[go: up one dir, main page]

JP2007095812A - 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法 - Google Patents

電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007095812A
JP2007095812A JP2005280384A JP2005280384A JP2007095812A JP 2007095812 A JP2007095812 A JP 2007095812A JP 2005280384 A JP2005280384 A JP 2005280384A JP 2005280384 A JP2005280384 A JP 2005280384A JP 2007095812 A JP2007095812 A JP 2007095812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
package
welding
plating layer
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005280384A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasukazu Sakaguchi
能一 坂口
Hiroyoshi Hirota
浩義 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Pioneer FA Corp
Original Assignee
Pioneer FA Corp
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer FA Corp, Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer FA Corp
Priority to JP2005280384A priority Critical patent/JP2007095812A/ja
Publication of JP2007095812A publication Critical patent/JP2007095812A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/161Cap
    • H01L2924/1615Shape
    • H01L2924/16195Flat cap [not enclosing an internal cavity]

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】確実な溶接を確保しつつ、材料に要するコストを削減することが可能な電子部品用筐体と、電子部品用筐体の溶接を行うレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】電子部品用筐体のリッド10aは、表面にニッケルメッキ層10abが形成されており、パッケージ10bは、電子部品が収容される空間が形成されると共に、リッド10aと溶接される面に金メッキ層10bbcが形成されている。リッド10aとパッケージ10bとの溶接は、ニッケルメッキ層10abが溶融して金メッキ層10bbcと接合することによって行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を封止する電子部品用筐体、電子部品用筐体の溶接を行うレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法に関する。
従来から、水晶素子や半導体素子などの電子部品の封止において、リッド(蓋)に対してレーザビームを照射することによって、リッドとパッケージとを溶接(即ち、レーザ溶接)することが行われている。例えば、特許文献1及び2には、レーザ溶接によりリッドとパッケージとが溶接されることによって電子部品を封止する容器(以下、「電子部品用筐体」と呼ぶ。)が記載されている。
特開2003−347443号公報 特開2005−165200号公報
