JP2007130537A - 塗装物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を備える塗装物を、容易に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の塗装物の製造方法は、活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物、重合開始剤、及び艶消し材を含む活性エネルギー線硬化性塗料を、基材110の表面に塗布する塗布工程と、基材110の表面に活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面120bに、活性エネルギー線を照射する1または複数の照射工程を備えている。1または複数の照射工程のうち、第1番目の第1照射工程は、パルスUV照射装置20により、塗布面120bに、紫外線を含む活性エネルギー線を、繰り返しパルス照射する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の塗装物の製造方法は、活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物、重合開始剤、及び艶消し材を含む活性エネルギー線硬化性塗料を、基材110の表面に塗布する塗布工程と、基材110の表面に活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面120bに、活性エネルギー線を照射する1または複数の照射工程を備えている。1または複数の照射工程のうち、第1番目の第1照射工程は、パルスUV照射装置20により、塗布面120bに、紫外線を含む活性エネルギー線を、繰り返しパルス照射する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、塗装物の製造方法、特に、活性エネルギー線硬化性塗料を用いた塗装物の製造方法に関する。
従来より、活性エネルギー線硬化性塗料を用いて、基材表面をコーティングする塗膜の形成方法、塗装物の製造方法について、様々なものが提案されているが、近年、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜の形成方法、塗装物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2004−238556号公報
特開2005−47952号公報
特許文献1では、活性エネルギー線重合性モノマー、オリゴマーと、重合開始剤と、ワックス及び艶消しビーズとを含む活性エネルギー線硬化性塗料を、基材表面に塗布し、窒素ガスを注入して酸素濃度を15%未満とした容器内で、塗布面に紫外線を照射する手法が提案されている。これにより、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を形成することができると記載されている。
特許文献2では、2官能以上の活性エネルギー線重合性アクリレートモノマーと、3官能以上の活性エネルギー線重合性アクリレートオリゴマーと、重合開始剤と、ワックス及び樹脂ビーズとを含み、多孔質粒子を含まない活性エネルギー線硬化性塗料を、基材表面に塗布し、基材温度30〜80℃で活性エネルギー線を照射する手法が提案されている。これにより、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を形成することができると記載されている。
しかしながら、特許文献1の手法では、装置が高価になるため、製造コストがかかり過ぎるという課題があった。さらには、木質基材の表面に塗膜を形成する場合、木質基材の内部に含まれている空気の影響で、基材表面の酸素濃度が不均一となり、場所によっては酸素濃度が15%を超えてしまうこともある。これにより、塗膜の艶ムラが生じてしまう課題があった。
また、特許文献2の手法では、艶消し材としてワックス及び樹脂ビーズを用いるため、十分な艶消し(低光沢)外観を得ることができなかった。さらに、ワックス及び樹脂ビーズを含有させることにより、表面が滑りやすくなり、床材として用いるには安全性に欠けていた。
また、特許文献2の手法では、艶消し材としてワックス及び樹脂ビーズを用いるため、十分な艶消し(低光沢)外観を得ることができなかった。さらに、ワックス及び樹脂ビーズを含有させることにより、表面が滑りやすくなり、床材として用いるには安全性に欠けていた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を備える塗装物を、容易に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物、重合開始剤、及び艶消し材を含む活性エネルギー線硬化性塗料を、基材表面に塗布する塗布工程と、上記基材表面に上記活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面に、活性エネルギー線を照射する1または複数の照射工程と、を備える塗装物の製造方法であって、上記1または複数の照射工程のうち、第1番目の第1照射工程は、上記塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を、繰り返しパルス照射する第1照射工程である塗装物の製造方法。
本発明の製造方法では、第1照射工程(第1番目の照射工程)において、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する。紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射することにより、従来のように高圧水銀灯などで紫外線を連続照射する場合に比べて、塗膜、特に塗膜表面を十分に硬化させることができる。このため、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。
