JP2007161970A - 多孔フィルムとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルム(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)。
【効果】
高い表面品質を維持しつつ、ドローダウンやドローレゾナンスを抑え、厚みムラの少ない多孔性フィルムを高い生産性(高速成形性)にて得ることができる。
線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルム(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)。
【効果】
高い表面品質を維持しつつ、ドローダウンやドローレゾナンスを抑え、厚みムラの少ない多孔性フィルムを高い生産性(高速成形性)にて得ることができる。
Description
本発明は多孔フィルムとその製造方法に係る。詳しくは本発明はポリエチレン系樹脂に無機充填剤を配合したポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルムとその製造方法に係るものである。
従来より、ポリオレフィン樹脂および無機充填剤を含む組成物からなるフィルムを一軸方向または二軸方向に延伸し、フィルムに連通したボイドを発生させた通気性フィルムが多数提案されている。そして、この通気性フィルムは衛生材料、医療用材料、建築用材料、電池セパレーター等の多種の用途に使用されている。
ポリエチレン樹脂組成物をフィルム状に成形する際に、ダイスから押し出された溶融樹脂がネッキングやドローレゾナンスを起こし、通気性フィルムの厚さが不均一となる問題があった。特に近年の高生産効率化に伴う高速成形においては、上述の問題が顕著になる傾向にある。
溶融樹脂の冷却方式は、一対の冷却ロールで挟み込むようにして冷却するタッチロール方式、ロールと対向するエアチャンバーから冷却媒体を吹き付けて冷却するエアナイフ方式などがある。タッチロール方式ではドローレゾナンスに起因する厚みムラが生じやすく、高速成形が困難である。一方、エアナイフ方式では、タッチロール方式より高速化しやすいが、厚みの均一性は不十分である。加えて表面品質が劣る欠点がある。
高速化のために提案された従来技術として、線状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、分岐状低密度ポリエチレン及び炭酸カルシウムを含む組成物であって、該組成物の溶融張力を1.5〜4.0gとする方法(特許文献1参照)が知られている。この方法は多孔フィルムの製造方法としてある程度有効であるが、キャストロール速度が50m/分を超えるような高速成形では充分な効果は得られない。
次に、線状低密度ポリエチレン、メルトインデックスの異なる線状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン、無機充填剤を含む組成物を用いた通気性フィルム(特許文献2参照)が知られている。しかし、この多孔フィルムは風合いが劣る欠点がある。
更に、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、無機充填剤、ジアルカノールアミドと脂肪族二塩基酸とのジエステルを含む組成物を用いた通気性フィルム(特許文献3参照)が知られている。しかしこの多孔フィルムは延伸性に効果を認めるが、ドローレゾナンスに対しては有効ではなく、厚みムラの改善はほとんど認められなかった。
更に、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、無機充填剤、ジアルカノールアミドと脂肪族二塩基酸とのジエステルを含む組成物を用いた通気性フィルム(特許文献3参照)が知られている。しかしこの多孔フィルムは延伸性に効果を認めるが、ドローレゾナンスに対しては有効ではなく、厚みムラの改善はほとんど認められなかった。
更に、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン及び無機充填剤を含み、メルトフローレートが6〜25g/10分、メルトフローレシオ(通常荷重MFRに対する10倍荷重MFRの比)が85以下であるポリオレフィン系樹脂組成物を用いた透湿シートが知られている(特許文献4参照)。しかしながら、Tダイの幅に対する製品幅が減少する、所謂ネックインが著しく、生産性が不良となったり、ドローレゾナンスが生じやすく、また、製品フィルムの幅方向の偏肉精度が悪化する等の欠点があった。
特開平9−25372号公報
特開平10−292059号公報
特開平11−35715号公報
特開2004−99666号公報
本発明者らは、これらの技術背景の下で多孔フィルムの表面品質の面から、冷却方式としてタッチロール方式を念頭において、フィルム製造工程の高速化検討を樹脂組成物が有するレオロジーの面から検討を重ねた。
高い表面品質を維持しつつ、ドローレゾナンスを抑え、厚みムラの少ない多孔性フィルムを高い生産性にて得ることを目的とし、鋭意研究の結果、特定の組成及びレオロジー特性を有するポリエチレン樹脂組成物が有効であることを見出し本発明を完成したものである。
即ち、本発明の要旨は、線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルム(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)に存する。
また、本発明の他の要旨は、線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤を30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であるポリエチレン樹脂組成物を、(1)フィルム状に溶融押出す工程、(2)タッチロール方式により、40m/分以上のキャストロール速度で冷却する工程及び(3)少なくとも一軸方向に延伸する工程を経て製造することを特徴とする多孔フィルムの製造方法(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)に存する。
