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JP2007112733A - 植物病虫害抑制剤及びその製造方法 - Google Patents

植物病虫害抑制剤及びその製造方法 Download PDF

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JP2007112733A
JP2007112733A JP2005304560A JP2005304560A JP2007112733A JP 2007112733 A JP2007112733 A JP 2007112733A JP 2005304560 A JP2005304560 A JP 2005304560A JP 2005304560 A JP2005304560 A JP 2005304560A JP 2007112733 A JP2007112733 A JP 2007112733A
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choline
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JP2005304560A
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Masakazu Furushima
昌和 古嶋
Tatsuya Sahashi
達哉 佐橋
Sakanobu Takanashi
栄悦 高梨
Masaaki Takahashi
將晃 高橋
Takuji Kimura
拓司 木村
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Agro Kanesho Co Ltd
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Agro Kanesho Co Ltd
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Abstract

【課題】優れた植物の病虫害抑制剤およびその製造法を提供する。
【解決手段】ケイ酸コリンを含有することを特徴とする植物病虫害抑制剤を使用する。特に、ケイ酸コリンは、以下の式:m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2(式中、n/m=1.2〜2.5)で表すことができる。このケイ酸コリンは、コリン水溶液中にケイ酸ゲルを加熱溶解する工程により製造することができる。

Description

本発明は、植物病虫害抑制剤およびその製造法に関する。さらに詳しくは、ケイ酸コリンを含有する植物病虫害抑制剤およびその製造法に関する。
ケイ素は植物の必須元素ではないが、植物の種類によっては生育に有利に働く。イネは代表的なケイ酸植物であり、ケイ素を多量に吸収する。ケイ素をイネに施用すると、光合成を促進し、イネの乾燥質量の向上、根の活性化、耐倒伏性の向上等が期待できると同時に、病害や虫害に対する抵抗性も強化されることが知られている(非特許文献1)。
近年、イネ以外のブドウ、キュウリ、イチゴなどの作物(植物)に対するケイ素の病害抑制効果についての報告があり、うどん粉病等の抑制を目的に、水溶性ケイ酸が使用されている(非特許文献1)。水溶性ケイ酸としては、ケイ酸ナトリウムのように植物に対し薬害を引き起こすことのないケイ酸カリウムが使用されている(非特許文献1)。
しかしながら、ケイ酸カリウムは、植物に対して繰り返し施用すると、カリウム過剰となり、土壌が高pHとなるという欠点がある。土壌が高pHとなると、水に対するマンガン、ほう素、鉄などの溶解性が減少し、ひいては、植物におけるこれらの減少した元素の欠乏症を助長する。また、イチゴ等の果実にケイ酸カリウムを使用すると、果実の軟化を起こすおそれがある。従って、新しい水溶性ケイ酸が望まれている。
日本土壌肥料学会編「ケイ酸と作物生産」、博友社、2002年3月、第77〜118頁
本発明者等は、カリウム過剰による上記欠点を引き起こさない植物病害抑制剤としての水溶性ケイ酸の検討を行った。その結果、ケイ酸コリンが、ケイ酸カリウムと同等の病虫害抑制効果を示し、イチゴ等の果実の軟化を起こさないばかりか、実が硬く締まった日持ち性の良い果実が得られ、さらに土壌を高pHとしないという知見を得た。また、併せて植物病害抑制剤として使用され得るケイ酸コリンの製法の検討も行い、簡便な製法を確立した。これらの知見に基づいて本発明に到達した。
即ち、本発明は、有効成分として、ケイ酸コリンを含有する植物の病虫害抑制剤およびこの植物病害抑制剤に含まれるケイ酸コリンの製法に関するものである。
具体的には、
1.ケイ酸コリンを含有することを特徴とする植物病虫害抑制剤に関する。
2.ケイ酸コリンが、以下の式:m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2(式中、n/m=1.2〜2.5)で表される、上記1に記載の植物病虫害抑制剤に関する。
3.コリン水溶液中にケイ酸ゲルを加熱溶解する工程を含む、ケイ酸コリンの製造法に関する。