しかしながら、上記した特許文献1では、パッケージのメタライズ層を2段構成にしているため、パッケージを作成する際に手間がかかる場合があった。また、特許文献2に記載された技術では、パッケージに金属材料のシールフレームをろう付けするため、材料にコストがかかってしまう場合があった。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、確実な溶接を確保しつつ、材料に要するコストを削減することが可能な電子部品用筐体と、電子部品用筐体の溶接を行うレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、リッドとパッケージとを備え、前記リッドと前記パッケージとが溶接されることによって電子部品を封止する電子部品用筐体であって、前記リッドは、表面にニッケルメッキ層が形成されており、前記パッケージは、前記電子部品が収容される空間が形成されると共に、前記リッドと溶接される面に金メッキ層が形成されており、前記リッドの前記ニッケルメッキが溶融して前記金メッキ層と接合されることによって封止されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接装置であって、前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射手段を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接方法であって、前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射工程を備えることを特徴とする。
本発明の好適な実施形態では、リッドとパッケージとを備え、前記リッドと前記パッケージとが溶接されることによって電子部品を封止する電子部品用筐体は、前記リッドは、表面にニッケルメッキ層が形成されており、前記パッケージは、前記電子部品が収容される空間が形成されると共に、前記リッドと溶接される面に金メッキ層が形成されており、前記リッドの前記ニッケルメッキが溶融して前記金メッキ層と接合されることによって封止される。
上記の電子部品用筐体は、リッドとパッケージとを備え、リッドとパッケージとが溶接されることによって電子部品を封止するために用いられる。リッドは、表面にニッケルメッキ層が形成されており、パッケージは、電子部品が収容される空間が形成されると共に、リッドと溶接される面(溶接面)に金メッキ層が形成されている。例えば、この金メッキ層は、メタライズ層上に形成されている。このようにリッドとパッケージを構成した場合、リッドとパッケージとの溶接は、ニッケルメッキ層が溶融して金メッキ層と接合することによって行われる。このように、上記の電子部品用筐体は、ろう材を別途用いないでリッドを構成し、ろう材を溶融させるのではなく、ニッケルメッキ層を溶融させることによって溶接が行われる。そのため、上記の電子部品用筐体によれば、材料の数を削減することができ、材料のコストを低減することができる。
更に好適には、前記ニッケルメッキ層は、5(μm)〜20(μm)の厚さに形成される。これにより、ニッケルメッキ層が溶融する量が増加するため、気密封止における歩留まりが向上し(即ち溶接不良が減少する)、確実な溶接が可能となる。
本発明の他の実施形態では、リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接装置は、前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射手段を備える。
上記のレーザ溶接装置は、リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、電子部品用筐体が封止されるように溶接を行う。レーザビーム照射手段は、リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させてパッケージに形成された金メッキ層を接合させるために、ニッケルメッキ層に対してレーザビームを照射する。上記のレーザ溶接装置によれば、簡便に構成された電子部品用筐体に対しても、確実に溶接を行うことができる。
上記のレーザ溶接装置の他の一態様では、前記リッドと前記パッケージとが仮付けされた状態にあるワークに対して、前記ワークを封止するための溶接を行う。これにより、封止する際に生じるリッドとパッケージとの位置ずれや、リッドの溶け出しなどに因るリッドとパッケージとの浮きや、ワークを搬送する際の振動や衝撃に因るリッドとパッケージとの位置ずれなどを防止することができる。即ち、上記のレーザ溶接装置によれば、リッドとパッケージとの封止をするための溶接を適切に行うことができる。
上記のレーザ溶接装置の他の一態様では、磁石による磁力を前記リッドに対して付与することによって、前記リッドを前記パッケージに対して固定すると共に、前記ワークが載置されるトレイに対して前記リッド及び前記パッケージを固定する。これにより、リッドとパッケージとの封止をするための溶接を適切に行うことができる。
本発明の更に他の実施形態では、リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接方法は、前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射工程を備える。上記のレーザ溶接方法によっても、リッドとパッケージとの封止をするための溶接を適切に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[ワークの構成]
