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JP2007136375A - 固体の分離方法および固体の分離装置 - Google Patents

固体の分離方法および固体の分離装置 Download PDF

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JP2007136375A
JP2007136375A JP2005335268A JP2005335268A JP2007136375A JP 2007136375 A JP2007136375 A JP 2007136375A JP 2005335268 A JP2005335268 A JP 2005335268A JP 2005335268 A JP2005335268 A JP 2005335268A JP 2007136375 A JP2007136375 A JP 2007136375A
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JP2005335268A
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Yasuji Kotsutsumi
古堤泰次
Hiroyuki Kotsutsumi
古堤裕行
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YABU TOYOHIRO
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YABU TOYOHIRO
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Abstract

【課題】省エネルギーで高い分離効率が得られ、手間の掛からないコンパクトで経済的な固体の分離方法および固体の分離装置を提供する。
【解決手段】被処理流体中の固体微粒子同士を効率よく衝突・凝集させて、速やかに沈降させるようにしたもので、固体分離装置1を、固体微粒子7に強い遠心力を与えて凝集・集積させる複数個のカップ形筒体221、222、223を内蔵した円筒形の旋回分離槽2と凝集した固体微粒子7を沈降分離させる沈降分離槽3とに分離して構成し、旋回分離槽2と沈降分離層3を、被処理流体6を噴射させる一対の噴射パイプ41,42と被処理流体6の清澄流体61が旋回分離槽2の中央部を通って外部に排出される単一の清澄流体上昇パイプ5で接続する。そして固体分離装置1と流体貯留手段9とがパイプ類などによって連結されてループを形成するよう配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クーリングタワー、研磨機、研削盤などの循環冷却水、塗装ラインのブース洗浄水および廃水・汚水などの液体中に含まれて不純物となっている固体微粒子やスラッジ、あるいは工場廃ガス、焼却炉廃ガスなどの粉塵となっている固体微粒子を、高効率で、しかも経済的に、分離するサイクロン型固体の分離方法および分離装置に関するものである。
従来から液体中に含まれて不純物となっている固体微粒子の除去方法としては、濾過材を利用した濾過機、遠心力を利用した遠心分離機、液体サイクロンなどがあり、また、廃ガス中に含まれる粉塵についてはバグフィルター、電気集塵機などがある。しかしながらとくに、冷却水、切削油、洗浄水などについては繰り返し使用できることから、これらの液体をタンクに適当量貯留して循環使用することが多く、この場合の液体中に含まれる不純物は、流路に設置されたストレーナーなどのフィルターで簡易的に濾過除去する方法、炉材を用いた濾過装置(例えば、特許文献1および特許文献2参照)、および砂濾過と薬品処理を用いた装置(例えば、特許文献3および特許文献4参照)があった。
特開2002-331207号公報 特開2003-181219号公報 特開平11-128953号公報 特開2002-1392号公報
上記のような従来の簡易的なフィルターによる不純物の除去方法では、目詰まりが起こるため、フィルターの定期的な交換や洗浄およびタンク内の底部に堆積した不純物の清掃などの手間を必要とすること、洗浄水の入れ替え・放流などがあって大変不経済であった。また、濾材を用いた濾過装置では同様に濾材の洗浄や交換に手間と膨大な経費が必要であった。
