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JP2007158750A - 電圧制御発振回路およびそれを用いた半導体集積回路 - Google Patents

電圧制御発振回路およびそれを用いた半導体集積回路 Download PDF

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JP2007158750A JP2005351522A JP2005351522A JP2007158750A JP 2007158750 A JP2007158750 A JP 2007158750A JP 2005351522 A JP2005351522 A JP 2005351522A JP 2005351522 A JP2005351522 A JP 2005351522A JP 2007158750 A JP2007158750 A JP 2007158750A
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Hirokazu Miyagawa
裕和 宮川
Tomomitsu Kitamura
智満 北村
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  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

【課題】標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、LCタンク回路のチューナブル容量(バラクタ)として高耐圧デバイスを不要とし、かつノイズ特性の良好な電圧制御発振回路と半導体集積回路を提供すること。
【解決手段】電圧制御発振回路VCOは、発振トランジスタ1_1、1_2を含む。VCOの発振周波数制御回路2は、発振制御電圧VTUNEが印加される複数の単位制御回路2_1、2_2…2_Nを含む。ひとつの単位制御回路は、電界効果トランジスタMN1と第1と第2の容量C1、C2とを含む。複数の単位制御回路の複数の電界効果トランジスタMN1は、発振制御電圧VTUNEの異なるレベルでターンオンする。発振周波数変化ゲインKvは適切な値となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧制御発振回路(VCO;Voltage Controlled Oscillator)およびそれを用いた半導体集積回路に関し、特に、ノイズ特性の良好なRF信号処理を可能とするのに有益な技術に関する。
無線通信の進歩により、携帯電話通信端末のような無線製品を低コスト、低消費電力、コンパクトサイズとする需要が増大している。安価なシリコンCMOS製造技術を活用して、ローノイズアンプ、ミキサー、電圧制御発振回路(VCO)等のRF部品のCMOS技術によるインプリメンテーションに関心が集まっている。電圧制御発振回路は、RF通信応用のための周波数シンセサイザでのキーとなる部品となっている。
電圧制御発振回路としては、発振用LCタンク回路の寄生抵抗を打ち消すための負性抵抗を交差接続トランジスタ対で生成することが一般的となっている。また発振用LCタンク回路のタンク容量Cは固定容量とチューナブル容量(バラクタ)との組合せとなっている。制御電圧によりチューナブル容量(バラクタ)の容量値が変化して、電圧制御発振回路の発振周波数を希望する周波数にチューニングすることが可能となる。シリコンCMOS技術によりチューナブル容量(バラクタ)を実現するには、色々な方法がある。ひとつ目としては、標準的なpn接合バラクタである。ふたつ目としては、MOSゲート容量によるMOSバラクタである。これらは下記の非特許文献1に記載されている。
電圧制御発振回路ための発振用LCタンク回路のタンクのインダクター(L)は、無線周波数(RF)の半導体集積回路(IC)上に集積回路製造の配線プロセスによりオンチップのインダクターとして形成することができる。例えば、下記の非特許文献2には、銅の配線によってインダクタータンクの直列損失を低減でき、高いQファクター(性能指数)を得ることができることが記載されている。
一方、下記の特許文献1には、モノリシックICに集積できる可変容量ダイオードの容量値の変化率が±20%と非常に狭いという技術課題を解決するため、タンク共振回路に可変インピーダンス回路を接続することを記載している。この可変インピーダンス回路は、負性抵抗回路の交差接続トランジスタ対の出力間にふたつのキャパシタとこのふたつのキャパシタとの間にソース・ドレイン経路が挿入されたMOSトランジスタとからなる直列接続回路を接続している。MOSトランジスタのゲート制御電圧によりMOSトランジスタがオフの時には、直列接続回路のふたつのキャパシタは機能しないので、発振周波数f1は高い周波数となる。MOSトランジスタがオンの時には、直列接続回路のふたつのキャパシタは機能するので、発振周波数f2は低い周波数となる。従って、MOSトランジスタのゲート制御電圧をオフとオンとの間で変化させると、発振周波数f1と発振周波数f2との間の発振周波数を得ることができる。
特開2002−158539号公報 Ryan Lee Bunch et al,"Large−Signal Analysis MOSVaractors in CMOS−Gm LC VCOs",IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL. 38, NO.8, August 2003. PP.1325〜1332, Dimitri Linten et al, " Low−Power Voltage−Controlled Oscillators in 90−nm CMOS Using High−Quality Thin−Film Postprocessed Inductors",IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL. 40, NO.9,SEPTEMBER 2005,PP.1922〜1931,
本発明に先立って、本発明者等は前記の背景技術に関して、下記のような検討を行った。
前記非特許文献1で提案されている標準的なpn接合バラクタによる可変容量ダイオードの容量値の変化率を大きくするには、pn接合を超階段接合とする必要がある。標準的なCMOS製造プロセスでは、これが困難であることが判明した。
