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JP2007157792A - ウェハースケール半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

ウェハースケール半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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JP2007157792A JP2005347245A JP2005347245A JP2007157792A JP 2007157792 A JP2007157792 A JP 2007157792A JP 2005347245 A JP2005347245 A JP 2005347245A JP 2005347245 A JP2005347245 A JP 2005347245A JP 2007157792 A JP2007157792 A JP 2007157792A
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Taro Fukui
太郎 福井
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
Tomoaki Nemoto
知明 根本
Hirohisa Hino
裕久 日野
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Abstract

【課題】接着剤層のパターンを位置精度及び厚み精度を高く形成することができると共に生産性を高く得ることができるウェハースケール半導体パッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】内部に中空部6を有するウェハースケール半導体パッケージを製造する方法に関する。半導体ウェハー1に接着剤を用いて接着剤層3を形成する工程と、ネガ型フォトマスク4を通して前記接着剤層3に光を照射して露光することによって、光が照射された部分をBステージ状態の感熱性接着剤層5のパターンに変化させる工程と、露光時に光が照射されなかった部分を現像することによって除去する工程と、現像後に残存する前記感熱性接着剤層5に封止板2を接触させて加熱することによって接着する工程と、加熱により接着された半導体ウェハー1と封止板2とをダイシングして個片化する工程と、を順に経る。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体・MEMS・RF半導体等のように、内部に中空部を有する半導体パッケージをウェハースケールで製造する方法に関するものである。
イメージセンサや加速度センサ等の光半導体では、光透過性や内部の機構部品の動きを確保するため、半導体パッケージに中空部を設け、ガラスや金属・セラミック等の封止板を、パッケージ周辺のみに配置された接着剤により接着する必要がある(例えば、特許文献1参照。)。従来、半導体ウェハーをダイシングして個片化したチップを、別のキャビティ付き基板に搭載し、このキャビティ周辺部に接着層を設け、封止板を接着する方法が一般的であったが、近年、小型化・低コスト化を狙って、ウェハー裏面に取り出し電極を形成し、かつ個片化前にウェハー上で封止板を取り付けてしまう、いわゆるウェハースケールパッケージングによる製造方法が注目されている。イメージセンサやMEMSでは、半導体上に異物が混入すると不良となってしまい、ダイシングや組立といった異物混入のおそれのある工程が、封止板取り付け工程の後であるウェハースケールパッケージングは、歩留まり改善にも効果が高い。このウェハースケールパッケージにおける封止板の接着工程に関して多くの方法が提案されている。
例えば、図2や図3に示すように、半導体ウェハー1上に格子状パターンの接着剤層3を形成し、半導体ウェハー1全体をカバーする封止板2を接着して取り付けた後に、接着剤を含めてダイシングして個片化する方法は、非常にメリットが多い。
具体的には、図2は半導体パッケージとしてイメージセンサを製造する方法の一例を示すものである。この方法では、まず半導体ウェハー1であるシリコンウェハー上に格子状パターンの接着剤層3を形成し(図2(a))、次に封止板2である透明なガラスを接着剤層に熱圧着した後(図2(b))、格子ごとにダイシングして個片化することによって、内部に中空部6を有する図2(c)に示すような半導体パッケージを得ることができる。