高い表面品質を維持しつつ、ドローダウンやドローレゾナンスを抑え、厚みムラの少ない多孔性フィルムを高い生産性(高速成形性)にて得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物はメルトフローレート(JIS K7210、190℃、21.18N)が1.0〜5.0g/10分、好ましくは2.0〜4.0g/10分、より好ましくは2.2〜3.0g/10分である。MFRが1.0g/10分未満であると、ドローダウン性が劣り易く、且つ押出性が不良(吐出不良)となり高速生産に支障をきたす。5.0g/10分を越えると、ドローレゾナンスが生じやすく、また、Tダイの幅に対して製品フィルムの幅減少が著しくなり、幅方向の偏肉精度が悪化する。
<レオロジー特性>
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、好ましくは58,000Pa・秒以下、より好ましくは57,000〜54,000Pa・秒である。60,000Pa・秒を越えるとドローダウン性が劣り、ダイ出口でフィルム膜が破断し易い。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、好ましくは58,000Pa・秒以下、より好ましくは57,000〜54,000Pa・秒である。60,000Pa・秒を越えるとドローダウン性が劣り、ダイ出口でフィルム膜が破断し易い。
歪み硬化度(λ)は、変形時間5秒における一軸伸張粘度(η1)を一軸伸張粘度指数(η0)で除した商として定義される。λ=η1/η0は1.6以上、好ましくは1.8以上、より好ましくは2.0〜2.5の範囲から選択される。λが1.6未満だとドローレゾナンスが発生し易く、高速成形加工性に劣る。λが2.5を超えるとドローダウンが生じやすくなるので好ましくない。以下、η0、η1、λについて更に詳細に説明する。
一軸伸張粘度指数(η0)及び歪み硬化度(λ)とは、一軸伸張粘度計によって測定された一軸伸張粘度の過渡応答曲線から求められる値である。図1は、過渡応答曲線の一例を示す。横軸は変形時間(単位:秒)を表わし、縦軸は一軸伸張粘度(単位:Pa・秒)を表わす。一軸伸張粘度指数(η0)は、測定開始後、一軸伸張歪みの増加に従い徐々に一軸伸張粘度が上昇する領域(線形領域:図1では変形時間が約2.5秒未満の領域)に相当する指標である。
歪み硬化度(λ)は、線形領域から外れて一軸伸張粘度が立ち上がった領域(非線形領域;図1では変形時間が約2.5秒以上の領域)で一軸伸張粘度の上昇の程度を表す指標であり、次のように測定される。すなわち、まず一軸伸張粘度計を用いて、測定温度180℃で、歪み速度1秒−1での一軸伸張粘度の過渡応答を測定する。η0は、変形時間が1〜2秒[t(秒)]である範囲における一軸伸張粘度[η(Pa・秒)]のデータから、log(η)対log(t)について、最小二乗法により直線で近似し、変形時間が5秒における一軸伸張粘度に外挿した値である。一方、η1は、変形時間が5秒における一軸伸張粘度の値として実測し、それらの比(η1/η0)を歪み硬化度(λ)とした。
一軸伸張粘度の測定器としては、例えば、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の一軸伸張粘度計「商品名:RME」を使用することができる。η1/η0は「伸張粘度比」と呼称されることもあるが、本明細書では「歪み硬化度(λ)」の用語を使用した。
η0は一軸伸張粘度の線形領域から外挿される指標であるから、主にポリエチレン樹脂のMFRを調整することにより制御しうる。さらにポリエチレン樹脂のMFRは線状低密度ポリエチレン及び分岐状低密度ポリエチレンのMFRと組成により制御しうる。
η1は非線形領域の指標である。分岐状低密度ポリエチレンは線状低密度ポリエチレンと比較して非線形性が強いのが一般的であるから、分岐状低密度ポリエチレンの種類や量によって制御しうる。なお、分子量、分子量分布、分岐度、分岐度分布等と非線形の開始点、非線形度の関係は例えば日本レオロジー学会誌、Vol.19、174〜180頁(1991年)(小山清人著)などに記載がある。上記の通り、ポリエチレン樹脂組成物として、レオロジー特性と組成が満足されるものであれば、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、無機充填剤の性状は問うものではない。
次に、本発明のポリエチレン樹脂組成物の構成成分(組成)について説明する。
<線状低密度ポリエチレン>
本発明に係る線状低密度ポリエチレンとは、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれる一種以上のα−オレフィンとの共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%の範囲で選択されることが望ましい。
<線状低密度ポリエチレン>
本発明に係る線状低密度ポリエチレンとは、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれる一種以上のα−オレフィンとの共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%の範囲で選択されることが望ましい。
本発明に係る線状低密度ポリエチレンのMFRは、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.3〜30g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは1.5〜10g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、成形加工性が劣り、50g/10分を超えると耐衝撃性、機械的強度などが低下する虞が生じる。