本発明は、従来方法のかかる問題解決を図るとともに、近年、とくに要求されてきた省資源・省エネギー化を実現した高効率の分離装置を提供するものである。即ち、従来にない特殊構造の旋回分離装置とすることによって、手間の掛からない省エネルギーで高い分離効率が得られ、液体だけでなく排ガスなどの気体にも適用できるコンパクトで経済的な不純物である固体の分離方法および固体の分離装置を提供することを目的としたものである。
本発明は、長年にわたる濾過・分離装置の開発・設計の経験に基づき、鋭意研究の結果得られたもので、上記目的を達成するためには、第一に、被処理流体(以後、液体または気体をまとめて流体という)中の不純物である固体微粒子同士を効率よく衝突・凝集させ濃縮する必要のあること、第二には、凝集・濃縮させた固体微粒子を速やかに沈降させる必要のあること、第三には、流体中に含まれる極微量の固体微粒子をさらに分離捕捉させる必要のあること、そして第四には、不純物となる固体微粒子の生成速度および堆積速度に対応させるように被処理流体から固体微粒子を適宜、着実に分離除去する必要のあることに着目してなされたものである。
具体的には、固体分離方法に係わる第一の発明の一つ目は、圧力損失を著しく増加させることなく被処理流体を超高速の旋回流となし、当該流体中に含まれる固体微粒子に強い遠心力を作用させて衝突・凝集させ、外側方向に当該固体微粒子を移動・集積させて、さらに旋回させながら複数の逆截頭円錐形筒(以後、カップ形筒体という)内傾斜面を緩やかに下降させることである。
また、固体分離方法に係わる第一の発明の二つ目は、固体微粒子が速やかに沈降するよう、凝集・集積した上記固体微粒子を含む流体を静止もしくは緩やかに流動している流体中に大きな初速度を与えて噴射することである。
また、固体分離方法に係わる第一の発明の三つ目は、固体微粒子と分離された流体を溢流上昇させ、上記複数のカップ形筒体内を再び通過させて、上記被処理流体と向流接触させながら清澄流体となし、溢流排出させることも特定事項としている。
また、固体分離方法に係わる第一の発明の四つ目は、大量の上記被処理流体から少量の被処理流体を連続的に吸取り・圧送して上記固体微粒子のみ分離除去して、上記清澄流体は元の上記被処理流体中に返送するという一連の操作をサイクルとして連続的に行なうことを特定事項としている。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の一つ目は、上記固体分離装置は、固体微粒子に強い遠心力を与えて固体微粒子を凝集させ、そして濃縮・集積する円筒形の旋回分離槽と、凝集した固体微粒子を沈降分離させる沈降分離槽とに分離されていて、前記旋回分離槽と前記沈降分離層は、前記旋回分離槽を出た被処理流体が前記沈降分離層の上層部に噴射されるよう配設された一対の噴射パイプで接続されており、さらに前記被処理流体が前記沈降分離槽内から前記旋回分離槽の中央部を通って溢流液となって外部に排出されるよう、前記沈降分離槽と前記旋回分離槽が単一の清澄流体上昇パイプで接続されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の二つ目は、上記旋回分離槽の上部には高速旋回手段が、中央部から下部には、遠心力によって凝集された固体微粒子が緩やかに下降して濃縮・集積される濃縮集積手段が、そして下部には上記沈降分離槽に接続するための接続口が配設されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の三つ目は、上記高速旋回手段の頂部中心部には、前記被処理流体の清澄流体を溢流排出させるための流体排出パイプが前記旋回分離槽と平行且つ上向きに、そして前記旋回分離槽の外筒と前記流体排出パイプが二重管を形成するよう、適宜長さを有して配設されていること、および前記高速旋回手段の中央部には、導入された被処理流体が前記流体排出パイプの外周部に高速噴射されて高速旋回流となるよう被処理流体の流入パイプが前記旋回分離槽に対して直角に、且つ接線方向に配設されており、この流入パイプの噴出口は前記旋回分離槽の壁面側に寄っていて縦方向長方形に断面縮小されて配設されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の四つ目は、上記濃縮集積手段は、上記高速旋回手段で遠心凝集した固体微粒子を含む被処理流体や上記被処理流体の溢流液の流路となる適当寸法の口径を有する広口と適当寸法の