一方、図3は半導体パッケージとして立体的な加速度センサMEMSを製造する方法の一例を示すものである。この方法では、まず半導体ウェハー1であるシリコンウェハーの表面に設けた複数のキャビティ7内部に加速度センサー機構部8をMEMSプロセスで形成すると共に、キャビティ7の開口縁部に接着剤層3を形成する(図3(a))。次に封止板2を接着剤層3に熱圧着した後(図3(b))、格子ごとにダイシングして個片化することによって、内部に中空部6を有する図3(c)に示すような半導体パッケージを得ることができる。また、通常、個片化するためのダイシングは、図2や図3に破線で示すように、接着剤層3の中央を含んで行うことが効率が高い。
上記のような半導体パッケージを製造するにあたって、接着剤層のパターン精度は非常に厳しいものが要求される。パターン幅が大きすぎると半導体のアクティブ部を覆い、不具合を生じ、パターン幅が小さすぎるとダイシング後には接着部の欠けが起こる。また、接着剤層のパターン厚にばらつきがあると、一部は接着可能であるが、別の部分で接着不良となり、やはりダイシング後に接着剤部の欠けが起こったり、接着不良で信頼性が得られないといった問題を生じる。
一般に、接着剤の格子状パターンを半導体ウェハー上に形成する方法としては、次の3つの方法が使用されている。すなわち、第1の方法は、液状の接着剤を所望の形状にディスペンサを用いて塗布するというものであり、また、第2の方法は、液状の接着剤を所望の形状パターンを持つマスクを通して印刷するというものであり、また、第3の方法は、シート状の接着剤を所望の形状パターンに切断して貼り付けるというものである。
特開平3−179765号公報
しかしながら、接着剤の格子状パターンを形成する前記3つの方法にはそれぞれ次のような問題がある。
すなわち、ディスペンサ法を用いた接着剤のパターン形成方法(前記第1の方法)は、手軽であり、広く用いられているが、一本一本のラインパターンを順次形成しなければならないので、生産性に劣る/位置精度の高いパターンを形成することができない/均一な厚み制御が難しく、特にラインの交差部分が盛り上がってしまう/低粘度な液状接着剤に限定される、といった課題を有している。
また、印刷法を用いた接着剤のパターン形成方法(前記第2の方法)は、多くのパターンを一括して形成できるので、生産性には優れているものの、位置精度、厚み精度の点では、ディスペンサ法と同様の課題を有している上に、印刷可能な液状接着剤の性状(タレやニジミを起こさない)が必要であり、また、工法上、適応可能な厚みが限られている。
また、最後のシート状接着剤を所望の形状に切断して用いる方法(前記第3の方法)では、打ち抜き等を用いると生産性の高い切断が可能な反面、パターンが微細複雑であったり厚みが充分でない用途では、次段階の封止板に貼り付ける工程で扱いにくく、また生産性も高くない。さらには、貼り付ける工程での位置精度を確保するのが困難であり、打抜き時に発生した異物が中空部等に混入するおそれがある、といった課題を有している。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、接着剤層のパターンを位置精度及び厚み精度を高く形成することができると共に生産性を高く得ることができるウェハースケール半導体パッケージの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るウェハースケール半導体パッケージの製造方法は、内部に中空部6を有するウェハースケール半導体パッケージを製造する方法において、半導体ウェハー1に接着剤を用いて接着剤層3を形成する工程と、ネガ型フォトマスク4を通して前記接着剤層3に光を照射して露光することによって、光が照射された部分をBステージ状態の感熱性接着剤層5のパターンに変化させる工程と、露光時に光が照射されなかった部分を現像することによって除去する工程と、現像後に残存する前記感熱性接着剤層5に封止板2を接触させて加熱することによって接着する工程と、加熱により接着された半導体ウェハー1と封止板2とをダイシングして個片化する工程と、を順に経ることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、露光した後現像する前に、接着剤層3を加熱エージングすることによって、感熱性接着剤層5のBステージ化の程度を調節することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、露光時の温度が50℃以下であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、接着剤として、カチオン重合可能な樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する液状又はシート状のものを用いることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るウェハースケール半導体パッケージの製造方法によれば、フォトリソグラフィー法を利用することによって、半導体ウェハーの表面にBステージ状態の感熱性接着剤層のパターンを位置精度及び厚み精度を高く形成することができると共に生産性を高く得ることができるものであり、また、前記感熱性接着剤層はB−ステージ状態であるため、半導体ウェハーと封止板との接着性を高く得ることができ、信頼性に優れたウェハースケール半導体パッケージを歩留まり良く製造することができるものである。