前記非特許文献1で提案されているMOSゲート容量によるMOSバラクタは、電圧制御発振回路の発振電圧振幅が大きくなるとMOSゲート絶縁膜などが破壊する。従って、MOSバラクタを高耐圧デバイスとする必要があり、CMOS LSIの製造コストが増大するということが判明した。例えば、電圧制御発振回路の発振用LCタンク回路のインダクターLの両端に6ボルトのピーク・ツー・ピークの正弦波の交流電圧振幅が誘起されると、正弦波の半波の3ボルトの電圧振幅が1個のMOSバラクタに印加される。従って、CMOS LSIの製造のマージンを考慮すると、MOSバラクタとして5ボルトの耐圧を確保する必要がある。さらに、良く知られているように、MOSバラクタの容量値はゲート電圧によって変化する。ゲート電圧によりMOSバラクタのMOS構造のシリコン表面のエネルギーハンドがフラットバンドの状態では、ゲート容量はゲート絶縁膜厚TOXで決定される容量値COX(=εOX/TOX)となる。ゲート電圧の極性によって、ゲート絶縁膜直下にゲート電圧に比例した数の多数キャリアが蓄積されるとこの蓄積電荷によってゲート容量はフラットバンド状態の容量値COXよりも増大する。しかし、ゲート電圧の増大によって、蓄積電荷も増大するが、蓄積電荷は上限に達する。従って、ゲート容量も最大値に達する。ゲート電圧が反対の極性となると、ゲート絶縁膜直下に少数キャリアが蓄積される。しかし、少数キャリアの蓄積にはかなりの応答遅延が必要なので、RF信号を扱う電圧制御発振回路のMOSバラクタにおいては、少数キャリア蓄積の反対極性のゲート電圧は使用されない。このように、電圧制御発振回路のチューナブル容量(バラクタ)としてMOSバラクタを使用すると、電圧制御発振回路の発振電圧振幅に依存してMOSバラクタの容量値する。その結果、周波数制御用チューニング電圧VTUNEに対する発振周波数の変化ゲイン(Kv)が大きく変化して、PLL回路の閉ループ特性の悪化が懸念される。
一方、前記特許文献1に記載されたゲート制御電圧で制御されるMOSトランジスタを含む可変インピーダンス回路を有する電圧制御発振回路では、下記のような理由によって、周波数制御用チューニング電圧VTUNEに対するノイズ特性が十分ではないという問題が明らかとされた。これは、周波数制御用チューニング電圧VTUNEが低レベルから高レベルに変化する際に、MOSトランジスタのゲート・スレッシュホールド電圧Vthの近傍でMOSトランジスタがオフから急激にオンとなることに起因する。従って、オフからの急激なオンにより、発振周波数も高い発振周波数f1から低い発振周波数f2に急激に変化する。従って、周波数制御用チューニング電圧VTUNEに対する発振周波数の変化ゲイン(Kv)が非常に高いことになる。従って、制御用チューニング電圧VTUNEに含まれるノイズにより、電圧制御発振回路の発振周波数が急激に変化することとなる。例えば、RF通信等のための周波数シンセサイザをこのノイズ特性の十分でない電圧制御発信回路を含むPLL(Phase Locked Loop)回路で構成したとする。すると、PLL回路から生成されRF IC内部の送受信回路で使用されるRF搬送波信号のノイズも増大してしまう。従って、RF ICの送受信でのノイズ特性も、劣化するこことなる。
従って、本発明は、上記のような本発明者らによる背景技術に関する検討結果を基にしてなされたものである。従って、本発明の目的とするところは、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、LCタンク回路のチューナブル容量(バラクタ)として高耐圧デバイスを不要とし、かつノイズ特性の良好な電圧制御発振回路を提供することにある。
また、本発明のその他の目的は、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、高耐圧デバイスを不要とし、かつノイズ特性の良好なRF信号処理を可能とする半導体集積回路を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴とは、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
すなわち、本発明のひとつの形態による電圧制御型発振回路(VCO)は、発振用トランジスタ(1_1;1_2)と、前記電圧制御型発振回路(VCO)に印加される発振制御電圧(VTune)に応答して前記電圧制御型発振回路(VCO)の発振周波数を制御する発振周波数制御回路(2)とを含む。前記発振周波数制御回路(2)は、前記発振用トランジスタ(1_1;1_2)と接続されている。前記発振周波数制御回路(2)は、前記発振制御電圧(VTUNE)が印加される複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)を含む。前記単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧(VTune)に応答する電界効果トランジスタ(MN1)と、前記電界効果トランジスタ(MN1)のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量(C1)と第2の容量(C2)とを含む。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは前記電界効果トランジスタ(MN1)が前記発振制御電圧(VTUNE)に応答してオン状態となることにより、前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)とを前記発振周波数の決定に関与させる。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは前記電界効果トランジスタ(MN1)が前記発振制御電圧(VTUNE)に応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止する。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)の複数の電界効果トランジスタ(MN1)のそれぞれは、前記発振制御電圧(VTUNE)の異なるレベルでターンオンするように設定されている(図1参照)。
本発明のひとつの形態の手段によれば、前記発振制御電圧(VTune)に対して前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)の複数の電界効果トランジスタ(MN1)がオンとなる前記発振制御電圧(VTUNE)のレベルが互いに異なっている。従って、発振制御電圧VTUNEに対する発振周波数の変化ゲイン(Kv)が高すぎとなることがなく、適切なレベルの変化ゲイン(Kv)とすることができ、ノイズ特性を改善できる。また、電圧制御発振回路の出力から高電圧振幅を持つピーク・ツー・ピークの正弦波交流電圧振幅が誘起されても、前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれでは前記第1の容量(C1)と前記電界効果トランジスタ(MN1)のドレイン・ソース経路と前記第2の容量(C2)とが直列接続されている。従って、この3個の回路素子のそれぞれに高電圧振幅を分圧した電圧が印加されるので、高耐圧デバイスの使用を不要にでき、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能とすることができる(図1参照)。
本発明の具体的な形態は、前記発振用トランジスタ(1_1;1_2)に接続された発振用インダクタ(L)をさらに含む(図1参照)。
本発明の具体的な形態は、前記発振用トランジスタ(1_1;1_2)は入力と出力とが交差接続された交差接続トランジスタ対(QN1、QN2;QP1、QP2)を含む(図1参照)。
