JP2007162779A - ブレーキ用ディスクロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩擦特性、耐熱性に優れ、かつ経済性にも優れるブレーキ用ディスクロータを提供する。
【解決手段】鋳鉄又は鉄鋼材よりなるディスクロータ本体の表面に、高速フレーム溶射法により、WC−Co系サーメット粉末とFe−C系材料粉末の混合粉末を、ディスクロータ本体側から表面側に行くにしたがって、WC−Co系サーメット粉とFe−C粉の混合体積比が大きくなるように、複数の層に分けて溶射して、密着積層して形成した積層コーティング層を有することを特徴とするブレーキ用ディスクロータ。なお、混合粉末の混合体積比を、ディスクロータ本体側では、0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層の2層に分けて溶射して形成したコーティング層を有すること、及び積層型コーティング層の全厚さが、50μm〜500μmであることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】鋳鉄又は鉄鋼材よりなるディスクロータ本体の表面に、高速フレーム溶射法により、WC−Co系サーメット粉末とFe−C系材料粉末の混合粉末を、ディスクロータ本体側から表面側に行くにしたがって、WC−Co系サーメット粉とFe−C粉の混合体積比が大きくなるように、複数の層に分けて溶射して、密着積層して形成した積層コーティング層を有することを特徴とするブレーキ用ディスクロータ。なお、混合粉末の混合体積比を、ディスクロータ本体側では、0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層の2層に分けて溶射して形成したコーティング層を有すること、及び積層型コーティング層の全厚さが、50μm〜500μmであることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車、二輪車、鉄道車両、産業機械などに利用される、耐熱性、耐摩耗性、経済性に優れるブレーキ用ディスクロータに関するものである。
従来、自動車のブレーキ用ディスクロータには、耐熱性や耐摩耗性のほか、価格、製造プロセスの容易さ、材料特性の安価性などの点から鋳鉄製のものが使用されている。これは鋳鉄の耐摩耗性や耐熱性及び製造コストの廉価性を利用している。
しかし、最近の自動車技術の進歩やアウトドアスポーツやレーシングの広まりなどにより、高速でのより安定した制動性能とディスクロータの耐摩耗性向上が求められている。
ディスクロータの耐熱性を向上させるため、鋳鉄の替わりにC/CコンポジットやSiC系セラミック複合材(CMC)を使用したブレーキ用ディスクロータが既に実用化されているが、いずれも製造コストが著しく高いという欠点がある。そこで、鋳鉄製ディスクロータの表面に耐熱性及び耐摩耗性向上のため硬化層を付与した表面クラッド材が注目されている。クラッド層の生成方法は、ディスクロータの面積や皮膜の生成速度および装置のコストを考慮すると溶射法が有望であるが、従来の大気プラズマ法(特許文献1)やアーク法(特許文献2)、及びフレーム法(特許文献3)などでは、下地層と表面層の熱収縮率や弾性率の違いによりディスクロータが高温になったとき、界面の剥離や表面層の割れが生じやすくなる、という重大な問題がある。このような問題は、ディスクロータに要求される耐熱性・耐摩耗性が、他の摺動部材に比べ非常に厳しいことにも由来している。
特開平5−44753号公報
特許2767988号公報
特開平5−263852号公報
自動車の高速化によって、アウトドアスポーツやレーシングなどで使用されるブレーキは、時速200km/hから制動するといった過酷な条件が多くなり、繰り返し制動することでディスクロータ温度は800℃〜900℃に達するが、このような温度域でも安定した摩擦特性と優れた耐摩耗性を示す必要がある。
本発明は、上記問題点を解決することを目的にしてなされたものであり、高温での耐熱性及び耐摩耗性に優れ、しかも経済性に優れるブレーキ用ディスクロータを提供するものである。