請求項2に係る発明によれば、後に熱接着できる程度の反応度合いに留めながら、かつ容易に現像できる程度にまで反応を進めることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、熱によるBステージ化の加速を抑制することができるものである。
請求項4に係る発明によれば、現像液に溶解しないBステージ状態の感熱性接着剤層を容易に形成することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るウェハースケール半導体パッケージの製造方法は、内部に中空部6を有する光半導体・MEMS・RF半導体等のウェハースケール半導体パッケージを製造する方法であるが、この一例を図1に示す。
図1(a)(b)に示す工程では、まず、半導体ウェハー1の表面に接着剤を用いて接着剤層3を形成する。ここで、半導体ウェハー1としては、例えば、シリコンウェハーを用いることができる。また、接着剤としては、ネガ型の感光性を有するものであり、Bステージ状態で現像が可能であり、かつ熱接着することができるものであれば、特に限定されるものではないが、このような接着剤の詳細については後述する。また、接着剤の形態も、特に限定されるものではなく、液状又はシート状(フィルム状)の接着剤を用いることができる。液状の接着剤を用いる場合には、スピンコート法や印刷法等を使用して、半導体ウェハー1の表面に接着剤層3を形成することができる。一方、シート状の接着剤を用いる場合には、ラミネート法等を使用して、半導体ウェハー1の表面に接着剤層3を形成することができる。このように、図1(b)に示す段階においては、半導体ウェハー1の表面全体に接着剤層3を形成することができる。なお、図3に示すようなキャビティを有する半導体ウェハー1の場合には、シート状の接着剤を用いるのが好ましい。
次に、図1(c)に示す工程では、所望のマスクパターン(格子状パターンなど)を有するネガ型フォトマスク4を通して、前記接着剤層3に紫外線等の光(矢印で示す)を照射して露光する。これによって、光の当たった部分では化学反応が起こり、光の当たらなかった部分では何らの反応も起こらないものである。このようにして、接着剤層3のうち光が照射された部分をBステージ状態の感熱性接着剤層5のパターンに変化させる。なお、露光量は、特に限定されるものではないが、0.1〜10J/cmの範囲であることが好ましい。
次に、図1(d)に示す工程では、先程の露光時にネガ型フォトマスク4で光が遮られて、光が照射されなかった接着剤層3の部分を現像することによって除去する。上述した化学反応の有無により、光の当たった部分と当たらなかった部分とでは現像液耐性が異なるので、適当な現像液・現像条件を選択することで、図1(d)に示すように、光の当たった部分の接着剤層3のみがBステージ状態の感熱性接着剤層5として残り、他の部分の接着剤層3は除去される。この一連の工程がいわゆる“フォトリソグラフィ”と呼ばれるもので、古くより多くの分野で使用されている方法であるが、本発明では、ここでパターンとして残存した接着剤層3が、Bステージ状態であるところに特徴がある。
次に、図1(e)に示す工程では、現像後に残存する前記感熱性接着剤層5に封止板2を接触させて加熱する。そうすると、感熱性接着剤層5がBステージ状態からCステージ状態に移行して、これにより、半導体ウェハー1と封止板2とを接着することができるようになるものである。ここで、封止板2としては、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板や金属板等を用いることができる。
そして、最後の工程では、先程の図1(e)に示す工程で得られた半導体ウェハー1と封止板2とを接着したものを、破線で示すように複数にダイシングすることによって個片化すると、図1(f)に示すような内部に中空部6を有するウェハースケール半導体パッケージを得ることができる。なお、感熱性接着剤層5のラインの中央(図1(e)に破線で示す)をダイシングして個片化することによってウェハースケール半導体パッケージを得ることができるが、感熱性接着剤層5のライン部分を切断しないで、2本の感熱性接着剤層5のラインの間でダイシングするようにしても差し支えない。