本発明の具体的な形態は、バンド選択信号(VBSL)に応答して複数の発振周波数バンドから選択されたひとつの発振周波数バンド中に前記発振周波数の周波数を粗調整するバンド選択回路(4)をさらに含む(図1参照)。
本発明のより具体的な形態は、前記バンド選択回路(4)は複数の単位選択回路を含む。前記単位選択回路のそれぞれは、ゲートが前記バンド選択信号(VBSL)に応答する他の電界効果トランジスタ(MN2)と、前記他の電界効果トランジスタ(MN2)のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第3(C3)の容量と第4の容量(C4)とを含む。前記他の電界効果トランジスタ(MN2)のゲートとドレイン・ソースとは前記バンド選択信号(VBSL)に応答して互いに逆位相で駆動される(図1参照)。
本発明のより具体的な形態は、前記電圧制御型発振回路(VCO)の動作電流として所定の電流を供給する電流源(5)が前記電圧制御型発振回路(VCO)に接続されている(図1参照)。
本発明のより具体的な形態は、前記電圧制御型発振回路(VCO)の動作電圧として所定の電圧を供給する電圧源(6)が前記電圧制御型発振回路(VCO)に接続されている(図1参照)。
本発明のより具体的な形態では、前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれでは前記電界効果トランジスタ(MN1)の前記ドレインと前記ソースとに印加される基準電位(VREF1、VREF2、VREF3…VREFN)のレベルが異なっている(図1参照)。
本発明のより具体的な形態では、前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれでは前記発振制御電圧(VTune)に応答して駆動される前記電界効果トランジスタ(MN1)のゲートの駆動電圧(VTune、VTune−VREF2、VTune−VREF2−VREF3…、VTune−VREF2−VREF3…VREFN)のレベルが異なっている(図4参照)。
本発明の他の具体的な形態では、前記発振用トランジスタ(1_1)は半導体集積回路外部で水晶振動子が接続されるように適合化され、前記電圧制御型発振回路(VCO)を水晶発振回路型で動作可能に構成されている(図3参照)。
本発明の他の形態による半導体集積回路は、アンテナ(100)により受信されるRF受信信号を増幅するローノイズアンプ(3011)と、前記ローノイズアンプ(3011)の出力とRFキャリア受信信号とから受信信号を生成する受信ミキサー(3012)と、ベースバンド送信信号と中間周波送信キャリア信号とから中間周波送信信号を生成する送信ミキサー(3021)と、前記送信ミキサー(3021)からの前記中間周波送信信号が供給される位相比較器(PC)と、前記位相比較器(PC)の出力に応答するローパスフィルター(LF)と、前記ローパスフィルター(LF)の出力に応答して送信用RF電力増幅器(RF_PA)に供給されるRF送信信号を発振する送信用発振器(TXVCO)と、前記送信用発振器(TXVCO)のRF出力周波数が供給されることによって前記位相比較器(PC)へ供給する中間周波送信位相帰還信号を生成する周波数ダウンミキサー(DWN_MIX_PM)とを含む位相変調用ループ回路(3022)と、前記受信ミキサー(3012)に供給する前記RFキャリア受信信号と前記送信ミキサー(3021)に供給する前記中間周波送信キャリア信号の生成のベースとなるRF信号を生成するRF発振器(RFVCO)と、半導体チップ外部の水晶振動子(501)に基づいて前記RF発振器(RFVCO)へ供給される基準クロック信号を生成するシステム基準クロック発振器(DCXO)とを半導体チップ上に具備してなり、前記システム基準クロック発振器(DCXO)と前記RF発振器(RFVCO)と前記送信用発振器(TXVCO)との少なくともひとつの発振器は、発振用トランジスタ(1_1;1_2)と、前記電圧制御型発振回路(VCO)に印加される発振制御電圧(VTune)に応答して前記電圧制御型発振回路(VCO)の発振周波数を制御する発振周波数制御回路(2)とを含む。前記発振周波数制御回路(2)は、前記発振用トランジスタ(1_1;1_2)と接続されている。前記発振周波数制御回路(2)は、前記発振制御電圧(VTUNE)が印加される複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)を含む。前記単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧(VTune)に応答する電界効果トランジスタ(MN1)と、前記電界効果トランジスタ(MN1)のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量(C1)と第2の容量(C2)とを含む。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは前記電界効果トランジスタ(MN1)が前記発振制御電圧(VTUNE)に応答してオン状態となることにより、前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)とを前記発振周波数の決定に関与させる。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)のそれぞれは前記電界効果トランジスタ(MN1)が前記発振制御電圧(VTUNE)に応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止する。前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)の複数の電界効果トランジスタ(MN1)のそれぞれは、前記発振制御電圧(VTUNE)の異なるレベルでターンオンするように設定されている(図5参照)。
本発明の他の形態の手段によれば、前記発振制御電圧(VTune)に対して前記発振周波数制御回路(2)の前記複数の単位制御回路(2_1、2_2、2_3…2_N)の複数の電界効果トランジスタ(MN1)がオンとなる前記発振制御電圧(VTUNE)のレベルが互いに異なっている。従って、発振制御電圧(VTUNE)に対する発振周波数の変化ゲイン(Kv)が高すぎとなることがなく、適切なレベルの変化ゲイン(Kv)にでき、ノイズ特性の良好なRF信号処理を可能とする半導体集積回路を提供することができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
すなわち、本発明によれば、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、LCタンク回路のチューナブル容量(バラクタ)として高耐圧デバイスを不要とし、かつノイズ特性の良好な電圧制御発振回路を提供することができる。
また、本発明によれば、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、高耐圧デバイスを不要とし、かつノイズ特性の良好なRF信号処理を可能とする半導体集積回路を提供することができる。