本発明に係る線状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.86〜0.97g/cm3、より好ましくは0.89〜0.94g/cm3、さらに好ましくは0.90〜0.93g/cm3である。密度がこの範囲にあると、無機充填剤の受容性に優れ、無機充填剤を多量に配合しても強度の低下が小さい。また、密度が0.86g/cm3未満では、透湿性が悪化し、0.97g/cm3を超えると、延伸むらが生じたり、柔軟性が損なわれたりする虞が生じる。
<分岐状低密度ポリエチレン>
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、長鎖分岐を有するポリエチレンであり、例えばエチレンを高圧ラジカル重合法で重合することによって得られるポリエチレンである。高圧ラジカル重合法によって得られるポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンとも呼称される。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、長鎖分岐を有するポリエチレンであり、例えばエチレンを高圧ラジカル重合法で重合することによって得られるポリエチレンである。高圧ラジカル重合法によって得られるポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンとも呼称される。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、MFRが好ましくは0.5〜20g/10分、より好ましくは1.5〜15g/10分、さらに好ましくは1.7〜10g/10分である。この範囲であれば適切なλ、およびη0に調整可能となり、高速成形加工性が向上する。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、密度が好ましくは0.915〜0.930g/cm3、より好ましくは0.918〜0.930g/cm3である。この範囲であればドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の加工性を安定的に保持することができる。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、Z平均分子量(Mz)が400,000〜900,000であることが好ましい。Mzが400,000未満では、溶融張力が低く、成形加工性が悪化し、900,000を超えると、押出機のトルクが上昇する虞が生じる。なお、Z平均分子量(Mz)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用して測定される値である。測定方法の一例を示す。測定装置は、Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー150Cplusを使用し、カラムには昭和電工社製Shodex HT−806Mを2本直列に取り付け、検出器には、Miran社製示差屈折計1Aを用いる。測定温度を140℃とし、溶離液は1,2,4−トリクロロベンゼンに2,4,6−トリメチルフェノールを0.05重量%溶解させたものを使用し、流速1.0ml/分にて運転する。試料は3.0mgを量り取り、溶離液として使用しているものと同じ組成の溶媒3.0mlに150℃で2時間振とう溶解させたものを用い、試料溶液の注入量は300μlとする。この際、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用することによって、Mzを求めることができる。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、溶融張力(MT)(単位g)とメルトフローレート(MFR)(単位g/10分)とが関係式(1)
MT>−8.74×logMFR+13.37・・・(1)
を満たすものが好ましい。より好ましくは関係式(2)
MT>−8.74×logMFR+14.74・・・(2)
を満たすものである。この範囲であれば、ドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の加工性を安定的に保持することができる。一般に、MFRが大きくなると、MTは小さくなる傾向があるが、重合温度の調整や多段重合等により、高分子量成分の量や長鎖分岐の量を増加させることでMTを高めることができ、上記の関係式を満たす分岐状低密度ポリエチレンが得られるようになる。
MT>−8.74×logMFR+13.37・・・(1)
を満たすものが好ましい。より好ましくは関係式(2)
MT>−8.74×logMFR+14.74・・・(2)
を満たすものである。この範囲であれば、ドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の加工性を安定的に保持することができる。一般に、MFRが大きくなると、MTは小さくなる傾向があるが、重合温度の調整や多段重合等により、高分子量成分の量や長鎖分岐の量を増加させることでMTを高めることができ、上記の関係式を満たす分岐状低密度ポリエチレンが得られるようになる。
ここで、MTの測定は、東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて、シリンダー温度190℃、オリフィスL/D=8.1/2.095(mm)、ピストンスピード10mm/分、引取速度4.0m/分の条件下で行なわれるものである。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、η1/η0は4以上のものが好ましく、より好ましくは6以上である。ここにη1、η0とは、分岐状低密度ポリエチレン単独について、先に述べた一軸伸張粘度の過渡応答曲線から求められるものである。上記を満足する分岐状低密度ポリエチレンであれば、ポリエチレン樹脂組成物としてのη1を大きくしやすく、組成物の歪み硬化度(λ)を所定の値に調節しやすい利点がある。