上述した一連の工程を順に経るようにすれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、フォトリソグラフィー法を利用しているので、半導体ウェハー1にBステージ状態の感熱性接着剤層5のパターンを位置精度及び厚み精度を高く形成することができると共に生産性を高く得ることができるものである。より具体的にいえば、感熱性接着剤層55のパターン形成をフォトリソグラフィー法を使用して行っているので、位置精度を高く得ることができ、また、前記パターン形成は一括して行われるので、生産性を高く得ることができ、また、接着剤層3の厚みは、図1(b)に示す初期の段階で決定することができるので、厚み精度も高く得ることができるものである。また、前記感熱性接着剤層5はB−ステージ状態であるため、半導体ウェハー1と封止板2との接着性を高く得ることができ、信頼性に優れたウェハースケール半導体パッケージを歩留まり良く製造することができるものである。また、フォトリソグラフィー法を利用するので、感熱性接着剤層5のパターンが微細複雑な形状であっても容易に形成することができるものである。また、本発明によれば、接着剤の塗布精度が高いので、先に述べた従来法に比べて、接着部のニジミや欠け、接着不良等の無いウェハースケール半導体パッケージを得ることができるものである。
また、本発明においては、露光した後現像する前に、接着剤層3を加熱エージングすることによって、感熱性接着剤層5のBステージ化の程度を調節することができる。すなわち、後に熱接着できる程度の反応度合いに留めながら、かつ容易に現像できる程度にまで反応を進めるというコントロールを加熱エージングですることができるものである。プロセス温度は、特に限定されるものではないが、加熱エージング温度は50〜130℃程度、封止板2接着温度は150〜250℃が好ましい。加熱エージング温度が50℃より低いと、露光による反応の程度に比較して、充分な変化を期待することができないおそれがあり、逆に、加熱エージング温度が130℃より高いと、反応が進みすぎて熱接着性が充分に得られないおそれがある。
また、本発明においては、露光時の温度(ワーク温度)が50℃以下(実質上の下限は室温)であることが好ましい。露光時の温度が50℃より高いと、単に光反応だけでなく、熱によるBステージ化の加速も起こってしまい、コントロールが難しくなるおそれがあるためである。なお、露光時とは、露光開始時から露光終了時までを意味する。
次に、本発明に係るウェハースケール半導体パッケージの製造方法の使用に好適に用いることができる接着剤について説明する。接着剤としては、Bステージ状態で現像が可能であり、かつ熱接着することができるものであれば、特に限定されるものではないので、例えば、光2量化反応する基と、熱硬化性を有する反応基の両方の機能を持つ接着剤を用いることができる。このような接着剤を用いると、光2量化で現像性を実現し、その後もう一方の反応基で接着させるという方法を使用することができる。このような接着剤の具体例としては、桂皮酸末端を有するオリゴマーを光2量化可能な反応を起こさせる成分として含有し、さらに熱カチオン重合開始剤とエポキシ樹脂、若しくは熱ラジカル開始剤とアクリルオリゴマーやモノマーも同時に含有する組成物を挙げることができる。その他の例として、カチオン重合可能な樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する液状又はシート状(フィルム状)の接着剤を挙げることができるが、本発明においては、このような接着剤を用いるのが好ましい。このような接着剤を用いることによって、現像液に溶解しないBステージ状態の感熱性接着剤層5を容易に形成することができるものである。
ここで、カチオン重合可能な樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、オキセタン樹脂、フラン系樹脂等を例示することができるが、硬化性やBステージ化の制御の点で、カチオン重合可能な樹脂は、酸素原子を含む環状構造を有する化合物であって、開環重合により硬化するものであることが好ましい。このようなカチオン重合可能な樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フラン系樹脂等を挙げることができるが、最も好ましいのはエポキシ樹脂である。光でパターンを形成する用途(ドライフィルムやソルダーレジスト用途)で、一般に用いられている光ラジカル開始剤を含むアクリルオリゴマーやモノマーを含有する組成物は、本発明において接着剤として用いるのは適当ではない。光で発生したラジカルは、低温でも連鎖重合するため、現像に耐えかつ熱接着できる反応度をコントロールすることが困難なためである。
エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を複数有するものであれば特に限定されるものではなく、市販されている液体エポキシ樹脂や固体エポキシ樹脂を適宜使用することができる。エポキシ樹脂の具体例としては、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができ、これらの中から1種のみを使用又は2種以上を選んで併用することができる。また、エポキシ樹脂に加えてその他のカチオン重合性樹脂、例えば、オキセタン樹脂を併用することもできる。
