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JP2007112113A - 空気入りタイヤのシーリング・ポンプアップ装置の製造方法、及びシーリング・ポンプアップ装置 - Google Patents

空気入りタイヤのシーリング・ポンプアップ装置の製造方法、及びシーリング・ポンプアップ装置 Download PDF

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JP2007112113A
JP2007112113A JP2006206794A JP2006206794A JP2007112113A JP 2007112113 A JP2007112113 A JP 2007112113A JP 2006206794 A JP2006206794 A JP 2006206794A JP 2006206794 A JP2006206794 A JP 2006206794A JP 2007112113 A JP2007112113 A JP 2007112113A
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Japan
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sealing
sealing agent
pump
container
agent container
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Application number
JP2006206794A
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English (en)
Inventor
Shinichi Iwasaki
眞一 岩崎
Takaharu Izumimoto
隆治 泉本
Daisuke Sugio
大輔 杉生
Yuji Takeda
裕二 竹田
Maki Yoshida
真樹 吉田
Ichiro Yamaguchi
一郎 山口
Yusuke Inoue
裕介 井上
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

【課題】シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法を得る。
【解決手段】シーリング剤36の液温が40℃〜90℃の間であり、90℃以下であるため、シーリング剤36は熱により劣化しない。さらに、シーリング剤の充填時の液温が40℃以上であるため、車両のトランク内の雰囲気温度が例えば80℃〜90℃になった場合でも、充填時のシーリング剤36の体積と比較して体積変化が少ない。このため、封止材が破損することはない。
【選択図】図3

Description

本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入した後、空気入りタイヤ内に圧縮空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧させるシーリング・ポンプアップ装置の製造方法及び、この製造方法により製造されるシーリング・ポンプアップ装置に関する。
従来、空気入りタイヤがパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して規定圧まで内圧をポンプアップするシーリング・ポンプアップ装置としては、特許文献1に開示されたものがある。
このシーリング・ポンプアップ装置によると、タイヤがパンクした場合には、作業者はパンクしたタイヤのタイヤバルブにジョイントホースの先端を固定し、シーリング剤容器に収納されたシーリング剤をジョイントホースを通じてタイヤ内に供給する。所定量のシーリング剤の供給が完了すると、タイヤの内圧が規定圧に達するまで、エアコンプレッサによりタイヤ内に空気が送り込まれる。
タイヤの内圧が所定の規定圧に達すると予備走行を行い、予備走行によってシーリング剤がタイヤ内に均一に拡散され、パンク穴は閉塞する。
特開2004−338158号公報
ここで、シーリング・ポンプアップ装置は、タイヤがパンクする際に使用されるものであり、タイヤがパンクしない状態が続くと寒暖差(例えば−30°C〜+70°C)の大きい自動車内に長年放置されることとなる。このため、高温時にはシーリング剤容器内のシーリング剤が膨張するため、シーリング剤容器には大きな内圧が負荷される。
また、シーリング剤は、空気に触れると固化してしまいシーリング剤の品質が低下するため、シーリング剤容器内に密封されている。このため、シーリング剤容器内のシーリング剤の膨張が全てシール剤容器へ内圧として負荷される。
以上より、シーリング・ポンプアップ装置は、寒暖差の大きい自動車内に長年放置されることが充分考えられるため、シーリング剤容器には、シーリング剤容器の内部からの大きな圧力に耐え得ることが求められる。
本発明は、上記事実を考慮し、シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置を製造できるシーリング・ポンプアップ装置の製造方法及びシーリング・ポンプアップ装置を提供することが目的である。
本発明の請求項1に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、パンクした空気入りタイヤ内にシーリング剤容器に密封収納される液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧させるシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記シーリング剤容器に前記シーリング剤を充填する際に、前記シーリング剤の液温を常温に対して加熱状態とし、前記シーリング剤を前記シーリング剤容器に充填した後に、前記シーリング剤容器の吐出口に封止材を取付け、前記シーリング剤容器を密封することを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤の液温が変化しないうちに、シーリング剤容器の吐出口に封止材が取付けられ、シーリング剤はシーリング剤容器に密封収納される。このため、シーリング剤の品質は維持される。