≪電圧制御型発振回路(VCO)の回路構成≫
図1は、第1の本発明の一つの実施形態による電圧制御型発振回路VCOの回路構成を示す図である。
図1に示した電圧制御型発振回路VCOの全ての回路素子は、ひとつのシリコン半導体チップ上に生成されている。この電圧制御型発振回路VCOは、発振用トランジスタ1_1;1_2と、前記電圧制御型発振回路VCOに印加される発振制御電圧VTuneに応答して前記電圧制御型発振回路VCOの発振周波数を制御する発振周波数制御回路2とを含む。前記発振周波数制御回路2は、前記発振用トランジスタ1_1;1_2と接続されている。前記発振周波数制御回路2は、前記発振制御電圧VTUNEが印加される複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nを含む。前記単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧VTuneに応答する電界効果トランジスタMN1と、前記電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量C1と第2の容量C2とを含む。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは前記電界効果トランジスタMN1が前記発振制御電圧VTUNEに応答してオン状態となることにより、前記第1の容量C1と前記第2の容量C2とを前記発振周波数の決定に関与させる。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは前記電界効果トランジスタMN1が前記発振制御電圧VTUNEに応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量C1と前記第2の容量C2との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止する。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの複数の電界効果トランジスタMN1のそれぞれは、前記発振制御電圧VTUNEの異なるレベルでターンオンするように設定されている。
図1に示した実施形態では、前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれでは前記電界効果トランジスタMN1の前記ドレインと前記ソースとに印加される基準電位のレベルがVREF1、VREF2、VREF3…VREFNと異なっている。図1に示した形態は、前記発振用トランジスタ1_1;1_2に接続された発振用インダクタ3(L)をさらに含む。図1に示した形態では、前記発振用トランジスタ1_1;1_2は入力と出力とが交差接続された交差接続トランジスタ対QN1、QN2;QP1、QP2を含む。交差接続トランジスタ対QN1、QN2はNチャンネルMOSFETであり、交差接続トランジスタ対PチャンネルMOSFETである。これらの交差接続の発振用トランジスタ1_1;1_2は発振用LCタンク回路の寄生抵抗を打ち消すための負性抵抗を生成する。
図1に示した実施形態は、バンド選択信号VBSLに応答して例えば256個の複数の発振周波数バンドから選択されたひとつの発振周波数バンド中に前記発振周波数の周波数を粗調整するバンド選択回路4をさらに含む。図1に示した形態では、前記バンド選択回路4は複数の単位選択回路を含む。前記単位選択回路のそれぞれは、ゲートが前記バンド選択信号VBSLに応答する他の電界効果トランジスタMN2と、前記他の電界効果トランジスタMN2のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第3の容量C3と第4の容量C4とを含む。前記他の電界効果トランジスタMN2のゲートとドレイン・ソースとは前記バンド選択信号VBSLに応答して互いに逆位相で駆動される。図1に示したより具体的な形態は、前記電圧制御型発振回路VCOの動作電流として所定の電流を供給する電流源5が前記電圧制御型発振回路VCOに接続されている。図1に示したより具体的な形態は、前記電圧制御型発振回路VCOの動作電圧として所定の電圧を供給する電圧源6が前記電圧制御型発振回路VCOに接続されている。
≪電圧制御型発振回路(VCO)の回路動作≫
図1に示した電圧制御型発振回路VCOは、下記のように動作する。
まず、バンド選択回路4の例えば256個の複数の単位選択回路では他の電界効果トランジスタMN2のドレイン・ソースに接続された容量C3、C4の値の重み付けがなされている。従って、バンド選択回路4の例えば256個の複数の単位選択回路から、ひとつの単位選択回路にのみローレベルのバンド選択信号VBSLが印加される。すると、この選択されたひとつの単位選択回路のインバータのハイレベル出力によって他の電界効果トランジスタMN2はオン状態となる。ただし、他の電界効果トランジスタMN2のソースとドイレンとには抵抗を介して同一のローレベルのバンド選択信号VBSLが印加されている。従って、他の電界効果トランジスタMN2のドレイン・ソース経路にはDC電流は流れない。他の電界効果トランジスタMN2がオン状態となると、容量C3、C4を介して供給されるAC信号に対するMN2のドレイン・ソース間インピーダンスが大幅に低下すると言うAC動作となることに注目されたい。従って、タンク回路3のコイルLの値と、この選択されたひとつの単位選択回路の重み付けがなされている容量C3、C4の値とに従って、例えば256個の複数の発振周波数バンドから選択されたひとつの発振周波数バンドに粗調整される。このバンドの粗調整の後に、希望する発振周波数への正確なチューニングが行われる。この正確なチューニングのために、前記発振周波数制御回路2は、前記発振用トランジスタ1_1;1_2と接続されている。前記発振周波数制御回路2は、前記発振制御電圧VTUNEが印加される複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nを含んでいる。前記単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧VTuneに応答する電界効果トランジスタMN1と、前記電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量C1と第2の容量C2とを含む。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは前記電界効果トランジスタMN1が前記発振制御電圧VTUNEに応答してオン状態となることにより、前記第1の容量C1と前記第2の容量C2とを前記発振周波数の決定に関与させる。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれは前記電界効果トランジスタMN1が前記発振制御電圧VTUNEに応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量C1と前記第2の容量C2との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止する。