また、光カチオン重合開始剤としては、光によりルイス酸あるいはブレンステッド酸を発生するものであれば特に限定されるものではないが、具体例としては、陰イオンとして、PF 、AsF 、SbF 、SbCl 2−、BF 、SnCl 、FeCl 、BiCl 2−などを持つアリールジアゾニウム塩、また、陰イオンとして、PF 、AsF 、SbF 、SbCl 2−、BF 、ClO 、CFSO 、FSO 、FPO 、B(C などを持つジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、さらに、陰イオンとして、PF 、AsF 、SbF などを持つジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルフォニウム塩、また、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステルや、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトンやβ−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステル、さらに、鉄のアレン化合物、シラノール−アルミニウム錯体、o−ニトロベンジル−トリフェニルシリルエーテルなどを挙げることができ、1種のみを使用してもよいし、複数の開始剤を併用してもよい。これらの光カチオン重合開始剤の中でも、そのカチオン発生効率及び安定性から、トリアリルスルホニウム塩あるいはジアリルヨードニウム塩が最も好ましい。なお、光カチオン重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではないが、0.1〜10PHRの範囲であることが好ましい。
光カチオン重合開始剤は、光照射によりカチオン活性種を効率よく生成するが、ラジカル系と異なり、発生したカチオンにより、エポキシ樹脂等のカチオン重合反応が進むためには、ある程度の加熱が必要であり、低温でカチオン活性種を発生させた段階では樹脂の連鎖反応はあまり起こらず、加熱の温度と時間によってその反応程度を容易にコントロールすることができる。この点を本発明者が見出した結果、本発明を完成させることができたものである。
また、本発明においては、光照射プロセスでカチオンを発生させるための光カチオン重合開始剤以外に、加熱によりカチオンを発生する熱カチオン重合開始剤を接着剤に含有するのが好ましい。これにより、Bステージ化や加熱接着のプロセスにおいて、さらにカチオン活性種の量を増加させることができるものである。なお、熱カチオン重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではないが、0.1〜5PHRの範囲であることが好ましい。
また、開始剤により効率よくカチオンを発生させるため、いわゆる増感剤を併用することができる。具体例として、ベンゾフェノン、アクリジンオレンジ、ペリレン、アントラセン、フェノチアジン、2,4−ジエチルチオキサントンなどを挙げることができる。
また、カチオン硬化系において、重合速度を高め、未反応のエポキシ樹脂が取り残されることを防ぐ目的で、連鎖移動剤も併用することができる。一般的には、多官能アルコール類が使用され、エチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパントリオール、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールなどを例示することができる。
さらに、接着剤の接着性を増すためのカップリング剤、例えば、各種のシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤を使用することもできる。光照射によるカチオン発生を阻害しない範囲で、充填材、顔料、染料等の添加剤を用いることも可能である。
また、本発明においては、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、水酸基を有するエポキシ化ポリブタジエンのうちの少なくとも一つを接着剤に配合することができる。これらのものは、接着剤をシート状に形成する際のワニス塗工工程での成膜性を向上させたり、乾燥後のシート状の接着剤のタック性を低減し、脆さを低減して柔軟性を発現する効果を付与し、また、シート状の接着剤を貼り付けた後、パターン露光・現像する際の、パターン欠けを低減する効果を付与したりする効果がある。また、分子内に水酸基を有するので、カチオン硬化系における連鎖移動効果を有し、重合速度(硬化速度)を高めることができる。液状の接着剤においても、現像性や硬化性の改善に効果がある。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