本発明の植物の病虫害抑制剤は、イネ、ムギ、リンゴ、イチゴ、メロン、すいか、トマトなどの作物(植物)に施用すると、作物(植物)の病虫害を抑制することができる。また、おうとう、イチゴ等の果実の軟化が抑えられ、果実の日持ちが向上する。さらに、本発明の病虫害抑制剤は、土壌に施用した後もそれほど高pHとならず、施用直後に向上したpHは、時間の経過と共に速やかに低下する。
このようなケイ酸コリンの病虫害に対する効果は、植物の種類によって異なるが、植物表皮にケイ酸が沈積することにより表皮が強固になり、物理的な障壁を作って病原菌の侵入を阻止すること、あるいは、植物の病虫害に対する生理的な抵抗反応を促進すること、などに起因するものと考えられる。また、イネやムギなどの作物においては、葉身が強固になって倒伏しにくくなり、ひいては病虫害を軽減できるという効果もある。
以下、本発明について詳述する。
(1)ケイ酸コリン
(1-1)ケイ酸コリンの構造
ケイ酸コリンとは、以下の式:(CH3)3+(C24OH)OH-で表される強アルカリ物質:コリンに、(SiO2)p・(H2O)q(式中、q/p=1/3〜1、好ましくは、q/p=1/2〜2/3)で表されるケイ酸が結合した物質である。例えば、ケイ酸コリンは、以下の式:
m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2
式中、n/m=1.2〜2.5、好ましくはn/m=1.5〜2.4、より好ましくは、n/m=1.8〜2.35で表すことができる。
(1-2)ケイ酸コリンの製造
本発明で使用される、ケイ酸コリンの公知の製造方法としては、ハセガワ等により示された、テトラエトキシシランを50%コリン水溶液で加水分解する方法が挙げられる(Isao Hasegawa et. al. “An improved procedure for syntheses of silyl derivatives of the cubeoctameric silicate anion” Applied Organometallic Chemistry, 2003; 17, 287〜290頁)。本発明者等は、入手困難なテトラエトキシシランの代わりに入手の容易な原料を使用した製造法について種々検討の結果、ケイ酸ゲルをコリン水溶液で加熱溶解する事によりケイ酸コリン(水溶液)を容易に得ることができることを見出した。
ここでいうケイ酸ゲルとは、(SiO2)p・(H2O)q(式中、q/p=1/3〜2、好ましくは、q/p=1/2〜1)で示される、好ましくはガラス状の透明又は半透明粒子であり、乾燥剤用などに使用されるシリカゲルの中間製品である。ケイ酸ゲルは、ケイ酸ソーダを無機酸で分解し、凝固したゲル状のケイ酸を水洗し、不純物を除去して得られる。なお、このケイ酸ゲルをさらに乾燥して水の含有量を全体の2〜17質量%程度とすると、乾燥剤等で使用されるシリカゲルとなる(化学式:(SiO2)p・(H2O)q(式中、q/p=0.2〜0.11、好ましくは、q/p=0.5〜0.1))。ケイ酸ゲルは、一般に、全体の質量に対して、例えば、13.6〜90質量%、好ましくは、17〜90質量%、より好ましくは、17質量%より多く、例えば、20質量%以上、75〜85質量%の水分を含有する。
本発明で使用するケイ酸ゲルは、具体的には、平成17年3月9日施行「肥料取締法に基づき普通肥料の工程規格を定める等の件」(農林水産省告示)にいうシリカヒドロゲル肥料であって、180℃で3時間乾燥したものがJISZ0701に規定された包装用シリカゲル乾燥剤に該当するものが好ましい。
また、ここでいうコリン水溶液とは、化学式(CH3)3+(C24OH)OH-で示されるコリンの水溶液である。コリンは、コリン水溶液全体の質量に対し、例えば20〜60質量%、好ましくは、30〜50質量%存在することが適当である。
さらに、「加熱溶解」とは、例えば、60〜100℃、好ましくは80〜90℃の温度で2〜6時間、好ましくは、3〜4時間加熱することにより、固体のケイ酸ゲルをコリン水溶液中に溶解することを意味する。
具体的に、本発明のケイ酸コリンの製造方法は、以下の通りである。まず、原料となるケイ酸ゲルとコリン水溶液を準備する。このとき、コリンとケイ酸ゲルのモル比は、1:1.2〜1:2.5、好ましくは、1:1.5〜1:2.4であることが適当である。これらを反応容器に導入し、好ましくは、コリン(ケイ酸コリン)の着色(褐色化)を防ぐために窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で反応を行う。反応は、まず、60〜100℃、好ましくは80〜90℃の温度で、例えば、15〜45分、好ましくは20分〜40分加熱することにより行われる。その後、反応溶液中のケイ酸ゲルが80質量%以上融解し、撹拌可能な状態になったところで撹拌を開始し、上記温度で、さらに1〜5時間、好ましくは2〜4時間撹拌しながら加熱する。得られた反応溶液を、適宜水を留去して濃縮し又は水で希釈し、目的のケイ酸及びコリン濃度を有するケイ酸コリン溶液を得る。
(2)ケイ酸コリン含有する植物病虫害抑制剤
