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JP2007161912A - 接着方法とそれを用いて製作したバイオケミカルチップと光学部品 - Google Patents

接着方法とそれを用いて製作したバイオケミカルチップと光学部品 Download PDF

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JP2007161912A JP2005361258A JP2005361258A JP2007161912A JP 2007161912 A JP2007161912 A JP 2007161912A JP 2005361258 A JP2005361258 A JP 2005361258A JP 2005361258 A JP2005361258 A JP 2005361258A JP 2007161912 A JP2007161912 A JP 2007161912A
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Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Kagawa University NUC
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Kagawa University NUC
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Abstract

【課題】
1対の部材の少なくともどちらか一方にミクロンレベルの微細な穴や溝が加工されている場合、前記微細な穴や溝を損なうことなく、且つ隙間なく接着することは、困難であった。また、従来の接着剤を用いた方法では、接着剤等に厚みムラが生じるため、レンズ等の光学部材を光学特性の劣化なく接着することも困難であった。
【解決手段】
あらかじめ第1の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第1の部材を作製する工程と、前記第1の反応性官能基と反応する第2の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第2の部材を作製する工程と、前記第1及び第2の部材を接触させて第1及び第2の有機薄膜を介して接着する工程を含むことを特徴とする接着方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2つの部材の接着方法に関するものである。さらには、その方法を用いて作製したバイオケミカルチップや光学部品に関するものである。
詳しくは、表面に微細な流路や穴が加工された1対のバイオケミカルチップ基板を互いに向かい合わせ、前記流路や穴を損なうことなく接着したバイオケミカルチップおよびその製造方法に関するものである。なお、ここでいうバイオケミカルチップには、化学実験や、バイオ実験、医療診断等に用いるケミカルチップ、バイオチップ、バイオケミカル電気泳動チップ、バイオケミカルリアクター、バイオケミカル流体システム、DNAチップ等が含まれる。
また、表面の平坦性や接着面の光学特性が重要な1対の光学部材を互いに向かい合わせ、前記平坦性や光学特性を損なうことなく接着した光学部品およびその製造方法に関するものである。なお、ここいう光学部品には、レンズやプリズム、光ファイバー、光記録媒体等が含まれる。
1対の部材を互いに向かい合わせ、瞬間接着剤や光硬化接着剤を用いて接着する技術は一般によく知られている。
特開2005-221478号公報
しかしながら、1対の部材の少なくともどちらか一方にミクロンレベルの微細な穴や溝が加工されている場合、前記微細な穴や溝を損なうことなく、すなわち接着剤で埋めてしまうことなく、且つ隙間なく接着することは、至難の業であった。また、従来の接着剤を用いた方法では、接着面の接着剤等に厚みムラが生じるため、レンズ等の光学部材を光学特性の劣化なく接着することも非常に難しかった。
本発明は、1対の部材の少なくともどちらか一方にミクロンレベルの微細な穴や溝が加工されているバイオケミカルチップ基板を、前記微細な穴や溝を損なうことなく、すなわち接着剤で埋めてしまうことなく、且つ隙間なく接着できる接着方法、およびその方法を用いて製作された欠陥のないバイオケミカルチップを低コストで提供することを目的とする。また、接着面で光学特性が損なわれることがない接着方法、および接着面で光学特性が損なわれていない光学部品を低コストで提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として提供される第一の発明は、あらかじめ第1の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第1の部材を作製する工程と、前記第1の反応性官能基と反応する第2の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第2の部材を作製する工程と、前記第1及び第2の部材を接触させて第1及び第2の有機薄膜を介して接着する工程を含むる接着方法である。
第二の発明は、第一の発明に於いて、少なくとも第1の反応性官能基がエポキシ基で第2の反応性官能基がイミノ基であるか、第1の反応性官能基がイミノ基で第2の反応性官能基がエポキシ基である接着方法。
第三の発明は、第一および第二の発明に於いて、少なくとも第1または第2の反応性官能基がエポキシ基またはイミノ基であり、エポキシ基またはイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作製した化学吸着液に部材を接触させエポキシ基またはイミノ基を含むアルコキシシラン化合物と部材表面を反応させてエポキシ基またはイミノ基を反応性官能基として含む有機薄膜または化学吸着単分子膜を形成した第1及または第2の部材を作製する工程を含む接着方法である。
第四の発明は、第一発明に於いて、前記第1及び第2の部材を接触させて接着するとき、第1および第2の部材を同じ温度に加熱しておく接着方法である。
第五の発明は、少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜と第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜とを介して共有結合により接着されているバイオケミカルチップである。