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの複数の電界効果トランジスタMN1のそれぞれは、前記発振制御電圧VTUNEの異なるレベルでターンオンするように設定されている。尚、複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれにおいても、電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソース経路にはDC電流は流れないことと、電界効果トランジスタMN1がオン状態となると、容量C1、C2を介して供給されるAC信号に対するMN2のドレイン・ソース間インピーダンスが大幅に低下すると言うAC動作となることに注目されたい。前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれでは前記電界効果トランジスタMN1の前記ドレインと前記ソースとに印加される基準電位のレベルがVREF1、VREF2、VREF3…VREFNと異なっている。具体的な一例として、VREF1は0.4ボルト、VREF2は0.2ボルト、VREF3は0.2ボルト、VREF4は0.2ボルト、VREFN=VREF4は0.2ボルトとなっている。
図2は、図1に示した電圧制御発振回路VCOの前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの前記発振制御電圧VTUNEへの応答動作を説明するための図である。尚、この図2では、特に制限されるわけではないが、DCS1800MHz(正確には1710〜1785MHzの周波数帯域で使用されるDCS帯域)の中のひとつの周波数バンドにおけるチューニング動作である。尚、DCSは、Digital Communication Systemの略である。また、前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの複数の電界効果トランジスタMN1のゲート・スレッシュホールド電圧Vthは約0.4ボルトとなっている。一つ目の単位制御回路2_1での電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソースには、それぞれ抵抗を介して0.4ボルトの基準電圧VREF1が印加されている。従って、発振制御電圧VTUNEが0.8ボルト未満では、一つ目の単位制御回路2_1での電界効果トランジスタMN1からN個(5個)目の単位制御回路2_N、2_5での電界効果トランジスタMN1の全てがオフ状態となっている。従って、一つ目の単位制御回路2_1からN個(5個)目の単位制御回路2_N、2_5までのすべてで前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)とは前記発振周波数の決定に関与していない。一方、発振制御電圧VTUNEが0.8ボルトを超えると、一番低い基準電圧VREF1が供給されている一つ目の単位制御回路2_1での電界効果トランジスタMN1が、オフ状態からオン状態に移行し始める。すると、一つ目の単位制御回路2_1での前記第1の容量(C1)と前記第2の容量(C2)とは前記発振周波数の決定に関与し始める。この関与の程度は、電界効果トランジスタMN1の導通度に比例する。従って、発振制御電圧VTUNEによって電界効果トランジスタMN1の導通度が増加すると発振周波数は低下し始める。これは良く知られているように、電圧制御発振回路の発振周波数f0が、f0=1/2π(LC)1/2で与えられるからであるからである。尚、LとCとはそれぞれタンク回路のインダクタンスと容量とである。さらに発振制御電圧VTUNEが1.0ボルトを超えると、基準電圧VREF1+VREF2=0.6ボルトが印加されている二つ目の単位制御回路2_2での電界効果トランジスタMN1が、オフ状態からオン状態に移行し始める。すると、二つ目の単位制御回路2_2でも電界効果トランジスタMN1の導通度の増加によって発振周波数が低下し始める。さらに発振制御電圧VTUNEが1.2ボルトを超えると、基準電圧VREF1+VREF2+VREF3=0.8ボルトが印加されている三つ目の単位制御回路2_3での電界効果トランジスタMN1が、オフ状態からオン状態に移行し始める。すると、三つ目の単位制御回路2_3でも電界効果トランジスタMN1の導通度の増加によって発振周波数が低下し始める。さらに発振制御電圧VTUNEが1.4ボルトを超えると、基準電圧VREF1+VREF2+VREF3+VREF4=1.0ボルトが印加されている四つ目の単位制御回路2_4での電界効果トランジスタMN1が、オフ状態からオン状態に移行し始める。すると、四つ目の単位制御回路2_4でも電界効果トランジスタMN1の導通度の増加によって発振周波数が低下し始める。最後に発振制御電圧VTUNEが1.6ボルトを超えると、基準電圧VREF1+VREF2+VREF3+VREF4+VREF5=1.2ボルトが印加されている五つ目の単位制御回路2_5(2_N)での電界効果トランジスタMN1が、オフ状態からオン状態に移行し始める。すると、五つ目の単位制御回路2_5(2_N)でも電界効果トランジスタMN1の導通度の増加によって発振周波数が低下し始める。これらの5個(N個)の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nが並列に接続されているので、並列の総合特性は図2の太い実線_Toatlに示すようになる。この並列の総合特性によって発振制御電圧VTUNEが0.8ボルトから2.6ボルトまで変化することによって、発振周波数は1776MHzから1747MHzまで徐々に変化することが理解できる。かくして発振制御電圧VTUNEに対する発振周波数の変化ゲイン(Kv)を適切なレベルとすることができ、ノイズ特性を改善できる。
≪その他の実施形態の電圧制御型発振回路≫
尚、基準電位VREF1、VREF2、VREF3…VREFNを発生する基準電圧発生回路からの雑音が問題となる場合には、これら基準電圧発生回路の出力と単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソースとの間にRCローパスフィルタを接続されることが推奨される。また、単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの電界効果トランジスタMN1のゲート・スレッシュホールド電圧Vthのバラツキが問題となる場合には、基準電位VREF1、VREF2、VREF3…VREFNを発生する基準電圧発生回路にVthのバラツキを補償する回路を採用することが推奨される。