さらに、シーリング剤の充填時の液温を加熱状態とするため、シーリング・ポンプアップ装置が保管される車両のトランク内の雰囲気温度が高温になった場合でも、充填時のシーリング剤の体積と比較して体積変化を少なく出来る。このため、封止材を破損し難くできる。
本発明の請求項2に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項1記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記シーリング剤容器に前記シーリング剤を充填する際に、前記シーリング剤の液温を40℃〜90℃に加熱することを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤容器にシーリング剤を充填する際には、シーリング剤の液温を加熱状態(例えば、40°C〜90°C)とし、シーリング剤の液温を90°C以下とするため、シーリング剤の熱による劣化を防止できる。
さらに、シーリング剤の充填時の液温を40°C以上とするため、シーリング・ポンプアップ装置が保管される車両のトランク内の雰囲気温度が例えば80°C〜90°Cになった場合でも、充填時のシーリング剤の体積と比較して体積変化を少なく出来る。このため、封止材を破損し難くできる。
本発明の請求項3に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項1又は2記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記シーリング剤容器の容量の80%〜98%の前記シーリング剤を前記シーリング剤容器に充填することを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤容器の容量の80%〜98%のシーリング剤をシーリング剤容器に充填する。シーリング剤がシーリング剤容器の容量の80%以下であるとシーリング剤容器内の気体が多く、温度変化により気体が膨張し、封止材が破損し易くなる。
また、シーリング剤がシーリング剤容器の容量の98%以上であると、高温時に膨張したシーリング剤で封止材が大きな圧力を受けて封止材が破損し易くなる。
したがって、シーリング剤容器の容量の80%〜98%のシーリング剤をシーリング剤容器に充填することが、封止材の破損を確実にする上で好ましい。
このため、シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化によるシーリング剤容器内のシーリング剤、及び気体の体積膨張に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置を製造できる。
本発明の請求項4に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項1乃至3の何れか1項記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記吐出口に取付けられる前記封止材は、前記シーリング剤容器の内部に膨らんだ球面を備えるフィルム状であることを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤容器の吐出口には、シーリング剤容器の内部に膨らんだ球面を備えるフィルム状の封止材が取付けられる。このため、シーリング剤容器の内部から封止材が受ける圧力は、局部的に負荷されることなく均等に球面に負荷される。さらに、フィルム状の封止材が容器内方に膨らんだ球面であれば、封止材は吐出口の縁から剥離する方向の力を受けず、剥離が防止される。
本発明の請求項5に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項4記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記封止材の球面部分の曲率半径をR、前記封止材の球面部分の外径及び前記封止材で封止される前記吐出口の開口部分の内径をdとしたときに、dとRとの比率R/dを0.55〜1.30の範囲内に設定したことを特徴としている。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、dとRとの比率R/dを0.55〜1.30の範囲内に設定したので、高温時の内圧による変形が抑えられ、圧力が局部的に負荷されることなく均等に負荷できる封止材の球面が得られる。
本発明の請求項6に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項1乃至3の何れか1項記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記吐出口に取付けられる前記封止材は、容器内方に向けて断面台形状に成形されたフィルム状であることを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤容器の吐出口には、内方に向けて断面台形状に形成されたフィルム状の封止材が取付けられる。フィルム状の封止材が容器内方に向けて断面台形状に成形されていれば、封止材は吐出口の縁から剥離する方向の力を受けず、剥離が防止される。
本発明の請求項7に係るシーリング・ポンプアップ装置の製造方法は、請求項6記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、前記凹部状部分の底部の直径をa、前記凹部状部分の外径及び前記封止材で封止される前記吐出口の開口部分の内径をd、前記凹部状部分の深さをhとしたときに、aとdの比率a/dを0.5〜0.95の範囲内、hとdの比率h/dを0.05〜0.25の範囲内に設定したことを特徴としている。
上記シーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、aとdの比率a/dを0.5〜0.95の範囲内、hとdの比率h/dを0.05〜0.25の範囲内に設定したので、高温時の内圧による変形を抑え、かつ剥離を確実に防止できる封止材の凹部形状が得られる。
本発明の請求項8に係るシーリング・ポンプアップ装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載されたシーリング・ポンプアップ装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
