に記載がある。
ブラックマトリクスは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光の電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)を有することが好ましい。
以下、本発明に用いられることがあるブラックマトリクス形成用感光性転写材料について説明し、さらに、本発明に用いられるブラックマトリクスの形成方法について説明する。
<ブラックマトリクス形成用感光性転写材料の作製方法>
本発明においては、前記の金属粒子を含む組成物を用いて、ブラックマトリクス形成用感光性転写材料を作製し、これを用いてブラックマトリクスを形成することができる。
前記感光性転写材料は、仮支持体上に少なくとも前記の金属粒子を含む組成物を用いて形成した感光性遮光層を設けたものであり、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、又は保護層等を設けることができる。
前記感光性遮光層の層厚は0.1〜4.0μmの範囲が好ましく、特に0.1〜2.0μmの範囲が好ましく更に0.2〜1.0μmが好ましい。
(仮支持体)
前記感光性転写材料における仮支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の支持体を用いることができる。中でも2軸延伸したポリエチレンテレフタレートはコスト、耐熱性、寸法安定性の観点から好ましい。前記仮支持体の厚みは15〜200μm程度、より好ましくは30〜150μm程度が好ましい。前記仮支持体の厚みが前記範囲内にあると、ラミネーション工程時に熱によりトタン板状のしわが発生するのを効果的に抑制することができ、コスト上も有利である。
また前記仮支持体には必要に応じて特開平11−149008号公報に記載されている導電性層を設けてもよい。
(熱可塑性樹脂層)
また、仮支持体と感光性遮光層、又は仮支持体と中間層の間に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであるため、当該凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい
アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。また、これらの熱可塑性樹脂のうち、軟化点が80℃以下のものが好ましい。尚、本願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂の中でも、重量平均分子量3千〜50万(Tg=0〜170℃)の範囲で選択して使用することが好ましく、更には重量平均分子量4千〜20万(Tg=30〜140℃)の範囲がより好ましい。これらの樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特公昭55−38961号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭61−134756号、特公昭59−44615号、特開昭54−92723号、特開昭54−99418号、特開昭54−137085号、特開昭57−20732号、特開昭58−93046号、特開昭59−97135号、特開昭60−159743号、特開昭60−247638号、特開昭60−208748号、特開昭60−214354号、特開昭60−230135号、特開昭60−258539号、特開昭61−169829号、特開昭61−213213号、特開昭63−147159号、特開昭63−213837号、特開昭63−266448号、特開昭64−55551号、特開昭64−55550号、特開平2−191955号、特開平2−199403号、特開平2−199404号、特開平2−208602号、特開平5−241340号の各公報に記載されているアルカリ水溶液に可溶な樹脂を挙げることができる。
また、これらの中でも特に好ましいものとしては、特開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
また、前記熱可塑性樹脂層には、熱可塑性樹脂層と仮支持体との接着力を調節するために、各種可塑剤、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、又は離型剤等を加えることが可能である。好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物等を挙げることができる。前記熱可塑性樹脂層中の可塑剤の量は、該熱可塑性樹脂に対して、200質量%以下が一般的で、好ましくは20〜100質量%である。
また、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層の厚みは6μm以上が好ましい。熱可塑性樹脂の厚みが6μm以上であれば、下地表面の凹凸を完全に吸収することができる。また、上限については、現像性、製造適性から約100μm以下が一般的であり、好ましくは約50μm以下である。
本発明において、熱可塑性樹脂層を形成する際に用いる塗布液の溶媒としてはこの層を構成する樹脂を溶解するものであれば特に制限なく使用できる。前記溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、i−プロパノール等が挙げられる。
(中間層)
本発明における感光性転写材料は、仮支持体と感光性遮光層との間に中間層を設けてもよい。
中間層を構成する樹脂としてはアルカリ可溶であれば特に制限はない。該樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体を挙げることができる。またポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合した樹脂も用いることができる。
これらの中で好ましいものはポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましく、83〜98%のものがより好ましい。
中間層を構成する樹脂は2種類以上を混合して使用することが好ましく、特にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して用いることが特に好ましい。両者の質量比はポリビニルピロリドン/ポリビニルアルコール=1/99〜75/25の範囲が好ましく、更には10/90〜50/50の範囲がより好ましい。前記質量比が前記の範囲内にあると中間層の面状が良好であり、その上に塗設した感光性遮光層との密着性がよく、更に、酸素遮断性が低下して感度が低下するのを防止することができる。
尚、前記中間層には必要に応じて界面活性剤などの添加剤を添加することができる。
前記中間層の厚みは0.1〜5μm、更に0.5〜3μmの範囲が好ましい。中間層の厚みが前記範囲内にあると、酸素遮断性を低下させることなく、また、現像時の中間層除去時間が増大するのを防止することができる。
中間層の塗布溶媒としては前記の樹脂が溶解すれば、特にその他の制限はないが、中でも水が好ましく、また水に前述の水混和性有機溶剤を混合した混合溶媒も好ましい。好ましい塗布溶媒の具体例としては、例えば、水、水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5(ただし比は質量比を表す)等が挙げられる。
(感光性転写材料の作製)
本発明における感光性転写材料を作製するには、仮支持体に、本発明における金属粒子を含む組成物の溶液を、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより形成することができる。アルカリ可溶性熱可塑性樹脂の層を設ける場合にも同様にして形成することができる。