口径を有する狭口を備えたカップ形筒体の複数個が、高さ方向に所定間隔で配設されたものであること、および当該カップ形筒体の広口口径は上記円筒形旋回分離槽の内径と同一寸法に構成されていて、このカップ形筒体のそれぞれの広口の外周面が上記円筒形旋回分離槽の内周面に所定間隔で溶接固定して配設されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の五つ目は、上記一対の噴射パイプは、上記濃縮集積手段の最上段、もしくは2段目のカップ形筒体の狭口の近傍にあって、そして上記旋回分離槽の円筒体側面に垂直で外向きに、且つ互いに反対方向に向いていて、しかもこの噴射パイプの中心を水平方向に適宜ずらして配設されていること、およびそれぞれの噴射パイプは途中で湾曲して上記沈降分離槽の上部に接続されよう配設されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の六つ目は、上記沈降分離槽は、上記旋回分離槽より大きい容積を有し、且つ上記の凝集固体微粒子が沈降分離するに充分な縦長構造のタンクであって、この沈降分離槽の上部外周部には上記一対の噴射パイプを接続する2個の導入口と、当該沈降分離槽の上部中央部には上記旋回分離槽の下部に設置された接続口に接続する1個の排出口がそれぞれ配設されており、そして当該沈降分離槽の下部には、沈降分離した固体微粒子の適当量を一時貯留させるための円錐形タンクとこの沈降分離した固体微粒子を適宜排出するためのスラッジ排出バルブが配設されていることを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するための固体分離装置に係わる第二の発明の七つ目は、上記固体分離装置と上記被処理流体の流体貯留手段とは、上記被処理流体の一部適当量を当該流体貯留手段から吸取り圧送する流体圧送手段と流量調節用バルブおよび上記流入パイプを介して連結されていること、および上記固体分離装置を出た上記清澄流体が当該流体貯留手段に返送されるよう上記清澄流体の返送パイプと上記流体排出パイプを介して連結されていて、上記固体分離装置と当該流体貯留手段との両者が流体圧送手段やパイプ類でループを形成するよう配設されていることを特定事項とするものである。
以上、説明したように、固体分離方法に係わる第一の発明および固体分離装置に係わる第二の発明によれば、省エネルギーで高い分離効率が得られ、しかもフィルター交換などの手間の掛からないコンパクトで経済的、且つ、多くの流体に適用可能な固体分離装置とすることができる。
具体的には、旋回分離槽の高速旋回手段に、被処理流体をポンプなどで高速圧送すると、流入口が断面縦長方形に縮小されているため、板状となった超高速の旋回流がこの旋回分離槽の頂部の流体排出パイプの周辺に生じ、被処理流体中に含まれる固体微粒子には強い遠心力が作用することとなる。そうすると、固体微粒子同士は衝突・凝集を繰り返すことからほとんどの粒子は捕捉されて肥大化し、外向きに移動し旋回分離槽の内壁面に集積されるため高い捕捉率となる。この凝集・集積された固体微粒子は被処理流体とともに流下して行くが、先ずは、最上段のカップ形筒体の内斜面を下降することとなる。ここで、凝集・集積した固体微粒子は斜面の円周方向に沿って回りながら下降し、流路が次第に狭くなるためさらに集積して、狭口を被処理流体とともに飛び出す。このとき、集積した固体微粒子には遠心力が強く作用しているため大部分の固体微粒子は外向きに運ばれて被処理流体とともに左右一対の噴射パイプに送り込まれて行き、このパイプの湾曲部を通って下方に配設された沈降分離槽の上部流体中に勢いよく噴射される。被処理流体とともに沈降分離槽に噴射された固体微粒子は、集積肥大化しており、さらには噴射による高い初速度を得ていることからその慣性力で沈降分離槽内の流体中を速やかに沈降して行くため、分離時間は短くなり小型化できてコンパクトな沈降分離槽ですむことになる。
また、この左右一対の噴射パイプに送り込まれなかった固体微粒子は、旋回しながら二段目、三段目のカップ形筒体に到達してそれぞれにおいて最上段と同様の挙動となって凝集・集積を繰り返して肥大化し、清澄流体上昇パイプ内を沈降して下部の沈降分離槽に入り、ここで沈降分離することからさらに捕捉率は高まり高い分離効率を示すことになる。