これは、次のような理由によるものと考えている。高圧水銀灯などで紫外線を連続照射する従来の手法では、発生したラジカルが周囲に存在する酸素と反応し易いため、重合反応が十分に進まず、塗膜表面を十分に硬化させることができなかったと考えている。これに対し、本発明の製造方法では、活性エネルギー線(紫外線を含む)をパルス照射することで、極めて短時間のうちに、多くのラジカルを発生させることができるので、周囲の酸素の影響を受けることなく、ラジカル重合反応を促進させることができると考えている。
さらに、その理由は明らかではないが、塗布面(艶消し材を含む)に、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射することで、塗膜の表面が低光沢となる。従って、本発明の製造方法によれば、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を備える塗装物を、容易に製造することができる。
なお、第1照射工程において、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する装置として、例えば、キセノンフラッシュランプ(具体的には、米国XENON社製のパルスUV照射装置、型式 RC−742など)を挙げることができる。
なお、第1照射工程において、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する装置として、例えば、キセノンフラッシュランプ(具体的には、米国XENON社製のパルスUV照射装置、型式 RC−742など)を挙げることができる。
なお、艶消し材としては、シリカ(二酸化ケイ素)粒子、天然鉱物などの多孔質粒子や、高分子粉砕粒子などを例示することができる。
また、基材としては、木質材、プラスチック材、金属材、無機質材など、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布できる基材であれば、いずれの材質の基材をも用いることができる。
また、基材としては、木質材、プラスチック材、金属材、無機質材など、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布できる基材であれば、いずれの材質の基材をも用いることができる。
さらに、上記の塗装物の製造方法であって、前記照射工程は、前記第1照射工程の後、前記塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を、連続照射する第2照射工程を有する塗装物の製造方法とすると良い。
紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した後、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射する(具体的には、高圧水銀灯などで紫外線を連続照射する)ことで、より一層塗膜を硬化させることが可能となる。これにより、塗膜表面の耐汚染性をさらに向上させることが可能となる。
なお、本発明の製造方法とは逆に、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した後、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した場合には、十分な艶消し(低光沢)外観、耐汚染性を得ることができない。
なお、本発明の製造方法とは逆に、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した後、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した場合には、十分な艶消し(低光沢)外観、耐汚染性を得ることができない。
さらに、上記いずれかの塗装物の製造方法であって、前記艶消し材は、多孔質粒子である塗装物の製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、艶消し材として多孔質粒子を含有する活性エネルギー線硬化性塗料を用いている。これにより、塗膜の表面を、より一層低光沢にできる。さらには、艶消し材としてワックスや樹脂ビーズを用いる場合に比べて、塗膜表面を滑り難くできる。従って、本発明の製造方法によれば、塗膜表面が滑り難い塗装物を製造できるので、床材の製造方法として好適である。
なお、多孔質粒子としては、シリカ粒子、天然鉱物、高分子粉砕粒子などを例示できる。
なお、多孔質粒子としては、シリカ粒子、天然鉱物、高分子粉砕粒子などを例示できる。
(実施例)
本発明の実施例にかかる塗装物の製造方法について説明する。本実施例では、表1に示すように、8種類の塗装物(サンプル1〜8とする)を製造した。
本発明の実施例にかかる塗装物の製造方法について説明する。本実施例では、表1に示すように、8種類の塗装物(サンプル1〜8とする)を製造した。
まず、活性エネルギー線硬化性塗料として、塗料A〜Cの3種類の塗料を用意した。
(塗料A)
85重量部の重合性化合物Aと、10重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア754)とを攪拌混合して、塗料Aを得た。なお、重合性化合物Aは、アクリレートオリゴマー40重量部、2官能アクリレートモノマー(ポリエチレングリコールジアクリレート)30重量部、単官能アクリレートモノマー(アクリロイルモルフォリン、及びエトキシジエチレングリコールアクリレート)15重量部を含有している。
(塗料A)
85重量部の重合性化合物Aと、10重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア754)とを攪拌混合して、塗料Aを得た。なお、重合性化合物Aは、アクリレートオリゴマー40重量部、2官能アクリレートモノマー(ポリエチレングリコールジアクリレート)30重量部、単官能アクリレートモノマー(アクリロイルモルフォリン、及びエトキシジエチレングリコールアクリレート)15重量部を含有している。
(塗料B)