まず、接着剤を製造するのに使用した原材料について説明する。
ビスフェノール型エポキシ樹脂として、室温で固体の「エピコート1006」(エポキシ当量1100、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、室温で液状の「YDF175S」(東都化成株式会社製、ビスフェノールF型)、室温で液状の「840S」(大日本インキ工業株式会社製、ビスフェノールA型)を使用した。
脂環式エポキシ樹脂として、室温で液状の「セロキサイド2021P」(「CEL2021P」と略す。ダイセル化学工業株式会社製)を使用した。
フェノキシ樹脂として、「YP50」(東都化成株式会社製)を使用した。
光カチオン重合開始剤として、「SP−170」(旭電化工業株式会社製)を使用した。
溶媒として、アノン(シクロヘキサノン)、トルエン、2−ブタノン、連鎖移動添加剤として、プロピレングリコール(工業用試薬)を使用した。
(配合例1、2)
液状の接着剤は、下記[表1]の配合例1に示す配合量(重量部)で製造した。具体的には、光カチオン重合開始剤以外の原材料を秤取し、100℃に加温して攪拌混合した後、室温まで冷却して光カチオン重合開始剤を加えて攪拌混合した。80℃に加温して攪拌混合した後、室温に放冷した後、孔径3μmのメンブランフィルタで濾過し、減圧脱泡することによって、液状の接着剤を得た。
シート状の接着剤は、下記[表1]の配合例2に示す配合量(重量部)で製造した。具体的には、光カチオン重合開始剤以外の樹脂と溶剤を秤取し、80℃に加温して攪拌混合した後、室温まで冷却して光カチオン重合開始剤を加えて攪拌混合し、孔径3μmのメンブランフィルタで濾過し、減圧脱泡することによって、ワニスを調製した。引き続き、このワニスを用いてシート状の接着剤を次のようにして製造した。ワニスをバーコータで25μm厚のPETフィルム(ベースフィルム)に塗工し、80℃、10分の一次乾燥の後、120℃、10分の二次乾燥を行うことによって、シート状の接着剤を得た。このシート状の接着剤には、タック性はなく、塗膜の厚みは80μmであった。
次に、上記のようにして得られた液状及びシート状の接着剤を用いたウェハースケール半導体パッケージの製造方法の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
配合例1に示す液状の接着剤を用いて、4インチシリコンウェハー上に厚さ20μmとなるように印刷を行った(図1(b)参照)。これに、通常の高圧水銀灯タイプ平行露光機を用いて、マスク越しにUV露光した(図1(c)参照)。マスクは、2mm幅のライン状パターンが2mm間隔で格子状に配置されたものを使用した。2J/cmのエネルギー(露光量)が与えられた段階で露光を終了した。その時のワーク温度は40℃であった。この段階で、照射品表面にタックは観察されなかった。さらに照射品を100℃、10分間、加熱エージング処理後、超音波槽でイソプロピルアルコールとアセトンの体積比7:3の混合溶媒にて現像処理後、80℃、5分で溶剤乾燥を行った(図1(d)参照)。
そして、形成された感熱性接着剤層の状態を顕微鏡観察したところ、マスク通りのパターン形成が観察され、パターン欠けや現像残りは観察されず、感熱性接着剤層の剥離も無く、良好な耐現像性/パターン形成性を持っていた。つまり、パターン形成性が優れていることが確認された。
また、上記のようにして得られたBステージ化パターン上に、1mm厚、10cmΦの円盤状のガラス板を重ね、さらにその上に0.5kgのおもりを載せて、180℃のオーブンで、20分間熱処理した(図1(e)参照)。室温冷却後、ガラス板は、強固に接着が行われていた。つまり、ガラス板接着性が優れていることが確認された。
次に、ガラス板が接着されたサンプルを、感熱接着剤層のラインに沿ってライン中央でダイシングすることによって個片化し、340個の4mm角パッケージを得た(図1(f)参照)。各パッケージについて、周辺部の割れ・欠け及びガラス封止板の接着不良を確認したところ、不良品(個片化後検査不良数)は0個であった。
また別に、マスクとして2mm角の開口を有するものを用いて、同様のプロセスで2mm角のBステージ化パターンを形成し、その上に2mm角シリコンチップをフリップチップボンダーを用いて、180℃、30秒加圧した。そのサンプルをオーブンでさらに180℃アフターキュアさせた後、ボンドテスターによって剪断接着強度を測定したところ、2.94MPa(30kgf/cm)であった。
(実施例2)
実施例1において、露光量を5J/cmに延長し、かつ露光後のアフターキュアを行わないようにした以外は、実施例1と全く同様にして、パターン形成性及びガラス板接着性を評価し、個片化後検査不良数を計数すると共に、剪断接着強度を測定した。これらの結果を下記[表2]に示す。