また、沈降分離槽に噴射され、固体微粒子と分離した清澄な被処理流体は、沈降分離槽の上部の中央部に配設された排出口へ向かって緩やかに移動し、旋回分離槽の下部と連結された清澄流体上昇パイプを通って旋回分離槽内の底部に溢流して、複数個のカップ形筒体を下から順次通り抜けることになるが、このとき沈降してくる凝集・集積した固体微粒子と向流接触することから、清澄液に残留した極微量の固体微粒子は凝集・集積した固体微粒子に捕捉されるためさらに分離効率は高くなる。
また、大量の被処理流体中には時間を経て少量ずつ不純物などの固体微粒子は生成しあるいは混入して堆積して行くものであるが、大量の被処理流体から少量の被処理流体を吸取りこれに含まれる少量の固体微粒子を分離除去するという操作を連続して行なうことによって、この堆積速度をやや上回る程度の除去速度で固体微粒子が被処理流体中から常時分離・排出されることになり、小額の経費で被処理流体は常に清澄に維持されることになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる固体分離装置の正面図を示したもので、1は本発明実施形態の固体分離装置、2は旋回分離槽、21は旋回分離手段、211は旋回分離槽の任意深さまで届く長さの清澄流体の流体排出パイプ、211aは流体排出パイプ211の流体吸込口、212は被処理流体の流入パイプ、22は濃縮集積手段、221、222および223は高さ方向に所定間隔で配設されたカップ形筒体である。3は沈降分離槽、31は円錐形タンク、32はスラッジ排出バルブ、41と42は左右一対の噴射パイプ、5は清澄流体上昇パイプで、濃縮集積手段22の接続口23と沈降分離槽3の排出口35に接続されている。33と34は左右一対の噴射パイプ41、42を沈降分離槽3に接続する導入口である。6は被処理流体、6a、6bは凝集した固体微粒子を多く含む被処理流体、61は清澄流体、62は分離された固体微粒子を含むスラッジである。
図2は、本発明の実施形態に係わる固体分離装置1の側面図を示したもので、旋回分離槽2に配設された被処理流体の流入パイプ212、および左右一対の噴射パイプ42の位置関係を説明したものである。また、213は被処理流体の流入パイプ212の噴出口であって、これの配設位置が旋回分離槽2の壁面よりであること、および断面形状が縦方向長方形に縮小されていることを示したものである。
図3は、本発明の実施形態に係わる固体分離装置1の構成要素である濃縮集積手段2の模式図であって、この濃縮集積手段22における被処理流体とこれに含まれる固体微粒子の挙動を示したものである。6は被処理流体、7は被処理流体に含まれる固体微粒子、71は固体微粒子の凝集体、72は固体微粒子の濃縮集積体、221a、221bおよび222a、222bはカップ形筒体221および222それぞれの広口と狭口であり、221cと222cはカップ形筒体221と222の筒体斜面を示したものである。
実施例1
以下、本発明の固体分離装置における分離処理工程と作用効果を図3に基づき説明する。
被処理流体6より比重の大きい固体微粒子7を大量に含む被処理流体6は、ポンプなどの圧送手段によって流入パイプ212を通って旋回分離槽2の上部に配設された旋回分離手段21に送られる。この場合被処理流体6は、流入パイプ212の噴出口213の断面が旋回分離槽2の壁面接線方向に向かって縦方向長方形に縮小されているため、この壁面接線方向に勢いよく高速噴射されて清澄流体の排出パイプ211の周辺を円運動する高速の旋回流となる。そうすると、被処理流体6に含まれる固体微粒子7には強い遠心力が作用し、固体微粒子7はお互いに衝突を繰り返しながら旋回分離槽2の壁面方向に移動して凝集する。この固体微粒子7の凝集体71は次第に大きくなって下降し始め、最上段のカップ形筒体221の広口221aを経てこのカップ形筒体221の筒体斜面221c上に集積して固体微粒子の濃縮集積層72を形成することとなる。この濃縮集積層72も次第に大きくなりその重みで筒体斜面221c上を緩やかにずり落ちてカップ形筒体221の狭口221bより落下して行くことになるが、このとき、濃縮集積層72を構成する凝集体71は、下降する被処理流体6の旋回流に乗って外向き方向に運ばれ、被処理流体6aおよび6bとなって最上段のカップ形筒体221の狭口221bの近傍に配設された左右一対の噴射パイプ41および42に流れ込むこととなる。