80重量部の重合性化合物Bと、15重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア754)とを攪拌混合して、塗料Bを得た。なお、重合性化合物Bは、アクリレートオリゴマー10重量部、3官能アクリレートモノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレート)35重量部、2官能アクリレートモノマー(トリプロピレングリコールジアクリレート)10重量部、及び単官能アクリレートモノマー(アクリロイルモルフォリン)25重量部を含有している。
80重量部の重合性化合物Bと、15重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア754)とを攪拌混合して、塗料Bを得た。なお、重合性化合物Bは、アクリレートオリゴマー10重量部、3官能アクリレートモノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレート)35重量部、2官能アクリレートモノマー(トリプロピレングリコールジアクリレート)10重量部、及び単官能アクリレートモノマー(アクリロイルモルフォリン)25重量部を含有している。
(塗料C)
80重量部の重合性化合物Bと、15重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)とを攪拌混合して、塗料Cを得た。すなわち、塗料Cは、塗料Bと比較して、光重合開始剤のみが異なり、その他の成分は同一である。
80重量部の重合性化合物Bと、15重量部のシリカ粒子と、5重量部の光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)とを攪拌混合して、塗料Cを得た。すなわち、塗料Cは、塗料Bと比較して、光重合開始剤のみが異なり、その他の成分は同一である。
(サンプル1の製造)
まず、基材として、白色ポリエステル合板110(図1参照)を用意した。次いで、塗布工程に進み、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを100g/m2塗布した。
まず、基材として、白色ポリエステル合板110(図1参照)を用意した。次いで、塗布工程に進み、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを100g/m2塗布した。
次いで、照射工程に進み、塗料Aを塗布した塗布面に活性エネルギー線を照射して、塗料Aを硬化させて、塗膜を形成した。
具体的には、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20(米国XENON社製、型式 RC−742)を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量40mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
具体的には、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20(米国XENON社製、型式 RC−742)を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量40mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
詳細には、図1に示すように、搬送スピード調整可能なベルトコンベア10と、その上方に固設されたパルスUV照射装置20とを備える製造ライン30を用い、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを5m/分の搬送速度でパルスUV照射装置20の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。
この照射パスにおける活性エネルギー線の積算光量を測定したところ、20mJ/cm2であった。この照射パスを2パス行うことにより、第1照射工程として、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量40mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。なお、パルスUV照射装置20から照射される活性エネルギー線のピーク強度を測定したところ、110mW/cm2であった。
次いで、第2照射工程に進み、図2に示すように、高圧水銀灯40(アイグラフィックス社製)を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量110mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。詳細には、ベルトコンベア10と、その上方に固設された高圧水銀灯40とを備える製造ライン50を用い、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを10m/分の搬送速度で高圧水銀灯40の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。
以上のようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを硬化させてなる塗膜を有するサンプル1を製造した。なお、高圧水銀灯(アイグラフィックス社製)から照射される活性エネルギー線のピーク強度を測定したところ、90mW/cm2であった。
本実施例では、活性エネルギー線の積算光量及びピーク強度は、いずれも、積算光量計(アイグラフィックス社製、EYE UV METER UVPF−A1 PD365)を用いて測定した。
本実施例では、活性エネルギー線の積算光量及びピーク強度は、いずれも、積算光量計(アイグラフィックス社製、EYE UV METER UVPF−A1 PD365)を用いて測定した。
(サンプル2の製造)