<ブラックマトリクスの形成方法>
本発明において、ブラックマトリクスは、感光性を有する前記金属粒子を含む組成物又は感光性転写材料を用いて形成した感光性遮光層をパターニングすることにより形成され、該感光性遮光層の層厚は0.1〜4.0μmの範囲が好ましく、特に0.1〜2.0μmの範囲が好ましく更に0.2〜1.0μmが好ましい。本発明における感光性遮光層は金属粒子を分散させたものであるため、前記のごとき薄膜でも十分な光学濃度(3.0以上)を発揮することができる。
また、本発明におけるブラックマトリクスを形成する(パターニングする)方法は特に限定はない。以下にブラックマトリクスのパターン形成方法の一例を挙げる。
第1の方法は、まず金属粒子並びに樹脂またはその前駆体の少なくとも1種とを含有し、感光性を有する本発明における金属粒子を含む組成物を光透過性基板に塗布し、金属粒子を含有した感光性遮光層を形成する。その後、露光現像によりパターン以外の部分の感光性遮光層を除却することによりパターン形成を行いブラックマトリクスを得る方法である(以下、「塗布法」ということがある)。また、上述の中間層と同組成の層を前記感光性遮光層上に形成して保護層とすることもできる。この場合、塗布液の塗布は、前記(感光性転写材料の作製)で記述した塗布機を用いて塗布することができるが、中でもスリットコート法によって行うのが好ましい。
第2の方法は、まず、金属粒子並びに樹脂またはその前駆体の少なくとも1種とを含有し、非感光性の本発明における金属粒子を含む組成物を光透過性基板に塗布して金属粒子を含有した遮光層を形成する。その後、該遮光層上に感光性レジスト液を塗布してレジスト層を形成する。次いで露光によりレジスト層を露光現像してレジスト層にパターンを形成した後、このパターンに応じて遮光層の非パターン部を溶解し、遮光層にパターンを形成する。最後にレジスト層を除却して、ブラックマトリクスを形成する方法である。
第3の方法は、予め光透過性基板上のパターン以外の部分に塗布層を形成しておき、この上に金属粒子並びに樹脂またはその前駆体の少なくとも1種とを含有し、非感光性の本発明における金属粒子を含む組成物を塗布して微粒子含有層を含有した遮光層を形成する。次いで、始めに形成した塗布層を上の遮光層とともに除却し、ブラックマトリクスが形成される。
第4の方法は、感光性転写材料を用いる方法である(以下、「転写法」ということがある)。
まず、光透過性基板の上に、前記感光性転写材料を、感光性転写材料の感光性遮光層が前記光透過性基板に接触するように配置して積層する。次に、感光性転写材料と光透過性基板との積層体から仮支持体を剥離し、その後、前記層を露光した後現像してブラックマトリクスを形成する方法である。
このブラックマトリクスの製造方法は、煩瑣な工程を行うことを必要とせず、低コストである。
次に、前記露光及び現像工程について述べる。
(露光及び現像)
前記基板上に形成された感光性遮光層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行い、パターニング画像を得、引き続き必要に応じて、水洗処理を行う、という工程により、本発明におけるブラックマトリクスを得ることができる。露光は上述のようなマスクを配置する方法以外に、マスクを介さずに直接に画像データに基づいて露光光を相対走査することでパターン画像を得ても良い。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LD、超高圧水銀灯、YAG−SHG固体レーザー、KrFレーザー、固体レーザー等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
この際に使用する露光機は、特に限定されるわけではないが、前記マスクを介して露光するプロキシミティ露光機の他、散乱光線露光機、平行光線露光機、ステッパー、及びレーザー露光などを用いることができる。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができ、中でもアルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく用いられる。詳しくは、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましい。尚、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
前記ブラックマトリクスの塗布による形成方法及び感光性転写材料を用いる形成方法における、前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましい。
前記「水と混和性を有する有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。感光性遮光層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、感光性遮光層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、ブラックマトリクス形状を好適なものとすることが困難となる。この現像工程にて、ブラックマトリクスが形成される。
また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、感光性樹脂は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと現像を均一に行える点で好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
(ポスト露光)
現像と熱処理の間に、ポスト露光を実施すると、画像の断面形状のコントロール、画像の硬度のコントロール、画像の表面凹凸のコントロール、画像の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施する。また、露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ、適宜調整する。
(熱処理)
熱処理により本発明の感光性樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤を反応させて、画像の硬度を確保することができる。熱処理の温度は、150℃から250℃の範囲が好ましい。150℃以下では硬度が不十分となり、250℃以上では樹脂が着色し色純度が悪くなる。熱処理の時間は、10分から150分が好ましい。10分未満では、硬度が不足し、150分以上では、樹脂が着色し色純度が悪くなる。また熱処理は、色によって変えても良い。また、全部の色を形成後、更に最終の熱処理を行って硬度を安定化させても良い。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
≪カラーフィルタ≫
本発明のカラーフィルタは、光透過性基板の上に、着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、前記画素群を構成する各画素は互いにブラックマトリクスにより離画されている構成を有し、前記ブラックマトリクスは、本発明における前記金属粒子を含む組成物又は感光性転写材料を用いて形成される。前記画素群は2つでも、3つでも4つ以上でもよい。例えば3つの場合は赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相が好適に用いられる。赤、緑、青の3種の画素群を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4種以上の画素群を配置する場合ではどのような配置であってもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