第六の発明は、第五の発明に於いて少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がNを含み、第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がOを含むバイオケミカルチップである。
第七の発明は、第五の発明に於いて、少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜と第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がそれぞれ単分子膜であるバイオケミカルチップである。
第八の発明は、少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜と第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜とを介して共有結合により接着されている光学部品である。
第九の発明は、第八発明に於いて、少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜がNを含み、第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜がOを含む光学部品である。
第十の発明は、第八の発明に於いて、少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜と第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜がそれぞれ単分子膜である光学部品である。
以上説明したとおり、本発明によれば、1対の部材の少なくともどちらか一方にミクロンレベルの微細な穴や溝が加工されているバイオケミカルチップ基板を、前記微細な穴や溝を損なうことなく、すなわち接着剤で埋めてしまうことなく且つ隙間なく接着できて、欠陥のないバイオケミカルチップを高歩留まりで提供できる効果がある。また、接着面で光学特性を損なうことなく接着できて、高性能な光学部品を高歩留まりで提供できる効果がある。
本発明は、あらかじめ第1の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第1の部材を作製する工程と、前記第1の反応性官能基と反応する第2の反応性官能基を有する単分子膜状の有機薄膜を形成した第2の部材を作製する工程と、前記第1及び第2の部材を接触させて前記二つの単分子膜を介して接着する工程とによりバイオケミカルチップや光学部材を製造提供するものである。
したがって、本発明の方法を用いれば、1対の部材の少なくともどちらか一方にミクロンレベルの微細な穴や溝が加工されているバイオケミカルチップ基板を、前記微細な穴や溝を損なうことなく、すなわち接着剤で埋めてしまうことなく且つ隙間なく接着できて、欠陥のないバイオケミカルチップを高歩留まりで提供できる作用がある。また、接着面で光学特性が損なわれることがない均一厚みの接着が可能となり、高性能な光学部品を高歩留まりで提供できる作用がある。
以下、本願発明の詳細を実施例を用いて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら制限されるものではない。例えば、金属材料でも、適用可能である。
本発明に関するバイオケミカルチップには、化学実験や、バイオ実験、医療診断等に用いるケミカルチップ、バイオケミカル電気泳動チップ、バイオケミカルリアクター、バイオケミカル流体システム、DNAチップ等が含まれる。また、ここでいう光学部品には、レンズやプリズム、光ファイバー、光記録媒体等が含まれが、代表例として以下ケミカルチップとレンズを取り上げて説明する。
第一の実施例について図1、2、3に従って、順次説明する。まず、ケミカルチップに用いる1対の加工したガラス製バイオケミカルチップ基板1(アクリル樹脂等のプラスチック製基板でも良いが、プラスチックの場合には、あらかじめコロナ処理、エキシマ光処理、あるいはプラズマ処理等で表面を薄く酸化して親水性に加工しておくと、ガラス同様に扱えた。)を用意し、よく洗浄して乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、一端にエポキシ基を含み他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、下記式(化1)に示す薬剤が99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に合計1重量%程度の濃度(好ましくい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
Figure 2007161912
この吸着液を前記ガラス製基板1表面に塗布し、普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。このとき、前記ガラス製基板1の表面には水酸基2が多数含まれている(図1(a))ので、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基2がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記式(化2)に示したような結合を形成し、ガラス製基板表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜3が約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。
その後、クロロホルム等の塩素系溶媒で洗浄すると、表面に反応性のエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われた第1のガラス製バイオケミカルチップ基板を製造できた(図1(b))。
Figure 2007161912
なお、これらの処理方法により形成された単分子膜は、ナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、ガラスの厚みや、あらかじめ加工してあった流路や穴を損なうことはなかった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、溶媒が蒸発しガラス製基板表面に残った化学吸着剤がガラス製基板表面で空気中の水分と反応して、粒子表面に前記化学吸着剤よりなる極薄の有機薄膜(この場合はポリマー膜)が形成された。
