JP2007140479A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気光学装置において、歩留りを向上させると共に高品質な画像表示を行う。
【解決手段】電気光学物質を挟持する一対の第1基板及び第2基板と、第1基板及び第2基板の一方の基板上における画素領域に、画素部毎に形成された第1電極と、一方の基板上において、画素部に、第1電極を制御するための第1の能動素子を含む第1の画素回路と、一方の基板又は第1及び第2基板のうち他方の基板上において、画素領域に、画素部毎に、第1電極に対応して形成された第2電極と、一方の基板又は他方の基板上において、第2電極に対応して画素部に形成されると共に、対応する第2電極を制御するための第2の能動素子を含む第2の画素回路とを備える。
【選択図】図6
【解決手段】電気光学物質を挟持する一対の第1基板及び第2基板と、第1基板及び第2基板の一方の基板上における画素領域に、画素部毎に形成された第1電極と、一方の基板上において、画素部に、第1電極を制御するための第1の能動素子を含む第1の画素回路と、一方の基板又は第1及び第2基板のうち他方の基板上において、画素領域に、画素部毎に、第1電極に対応して形成された第2電極と、一方の基板又は他方の基板上において、第2電極に対応して画素部に形成されると共に、対応する第2電極を制御するための第2の能動素子を含む第2の画素回路とを備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置によれば、特許文献1に開示されているように、一対の素子基板及び対向基板間に、電気光学物質の一例である液晶が挟持されることにより構成される。
素子基板上における複数の画素が配列されてなる画素領域或いは画素アレイ領域には、走査線及びデータ線の交差に対応して画素電極を含む画素部が形成されることにより、複数の画素部がマトリクス状に平面配列される。
素子基板上における複数の画素が配列されてなる画素領域或いは画素アレイ領域には、走査線及びデータ線の交差に対応して画素電極を含む画素部が形成されることにより、複数の画素部がマトリクス状に平面配列される。
そして、各画素部には、画素スイッチング素子として、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、“TFT”と称する)が含まれる。電気光学装置の駆動時、各画素部において、走査線より走査信号が供給されることにより画素スイッチング素子がオン状態となると、データ線より画素スイッチング素子を介して画素電極に画像信号が供給される。
他方、対向基板において素子基板と対向する側には、典型的には、画素領域の概ね全体にベタ一面に、複数の画素部に共通に対向電極がベタ状に形成される。電気光学装置の駆動時、対向電極は所定電位に維持され、各画素部では、画素電極及び対向電極間の電位差に基づく印加電圧が液晶に印加される。この際、例えば、画像信号は、基準電位に対して、正極性及び負極性のいずれかに極性反転されて画素電極に供給されると共に、対向電極の電位は、画像信号の極性反転に同期して基準電位に対して極性反転されて、画像信号の電位と異なる極性となるように駆動される。尚、本明細書ではこのような駆動方法を、反転駆動の一種である「コモン振り駆動」と称して説明することもある。
より具体的には、このようなコモン振り駆動によれば、走査線に沿って配列された同一行の画素電極を同一極性の電位で、且つ相隣接する行の画素電極を互いに異なる極性の電位で駆動しつつ、係る電位極性を行毎にフレーム又はフィールド周期(即ち1垂直期間周期或いは1垂直走査周期)で反転させる、所謂「ライン反転駆動」が行われる。或いは画素領域の複数の画素部において夫々、画素電極を同一極性の電位で駆動しつつ、係る電位極性を1垂直期間周期で反転させる、所謂「面反転駆動」が行われることもある。この面反転駆動においても、ライン反転駆動と同様に、例えば行毎に、画素電極の電位が線順次に極性反転されることとなる。
しかしながら、上述したような電気光学装置によれば、その製造時、各画素部において、画素スイッチング素子を介した、走査線及びデータ線と画素電極間の電気的経路に不良が発生すると、例えば点欠陥により歩留りが低下するという問題点がある。
また、前述したようなコモン振り駆動では、対向電極の電位を極性反転させる際に、対向電極を充放電するために多量の電流を要する。よって、対向電極を高速に駆動させることが困難となるという問題点がある。また、これにより、対向電極の電位が安定せずに、各画素部で画像信号に基づく印加電圧を、安定して液晶に印加することが困難となる不都合も生じる。
更に、対向電極の電位の極性反転のタイミングに対して、各画素部における画素電極の電位の極性反転のタイミングは互いに異なる。よって、各画素部では、対向電極の電位変動に伴い、画素スイッチング素子でスイッチング制御される画素電極の電位が高くなる、所謂「プッシュアップ」が生じたり、これとは逆に、画素スイッチング素子でスイッチング制御される画素電極の電位が低くなる、所謂「プッシュダウン」が生じたりする。よって、各画素部では、画素スイッチング素子における、ソース−ドレイン間耐圧特性、オフ電流特性等の素子特性を高める必要がある。その結果、各画素部において、画素スイッチング素子を形成するための領域を確保するために、微細化が困難となると共に開口率も低下する。尚、「開口率」とは、各画素の全領域(即ち、開口領域及びそれ以外の非開口領域)に占める開口領域の面積割合をいう。
加えて、各画素部では、開口領域からの光漏れにより、通常、非開口領域に配置される画素スイッチング用のTFTにおいて、光リーク電流が生じることがある。このような光リークの程度は、TFTの性質上、画素電極を正極性で駆動する場合と、負極性で駆動する場合とでは異なってくる。よって、画素電極を正極性で駆動する場合と、負極性で駆動する場合とでは、電気光学物質に印加される印加電圧が無視し得ない程度に変化することにより、反転駆動に係る反転周期に呼応したフリッカが発生し、画像表示の品質が劣化するという問題点もある。
本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、歩留りを向上させると共に、高品質な画像表示を行うことが可能な電気光学装置及びこのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持する一対の第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の一方の基板上における画素領域に、画素部毎に形成された第1電極と、前記一方の基板上において、前記画素部に、前記第1電極を制御するための第1の能動素子を含む第1の画素回路と、前記一方の基板又は前記第1基板及び前記第2基板のうち他方の基板上において、前記画素領域に、前記画素部毎に、前記第1電極に対応して形成された第2電極と、前記一方の基板又は前記他方の基板上において、前記第2電極に対応して前記画素部に形成されると共に、対応する前記第2電極を制御するための第2の能動素子を含む第2の画素回路とを備える。
本発明の電気光学装置において、一対の第1及び第2基板は、例えば電気光学物質である液晶を介して、互いに対向配置される。そして、これら一対の基板の各々において、他方の基板と対向する側において、画素領域には、所定パターンで複数の画素部が配列されて形成される。各画素部には、一対の基板のうち一方の基板上に、第1電極が形成されると共に該第1電極を駆動するための第1の画素回路が形成される。第1の画素回路は、例えばTFTである第1の能動素子を含み、第1電極は、第1の能動素子によって制御されることにより駆動し、所定電位となる。
また、各画素部には、第1電極に対応して第2電極が形成される。各第2電極は、一対の基板のうち、第1電極が形成された一方の基板上に形成されてもよいし、一方の基板と対向する他方の基板上に形成されてもよい。
更には、各画素部には、第2電極を駆動するための第2の画素回路が形成される。各第2の画素回路は、一対の基板のうち、第2電極と同一の基板上に形成される。そして、各第2の画素回路は、例えばTFTである第2の能動素子を含み、第2電極は、第2の能動素子によって制御されることにより駆動し、所定電位となる。
尚、本発明の電気光学装置では、後述するように、第2の画素回路は、機能的に第1画素回路に代替可能で、さらにこれに加えて若しくは代えて、画素毎に第1及び第2電極を駆動可能なように、例えば一対の基板のうち第2の電極と異なる基板上に形成されてもよい。
そして、本発明の電気光学装置では、その駆動時、各画素部において、電気光学物質には、各画素に表示されるべき画像データに応じた、第1電極及び第2電極の電位差に相当する印加電圧が印加されることにより、画像表示が行われる。ここで、一対の基板のうち、第1電極及び第2電極が互いに異なる基板上に形成されている場合には、第1電極及び第2電極間の電位差に起因して、基板面に対して垂直方向の電界、所謂「縦電界」によって、電気光学物質に対して、画像データに応じた印加電圧が印加される。或いは、一対の基板のうち、第1電極及び第2電極が同一の基板上に形成されている場合には、第1電極及び第2電極間の電位差に起因して、基板面に対して並行方向の電界、所謂「横電界」によって、電気光学物質に対して、画像データに応じた印加電圧が印加される。いずれの場合にも、第1電極及び第2電極間には、これら電極間に電気光学物質として挟持される液晶において、液晶保持容量が形成される。
よって、本発明の電気光学装置では、画素領域の複数の画素部において夫々、第1の画素回路によって第1電極を互いに独立させて駆動させると共に、第2の画素回路によって第2電極を互いに独立させて駆動させることが可能となる。
従って、電気光学装置の製造時に、各画素部において、第1の画素回路において不良が生じた場合、これに対応する第2の画素回路によって第2電極の電位を調整することができる。よって、各画素部において、機能的に、不良が生じた第1の画素回路を、第2の画素回路によって代替することができる、即ち第2の画素回路を冗長回路として機能させることができる。よって、本発明の電気光学装置によれば、回路的に歩留りの低下を解消し、歩留りを向上させることが可能となる。
また、本発明の電気光学装置では、各画素部において、前述したコモン振り駆動と同様の駆動を行うようにしてもよい。即ち、各画素部において、第1電極の電位を、所定周期で基準電位に対して正極性及び負極性のいずれかに極性反転させると共に、第2電極の電位を、第1電極と異なる極性となるように、第1電極の電位を極性反転させる周期に同期して、基準電位に対して正極性及び負極性のいずれかに極性反転させる。この際、各画素部において、第1及び第2電極の各々を駆動するための電流は、既に説明したようにコモン振り駆動により対向電極の駆動に要する電流と比較して、顕著に少なくすることができる。よって、各画素部で、第1及び第2電極の電位を容易に安定させることが可能となり、高速に駆動することができる。