前記光透過性基板としては、表面に酸化珪素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板或いはプラスチックフィルム等が用いられる。
カラーフィルタを作製するには、光透過性の基板に常法により2以上の画素群を形成した後、前記のようにしてブラックマトリクスを形成してもよいし、或いは、最初にブラックマトリクスを形成し、その後2以上の画素群を形成してもよい。
前記2以上の画素群を形成する(パターニングする)方法は特に限定はない。例えば塗布法や転写法等、前述のブラックマトリクスの形成方法と同様の方法により形成することができる。
≪表示装置≫
本発明のカラーフィルタは、表示装置に好適に用いることができる。表示装置としてはプラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置、液晶表示素子等が挙げられ、中でも液晶表示素子に用いた場合に本発明における金属粒子を含む組成物の効果が顕著に発揮される。表示素子の定義や各表示装置の説明は、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、隅工業調査会 1990毎発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順幸著、産業図書側 平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置は、前記カラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどさまざまな部材から一般的に構成される。本発明におけるブラックマトリクスはこれらの公知の部材で構成される液晶表示素子に適用することができる。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉 (株)富士キメラ総研 2003等発行)」に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、及びR−OCB等が挙げられる。
液晶表示素子の一つとしては、少なくとも1方が光透過性の1対の基板の間に、カラーフィルタ、液晶層及び液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む)を少なくとも備えたものが挙げられる。
前記カラーフィルタとしては、前記のごとき複数の画素群を有し、前記画素群を構成する各画素が、互いに本発明によるブラックマトリクスにより離画されているカラーフィルタが好適に用いることができる。前記カラーフィルタは平坦性が高いため、このカラーフィルタを備える液晶表示素子は、カラーフィルタと基板との間にセルギャップムラが発生せず、色ムラ等の表示不良の発生が改善される。
また、前記液晶表示素子の別の態様としては、少なくとも1方が光透過性の1対の基板の間に、カラーフィルタ、液晶層及び液晶駆動手段を少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ各アクティブ素子の間に本発明における金属粒子を含む組成物又は感光性転写材料を用いて形成されるブラックマトリクスが形成されているものである。
液晶表示素子については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、側工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明の表示装置(液晶表示素子)には特に制限はなく、例えば前記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示素子に適用できる。本発明はこれらの中でも、特にカラーTFT方式の液晶表示素子に対して有効である。
カラーTFT方式の液晶表示素子については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示素子にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
前記液晶表示装置に用いることのできる液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は質量基準である。
〔実施例1〕:塗布法
≪ブラックマトリクス付き基板の作製≫
<銀錫合金部を有する金属粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。すると、混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)を得た。次いで、この液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この操作を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
その後、この液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水850ml及びアセトン500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨て液量を150mlにし、これに純水150ml及びアセトン1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨て全液量を70mlにし、これにアセトン30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1)を得た。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
前記数平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
<感光性塗布液の調製>
下記組成を混合して、感光性塗布液を調製した。
〔組成〕
・前記銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1) ・・・50.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 28.6部
・メチルエチルケトン ・・・ 37.6部
・フッ素系界面活性剤1 ・・・ 0.2部
(F−780−F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル ・・・0.001部
・スチレン/アクリル酸共重合体 ・・・ 9.6部
(モル比=56/44、重量平均分子量30,000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・ 9.6部
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート
・・・ 0.5部
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール ・・・ 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン ・・・ 1.3部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 ・・・ 50.7部
・メチルアルコール ・・・ 45.0部
<塗布法によるブラックマトリクス付き基板の作製>