本発明の植物病虫害抑制剤は、上記のようなケイ酸コリンを含有するものである。また、本発明の植物病虫害抑制剤は、適宜、その他の成分を添加してもよい。
(2-1) ケイ酸コリンの剤型と含有量
本発明の植物病虫害抑制剤は、一般の農薬の取り得る形態、例えば、固体のまま施用される錠剤、粉剤、粒剤及び粉粒剤のような固体製剤、水等に希釈して液体で施用する水溶剤のような固体製剤、液剤のような液体製剤として使用され得る。好適には、本発明の植物病虫害抑制剤の剤系は、液剤、水溶剤又は粒剤である。これらの製剤は、常法により調製される。例えば、液剤は、溶媒として、水またはメタノールを用い、液剤全体の質量に対してケイ酸コリンを10〜70質量%、好ましくは30〜50質量%含むように溶媒を加えて調製される。
水溶剤は、通常固体状で、使用時に水に溶解して使用される。水溶剤は、水溶剤全体の質量に対してケイ酸コリンを60〜99質量%、好ましくは70〜90質量%含み、必要に応じてリン酸水素二カリウム及び界面活性剤等を0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%程度添加して調製される。
(2-2)その他の成分
本発明の植物病虫害抑制剤は、剤型にもよるが、必要に応じて、種々の成分を添加することができる。
例えば、粉剤や粒剤のような固体製剤の形態で使用する場合、添加剤及び担体として、例えば、木粉、トウモロコシ穂軸等の植物性粉末;珪藻土、焼灰石、石こう、タルク、ゼオライト、べントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末;塩化カリウム、尿素、芒硝等の有機および無機化合物を使用することができる。
また、水溶剤及び粉剤の場合、例えば、タルク、ベントナイト、クレーなどの増量剤、、補助剤及び展着剤を混合してもよい。これらの増量剤や補助剤は、含有するケイ酸コリンに対して10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%添加することが適当である。また、展着剤は、含有するケイ酸コリンに対して0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜0.4質量%添加することが適当である。また、これらの増量剤や補助剤を適用するに際し、あらかじめ水で希釈して使用してもよい。
展着剤としては、Tween20(製造元:花王)、アイヤー及び兼商展着パウダー(製造元:アグロカネショウ株式会社)等が挙げられる。
その他、pH調整剤、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム等を添加してもよい。添加量は、添加する成分にもよるが、0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜0.5質量%が適当である。また、pH調整剤は、含有するケイ酸コリンに対して0.5〜5質量%、好ましくは1〜2.5質量%添加することが適当である。
さらに、本発明の植物病虫害抑制剤は、他の肥料成分、例えば、リン酸水素二カリウム、リン酸コリン等を含んでもよい。また、本発明の植物病虫害抑制剤の特徴を失わない程度に、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウムと混合することも可能である。
(2-3) 植物病虫害抑制剤の性質
本発明の植物病虫害抑制剤が溶液の場合、そのpHは、11〜12.5、好ましくは11.5〜12とすることが適当である。また、本発明の植物病虫害抑制剤の溶液の25℃における比重は、1.10〜1.25、好ましくは、1.17〜1.20であることが適当である。さらに上記ケイ酸コリン等の濃度、pH、比重は、施用時に本発明の植物病虫害抑制剤をさらに50〜10000倍、好ましくは100〜5000倍、より好ましくは500〜1000倍に希釈することで達成してもよい。
(2-4) ケイ酸コリンの施用時期と施用量
本発明の植物病虫害抑制剤の施用時期は、施用しようとする栽培植物の種類や地帯などによって変動し得るが、例えば、いちご、キュウリ、メロン等の果菜類の場合には、一般に、落花直後、好ましくは、幼果期から収穫期までの間が好適である。水稲の場合は、育苗期または幼穂形成期に施用することが好ましい。
本発明の植物病虫害抑制剤は、植物が栽培されている土壌、植物の葉面、茎、果実等に施用・散布される。散布方法は、例えば、植物病虫害抑制剤が液剤や水溶剤であればスプレーなどで噴霧する方法があり、粒剤及び粉剤であれば土壌等に直接散布する方法がある。
本発明の植物病虫害抑制剤の1回の施用量は、製剤の種類、対象栽培植物の種類及び施用目的などによって異なり得るが、施用される土壌(栽培面積)10アール当たり、SiO2換算で、通常、25g〜50kg、好ましくは、50g〜20kg、より好ましくは、50g〜1kgであることが適当である。具体的には、SiO2換算で、かんきつ類:132g、りんご:105.6g、梨・柿・桃:79.2g、茶:52.8g、路地野菜:26.4g、施設野菜52.8g程度(いずれも、1/3〜3倍量、好ましくは1/2〜2倍量で変動可)が適当である。施用される土壌(栽培面積)10アールの栽培密度は、各種栽培植物において一般的に栽培される密度とする。例えば、植物がおうとうやカキなどの樹木の場合、10アール当たり5〜50本、好ましくは10〜40本、より好ましくは20〜30本植えられていることが適当である。