図3は、本発明の他の実施形態によるコルピッツ型の電圧制御発振回路の回路構成を示す図である。図3の電圧制御発振回路は、交差接続トランジスタ対ではなく、本質的に1つの発振トランジスタ1_1;Q10により構成されている。この発振トランジスタ1_1;Q10には半導体チップ中に形成された抵抗R5、R6、容量C5、C6か接続されるとともに、半導体チップ外部で発振用の水晶振動子Xtalが接続されている。これによって、コルピッツ型発振回路が構成されている。半導体チップ内部には、図1の前記発振周波数制御回路2の前記複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nと全く同一の回路を含んでいる。従って、外部端子14に供給される発振制御電圧VTUNEに従って、コルピッツ型の電圧制御発振回路の発振周波数を徐々に変化させることができる。
図4は、本発明の他の実施形態による電圧制御発振回路の回路構成を示す図である。図1の実施形態との相違は、発振周波数制御回路2の複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_N中の複数の電界効果トランジスタMN1のドレイン・ソースに同一の基準電位VREF1が印加される点である。さらに、発振制御電圧VTUNEに応答する複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_N中の複数の電界効果トランジスタMN1のゲート電圧に、レベル差が与えられている。一つ目の単位制御回路2_1の電界効果トランジスタMN1のゲート電圧が一番高く、最後のN個目の単位制御回路2_Nの電界効果トランジスタMN1のゲート電圧が一番低くなる。図4の電圧制御発振回路の回路動作は基本的には図1と同様となる。
≪ローノイズ特性のRF送受信信号処理を行う半導体集積回路≫
図5は図1もしくは図4の電圧制御発振回路と図3のコルピッツ型の電圧制御発振回路とをひとつの半導体チップに内蔵したRF ICの回路図である。RF ICのひとつの半導体チップには、3つのサブユニット300、301、302を含んでいる。図5には、携帯電話端末機器の送受信用のアンテナ100と、フロントエンドモジュール200も示されている。フロントエンドモジュール200は、アンテナスイッチ201(ANT_SW)と送信用RF電力増幅器203とを含んでいる。
サブユニット300内部ではシステム基準クロック発振器314(DCXO)には図3のコルピッツ型の電圧制御発振回路が使用され、サブユニット300内部ではRF発振器304(RFVCO)には図1もしくは図4の電圧制御発振回路が使用されて、RF送信信号アナログ信号処理サブユニット302(TX SPU)内部では送信用発振器TXVCOには図1もしくは図4の電圧制御発振回路が使用されている。その結果、図5に示されたRF ICは全体として、標準的な半導体集積回路の製造プロセスで製造可能であり、高耐圧デバイスを不要とし、かつRF送受信の信号処理のノイズ特性を良好とすることができる。
図5において、集積回路RF ICの外部の水晶振動子501(Xtal)によって発振周波数が安定に維持されたシステム基準クロック発振器314(DCXO)のシステム基準クロック信号SysCLkが印加された周波数シンセサイザ303はRF発振器304(RFVCO)の周波数も安定に維持する。RF発振器304(RFVCO)のRF出力が分周器305(1/M)に供給されることにより、分周器305(1/M)の出力からRF信号ΦRFが得られる。RF信号ΦRFは、RFアナログ信号処理集積回路RF IC内部のRF受信信号アナログ信号処理サブユニット301(RX SPU)とRF送信信号アナログ信号処理サブユニット302(TX SPU)とに供給される。
受信状態に設定されたタイムスロットでは、フロントエンドモジュール200(FEM)のアンテナスイッチ201(ANT_SW)は上側に接続される。従って、アンテナ100で受信されたRF受信信号は、例えば表面弾性波デバイスによる受信フィルタ202(SAW)を介してRF受信信号アナログ信号処理サブユニット301(RX SPU)のローノイズアンプ3011(LNA)の入力に供給される。このローノイズアンプ3011(LNA)のRF増幅出力信号は、受信ミキサー3012を構成する二つの混合回路RX−MIX_I、RX−MIX_Qの一方の入力に供給される。二つの混合回路RX−MIX_I、RX−MIX_Qの他方の入力には、分周器305(1/M)からのRF信号ΦRFに基づいて90°位相器3014(90Deg)で形成された90°位相を有するふたつのRF受信キャリア信号が供給される。その結果、受信ミキサー3012の混合回路RX−MIX_I、RX−MIX_QではRF受信信号周波数からベースバンド信号周波数へのダイレクトダウン周波数コンバージョンが実行されて、出力から受信アナログベースバンド信号RxABI、RxABQが得られる。この受信アナログベースバンド信号RxABI、RxABQは受信タイムスロット設定で利得が調整された可変利得アンプ3014、3015で増幅された後、RF ICのチップ内のA/D変換器によりデジタル信号に変換される。このデジタル受信信号は、図示されていないベースバンド信号処理LSIへ供給される。
送信状態に設定されたタイムスロットでは、図示されていないベースバンド信号処理LSIからデジタル送信信号がRF ICに供給される。RF IC内部の図示されていないD/A変換器の出力からアナログベースバンド送信信号TxABI、TxABQが送信ミキサー3021の二つの混合回路TX−MIX_I、TX−MIX_Qの一方の入力に供給される。分周器305(1/M)の出力からのRF信号ΦRFが他の分周器3022(1/N)で分周されることにより、約80MHzの中間周波数(以下、IFと称す)の信号ΦIFが得られる。このIF信号ΦIFに基づいて90°位相器3023(90Deg)で形成された90°位相を有するふたつのIF送信キャリア信号が二つの混合回路TX−MIX_I、TX−MIX_Qの他方の入力に供給される。その結果、送信ミキサー3021の混合回路TX−MIX_I、TX−MIX_Qではアナログベースバンド送信信号の周波数からIF送信信号への周波数アップコンバージョンが実行され、加算器3033からベクトル合成されたひとつのIF送信信号が得られる。加算器3033からのIF送信信号はRF送信信号アナログ信号処理サブユニット302(TX SPU)の位相変調成分の送信のためのPMループ回路3022(PM LP)を構成する位相比較器PCの一方の入力に供給されている。PMループ回路3022(PM LP)では、位相比較器PCの出力はチャージポンプCPとローパスフィルタLFとを介して送信用発振器TXVCOの制御入力に伝達される。送信用発振器TXVCOの出力はPMループ用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの入力に供給されることにより、DWN_MIX_PMの出力のIF送信位相帰還信号が得られる。送信タイムスロットがGSM方式の時には、このIF送信位相帰還信号がスイッチSW_1を介してPMループ回路3022(PM LP)を構成する位相比較器PCの他方の入力に供給される。この結果、送信用RF電力増幅器203の出力の送信パワー信号はGSM方式の正確な位相変調情報を含むようになる。一方、送信タイムスロットがGSM方式の時は、RFアナログ信号処理集積回路300内部のランプ信号D/A変換器309(Ramp DAC)の出力電圧VrampがスイッチSW2を介して10MHzフィルタ315に供給される。このフィルタ315からの自動パワー制御電圧Vapcによる電源電圧制御もしくはバイアス電圧制御によって送信用RF電力増幅器203の増幅ゲインは基地局と携帯通信端末装置との距離に比例して設定される。
