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JP2007145899A - 軸受油組成物 - Google Patents

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JP2007145899A
JP2007145899A JP2005338777A JP2005338777A JP2007145899A JP 2007145899 A JP2007145899 A JP 2007145899A JP 2005338777 A JP2005338777 A JP 2005338777A JP 2005338777 A JP2005338777 A JP 2005338777A JP 2007145899 A JP2007145899 A JP 2007145899A
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Takahiro Kudo
孝浩 工藤
Sachiko Sakata
祥子 阪田
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Cosmo Oil Lubricants Co Ltd
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Cosmo Oil Lubricants Co Ltd
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Abstract

【課題】 低粘度であり、酸化防止能に優れ、しかも蒸発損失が少ない軸受油組成物を提供する
【解決手段】炭素数2〜4のオキシアルキレン基が2〜30個繰り返したポリオキシアルキレン基の両末端に炭素数1〜18の炭化水素基がそれぞれ結合しているポリアルキレングリコールエステルを基油として含有し、(B)アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜2.0質量%の割合で含有し、組成物としての40℃動粘度が6〜13mm/sである軸受油組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スピンドルモータ等の回転体の軸受部に用いられる焼結含浸軸受や動圧流体軸受に好適に用いることのできる軸受油組成物に関するものである。
従来から金属粉末を焼結成形して得られる多孔質部材に潤滑油やグリースを含浸させた焼結含浸軸受は、パソコンやその他周辺機器、AV機器、自動車電装系などに用いられてきた。また、近年、ハードディスクやポリゴンミラー回転用モータのように、高速・高精度な軸回転が要求される機種には、動圧流体軸受が実用化されている。
焼結含浸軸受や動圧流体軸受用の潤滑油に求められる性能としては、モータが小型化、高精度化、高速回転化するにつれて耐熱性・酸化安定性、低蒸発性、摩耗防止性、低摩擦性が要求され、その多くは無補給使用のため長寿命性が要求される。
さらに、パソコンやAV機器、デジタルカメラ、携帯電話などの携帯端末ではバッテリー駆動のため、モータの消費電力を抑え電池の消耗を抑えることが求められる。また、屋外の環境温度の変化に対応して低温でも粘性トルクの少ない低粘度の潤滑油が求められる。
従来、これらの軸受には潤滑油として低温での流動性が優れているポリαオレフィン、およびセバシン酸ジ-2−エチルへキシルに代表される二塩基酸ジエステル、ネオペンチルグリコールやトリメチロールプロパンの脂肪酸エステルなどが使用されてきた。近年では、低粘度、低蒸発損失の潤滑油として、ネオペンチルグリコールのカプリル酸とカプリン酸の混合エステルを含有する潤滑油(特許文献1参照)や、ネオペンチルグリコールのn−オクタノ-ルエステルなどに、酸化防止剤としてヒンダードフェノール、摩耗防止剤としてトリグリセリドを添加した低粘度、低蒸発損失の潤滑油(特許文献2参照)が提案されている。
特開2000−336383号公報 特開2002−338979号公報
近年、軸受の用途の拡大や更なる高速化・高精度化の中で、軸受油組成物には、更なる低蒸発性、酸化防止能が求められている。
本発明は、実用温度において低粘度であり、酸化防止能に優れ、しかも蒸発損失が少ない軸受油組成物、特に焼結含浸軸受油や動圧流体軸受油用の軸受油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、一般式(1)に表される特定構造のポリアルキレングリコールエステルを基油として含有し、その基油にアミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化防止剤を特定量添加することにより、実用温度において低粘度であり、酸化防止能に優れ、しかも蒸発損失が少なくなることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)一般式(1)
Figure 2007145899
(一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一でもよいし又は異なってもよく、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基から選ばれる1種または2種以上であり、nは2〜30の数である。)で表されるポリアルキレングリコールエステルを基油として含有し、
(B)アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化防止剤を0.05〜2.0質量%の割合で含有し、組成物としての40℃動粘度が6〜13mm/sであることを特徴とする軸受油組成物を提供するものである。
また、本発明は、(B)成分のアミン系酸化防止剤が、一般式(2)
Figure 2007145899
(一般式(2)において、R3及びR4は、水素原子又は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)で表されるジフェニルアミン類、
又は、一般式(3)
Figure 2007145899
(一般式(3)において、R5は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。)で表されるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミンであり、
(B)成分のリン系酸化防止剤が、一般式(4)