本発明に係る分岐状低密度ポリエチレンは、製造方法が限定されるものではなく、公知の製造方法が採用できる。例えば、チューブラープロセス、オートクレーブプロセスなどが挙げられる。なかでもη1/η0の値が、上記を満たす分岐状低密度ポリエチレンが得られやすい点で、オートクレーブプロセスが好ましい。
<無機充填剤>
本発明に係る無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムが好ましい。無機充填剤の平均粒径は20μm以下のものが好ましく、更に好ましくは10μm以下であり、0.5〜5μmのものが最も好ましい。また、無機充填剤は、ポリエチレン樹脂との分散性を向上させるために表面処理が施されたものが好ましい。表面処理剤としては、無機充填剤の表面を被覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ましく、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩等を挙げることができる。
本発明に係る無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムが好ましい。無機充填剤の平均粒径は20μm以下のものが好ましく、更に好ましくは10μm以下であり、0.5〜5μmのものが最も好ましい。また、無機充填剤は、ポリエチレン樹脂との分散性を向上させるために表面処理が施されたものが好ましい。表面処理剤としては、無機充填剤の表面を被覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ましく、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩等を挙げることができる。
次に、構成成分の配合割合について説明するに、線状低密度ポリエチレン/分岐状低密度ポリエチレンの重量比は、通常、(50〜90)/(10〜50)、好ましくは(60〜85)/(15〜40)、より好ましくは(70〜80)/(20〜30)である。線状低密度ポリエチレンが多すぎるとドローレゾナンスが発生し易く、少ないとドローダウン性が劣り、フィルム強度も低下する。分岐状低密度ポリエチレンが多すぎるとドローダウン性が劣り、フィルム強度も低下し、少ないとドローレゾナンスが発生し易い。
無機充填剤は、上記線状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、30〜200重量部、好ましくは50〜180重量部、より好ましくは80〜150重量部である。無機充填剤が多すぎるとフィルムの成形不良や機械的強度が低下し、延伸時に延伸切れ等が生じる傾向にある。少ないと通気性、透湿性が不十分となる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、上記の組成とレオロジー特性を有するものであるが、更に加えて次のような任意成分を配合することができる。即ち、上記レオロジー特性を満たす範囲で、多孔フィルムの延伸性を改善する目的で脂肪族アルコール系脂肪酸エステルを添加することができる。好ましい添加量はポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.5〜7.0重量部、より好ましくは1.0〜5.0重量部である。
脂肪族アルコール系脂肪酸エステルとしては、炭素数9〜40の飽和または不飽和の脂肪酸エステル、炭素数2〜30の飽和または不飽和脂肪酸を用いた多価アルコールエステル等から選ばれる1種または2種以上の化合物が挙げられる。多価アルコールとしては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。エステルとしては、ジエステル、トリエステルなどが好ましい。
不飽和脂肪酸エステルの具体例としては、例えば(ポリ)エチレングリコールオレエート、(ポリ)プロピレングリコールオレエート、グリセリルオレエート、ソルビタンオレエート、(ポリ)エチレングリコールソルビタンオレエート、ブチルオレエート、ピナコールオレエート、m−クレゾールオレエート、ペンタエリストールオレエート、グリセリルリノレエート、グリセリルリシノレート、メチルリシノレート、エチルリシノレート、ブチルリシノレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、(ポリ)エチレングリコールリシノレート、グリセリルアセチルリシノレート、グリセリルエルシエート等を挙げることができる。中でも、グリセリルヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルが良く、特にグリセリルリシノレートが好ましい。
飽和脂肪酸エステルの具体例としてはエチレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、ピナコールヒドロキシステアレート、m−クレゾールヒドロキシステアレート、(ポリ)エチレングリコールヒドロキシステアレート、(ポリ)プロピレングリコールヒドロキシステアレート、ペンタエリストールヒドロキシステアレート、ソルビタンヒドロキシステアレート、エチレングリコールソルビタンヒドロキシステアレート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリルアセチルヒドロキシステアレート等のグリセリルヒドロキシ飽和脂肪酸エステルが挙げられる。好ましいのは、グリセリルヒドロキシステアレート、特にグリセリル−12−ヒドロキシステアレート、脱水ヒマシ油が好ましい。