こうすることによって、大部分の固体微粒子の凝集体71は噴射パイプ41および42を通って下部に配設された沈降分離槽3に勢いよく送り込まれて速やかに沈降分離して行くが、噴射パイプ41および42に到達し得なかった一部の固体微粒子の凝集体71は、二段目のカップ形筒体222の広口222aを通って斜面222c上に再び集積して行き、次第に大きくなってずり落ちて狭口222bより落下して同様に三段目のカップ形筒体223に集積し、そしてこれの狭口と清澄流体上昇パイプ5内を沈降して下方の沈降分離槽3内に入り込み重力により沈降して行く。
これらのことから、被処理流体6中の固体微粒子7は確実に捕捉され、そして速やかに沈降分離することになり、高い分離効率が得られると同時に分離槽は小型化できて装置全体はコンパクトとなる。
上記図3では、上記流体排出パイプ211の吸込口211aは、上記最上段のカップ形筒体221の上方に配設されているが、この吸込口211a位置は上記2段目のカップ形筒体222、もしくは上記3段目のカップ形筒体223の上方、あるいは下方に配設されてもよく、この吸込口221aの位置は、被処理流体に含まれる固体微粒子の性質により、実験的に決められるものである。
実施例2
次に、本発明の固体分離装置を用いた固体分離システムにおける処理工程について説明する。
一般に、クーリングタワーを用いた冷却系統には、長年にわたる冷却水の循環使用によって、水中の無機質および配管材の錆などが濃縮されて生成した不溶性の酸化物であるスケールや土砂・塵芥および藻類などが不純物となって濃縮し蓄積されてくる。これらの不純物はクーリングタワーの充填材および設備の熱交換器の伝熱面に堆積して冷却機能の著しい低下、あるいは配管系の内壁に堆積して閉塞の原因となるなどの問題があった。このため、少なくとも毎月1回は充填材の表面や冷却水タンクの洗浄と異物除去および配管系の洗浄が避けられない状況にあったし、状況によっては冷却水の入れ替えの必要もあった。
図4は、本発明の固体分離装置を用いた固体分離システムの実施形態を示したもので、1は本発明の固体分離装置、6は被処理流体、61は清澄流体、62は固体微粒子を含むスラッジ、8は温水を空気にて冷却するクーリングタワー、81は充填材、82は水補給手段、9は被処理流体の流体貯留手段となるクーリングタワーの冷却水タンク、91は被処理流体である冷却水、92は冷却水中に浮遊および堆積して不純物となっている固体微粒子、10は流体圧送手段である水ポンプ、93は温水、101は冷却水91を冷却用水として工場もしくはビルの施設に供給する供給側輸送パイプ、102は冷却水91の一部を被処理流体6として固体分離装置1に供給する供給パイプ、102aは流量調節用バルブ、103は固体分離装置1を出た清澄流体61を冷却水タンク9に戻す返送パイプ、104は工場もしくはビルの施設で熱交換してきた温水93をクーリングタワー8に戻す戻り側輸送パイプである。
従来では、クーリングタワー8の冷却水タンク9の水中の浮遊物および底部に沈殿・堆積している固体微粒子92は、水ポンプ10、供給側輸送パイプ101によって冷却水91とともに冷却水タンク9より運び出されて工場などの冷却施設に送られて後、温水93中に含まれたまま、戻り側輸送パイプ104を通って、クーリングタワー8の頂部に供給され、そして、充填材81の表面を温水とともに流下して冷却されて、再び冷却水タンク9内に滞留することとなった。しかしながら、供給側輸送パイプ101の途中に分岐した供給パイプ102と流量調節用バルブ102aを設けて、冷却水91の一部の適当量を被処理流体6となして固体分離装置1に供給するようにする。
そうすると、不純物である固体微粒子92は、前述した本発明の固体分離装置1の作用によって被処理流体6中より分離されてスラッジ62となり、冷却系外に排出されることになり、一方、固体微粒子92を除去された被処理流体6の清澄流体61は、返送パイプ103を通って冷却水タンク9に戻されて、再び冷却水として循環使用される。
水ポンプ10の稼働中は、適当量の被処理流体6が固体分離装置1に供給されるよう、バルブ102aを常時適切な開度にしておくと、供給パイプ102を通って圧送された被処理流体中に含まれる不純物92は少量ずつではあるが除去され、スラッジ62となって系外に排出されることになる。
この一連の操作がサイクルとして連続的に行なわれることで冷却水に含まれている固体微粒子や冷却水タンク9に堆積した固体微粒子は次第に除去・排出されていき、適当時間経過後には全ての固体微粒子が除去・排出される。また、新たに発生した固体微粒子92も速やかに固体分離装置1によって分離・除去されることになるため、常時、不純物を含まない清澄な冷却水を得ることができる。