上記1回の施用量は、栽培期間中に1回のみ施用しても良いし、2〜30日おきに複数回施用してもよい。通常、施用に際しては、ケイ酸コリン濃度が全体に対して0.01〜0.2質量%、好ましくは0.02〜0.1質量%となるように、例えば水のような溶媒で希釈することが好ましい。例えば、ケイ酸濃度20.5質量%のケイ酸コリン水溶液を原液として使用する場合、これを水で100〜2500倍、好ましくは500〜1000倍(質量比)に希釈することが好適である。
本発明の植物の病虫害抑制剤は、土壌に施用した場合、ケイ酸カリウムに比べ、土壌が長期間高pHに維持されることなく、速やかにpHが低下する特徴がある。これは、コリンが微生物分解を受けやすく、土壌に施用後3〜7日で急速に分解され、アルカリ性が弱められるためである。一方、従来のケイ酸カリウムの場合、土壌が高pHのまま維持され、マンガン、ほう素、鉄などの水に対する溶解性を減じ、作物におけるこれらマンガン、ほう素、鉄など元素の欠乏症を助長する結果となる。
(3) 植物の病虫害
(3-1)植物
本発明の病虫害抑制剤が対象とする植物としては、イネ、ムギ、リンゴ、イチゴ、メロン、すいか、トマト、おうとう、カンキツ類、ナシ、ブドウ、カキ、ナス、アブラナ科野菜、ネギ、ダイズ、インゲン、ラッカセイ、エンドウ、ジャガイモ、イチゴ、タバコ、テンサイ等の農作物、バラ、キク、シクラメン、ランなどの園芸作物、芝生、い草などの植物が挙げられる。
(3-2)病虫害
ここで「病虫害抑制剤」の語は、植物の健全な生育を妨げる病気及び虫の被害を減少させる剤を意味する。具体的に、「病虫害抑制剤」としては、植物保護用等の防菌・防カビ剤、防虫剤、防ダニ剤が挙げられる。
ここで、病虫害としては、以下に限定されるものではないが、真菌門(Eumycota)、変形菌門(Myxomycota)、細菌門(Bacteriomycota)、放線菌門(Actinomycota)等の菌類並びにカビ類による被害;及び、農業上の有害生物等の害虫による被害が挙げられる。
特に、病原菌が植物の茎葉部等の表皮から進入し発病する、イネいもち病、もんがれ病、ごまはがれ病、小粒菌核病、ムギうどんこ病、ブドウうどんこ病、キュウリうどんこ病、バラうどんこ病、つるわれ病、褐斑病等があげられる。また、水稲害虫であるニカメイチュウ、ウンカ・ヨコバエ類の食害を軽減する効果がある。このような食害軽減効果は、水稲がケイ酸を吸収することによって、葉身や籾殻の表面に集積してケイ質化し、物理的に強固になり害虫の被害を受けにくくしていることに起因するものと考えられる。
(3-2-1) 菌類並びにカビ類
菌類並びにカビ類としては、例えば、以下の真菌門(Eumycota)、変形菌門(Myxomycota)、細菌門(Bacteriomycota)、放線菌門(Actinomycota)等の菌類並びにカビ類が挙げられる。
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rizoctonia solani)等;ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、(赤)さび病(Puccinia striiformis, P.graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp. , Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、網斑病(Pyrenophora teres)、ひょうもん病(Helminthosporium zonatum Ikata)等;カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、褐色腐敗病(Phytophthora citrophthora,, P. nicotianae)、黒星病(Phyllostictina citricarpa) かいよう病(Xanthomonas citri)等;リンゴのモニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、黒点病(Mycospherella pomi)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、灰星病(Monilinia fructicola)等;ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、灰星病(Monilinia fructigena)等;モモの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp. )等;ブドウの黒とう病(Elinoe ampelina)、晩腐病(Colletotrichum acutatum)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)、灰星病(Monilinia fructigena)、黒星病(Cladosporium