本発明者等は、前記の課題により、ディスクロータが高温になったとき界面の剥離や割れが生じやすくなる表面層を付加することなく、またディスクロータ温度が800℃〜900℃に達する高速運転から制動でも摩擦係数の低下や摩耗量の増大を生じさせることなく、さらにディスクロータ摺動面の錆による摩擦係数の不安定化や異常振動がない材質からなるディスクロータについて種々検討した。
本発明者等は、すでに、高速フレーム溶射法を使用したFe基材表面クラッド型ディスクロータの提案(特願2004−310594参照)をしているが、これは一般的なブレーキ性能の向上を重視したもので、アウトドアスポーツやレーシングなどで使用されるブレーキでは、高温摩擦特性を充分に満足することが困難な場合がある。
そこで、前記Fe基材表面クラッド型ディスクロータの、WC−Co系サーメット粉とFe−C系材料粉末の混合比率が厚さ方向に変化し、ディスクロータ本体側(下地側)から表面側に行くにしたがって大きくなるように、複数の層に分けてその各層の混合比率をディスクロータ本体側が小さく、表面側が大きい層を設ければ、ディスクロータの高速での耐熱性及び耐摩耗性を向上させ得ることに着目して本発明に到達した。
つまり、ディスクロータ本体側と表面側とでWC−Co系サーメット粉とFe−C系材料粉末の混合比率を変化させることにより、本体側においてはFe−C系材料粉末の比率が高いことから本体とクラッド層の熱膨張率が大きく相違しないため、高温時において界面の剥離や割れを防止できるとともに、表面側においてはWC−Co系サーメット粉の比率が高いことから高速での耐熱性及び耐摩耗性の確保が可能となった。
つまり、ディスクロータ本体側と表面側とでWC−Co系サーメット粉とFe−C系材料粉末の混合比率を変化させることにより、本体側においてはFe−C系材料粉末の比率が高いことから本体とクラッド層の熱膨張率が大きく相違しないため、高温時において界面の剥離や割れを防止できるとともに、表面側においてはWC−Co系サーメット粉の比率が高いことから高速での耐熱性及び耐摩耗性の確保が可能となった。
すなわち、本発明は下記の手段により前記の目的を達成した。
(1)鋳鉄又は鉄鋼材よりなるディスクロータ本体の表面に、高速フレーム溶射法により、WC−Co系サーメット粉末とFe−C系材料粉末の混合粉末を、ディスクロータ本体側から表面側に行くにしたがって、WC−Co系サーメット粉とFe−C粉の混合体積比が大きくなるように、複数の層に分けて溶射して、密着積層して形成した積層コーティング層を有することを特徴とするブレーキ用ディスクロータ。
(2)前記混合粉末の混合体積比を、ディスクロータ本体側では、0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層の2層に分けて溶射して形成した積層コーティング層を有することを特徴とする前記(1)記載のブレーキ用ディスクロータ。
(3)前記積層型コーティング層の全厚さが、50μm〜500μmであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のブレーキ用ディスクロータ。
(1)鋳鉄又は鉄鋼材よりなるディスクロータ本体の表面に、高速フレーム溶射法により、WC−Co系サーメット粉末とFe−C系材料粉末の混合粉末を、ディスクロータ本体側から表面側に行くにしたがって、WC−Co系サーメット粉とFe−C粉の混合体積比が大きくなるように、複数の層に分けて溶射して、密着積層して形成した積層コーティング層を有することを特徴とするブレーキ用ディスクロータ。
(2)前記混合粉末の混合体積比を、ディスクロータ本体側では、0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層の2層に分けて溶射して形成した積層コーティング層を有することを特徴とする前記(1)記載のブレーキ用ディスクロータ。
(3)前記積層型コーティング層の全厚さが、50μm〜500μmであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のブレーキ用ディスクロータ。
前記ブレーキ用ディスクロータの構成を分かりやすく図面により説明すると、前記(1)のブレーキ用ディスクロータは図1に示す構成を有するものであり、また前記(2)のブレーキ用ディスクロータは図2に示す構成を有するものである。