次に、本発明の固体分離装置1を、200冷凍トンの能力を有するクーリングタワー8に設置した場合の効果を、図4に基づき数値をもって具体的に説明する。このクーリングタワー8の冷却水91は工場内の空調設備や水冷式コンプレッサーに24時間常時供給され続けていて、充填材81やタンク9にはスケールや砂などの不純物92が堆積する結果となっており、これまでは月に1回から2回の清掃が行なわれていた。ところが、本発明の固体分離装置1を供給パイプ102、バルブ102aとともに設置して冷却水91の一部を循環通水したところ、設置直後から次第にタンク9内の底部に堆積していた沈殿物の固体微粒子92がなくなり数日後には冷却水は完全に清澄となった。以後、4ヶ月間を経過しているが、充填材81やタンク9内の清掃は全く行なわなくて済み、手間と費用が不要となって大変経済的となった。
実施例3
また次に、本発明の固体分離装置を用いた他の固体分離システムの実施形態について説明する。
図5は、本発明の固体分離装置を用いた他の固体分離システムの実施形態
を示したもので、1は本発明の固体分離装置、6は被処理流体、61は清澄流体、62は分離した固体微粒子を含むスラッジ、9はタンクなどの流体貯留手段、92は貯留手段9の内部に浮遊、もしくは底部に堆積した固体微粒子、10は流体圧送手段であるポンプ、101は貯留された流体を使用設備に供給する供給側輸送パイプ、102は被処理流体6の供給パイプ、103は清澄流体61の返送パイプ、104は使用流体の戻り側輸送パイプである。
一般に、工作機械、切削機、精密研磨機、および洗浄ブースなどの機械設備には、冷却水、洗浄水などの流体が繰り返し循環使用されている。図5の流体貯留手段9はこの場合の貯留タンクを示すもので、流体貯留手段9内の被処理流体6を繰り返し循環使用していると、機械設備で発生する切削くず、研磨くず、および洗浄かすなどの固体微粒子が不純物となって流体中に混入し、戻り側輸送パイプ104を通って流体貯留手段9に次第に蓄積されてくる。そうすると、被処理流体6中のこれらの不純物の混入量が多くなるため、供給側輸送パイプ1101を通って前記機械設備に供給されると機械性能および製品の品質などを損なう原因となっていた。
そこで、この不純物である固体微粒子92を含む被処理流体6の少量を、流体圧送手段10、および被処理流体の供給パイプ102によって、適宜、所定時間、本発明の固体分離装置1に供給する。そうすると、供給された固体微粒子92は分離されてスラッジ62となって系外に除去され、清澄流体61のみが返送パイプ103を通って流体貯留手段9に戻されることとなり、常に、流体貯留手段9の被処理流体6を、不純物を含まない清澄な流体に維持できることになる。このため、流体貯留手段9内の定期的な洗浄および流体の入れ替え廃棄などの必要がなくなり大変経済的となるものである。
また、上記流体貯留手段9は、工場の生産設備およびビルに併設されたタンク類に限定されるものではなく、廃水・廃ガス処理設備の沈殿槽・タンク類、および池、湖沼、河川などにも適用できるものであり、いずれにしても上記実施形態と同様の思想考え方となる。また、上記クーリングタワー8も他の設備であってよいし、さらにまた、本発明の固体分離装置は、上記流体貯留手段9および上記クーリングタワー8に固定された装置ではなくて、適宜、必要に応じて移動巡回して処理できるよう車載型の可搬式に構成されていてもよいことは言うまでもない。
本発明の実施形態に係わる固体分離装置の正面図を示す説明図である。 本発明の実施形態に係わる固体分離装置図1の側面図を示す説明図である。 本発明の実施形態に係わる固体分離装置図1を構成する濃縮集積手段の模式図である。 本発明の実施形態に係わる固体分離装置を用いた固体分離システムを示す説明図である。 本発明の実施形態に係わる固体分離装置を用いた他の固体分離システムを示す説明図である。
符号の説明
1 固体分離装置
2 旋回分離槽
21 旋回分離手段
22 濃縮集積手段
211 流体排出パイプ
211a 流体吸込口
212 流入パイプ
213 流体噴出口
221、222、223 カップ形筒体
3 沈降分離槽
41、42 一対の噴射パイプ
5 流体上昇パイプ
6 被処理流体
6a、6b 凝集した固体微粒子を含む被処理流体
61 清澄流体
62 スラッジ
7 固体微粒子
71 固体微粒子の凝集体
72 固体微粒子の濃縮集積層
8 クーリングタワー
9 流体貯留手段