まず、本実施例に係るワークの構成について説明する。
図1は、本実施例に係るワーク10の構成を示す図である。具体的には、図1(a)は、ワーク10の斜視図を示し、図1(b)は図1(a)中の切断線A1−A2に沿った断面図を示している。ワーク10は、板状のリッド10aと、箱状のパッケージ10bと、電子部品10cと、を備える。なお、ワーク10は、後述するレーザ溶接装置によってレーザビームが照射されることによって溶接される。
図1(b)を参照すると、パッケージ10bは、電子部品10cが収容される空間10bxが形成されており、面10bz(以下、この面を「溶接面」又は「シール面」とも呼ぶ。)に開口部10byが設けられている。また、リッド10aは、パッケージ10bの溶接面10bz上に載置され、開口部10byを塞ぐ蓋として機能する。このように、リッド10aとパッケージ10bは、電子部品10cを封止(気密封止)する電子部品用筐体として機能する。一方、電子部品10cは、水晶素子や半導体素子などの素子や圧電体などを有している。
ここで、リッド10a及びパッケージ10bを構成する材料について、図2を用いて説明する。図2は、図1(b)中の破線領域Eを拡大して示した図である。
リッド10aは、コバール材10aaの表面に、ニッケルメッキ層10abが形成されている。即ち、リッド10aは、コバール材10aaの表面にニッケルメッキして作成される。これに対して、パッケージ10bは、セラミック材料10baの表面に、メタライズ層10bbが形成されている。具体的には、メタライズ層10bbは、セラミック材料10baから溶接面10bzに向かって順に、タングステン層10bba、ニッケルメッキ層10bbb、及び金メッキ層10bbcが積層されている。即ち、パッケージ10bは、セラミック材料10baの表面にタングステン層10bbaを形成し、その後ニッケルメッキして、次いで金メッキすることによって作成される。
なお、リッド10aをコバール材10aaで構成することに限定はされず、42アロイ材やステンレス材などの金属材料で構成してもよい。また、セラミック材料10baのメタライズ層10bbにタングステン層10bbaを用いることに限定はされず、タングステン層10bbaの代わりにモリブデン層などを用いてもよい。
本実施例では、リッド10aに形成されたニッケルメッキ層10abを溶融させて、溶融させたニッケルメッキ層10abとパッケージ10bの金メッキ層10bbcとを接合させることによって、ワーク10の溶接を行う。ここで、図3を用いて、リッド10aとパッケージ10bとの溶接について説明する。図3も、図1(b)中の破線領域Eを拡大して示した図である。
リッド10aとパッケージ10bとの溶接は、リッド10aにレーザビームLBを照射することによって行う。この場合、リッド10aにおいてパッケージ10bの開口部10by縁辺と接する面10acの裏側に、レーザビームLBが照射される。これにより、符号10adで示すニッケルメッキ層10abが溶融する。
そして、このようにして溶融したニッケルメッキ層10abは、パッケージ10bの金メッキ層10bbcと接合する。これにより、リッド10aがパッケージ10bに対して溶接される。このように、本実施例では、リッド10aに形成されたニッケルメッキ層10abを直接溶融させることによって、ワーク10の溶接を行う。言い換えると、本実施例では、溶融したニッケルメッキ層10abのニッケルをろう材として用いて溶接を行う。
なお、ニッケルメッキ層10abの融点とコバール材10aaの融点が比較的近い値であるため、リッド10aにレーザビームLBを照射することにより、ニッケルメッキ層10abだけでなく、コバール材10aaも溶融する。この場合、溶融したコバール材10aaとパッケージ10bの金メッキ層10bbcとが接合する。
なお、好適には、リッド10aのニッケルメッキ層10abは、厚く形成される。例えば、ニッケルメッキ層10abを5(μm)〜20(μm)の厚さに形成することが好ましい。このようにニッケルメッキ層10abを厚く形成することにより、ニッケルメッキ層10abが溶融する量が増加するため、気密封止における歩留まりが向上し(即ち溶接不良が減少する)、確実な溶接が可能となる。
また、ニッケルメッキ層10abのニッケルとして、無電解ニッケル或いは電解ニッケルを用いることができる。ニッケルメッキ層10abに無電解ニッケルを用いた場合には、融点が900℃程度であるため、レーザビームのレーザパワーを低減することが可能となる。これに対して、ニッケルメッキ層10abに電解ニッケルを用いた場合には、融点が高い(1400℃程度)が、ニッケルメッキ層10abが縁辺部分(溶接部分)に厚く形成される。そのため、前述したように、ニッケルメッキ層10abが溶融する量が増加するため、気密封止における歩留まりが向上する。