更に、各画素部で個別に、第1電極及び第2電極の極性反転の各々のタイミングを同期させて、行うことができるため、非選択画素において第1電極及び第2電極のうち他方の電位が変動することがなく、これら第1電極及び第2電極の各々の電位がプッシュアップ、或いはプッシュダウンすることがない。その結果、第1の画素回路における第1の能動素子及び第2の画素回路における第2の能動素子の少なくとも一方をTFTにより形成する場合も、既に説明したようなコモン振り駆動を行う場合と比較して、ソース−ドレイン間耐圧の小さいTFTで足りることになる。或いは、TFTに対して要求されるオフ電流特性は、相対的に低くてよいことになる。いずれの場合にも、TFTに要求されるトランジスタ特性等の、第1の能動素子や第2の能動素子に要求される素子特性は、相対的に低くてよいことになる。従って、各画素部において、第1の能動素子及び第2の能動素子の両方を形成するための領域をより小さくすることが可能となり、微細化すると共に開口率を向上させることが可能となる。その結果、本発明の電気光学装置では、光の利用効率を高めて輝度を向上させると共に高精細な画像表示を行うことができる。
加えて、各画素部で、第1電極及び第2電極の各々を極性反転させて駆動させる場合に、第1の能動素子及び第2の能動素子の各々をTFTにより形成することにより、第1の能動素子及び第2の能動素子において夫々同等の程度の光リークが生じるようにできる。
その結果、電気光学物質に印加される印加電圧が、第1電極及び第2電極の各々の極性反転に伴って著しく変動するのを防止することが可能となる。よって、本発明の電気光学装置では、極めて効率的に、反転駆動に係る反転周期に呼応したフリッカの発生を防止することができる。
その結果、電気光学物質に印加される印加電圧が、第1電極及び第2電極の各々の極性反転に伴って著しく変動するのを防止することが可能となる。よって、本発明の電気光学装置では、極めて効率的に、反転駆動に係る反転周期に呼応したフリッカの発生を防止することができる。
従って、以上説明したような本発明の電気光学装置によれば、歩留りを向上させると共に、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
尚、以上説明した本発明の電気光学装置では、コモン振り駆動と同様の駆動に加えて若しくは代えて、各画素部において、第1及び第2電極のいずれか一方の電位を所定値に固定すると共に、他方の電極の電位を、基準電位に対して、所定周期で正極性及び負極性のいずれかに極性反転させるように駆動するようにしてもよい。この場合でも、既に説明したように、電気光学装置において、複数の画素部に共通に対向電極を対向基板側に、画素電極と対向させて形成する構成と比較して、各画素部で、第1及び第2電極の電位を容易に安定させることが可能となり、高速に駆動することができる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第1電極に供給される第1の信号を供給すると共に、前記第2電極に供給される第2の信号を供給する信号供給回路を更に備える。
この態様によれば、本発明の電気光学装置の駆動時に、各画素部において、第1の画素回路が第1の信号に基づいて駆動されることにより、第1電極が個別に駆動されると共に、第2の画素回路が第2の信号に基づいて駆動されることにより、第2電極が個別に駆動される。よって、画素部毎に、第1及び第2電極の各々の電位を第1の信号及び第2の信号によって調整し、その電位差に基づく、電気光学物質の印加電圧を制御できる。その結果、既に説明したように、電気光学装置の画素領域において、各画素部に共通に形成された対向基板を共通電位で駆動する構成と比較して、各画素部において駆動の自由度を大きくすることが可能となる。
尚、信号供給回路は、少なくとも部分的に、例えば第1又は第2基板に外付ICとして、後付けされてもよいし、少なくとも部分的に基板上に作り込まれてもよい。
この信号供給回路を更に備える態様では、前記画素領域に形成された前記複数の画素部のうち、不良が生じた不良画素部を指定する不良画素データが記憶された不良情報格納部を更に備えており、前記信号供給回路は、前記不良情報格納部に記憶された前記不良画素データに基づいて、前記不良画素部における前記第1電極及び前記第2電極間の電圧を補正するために、前記第2の信号を調整して、前記第2の画素回路に供給するように構成してもよい。
このように構成すれば、不良情報格納部には、電気光学装置の画素領域において、所定パターンで配列された複数の画素部のうち、電気光学装置の製造時に不良が生じた不良画素部の位置を表すアドレス情報が例えば不良画素データによって示される。
ここで、不良画素部において、第1の画素回路に不良が生じた場合、第1電極は、その駆動時に所定電位に固定される。この場合、信号供給回路によって、例えば不良画素部における第1電極及び第2電極間の電位差が不良画素部で表示されるべき画像データに応じた値となるように、不良画素部における第1電極及び第2電極間の電圧を補正するための第2の信号が供給されることにより、不良画素部において、第2の画素回路は、駆動される。このように、第2電極の電位が調整されて、第1電極及び第2電極間の電位差が、不良画素部で表示すべき画像データに応じた値に調整される。これにより、電気光学装置において、正常に画像表示を行うことが可能になる。
よって、各画素部において、機能的に、不良が生じた第1の画素回路を、第2の画素回路によって代替することができる。
この、不良情報格納部を更に備える態様では、前記信号供給回路は、前記不良画素部において、前記第1の信号の電位を前記第2の信号の電位として前記第2の画素回路に供給するように構成してもよい。
このように構成すれば、不良情報格納部を簡易な構成により実現することが可能となる。例えば、画素領域に形成された複数の画素部の各々の位置を、ヒューズを第1基板及び第2基板のいずれかの基板上に配列させて、ヒューズの配列によって個別に表すことで、不良情報格納部を形成する。そして、例えば不良画素部に対応する位置を表すヒューズをレーザ等で切断することで、不良画素データを回路的に不良情報格納部に記憶させる。この場合、第2の信号として、第1の信号が不良画素部に供給されることにより、第2の画素回路は、駆動される。
このように、前述の如く不良画素部に対する対処を実際の駆動時における駆動制御によってソフトウエア的に実施するのに代えて、予め出荷前に、第1の画素回路への配線経路を第2の画素回路への配線経路へ切り替えるなど、不良画素部における配線をハードウエア的に変更することで実施してもよい。尚、不揮発性の半導体メモリ等から不良情報格納部を形成してもよい。
上述した信号供給回路を更に備える態様では、前記第1電極は、前記第1の信号によって、基準電位に対して正極性及び負極性のいずれかの電位とされると共に、前記第2電極は、前記第2の信号によって、前記第1電極と異なる極性の電位とされるように構成してもよい。
このように構成すれば、各画素部において、コモン振り駆動と同様の駆動を行うことができる。この際、各画素部において、第1及び第2電極の各々を駆動するための電流は、既に説明したようにコモン振り駆動により対向電極の駆動に要する電流と比較して、少なくすることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2電極は、前記他方の基板上に形成される。
この態様によれば、電気光学装置の駆動時、各画素部において、第1及び第2基板間に、即ち相対向する第1及び第2電極間に、液晶保持容量を形成すると共に、縦電界を優先的に発生させて、例えば電気光学物質である液晶に、印加電圧を印加することができる。
ここで、各画素部においてコモン振り駆動と同様の駆動を行う場合、第1電極及び第2電極の極性反転のタイミングを、画素部毎に個別に同期させて、行うことができる。よって、各画素部において、第1電極及び第2電極の各々の電位が、これら第1電極及び第2電極のうち他方の電位変動に伴ってプッシュアップ、或いはプッシュダウンするのを防止することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2の画素回路は、前記他方の基板上に形成されている。
この態様によれば、第1基板及び第2基板のうち、各画素部において、第1の画素回路と別の基板上に、第2の画素回路を形成することにより、第1基板及び第2基板の両方のサイズが大きくなるのを防止することができる。更に、各画素部について、微細化すると共に、開口率を向上することが可能となる。特に、第1基板上における回路や配線の構成と、第2基板上における回路や配線の構成を同一又は類似に構成することも可能となり、製造プロセスの容易化を図ることができる。
これらの第2電極或いは第2の画素回路が他方の基板上に形成されている態様では、前記一方の基板上に、前記第1画素電極に電気的に接続された第1蓄積容量を更に備え、前記他方の基板上に、前記第2画素電極に電気的に接続された第2蓄積容量を更に備え、該第2蓄積容量、前記第2電極及び前記第2の画素回路は、前記他方の基板上に形成されてもよい。
このように構成すれば、第1及び第2基板側に夫々、蓄積容量を有することで、第1及び第2画素電極における電荷の保持特性を顕著に高めることが可能となる。しかも、相互に同一又は類似である、蓄積容量、電極及び画素回路が夫々形成された第1及び第2基板を用いて、当該電気光学装置を構築することが可能となり、製造プロセスの一層の容易化を図ることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1の能動素子及び前記第2の能動素子の少なくとも一方は、薄膜トランジスタにより形成されている。
この態様によれば、各画素部において、第1電極及び第2電極間の電位差に基づいて、縦電界を優先的に発生させて、コモン振り駆動と同様の駆動を行う場合においても、TFTにより形成された第1の能動素子及び第2の能動素子のいずれか一方若しくは両方において、ソース−ドレイン間耐圧を小さくすることができる。或いは、ソース−ドレイン間耐圧やオフ電流特性に相対的に劣るTFTを採用することも可能となる。加えて、第1の能動素子及び第2の能動素子の各々をTFTにより形成することにより、第1の能動素子及び第2の能動素子において夫々同等の程度の光リークを生じさせることが可能となり、反転駆動に係る反転周期に呼応したフリッカを極めて効率的に低減できる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、歩留りを向上させると共に高品質な画像表示を行うことが可能なテレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
<1:第1実施形態>
本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、図1から図12を参照して説明する。
本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、図1から図12を参照して説明する。
<1−1:電気光学パネルの全体構成>