(1)無アルカリガラス基板をUV洗浄装置で洗浄した後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。この基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化した。その後、この基板を冷却して23℃に調温後、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて膜厚が0.73μmになるように、上記より得た感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルター(日本ポール(株)製、プロファイル007、10インチ)をギアポンプで流量300cc/minで通した後、塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性遮光層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性遮光層上に前記スリットコーターを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、感光性遮光層を形成した。
(2)引き続き、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と上記の感光性遮光層とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性遮光層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、露光量70mJ/cmで全面露光した(露光工程)。次いで、露光後の感光性遮光層を現像処理液T−CD1(富士写真フイルム(株)製;アルカリ現像液)を5倍希釈したもの(使用時のpHは10.2)を用いて現像処理(33℃、20秒;現像工程)し、ガラス基板上にブラックマトリクスを形成した。
次に、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、厚さ0.7μm、555nmにおける透過光学濃度が4.0のブラックマトリクス付き基板を作製した。
≪カラーフィルタの作製≫
上記により得られたブラックマトリクス付き基板を用いて、以下のようにしてカラーフィルターを作製した。
<感光性転写材料の作製>
下記表1に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1、B1を調製し、後述する方法により、PET仮支持体上/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層(R1、G1またはB1)/保護フィルムの積層構造に構成された、赤色画素形成用の感光性転写材料R1を、緑色画素形成用の感光性転写材料G1を、青色画素形成用の感光性転写材料B1を作製した。
Figure 2007171665
(感光性転写材料R1の作製)
(1)厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリットノズルを用いて乾燥膜厚が5μmになるように下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。
(2)この熱可塑性樹脂層上に、下記処方P1からなる中間層用塗布液をスリットコーターを用いて乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、中間層を積層した。
(3)次に、着色感光性樹脂組成物R1を0.7ミクロンのフィルターを通した後、スリット状ノズルを用いて上記の中間層上に更に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、感光層R1を形成した。
更に、感光層上に厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着し、保護フィルムを設けた。
以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層(R1)/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料R1を作製した。
−熱可塑性樹脂層用塗布液の調製−
下記処方Hの諸成分を混合し、熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
〜熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1〜
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
(=54/12/5/29[モル比])の共重合体
(重量平均分子量80,000) ・・・ 58部
・スチレン/アクリル酸(=70/30[モル比])の共重合体 ・・・136部
(重量平均分子量7,000)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
(新中村化学工業(株)製、多官能アクリレート) ・・・ 90部
・界面活性剤1 ・・・ 1部
・メチルエチルケトン ・・・541部
・1−メトキシ−2−プロパノール ・・・ 63部
・メチルアルコール ・・・111部
−中間層用塗布液の調製−
下記処方P1の諸成分を混合し、中間層用塗布液を調整した。
〜中間層用塗布液の処方P1〜
・ポリビニルアルコール ・・・ 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン ・・・ 1.5部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 ・・・50.5部
・メチルアルコール ・・・45.0部
(感光性転写材料G1の作製)
前記感光性転写材料R1の作製で用いた、着色感光性樹脂組成物R1を、着色感光性樹脂組成物G1に変更した以外は、前記感光性転写材料R1の作製と同様の方法により、感光性転写材料G1を作製した。
(感光性転写材料B1の作製)
前記感光性転写材料R1の作製で用いた、着色感光性樹脂組成物R1を、着色感光性樹脂組成物B1に変更した以外は、前記感光性転写材料R1の作製と同様の方法により、感光性転写材料B1を作製した。
<画素の形成>
以下、画素の形成方法について説明する。
(レッド(R)画素の形成)
(1)まず、上記より得た感光性転写材料R1の保護フィルムを剥離除去した後、露出した感光性遮光層が、上記より得たブラックマトリクス付き基板のブラックマトリクスが設けられている側の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた。次いで、PET仮支持体を剥離し、ブラックマトリクス付き基板のブラックマトリクスが設けられている側に、該ブラックマトリクス基板に近い側から、感光性遮光層/中間層/熱可塑性樹脂層の順に積層されるように転写した(転写工程)。
(2)続いて、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したガラス基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量40mJ/cmで全面露光した(露光工程)。