ここで、本実施例に係るワーク10の構成と、一般的に用いられるワークの構成とを比較する。レーザビーム又は電子ビームを用いて溶接を行う場合、一般的には、ニッケルメッキしたコバール材と銀ろうとを張り合わせたクラッド材をリッドとして用いると共に、表面に金メッキ層を有するパッケージを用いる。この場合、レーザビームを照射することによってリッドの銀ろうが溶融し、これがパッケージの金メッキ層と接合することによって溶接が行われる。これに対して、本実施例では、ろう材を別途用いないでリッド10aを構成し、ろう材を溶融させるのではなく、ニッケルメッキ層10abを溶融させることによって溶接を行っている(即ち、溶融したニッケルメッキ層10abのニッケルをろう材として用いる)。したがって、本実施例によれば、材料の数を削減することができ、材料のコストを低減することができる。
また、抵抗シーム溶接を行う場合、一般的には、ニッケルメッキ層を有するリッド、及びニッケルメッキ層と金メッキ層とを有するコバールリングをろう付けしたパッケージ、をワークとして用いている。この場合、一対のローラ電極がリッドの対向する端に沿って転がると共に通電し、接合部に発生するジュール熱によってリッドのニッケルメッキ層が溶融し、これがコバールリングの金メッキ層と接合することによって溶接が行われる。これに対して、本実施例では、リッド10aに形成したニッケルメッキ層10abを溶融させ、これをパッケージ10bに形成した金メッキ層10bbcに対して接合しているため、コバールリングを用いる必要がない。更に、抵抗シーム溶接では、ワーク全体が高温となるため熱応力が残留することによってパッケージが破損してしまう場合があったが、本実施例では、レーザビームを用いてワーク10の溶接を行うため、ワーク10全体が高温とならないので、パッケージ10bの破損を抑制することができる。
以上より、本実施例に係るワーク10によれば、ろう材やコバールリングが不要であるため、材料の数を削減することができ、材料のコストを低減することができる。また、ワーク10を簡便に製造することが可能となる。
[レーザ溶接装置の構成]
まず、本実施例に係るレーザ溶接装置の構成について説明する。
図4は、本実施例に係るレーザ溶接装置100の概略構成を示す図である。レーザ溶接装置100は、主に、レーザビーム出射装置35と、ガルバノヘッド36と、トレイ20を備える。レーザ溶接装置100は、トレイ20上に載置された複数のワーク10に対して溶接を行う装置である。なお、図4中の白抜き矢印は、レーザビームの進行する方向を示している。
ここで、ワークが載置されたトレイ20の状態について図5を用いて説明する。
図5は、ワーク10が載置されたトレイ20の状態の具体例を示す図である。具体的には、図5(a)はワーク10が載置されたトレイ20の上面を示し、図5(b)は図5(a)中の切断線B1−B2に沿った断面図を示している。図5(a)及び図5(b)に示すように、複数のワーク10は、トレイ20に形成された複数の溝20x内に載置される。例えば、トレイ20には、600個程度のワーク10が載置される。
図4に戻って、レーザ溶接装置100について説明を行う。レーザビーム出射装置35は、レーザビームLB1を出射し、このレーザビームLB1をガルバノヘッド36に対して照射する。詳しくは、レーザビーム出射装置35は、溶接箇所のリッド10aが確実に溶融し、溶接後のリッド10aとパッケージ10bとの間に空隙が生じないように、レーザビームLB1のレーザパワーを設定する。
ガルバノヘッド36は、レーザビームLB1を受光し、当該レーザビームLB1を照射する位置を変更する。具体的には、ガルバノヘッド36は、トレイ20上のワーク10を画像計測するカメラや、画像計測結果に基づいて照射する位置を補正する位置補正機構や、レーザビームを走査する走査機構や、レーザビームを反射するミラーや、レーザビームを集光する集光レンズなどを備える。ガルバノヘッド36から出射されたレーザビームLB2がワーク10に対して照射されることにより、ワーク10の溶接が行われる。このように、レーザビーム出射装置35及びガルバノヘッド36は、レーザ照射手段として機能する。
なお、本実施例では、リッド10aとパッケージ10bとが仮付けされた状態にあるワーク10に対して、ワーク10を封止するための溶接を行う。この仮付けについては、詳細は後述する。更に、本実施例では、トレイ20の下に磁石を有するマグネットベッドが挿入されており、磁石による磁力をリッド10aに対して付与することによって、リッド10aをパッケージ10bに対して固定すると共に、リッド10aとパッケージ10bをトレイ20に対して固定する。即ち、磁石によって上記のように固定した状態で、封止するための溶接を行う。なお、磁石を用いた固定方法については、詳細は後述する。
[仮付け溶接方法]
ここで、リッド10aとパッケージ10bとの仮付けについて説明する。なお、本明細書では、「仮付け」とは、リッド10aとパッケージ10bとを完全に封止する前に行う仮の接着をいう。