この被膜でも、膜厚は多少厚くなったが、接着時の反応性はほとんど変わらなかった。
同様に、加工の終了したガラス製バイオケミカルチップ基板5を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位にエポキシ基と反応するイミノ基(−NH)を含み他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、末端にアミノ基を含む下記式((化3)に示す薬剤が99重量%、シラノール縮合触媒の代わりに有機酸である酢酸が1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサンとジメチルホルムアミド(50:50)混合溶媒に合計1重量%程度の濃度(好ましくい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
Figure 2007161912
この吸着液に前記ガラス製基板5を漬浸して普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。このとき、ガラス製基板5の表面には水酸基6が多数含まれているの(図2(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基が酢酸の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記式(化4)に示したような結合を形成し、ガラス表面全面に亘り表面と化学結合したアミノ基を含む化学吸着単分子膜7が約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。
その後、クロロホルムかn−メチルピロリディノンで洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われた第2のガラス製バイオケミカルチップ基板を形成できた(図2(b))。なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒は沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等が利用できた。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
Figure 2007161912
なお、この処理により形成された単分子膜7も、ナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、ガラスの厚みや、あらかじめ加工してあった流路や穴を損なうことはなかった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、溶媒が蒸発しガラス製基板表面に残った化学吸着剤がガラス製基板表面で空気中の水分と反応して、粒子表面に前記化学吸着剤よりなる極薄の有機薄膜(この場合はポリマー膜)が形成された。
この被膜でも、膜厚は多少厚くなったが、接着時の反応性はほとんど変わらなかった。
次に、前記エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われた第1のガラス製バイオケミカルチップ基板と表面に前記アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われた第2のガラス製バイオケミカルチップ基板を向かい合わせ接触させ両外側より100℃程度で30分程度加熱すると、下記式(化5)に示したような反応でエポキシ基とアミノ基が付加反応して二つのガラス製バイオケミカルチップ基板が2つの単分子膜を介して結合接着したバイオケミカルチップが得られた(図3)。図中、10は、エポキシ基とアミノ基の反応により生成された結合を表す。
Figure 2007161912
実施例1において、ガラス製バイオケミカルチップ基板の代わりに光学レンズを用いた他は同様の接着を試みた。
このとき、できた接着層の被膜の厚さは、トータルで1nm程度であったため、接着面で透明性が損なわれることは全くなかった。また接着厚さが可視光の波長に比べて極めて薄いため、接着界面での光のロスは全くなかった。
なお、上記実施例1および2では、反応性基を含む化学吸着剤として(化1)と(化3)に示した物質を用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(16)に示した物質が利用できた。また、接着面の平坦性が悪い場合には、(7)や(13)の様な分子長が長い物質を用いると、隙間ムラに対する接着余裕度を向上できる。
(1) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(2) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(3) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(6) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(7) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(8) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(9) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(11) H2N (CH2)Si(OCH)3
(12) H2N (CH2)Si(OCH)3
(13) H2N (CH2)Si(OCH)3
(14) H2N (CH2)Si(OC)3
(15) H2N (CH2)Si(OC)3
(16) H2N (CH2)Si(OC)3
ここで、(CHOCH)−基は、下記化学式(化6)で表される官能基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、下記化学式(化7)で表される官能基を表す。
Figure 2007161912
Figure 2007161912
また、実施例1と2に置いて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能であった。