Figure 2007145899
(一般式(4)において、R6及びR7は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)で表されるホスファイトである請求項1記載の軸受油組成物を提供するものである。
本発明の軸受油組成物は、低粘度でありながら蒸発損失が少なく、かつ酸化安定性に優れており、寿命も長く、また、無補給で長期間使用できる。従って、小型で高精度・高速回転が求められるモータで使用される動圧流体軸受や焼結含浸軸受に好適に用いることができる。
本発明の軸受油組成物は、40℃における動粘度が6〜13mm/sであり、より好ましくは8〜12mm/sである。
40℃動粘度が6mm/s未満であると蒸発量が多くなる恐れがあり、13mm/sを超えると軸が回転するときの粘性トルクが大きくなる場合や、低温流動性が低下する場合があるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物で使用する基油は、一般式(1)に示される特定構造のポリオールエステルである。一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一でもよいし又は異なってもよく、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基から選ばれる1種または2種以上である。オキシアルキレン基が2種以上の場合、ランダム構造でもブロック構造でもよい。nは2〜30の数であり、好ましくは2〜10の数である。なお、nは平均値である。
上記式中、R1及びR2の炭化水素基としては、脂肪族系炭化水素基、脂環式系炭化水素基、芳香族系炭化水素基などが挙げられ、これらのうち脂肪族系炭化水素基が好ましい。脂肪族系炭化水素基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、また、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。なお、炭化水素基の炭素数が18を超えると、粘度が高くなる場合があるため好ましくない。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、オレイル基、ヘキシルフェニル基、オクチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
また本発明の軸受油組成物は、その性能を低下させない範囲で、一般式(1)以外の潤滑油基油、例えば、鉱物油、ポリαオレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、動植物油、一般式(1)で示されるエステル以外のエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニールエーテル、ポリフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル、シリコーン油、フッ素油等を適宜併用して混合基油を用いることができる。一般式(1)以外の潤滑油基油の混合割合は、通常80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
本発明の軸受油組成物には、酸化防止性を向上させるためにアミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる1種以上の酸化防止剤が含有されている。アミン系酸化防止剤の好適な具体例としては、ジフェニルアミン類やアルキル化フェニル-α-ナフチルアミンが挙げられ、リン系酸化防止剤の好適な具体例としては、ホスファイトが挙げられる。
本発明で使用するアミン系酸化防止剤の1つであるジフェニルアミン類は、一般式(2)で表される構造を持つものが好ましい。
一般式(2)において、R3及びR4は、水素原子又は、炭素数1〜16、より好ましくは炭素数3〜9、特に好ましくは炭素数4〜8の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。アルキル基の炭素数が16を超えると油への溶解性が低下することがあるため好ましくない。R5、R6は同一であっても、異なってもよい。これらのアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2-メチルへキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどが挙げられる。
上記ジフェニルアミン類の好適な具体例としては、ジフェニルアミン、ブチルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジブチルジフェニルアミン、オクチルブチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられる。ジフェニルアミン類は1種を単独使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本発明で使用するアミン系酸化防止剤の1つであるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミンは、一般式(3)で表される構造を持つものが好ましい。
一般式(3)において、R5は、炭素数1〜16、より好ましくは炭素数4〜8の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。R7としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2-メチルへキシル、n−オクチル、i−オクチル、t−オクチル、2-エチルへキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、i−ノニル、1−メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどが挙げられる。