上記シーリング・ポンプアップ装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載されたシーリング・ポンプアップ装置の製造方法によって製造されるので、シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化に耐え得るものとなる。
本発明のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法によれば、シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置を製造できる。
また本発明のシーリング・ポンプアップ装置によれば、シーリング剤の品質を維持しつつ、環境温度の変化に耐え得ることができる。
本発明のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法の実施形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1には、本発明の第1の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置30が示されている。このシーリング・ポンプアップ装置30は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤがパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
シーリング・ポンプアップ装置30は、シーリング剤36を収容したシーリング剤容器34と、シーリング剤容器34からシーリング剤36を吸引して空気入りタイヤ38へ給送するシーリング剤注入用の吸引ポンプ42と、空気入りタイヤ38に空気を圧送するエアコンプレッサ44とを有する。
図1に示されるように、吸引ポンプ42及びエアコンプレッサ44には、各々に適合したモータ(動力源)41、45が個別に設けられている。
吸引ポンプ42の吸引口にはシーリング剤吸引配管43の下流端が接続され、シーリング剤吸引配管43の上流端は容器ホルダ60に接続されている。容器ホルダ60にはシーリング剤容器34が着脱可能に装填されている。容器ホルダ60及びシーリング剤容器34の詳細な構造については後述する。また吸引ポンプ42の吐出口にはシーリング剤供給配管46が接続され、シーリング剤供給配管46の下流端は三方バルブ48(図1参照)に接続されている。
また、エアコンプレッサ44の吐出口には圧縮空気供給配管50が接続され、圧縮空気供給配管50の下流端は三方バルブ48に接続されている。三方バルブ48の吐出口には供給配管52が接続されている。供給配管52の下流端には、空気入りタイヤ38のタイヤバルブ(図示せず)に接続可能なアダプタ(図示せず)が設けられている。ここで、シーリング剤供給配管46、圧縮空気供給配管50、供給配管52は、何れも柔軟性のホース状の配管である。
三方バルブ48の流路方向は、吸引ポンプ42から空気入りタイヤ38に流れるシーリング剤流路方向L、及び、エアコンプレッサ44から空気入りタイヤ38に流れる圧縮空気流路方向G、の何れにも切り換え可能となっている。三方バルブ48には逆流防止弁が設けられていてもよい。吸引ポンプ42としては、例えば、公知のベーン式ポンプ、スクリュー式ポンプ、レシプロ式ポンプ等を使用可能である。
シーリング・ポンプアップ装置30には、図1に示されるように電源ユニット62が設けられている。電源ユニット62は電源ケーブル(図示省略)を備えており、この電源ケーブルの先端部に設けられたプラグを車両に設置されたシガーソケット(図示省略)に挿入することにより、車両に搭載されたバッテリーから電源ユニット62に電源が供給可能となる。電源ユニット62は、シーリング剤容器34からタイヤ38内へのシーリング剤36を注入する際に、吸引ポンプ42のモータ41、エアコンプレッサ44のモータ45及び三方バルブ48の動作をそれぞれ制御する。
図2に示されるように、シーリング剤容器34の内部は液状のシーリング剤36の収容室とされており、この収容室にはシーリング・ポンプアップ装置30により修理すべきタイヤ38(図1参照)の種類毎に規定された量のシーリング剤36が収容されている。シーリング剤容器34の頂部にはパイプ状の首部64が一体的に形成されており、この首部64の先端にはシーリング剤容器34内へ連通した円形の吐出口66が開口している。首部64の先端部には、気体及び液体に対する密閉性及び化学的安定性が高い材料、アルミ箔及びポリエチレンの樹脂膜の積層材からなるフィルム状の封止材68が固着されており、この封止材68により吐出口66が密封されている。なお、封止材68は、アルミ箔及びポリプロピレンの樹脂膜の積層材からなるフィルム状でも構わない。
また、首部64の外周面にはねじ山70が形成されており、シーリング剤容器34を容器ホルダ60(図1参照)に装填することなく、長期保管する場合には、封止材68の損傷を防止するために、首部64にはカップ状に形成されたキャップ72がねじ止めされる。
またシーリング剤容器34の内面には、アルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜74が形成されている。このような蒸着膜74は、酸素及び水蒸気に対する遮断性に優れているので、シーリング剤容器34が酸素及び水蒸気の透過性を有するポリエチレンを素材として成形されていても、酸素及び水蒸気がシーリング剤容器34を透過することを防止できる。従って、シーリング剤36をシーリング剤容器34内に保管している間に、シーリング剤容器34内に収容されたシーリング剤36が酸化により劣化したり、シーリング剤36中の水等の蒸発成分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。なお、シーリング剤容器34の材質は、ポリプロピレンでも構わない。
容器ホルダ60は、図3(A)に示されるように略有底円筒状に形成されており、その内周面の先端側には首部64のねじ山70に対応するねじ溝(図示省略)が形成されている。容器ホルダ60は、その首部64が容器ホルダ60の先端側から内周側へねじ込まれることにより、容器ホルダ60に装填されて首部64が下方を向くような状態(倒立状態)で支持される。容器ホルダ60内には、パイプ状のニードル部材76が軸方向(図3では上下方向)に沿って移動可能に収納されている。