本実施例では、リッド10aとパッケージ10bとが仮付けされた状態にあるワーク10に対して、リッド10aとパッケージ10bとを完全に封止するための溶接(以下、「封止溶接」とも呼ぶ。)を行う。詳しくは、封止溶接を行う前に、リッド10aとパッケージ10bとを仮付けするための溶接(以下、「仮付け溶接」とも呼ぶ。)を行う。具体的には、仮付け溶接は、封止溶接されるリッド10a上のエリアの一部分に対して溶接を行う。
仮付け溶接を行うのは、封止溶接時に生じるリッド10aとパッケージ10bとの位置ずれや、リッド10aの溶け出しなどに因るリッド10aとパッケージ10bとの浮きや、ワーク10を搬送する際の振動や衝撃に因るリッド10aとパッケージ10bとの位置ずれなどを防止するためである。即ち、本実施例では、リッド10aとパッケージ10bとの封止溶接を適切に行うために、封止溶接前に仮付け溶接を行う。
図6を用いて、本実施例に係る仮付け溶接方法について説明する。図6(a)及び図6(b)は、ワーク10の上面図を示している。図6(a)は、レーザビーム又は電子ビームによる仮付け溶接の具体例を示している。この場合、リッド10aの4隅の点40にレーザビーム又は電子ビームを照射して仮付け溶接を行っている。詳しくは、リッド10aとパッケージ10bの両方に対してレーザビーム又は電子ビームを照射することによって、仮付け溶接を行う。
図6(b)は、シーム溶接などの抵抗溶接による仮付け溶接の具体例を示している。この場合、リッド10aの対向する2辺41に抵抗溶接を行っている。このような2辺41の仮付け溶接は、一対のローラ電極などによって押し付け溶接又は転がり溶接を行うことによって形成される。
一般的にビーム溶接では、上記した仮付け溶接を封止溶接前に行わずに、封止溶接を行う際に治具などを用いて、リッド10aとパッケージ10bとの位置決めと固定や、パッケージ10bへのリッド10aの押し付けを行っている。この場合、リッド10aの外周部分を治具で押さえるので、リッド10aの内側に封止溶接を行う必要がある。そのため、治具を用いる方法では、パッケージ10bのシール幅(壁幅)が必要になり、パッケージ10bの内容積が狭くなって小型のパッケージ10bへの対応が困難となったり、リッド10aのマーキングスペースが狭くなったりする場合がある。また、治具の取付け作業なども必要である。
これに対し、本実施例では、仮付け溶接を行ったワーク10に対して封止溶接を行うため、リッド10aの外周を溶接することができる(即ち、治具で押さえる部分を確保する必要がない)ため、パッケージ10bのシール幅を狭くすることができる。そのため、本実施例に係る仮付け溶接を行うことにより、パッケージ10bの内容積を広く確保することができ、小型のパッケージ10bへの対応が容易であると共に、リッド10aのマーキングスペースを広く確保することができる。また、治具が不要であるため、治具の取付け作業などを行う必要がない。以上より、本実施例に係る仮付け溶接によれば、簡便な作業によって、適切に封止溶接を行うことが可能となる。
なお、仮付け溶接は上記したレーザ溶接装置100が行ってもよいし、他の装置が仮付け溶接を行い、仮付け溶接されたワーク10をレーザ溶接装置100に対して供給してもよい。レーザ溶接装置100が仮付け溶接を行う場合には、レーザ溶接装置100は仮付け溶接を実行する仮付け溶接機構などを備える。
また、レーザビームを用いて仮付け溶接を行う場合には、レーザビームのレーザパワーを、封止溶接時に設定するレーザパワーLB1よりも弱く設定することが好ましい。こうするのは、仮付け溶接を確実に行うと共に、仮付け溶接によるリッド10aの溶け過ぎを防止するためである。
[磁石による固定方法]
ここで、磁石を用いてリッド10aをパッケージ10bに対して固定すると共に、ワーク10をトレイ20に対して固定する方法について説明する。本実施例では、封止溶接を行う際に、磁石による磁力をリッド10aに対して付与することによって、リッド10aをパッケージ10bに対して固定すると共に、ワーク10をトレイ20に対して固定する。こうするのは、封止溶接時に、リッド10aがパッケージ10bに対して動かなくするためと、レーザビームによってワーク10がトレイ20に対して動かなくするためである。なお、前述したように、封止溶接時にワーク10は仮付け溶接された状態にあるが、本実施例では、封止溶接時におけるリッド10aとパッケージ10bとの固定を更に確実にするため、及びワーク10をトレイ20に対して固定するために磁石を用いて固定を行っている。例えば、封止溶接時には仮付け部分が溶融するためリッド10aがパッケージ10bに対して移動し易くなるが、磁石を用いて固定を行うことにより、このような移動を確実に抑制することが可能となる。また、封止溶接時に、ワーク10がトレイ20に対して移動することを抑制することが可能となる。