viticolum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)等;カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycoshaerella nawae)等;ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea, Oidiopsis taurica)、つる枯病(Didymella bryoniae)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp. )、苗立枯病(Pythium sp. )等;トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)等;ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)等;アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae) 軟腐病(Erwinia carotovora)等;ネギのさび病(Puccinia allii)等;ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)等;インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)等;ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)等;エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi)等;ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、葉腐病菌(Rhizoctonia solani)等;イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)等;チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)等;タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)、野火病(Pseudomonus syringae)等;テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、苗立枯れ病(Aphanomyces cochliodes)等;バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)等;キクの褐斑病(Septoria chrysanthemi-indici)、白さび病(Puccinia horiana)等;種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等。
(3-2-2)害虫
本発明の病虫害抑制剤は、農業上の有害生物、衛生害虫、貯穀害虫、衣類害虫、家屋害虫等の害虫の防除・抑制に使用できる。害虫の代表例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
鱗翅目害虫;例えば、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni)、コナガ(Plutella xylostella)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、チャハマキ(Homona magnamia)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)、マイマイガ(Lymantria dispar japonica)、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、ニカメイガ(Chilo suppresalis)、コブノメイガ(Conaphalocrocis medinalis)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、ヘリオティス(Heliothis)属、ヘリコベルパ(Helicoverpa)属、アグロティス(Agrotis)属、イガ(Tiena translucens)、コドリンガ(Laspeyresia pomonella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等。
半翅目害虫;例えば、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ワタアブラムシ(Aphis gossyppi)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ナシキジラミ(Psylla pyrisuga)、ナシグンバイムシ(Stephanitis nashi)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ツマグロヨコバイ(Nephotetix cincticeps)等。