ニードル部材76内には、その先端面と後端面との間を貫通する注入路78が形成されており、ニードル部材76の先端面はスロープ状に傾斜しており、ニードル部材76における先端面の上端と外周面とは鋭角で交わって鋭利な刃先を形成している。またニードル部材76の基端部にはシーリング剤吸引配管43の上流端が接続されており、注入路78は吸引配管43を通して吸引ポンプ42の吸引口に連通している。ここで、ニードル部材76の外径は、シーリング剤容器34の吐出口66の内径よりも小径とされている。またニードル部材76は、容器ホルダ60により首部64と略同軸になると共に、その先端部が吐出口66を封止した封止材68に対向するように支持されている。
図3(A)に示されるように、ニードル部材76には、その外周面における軸方向中間部にリング状の鍔部80が外周側へ延出するように設けられており、この鍔部80は導電性材料により形成されている。容器ホルダ60内には、その底面部とニードル部材76の鍔部80と間にコイルスプリング82が圧縮状態で介装されており、このコイルスプリング82は、ニードル部材76を常にシーリング剤容器34側へ付勢している。
図3(B)に示されるように、容器ホルダ60には、その周壁部を貫通すると共に軸方向へ略直線的に延在したガイドスロット84が形成されており、このガイドスロット84の下端部にはL状に屈曲した掛止部86が形成されている。一方、ニードル部材76の外周面には、鍔部80の上方に外周側へ延出する棒状の解除レバー88が設けられており、この解除レバー88の先端側は、ガイドスロット84を通して容器ホルダ60の外周側へ突出している。
シーリング剤容器34からタイヤ38内へシーリング剤36を注入しない時には、解除レバー88は、ガイドスロット84の掛止部86内へ保持されている。これにより、ニードル部材76は、コイルスプリング82の付勢力に抗して図3(A)に示される待機位置に保持されている。この待機位置に保持されたニードル部材76は、その先端をシーリング剤容器34の封止材68の下方に離間した状態となっている。
またシーリング剤容器34からタイヤ38内へシーリング剤36を注入開始する際には、作業者は、解除レバー88を掛止部86内から離脱するようにニードル部材76を中心として揺動させる。解除レバー88が掛止部86内から離脱することにより、ニードル部材76はコイルスプリング82の付勢力によりシーリング剤容器34の封止材68側へ上昇して注入位置(図4参照)に達する。この注入位置に達したニードル部材76は、封止材68を突き破って先端部を吐出口66を通してシーリング剤容器34内へ挿入する。
図3(A)に示されるように、容器ホルダ60内には、ニードル部材76の注入位置に対応する部位に一対の電気接点90,92が配置されており、一対の電気接点90,92は、信号線94,96を介して電源ユニット62(図1参照)における一対の信号入力端子(図示省略)にそれぞれ電気的に接続されている。電気接点90,92は、ニードル部材76の待機位置から注入位置への移動を検知するための連動スイッチとして構成されており、ニードル部材76が待機位置から注入位置へ移動すると、それぞれ導電性材料からなる鍔部80に圧接し、この鍔部80を介して互いに導通する。これにより、電源ユニット62では、一対の信号入力端子が互いに導通すると、これらの端子間に電流が流れるようになっている。この端子間を流れる電流はシーリング剤の注入開始命令に対応する起動信号Sとされており、この起動信号を受けた電源ユニット62は、シーリング剤容器34からタイヤ38内へシーリング剤36の注入動作を開始する。
次に、前述したシーリング・ポンプアップ装置の製造時において、シーリング剤36をシーリング剤容器34に充填する方法等について説明する。
先ず、シーリング剤容器34の吐出口66を上方に向けてシーリング剤容器34を固定する。ここで、シーリング剤36の充填工程の環境温度は例えば略20°Cであり、この環境温度によってシーリング剤容器34が20°Cとなる。シーリング剤容器の材質は、ポリエチレンであり、このシーリング剤容器34は、10atmの耐圧容器となるように形状及び肉厚等が決められている。なお、シーリング剤容器34の材質は、ポリプロピレンでも構わない。
一方、シーリング剤容器34に充填されるべきシーリング剤36に、マントルヒーターによって予熱が加えられる。次に、プロペラ式攪拌機を用いて低剪断速度で予熱が加えられたシーリング剤36を攪拌することで均一な液温とする。ここで均一な液温とは、40°C〜90°Cの間の所望の液温とであり、好ましくは60°C〜80°Cの間である。
このようにして、均一な液温となったシーリング剤36をシーリング剤容器34の吐出口66より充填する。ここで、シーリング剤容器34の容量を500ccとすると、本実施形態では480ccのシーリング剤36を充填する。これにより、シーリング剤容器34の容量の96%のシーリング剤36をシーリング剤容器34に充填することとなる。
なお、ここで充填するシーリング剤36は、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)ラテックス及びSBRラテックスとNBRラテックスとの混合物のゴムラテックス等のゴムラテックスを含むとともに、その水性分散剤又は水性乳剤の状態で加えられる樹脂系接着剤を有する。
所定液温、及び所定量のシーリング剤36の充填が完了すると、液温が変化する前に、吐出口66には、シーリング剤容器34の内部に膨らんだ球面を備えた封止材68が熱板などの熱源を用いてシーリン剤容器に接着(熱溶着)され、吐出口66が密封されている。この封止材68は、気体及び液体に対する密閉性及び化学的安定性が高い材料であるアルミ箔及びポリエチレンの樹脂膜の積層材からなるフィルム状のシート材を球面に成形した部品である。なお、封止材68は、アルミ箔及びポリプロピレンの樹脂膜の積層材からなるフィルム状のシート材を球面に成形した部品でも構わない。
次に、前述した方法でシーリング剤が充填されたシーリング・ポンプアップ装置の作用を説明する。
シーリング剤36は、シーリング剤容器34に密封収納されているため、シーリング剤36が酸化により劣化したり、シーリング剤36中の水等の蒸発成分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止されている。このため、シーリング剤36の品質が長期に亘って維持される。また、シーリング剤36をシーリング剤容器34に充填する際の液温が90°C以下であるため、シーリング剤36は熱による劣化が防止される。