なお、上記の図1及び図2において、1は混合粉末の混合体積比(WC−Co/Fe−C)を1.0〜9.0とする表面側のコーティング層であり、2は本体側の混合体積比と表面側の混合体積比の中間の混合体積比を有するディスクロータ本体側(下地側)であり、3は混合体積比を0.25〜1.0とする中間層であり、4は鋳鉄または鉄鋼材で構成されるディスクロータ本体である。
なお、上記の図1及び図2において、1は混合粉末の混合体積比(WC−Co/Fe−C)を1.0〜9.0とする表面側のコーティング層であり、2は本体側の混合体積比と表面側の混合体積比の中間の混合体積比を有するディスクロータ本体側(下地側)であり、3は混合体積比を0.25〜1.0とする中間層であり、4は鋳鉄または鉄鋼材で構成されるディスクロータ本体である。
本発明のブレーキ用ディスクロータは、ディスクロータ最高到達温度が800℃〜900℃に達する過酷なブレーキ試験においても、耐摩耗性や摩擦係数の安定性に優れており、高速走行するアウトドアスポーツやレーシング用自動車ブレーキの摩擦特性の安定化に有効である。
また、高速フレーム溶射法は、PVD法、レーザーやプラズマ溶射法、爆着圧接法などに比べ、高価な設備及びランニングコストを必要としない安価で簡便な表面クラッド法であり、またそれによって形成される表面皮膜は、欠陥を介しないで完全に密着しており、基材と溶射材の熱膨張率が近いので使用中に剥離することがない。
高速フレーム溶射は、高圧の燃焼ガスを用い、音速を超えるガス流速で粉末状の溶射材を吹き付けて皮膜を形成する方法で、皮膜中の気孔が少なく素地との密着性に優れている。とくに、WC−Co系材料は鋳鉄材や鉄鋼材との密着性に優れている。
ここに、鋳鉄とは、従来ディスクロータに使用されているネズミ鋳鉄及びその他、黒鉛鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、可鍛鋳鉄などの鋳鉄材を指し、鉄鋼材は炭素鋼、合金鋼、機械構造用鋼、ステンレス鋼などを指す。
また、WC−Co粉のCo量は3〜30%のものが用いられ、7〜20%のものが好適に用いられ、摩擦材の摩耗量を抑制するために硬度は低い方が望ましい。Fe−C粉は適当量のSi及びMn、その他を含んでもよい。Fe−C粉のC量は、0.02%未満だと高温での強度の低下が大きく摩擦係数が低下する、一方、5.0%を超えると高温で割れが発生する。WC−Co粉とFe−C粉の混合体積比(WC−Co/Fe−C)が0.25未満では、高温での強度が低くWC−Co粉の混合効果が認められず、一方、9.0を超えると高温での制動を長時間繰り返した場合、ディスクロータ表面層に割れが生じる。
WC−Co粉とFe−C粉の混合体積比を、ディスクロータ本体側(下地側)では0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層とし、好ましくは本体側(下地側)では0.25〜0.54と小さい層、表面側では3.0〜9.0と大きい層とするのが望ましい。また、本体側にはFe−C粉のC量を0.02%〜1.0%、より好ましくは0.02%〜0.8%にすることが望ましく、表面側ではFe−C粉のC量を1.0%〜5.0%、より好ましくは2.5%〜5.0%にすることが望ましい。材質を変化させて溶射する方法の1例として、1層を溶射する毎に溶射材料供給ユニットのホッパー内の粉末を入れ替えて溶射を実施する。また、溶射材質が変化するのに合わせて、溶射条件も1層溶射する度に少しずつ変化させている。
また、溶射材粉末の径は5〜60μmのものを用い、予熱処理及びアンダーコート処理を適宜実施することが望ましい。
積層型コーティング層の全厚さは50μm〜500μmが望ましく、好ましくは50μm〜200μmが望ましく、50μm未満だとせん断応力により素地から剥がれやすくなり、熱衝撃に弱く高速ブレーキ制動時に割れが発生する。500μmを超えると、多層積層型の場合でも各層の熱収縮率や弾性率の違いにより、高速ブレーキ制動時に界面の剥離や表面層の割れが生じやすくなる。溶射の熱源は酸素と炭化水素ガス及び空気と酸素の混合ガスを用いる。また、前処理としてブラスト処理を実施するが、ブラスト材が表面層との界面に欠陥として残らないように注意する。
本発明を、実ディスクロータによるブレーキ性能試験の結果で説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(試験方法)