上記アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンの具体例として、n−ペンチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2-メチルブチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2-エチルへキシル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−オクチル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ノニル化フェニル−α−ナフチルアミン、1−メチルオクチル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ウンデシル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ドデシル化フェニル−α−ナフチルアミンが挙げられる。アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンは、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するリン系酸化防止剤の1つであるホスファイトは一般式(4)で表される構造を持つものが好ましい。
一般式(4)において、R6、R7は、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜6の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。R8、R9としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2-メチルへキシル、n−オクチル、i−オクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、i−ノニル、1−メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシル、1-ドデシル、n−トリデシル、i−トリデシル、n−テトラデシル、i−テトラデシル、n−ペンタデシル、i−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、i−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、i−ヘプタデシル、n−オクタデシル、i−オクタデシル、n−ノナデシル、i−ノナデシルなどが挙げられる。これらのホスファイトは、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の酸化防止剤の配合割合は、0.05〜2.0質量%の割合である。また、この配合割合は、好ましくは0.1〜1.0質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。0.05質量%未満では十分な酸化防止能(酸化安定性)が得られないことがあり、2.0質量%を超えても効果が飽和する。
(B)成分の酸化防止剤は1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の軸受油組成物には、摩耗防止剤を含有させることが好ましい。有機脂肪酸化合物、有機脂肪酸誘導体、リン系摩耗防止剤等が挙げられ、特に限定はないが、特にリン系摩耗防止剤が好ましい。リン系摩耗防止剤の好適な具体例としては、ホスフェート、ホスファイト、アシッドホスフェート、アシッドホスフェートのアミン塩などが挙げられる。
リン系摩耗防止剤のホスフェ-トとしては、一般式(5)で表される構造をもつものが挙げられる。
Figure 2007145899
上式中、R8〜R10は、水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を示し、R8〜R10は、同一であっても異なってもよい。
R8〜R10は、好ましくは、炭素数3〜9である。炭素数が22を超えると、油への溶解性が低下することがあるため好ましくない。
上記ホスフェートの具体例には、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート等があり、例えばベンジルジフェニルホスフェート、アリルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェートおよびトリブチルフェニルホスフェート等の化合物を挙げることができる。
リン系摩耗防止剤のホスファイトとしては、一般式(6)、一般式(7)で表される構造をもつものが挙げられる。
Figure 2007145899
Figure 2007145899
上式中、R11〜R13は炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基もしくはアリールアルキル基であり、同一であっても異なっても良い。
R11〜R13は、好ましくは炭素数8〜18である。R11〜R13は、炭素数が22を超えると基油への溶解性が低下するため好ましくない。
上記ホスファイトの具体例には、トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリクレジルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイトなどの亜リン酸トリアルキルエステル類、亜リン酸ジアルキルエステル類、亜リン酸モノアルキルエステル類などが挙げられる。
リン系摩耗防止剤のアシッドホスフェートとしては、一般式(8)、一般式(9)で表される構造を持つものが挙げられる。
Figure 2007145899
Figure 2007145899
上式中、R14、R15は炭素数4以上の炭化水素基を表し、同一であっても異なっても良い。
R14、R15の具体例としては、炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、すなわちアルキル基及びアルケニル基、炭素数4〜20の芳香族炭化水素基、シクロアルキル基が挙げられる。炭素数が4以下でも20以上でも目的の性能がでない可能性がある。炭素数は好ましくは6〜18であり、より好ましくは8〜12である。
上記アシッドホスフェートの具体例としては、例えば、2-エチルへキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ジ(2-エチルへキシル)ホスフェート等が挙げられる。
本発明で使用するアシッドホスフェートのアミン塩は、アシッドホスフェートを中和して塩をつくるアルキルアミンでもよく、一般式(10)で表される構造のアルキルアミンが挙げられる。
Figure 2007145899
上式中、R16〜R18は、一価の炭化水素基又は水素原子であり、そのうち少なくとも1個は炭化水素基である。