サンプル2は、表1に示すように、サンプル1と比較して、第2照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル1と同様にして、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量40mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
サンプル2は、表1に示すように、サンプル1と比較して、第2照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル1と同様にして、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量40mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
次いで、第2照射工程に進み、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。但し、サンプル1とは異なり、照射パスを2パス行うことにより、積算光量を220mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを硬化させてなる塗膜を有するサンプル2を製造した。
(サンプル3の製造)
まず、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、第1照射工程に進み、図1に示すように、パルスUV照射装置20を用い、塗料Bを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。詳細には、図1に示すように、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを、サンプル1,2とは異なり、10m/分の搬送速度でパルスUV照射装置20の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。この照射パスにおける活性エネルギー線の積算光量を測定したところ、10mJ/cm2であった。この照射パスを3パス行うことにより、塗料Bを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
まず、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、第1照射工程に進み、図1に示すように、パルスUV照射装置20を用い、塗料Bを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。詳細には、図1に示すように、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを、サンプル1,2とは異なり、10m/分の搬送速度でパルスUV照射装置20の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。この照射パスにおける活性エネルギー線の積算光量を測定したところ、10mJ/cm2であった。この照射パスを3パス行うことにより、塗料Bを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
次いで、第2照射工程に進み、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、塗布面120bに、積算光量110mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。詳細には、サンプル1と同様に、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを10m/分の搬送速度で高圧水銀灯40の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル3を製造した。
(サンプル4の製造)
サンプル4は、表1に示すように、サンプル3と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル3と同様にして、塗料Bを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。但し、サンプル3とは異なり、照射パスを2パス行うことにより、積算光量を20mJ/cm2とした。
サンプル4は、表1に示すように、サンプル3と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル3と同様にして、塗料Bを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。但し、サンプル3とは異なり、照射パスを2パス行うことにより、積算光量を20mJ/cm2とした。
次いで、第2照射工程に進み、サンプル3と同様に、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量110mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル4を製造した。
(サンプル5の製造)
サンプル5も、表1に示すように、サンプル3と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル3と同様にして、塗料Bを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。但し、サンプル3とは異なり、照射パスを1パスのみ行うことにより、積算光量を10mJ/cm2とした。
サンプル5も、表1に示すように、サンプル3と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、パルスUV照射装置20を用い、サンプル3と同様にして、塗料Bを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。但し、サンプル3とは異なり、照射パスを1パスのみ行うことにより、積算光量を10mJ/cm2とした。