さらに、シーリング剤の充填時の液温を40°C以上としているため、シーリング・ポンプアップ装置30が保管された車両のトランク内の雰囲気温度が例えば80°C〜90°Cになった場合でも、充填時のシーリング剤36の体積と比較して体積変化が少ない。このため、封止材68が破損することはない。
なお、シーリング剤36がシーリング剤容器34の容量の80%以下であるとシーリング剤容器34内の気体が多く、温度変化により気体が膨張し、封止材68が破損する。また、シーリング剤36がシーリング剤容器34の容量の98%以上であると、高温時に膨張したシーリング剤36で封止材68が大きな圧力を受け、封止材68が破損し易い。
本実施形態では、シーリング剤容器34の容量の96%のシーリング剤36がシーリング剤容器34に充填されているため、封止材68の破損防止がより一層確実なものとなる。
また、シーリング剤容器34の吐出口66の端部には、シーリング剤容器34の内側に膨らんだ球面を備えた封止材68が接着されている。このため、シーリング剤容器34の内部から封止材68が受ける圧力は、局部的に負荷されることなく均等に球面に負荷される。ここで、図5の断面図に示すように、球面部分の外径(=吐出口66の内径)をd、封止材68の球面部分の曲率半径をRとしたときに、dとRとの比率R/dを0.55〜1.30の範囲内に設定することが好ましく、1.0〜0.7の範囲内が更に好ましい。なお、R/dが1.30を超えると、80°C以上の高温となった場合の内圧に耐えられず封止材68が変形してしまう。一方、R/dが0.55未満では、封止材(アルミ)68を球面状に成形できなくなる。
このように、封止材68を容器内方へ膨らませた形状に成形することで、例えば、低温化してシーリング剤容器内の空気が収縮しても、封止材68は容器内方への力を受けるため、封止材68が容器の縁から剥離する方向への力は受けない。また、高温になった場合でも、フィルム状の封止材68が容器内方に膨らんだ球面であれば、封止材68は吐出口66の縁から剥離する方向の力を受けず、剥離が防止される。なお、容器内の体積が増大した場合にも、封止材68は面積が大きく、内側に膨らんだ形状が反転して外側に膨らんだ形状となるまで内圧をさほど上昇させることなく体積変化を許容し、仮に外側に膨らんでも剥離方向の力は受け難い。
なお、本実施形態では、封止材68を球面状に成形したが、例えば、図6の断面図に示すように、容器内方に向けて凹部状かつ断面台形状に成形しても良い。この場合、底部の直径をa、凹部の外径(=吐出口66の内径)をd、凹部の深さをhとしたときに、aとdの比率a/dは、0.5〜0.95、好ましくは0.7〜0.85である。また、hとdの比率h/dは0.05〜0.25、好ましくは0.1〜0.2である。これにより、封止材68を球面状に成形した場合と同様に、剥離が防止される。
従って、シーリング剤36の品質を維持しつつ、環境温度の変化によるシーリング剤容器34内のシーリング剤36、及び気体の体積膨張に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置30を製造できる。
また、封止材68の形状を工夫するという安価な手法により、環境温度の変化によるシーリング剤容器34内のシーリング剤36、及び気体の体積膨張に確実に耐え得るシーリング・ポンプアップ装置を製造できる。
次に、本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置30を用い、パンクした空気入りタイヤ38を修理する作業手順を説明する。
空気入りタイヤ38にパンクが発生した際、まず、作業者は、空気入りタイヤ38のタイヤバルブ(図示せず)にアダプタをねじ止めし、供給配管52を空気入りタイヤへ接続する。次に、電源ユニット62から延出する電源ケーブルのプラグを車両におけるシガーソケット内へ挿入する。これにより、電源ユニット62へ車両バッテリーから電源を供給することが可能になる。
作業者は、容器ホルダ60におけるガイドスロット84の掛止部86内に保持された解除レバー88を揺動させて掛止部86内から離脱させる。これにより、ニードル部材76がコイルスプリング82の付勢力により待機位置から注入位置へ移動し、ニードル部材76の先端部が封止材68を突き破って容器ホルダ60内へ挿入される。これに連動し、電気接点90,92が互いに連通することにより、電源ユニット62には起動信号Sが入力する。この起動信号Sを受けた電源ユニット62は、先ず、吸引ポンプ42を駆動させることにより、シーリング剤容器34から液状のシーリング剤36を吸引して空気入りタイヤ38内へ注入する。
電源ユニット62は、所定量のシーリング剤36が空気入りタイヤ38に注入されると、吸引ポンプ42を停止させると共にエアコンプレッサ44を駆動させ、これに同期して三方バルブ48を経路Lから経路Gへ切り換える。これにより、エアコンプレッサ44から圧縮空気を空気入りタイヤ38に給送し、空気入りタイヤ38の内圧を所定圧にまで昇圧させる。このとき、シーリング剤36の注入完了後に行われる電源ユニット62による三方バルブ48の切換動作は、タイマーに予め設定された時間の経過後に自動的に切り換わるようなタイマー式の制御で行っても良く、また吸引ポンプ42の内部に設けられたデジタル式の流量計によりシーリング剤36の流通量を測定し、この流通量の測定値がシーリング剤の適正注入量に達した時点で、シーケンス制御により行うようにして良い。
そして、昇圧完了後、作業者は、空気入りタイヤ38のタイヤバルブからアダプタを取外し、空気入りタイヤ38に注入したシーリング剤が未硬化状態である一定の時間内に、空気入りタイヤ38を用いて一定距離も亘って予備走行を行う。この結果、空気入りタイヤ38の内部にシーリング剤が均一に拡散し、シーリング剤がパンク孔に充填されてパンク孔を閉塞する。
予備走行が完了後、作業者は再びアダプタを空気入りタイヤ38のタイヤバルブに接続し、エアコンプレッサ44を作動させて空気入りタイヤ38の内圧を規定内圧にまで昇圧させる。
この結果、空気入りタイヤ38のパンク修理が完了する。アダプタを空気入りタイヤ38のタイヤバルブから取外すことにより、空気入りタイヤ38を用いた通常走行が可能になる。
[第2の実施形態]
図7には、本発明の第2の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置が示されている。シーリング・ポンプアップ装置110は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の指定圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