先ず、本発明の電気光学装置の一例たる液晶装置における、電気光学パネルの一例としての液晶パネルの全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、第1基板をその上に形成された各構成要素と共に、第2基板の側から見た液晶パネルの概略的な平面図であり、説明の便宜上、第2基板を除外して図示してある。図2は、図1のH−H'断面図であり、第2基板を含めて図示してある。ここでは、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
先ず、本発明の電気光学装置の一例たる液晶装置における、電気光学パネルの一例としての液晶パネルの全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、第1基板をその上に形成された各構成要素と共に、第2基板の側から見た液晶パネルの概略的な平面図であり、説明の便宜上、第2基板を除外して図示してある。図2は、図1のH−H'断面図であり、第2基板を含めて図示してある。ここでは、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶パネル100では、第1基板10と第2基板20とが対向配置されている。第1基板10と第2基板20との間に液晶層50が封入されており、第1基板10と第2基板20とは、本発明に係る「画素領域」の一例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。即ち、第1基板10及び第2基板20間の画像表示領域10aにおいて、シール材52によって囲まれた領域に液晶層50が封入される。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいて第1基板10若しくは第2基板20上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、第1基板10と第2基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、額縁遮光膜53が設けられる。この額縁遮光膜53は、例えば第1基板10及び第2基板20の各々に設けられた所定パターンの遮光膜により形成され、画像表示領域10aの額縁領域を規定する。但し、このような額縁遮光膜53の全部が、第1基板10及び第2基板20のいずれか一方側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
本実施形態では、第1基板10上において、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、第1基板10用の第1データ線駆動回路101a及び第1外部回路接続端子102aが第1基板10の一辺に沿って設けられている。尚、図1又は図2中には図示しないが、第1基板10上において、第1データ線駆動回路101a及び第1外部回路接続端子102aが設けられた一辺に沿ったシール領域よりも内側に、後述するような不図示の第1サンプリング回路200a等(後述の図4参照)が、第1基板10上に平面的に見て額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、第2基板20上には、不図示の不良情報格納部500を含む駆動制御部500c等(後述の図5参照)が、周辺回路の一部として設けられている。
また、第1基板10用の第1走査線駆動回路104aは、第1基板10上において、第1データ線駆動回路101a及び第1外部回路接続端子102aが設けられた一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、第1基板10上に平面的に見て額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。そして、このように画像表示領域10aの両側に設けられた2つの第1走査線駆動回路104a間を電気的に接続させるため、第1基板10の残る一辺に沿い、且つ額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105aが設けられている。
また、第2基板20上における周辺領域にも、第1基板10と同様に、第2基板20用の第2データ線駆動回路101b及び第2外部回路接続端子102bが設けられると共に、更に後述するような第2サンプリング回路200bも設けられる。加えて、第2基板20上における周辺領域にも、第1基板10と同様に、画像表示領域10aの両側に2つの第2走査線駆動回路104bが設けられると共に、これら2つの第2走査線駆動回路104b間も複数の配線105bによって電気的に接続される。
本実施形態では、第1基板10と第2基板20とは、好ましくは、上述したようなデータ線駆動回路や走査線駆動回路等の周辺回路の構成に加え、画像表示領域10aにおける構成も同様の構成を有する。そして、図2に示すように、第1基板10と第2基板20とが互いに対向配置された状態で、好ましくは、一方の対向面における各画素部の構成は、他方の対向面における対応する画素部の構成に対して、鏡に映したかの如く対称的な構成となるように形成される。尚、図2に示すように、第1基板10と第2基板20とが互いに対向配置された状態で、例えば、第1基板10側から見て、第1データ線駆動回路101a及び第1外部回路接続端子102aとは、画像表示領域10aを挟んで反対側に、第2基板20側の第2データ線駆動回路101b及び第2外部回路接続端子102bは配置される。そして、図1及び図2には図示しない上下導通端子や上下導通材が、第1基板10又は第2基板20上に適宜設けられることで、第1基板10と第2基板20との間で電気的な導通をとることができる。また、第2基板20に対して、各種信号は、第2外部回路接続端子102bを介して第1外部回路接続端子102aから独立に供給されてもよいし、或いは、少なくとも部分的に、第1外部回路接続端子102aから上下導通材を介して供給されてもよい。更に、第2基板20に対して、第1基板上で生成された何らかの信号が上下導通材を介して供給されてもよい。
このような本実施形態の液晶パネル100では、図2において、第1基板10上には、本発明に係る第1の能動素子たるTFTが画素部毎に形成されると共に、これに加えて第1走査線、第1データ線等の各種配線が作りこまれた積層構造が形成され、この積層構造上に第1電極9aが形成され、さらにその上層側に、配向膜が形成されている。また、第2基板20上においても、第1基板10と同様に、第2の能動素子たるTFTや第2走査線、第2データ線等が作り込まれた積層構造が形成され、更にはこの積層構造上に第2電極9b、及び第2電極9bより上層側に配向膜が夫々形成される。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。ここで、第1基板10及び第2基板20の少なくとも一方側において、例えば、積層構造に作りこまれた走査線やデータ線等により、各画素部の非開口領域を規定する、言い換えれば開口領域が規定される。
なお、図1及び図2には図示しないが、第1基板10及び第2基板20上には夫々、周辺回路として上述したデータ線駆動回路等に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
<1−2:電気光学装置の全体構成>
本実施形態における電気光学装置の一例たる液晶装置の全体構成について図3から図6を参照して説明する。ここに、図3は、液晶装置の全体構成を示すブロック図であり、図4は、第1基板側の電気的な構成を示すブロック図であり、図5は、第2基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態における電気光学装置の一例たる液晶装置の全体構成について図3から図6を参照して説明する。ここに、図3は、液晶装置の全体構成を示すブロック図であり、図4は、第1基板側の電気的な構成を示すブロック図であり、図5は、第2基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、液晶装置は、液晶パネル100を備えると共に、外部回路として設けられた画像信号処理回路300及びタイミング制御回路400を備える。そして、本実施形態では、既に説明したように液晶パネル100に内蔵された周辺回路である、第1及び第2データ線駆動回路101a及び101b、第1及び第2走査線駆動回路104a及び104b、更には第1及び第2サンプリング回路200a及び200bに加えて、画像信号処理回路300及びタイミング制御回路400が、本発明に係る「信号供給回路」の主要部に含まれる。尚、このような画像信号供給回路は、上述したようにその一部が液晶パネル100に内蔵されてもよいし、これに限らず信号供給回路の全部が液晶パネル100に内蔵されるようにしてもよい。或いは、これとは逆に、信号供給回路の全部を液晶パネル100の外部回路に形成し、液晶パネル100に対して外付けするようにしてもよい。
タイミング制御回路400は、液晶パネル100を駆動するための各種タイミング信号を出力するように構成されている。タイミング制御回路400の一部であるタイミング信号出力手段により、最小単位のクロックであり各画素を走査するためのドットクロックが作成され、このドットクロックに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。
また、画像信号処理回路300は、外部から1系統の入力画像データV0が入力されると、各画素部において、第1電極9aに供給される、本発明に係る「第1の信号」の一例たる第1画像信号V1及び本発明に係る「第2の信号」の一例たる、第2電極9bに供給される第2画像信号V2を夫々生成する。画像信号処理回路300において、例えば1系統の入力画像データVIDはシリアル−パラレル変換されることで相展開され、第1画像信号V1又は第2画像信号V2は6相、12相、・・・として生成される。更に、画像信号処理回路300において、第1画像信号V1及び第2画像信号V2の各々の電圧が、所定の基準電位に対して正極性及び負極性に極性反転されて、出力されるようにしてもよい。
次に、液晶パネル100における電気的な構成について、図4及び図5を参照して説明する。
先ず、図4を参照して、液晶パネル100における第1基板10側の、第2基板20に対する対向面における、第2基板20側から見た構成について説明する。既に説明したように、第1基板10上には、周辺回路として、第1走査線駆動回路104a、第1データ線駆動回路101a、及び第1サンプリング回路200aを含む内部駆動回路が設けられている。
第1走査線駆動回路104aには、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、及びYスタートパルスDYが供給される。第1走査線駆動回路104aは、YスタートパルスDYが入力されると、Yクロック信号CLY及び反転Yクロック信号CLYinvに基づくタイミングで、第1走査信号Ga1、Ga2、・・・、Gamを順次生成して出力する。
第1データ線駆動回路101aには、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号CLXinv、及びXスタートパルスDXが供給される。第1データ線駆動回路101aは、XスタートパルスDXが入力されると、Xクロック信号CLX及び反転Xクロック信号XCLXinvに基づくタイミングで、第1サンプリング信号Sa1、Sa2・・・、San−2、San−1、Sanを順次生成して出力する。