上記のアルキルアミンの具体例は、ジブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、オレイルアミン、ココナッツアミン、牛脂アミンなどである。
これらのリン系摩耗防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用するリン系摩耗防止剤の含有割合は、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.15〜2質量%、特に好ましくは0.15〜1.5質量%である。含有割合を0.05質量%以上とすることでより高い摩耗防止性を得ることができる。一方、5質量%を超えると効果が飽和するため、5質量%程度までの添加量が好ましい。
さらに、本発明の軸受油組成物には、必要に応じて、上記以外の各種添加剤を配合することもできる。例えば、ベンゾトリアゾ-ル及びその誘導体、アルキルコハク酸誘導体などのさび止め剤、ポリアルケニルコハク酸イミドやその誘導体などの分散剤、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン、ポリメタクリレート等の流動点降下剤、オレフィンポリマー等の粘度指数向上剤等が挙げられる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
各実施例、各比較例において組成物の調製に用いた基油、添加剤成分は次のとおりである。
(A)基油
基油1として、一般式(1)のAOがエチレンオキサイドで平均nが4のポリエチレングリコールと2エチルヘキシル酸のジエステルであるポリアルキレングリコールエステルを用いた。比較のため、基油2として、ジイソオクチルアジペート、基油3として、オレイン酸2エチルへキシルを使用した。
(B)酸化防止剤
(B−i)ジフェニルアミン類
一般式(2)のR3、R4が、直鎖又は分岐鎖のC17であるアルキル化ジフェニルアミンを用いた。
(B−ii)アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン
一般式(3)のR5が、直鎖又は分岐鎖のC17であるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミンを用いた。
(B−iii)リン系酸化防止剤
一般式(4)のR6、R7が、t−ブチルであるホスファイトを用いた。
(C)摩耗防止剤
(C−i)ホスフェ-ト
一般式(5)のR8〜R10が同一のクレシル基であるホスフェートを用いた。
(C−ii)ホスファイト
一般式(6)のR11〜R13が直鎖又は分岐鎖のC1225のアルキル基であるホスファイトを用いた。
(評価方法)
軸受用潤滑油として要求される、低粘度、低蒸発性、酸化安定性、摩耗防止性について、下記の評価方法により評価した。
<動粘度>
JISK 2283動粘度試験方法により40℃動粘度を評価した。
<蒸発性>
潤滑油の熱安定性を評価する方法の一つで、JIS K 2540に制定されている熱安定度試験に準拠した試験により、蒸発減量を測定し、評価した。
試験条件 温度:120℃
時間:1000hr
<回転ボンベ式酸化安定度>(Rotating Bomb Oxidation Test、 以下RBOTと略す)
JIS K 2514に準拠し、150℃における規定の圧力低下までの時間をRBOT寿命とする。
<シェル四球試験法>
潤滑油の耐摩耗性を評価する方法の一つで、ASTMD2783に準拠して行い、耐摩耗性を摩耗径で評価した。
試験条件 回転数:1200rpm
荷重:30kgf
試験時間:30min
(実施例1〜3)
基油1に各成分を表1の上段に掲げる割合(質量%)で配合し、軸受油組成物を調製した。それらの軸受油組成物の各種性能を評価し、その結果を表1下段に示す。
(比較例1〜2)
基油2、基油3に各成分を表1の上段に掲げる割合(質量%)で配合し、軸受油組成物を調製した。この軸受油組成物の各種性能を評価し、その結果を表1下段に示す。
Figure 2007145899
基油1としてポリアルキレングリコールエステルを用いた実施例1〜3は、基油2としてジイソオクチルアジペートを用いた比較例1、基油3としてオレイン酸2エチルへキシルを用いた比較例2に比べ、熱安定度試験において低蒸発性を示している。また、実施例1〜3は、RBOT寿命も比較例1、2よりも長く、酸化安定性も優れている。

Claims (2)

  1. (A)一般式(1)
    Figure 2007145899
    (一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一でもよいし又は異なってもよく、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基から選ばれる1種または2種以上であり、nは2〜30の数である。)で表されるポリアルキレングリコールエステルを基油として含有し、
    (B)アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜2.0質量%の割合で含有し、組成物としての40℃動粘度が6〜13mm/sであることを特徴とする軸受油組成物。
  2. (B)成分のアミン系酸化防止剤が、一般式(2)
    Figure 2007145899
    (一般式(2)において、R3及びR4は、水素原子又は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)で表されるジフェニルアミン類、
    又は、一般式(3)



    Figure 2007145899
    (一般式(3)において、R5は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。)で表されるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミンであり、
    (B)成分のリン系酸化防止剤が、一般式(4)
    Figure 2007145899
    (一般式(4)において、R6及びR7は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)で表されるホスファイトである請求項1記載の軸受油組成物。
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