一方、送信タイムスロットがEDGE方式の時は、加算器3033からIF送信信号は位相変調情報だけではなく振幅変調情報も含むことになる。従って、この時には、加算器3033からIF送信信号はPMループ回路3022(PM LP)を構成する位相比較器PCの一方の入力に供給されだけではなく、AMループ回路3023(AM LP)を構成する振幅比較器ACの一方の入力に供給される。この時には、位相比較器PCの他方の入力には、送信用発振器TXVCOの出力がPMループ用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの入力に供給されるのではない。むしろ、送信用RF電力増幅器203の送信パワーに関係する情報が、パワー検出器PDET、可変利得回路MVGA、AMループ用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_AMを介して位相比較器PCの他方の入力に供給されることとなる。また、AMループ回路3023(AM LP)を構成する振幅比較器ACの他方の入力にも、送信用RF電力増幅器203の送信パワーに関係する情報がパワー検出器PDET、可変利得回路MVGA、AMループ用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_AMを介して供給されることとなる。AMループ回路3023(AM LP)では、振幅比較器ACの出力はローパスフィルタLF、可変利得回路IVGA、電圧・電流変換器V/I、チャージポンプCP、スイッチWS2を介して10MHzフィルタ315に供給される。この結果、まずPMループ回路3022(PM LP)によって、送信用発振器TXVCOのRF発振出力信号を増幅する送信用RF電力増幅器203の出力の送信パワー信号はEDGE方式の正確な位相変調情報を含むようになる。さらに、AMループ回路3023(AM LP)によって、送信用RF電力増幅器203の出力の送信パワー信号はEDGE方式の正確な振幅変調情報を含むようになる。
尚、送信用RF電力増幅器203の送信パワーを検出するパワー検出器PDETとしては、RF電力増幅器203の送信パワーを電磁気的もしくは容量的に検出するカップラー形検出器を採用することができる。このパワー検出器PDETとしては、それ以外に、カレントセンス形検出器も採用することができる。このカレントセンス形検出器は、RF電力増幅器203の最終段パワー増幅素子のDC・AC動作電流に比例する小さな検出DC・AC動作電流を検出増幅素子に流すものである。
図5のRFアナログ信号処理集積回路300では、ランプ信号D/A変換器309(Ramp DAC)の出力Vrampに応答するAMループ回路3023(AM LP)の二つの可変利得回路MVGA、IVGAの利得は逆方向となるように、制御回路314(CNTL)が二つの制御信号を生成している。すなわち、出力Vrampに応答して可変利得回路MVGAの利得が減少する時は、可変利得回路IVGAの利得が増加することで、二つの可変利得回路MVGA、IVGAの利得の和がほぼ一定となる。この結果、AMループ回路3023のオープンループ周波数特性での位相余裕が出力Vrampに応答して著しく小さくなることを軽減している。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図1の実施形態において、発振用トランジスタ1_1のNチャンネルMOSFETによる交差接続トランジスタ対QN1、QN2は、シリコンの電界効果トランジスタ以外のGaAsやInP等の化合物半導体のMESFETやHEMTのNチャンネルの電界効果トランジスタでも良い。さらに、NチャンネルMOSFETによる交差接続トランジスタ対QN1、QN2は、SiGeのNPN超高周波バイポーラトランジスタにも置換可能である。また、発振用トランジスタ1_2のPチャンネルMOSFETによる交差接続トランジスタ対QP1、QP2は、シリコンの電界効果トランジスタ以外のGaAsやInP等の化合物半導体のMESFETやHEMTのPチャンネルの電界効果トランジスタでも良い。さらに、PチャンネルMOSFETによる交差接続トランジスタ対QP1、QP2は、SiGeのPNP超高周波バイポーラトランジスタに置換可能である。また、発振周波数制御回路2の複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nのそれぞれの電界効果トランジスタMN1は、シリコンの電界効果トランジスタ以外のGaAsやInP等の化合物半導体のMESFETやHEMTの電界効果トランジスタでも良い。
図1は、第1の本発明の一つの実施形態による電圧制御型発振回路VCOの回路構成を示す図である。 図2は、図1に示した電圧制御発振回路VCOの発振周波数制御回路2の複数の単位制御回路2_1、2_2、2_3…2_Nの前記発振制御電圧VTUNEへの応答動作を説明するための図である。 図3は、本発明の他の実施形態によるコルピッツ型の電圧制御発振回路の回路構成を示す図である。 図4は、本発明の他の実施形態による電圧制御発振回路の回路構成を示す図である。 図5は図1もしくは図4の電圧制御発振回路と図3のコルピッツ型の電圧制御発振回路とをひとつの半導体チップに内蔵したRF ICの回路図である。
符号の説明
VCO 電圧制御型発振回路
1_1;1_2 発振用トランジスタ
2 発振周波数制御回路
2_1、2_2、2_3…2_N 単位制御回路
3 発振用インダクタ
4 バンド選択回路
BSL ハンド選択信号
TUNE 発振制御電圧
5 電流源
6 電圧源

Claims (15)

  1. 発振用トランジスタと、
    発振制御電圧に応答して発振周波数を制御する発振周波数制御回路とを含み
    前記発振周波数制御回路は、前記発振用トランジスタと接続され、
    前記発振周波数制御回路は、前記発振制御電圧が印加される複数の単位制御回路を含み、
    前記複数の単位制御回路のそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧に応答する電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタのドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量と第2の容量とを含み、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれは前記電界効果トランジスタが前記発振制御電圧に応答してオン状態となることにより、前記第1の容量と前記第2の容量とを前記発振周波数の決定に関与させ、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれは前記電界効果トランジスタが前記発振制御電圧に応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量と前記第2の容量との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止し、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路の複数の電界効果トランジスタのそれぞれは、前記発振制御電圧の異なるレベルでターンオンするように設定されている電圧制御発振回路。