第1サンプリング回路200aは、Pチャネル型又はNチャネル型の片チャネル型TFT、若しくは相補型のTFTから構成された第1サンプリングスイッチ202aを複数備える。
第1基板10上には更に、その第1基板10の中央を占める画像表示領域10aに、縦横に配線された第1データ線114a及び第1走査線112aを備え、これらの交点に対応して画素部70がマトリクス状に複数、平面配列される。尚、本実施形態では特に、第1走査線112aの総本数をm本(但し、mは2以上の自然数)とし、第1データ線114aの総本数をn本(但し、nは2以上の自然数)として説明する。
画像信号処理回路300によって生成された第1画像信号V1は、第1基板10上における画像信号線171aに供給される。既に説明したように、画像信号処理回路300により、第1画像信号V1が6相、12相、・・・に相展開(即ち、シリアルーパラレル変換)されている場合には、これら第1画像信号V1の数に対応して、複数の画像信号線171aが形成される。そして、夫々画像信号線171aに供給された、6相、12相、・・・の第1画像信号V1は、第1サンプリング回路200aを介して、6本、12本、・・・の第1データ線114a毎に、これらの第1データ線114aに同時に供給されることとなる。これにより、第1データ線114aへの第1画像信号V1の入力をグループ毎に行うことが可能となり、駆動周波数が抑えられる。尚、図4には、簡単のため、画像信号線171aの数は1本として図示してあり、相展開された画像信号V1の供給に係る詳細な構成について、図示を省略してある。
第1データ線駆動回路101aから出力された第1サンプリング信号Sai(i=1、2、・・・、n)は、第1サンプリング回路200aの第1サンプリングスイッチ202aに順次供給され、第1サンプリング信号Saiに応じて各第1サンプリングスイッチ202aはオン状態となる。そして、画像信号線171aから第1画像信号V1が、オン状態となった第1サンプリングスイッチ202aを介して、第1データ線114aに供給される。また、第1走査線駆動回路104aから出力される第1走査信号Ga1、Ga2、・・・、Gamによって、各第1走査線112aは線順次に選択される。
次に、図5を参照して、液晶パネル100における第2基板20側の、第1基板10に対する対向面における構成について説明する。第2基板20側の周辺回路における、第2走査線駆動回路104b、第2データ線駆動回路101b、及び第2サンプリング回路200bは夫々、第1基板10側の第1走査線駆動回路104a、第1データ線駆動回路101a、及び第1サンプリング回路200aのうち対応する回路と同様の構成を有する。
また、既に説明したように、第2基板20上の画像表示領域10aにおける構成は、第1基板10上の構成と、例えば互いを鏡合わせにしたかの如く、同様の構成を有すると共に対称的に構成される。そして、第2基板20上には、第1基板10上の各第1データ線114aに対応させて第2データ線114bが配線されると共に、各第1走査線112aに対応させて第2走査線112bが第2データ線114bに交差して配線されており、これらの交差に対応して画素部70が配置される。
また、第2走査線駆動回路104bは、第1走査線駆動回路104bと同様の構成を有し、第1走査線駆動回路104bと同様に、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、及びYスタートパルスDYに基づいて駆動し、第2走査信号Gb1、Gb2、・・・、Gbmを順次生成して出力する。
よって、図4に示す各第1走査線112aの、第1走査信号Gaj(j=1、2、・・・、m)に基づく選択順序に従うと共に、その第1走査信号Gajの第1走査線112aへの出力タイミングに同期して、第2基板20上の各第2走査線112bは、第2走査線駆動回路104bから出力された第2走査信号Gbjに基づいて選択される。
また、第2データ線駆動回路101bは、第1データ線駆動回路101aと同様の構成を有し、第1データ線駆動回路101aと同様に、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号CLXinv、及びXスタートパルスDXに基づいて駆動し、第2サンプリング信号Sb1、Sb2・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnを順次生成して出力する。加えて、第2サンプリング回路200bも、第1サンプリング回路200aと同様に、第1サンプリングスイッチ202aと同様の第2サンプリングスイッチ202bが各第2データ線114bに対応して設けられている。
ここで、第2基板20上には、例えばヒューズ配列や半導体メモリなどの不揮発性の記憶・格納部から構成される、不良情報格納部500が、周辺回路の一部として第2基板20上に設けられた駆動制御部500c内に設けられている。画像信号処理回路300によって生成された第1画像信号V1及び第2画像信号V2は、駆動制御部500cに供給される。不良情報格納部500には、後述するような1以上の、本発明に係る「不良画素データ」の一例である、不良セルデータが格納されている。駆動制御部500cには、第2データ線駆動回路101bから出力される第2サンプリング信号Sbi、及び第2走査線駆動回路104bから出力される第2走査信号Gbjが入力され、不良セル即ち不良画素部に対して画像データを供給する際には、ヒューズ等の切断によって不良情報格納部500に格納された不良セルデータに基づいて、駆動制御部500cからは、第1画像信号V1及び第2画像信号V2のいずれかが出力される。
そして、このように出力された第1画像信号V1若しくは第2画像信号V2は、画像信号線171bに供給される。本実施形態では、通常の駆動時において、各第2データ線114bは第2画像信号V2に基づいて駆動されるが、後述するように、画像表示領域10aにおける複数の画素部70のうち不良が生じた不良画素部を駆動する際には、対応する第2データ線114bに対して、画像信号線171bより第2サンプリング回路200bを介して第1画像信号V1が出力される。尚、第2基板20上の画像信号171b線について、既に説明したように、第1及び第2画像信号V1及びV2が夫々6相、12相、・・・に相展開されている場合には、第1基板10上における画像信号線171aと同様に形成されると共に、画像信号線171bから各第2データ線114bへ、画像信号線171bに供給された第1画像信号V1若しくは第2画像信号V2が、第1基板10側と同様に供給されるようにしてもよい。また、図4と同様に、図5においても、画像信号線171bの数は1本として図示してある。
そして、第1データ線駆動回路101aからの第1サンプリング信号Saiの出力順序に従うと共に、その出力タイミングに同期して、第2サンプリング信号Sbiが、第2サンプリング回路200bの第2サンプリングスイッチ202bに順次供給される。よって、各第1データ線114aに対する第1画像信号V1の出力順序に従うと共に、その出力タイミングに同期して、各第2データ線114bに第1画像信号V1若しくは第2画像信号V2が出力されることとなる。
次に、図6を参照して、任意の画素部70の構成について説明する。図6は、任意の画素部70の電気的な構成を示す図である。
各画素部70は、上述したように、第1基板10上における第1データ線114a及び第1走査線112aの交差に対応し、且つ第2基板20上における第2データ線114b及び第2走査線112bの交差に対応して形成される。そして、各画素部70において、第1基板10上には、第1電極9aに加えて、第1電極9aを駆動するための第1の画素回路71aが形成される。第1の画素回路71aには、第1電極9aを、能動制御としてスイッチング制御するための、本発明に係る「第1の能動素子」の一例である第1TFT116aが含まれる。この第1TFT116aのソース電極には、第1データ線114aが電気的に接続されている一方、第1TFT116aのゲート電極には、第1走査線112aが電気的に接続されるとともに、第1TFT116aのドレイン電極には、第1電極9aが接続されている。尚、第1の能動素子として、TFTのほか、各種トランジスタ或いはTFD等のダイオードにより構成されてもよい。
また、第1の画素回路71aには、第1電極9aの電位がオフリーク電流により顕著に変動するのを防ぐために、第1蓄積容量119aが、第1電極9aと並列に、即ち液晶容量と並列に付加されている。これにより、例えば、第1電極9aの電位は、第1TFT116aより第1画像信号V1が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ第1蓄積容量119aにより保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されることとなる。第1蓄積容量119aは、固定電位側容量電極を含むと共に、図4に示す定電位に固定された容量電極113aが電気的に接続されている。
他方、第2基板20上における画素部70の構成は、第1基板10の第2基板に対する対向面側から見て、第1基板10側の構成を鏡に映したかの如く同様で且つ対称的な構成を有している。そして、第2基板20上において、各画素部70には、第2電極9bに加えて第2の画素回路71bが形成される。第2の画素回路71bは、第1の画素回路71aと同様に構成されており、第2電極9bを能動制御としてスイッチング制御するための、本発明に係る「第2の能動素子」の一例である第2TFT116bが含まれると共に、第2蓄積容量119bが含まれている。第2蓄積容量119bは、第1蓄積容量119aと同様に、固定電位側容量電極を含むと共に、図5に示す容量電極113bが電気的に接続されている。よって、本実施形態では、各画素部70において、第1電極9a及び第2電極9b間に液晶が挟持され、液晶保持容量118が形成されることとなる。
尚、本実施形態では、各画素部70において、第1電極9a及び第2電極9bは開口領域に配置されると共に、第1TFT116a及び第2TFT116bや第1蓄積容量119a及び第2蓄積容量119bは非開口領域に配置される。
そして、液晶装置の駆動時、各画素部70において、第1基板10側において、第1の画素回路71aの第1TFT116aは、第1走査線112aを介して第1走査信号Gajが供給されることによりオン状態となり、第1電極9aには第1TFT116aを介して第1データ線114aより第1画像信号V1が供給される。他方、第2基板20側においても、第2の画素回路71bが、第1の画素回路71aの駆動に同期して、第1の画素回路71aと同様に、第2走査信号Gbj及び第2画像信号V2に基づいて駆動され、第2電極9bには第2画像信号V2が供給される。
これらにより、各画素部70において、液晶には第1電極9a及び第2電極9b間の電位差に起因して、各画素において表示すべき画像データに応じた縦電界が優先的に生じ、この電位差によって規定される印加電圧が印加される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。
ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶パネル100からは第1及び第2画像信号V1及びV2に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶パネル100からは第1及び第2画像信号V1及びV2に応じたコントラストをもつ光が出射する。
よって、以上説明したような本実施形態における液晶装置によれば、各画素部70において夫々、第1電極9aを互いに独立させて駆動させると共に、第2電極9bを互いに独立させて駆動させることが可能となる。また、液晶パネル100において、第1基板10及び第2基板20のうち、各画素部70において、第1電極9a及び第1の画素回路71aと別の基板上に、第2の画素回路71bを形成することにより、第1基板10及び第2基板20の両方のサイズが大きくなるのを防止することができる。更に、各画素部70について、微細化すると共に、開口率を向上することが可能となる。
<1−3:電気光学装置の動作>
次に、図1から図6に加えて、図7及び図8を参照して、本実施形態における、電気光学装置の一例たる液晶装置の動作について説明する。
次に、図1から図6に加えて、図7及び図8を参照して、本実施形態における、電気光学装置の一例たる液晶装置の動作について説明する。
図7は、液晶装置を動作させるための各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートを示す図であり、図8は、不良情報格納部の構成及び動作について模式的に示す図である。
複数の第1走査線112aは、図4中、画像表示領域10a内に縦方向(即ち第1データ線114aの延在方向、或いはY方向、列方向)に沿って配列されている。本実施形態では、各第1走査線112aは、図4中、その配列方向に沿った順番で選択されるものとする。よって、Y方向(図5中、縦方向或いは第2データ線114bの延在方向、列方向)に沿って配列された複数の第2走査線112bも、各第1走査線112aの選択順序に従って、夫々選択される。以下では、特に、第j番目に選択される第1及び第2走査線112a及び112bに対応する画素部70に着目して説明する。
また、本実施形態では、各画素部70では、液晶においてノーマリーホワイトモードの表示が行われるものとする。また、図7において、各画素部70において、液晶によって黒色の表示を行うための、第1及び第2画像信号V1及びV2の各々によって駆動される第1及び第2電極9a及び9b間の電位差は5[V]とする。更に、第1及び第2画像信号V1及びV2の各々の電位を、7[V]及び2[V]間で変化させることによって画像表示が行われるものとする。
図7において、Yクロック信号CLYが、1水平期間の開始時に、ローレベルからハイレベルに立ち上がると、第1基板10側において、第1走査信号Gajが第1走査線駆動回路104aから、第j番目の第1走査線112aに供給される。Yクロック信号CLYは、1水平期間にハイレベルの状態にあり、第j番目の第1走査線112aは、この1水平期間において選択状態となる。また、第2基板20側において、第j番目の第2走査線112bにも、第1走査信号Gajの第j番目の第1走査線112aに対する出力タイミングに同期して、第2走査信号Gbjが第2走査線駆動回路104bから供給され、第j番目の第2走査線112bは1水平期間において選択状態となる。これにより、第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70が選択される。
その後、画像信号処理回路300から画像信号供給期間に、夫々電位が所定値に調整された第1画像信号V1及び第2画像信号V2が供給される。より具体的には、図7において、第1画像信号V1は、画像信号供給期間において、各第1データ線114aの電位を、第1データ線114a毎に調整可能なように、7[V]及び2[V]間のいずれかの値に調整されて、供給される。他方、第2画像信号V2の電位は、7[V]に固定されて供給される。
そして、画像信号供給期間において、第1基板10側において、Xクロック信号CLXのローレベルからハイレベルへの立ち上がり、或いはハイレベルからローレベルへの立ち下がりに同期して、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanが第1データ線駆動回路101aから、図4中、第1データ線114aの配列方向(即ち、図4中横方向、或いは第1走査線112aの延在方向、或いはX方向、行方向)に沿って、順次出力される。よって、第1サンプリング回路200aにおいて、各第1サンプリングスイッチ202aは、第1サンプリング信号Saiに応じて順次にオン状態となる。そして、各第1データ線114aには、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの出力順序に応じて、第1サンプリングスイッチ202aを介して順次第1画像信号V1が供給される。
他方、画像信号供給期間において、第2基板20側では、第2データ線駆動回路101bから、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnが、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの出力順序に従うと共に、各々の出力タイミングに同期して、図5中、第2データ線114bの配列方向(即ち、図5中横方向、或いは第2走査線112bの延在方向、或いはX方向、行方向)に沿って、順次出力される。尚、図5には、第1基板10の第2基板20と対向する対向面側から、第2基板20の構成を示してあるため、図4中における、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの各々の出力順序と、図5中における、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnの各々の出力順序は互いに逆となるように図示してある。
そして、第2サンプリング回路200bにおいて、各第2サンプリングスイッチ202bは、第2サンプリング信号Sbiに応じて、X方向に沿って順次にオン状態となる。これにより、各第2データ線114bには、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnの出力順序に応じ、且つ第1データ線114aへの第1画像信号V1の出力タイミングに同期して、第2サンプリングスイッチ202bを介して順次第2画像信号V2が供給される。
その結果、第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70では夫々、第1電極9aに第1画像信号V1が供給されると共に、この第1画像信号V1の供給タイミングに同期して、第2電極9bに第2画像信号V2が供給される。
ここで、液晶装置の製造時、各画素部70では、第1の画素回路71aにおいて、第1データ線114aから第1電極9aまでの間の電気的経路における短絡や断線等によって、不良が生じることがある。このように第1の画素回路71aにおいて不良が生じた画素部70は不良画素部となり、第1電極9aの電位は、例えば7[V]に固定されてしまう。
本実施形態では、図5を参照して説明したように、第2基板20上の周辺回路には、不良情報格納部500を含む駆動制御部500cが設けられている。図8において、不良情報格納部500は、画像表示領域10aに形成された複数の画素部70の各々の、第2基板20上の位置を、第2基板20上にヒューズ510を配列させて、ヒューズ510の配列によって個別に表すことで、形成されている。よって、この場合、不良情報格納部500を簡易な構成とすることができる。
そして、液晶装置の製造中や、製造後で且つ出荷前における各種検査で、試験的に液晶装置を駆動させた場合、上述したような不良画素部(即ち、不良セル)が検出されると、例えばレーザで不良画素部に対応する位置を表すヒューズ510を切断することで、不良画素部の画像表示領域10aにおける位置を表すアドレス情報を示す不良セルデータが、回路的に不良情報格納部500に記憶される。これにより、不良情報格納部500には、一以上の不良画素部の各々のアドレス情報を示す不良セルデータが、一以上格納されることとなる。
液晶装置の駆動時、駆動制御部500cに対して第2サンプリング信号Sbi及び第2走査信号Gbjが入力されると、不良情報格納部500に格納された不良セルデータに基づいて、第1基板10側において不良画素部に供給される第1画像信号V1が、第2画像信号V2に代えて、第2基板20側において画像信号線171bに供給される。よって、第2基板20側において、不良画素部に対応する第2走査線112bが、駆動制御部500cにも供給された第2走査信号Gbjによって選択された状態で、駆動制御部500cにも供給された第2サンプリング信号Sbiに応じて、第2サンプリング回路200bの第2サンプリングスイッチ202bを介して、不良画素部に対応する第2データ線114bに、第1画像信号V1が供給される。そして、更に、この第2データ線114bより不良画素部の第2の画素回路71bに、第1画像信号V1は供給される。不良画素部では、第1電極9aの電位は7[V]に固定されており、第2電極9bの電位は、第1画像信号V1に基づいて、7[V]及び2[V]間のいずれかの値に調整される。よって、不良画素部においても正常に画像表示を行うことが可能となる。
従って、本実施形態では、各画素部70において、機能的に、不良が生じた第1の画素回路71aを、第2の画素回路71bによって代替することができる、即ち第2の画素回路71bを冗長回路として機能させることができる。
尚、不良情報格納部500は、上述の如きヒューズを用いて不良セルデータを格納する形式の他、不揮発性の半導体メモリ等の形式であってもよい。後者の場合、駆動制御部500cが、予め不良情報格納部500に格納されたセルデータを参照することで、出力について、前者と同様の調整・変更を適宜に加えればよい。
次に、液晶装置に係る比較例について、図9から図11を参照して、本実施形態に係る液晶装置と異なる点についてのみ説明する。図9は、比較例に係る液晶パネルの概略的な平面図であり、図10は、図2に対応する断面部分の構成を示す断面図である。更に、図11は、比較例に係る任意の画素部の電気的な構成を示す図である。
比較例では、液晶パネル100において、特に第2基板20側の構成が、本実施形態と異なっている。即ち、第2基板20側には、第2基板20用の第2データ線駆動回路101bや第2走査線駆動回路104b等の周辺回路は設けられず、加えて、画像表示領域10aにおいて、第2データ線114b、第2走査線112b等が形成されず、更には、各画素部70において第2の画素回路71bも形成されていない。
そして、図10に示すように、第1基板10と対向する側に、例えば画像表示領域10aの概ね全体的にベタ状に形成された第2電極に相当する対向電極21が形成されており、第1基板10側に形成された複数の第1電極9aと、液晶層50を介して対向する。そして、第2基板20上において、対向電極21より上層側(即ち図10中において対向電極21より下側)に配向膜が形成される。更に、図9において、第1基板10上に、画像表示領域10aの4隅に対して上下導通端子106が配置され、これら上下導通端子106によって、対向電極21を駆動するために、第1基板10及び第2基板20間の電気的導通が確保される。