鞘翅目害虫;例えば、コーンルートワーム(Diabrotica sp.)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、アグリオティス(Agriotes)属、ニジュウヤホシテントウ(Henoscepilachna vigintioctopunctata)、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)等。
双翅目害虫;例えば、イエバエ(Musca domestica)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、ミカンコミバエ(Dacus dorsalis)、タネバエ(Hylemya platura)、イネハモグリバエ(Hydrellia griseola)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、サシバエ(Stomoxys sp.)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)等。
総翅目害虫;例えば、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等。
膜翅目害虫;例えば、ミカドオオアリ(Camponotus kiusiuensis)、キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)、カブラハバチ(Athalia rasaejaponensis)等。
シラミ目害虫;例えば、コロモジラミ(Pediculs humanus corporis)、ケジラミ(Pthirus pubis)等。
ダニ類;例えば、ナミハダニ(Tetranychus ulticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kannzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、ブレビパルパス(Brevipalpus)属、エオテトラニカス(Eotetranycus)属、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、オウシマダニ(Boophilis microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)等。
その他、既存の害虫・ダニ防除剤に対し抵抗性を有する各種害虫にも有効である。
特に本発明の植物病虫害抑制剤は、トマト疫病、コムギ赤さび病、オオムギうどんこ病、キュウリべと病、キュウリ及びインゲンマメ灰色かび病、インゲンマメ葉腐病等の菌類並びにカビ類に有用である。特に、トマトやキュウリのうどんこ病に有用である。
なお、本発明の有害生物防除剤は、有用作物であるイネ、コムギ、オオムギ、ソルゴー、ラッカセイ、トウモロコシ、ダイズ、ビート、ワタ、リンゴ、ナシ、ミカン、ブドウ、メロン、すいか、トマト、おうとう等に対して高い安全性を有している。
以下において、本発明の植物の病虫害抑制剤及びその使用方法について、実施例及び試験例を参照しながら、更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例及び試験例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
500mlナスフラスコに、粒状のケイ酸ゲル(富士シリシア株式会社製、ウォーターシリカ、肥料登録番号生第83676号、シリカヒドロゲル肥料(平成17年3月9日施行「肥料取締法に基づき普通肥料の工程規格を定める等の件」参照)、可溶性ケイ酸17.0%以上、全質量に対する水分含有量79.5質量%)108.2g(SiO2換算で0.370モル)と、全質量に対するコリン含有量が48質量%のコリン水溶液43.8g(コリンは0.174モル含有)を加えた。このナスフラスコを、窒素ガスを100ml/分の量で流しながら、オイルバス上で、80℃約30分間加熱した。これによって、80質量%以上の固体状のケイ酸ゲルが融解して半液状となり、ナスフラスコ中の攪拌が可能な状態となった。その後、マグネットスタラーでナスフラスコ内を攪拌しながら、さらに3.5時間加熱を続け、固体状のケイ酸ゲルが完全に融解した薄黄色液状物を得た。ついで、ロータリーエバボレータで濃縮し、水を33.6g加えて全量を100g(84.0ml)に調整し、式m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2(n/m=2.17)で示されるケイ酸コリン濃度が、ケイ酸コリン水溶液全体の質量に対して44.9質量%(ケイ酸濃度換算で22.2質量%、コリン濃度換算で22.7質量%)のケイ酸コリン水溶液を得た(pH11.6、25℃での比重1.19)。
(実施例2)