また、膜形成溶液の溶媒としては、水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよい。
具体的に使用可能な溶媒は、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合物が使用できた。
さらにまた、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早くでき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
例えば、シラノール触媒であるジブチル錫オキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3とシラノール触媒であるジブチル錫ビスアセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を20分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
なお、ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
なお、実施例1においては、ガラス製バイオケミカルチップ、実施例2においては、光学レンズの例をしめしたが、本発明は、通常の部材の接着に於いても使用できることは言うまでもない。
本発明の実施例1において、一対のガラス製バイオケミカルチップ基板を貼り合わせる工程を説明するために分子レベルまで拡大した断面概念図であり、(a)は反応前の第1のガラス製基板表面、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後を示す。 本発明の実施例1において、一対のガラス製バイオケミカルチップ基板を貼り合わせる工程を説明するために分子レベルまで拡大した断面概念図であり、(a)は反応前の第2のガラス製基板表面、(b)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後を示す。 本発明の実施例1において、一対のガラス製バイオケミカルチップ基板を貼り合わせる工程を説明するために分子レベルまで拡大した断面概念図であり、第1及び第2のガラス製基板が接着された断面状態を示す。
符号の説明
1 第1のガラス製バイオケミカルチップ基板
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
エポキシ基を含む化学吸着単分子膜で被われたガラス製バイオケミカルチップ基板
5 第1のガラス製バイオケミカルチップ基板
6 水酸基
7 アミノ基を含む化学吸着単分子膜
アミノ基を含む化学吸着単分子膜で被われたガラス製バイオケミカルチップ基板
ガラス製バイオケミカルチップ
10 エポキシ基とアミノ基の反応により生成された結合

Claims (10)

  1. あらかじめ第1の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第1の部材を作製する工程と、前記第1の反応性官能基と反応する第2の反応性官能基を有する有機薄膜を形成した第2の部材を作製する工程と、前記第1及び第2の部材を接触させて第1及び第2の有機薄膜を介して接着する工程を含むことを特徴とする接着方法。
  2. 少なくとも第1の反応性官能基がエポキシ基で第2の反応性官能基がイミノ基であるか、第1の反応性官能基がイミノ基で第2の反応性官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の接着方法。
  3. 少なくとも第1または第2の反応性官能基がエポキシ基またはイミノ基であり、エポキシ基またはイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作製した化学吸着液に部材を接触させエポキシ基またはイミノ基を含むアルコキシシラン化合物と部材表面を反応させてエポキシ基またはイミノ基を反応性官能基として含む有機薄膜または化学吸着単分子膜を形成した第1及または第2の部材を作製する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の接着方法。
  4. 前記第1及び第2の部材を接触させて接着するとき、第1および第2の部材を同じ温度に加熱しておくことを特徴とする請求項1に記載の接着方法。
  5. 少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜と第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜とを介して共有結合により接着されていることを特徴とするバイオケミカルチップ。
  6. 少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がNを含み、第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がOを含むことを特徴とする請求項5記載のバイオケミカルチップ。
  7. 少なくとも第1のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜と第2のバイオケミカルチップ基板表面に共有結合している有機膜がそれぞれ単分子膜であることを特徴とする請求項5記載のバイオケミカルチップ。
  8. 少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜と第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜とを介して共有結合により接着されていることを特徴とする光学部品。
  9. 少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜がNを含み、第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜がOを含むことを特徴とする請求項8記載の光学部品。
  10. 少なくとも第1の光学部材の表面に共有結合している有機膜と第2の光学部材の表面に共有結合している有機膜がそれぞれ単分子膜であることを特徴とする請求項8記載の光学部品。
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