そして、このような比較例による液晶装置では、図3に示す本実施形態における液晶装置の全体構成と比較して、画像信号処理回路300からは第1画像信号V1のみが生成されて出力されると共に、対向電極21を駆動するための共通電極電位LCCを液晶パネル100に供給する電源回路が更に設けられる。これにより、比較例によれば、液晶装置の駆動時、対向電極21は、電源回路から上下導通端子106を介して供給された共通電極電位LCCのみに基づいて、複数の画素部70において共通に所定電位に維持されることとなる。
よって、図11に示すように、各画素部70では、第1基板10上に形成された第1電極9aと、複数の画素部70に例えば共通に形成され且つ共通電位に維持される対向電極21との間において、液晶保持容量118が形成される。
従って、比較例に係る液晶装置によれば、各画素部70において、第1の画素回路71aに不良が発生した場合、このような不良画素部70では正常に画像表示を行うことができなくなるため、点欠陥が生じて、歩留りの低下を招く。また本実施形態の液晶装置と比較して、第2基板20側では、画素部70毎に、対向電極21を駆動させることは不可能である。
これに対して本実施形態では、上述したように、各画素部70において、第2の画素回路71bを冗長回路として機能させることができるため、回路的に歩留りの低下を解消し、歩留りを向上させることが可能となる。また、第1基板10側における第1電極9aに加えて、第2基板20側においても、第2電極9bを、画素部70毎に互いに独立して駆動させることが可能である。よって、画素部70毎に、第1及び第2電極9a及び9bの各々の電位差に基づく、電気光学物質の印加電圧を制御できる。その結果、比較例における液晶装置の構成と比較して、各画素部70において駆動の自由度を大きくすることが可能となる。
以上説明した本実施形態では、液晶パネル100において、各第2電極9bは、第1電極9aと共に、第1基板10上の画像表示領域10aに、画素部70毎に形成されてもよい。或いは、例えば、液晶パネル100における複数の画素部70のうち一部について、第1電極9a及び第2電極9bが、図1から図6を参照して説明したように、第1基板10及び第2基板20のうち別々の基板に形成されると共に、他の画素部70については、第1基板10及び第2基板20のいずれか一方上に、第1電極9a及び第2電極9bが形成されるようにしてもよい。更には、各画素部70において、第2の画素回路71bは、第1基板10及び第2基板20のうち、第2電極20が形成された基板と異なる基板上に形成されてもよい。この場合、各画素部70において、第1の画素回路71aと第2の画素回路71bとが同一の基板上に形成されるようにしてもよい。
ここで、第1基板10及び第2基板20のうち、第1電極9a及び第2電極9bが同一の基板上に形成されている場合には、第1電極9a及び第2電極9b間の電位差に起因して、横電界が優先的に生じ、液晶に印加電圧が印加される。
<1−4:変形例>
以上説明した本実施形態に係る変形例について、図12を参照して説明する。ここに、図12は、本変形例に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
以上説明した本実施形態に係る変形例について、図12を参照して説明する。ここに、図12は、本変形例に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
図12において、不良情報格納部500は、液晶パネル100内に設けられる代わりに、画像信号処理回路300内に設けられる。画像信号処理回路300では、不良情報格納部500に格納された不良セルデータに基づいて、第1画像信号V1及び第2画像信号V2を生成する。本実施形態に係る不良情報格納部500は、例えば不揮発性の半導体メモリ等から構成されており、画像信号処理回路300では、不良情報格納部500内に格納された不良セルデータを適宜参照可能とされる。
より具体的には、画像信号処理回路300は、不良情報格納部500内に格納された不良セルデータに基いて、不良画素部に画像信号を供給するための第2サンプリング信号Sbiが、第2データ線駆動回路101bから出力されるタイミングに同期させて、第2画像信号V2に代えて第1画像信号V1を、第2基板20側の画像信号供給線171bに対して、供給する。これにより、液晶パネル100において、第2基板20側で、不良画素部に対応する第2走査線112bが、第2走査信号Gbjによって選択された状態で、第2サンプリング信号Sbiに応じて、第2サンプリング回路200bの第2サンプリングスイッチ202bを介して、不良画素部に対応する第2データ線114bに、第1画像信号V1が供給される。
また、画像信号処理回路300は、不良情報格納部500内に格納された不良セルデータに基いて、不良画素部に画像信号を供給するための第2サンプリング信号Sbiが、第2データ線駆動回路101bから出力されるタイミングに同期させて、第1画像信号V1に基づいて第2画像信号V2の電位を調整して、第2基板20側の画像信号供給線171bに対して、供給するようにしてもよい。この場合には、画像信号供給線171bより、第2サンプリング回路200bを介して、不良画素部に対応する第2データ線114bに、電位が調整された第2画像信号V2が供給され、更に第2データ線114bより、不良画素部の第2の画素回路71bを介して、第2電極9bに第2画像信号V2が供給される。これにより、第1電極9aおよび第2電極9b間の電位差が所定値に調整される。
よって、本変形例では、本実施形態と同様に、各画素部70において、第2の画素回路71bを冗長回路として機能させることができる。
<2:第2実施形態>
次に、本発明の電気光学装置に係る第2実施形態について、図13から図17を参照して説明する。以下では、第2実施形態に係る電気光学装置について、第1実施形態と異なる構成や動作についてのみ、特に詳細に説明し、同様の構成や動作については重複する説明を省略すると共に、図1から図8を参照して説明することもある。
次に、本発明の電気光学装置に係る第2実施形態について、図13から図17を参照して説明する。以下では、第2実施形態に係る電気光学装置について、第1実施形態と異なる構成や動作についてのみ、特に詳細に説明し、同様の構成や動作については重複する説明を省略すると共に、図1から図8を参照して説明することもある。
第2実施形態では、電気光学装置の一例である液晶装置では、画像信号処理回路300において、第1画像信号V1及び第2画像信号V2の各々の電位が、所定の基準電位に対して高位側の正極性(+)、及び基準電位に対して低位側の負極性(−)に極性反転されて、出力される。また、第2実施形態では、第1実施形態で説明したような不良情報格納部は設けられず、各画素部70では、第2基板20側における第2の画素回路71bは冗長回路として機能しないものとして、説明する。よって、この場合、第2基板20側において、画像信号線171bには第2画像信号V2のみが、画像信号処理回路300より供給される。
図13は、第2実施形態において、液晶装置を動作させるための各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートを示す図である。以下では、特に、第(j−1)番目と第j番目とで選択される第1走査線112a及び、これら2本の第1走査線112aに対応する第2走査線112bに、対応する画素部70に着目して説明する。尚、第1実施形態と同様に、液晶においてノーマリーホワイトモードの表示が行われるものとする。
図13において、Yクロック信号CLYが、第(j−1)番目の第1走査線112a及び第2走査線112bが選択される1水平期間の開始時に、ローレベルからハイレベルに立ち上がると、第1基板10側において、第1走査信号Gaj−1が第1走査線駆動回路104aから出力されて、第(j−1)番目の第1走査線112aに供給される。また、第1走査信号Gaj−1の出力タイミングに同期して、第2基板20側における第(j−1)番目の第2走査線112bにも、第2走査信号Gbj−1が第2走査線駆動回路104bから供給される。
また、画像信号処理回路300において、この1水平期間の開始時において、4.5[V]を基準電位として、第1画像信号V1の電位は、基準電位に対して高位側の正極性(+)に極性反転されると共に、第2画像信号V2の電位は基準電位に対して低位側の負極性(−)に極性反転される。そして、第(j−1)番目の第1走査線112a及び第2走査線112bが選択される1水平期間において、第2画像信号V2の電位は2[V]に固定される。また、この第2画像信号V2の電位に対して、第1画像信号V1の電位は、画像信号供給期間において、各第1データ線114aの電位を、第1データ線114a毎に調整可能なように、7[V]及び2[V]間のいずれかの値に調整される。
そして、第(j−1)番目の第1走査線112a及び第2走査線112bが選択された状態で、画像信号供給期間に、第1基板10側において、Xクロック信号CLXのローレベルからハイレベルへの立ち上がり、或いはハイレベルからローレベルへの立ち下がりに同期して、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanが第1データ線駆動回路101aから、順次出力されて、第1サンプリング回路200aに供給される。各第1データ線114aには、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの出力順序に応じて、第1サンプリングスイッチ202aを介して順次第1画像信号V1が供給される。他方、第2基板20側では、第2データ線駆動回路101bから、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnが、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの出力順序に従うと共に、各々の出力タイミングに同期して、順次出力されて、第2サンプリング回路200bに供給される。各第2データ線114bには、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnの出力順序に応じ、且つ第1データ線114aへの第1画像信号V1の出力タイミングに同期して、第2サンプリングスイッチ202bを介して順次第2画像信号V2が供給される。
その結果、第(j−1)番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70では夫々、第1電極9aに、正極性の第1画像信号V1が供給されると共に、この第1画像信号V1の供給タイミングに同期して、第2電極9bに負極性の第2画像信号V2が供給される。その後、画像信号供給期間が終了した後、1水平期間が終了する。