図7に示されるように、シーリング・ポンプアップ装置110は外殻部としてケーシング111を備えており、このケーシング111の内部には、コンプレッサユニット112、注入ユニット120及び、この注入ユニット120に連結されたシーリング剤容器34が配置されている。このシーリング剤容器34としては、第1の実施形態に係るシーリング剤容器と基本的に同じものが用いられており、10atm以上の耐圧性を有している。
コンプレッサユニット112には、その内部にモータ、エアコンプレッサ、電源回路、制御基板等が配置されると共に、電源回路からユニット外部へ延出する電源ケーブル114が設けられている。この電源ケーブル114の先端部に設けられたプラグ115を、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両に搭載されたバッテリにより電源回路を通してモータ等へ電源が供給可能になる。ここで、コンプレッサユニット112は、そのエアコンプレッサにより修理すべきタイヤ200の種類毎に規定された指定圧よりも高圧(例えば、300kPa以上)の圧縮空気を発生可能とされている。
図8に示されるように、シーリング・ポンプアップ装置110には、シーリング剤36を収容したシーリング剤容器34及び、このシーリング剤容器34が連結される注入ユニット120が設けられている。シーリング剤容器34の下端部には、下方に突出する略円筒状の首部64が一体的に形成されている。首部64は、それよりも上端側の容器の本体部分よりも径が細く形成されている。首部64の開口端には、シーリング剤容器34の吐出口66を密封するために封止材68が固着されている。封止材68としては、第1の実施形態に係る封止材と基本的に同一のものが用いられており、球面状又は凹部状かつ断面台形状の形状を有している。
またシーリング剤容器34内には、第1の実施形態の場合と同様に、シーリング剤36が所定温度に均一に加熱された状態でれ、シーリング剤容器34の内容積に対して所定比率となるように充填される。この後、シーリング剤容器34内へ充填されたシーリング剤36の液温が変化する前に、吐出口66には封止材68が熱板などの熱源を用いてシーリン剤容器に接着(熱溶着)され、吐出口66が密封される。
図8に示されるように、注入ユニット120には、上端側が開口した略有底円筒状に形成されたユニット本体部134及び、このユニット本体部134の下端部から外周側へ延出する円板状の脚部136が一体的に設けられている。ユニット本体部134には、内周側にシーリング剤容器34の首部64の下端側が挿入されると共に、上端面が首部64の外周側に形成された段差部128にスピン溶着等の方法により溶着されている。
ユニット本体部134内には、封止材68が突き破られるとシーリング剤容器34の内部と連通する略円柱状の加圧給液室140が設けられている。注入ユニット120には、ユニット本体部134の内周側に円筒状の内周筒部142が同軸的に形成されている。内周筒部142の中心部には、注入ユニット120の下端面と内周筒部142の上端面との間を貫通する断面円形の治具挿入穴144が形成されている。また注入ユニット120には、その下端面中央部に円形凹状の嵌挿凹部146が形成されており、この嵌挿凹部146の内径は治具挿入穴144の内径よりも大きくなっている。これにより、嵌挿凹部146の底面中央部には治具挿入穴144の下端が開口する。
シーリング・ポンプアップ装置110には、図7に示されるように、コンプレッサユニット112から延出する耐圧ホース150が設けられており、この耐圧ホース150は、その基端部がコンプレッサユニット112内のエアコンプレッサに接続されている。
図10に示されるように、注入ユニット120には、内周筒部142の外周面からユニット本体部134を貫通して外周側へ延出する円筒状の空気供給管152が形成されている。この空気供給管152の外周側の先端部には、ニップル154を介して耐圧ホース150の先端部が接続されている。空気供給管152の基端部は、内周筒部142の外周面へ接合されて治具挿入穴144内へ連通している。
ここで、耐圧ホース150及び空気供給管152及び絞り部56は、その内部の空間がエアコンプレッサにより圧縮空気をシーリング剤容器34又はタイヤ200へ供給するための空気供給路として構成されている。
治具挿入穴144には、加圧給液室140側に穿孔部材162の軸部163が挿入されている。穿孔部材162には、軸部163の上端部に径方向外側へ拡径する円板状の穿孔部164が設けられている。穿孔部164の上面の外周端部には、封止材68を突き破りやすくするための突起状の刃部166が連続的に形成されている。軸部163の外周面には、治具挿入穴144内へ挿入された状態で、空気供給管152の開口に対して上側及び下側となる部位にそれぞれ環状の嵌挿溝168及び嵌挿溝170が形成されており、これらの嵌挿溝168、170内には、ゴム製のOリング172が嵌挿されている。
一対のOリング172は、軸部163が治具挿入穴144に挿入された状態で、それぞれ外周側の端部を治具挿入穴144の内周面へ全周に亘って圧接させている。これにより、治具挿入穴144は軸部163及び一対のOリング172により密閉された状態となる。このとき、穿孔部164の先端面が封止材68の正面中央に対向しており、穿孔部164と封止材68との間には若干の隙間が存在している。
図10に示されるように、注入ユニット120には、ユニット本体部134の周壁部を貫通するように円筒状の気液供給管174が一体的に形成されている。気液供給管174の外周側の先端部には、ニップル176を介してジョイントホース178の基端部が接続されている。ジョイントホース178の先端部には、タイヤ200のタイヤバルブ202に着脱可能に接続されるバルブアダプタ180が設けられている。また気液供給管174の基端側は加圧給液室140内へ挿入されている。これにより、ジョイントホース178は、気液供給管174を通して加圧給液室140内へ連通する。
次に、シーリング・ポンプアップ装置110からシーリング剤36を吐出させる際に用いる押圧治具182について説明する。