次いで、第2照射工程に進み、サンプル3と同様に、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、塗料Aを塗布した塗布面120bに、積算光量110mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル5を製造した。
(サンプル6の製造)
まず、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、第1照射工程に進み、図1に示すように、パルスUV照射装置20を用い、塗料Cを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。詳細には、サンプル3と同様に、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを、10m/分の搬送速度でパルスUV照射装置20の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。この照射パスを3パス行うことにより、塗料Cを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
まず、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、第1照射工程に進み、図1に示すように、パルスUV照射装置20を用い、塗料Cを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。詳細には、サンプル3と同様に、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを、10m/分の搬送速度でパルスUV照射装置20の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。この照射パスを3パス行うことにより、塗料Cを塗布した塗布面120bに、積算光量30mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射した。
次いで、第2照射工程に進み、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、塗布面120bに、積算光量220mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。詳細には、サンプル2と同様に、ベルトコンベア10上に載置したサンプルを10m/分の搬送速度で高圧水銀灯40の下方を移動させつつ、サンプルの塗布面120b全体にわたり、紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。この照射パスを2パス行うことにより、積算光量220mJ/cm2の活性エネルギー線を連続照射した。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル6を製造した。
(サンプル7の製造)
サンプル7は、表1に示すように、サンプル6と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、サンプル1と同様に、搬送速度5m/分でサンプルを移動させつつ、パルスUV照射装置20により、塗料Cを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。この照射パスを1パス行うことにより、積算光量を20mJ/cm2とした。
サンプル7は、表1に示すように、サンプル6と比較して、第1照射工程での積算光量を変更して製造した点のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、サンプル1と同様に、搬送速度5m/分でサンプルを移動させつつ、パルスUV照射装置20により、塗料Cを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。この照射パスを1パス行うことにより、積算光量を20mJ/cm2とした。
次いで、第2照射工程に進み、図2に示すように、高圧水銀灯40を用い、サンプル6と同様にして、塗布面120bに積算光量220mJ/cm2の紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射した。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル7を製造した。
(サンプル8の製造)
サンプル8は、表1に示すように、サンプル6と比較して、第1照射工程での積算光量を変更し、その後、第2照射工程を行うことなく製造した点が異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、サンプル6と同様に、搬送速度10m/分でサンプルを移動させつつ、パルスUV照射装置20により、塗料Cを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。この照射パスを10パス行うことにより、積算光量を100mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル8を製造した。
サンプル8は、表1に示すように、サンプル6と比較して、第1照射工程での積算光量を変更し、その後、第2照射工程を行うことなく製造した点が異なり、その他については同様である。
具体的には、塗布工程において、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを100g/m2塗布した。次いで、図1に示すように、第1照射工程において、サンプル6と同様に、搬送速度10m/分でサンプルを移動させつつ、パルスUV照射装置20により、塗料Cを塗布した塗布面120bに紫外線を含む活性エネルギー線を、10パルス/秒で繰り返しパルス照射した。この照射パスを10パス行うことにより、積算光量を100mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル8を製造した。