実デイスクロータを鋳鉄及び鉄鋼材で作製し、摺動面に高速フレーム溶射でWC−Co粉末及びFe−C粉末の混合粉を溶射してブレーキ性能試験(ダイナモメータ試験、他)を行った。実ディスクロータは、280mmφ×23mm厚の形状を持つベンチレーテッド型の中型乗用車のディスクブレーキ用ディスクロータである。摩擦材は乗用車用として一般的に使用されているノンアスベスト系の摩擦材を使用した。第1表に摩擦材の主な成分を示す。また試験パターンは、アウトドアスポーツやレーシングを想定し、ロータ最高到達温度800〜900℃における摩擦特性を評価するための試験パターンの試験を行った。
実デイスクロータを鋳鉄及び鉄鋼材で作製し、摺動面に高速フレーム溶射でWC−Co粉末及びFe−C粉末の混合粉を溶射してブレーキ性能試験(ダイナモメータ試験、他)を行った。実ディスクロータは、280mmφ×23mm厚の形状を持つベンチレーテッド型の中型乗用車のディスクブレーキ用ディスクロータである。摩擦材は乗用車用として一般的に使用されているノンアスベスト系の摩擦材を使用した。第1表に摩擦材の主な成分を示す。また試験パターンは、アウトドアスポーツやレーシングを想定し、ロータ最高到達温度800〜900℃における摩擦特性を評価するための試験パターンの試験を行った。
試験パターンを第2表に示す。ディスクロータの最高到達温度が800〜900℃になるように制動開始温度を500℃とし、高速試験200km/h(5制動)を1サイクルとし5サイクル繰り返した。本発明材の化学成分を第3表に示す。第3表中に試験に用いた溶射材成分も合わせて示す。No.1〜2は基材が鋳鉄の場合を示す。No.1〜2はいずれもWC−Co粉末とFe−C粉末の混合粉末をそれぞれ高速フレーム溶射したものである。No.3は単一層で、本発明の範囲外にある比較材である。No.4は従来材の黒鉛鋳鉄(FC250)である。
溶射前にアルミナを用いたブレージング処理および200℃の予熱処理をそれぞれ実施した。溶射処理後表面を研削し、Rz<5μmにした。
(試験結果)
試験結果をまとめて第4表に示す。また、摩擦係数の結果を図3に示す。本発明材はいずれもディスクロータ材として耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れており、従来材や単一層のコーティングを施したディスクロータ等に比べ、積層コーティングを施したディスクロータは摩擦特性が優れていることが確認できる。
試験結果をまとめて第4表に示す。また、摩擦係数の結果を図3に示す。本発明材はいずれもディスクロータ材として耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れており、従来材や単一層のコーティングを施したディスクロータ等に比べ、積層コーティングを施したディスクロータは摩擦特性が優れていることが確認できる。
本発明のブレーキ用ディスクロータは、摩擦特性、耐熱性、耐食性において、従来の鋳鉄系のブレーキ用ディスクロータに比べて優れているので、自動車、二輪車、鉄道車両、産業機械などのブレーキ用に有用である。
1 表面側
2 中間層
3 ディスクロータ本体側(下地側)
4 ディスクロータ本体
2 中間層
3 ディスクロータ本体側(下地側)
4 ディスクロータ本体
Claims (3)
- 鋳鉄又は鉄鋼材よりなるディスクロータ本体の表面に、高速フレーム溶射法により、WC−Co系サーメット粉末とFe−C系材料粉末の混合粉末を、ディスクロータ本体側から表面側に行くにしたがって、WC−Co系サーメット粉とFe−C粉の混合体積比が大きくなるように、複数の層に分けて溶射して、密着積層して形成した積層コーティング層を有することを特徴とするブレーキ用ディスクロータ。
- 前記混合粉末の混合体積比を、ディスクロータ本体側では、0.25〜1.0と小さい層、表面側では1.0〜9.0と大きい層の2層に分けて溶射して形成した積層コーティング層を有することを特徴とする請求項1記載のブレーキ用ディスクロータ。
- 前記積層型コーティング層の全厚さが、50μm〜500μmであることを特徴とする講求項1又は請求項2に記載のブレーキ用ディスクロータ。
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