図7は、磁石による固定方法を説明するための図である。図7(a)は、ワーク10、トレイ20、マグネットベッド46、及びステージ23の断面図(図5(a)中の切断線B1−B2に対応する線分による断面図)を示している。マグネットベッド46は、複数の磁石45が設けられており、トレイ20の下に配置されている。複数の磁石45は、トレイ20がマグネットベッド46上に載置された状態において、リッド10a及びパッケージ10bに対向する位置に設けられている。また、磁石45は矩形形状を有していると共に、磁石45の大きさは、リッド10a及びパッケージ10bの大きさと概ね同一である。更に、磁石45は、ワーク10がトレイ20に載置された状態において、ワーク10の中心と磁石45の中心が概ね一致するような位置に配置されている。
リッド10aは、前述したような金属材料で構成されているため、磁石45によって白抜き矢印で示すような磁力を受ける。これに対して、パッケージ10bは、セラミック材料で構成されているため磁力は受けない。したがって、リッド10aが磁力を受けることによって、リッド10aがパッケージ10bに対して付勢されて、リッド10aはパッケージ10bに対して固定されると共に、リッド10aとパッケージ10bはトレイ20に対して固定される。
図7(b)は、図7(a)中の矢印C方向からマグネットベッド46を観察した図であり、マグネットベッド46の一例を示す図である。図7(b)に示すように、磁石45のN極とS極とが形成する軸の方向がマグネットベッド46の水平方向に一致するように、マグネットベッド46に磁石45を配置している。具体的には、磁石45のN極とS極が隣り合うように磁石45を横方向に配置し、縦方向にも磁石45のN極とS極が隣り合うように配置する。このように磁石45を配置することにより、磁石45に対向する位置(即ちワーク10が載置される位置)に及ぼす磁力が概ね均一になるため、マグネットベッド46にトレイ20を載置する際に、トレイ20上のワーク10が磁力によって反転などしてしまうことを抑制することができる。
一般的にビーム溶接では、上記したような磁石45による固定を行わずに、治具を用いて機械的にリッド10a及びパッケージ10bを押え付けて封止溶接する方法が行われている。この場合には、複雑な形状(即ちリッド10aとパッケージ10bの形状に適合する形状)を有する治具が必要であると共に、溶接する際にはそれらの治具を組む必要がある。更に、治具を用いて固定する方法の他に、パッケージ10bに搭載したリッド10aの表面をガラス板で押え付けて固定する方法が一般的に行われているが、この方法を用いた場合にはガラス板に付着した汚れを除去する手間が必要となる。
これに対し、本実施例では、治具やガラス板を用いる代わりに磁石45を用いているため、手間を要せず、且つ簡便な作業によって、封止溶接時にリッド10aをパッケージ10bに対して固定すると共に、リッド10aとパッケージ10bをトレイ20に対して固定することができる。また、治具を用いて固定する場合、治具で押さえていないリッド10aの内側にレーザビームなどを照射する必要があるため、シール幅の狭い小型のパッケージ10bに対応することは困難であるが、本実施例に係る磁石45を用いた固定方法によれば、機械的に固定を行わないため(即ちリッド10a及びパッケージ10bに対して直接接触しないため)、レーザビームの照射を妨げることがないので、シール幅の狭い小型のパッケージにも対応することができる。
[変形例]
本発明は、レーザビームを用いて溶接を行うことに限定はされない。他の例では、レーザビームの代わりに電子ビームを用いて溶接を行うことができる。この場合も、電子ビームをリッド10aに照射してリッド10aのニッケルメッキ層10abを溶融させ、これをパッケージ10bの金メッキ層10bbcと接合させることによって溶接を行う。
更に、本発明は、溶接を行うためにリッド10aのみに対してレーザビームLBを照射することに限定はされず、リッド10aとパッケージ10bの両方に対してレーザビームLBを照射することによって溶接を行うことも可能である。この場合、パッケージ10bに対してレーザビームLBを照射することにより、パッケージ10bが加熱され、パッケージ10bの熱がリッド10aの溶接される面10acに対して伝達される。これにより、リッド10aの面10acにおけるニッケルメッキ層10abが即座に溶融して、確実な溶接が可能となる。
以上のように、本実施例に係る電子部品用筐体は、リッドとパッケージとを備え、リッドとパッケージとが溶接されることによって電子部品を封止する部材であり、リッドは、表面にニッケルメッキ層が形成されており、パッケージは、電子部品が収容される空間が形成されると共に、リッドと溶接される面にメタライズ層が形成されている。これにより、上記の電子部品用筐体によれば、材料の数を削減することができ、材料のコストを低減することが可能となる。
本発明の実施例に係るワークの構成を示す図である。 ワークを形成する材料を示す図である リッドとパッケージとの溶接について説明するための図である。 本発明の実施例に係るレーザ溶接装置の概略構成を示す図である。 ワークが載置されたトレイの状態を示す図である。 仮付け溶接方法を説明するための図である。 磁石を用いた固定方法を説明するための図である。