(比較例)
本発明の実施例との比較のため、比較例として、表1に示すように、4種類の塗装物(サンプル9〜12とする)を製造した。具体的には、本比較例では、実施例と異なり、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程のみを行って、塗膜を形成している。
本発明の実施例との比較のため、比較例として、表1に示すように、4種類の塗装物(サンプル9〜12とする)を製造した。具体的には、本比較例では、実施例と異なり、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程のみを行って、塗膜を形成している。
(サンプル9の製造)
サンプル9は、実施例のサンプル1と比較して、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程では積算光量のみを変更し、その他については同様にして製造した(表1参照)。第2照射工程では、サンプル1の製造で行った照射パスを3パス行うことにより、積算光量を330mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを硬化させてなる塗膜を有するサンプル9を製造した。
サンプル9は、実施例のサンプル1と比較して、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程では積算光量のみを変更し、その他については同様にして製造した(表1参照)。第2照射工程では、サンプル1の製造で行った照射パスを3パス行うことにより、積算光量を330mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Aを硬化させてなる塗膜を有するサンプル9を製造した。
(サンプル10の製造)
サンプル10は、実施例のサンプル3と比較して、第1照射工程を行うことなく、その他については同様にして製造した(表1参照)。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル10を製造した。
サンプル10は、実施例のサンプル3と比較して、第1照射工程を行うことなく、その他については同様にして製造した(表1参照)。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル10を製造した。
(サンプル11の製造)
サンプル11は、実施例のサンプル3と比較して、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程では積算光量のみを変更して、その他については同様にして製造した(表1参照)。第2照射工程では、サンプル3の製造で行った照射パスを3パス行うことにより、積算光量を330mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル11を製造した。
サンプル11は、実施例のサンプル3と比較して、第1照射工程を行うことなく、第2照射工程では積算光量のみを変更して、その他については同様にして製造した(表1参照)。第2照射工程では、サンプル3の製造で行った照射パスを3パス行うことにより、積算光量を330mJ/cm2とした。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Bを硬化させてなる塗膜を有するサンプル11を製造した。
(サンプル12の製造)
サンプル12は、実施例のサンプル6と比較して、第1照射工程を行うことなく、その他については同様にして製造した(表1参照)。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル12を製造した。
サンプル12は、実施例のサンプル6と比較して、第1照射工程を行うことなく、その他については同様にして製造した(表1参照)。このようにして、白色ポリエステル合板110の表面に、塗料Cを硬化させてなる塗膜を有するサンプル12を製造した。
(表面光沢の測定)
上述のように製造したサンプル1〜12について、それぞれ、塗膜表面の光沢を測定した。具体的には、光沢計(HORIBA製、IG−310)を用いて、塗膜表面の光沢を測定し、0〜100グロスで示した。なお、光沢測定条件は、入射角60°〜受光角60°である。サンプル1〜8(実施例)の測定結果を表1、サンプル9〜12(比較例)の測定結果を表1に示す。
上述のように製造したサンプル1〜12について、それぞれ、塗膜表面の光沢を測定した。具体的には、光沢計(HORIBA製、IG−310)を用いて、塗膜表面の光沢を測定し、0〜100グロスで示した。なお、光沢測定条件は、入射角60°〜受光角60°である。サンプル1〜8(実施例)の測定結果を表1、サンプル9〜12(比較例)の測定結果を表1に示す。
実施例のサンプル1〜8は、表1に示すように、いずれも14グロス以下となり、塗膜表面が低光沢であった。これに対し、比較例のサンプル9〜12は、表1に示すように、いずれも17グロス以上となり、実施例のサンプル1〜8に比べて、塗膜表面に光沢があった。
詳細には、塗料Aを用いたサンプル9(比較例)とサンプル1,2(実施例)とを比較すると、サンプル9(比較例)では38グロスであったのに対し、サンプル1,2(実施例)では、11,14グロスとなり、表面光沢を大きく低減することができた。
詳細には、塗料Aを用いたサンプル9(比較例)とサンプル1,2(実施例)とを比較すると、サンプル9(比較例)では38グロスであったのに対し、サンプル1,2(実施例)では、11,14グロスとなり、表面光沢を大きく低減することができた。
さらに、塗料Bを用いたサンプル10,11(比較例)とサンプル3,4,5(実施例)とを比較すると、サンプル10,11(比較例)では39,28グロスであったのに対し、サンプル3,4,5(実施例)では、9,11,13グロスとなり、表面光沢を大きく低減することができた。