図10に示されるように、押圧治具182は、棒状の挿入部184と、挿入部184の一端部に形成された円板状のベース部186を備えている。挿入部184には、その先端面からベース部186側に向けて延び、中間部で複数本(例えば、2本)に分岐し、分岐した部分がそれぞれ外周側へ延出した治具連通路188が形成されている。挿入部184の外周面には、治具連通路188の開口部分に空気通路となる環状の連通溝190が形成されている。
挿入部184の外周面には、連通溝190の上側及び下側にそれぞれ嵌挿溝192及び嵌挿溝194が形成されており、これら一対の嵌挿溝192、94には、それぞれOリング196が嵌挿されている。このOリング196は、穿孔部材162に配置されたOリング172と同一寸法及び素材のものが用いられている。
押圧治具182には、挿入部184の基端部とベース部186との間に挿入部184よりも大径の嵌挿凸部198が一体的に形成されている。嵌挿凸部198は、その外径及び高さが注入ユニット120の下端面に形成された嵌挿凹部46の内径及び深さに対応するものになっている。これにより、図9に示されるように、挿入部184全体が治具挿入穴144内へ挿入されると、嵌挿凸部198が嵌挿凹部46内へ嵌挿される。このとき、嵌挿凸部198が嵌挿凹部46内へ圧入状態となって嵌挿されることにより、押圧治具182が摩擦力により挿入部184を治具挿入穴144内へ挿入された状態に保持される。
挿入部184の長さH1(図10参照)は、治具挿入穴144の下端から封止材68までの寸法H2(図10参照)に対して若干長くなっている。これにより、押圧治具182の挿入部184全体が治具挿入穴144内へ挿入されると、図9に示されるように、穿孔部材162が確実に治具挿入穴144内から押し出され、シーリング剤容器34内まで押し出されると共に、押圧冶具182の上端部がシーリング剤容器34内へ挿入される。また挿入部184全体が治具挿入穴144内へ挿入された状態では、挿入部184の連通溝190と空気供給口58とが軸方向に沿って一致する。これにより、連通溝190を介して空気供給路60が押圧治具182の治具連通路188と連通する。
また一対のOリング196は、挿入部184が治具挿入穴144に挿入された状態で、それぞれ外周側の端部を治具挿入穴144の内周面へ全周に亘って圧接させている。これにより、治具挿入穴144は、空気供給管152の開口の上側及び下側でそれぞれ挿入部184及び一対のOリング196により密閉された状態となる。
次に、本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置110を用いてパンクしたタイヤ200を修理する作業手順を説明する。
タイヤ200にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、ジョイントホース178のバルブアダプタ180をタイヤ200のタイヤバルブ202にねじ止めし、ジョイントホース178を通して加圧給液室140をタイヤ200内へ連通させる。
次いで、作業者は、押圧治具182の挿入部184をシーリング・ポンプアップ装置110の治具挿入穴144に挿入し、押圧治具182のベース部186を注入ユニット120の脚部136へ突き当てると共に、押圧治具182の嵌挿凸部198を注入ユニット120の嵌挿凹部146内へ圧入する。これにより、挿入部184で押された穿孔部材162の穿孔部50Bが封止材68を突き破って容器内に押し込まれ、挿入部184が容器内に進入する。
このとき、押圧治具182は、挿入部184の外周面に配置された一対のOリング196を治具挿入穴144の内周面に圧接させつつ、挿入部184を治具挿入穴144の入口側の端部から奥側へ移動させ、その移動途中に、挿入部184の上側に配置されたOリング196を空気供給管152の開口の内周側を通過させる。また穿孔部材162も、軸部163の外周面に配置された一対のOリング196を治具挿入穴144の内周面に圧接させつつ、軸部163を治具挿入穴144内から出口側の端部へ移動させ、その移動途中に、軸部163の下側に配置されたOリング172を空気供給口58の内周側を通過させる。
その後、脚部136が下、シーリング剤容器34が上になるようにシーリング・ポンプアップ装置110を、例えば路面等の設置面上に配置する。
押圧治具182の挿入部184を注入ユニット120の治具挿入穴144に挿入すると、図9に示されるように、挿入部184の先端部が内周筒部142の先端から突出すると共に、穿孔部材162により封止材68が開けられた孔に正対する。また孔を通してシーリング剤容器34内のシーリング剤36が加圧給液室140へ流出する。
そして、図9に示す状態、即ち、注入ユニット120の上側にシーリング剤容器34が位置するように注入ユニット120及びシーリング剤容器34を保持しつつ、コンプレッサユニット112を作動させる。コンプレッサユニット112により発生した圧縮空気は、空気供給管52及び治具連通路188を通してシーリング剤容器34内に供給される。
圧縮空気がシーリング剤容器34内に供給されると、この圧縮空気がシーリング剤容器34内でシーリング剤36上方へ浮上し、シーリング剤容器34内のシーリング剤36上に空間(空気層)を形成する。この空気層からの空気圧により加圧されたシーリング剤36は、封止材68に開けられた孔を通して加圧給液室140へ供給され、加圧給液室140内からジョイントホース178を通って空気入りタイヤ200内へ注入される。
なお、シーリング剤容器34内のシーリング剤36が全て排出された後は、加圧給液室140内のシーリング剤36が加圧されてジョイントホース178を通って空気入りタイヤ200内へ供給される。その後、加圧給液室140及びジョイントホース178から全てのシーリング剤36が吐出されると、圧縮空気はシーリング剤容器34、加圧給液室140、及びジョイントホース178を介してタイヤ200内へ注入される。
次に、作業者は、コンプレッサユニット112に設けられた圧力ゲージ179によりタイヤ200の内圧が指定圧になったことを確認したならば、コンプレッサユニット112を停止し、バルブアダプタ180をタイヤバルブ202から取り外す。
作業者は、タイヤ200の膨張完了後一定時間内に、シーリング剤36が注入されたタイヤ200を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ200内部にシーリング剤36が均一に拡散し、シーリング剤36がパンク穴に充填されてパンク穴を閉塞する。予備走行完了後に、作業者は、タイヤ200の内圧を再測定し、必要に応じて再びジョイントホース178のバルブアダプタ180をタイヤバルブ202にねじ止めし、コンプレッサユニット112を再作動させてタイヤ200を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ200のパンク修理が完了し、このタイヤ200を用いて一定の距離範囲内で一定速度以下(例えば、80Km/h以下)での走行が可能になる。