符号の説明
10 ワーク
10a リッド
10ab ニッケルメッキ層
10b パッケージ
10bb メタライズ層
10bbb ニッケルメッキ層
10bbc 金メッキ層
20 トレイ
35 レーザビーム出射装置
36 ガルバノヘッド
100 レーザ溶接装置
LB、LB1、LB2 レーザビーム

Claims (6)

  1. リッドとパッケージとを備え、前記リッドと前記パッケージとが溶接されることによって電子部品を封止する電子部品用筐体であって、
    前記リッドは、表面にニッケルメッキ層が形成されており、
    前記パッケージは、前記電子部品が収容される空間が形成されると共に、前記リッドと溶接される面に金メッキ層が形成されており、
    前記リッドの前記ニッケルメッキが溶融して前記金メッキ層と接合されることによって封止されることを特徴とする電子部品用筐体。
  2. 前記ニッケルメッキ層は、5(μm)〜20(μm)の厚さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用筐体。
  3. リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接装置であって、
    前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射手段を備えることを特徴とするレーザ溶接装置。
  4. 前記リッドと前記パッケージとが仮付けされた状態にあるワークに対して、前記ワークを封止するための溶接を行うことを特徴とする請求項3に記載のレーザ溶接装置。
  5. 磁石による磁力を前記リッドに対して付与することによって、前記リッドを前記パッケージに対して固定すると共に、前記ワークが載置されるトレイに対して前記リッド及び前記パッケージを固定することを特徴とする請求項3又は4に記載のレーザ溶接装置。
  6. リッドとパッケージを備える電子部品用筐体に対してレーザビームを照射することによって、前記電子部品用筐体が封止されるように溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記リッドに形成されたニッケルメッキ層を溶融させて、溶融したニッケルメッキ層と前記パッケージに形成された金メッキ層とを接合させるために、前記リッドのニッケルメッキ層に対して前記レーザビームを照射するレーザビーム照射工程を備えることを特徴とするレーザ溶接方法。
JP2005280384A 2005-09-27 2005-09-27 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法 Pending JP2007095812A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005280384A JP2007095812A (ja) 2005-09-27 2005-09-27 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005280384A JP2007095812A (ja) 2005-09-27 2005-09-27 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007095812A true JP2007095812A (ja) 2007-04-12

Family

ID=37981178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005280384A Pending JP2007095812A (ja) 2005-09-27 2005-09-27 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007095812A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014086522A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Seiko Epson Corp 電子デバイスの製造方法、電子部品用容器の接合装置、電子機器、及び移動体機器

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08167667A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージ
JPH08306813A (ja) * 1995-05-11 1996-11-22 Nippon Avionics Co Ltd 半導体パッケージのキャップ仮止め用治具