  2. 前記発振用トランジスタに接続された発振用インダクタをさらに含む請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  3. 前記発振用トランジスタは入力と出力とが交差接続された交差接続トランジスタ対を含む請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  4. バンド選択信号に応答して複数の発振周波数バンドから選択されたひとつの発振周波数バンド中に前記発振周波数の周波数を粗調整するバンド選択回路をさらに含む請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  5. 前記バンド選択回路は複数の単位選択回路を含み、
    前記複数の単位選択回路のそれぞれは、ゲートが前記バンド選択信号に応答する他の電界効果トランジスタと、前記他の電界効果トランジスタのドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第3の容量と第4の容量とを含み、前記他の電界効果トランジスタのゲートとドレイン・ソースとは前記バンド選択信号に応答して互いに逆位相で駆動される請求項4に記載の電圧制御発振回路。
  6. 前記電圧制御型発振回路の動作電流として所定の電流を供給する電流源が前記電圧制御型発振回路に接続されている請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  7. 前記電圧制御型発振回路の動作電圧として所定の電圧を供給する電圧源が前記電圧制御型発振回路に接続されている請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  8. 前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれでは前記電界効果トランジスタの前記ドレインと前記ソースとに印加される基準電位のレベルが異なっている請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  9. 前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれでは前記発振制御電圧に応答して駆動される前記電界効果トランジスタのゲートの駆動電圧のレベルが異なっている請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  10. 前記発振用トランジスタは半導体集積回路外部で水晶振動子が接続されるように適合化され、前記電圧制御型発振回路を水晶発振回路型で動作可能に構成されている請求項1に記載の電圧制御発振回路。
  11. アンテナにより受信されるRF受信信号を増幅するローノイズアンプと、
    前記ローノイズアンプの出力とRFキャリア受信信号とから受信信号を生成する受信ミキサーと、
    ベースバンド送信信号と中間周波送信キャリア信号とから中間周波送信信号を生成する送信ミキサーと、
    前記送信ミキサーからの前記中間周波送信信号が供給される位相比較器と、前記位相比較器の出力に応答するローパスフィルターと、前記ローパスフィルターの出力に応答して送信用RF電力増幅器に供給されるRF送信信号を発振する送信用発振器と、前記送信用発振器のRF出力周波数が供給されることによって前記位相比較器へ供給する中間周波送信位相帰還信号を生成する周波数ダウンミキサーとを含む位相変調用ループ回路と、
    前記受信ミキサーに供給する前記RFキャリア受信信号と前記送信ミキサーに供給する前記中間周波送信キャリア信号の生成のベースとなるRF信号を生成するRF発振器と、
    半導体チップ外部の水晶振動子に基づいて前記RF発振器へ供給される基準クロック信号を生成するシステム基準クロック発振器とを半導体チップ上に具備してなり、
    前記システム基準クロック発振器と前記RF発振器と前記送信用発振器との少なくともひとつの発振器は、
    発振用トランジスタと、
    発振制御電圧に応答しての発振周波数を制御する発振周波数制御回路とを含み
    前記発振周波数制御回路は、前記発振用トランジスタと接続され、
    前記発振周波数制御回路は、前記発振制御電圧が印加される複数の単位制御回路を含み、
    前記複数の単位制御回路のそれぞれは、ゲートが前記発振制御電圧に応答する電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタのドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第1の容量と第2の容量とを含み、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれは前記電界効果トランジスタが前記発振制御電圧に応答してオン状態となることにより、前記第1の容量と前記第2の容量とを前記発振周波数の決定に関与させ、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路のそれぞれは前記電界効果トランジスタが前記発振制御電圧に応答してオフ状態となることにより、前記第1の容量と前記第2の容量との前記発振周波数の決定への関与を実質的に中止し、
    前記発振周波数制御回路の前記複数の単位制御回路の複数の電界効果トランジスタのそれぞれは、前記発振制御電圧の異なるレベルでターンオンするように設定されている半導体集積回路。
  12. 前記発振用トランジスタに接続された発振用インダクタをさらに含む請求項11に記載の半導体集積回路。
  13. 前記発振用トランジスタは入力と出力とが交差接続された交差接続トランジスタ対を含む請求項11に記載の半導体集積回路。
  14. バンド選択信号に応答して複数の発振周波数バンドから選択されたひとつの発振周波数バンド中に前記発振周波数の周波数を粗調整するバンド選択回路をさらに含む請求項11に記載の半導体集積回路。
  15. 前記バンド選択回路は複数の単位選択回路を含み、
    前記複数の単位選択回路のそれぞれは、ゲートが前記バンド選択信号に応答する他の電界効果トランジスタと、前記他の電界効果トランジスタのドレイン・ソースの一方と他方とにそれぞれ接続された第3の容量と第4の容量とを含み、前記他の電界効果トランジスタのゲートとドレイン・ソースとは前記バンド選択信号に応答して互いに逆位相で駆動される請求項12に記載の半導体集積回路。
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