上記レオロジー特性を満たす範囲で、多孔フィルム成形時の目やにを改善する目的で脂肪酸金属塩を添加することができる。脂肪酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ基含有若しくは不含有の飽和又は不飽和脂肪酸とリチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の1価又は2価金属との金属塩が挙げられる。好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムである。これら脂肪酸金属塩の好ましい添加量は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.05〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。
更に、本発明の通気性フィルムには、上記添加剤の他に一般に樹脂組成物用として用いられている添加物、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤、帯電防止剤、スリップ剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤、着色剤等が配合されていてもよい。
本発明に用いるポリエチレン樹脂組成物は、上記の線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、無機充填剤、必要に応じて、脂肪族アルコール系脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩その他の添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー等で加熱混練し、ペレット化してもよい。次いで、そのペレットをポリエチレン樹脂の融点以上、好ましくは融点+20℃以上であり、かつ分解温度未満の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて、溶融、製膜する。場合によっては、ペレット化せず直接成形機で製膜することもできる。
製膜の際のフィルムの冷却方法は公知の方法がいずれも採用できる。具体的には、エアナイフ方式、エアチャンバー方式等の空冷式やタッチロール方式による直接冷却式等が挙げられる。タッチロール方式とは、溶融樹脂をキャストロールと該キャストロールに対向して設置されたタッチロールで挟み、樹脂膜をキャストロールに密着させることにより冷却する方法をいう。前者はドローレゾナンスを生じ難く、キャストロール速度が40m/分以上の高速成形が可能な点で有効である。後者は表面品質に優れた多孔フィルムが得られる点で有効である。本発明ではタッチロール式でもキャストロール速度が40m/分以上(延伸倍率が2倍であれば巻取り速度が80m/分以上)でも表面品質を損なうことなく製膜できるので、タッチロール方式が好ましい。キャストロール速度は好ましくは50m/分以上であり、より好ましくは60m/分以上である。本発明で、キャストロール速度とは、キャストロールを通過する樹脂膜(フィルム)の通過速度をいう。
本発明の多孔フィルムは、製膜されたフィルムを、ロール法、テンター法等の公知の方法により、室温〜樹脂の軟化点(JIS−K6760に規定される方法により測定した値)、好ましくは60〜105℃において、少なくとも一軸方向に延伸を行ない、ポリエチレン樹脂と無機充填剤との界面剥離を起こさせることにより製造することができる。延伸は、一段で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。延伸倍率は、延伸時のフィルムの破れ、得られるフィルムの通気性、フィルムのソフト感等に関係するので、倍率が高すぎても低すぎても好ましくない。かかる観点から、本発明における延伸倍率は1.2〜5倍、好ましくは1.5〜3倍である。2軸延伸する場合は、最初に機械方向、またはそれと直角をなす方向に1軸延伸し、次いで、該方向と直角をなす方向に2軸目の延伸を行う方法、及び、機械方向、およびそれと直角をなす方向に同時に2軸延伸する方法がある。いずれの方法も適用できる。
フィルムの坪量としては、延伸前の無孔フィルムにおいて、通常15〜200g/m2、好ましくは30〜100g/m2であり、延伸処理後の多孔フィルムにおいて、通常12〜40g/m2、好ましくは20〜35g/m2である。坪量はフィルムの厚みに相当する指標となるものであり、上記範囲の坪量であれば衛材用並びに建材用等の広範囲の用途に適合する。
最も好ましい延伸方法としては、第1工程において45〜60℃の温度で1.05〜2倍に延伸し、第2工程において80〜110℃の温度で2倍以上所望の最終倍率に延伸処理することが、透湿度の点で望ましい。また、延伸した後、必要に応じて得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行ってもよい。熱固定処理としては、樹脂の軟化点〜融点未満の温度において、0.1〜100秒間熱処理する方法が挙げられる。
また、本発明の多孔フィルムの透湿度は、好ましくは500〜20000g/m2・24hr、より好ましくは2000〜15000g/m2・24hr、さらに好ましく3000〜10000g/m2・24hrの範囲である。また、本発明の多孔フィルムの引裂強度は、好ましくは5kgf/cm以上、より好ましくは85kgf/cm以上である。また、本発明の多孔フィルムの引張弾性率は、好ましくは1000〜2000kgf/cm2、より好ましくは1200〜1800kgf/cm2の範囲である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、物性測定法は下記の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS−K7210に準拠して、190℃、21.18N荷重の条件で測定した。