JP2001352226A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Daishinku Corp 圧電振動デバイス
JP2002246493A (ja) * 2001-02-21 2002-08-30 Nippon Carbide Ind Co Inc 電子部品用パッケージ及びその製造方法
JP2003229505A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Seiko Epson Corp 圧電デバイスのリッド、圧電デバイスの製造方法及び圧電デバイス
JP2004241671A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 River Eletec Kk 電子部品パッケージ及びその封止方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08167667A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージ
JPH08306813A (ja) * 1995-05-11 1996-11-22 Nippon Avionics Co Ltd 半導体パッケージのキャップ仮止め用治具
JP2001352226A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Daishinku Corp 圧電振動デバイス
JP2002246493A (ja) * 2001-02-21 2002-08-30 Nippon Carbide Ind Co Inc 電子部品用パッケージ及びその製造方法
JP2003229505A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Seiko Epson Corp 圧電デバイスのリッド、圧電デバイスの製造方法及び圧電デバイス
JP2004241671A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 River Eletec Kk 電子部品パッケージ及びその封止方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014086522A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Seiko Epson Corp 電子デバイスの製造方法、電子部品用容器の接合装置、電子機器、及び移動体機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN211903865U (zh) 均热板
CN113329840B (zh) 焊接用夹具装置、部件的制造方法
CN111001930A (zh) 用于激光焊接的方法和设备
JP2007090368A (ja) レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法
JP2010253493A (ja) パラレルシーム溶接方法及びパラレルシーム溶接装置
JP2007095812A (ja) 電子部品用筐体、レーザ溶接装置、レーザ溶接方法
JP5159670B2 (ja) センタリング装置
JP4723540B2 (ja) 電子部品パッケージ製造方法
JP4974284B2 (ja) パッケージの封止方法
US6581820B2 (en) Lead bonding method for SMD package
JP2007090369A (ja) ビーム溶接装置、及びビーム溶接方法
JP4678154B2 (ja) 半導体レーザパッケージおよび半導体レーザパッケージの製造方法
JP2007012728A (ja) 圧電振動子パッケージ及びその製造方法ならびに物理量センサー
JP4159531B2 (ja) パッケージの封止方法
JP3731391B2 (ja) 電子部品の封止方法
JP2001267867A (ja) 圧電振動子の製造方法
JP2004241671A (ja) 電子部品パッケージ及びその封止方法
JP2010034099A (ja) 気密封止方法
JPH07178567A (ja) 溶接電極体構造およびこの溶接電極体を用いた抵抗溶接方法
JP2004179373A (ja) 電子部品パッケ−ジとその封止方法
JP2006205216A (ja) レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法
JP2006140737A (ja) 水晶振動子とその製造方法
CN119772376A (zh) 焊接部件的制造方法
JP2007173973A (ja) 水晶デバイスの製造方法
JP2006049353A (ja) パッケージの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111004