(3)露光後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)をフラットノズルから35℃、ノズル圧力6.15MPaにて、熱可塑性樹脂層上から35秒間噴射してシャワー現像を行ない、熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性遮光層の未露光部を現像除去してパターンを得た(現像工程)。その後さらに、ガラス基板のパターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、ブラックマトリクス付き基板のブラックマトリクスが設けられている側に赤色画素(R画素)を形成した。
(4)次に、R画素が形成されたブラックマトリクス付き基板を、基板予備加熱装置により220℃で20分間加熱してベーク処理を施した(ベーク工程)。以下、この基板を「R画素及びブラックマトリクス付き基板」ということがある。
なお、感光層R1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254、C.I.P.R.177の塗布量はそれぞれ0.88g/m、0.22g/mであった。
その後、R画素及びブラックマトリクス付き基板を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
(グリーン(G)画素の形成)
次に、上記のR画素を形成する場合と同様に、感光性転写材料G1を用いて、転写、露光、現像、ベークの各工程を行い、R画素及びブラックマトリクス付き基板のR画素及びブラックマトリクスが設けられている側に緑色画素(G画素)を形成した。以下、この基板を「G画素及びR画素及びブラックマトリクス付き基板」ということがある。
但し、露光工程での露光量は40mJ/cmとし、現像工程での現像処理は34℃で45秒間とし、ベーク工程では220℃で20分間とした。
なお、感光層G1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36、C.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の塗布量はそれぞれ1.12g/m、0.48g/mであった。
その後、G画素及びR画素及びブラックマトリクス付き基板を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
(ブルー(B)画素の形成)
次に、前記R画素及びG画素を形成する場合と同様に、感光性転写材料B1を用いて転写、露光、現像の各工程(ベーク工程は除く。)を行ない、ガラス基板のブラックマトリクス並びにR画素及びG画素が設けられている側に青色画素(B画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は30mJ/cmとし、現像工程での現像処理は36℃で40秒間とした。以下、この基板を「B画素及びG画素及びR画素及びブラックマトリクス付き基板」ということがある。
なお、感光層B1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の塗布量はそれぞれ0.63g/m、0.07g/mであった。
B画素及びG画素及びR画素及びブラックマトリクス付き基板を、更に240℃で50分間熱処理し、目的とするカラーフィルタを得た。
<着色感光性樹脂組成物の調製>
ここで、前記表1に記載の着色感光性樹脂組成物R1、G1、B1の調製についてそれぞれ説明する。
(着色感光性樹脂組成物R1の調整)
着色感光性樹脂組成物R1は、前記表1に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−プロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、次いで前記表1に記載の量の添加剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で20分間攪拌した。更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物中の各組成R1の詳細は以下の通りである。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 8.0部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ−1−( 2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルカルバモイル) −プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}−イソフタルアミド ・・・ 0.8部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のラン ダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕 ・・・ 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・83.2部
*R顔料分散物2の組成
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B 、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のラン ダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕 ・・・ 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 70部
*バインダー2の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37 [モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000) ・・・ 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73部
*添加剤1
HIPLAAD ED152(楠本化成(株)製)
−着色感光性樹脂組成物G1の調製−
着色感光性樹脂組成物G1は、前記表1に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−プロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物G1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*G顔料分散物1、
・富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の「商品名:GT−2」。
*Y顔料分散物1
・商品名:CFイエローEX3393(御国色素社製)
*バインダー1の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
(=78/22[モル比])のランダム共重合物
(重量平均分子量44,000) ・・・ 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73部
−着色感光性樹脂組成物B1の調製−
着色感光性樹脂組成物B1は、前記表1に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物B1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*B顔料分散物1
・商品名:CFブルーEX3357(御国色素社製)
*B顔料分散物2
・商品名:CFブルーEX3383(御国色素社製)
*バインダー3の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物