続いて、次の1水平期間が開始されると、Yクロック信号CLYが、ハイレベルからローレベルに立ち下がり、第j番目の第1走査線112aが、第1走査線駆動回路104aから供給される第1走査信号Gajに基づいて、選択されると共に、第j番目の第2走査線112bが、第2走査線駆動回路104bから供給される第2走査信号Gbjに基づいて、選択される。
この1水平期間の開始時において、画像信号処理回路300では、第1画像信号V1の電位は、基準電位に対して正極性から負極性に極性反転されると共に、第2画像信号V2の電位は、基準電位に対して負極性から正極性に極性反転される。そして、第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bが選択される1水平期間において、第2画像信号V2の電位は7[V]に固定される。また、この第2画像信号V2の電位に対して、第1画像信号V1の電位は、画像信号供給期間において、各第1データ線114aの電位を、第1データ線114a毎に調整可能なように、7[V]及び2[V]間のいずれかの値に調整される。
第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bが選択された状態で、画像信号供給期間に、Xクロック信号CLXのローレベルからハイレベルへの立ち上がり、或いはハイレベルからローレベルへの立ち下がりに同期して、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanが第1データ線駆動回路101aから順次出力されると共に、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnが第2データ線駆動回路101bから順次出力される。
そして、各第1データ線114aには、第1サンプリング信号Sa1、Sa2、・・・、San−2、San−1、Sanの出力順序に応じて、第1サンプリング回路200aを介して順次第1画像信号V1が供給される。また、各第2データ線114bには、第2サンプリング信号Sb1、Sb2、・・・、Sbn−2、Sbn−1、Sbnの出力順序に応じ、且つ第1データ線114aへの第1画像信号V1の出力タイミングに同期して、第2サンプリング回路200bを介して順次第2画像信号V2が供給される。
よって、第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70では夫々、第1電極9aに、負極性の第1画像信号V1が供給されると共に、この第1画像信号V1の供給タイミングに同期して、第2電極9bに正極性の第2画像信号V2が供給される。
従って、この場合、コモン振り駆動と同様の駆動を行うことが可能となると共に、液晶装置において以下に説明するようなライン反転駆動を行うことができる。図14(a)及び図14(b)には、ライン反転駆動を説明するための模式図を示してある。
図14(a)において、図13を参照して説明したように各画素部70を駆動する場合、任意の1垂直期間において、同一の第1走査線112aに沿って配列された同一行の第1電極9aの電位は同一の極性で駆動されると共に、相隣接する行では、第1電極9aの電位は互いに異なる極性となるように駆動される。他方、各第2電極9bについても同様に、同一行の第2電極9bの電位は同一の極性で駆動されると共に、相隣接する行では、第2電極9bの電位は互いに異なる極性となるように駆動される。
その後、時間軸上で連続する、次の1垂直期間では、図14(b)に示すように、各画素部70において、行毎に、第1電極9aの電位が基準電位に対して極性反転される。また、各第2電極9bの電位も、第1電極9aと同期して、基準電位に対して極性反転される。そして、このように極性が反転された後も、互いに相隣接する行では、第1電極9aは互いに異なる極性の電位に維持されると共に、第2電極9bも相隣接する行で互いに異なる極性の電位に維持される。
ここで、図9から図11を参照して説明した比較例の構成によれば、図13を参照して説明した動作と同様にライン反転駆動を行う場合に、1水平期間毎に、共通電極電位LCCは基準電位に対して極性反転されて、第2電極たる対向電極21に供給される。よって、この場合、第1電極9aに対して第1画像信号V1が供給されている画素部70以外の画素部70では、対向電極21の電位変動に伴って、プッシュアップ又はプッシュダウンにより、第1電極9aの電位が第1画像信号V1に基づく値から変動する恐れがある。
例えば、相隣接する行に属する画素部70について、任意の1水平期間に、共通電極電位LCCは正極性側の7[V]で駆動されると共に、相隣接する行のうち一方に属する画素部70では、各第1電極9aに負極性の第1画像信号V1が供給される。その後、次の1水平期間に、共通電極電位LCCは負極性側の2[V]で駆動されると共に、相隣接する行のうち他方に属する画素部70では、各第1電極9aに正極性の第1画像信号V1が供給される。この際、既に第1画像信号V1の供給が終了した一方の行に属する画素部70では夫々、対向電極21の電位の変動に伴い、第1電極9aの電位がプッシュダウンされて、第1画像信号V1に基づく値より低くなる。
よって、仮に何らの対策も施さねば、各画素部70では、第1TFT116aのソース側とドレイン側との間の電位差が、対向電極21の電位変動に伴って大きくなる。加えて、対向電極21の電位を極性反転させる際には、多量の電流を要するために、高速に安定して駆動することは困難である。
また、仮に何らの対策も施さねば、各画素部70では、第1電極9aの電位が、正極性で駆動される場合と、負極性で駆動される場合とで、第1TFT116aの光リークの程度は異なる。その結果、各画素部70では、1垂直期間毎に、光リークに伴って第1電極9a及び第2電極9b間の電位差が変動し、更には液晶への印加電圧も変動する。その結果、フリッカが発生して画像表示の品質が劣化する。
これに対して、第2実施形態によれば、各画素部70において、第1及び第2電極9a及び9bの各々を駆動するための電流は、比較例における対向電極21の駆動に要する電流と比較して、少なくすることができる。よって、各画素部70で、第1及び第2電極9a及び9bの各々の電位を容易に安定させることが可能となり、高速に駆動することができる。
また、各画素部70では、個別に、第1及び第2電極9a及び9bの各々の電位差が制御されるため、第1電極9a及び第2電極9bの各々の極性反転のタイミングを同期させることができる。よって、各画素部70では、第1電極9a及び第2電極9bの各々の電位が、これら第1電極9a及び第2電極の9bのうち他方の電位が変動しないため、プッシュアップ、或いはプッシュダウンすることがない。よって、比較例と比較して、各画素部70において、第1の画素回路71aの第1TFT116a、及び第2の画素回路71bの第2TFT116bの両方で、ソース−ドレイン間耐圧を小さくすることができる。
その結果、各画素部70において、第1TFT116a及び第2TFT116bの両方を形成するための領域をより小さくすることが可能となり、微細化すると共に開口率を向上させることが可能となる。従って、液晶装置において、光の利用効率を高めて輝度を向上させると共に高精細な画像表示を行うことができる。
その結果、各画素部70において、第1TFT116a及び第2TFT116bの両方を形成するための領域をより小さくすることが可能となり、微細化すると共に開口率を向上させることが可能となる。従って、液晶装置において、光の利用効率を高めて輝度を向上させると共に高精細な画像表示を行うことができる。
ここで、図15は、1垂直期間周期の第1電極及び第2電極の電位の経時的変化を表す図である。尚、図15には、各画素部において黒表示を行う場合における、1垂直期間周期の第1電極9aの電位Vpix1及び第2電極9bの電位Vpix2の経時的変化を示してある。
第2実施形態では、各画素部70では、第1電極9aの電位を正極性で駆動する場合における第1TFT116の光リークの程度と、第2電極9bの電位を正極性で駆動する場合における第2TFT116bの光リークの程度とを、互いに同等とすることができる。
より具体的には、図15において、任意の画素部70では、1垂直期間と同等の時間的な長さを有する期間において、例えば、第1電極9aの電位Vpix1が正極性で駆動されると共に、第2電極9bの電位Vpix2が負極性で駆動される。この場合には、例えば、第2電極9bを駆動するための第2の画素回路71bにおける第2TFT116bの光リークの程度より大きいリークが、第1電極9aを駆動するための第1の画素回路71aで第1TFT116aによって生じる。これにより、第1電極9aの電位Vpix1は、第2電極9bと比較して、大きく変動する。
その後、第1電極9aの電位Vpix1が負極性で駆動されると共に、第2電極9bの電位Vpix2が正極性で駆動されると、第2の画素回路71bにおける第2TFT116bによって、第1電極9aの電位Vpix1が正極性で駆動される場合の第1TFT116aと同程度の光リークが生じる。この際、第1の画素回路71aにおける第1TFT116aによって、第2電極9bの電位Vpix2が負極性で駆動される場合の第2TFT116bと同程度の光リークが生じる。
よって、1垂直期間毎に、各画素部70で第1電極9aの電位と第2電極9bの電位との電位差が、これら第1及び第2電極9a及び9bの各々の極性反転に伴って、著しく変動するのを防止することが可能となる。これにより、各画素部70で、液晶への印加電圧が1垂直期間毎に著しく変動するのを防止して、フリッカが発生するのを防止することが可能となる。
従って、以上説明したような第2実施形態によれば、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
ここで、第2実施形態では、液晶装置において、面反転駆動が行われるようにしてもよい。図16(a)から図16(d)には、面反転駆動を説明するための模式図を示してある。面反転駆動では、第1基板10及び第2基板20の各々の対向面上の画像表示領域10aに、マトリクス状に配列された複数の画素部70において夫々、第1電極9aの電位は、基準電位に対して正極性及び負極性のいずれかに、1垂直期間毎に極性反転される。
他方、各画素部70において、第2電極9bの電位は、第1電極9aと異なる極性となるように、基準電位に対して1垂直期間毎に極性反転される。
他方、各画素部70において、第2電極9bの電位は、第1電極9aと異なる極性となるように、基準電位に対して1垂直期間毎に極性反転される。
即ち、図16(a)に示すように、任意の1垂直期間が終了した状態において、複数の画素部70において夫々、第1電極9aは、同一の極性即ち正極性(+)の電位に維持されている。他方、各画素部70において、第2電極9bは、第1電極9aと異なる極性である負極性(−)の電位に維持される。
続いて、この任意の1垂直期間に、時間軸上で連続する次の1垂直期間が開始されると、図16(b)及び図16(c)に示すように、第1走査線112aに沿う各行の第1電極9aは、1水平期間毎に、第1画像信号V1に基づいて、正極性(+)とは逆極性の負極性(−)の電位に線順次に極性反転される。他方、第2基板20側において、第2走査線112bに沿う各行の第2電極9bは、第2画像信号V2に基づいて、対応する第1電極9aの極性反転に夫々同期して、第1電極9aとは異なる正極性(+)の電位に線順次に極性反転される。