500mlナスフラスコに、粒状のケイ酸ゲル(富士シリシア株式会社製、ウォーターシリカ、肥料登録番号生第83676号、シリカヒドロゲル肥料(平成17年3月9日施行「肥料取締法に基づき普通肥料の工程規格を定める等の件」参照)、可溶性ケイ酸17.0%以上、全質量に対する水分含有量78.9質量%)97.2g(SiO2換算で0.341モル)と、全質量に対するコリン含有量が48質量%のコリン水溶液36.8g(コリンは0.146モル含有)を加えた。このナスフラスコを、窒素ガスを100ml/分の量で流しながら、オイルバス上で、90℃約30分間加熱した。これによって、80質量%以上の固体状のケイ酸ゲルが融解して半液状となり、ナスフラスコ中の攪拌が可能な状態となった。その後、マグネットスタラーでナスフラスコ内を攪拌しながら、さらに3.5時間加熱を続け、固体状のケイ酸ゲルが完全に融解した薄黄色液状物を得た。ついで、ロータリーエバボレータで濃縮し、水を10g加えて全量を100g(84.7ml)に調整し、式m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2(n/m=2.34)で示されるケイ酸コリン濃度が、ケイ酸コリン水溶液全体の質量に対して38.2質量%(ケイ酸濃度換算で20.5質量%、コリン濃度換算で17.7質量%)のケイ酸コリン水溶液を得た(pH11.7、25℃での比重1.18)。
(試験例1)
ケイ酸コリンによるトマトうどんこ病および薬害試験
試験に先立ち、実施例2で製造したケイ酸コリン水溶液1mlをとり、水を加えて全量を500mlとし、容量比で500倍に希釈した。この希釈液500mlに、展着剤としてのTween20(製造元:花王)を0.1ml添加し(希釈液に対して展着剤を5000倍(容量比)に希釈)、薬剤を準備した。ここで、上記500倍に希釈したケイ酸コリン水溶液を薬剤1とした(ケイ酸コリン濃度:薬剤1の全体質量に対して0.090質量%)。
比較薬剤として、うどんこ病用の農薬として公知であるモレスタン(製造元:アグロカネショウ株式会社)を2000倍(質量比)の水で希釈した希釈液500mlに、展着剤としてのTween20を0.1ml添加し(希釈液に対して展着剤を5000倍(容量比)に希釈)、比較薬剤1を得た(モレスタン濃度:比較薬剤1の全体質量に対して0.05質量%)。
ガラス温室内でトマト(品種:大型福寿)を1株/ポット(ポットは210ml円筒型プラスチックカップ)を1区画(約0.01m2)として24区画栽培した。3葉期に達した日(11月30日)を基準日とし、基準日より3日おきに、基準日(11月30日)、3日後(12月3日)、6日後(12月6日)、9日後(12月日日)の合計4回、上記薬剤1及び比較薬剤1を、それぞれ6区画ずつに対して葉面から薬剤がしたたり落ちる程度まで(表面散布の限界量;1区画当たり各薬剤を約2〜3ml)散布した(薬剤1の場合、SiO2換算で98.2〜147.3g/10a)。残りの6区画は、薬剤を施用しない無処理区として栽培した。また、基準日から4日後(12月4日)に、うどんこ病胞子をうどん粉病に羅病した別のトマト株より入手して葉面にふりかけた。
基準日から13日経過後(12月13日)に、トマトの葉の3葉を対象として、葉の発病の有無を調査し(調査葉)、発病した葉の面積(発病葉面積)から発病度を算出した。発病度は、
[発病度(%)]=[発病葉面積(cm2)]/[調査葉全面積(cm2)]×100
から算出した。
また、防除価は、発病の確率を示す指針であり、防除価が100であれば100%発病を防除していることになる。具体的に、防除価は、
[防除価]={1−(処理区の発病度)/(無処理の発病度)}×100
から算出した。
発病度及び防除価は各区画ごとに算出し、同一薬剤を散布した6区画の平均値を採用した。
さらに、トマトの葉に対する薬害は、葉先のネクロシスの有無及び葉巻症状の有無を肉眼で観察することによって評価した。
これらの結果を表1に示す。





表1 トマトのうどんこ病に対する効果
Figure 2007112733
このように、表1に示された結果から、薬剤1では十分な発病度の抑制が認められた。なお、薬剤1では葉先にネクロシスがわずかに認められたが、その後の生育に影響はなかった。一方、比較薬剤1では葉先のネクロシス及び葉巻症状が見られ、特に葉巻症状はその後の生育に悪影響を引き起こした。
(試験例2)
ケイ酸コリンによるキュウリうどんこ病に対する効果試験
試験に先立ち、展着剤としてアイヤー(製造元:アグロカネショウ株式会社)を使用した以外は、薬剤1と同様にしてケイ酸コリンを含有する薬剤2(500倍希釈)を準備した。
また、比較薬剤2として、ケイ酸コリン水溶液の代わりに式K2O・nSiO2(n=3.92)で示されるケイ酸カリウム濃度が、ケイ酸カリウム水溶液全体の質量に対して28質量%(ケイ酸濃度換算で20質量%、K2O濃度換算で8質量%)のケイ酸カリウム水溶液を使用した以外は、薬剤1と同様にしてケイ酸カリウムを含有する比較薬剤2(500倍希釈)を準備した(ケイ酸カリウム濃度:比較薬剤2の全体質量に対して0.056質量%)。
さらに、比較薬剤3として、うどんこ病用の農薬として公知であるトリフミン水溶剤(製造元:日本曹達(株))を3000倍(容量比)の水で希釈した希釈液500mlに、展着剤としてアイヤーを5000倍(容量比)の水で希釈したものを0.1ml添加し、比較薬剤3を得た(トリフミン濃度:比較薬剤3の全体質量に対して0.033質量%)。