(重量平均分子量30,000) ・・・27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73部
≪液晶表示装置の作製≫
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
〔実施例2〕:塗布法
実施例1において、感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法の代わりに、超音波分散(SMT.Co.Ltd.製、UH300、20kHz、出力max、1時間)してから0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔実施例3〕:塗布法
実施例1において、感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法の代わりに、超音波分散した後塗布する方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔実施例4〕:転写法
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1)を用いた塗布法によるのではなく、以下のようにして作製した感光性転写材料を用いて転写法によりブラックマトリクスを形成するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
なお、銀錫合金部含有粒子は実施例1と同様に、X線散乱によりAgSn合金とAg金属とからなる複合体であることを確認した。
以下、感光性転写材料の作製及び該感光性転写材料を用いたブラックマトリクス付き基板の作製について詳述する。
<感光性転写材料の作製>
(1)厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリットノズルを用いて乾燥膜厚が5μmになるように前記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。
(2)この熱可塑性樹脂層上に、前記処方P1からなる中間層用塗布液をスリットコーターを用いて乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、中間層を積層した。
(3)次に、実施例1と同様の方法で得られた感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が0.73μmになるように上記の中間層上に更に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、感光性遮光層を形成した。
更に、感光層上に厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着し、保護フィルムを設けた。以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性遮光層/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。
<転写法によるブラックマトリクス付き基板の作製>
(1)まず、上記より得た感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去した後、露出した感光性遮光層が、被転写体であるガラス基板(厚み1.1mm)の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた。次いで、PET仮支持体を剥離し、ガラス基板上に感光性遮光層/中間層/熱可塑性樹脂層の順に積層されるように転写した(転写工程)。
(2)続いて、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したガラス基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量300mJ/cmで全面露光した(露光工程)。
(3)露光後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)をフラットノズルから25℃、ノズル圧力6.15MPaにて、熱可塑性樹脂層上から58秒間噴射してシャワー現像を行ない、熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性遮光層の未露光部を現像除去してパターンを得た(現像工程)。その後さらに、ガラス基板のパターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、ガラス基板上にブラックマトリクスを形成した。
(4)次に、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理を施し(ベーク工程)、ブラックマトリクス付き基板を作製した。
〔実施例5〕:転写法
実施例4において、感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法の代わりに、超音波分散してから0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法に変更した以外は、実施例4と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔比較例1〕:塗布法
実施例1において、感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法の代わりに、70ミクロンのフィルター(日本ポール(株)製、プロファイル070)を通した後塗布する方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔比較例2〕:転写法
実施例4において、感光性塗布液を0.7ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法の代わりに、70ミクロンのフィルターを通した後塗布する方法に変更した以外は、実施例4と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔比較例3〕:塗布法
実施例1において用いた感光性塗布液を以下の塗布液K1に変更し、以下の方法でブラックマトリクスを形成した以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクス付き基板を作製した。
さらに、このブラックマトリクス付き基板を用いて、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタを用いて、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
<ブラックマトリクス付き基板の作製>
〔比較例3〕におけるブラックマトリクス付き基板は以下のようにして作製した。
無アルカリガラス基板をUV洗浄装置で洗浄した後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。この基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化した。その後、この基板を冷却して23℃に調温後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて下記表2に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1をこの基板上に塗布した。引き続き、真空乾燥機VCD(東京応化工業社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、120℃で3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を形成した。