本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置110でも、第1の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置30と同様に、シーリング剤36が所定の温度に加熱された状態でシーリング剤容器34内へ充填された後、封止材68によりシーリング剤容器34が密封されることから、シーリング・ポンプアップ装置110の保場所における雰囲気温度が高温(例えば80°C〜90°C)になった場合でも、シーリング剤36からシーリング剤容器34及び封止材68へ作用する液圧が過大になることが抑制され、シーリング剤容器34及び封止材68の破損が効果的に防止される。このとき、シーリング剤容器34の容量の96%のシーリング剤36がシーリング剤容器34に充填されているため、封止材68の破損防止がより一層確実なものとなる。
また、シーリング剤容器34の吐出口66に固着された封止材68の形状が内側に膨らんだ球面又は凹状かつ台形状とされていることにより、シーリング剤容器34の内部から封止材68が受ける圧力は、局部的に負荷されることなく均等に球面に負荷され、かつシーリング剤容器34内のシーリング剤36が膨張した際にも、封止材68が外側へ膨張するように変形することで、シーリング剤36の液圧上昇を抑制できるので、封止材68の首部64からの剥離を効果的に防止できる。
[表1]に本発明に係る方法により加熱状態のシーリング剤が充填され、球面状又は凹状の封止材により密封されたシーリング剤容器(実施例A〜F)と、常温状態のシーリング剤が充填され、球面状の封止材により密封されたシーリング剤容器(比較例)について、それぞれシーリング剤容器に接着された封止材が剥離するまでの日数を測定した結果が示されている。
この試験時には、シーリング剤容器を首部が下方へ向けつつ、剥離の進行を加速するために、雰囲気温度を常温(20℃)よりも高温の80℃に調整した。



本発明の第1の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の構成を示す模式図である。 図1に示されるシーリング剤容器の構成を示す正面断面図である。 (A)ニードル部材が待機位置にある状態で、シーリング剤容器及び容器ホルダの構成を示す正面断面図である。(B)ニードル部材が待機位置にある状態で、シーリング剤容器及び容器ホルダの構成を示す側面図である。 ニードル部材が注入位置にある状態で、シーリング剤容器及び容器ホルダの構成を示す正面断面図である。 封止材の一例を示す断面図である。 封止材の他の例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の構成を示す斜視図である。 図7に示されるシーリング・ポンプアップ装置における液剤容器、注入ユニット及び押圧治具の構成を示す断面図である。 押圧治具を挿入した液剤容器、及び注入ユニットの断面図である。 液剤容器、注入ユニット及び押圧治具の拡大図である
符号の説明
30 シーリング・ポンプアップ装置
34 シーリング剤容器
36 シーリング剤
38 タイヤ
66 吐出口
68 封止材
110 シーリング・ポンプアップ装置
200 タイヤ

Claims (8)

  1. パンクした空気入りタイヤ内にシーリング剤容器に密封収納される液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧させるシーリング・ポンプアップ装置の製造方法において、
    前記シーリング剤容器に前記シーリング剤を充填する際に、前記シーリング剤の液温を常温に対して加熱状態とし、前記シーリング剤を前記シーリング剤容器に充填した後に、前記シーリング剤容器の吐出口に封止材を取付け、前記シーリング剤容器を密封することを特徴とするシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  2. 前記シーリング剤容器に前記シーリング剤を充填する際に、前記シーリング剤の液温を40℃〜90℃に加熱することを特徴とする請求項1記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  3. 前記シーリング剤容器の容量の80%〜98%の前記シーリング剤を前記シーリング剤容器に充填することを特徴とする請求項1又は2に記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  4. 前記吐出口に取付けられる前記封止材は、前記シーリング剤容器の内部に膨らんだ球面を備えるフィルム状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  5. 前記封止材の球面部分の曲率半径をR、前記封止材の球面部分の外径及び前記封止材で封止される前記吐出口の開口部分の内径をdとしたときに、dとRとの比率R/dを0.55〜1.30の範囲内に設定したことを特徴とする請求項4記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  6. 前記吐出口に取付けられる前記封止材は、容器内方に向けて凹部状かつ断面台形状に成形されたフィルム状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  7. 前記凹部状部分の底部の直径をa、前記凹部状部分の外径及び前記封止材で封止される前記吐出口の開口部分の内径をd、前記凹部状部分の深さをhとしたときに、aとdの比率a/dを0.5〜0.95の範囲内、hとdの比率h/dを0.05〜0.25の範囲内に設定したことを特徴とする請求項6記載のシーリング・ポンプアップ装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載されたシーリング・ポンプアップ装置の製造方法によって製造されたことを特徴とするシーリング・ポンプアップ装置。
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