さらに、塗料Cを用いたサンプル12(比較例)とサンプル6,7,8(実施例)とを比較すると、サンプル12(比較例)では17グロスであったのに対し、サンプル6,7,8(実施例)では、9,10,10グロスとなり、表面光沢を大きく低減することができた。
さらに、塗料Cを用いたサンプル12(比較例)とサンプル6,7,8(実施例)とを比較すると、サンプル12(比較例)では17グロスであったのに対し、サンプル6,7,8(実施例)では、9,10,10グロスとなり、表面光沢を大きく低減することができた。
以上のように、いずれの塗料を用いて塗膜を形成した場合でも、比較例に比べて、実施例のほうが塗膜表面を低光沢にすることができた。従って、第1番目の照射工程(第1照射工程)において、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射することで、塗膜の表面を低光沢にすることができるといえる。
さらに、実施例のサンプル3〜5を比較する。これらのサンプルは、いずれも、塗料Bを塗布し、第1照射工程及び第2照射工程を行っている点で共通しているが、第1照射工程における積算光量がそれぞれ異なっている。具体的には、第1照射工程における積算光量は、サンプル5では10mJ/cm2、サンプル4では20mJ/cm2、サンプル3では30mJ/cm2とした。これらのサンプルの塗膜の表面光沢を比較すると、表1に示すように、サンプル5では13グロス、サンプル4では11グロス、サンプル3では9グロスとなった。この結果より、第1照射工程(紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する工程)における積算光量を増大させるにしたがって、塗膜の表面を低光沢にすることができるといえる。
(耐汚染性の評価)
次に、サンプル1〜12について、それぞれ、塗膜の耐汚染性試験を行った。具体的には、黒油性マーカー(マッキー、ゼブラ製)で、各サンプルの塗膜に黒インキを塗布し、4時間放置した後、プラスチック製消しゴムで、黒インキ塗布面を擦った。その後、各サンプルの汚染跡(黒インキの跡)を調査し、それぞれの汚染跡を、4段階で評価した。具体的には、黒インキが全く残っていない場合は「◎」、僅かに黒インキが残っているがほとんど目立たない場合は「○」、黒インキが残っており少し目立つ場合は「△」、黒インキの跡が目立つ場合は「×」で評価した。サンプル1〜8(実施例)の結果を表1、サンプル9〜12(比較例)の結果を表1に示す。
次に、サンプル1〜12について、それぞれ、塗膜の耐汚染性試験を行った。具体的には、黒油性マーカー(マッキー、ゼブラ製)で、各サンプルの塗膜に黒インキを塗布し、4時間放置した後、プラスチック製消しゴムで、黒インキ塗布面を擦った。その後、各サンプルの汚染跡(黒インキの跡)を調査し、それぞれの汚染跡を、4段階で評価した。具体的には、黒インキが全く残っていない場合は「◎」、僅かに黒インキが残っているがほとんど目立たない場合は「○」、黒インキが残っており少し目立つ場合は「△」、黒インキの跡が目立つ場合は「×」で評価した。サンプル1〜8(実施例)の結果を表1、サンプル9〜12(比較例)の結果を表1に示す。
実施例のサンプル1〜8は、表1に示すように、いずれも、汚染跡の評価が「◎」または「○」となり、耐汚染性が良好であった。これに対し、比較例のサンプル9〜12は、表1に示すように、いずれも、汚染跡の評価が「×」または「△」となり、耐汚染性が好ましくなかった。
詳細には、塗料Aを用いたサンプル9(比較例)とサンプル1,2(実施例)とを比較すると、サンプル9(比較例)では、汚染跡の評価が「×」と耐汚染性が悪かったのに対し、サンプル1,2(実施例)では、いずれも汚染跡の評価が「○」となり、耐汚染性を大きく向上させることができた。
詳細には、塗料Aを用いたサンプル9(比較例)とサンプル1,2(実施例)とを比較すると、サンプル9(比較例)では、汚染跡の評価が「×」と耐汚染性が悪かったのに対し、サンプル1,2(実施例)では、いずれも汚染跡の評価が「○」となり、耐汚染性を大きく向上させることができた。
さらに、塗料Bを用いたサンプル10,11(比較例)とサンプル3,4,5(実施例)とを比較する。サンプル10,11では、いずれも汚染跡の評価が「△」と耐汚染性が好ましくなかったのに対し、サンプル3では「◎」、サンプル4,5では「○」となり、耐汚染性を大きく向上させることができた。
さらに、塗料Cを用いたサンプル12(比較例)とサンプル6,7,8(実施例)とを比較する。サンプル12では、汚染跡の評価が「△」と耐汚染性が好ましくなかったのに対し、サンプル6では「◎」、サンプル7,8では「○」となり、耐汚染性を大きく向上させることができた。
さらに、塗料Cを用いたサンプル12(比較例)とサンプル6,7,8(実施例)とを比較する。サンプル12では、汚染跡の評価が「△」と耐汚染性が好ましくなかったのに対し、サンプル6では「◎」、サンプル7,8では「○」となり、耐汚染性を大きく向上させることができた。
以上のように、いずれの塗料を用いて塗膜を形成した場合でも、比較例に比べて、実施例のほうが耐汚染性を良好にすることができた。従って、第1番目の照射工程(第1照射工程)において、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射することで、塗膜の耐汚染性を良好にすることができるといえる。
さらに、実施例のサンプル3〜5を比較する。これらのサンプルは、いずれも、塗料Bを塗布し、第1照射工程及び第2照射工程を行っている点で共通しているが、第1照射工程における積算光量がそれぞれ異なっている。具体的には、第1照射工程における積算光量は、サンプル5では10mJ/cm2、サンプル4では20mJ/cm2、サンプル3では30mJ/cm2とした。これらのサンプルの塗膜の耐汚染性を比較すると、表1に示すように、サンプル4,5では「○」の評価であったのに対し、サンプル3では「◎」の評価となり、耐汚染性をさらに向上させることができた。