次に、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と感光性樹脂層K1が設けられた無アルカリガラス基板とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層K1の表面との間の距離を200μmとし、露光量300mJ/cmで全面露光した。
次に、純粋をシャワーノズルから噴霧し、感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;KOH及びノニオン界面活性剤含有アルカリ現像液)を100倍希釈したもの(使用時のpHは11〜12)を、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、黒色パターンを得た。続いて、ガラス基板の黒色パターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、無アルカリガラス基板上にブラックマトリクスを形成した。その後、220℃で30分間熱処理(ベーク)し、ブラックマトリクス付き基板を作製した。
Figure 2007171665
着色感光性樹脂組成物K1は、まず表2に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをこの順にはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、DPHA液、商品名2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業株式会社製))、アデカPEG600(旭電化工業株式会社製)、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、7−[L−4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−s−トリアジニル(2)、1−アミノ]−3−フェニルクマリン、TAZ−204(2−(4’−メチル−4−ビフェニルイル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、みどり化学社製)、ハイドロキノンモノメチルエーテル、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。
なお、前記表2中のK顔料分散物1、DPHA液の各組成は下記の通りである。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック(Special Black 250、デグッサ社製)
・・・ 13.1部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズアミダゾロン ・・・ 0.65部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕 ・・・ 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53部
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製) ・・・ 76部
≪測定及び評価≫
<ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)の測定>
上記実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたブラックマトリクス付き基板の各々について、表面粗さ(Rz)の測定を行なった。測定結果を下記表3に示す。
(三次元表面粗さ(Rz))
測定装置は、3次元表面粗さ計サーフコム1400−3DF(東京精密(株))を用いた。測定条件は、測定面積0.6mm×0.4mm、測定速度0.06mm/s、カットオフ波長0.08μmで行った。
<表示画像の評価>
上記実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた液晶表示装置の各々について、以下に示す評価を行なった。評価結果を下記表3に示す。
(鮮やかさ)
前記液晶表示装置を黒表示させたバックに赤、緑、青色のベタ色を表示し、その鮮やかさについて、被験者50人による官能評価を実施した。被験者が、鮮やかさを「1」〜「5」の5段階で評価し、その平均値を評価値とした。評価値は数値が大きいもの程、鮮やかさに優れていることを示す。
(表示ムラ)
液晶表示装置にて、グレー表示を行い目視にて表示ムラを評価した。
評価は、ムラがほとんどなく良好であるレベルを○とし、一部ムラがあるが許容範囲であるレベルを△とし、ムラがひどくディスプレイとして問題があるレベルを×として行った。
Figure 2007171665
表3に示すように、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置(実施例1〜5)は、表示ムラの発生が抑制されており、かつ、色鮮やかな画像を示した。
一方、金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタであって、Rzが0.2μmより大きいものを用いた液晶表示装置(比較例1、2)は、表示ムラが発生し、色鮮やかさに劣るものであった。
また、金属粒子の代わりにカーボンブラックを含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタであって、Rzが0.2μm以下のものを用いた液晶表示装置(比較例3)は、表示ムラは抑制されているものの、色鮮やかさに劣るものであった。

Claims (10)

  1. 金属粒子を含むブラックマトリクスを備えたカラーフィルタであって、該ブラックマトリクスの表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記金属粒子の少なくとも一部に合金を有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.R.254を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.G.36を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記ブラックマトリクスで隔離された複数の着色画素をさらに備え、前記着色画素の少なくとも1種が、C.I.P.B.15:6を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を実効ろ過径1μm以下でろ過した組成物によりブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を再分散して得た組成物によりブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記再分散の方法が、超音波分散であることを特徴とする請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法であって、金属粒子を含む組成物を実効ろ過径1μm以下でろ過する工程と、金属粒子を含む組成物を再分散する工程とにより得た組成物により、ブラックマトリクスを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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