ガラス温室内でキュウリ(品種:相模半白節成)を1株/ポット(ポットは210ml円筒型プラスチックカップ)を1区画(0.01m2)として20区画栽培した。1.5葉期に達した日(1月5日)を基準日とし、基準日より7日おきに、基準日(1月5日)、7日後(1月12日)、14日経過後(1月19日)の合計3回、上記薬剤2及び比較薬剤2〜3を、それぞれ5区画ずつに対して葉面から薬剤がしたたり落ちる程度まで(葉面散布の限界量;1区画当たり各薬剤を約2〜3ml)となるように散布した(薬剤2の場合、SiO2換算で98.2〜147.3g/10a)。残りの5区画は、薬剤を施用しない無処理区として栽培した。
また、基準日から15日後(1月20日)に、うどんこ病胞子をうどん粉病に羅病した別のキュウリ株より入手して葉面にふりかけた。
基準日から22日経過後(1月27日)に、キュウリの葉の4葉を対象として、発病面積を調査し、試験例1と同様にして発病度及び防除価を算出し、並びに薬害を評価した。発病度及び防除価は各区画ごとに算出し、同一薬剤を散布した5区画の平均値を採用した。
これらの結果を表1に示す。








表2 キュウリのうどんこ病に対する効果
Figure 2007112733
このように、表2に示された結果から、薬剤2では十分な発病度の抑制が認められた。ケイ酸カリウムを使用する比較薬剤2及び3では、発病度の抑制が認められるものの、同時に薬害認められ、その後の生育に悪影響があった。
(試験例3)
果実の軟化試験
果実の軟化試験を行うために、おうとう(品種:佐藤錦、樹齢10から12年生、雨よけ栽培)の樹10a当たり25本が均等に植えられている樹木を準備した。そのうち1本を薬剤施用樹木とし、もう1本を薬剤無施用樹木とした。施用した薬剤としては、ケイ酸コリン水溶液として実施例2のケイ酸コリン水溶液の代わりに実施例1のケイ酸コリン水溶液を用い、容量比500倍に希釈する代わりに容量比で1000倍に水で希釈した以外は、試験例1の薬剤1と同様に製造した薬剤1’を使用した。即ち、薬剤1’は、次のようにして得た。実施例1で製造したケイ酸コリン水溶液1mlをとり、水を加えて全量を1000mlとし、容量比で1000倍に希釈した。この希釈液500mlに、展着剤としてのTween20(製造元:花王)を0.1ml添加し(希釈液に対して展着剤を5000倍(容量比)に希釈)、薬剤を準備した。ここで、上記1000倍に希釈したケイ酸コリン水溶液を薬剤1’とした(ケイ酸コリン濃度:薬剤1’の全体質量に対して0.053質量%)。
果実が着色初期〜着色中期となる6月13日及び6月20日の2回、薬剤1’を、おうとう樹1本に対し、20L(10アール/25本当たり500Lの割合、SiO2換算で4.45g/本)の量で葉面に散布した。収穫期を過ぎた7月4日と7月7日に目通りの高さ(約1.5m)から無作為に20個の果実を収穫し、軟化した果実の個数(うるみ果数)を調査した。ここで、軟化したか否かの判断は、果実を半分に切り、目視により判定した。軟化した果実の発生率(軟果発生率)を、
[軟果発生率(%)]=[軟果個数]/[調査個数]×100
から算出した。
薬剤1’を散布しない以外は同様の別の1本のおうとう樹についても、軟化した果実の個数を調査した(無処理)。
この結果を表3に示す。
表3 軟果発生率
Figure 2007112733
このように、表3に示された結果から、ケイ酸コリン水溶液を適用した薬剤1’において、軟果の発生が著しく抑えられることがわかった。
(試験例4)
土壌のpH値
実施例2のケイ酸コリン水溶液(ケイ酸コリン濃度:全体質量に対して38.2質量%、pH11.7)、比較薬剤2の製造に使用したケイ酸カリウム水溶液(ケイ酸カリウム濃度:全体質量に対して28質量%、pH=11.9)をそれぞれ10mlずつ取り、純水40mlで希釈した。これらの水溶液50mlをプラスチック製のポット(寸法10×10×7cm)に充填した火山灰畑土壌300mlにそれぞれコマゴメピペットを用いて滴下した(それぞれ、ケイ酸コリン区及びケイ酸カルシウム区とする)。また、無処理区として純水50mlを同様の火山灰畑土壌に散布した。その後、各ポットを室温(25℃)下に6日間放置した。土壌pHは、散布直後、2日後及び6日後に、各ポットから土壌10gを採取し、100mlの純水を加えて撹拌した後、pHメーター(東亜DKK(株)製、型番HM−30S)にて測定した。
この結果を表4に示す。
表4 土壌pH
Figure 2007112733
この表4に示された結果から、ケイ酸コリン区において、土壌の高pHは、急速に回復するが、ケイ酸カリウム区の土壌の高pHは、回復が緩慢であることがわかる。

Claims (3)

  1. ケイ酸コリンを含有することを特徴とする植物病虫害抑制剤。
  2. ケイ酸コリンが、以下の式:
    m(CH3)3N(C24OH)・nSiO2
    式中、n/m=1.2〜2.5
    で表される、請求項1に記載の植物病虫害抑制剤。
  3. コリン水溶液中にケイ酸ゲルを加熱溶解する工程を含む、ケイ酸コリンの製造法。
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