この結果より、第1照射工程(紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する工程)における積算光量を増大させるにしたがって、塗膜の耐汚染性を向上させることができるといえる。これは、第1照射工程における積算光量を増大させるにしたがって、より一層、塗膜を硬化させることができるためと考えられる。
さらに、実施例のサンプル6とサンプル8とを比較する。両サンプルは、いずれも、塗料Cを塗布し、第1照射工程を行っている点で共通しているが、サンプル6では、第1照射工程の後、第2照射工程を行っているのに対し、サンプル8では、第2照射工程を行っていない点で異なっている。両サンプルの塗膜の耐汚染性を比較すると、表1に示すように、サンプル8では、「○」の評価であったのに対し、サンプル6では「◎」の評価となり、耐汚染性をさらに向上させることができた。
この結果より、第1照射工程(紫外線を含む活性エネルギー線を繰り返しパルス照射する工程)の後、第2照射工程(紫外線を含む活性エネルギー線を連続照射する工程)を行うことにより、塗膜の耐汚染性をさらに向上させることができるといえる。これは、第1照射工程の後、第2照射工程を行うことにより、より一層、塗膜を硬化させることができるためと考えられる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例では、活性エネルギー線硬化性塗料(塗料A〜C)中に、艶消し材としてシリカ粒子を含有させた。しかしながら、艶消し材は、シリカ粒子に限らず、天然鉱物、高分子粉砕粒子などを、併用あるいは単独で使用しても良い。
例えば、実施例では、活性エネルギー線硬化性塗料(塗料A〜C)中に、艶消し材としてシリカ粒子を含有させた。しかしながら、艶消し材は、シリカ粒子に限らず、天然鉱物、高分子粉砕粒子などを、併用あるいは単独で使用しても良い。
また、実施例では、基材として、白色ポリエステル合板110を用いた。しかしながら、基材としては、ポリエステル合板のようなプラスチック材に限らず、木質材、金属材、無機質材など、活性エネルギー線硬化性塗料を塗布できる基材であれば、いずれの材質の基材をも用いることができる。いずれの材質の基材を用いた場合でも、本発明の製造方法によれば、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を備える塗装物を製造することができる。
20 パルスUV照射装置
40 高圧水銀灯
110 基材
120b 塗布面
40 高圧水銀灯
110 基材
120b 塗布面
Claims (3)
- 活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物、重合開始剤、及び艶消し材を含む活性エネルギー線硬化性塗料を、基材表面に塗布する塗布工程と、
上記基材表面に上記活性エネルギー線硬化性塗料を塗布した塗布面に、活性エネルギー線を照射する1または複数の照射工程と、
を備える塗装物の製造方法であって、
上記1または複数の照射工程のうち、第1番目の第1照射工程は、上記塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を、繰り返しパルス照射する第1照射工程である
塗装物の製造方法。 - 請求項1に記載の塗装物の製造方法であって、
前記照射工程は、
前記第1照射工程の後、前記塗布面に、紫外線を含む活性エネルギー線を、連続照射する第2照射工程を有する
塗装物の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の塗装物の製造方法であって、
前記艶消し材は、多孔質粒子である
塗装物の製造方法。
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JP2005324393A JP2007130537A (ja) | 2005-11-09 | 2005-11-09 | 塗装物の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013186455A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Tomoegawa Paper Co Ltd | ハードコートフィルム製造方法 |
JP2019052437A (ja) * | 2017-09-13 | 2019-04-04 | Dic株式会社 | 床材用活性エネルギー線硬化性組成物 |
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JP2001523571A (ja) * | 1997-11-20 | 2001-11-27 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 被塗物を多層ラッカー塗装するための方法 |
JP2001523572A (ja) * | 1997-11-20 | 2001-11-27 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 被塗物の多層塗装法 |
JP2003340362A (ja) * | 2002-05-30 | 2003-12-02 | Hitachi Housetec Co Ltd | 基材表面の改質方法及び改質された成形体 |
-
2005
- 2005-11-09 JP JP2005324393A patent/JP2007130537A/ja active Pending
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JP7035396B2 (ja) | 2017-09-13 | 2022-03-15 | Dic株式会社 | 床材用活性エネルギー線硬化性組成物 |
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