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS−K7210に準拠して、190℃、21.18N荷重の条件で測定した。
(2)密度:
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートはビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃でJIS−K7112に準拠して測定した。
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートはビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃でJIS−K7112に準拠して測定した。
(3)一軸伸張粘度:
ペレット状のサンプルを温度180℃に設定した熱プレス成形機にて、幅6cm、長さ15cm、厚み3mmのヒケのないシート状に成形したものを、幅7.5mm、長さ7cmの角棒に打ち抜いて測定に供した。一軸伸張粘度は、伸張粘度測定装置(Rheometric社製、商品名「RME」)を用い、温度180℃、一定歪み速度1秒−1の条件で一軸伸張粘度の過渡応答曲線を作成して測定した。
ペレット状のサンプルを温度180℃に設定した熱プレス成形機にて、幅6cm、長さ15cm、厚み3mmのヒケのないシート状に成形したものを、幅7.5mm、長さ7cmの角棒に打ち抜いて測定に供した。一軸伸張粘度は、伸張粘度測定装置(Rheometric社製、商品名「RME」)を用い、温度180℃、一定歪み速度1秒−1の条件で一軸伸張粘度の過渡応答曲線を作成して測定した。
原料として使用した線状低密度ポリエチレン(LL)の物性・構造を表1に、分岐状低密度ポリエチレン(LD)の物性・製造方法を表2に示した。
フィルム成形の評価法
<多孔フィルムの品質>
キャストロール速度の上限が60m/分である幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイを備えた高速Tダイフィルム成形装置(プラコー社製)により、成形温度を240℃、所定のキャストロール速度で製膜後、70℃の延伸温度で縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造した。キャストロール速度は、(ドローダウンが生じる速度−5)m/分、又は、キャストロール速度の上限60m/分でもドローダウンが生じないものについては60m/分とした。得られたフィルムについて、該フィルム1m2中のピンホール、破れ、穴開き等の存在個所を目視で計測し、下記の基準で評価した。特に、延伸時の不具合程度を示す指標として有効である。
<多孔フィルムの品質>
キャストロール速度の上限が60m/分である幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイを備えた高速Tダイフィルム成形装置(プラコー社製)により、成形温度を240℃、所定のキャストロール速度で製膜後、70℃の延伸温度で縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造した。キャストロール速度は、(ドローダウンが生じる速度−5)m/分、又は、キャストロール速度の上限60m/分でもドローダウンが生じないものについては60m/分とした。得られたフィルムについて、該フィルム1m2中のピンホール、破れ、穴開き等の存在個所を目視で計測し、下記の基準で評価した。特に、延伸時の不具合程度を示す指標として有効である。
○:0箇所
△:1〜5箇所
×:6箇所以上
△:1〜5箇所
×:6箇所以上
<ドローダウン>
上記のフィルム成形装置により成形温度を240℃、延伸温度を70℃で、縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造するにあたり、キャストロール速度を徐々に増加させ、ドローダウンが発生する最低のキャストロール速度を計測した。Tダイより押し出された溶融樹脂膜が破断した時点をもって、ドローダウンが発生したと判定した。
上記のフィルム成形装置により成形温度を240℃、延伸温度を70℃で、縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造するにあたり、キャストロール速度を徐々に増加させ、ドローダウンが発生する最低のキャストロール速度を計測した。Tダイより押し出された溶融樹脂膜が破断した時点をもって、ドローダウンが発生したと判定した。
<ドローレゾナンス>
上記のフィルム成形装置により成形温度を240℃、延伸温度を70℃で、縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造するにあたり、キャストロール速度を徐々に増加させ、ドローレゾナンスが発生する最低のキャストロール速度を計測した。Tダイより押し出された直後の溶融樹脂膜の幅が経時的に変動し始めるキャストロール速度で評価した。
上記のフィルム成形装置により成形温度を240℃、延伸温度を70℃で、縦延伸倍率2.5倍の一軸延伸フィルム(坪量約20g/m2)を製造するにあたり、キャストロール速度を徐々に増加させ、ドローレゾナンスが発生する最低のキャストロール速度を計測した。Tダイより押し出された直後の溶融樹脂膜の幅が経時的に変動し始めるキャストロール速度で評価した。
なお、後記表3、表4中、ドローレゾナンスが「−」の実施例又は比較例は、ドローダウンが発生して溶融樹脂膜が破断するキャストロール速度でもドローレゾナンスは発生しないことを表している。
[実施例1]