91 冷却水
92 不純物などの固体微粒子
10 流体圧送手段
101 供給側輸送パイプ
102 供給パイプ
102a 流量調節用バルブ
103 返送パイプ

Claims (7)

  1. 不純物などの固体微粒子を含む被処理流体を、超高速の旋回流となして、当該固体微粒子を分離するサイクロン型固体の分離方法において、被処理流体中に含まれる固体微粒子に強い遠心力を作用させて当該固体微粒子同士を衝突・凝集させ、さらに複数の逆截頭円錐形筒(以後、カップ形筒体という)内傾斜面を緩やかに旋回下降させながら、当該固体微粒子を凝集・集積させて、当該凝集・集積した固体微粒子を含む前記被処理流体を、静止もしくは緩やかに流動している流体中に噴射して前記固体微粒子を沈降分離して後、前記被処理流体の清澄流体のみを、前記被処理流体と前記複数のカップ形筒体内を向流接触させながら通過させて、溢流排出させることを特徴とする固体の分離方法。
  2. 請求項1記載の固体の分離方法であり、上記被処理流体は、大量の被処理流体から吸取られた少量の被処理流体であって、当該被処理流体から上記固体微粒子のみ分離除去して、上記清澄流体は元の大量の前記被処理流体中に返送するという一連の操作:吸取り圧送−凝集・沈降・分離−返送、をサイクルとして連続的に行なうことを特徴とする固体の分離方法。
  3. サイクロン型固体の分離装置であって、当該固体の分離装置は、被処理流体中の固体微粒子を凝集・集積させる円筒形の旋回分離槽と、当該固体微粒子の沈降分離槽とに分離されていて、前記旋回分離槽と前記沈降分離層は、前記旋回分離槽を出た被処理流体が前記沈降分離層に噴射されるよう配設された一対の噴射パイプ、および前記清澄流体が前記沈降分離槽から前記旋回分離槽の中央部を通って外部に排出されるよう単一の上昇パイプで接続されていることを特徴とする固体の分離装置。
  4. 請求項3記載の固体の分離装置であって、上記旋回分離槽の上部には高速旋回手段が、中央部から下部には上記固体微粒子の濃縮集積手段が、下部には上記沈降分離槽と接続するための接続口が配設されていて、そして前記高速旋回手段の頂部中心部には、上記清澄流体を排出できる流体排出パイプが、上記旋回分離槽と平行で上向きに、且つ上記旋回分離槽と当該流体排出パイプが二重管を形成するよう、適宜長さを有して配設されていること、そして前記高速旋回手段の中央部には、上記被処理流体の流入パイプが、上記旋回分離槽に対して直角で接線方向に配設されており、当該流入パイプの噴出口は上記旋回分離槽の壁面側寄りであって縦方向長方形に断面縮小されていることを特徴とする固体の分離装置。
  5. 請求項3記載の固体の分離装置であって、上記濃縮集積手段は、適当寸法の口径を有する広口と適当寸法の口径を有する狭口を備えた上記カップ形筒体の複数個が高さ方向に所定間隔で配設されたものであって、そして上記カップ形筒体の広口口径は上記円筒形の旋回分離槽の内径と同一寸法に構成されていて各広口の外周面を上記旋回分離槽の内周面に溶接固定していることを特徴とする固体の分離装置。
  6. 請求項3記載の固体の分離装置であって、上記一対の噴射パイプは、最上段の上記カップ形筒体もしくは2段目の上記カップ形筒体の狭口の近傍にあって、そして上記旋回分離槽の壁面に垂直で外向きに、且つ、互いに反対方向に向いて、しかもこの噴射パイプの中心を水平方向に適宜ずらして配設されていて、途中湾曲して上記沈降分離槽と接続していること、そして上記沈降分離槽は、上記旋回分離槽より大きい容積の縦長構造のタンクであって、このタンクの上部外周部には上記一対の噴射パイプと接続する2個の導入口が、このタンクの上部中央部には上記旋回分離槽の下部の上記接続口と接続する1個の排出口が、それぞれ配設されていて、そして当該沈降分離槽の下部には円錐形タンクと排出バルブが配設されていることを特徴とする固体の分離装置。
  7. 請求項3記載の固体の分離装置であって、上記固体分離装置と上記被処理流体の流体貯留手段とは、上記流入パイプ側は上記被処理流体の一部を吸取り供給する流体圧送手段と流量調節バルブおよび流体の供給パイプを介して連結され、上記流体排出パイプ側は上記清澄流体の返送パイプを介して連結されていて、上記固体分離装置と当該流体貯留手段の両者が当該パイプ類でループを形成するよう配設されていることを特徴とする固体の分離装置。
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