そして、図16(d)に示すように、この1垂直期間が終了すると、複数の第1電極9aは、共通に負極性(−)の電位に維持され、複数の第2電極9bは、共通に正極性(+)の電位に維持される。
よって、この場合、各画素部70では、個別に、第1電極9a及び第2電極9bの各々の極性反転のタイミングを同期させることができる。また、各画素部70で、1垂直期間毎に、第1電極9aの電位と第2電極9bの電位との電位差が、これら第1及び第2電極9a及び9bの各々の極性反転に伴って、著しく変動するのを防止することが可能となる。
或いは、第2実施形態では、液晶装置において、コモン振り駆動と同様の極性反転駆動に代えて、次のような他の極性反転駆動が行われるようにしてもよい。図17は、他の極性反転駆動に係る第1及び第2画像信号の信号波形を示す図である。尚、以下では、図13及び図14を参照して説明した動作と同様に、液晶装置においてライン反転駆動が行われる場合について、第(j−1)番目と第j番目とで選択される第1走査線112a及び、これら2本の第1走査線112aに対応する第2走査線112bに、対応する画素部70に着目して説明する。
図17に示すように、互いに連続する水平期間の一方では、画像信号処理回路300では、この1水平期間の開始時において、7[V]を基準電位として、第1画像信号V1の電位は、基準電位に対して高位側の正極性(+)に極性反転されると共に、第2画像信号V2の電位は基準電位である7[V]に固定される。そして、この第2画像信号V2の電位に対して、第1画像信号V1の電位は、画像信号供給期間において、各第1データ線114aの電位を、第1データ線114a毎に調整可能なように、7[V]及び12[V]間のいずれかの値に調整される。
これにより、第(j−1)番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70では夫々、第1電極9aに、正極性の第1画像信号V1が供給されると共に、この第1画像信号V1の供給タイミングに同期して、第2電極9bの電位は、第2画像信号V2に基づいて基準電位に固定される。
続いて、この1水平期間に連続する次の1水平期間では、画像信号処理回路300では、第2画像信号V2の電位を基準電位に固定したまま、第1画像信号V1の電位を、基準電位に対して正極性から負極性に極性反転する。そして、画像信号供給期間において、第2画像信号V2の電位に対して、第1画像信号V1の電位は、各第1データ線114aの電位を、第1データ線114a毎に調整可能なように、2[V]及び7[V]間のいずれかの値に調整される。
これにより、第j番目の第1走査線112a及び第2走査線112bに対応する画素部70では夫々、第1電極9aに、負極性の第1画像信号V1が供給されると共に、この第1画像信号V1の供給タイミングに同期して、第2電極9bの電位は、第2画像信号V2に基づいて基準電位に固定される。
図16又は図17に説明したように液晶装置が駆動される場合も、各画素部70において、第1及び第2電極9a及び9bの各々を駆動するための電流は、比較例における対向電極21の駆動に要する電流と比較して、少なくすることができる。よって、各画素部70で、第1及び第2電極9a及び9bの各々の電位を容易に安定させることが可能となり、高速に駆動することができる。
ここで、図17に示すように、各画素部70で第2電極9bの電位を所定電位に固定する場合には、図13及び図14を参照して説明したようにコモン振り駆動と同様の駆動を行う場合と比較して、正極性と負極性とで第1画像信号V1の電位差は大きくなる。よって、この場合、第1基板10側において、第1データ線駆動回路101a等を含む周辺回路を駆動するための電源電圧も大きくなり、周辺回路では、各種回路素子の耐圧も大きくする必要があると共に、消費電力も大きくなる。
<3;電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
<3−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図18は、プロジェクタの構成例を示す平面配置図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。これら3つのライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gは夫々液晶装置を含む液晶モジュールを用いて構成されている。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図18は、プロジェクタの構成例を示す平面配置図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。これら3つのライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gは夫々液晶装置を含む液晶モジュールを用いて構成されている。
ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gにおいて液晶パネル100は、画像信号供給回路300から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネル100によって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、ライトバルブ1110Gによる表示像は、ライトバルブ1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
<3−2:モバイル型コンピュータ>
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図19は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図19は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
<3−3;携帯電話>
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図20は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図20は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図18から図20を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
9a…第1電極、9b…第2電極、10…第1基板、10a…画像表示領域、20…第2基板、70…画素部、71a…第1の画素回路、71b…第2の画素回路、116a…第1TFT、116b…第2TFT
Claims (10)
- 電気光学物質を挟持する一対の第1基板及び第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の一方の基板上における画素領域に、画素部毎に形成された第1電極と、
前記一方の基板上において、前記画素部に、前記第1電極を制御するための第1の能動素子を含む第1の画素回路と、
前記一方の基板又は前記第1基板及び前記第2基板のうち他方の基板上において、前記画素領域に、前記画素部毎に、前記第1電極に対応して形成された第2電極と、
前記一方の基板又は前記他方の基板上において、前記第2電極に対応して前記画素部に形成されると共に、対応する前記第2電極を制御するための第2の能動素子を含む第2の画素回路と
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記第1電極に供給される第1の信号を供給すると共に、前記第2電極に供給される第2の信号を供給する信号供給回路を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記画素領域に形成された前記複数の画素部のうち、不良が生じた不良画素部を指定する不良画素データが記憶された不良情報格納部を更に備えており、
前記信号供給回路は、前記不良情報格納部に記憶された前記不良セルデータに基づいて、前記不良画素部における前記第1電極及び前記第2電極間の電圧を補正するために、前記第2の信号を調整して、前記第2の画素回路に供給すること
を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記信号供給回路は、前記不良画素部において、前記第1の信号の電位を前記第2の信号の電位として前記第2の画素回路に供給することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
- 前記第1電極は、前記第1の信号によって、基準電位に対して正極性及び負極性のいずれかの電位とされると共に、
前記第2電極は、前記第2の信号によって、前記第1電極と異なる極性の電位とされること
を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記第2電極は、前記他方の基板上に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記第2の画素回路は、前記他方の基板上に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記一方の基板上に、前記第1画素電極に電気的に接続された第1蓄積容量を更に備え、
前記他方の基板上に、前記第2画素電極に電気的に接続された第2蓄積容量を更に備え、
該第2蓄積容量、前記第2電極及び前記第2の画素回路は、前記他方の基板上に形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気光学装置。 - 前記第1の能動素子及び前記第2の能動素子の少なくとも一方は、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011024503A1 (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-03 | シャープ株式会社 | 表示パネル、表示装置及びその製造方法 |
CN104730787A (zh) * | 2013-12-18 | 2015-06-24 | 精工爱普生株式会社 | 电光装置及电子设备 |
JP2016018138A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | セイコーエプソン株式会社 | 電気光学装置、及び電子機器 |
JP2016045442A (ja) * | 2014-08-26 | 2016-04-04 | セイコーエプソン株式会社 | 電気光学装置、及び電子機器 |
-
2006
- 2006-09-19 JP JP2006252481A patent/JP2007140479A/ja not_active Withdrawn
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