LL−4 75重量%、LD−2 25重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、炭酸カルシウム(商品名SST−40、カルファイン社製)120重量部、酸化防止剤として化学名:オクタデシルジブチルヒドロキシハイドロシアナメイト(商品名:イルガノックス1076、チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.15重量部、分散剤としてひまし油(商品名:マル特A、伊藤製油社製)を3重量部、目やに防止剤として12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(商品名:MS−6、日東化成工業社製)を0.33重量部加え、ミキサーにて混合均質化した。次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物について、前記した方法でフィルム成形性の評価を行った。結果を表3に示した。なお、表3にはポリエチレン樹脂組成物のη0、η1、歪み硬化度(λ)を併記した。
LL−4 75重量%、LD−2 25重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、炭酸カルシウム(商品名SST−40、カルファイン社製)120重量部、酸化防止剤として化学名:オクタデシルジブチルヒドロキシハイドロシアナメイト(商品名:イルガノックス1076、チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.15重量部、分散剤としてひまし油(商品名:マル特A、伊藤製油社製)を3重量部、目やに防止剤として12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(商品名:MS−6、日東化成工業社製)を0.33重量部加え、ミキサーにて混合均質化した。次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物について、前記した方法でフィルム成形性の評価を行った。結果を表3に示した。なお、表3にはポリエチレン樹脂組成物のη0、η1、歪み硬化度(λ)を併記した。
[実施例2]〜[実施例7]
実施例1において、線状低密度ポリエチレン(LL)及び分岐状低密度ポリエチレン(LD)の種類及び配合量を表3に記載の通り変更した。以下実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性の評価を行った。結果を表3に示した。
実施例1において、線状低密度ポリエチレン(LL)及び分岐状低密度ポリエチレン(LD)の種類及び配合量を表3に記載の通り変更した。以下実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性の評価を行った。結果を表3に示した。
[比較例1]〜[比較例8]
実施例1において、線状低密度ポリエチレン(LL)及び分岐状低密度ポリエチレン(LD)の種類及び配合量を表4に記載の通り変更した。以下実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性の評価を行った。結果を表4に示した。
実施例1において、線状低密度ポリエチレン(LL)及び分岐状低密度ポリエチレン(LD)の種類及び配合量を表4に記載の通り変更した。以下実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性の評価を行った。結果を表4に示した。
η0 :一軸伸張粘度指数を表す。
η1 :変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。
η1 :変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。
Claims (5)
- 線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルム(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)。
- ポリエチレン樹脂組成物が、更に、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、脂肪族アルコール系脂肪酸エステル0.5〜10重量部及び脂肪酸金属塩0.01〜3.0重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の多孔フィルム。
- 線状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分、密度が0.86〜0.97g/cm3である請求項1又は2に記載の多孔フィルム。
- 分岐状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分、密度が0.915〜0.930g/cm3である請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔フィルム。
- 線状低密度ポリエチレン50〜90重量%と分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部に対して、無機充填剤30〜200重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物であって、メルトフローレート(MFR)が1.0〜5.0g/10分、一軸伸張粘度指数(η0)が60,000Pa・秒以下、歪み硬化度(λ)が1.6以上であるポリエチレン樹脂組成物を、(1)フィルム状に溶融押出す工程、(2)タッチロール方式により、40m/分以上のキャストロール速度で冷却する工程及び(3)少なくとも一軸方向に延伸する工程を経て製造することを特徴とする多孔フィルムの製造方法(ただし、λ=η1/η0であり、η1は変形時間5秒における一軸伸張粘度を表す。)。
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