(実施例3)
実施例1において、露光機としてスポットタイプの高圧水銀灯を用いるようにした以外は、実施例1と全く同様にして、パターン形成性及びガラス板接着性を評価し、個片化後検査不良数を計数すると共に、剪断接着強度を測定した。これらの結果を下記[表2]に示す。ただし、この実施例3では、露光開始時のワーク温度は室温(25℃)であったが、露光終了時のワーク温度は75℃まで上昇していた。
(実施例4)
実施例1の液状の接着剤に代えて、前述の工程で製造した樹脂厚80μmのシート状の接着剤を用い、印刷法に代えて真空ラミネート法により、接着剤層の形成を行うようにした以外は、実施例1と全く同様にして、パターン形成性及びガラス板接着性を評価し、個片化後検査不良数を計数すると共に、剪断接着強度を測定した。これらの結果を下記[表2]に示す。
また、シリコンウェハー上に格子状にパターン形成し、ガラス板と貼り合わせたサンプルの拡大顕微鏡写真を図4に示す。良好な現像性を確認することができる。
(*1)パターン形成性は、以下の基準に基づいて判定した。
「◎」:マスク通りのパターン形成が観察され、パターン欠けや現像残りが観察されないもの。
「○」:パターン形成はされているが、除去されるべき部分に現像残りが散見されるもの。
「△」:パターンのラインにところどころ欠けが見られるもの。
「×」:現像してもパターンが出てこず、膜が残ったままになっているもの。
「××」:現像で、全てが溶出してしまったもの。
(*2)ガラス板接着性は、以下の基準に基づいて評価した。
「◎」:強固に接着されており、剥がせず、無理に剥がそうとすると、ガラスが割れてしまうもの。
「○」:剥がせるが、かなりの力が必要であるもの。
「×」:少し力を加えると簡単に剥離可能であるもの。
「××」:熱接着しないもの。
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)〜(f)は断面図である。 従来技術の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 従来技術の他の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 シリコンウェハー上に格子状にパターン形成し、ガラス板と貼り合わせたサンプルを示す拡大顕微鏡写真である。
符号の説明
1 半導体ウェハー
2 封止板
3 接着剤層
4 ネガ型フォトマスク
5 感熱性接着剤層
6 中空部

Claims (4)

  1. 内部に中空部を有するウェハースケール半導体パッケージを製造する方法において、半導体ウェハーに接着剤を用いて接着剤層を形成する工程と、ネガ型フォトマスクを通して前記接着剤層に光を照射して露光することによって、光が照射された部分をBステージ状態の感熱性接着剤層のパターンに変化させる工程と、露光時に光が照射されなかった部分を現像することによって除去する工程と、現像後に残存する前記感熱性接着剤層に封止板を接触させて加熱することによって接着する工程と、加熱により接着された半導体ウェハーと封止板とをダイシングして個片化する工程と、を順に経ることを特徴とするウェハースケール半導体パッケージの製造方法。
  2. 露光した後現像する前に、接着剤層を加熱エージングすることによって、感熱性接着剤層のBステージ化の程度を調節することを特徴とする請求項1に記載のウェハースケール半導体パッケージの製造方法。
  3. 露光時の温度が50℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェハースケール半導体パッケージの製造方法。
  4. 接着剤として、カチオン重合可能な樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する液状又はシート状のものを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウェハースケール半導体パッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010010328A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Nippon Steel Chem Co Ltd 中空封止型半導体装置の製造方法
KR101056944B1 (ko) * 2007-10-31 2011-08-17 유택(타이완) 코포레이션 반도체 장치 제조방법
WO2023033090A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 日東電工株式会社 半導体素子パッケージの製造方法及び半導体素子パッケージ

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