JP2007091330A - ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
【課題】 口金部にスカート部を高精度に成形する。
【解決手段】 口金部22は、雄ねじ部6と、該雄ねじ部6の缶軸方向下端に連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部、および該第1周壁部の下端に径方向外方へ凸とされた凸曲面部を介して連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部を備えるスカート部7とを備え、前記第1周壁部のうち、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aから、周方向に雄ねじ部6が延在する方向Xと反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分に、周方向に延在した、若しくは周方向に断続的に点在した凹部7dが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 口金部22は、雄ねじ部6と、該雄ねじ部6の缶軸方向下端に連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部、および該第1周壁部の下端に径方向外方へ凸とされた凸曲面部を介して連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部を備えるスカート部7とを備え、前記第1周壁部のうち、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aから、周方向に雄ねじ部6が延在する方向Xと反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分に、周方向に延在した、若しくは周方向に断続的に点在した凹部7dが形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、口金部に雄ねじ部とスカート部とが形成されたボトル缶に関するものである。
一般に、飲料等が充填されるボトル缶は、次のようにして形成されている。
まず、図7(a)に示すように、アルミニウム合金等からなる金属板に絞り加工およびしごき加工を施して有底筒状体1を形成し、次いで、この筒状体1の開口部にネックイン加工を施し、図7(b)に示すように、大径の胴部2と、この胴部2の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向うに従い漸次縮径された肩部3と、この肩部3の上端に連設されるとともに、上方へ延在した口金部4とを備えたボトル缶体5を形成する。そして、図7(c)に示すように、このボトル缶体5の口金部4のうち、この下部4aを除いた部分を一旦拡径した後に、この拡径した部分に、順次、缶軸方向上方へ加工位置をずらして縮径加工を施し、図7(d)に示すボトル缶体5を形成する。
まず、図7(a)に示すように、アルミニウム合金等からなる金属板に絞り加工およびしごき加工を施して有底筒状体1を形成し、次いで、この筒状体1の開口部にネックイン加工を施し、図7(b)に示すように、大径の胴部2と、この胴部2の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向うに従い漸次縮径された肩部3と、この肩部3の上端に連設されるとともに、上方へ延在した口金部4とを備えたボトル缶体5を形成する。そして、図7(c)に示すように、このボトル缶体5の口金部4のうち、この下部4aを除いた部分を一旦拡径した後に、この拡径した部分に、順次、缶軸方向上方へ加工位置をずらして縮径加工を施し、図7(d)に示すボトル缶体5を形成する。
このボトル缶体5の口金部4は、口金部下部4aの缶軸方向上端に連設され径方向外方へ膨出したスカート成形予定部4bと、このスカート成形予定部4bの上端に連設され上方に延在した雄ねじ成形予定部4cと、この雄ねじ成形予定部4cの上端に連設されるとともに、この成形予定部4cより小径とされたカール成形予定部4dとを備えている。なお、口金部下部4aの缶軸方向上端部は、スカート成形予定部4bより小径とされた首部成形予定部4eとされている。
その後、図8に示すように、ボトル缶体5の口金部4のうち、雄ねじ成形予定部4cに、螺旋状の雄ねじ部6を成形するとともに、スカート成形予定部4bの内表面を径方向外方へ向けて押圧する等して、スカート部112を成形した後に、カール成形予定部4dを径方向外方へ折り曲げてカール部8を成形して、口金部111を有するボトル缶110を形成する。スカート部112は、図8に示すように、缶軸方向下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部112aと、第1周壁部112aの下端に径方向外方へ凸とされた凸曲面部112bを介して連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部112cとを備える概略構成とされている。
なお、スカート部112は、従来から、スカート成形予定部4bの内表面のうち、凸曲面部112bの成形予定部のみが径方向外方に向けて押圧され、この成形予定部の径方向外方に向けた変形に追従するようにして第1周壁部112aおよび第2周壁部112cの各成形予定部が変形し、第1周壁部112aおよび第2周壁部112cに成形され、スカート部112bが成形されている。また、雄ねじ部6を成形する装置および方法については、例えば下記特許文献1に示される構成が知られている。
特開2002−219539号公報
以上の構成において、スカート部112の缶軸方向における大きさaは、雄ねじ部6の螺旋形状に起因して、周方向で一定ではなく、図8に示すように、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aに位置する部分(以下、「周方向位置A」という)が最も小さく、この位置Aから周方向に雄ねじ部6が延在する方向Xに向かうに従い漸次大きくなる。そして、この大きさaは、雄ねじ部6の前記終わり部分6aの、前記延在する方向Xと反対側の近傍(以下、「周方向位置B」という)に位置する部分で最も大きくなる。具体的には、スカート部112を構成する第1周壁部112a、凸曲面部112bおよび第2周壁部112cのうち、第1周壁部112aの缶軸方向における大きさのみが、周方向で前述のように異なっている。
このようなスカート部112の周方向における前記大きさaの相違に起因して、前記従来のスカート部の成形方法では、スカート部112を全周に亙って高精度に成形することが困難であるという問題があった。具体的には、前記周方向位置Aにおけるスカート部112(凸曲面部112b)の曲率半径R、およびスカート角度(第2周壁部112cの外周面、若しくはその接線が缶軸に直交する方向になす角度)θが、このスカート部112において最も小さく高い精度で成形され、雄ねじ部6が前記延在する方向Xに向かうに従い漸次大きくなり、つまりだれが生じてその成形精度が低下し、前記周方向位置Bにおいて最も大きく低い精度で成形されるという問題があった。
このようなボトル缶110にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶においては、キャップを緩めたときに、ボトル缶110のスカート部112に配置されたキャップのブリッジを良好に破断できず、キャップのフレアーが拡径された状態で開栓され、再度このボトル缶110をリシールすることが困難になる。
また、ボトル缶110の周方向における前記曲率半径Rおよびスカート角度θの寸法の相違に起因して、ボトル缶110の口金部111のうち、スカート部112における座屈強度が、ボトル缶110の周方向位置ごとで異なることにより、このボトル缶110に内容物を充填した後に、口金部111にキャップを螺着するキャッピング工程において、キャップの口金部111に対する螺着精度が周方向位置ごとで異なるおそれがあった。
すなわち、前記キャッピング工程において、キャップをボトル缶110の口金部111に被せた後に、キャップ天板部の外周縁部をその全周に亙って缶軸方向下方に向けて押圧したときに、スカート部112のうち、前記Rおよびθが大きい部分では座屈強度が大きいので、その形状が維持される一方、前記Rおよびθが小さい部分では座屈強度が小さいので、スカート部112が缶軸方向下方に押し潰されるように変形し、口金部111が缶軸に対して傾くおそれがあった。したがって、キャップ付ボトル缶の周方向において、例えば、前記Rおよびθが大きい部分では高い密封性が実現され、前記Rおよびθが小さい部分では高い密封性が得られないおそれがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、口金部にスカート部を高精度に成形することが可能になるボトル缶を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のボトル缶は、口金部にキャップが螺着されるボトル缶であって、前記口金部は、雄ねじ部と、該雄ねじ部の缶軸方向下端に連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部、および該第1周壁部の下端に径方向外方へ凸とされた凸曲面部を介して連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部を備えるスカート部とを備え、前記第1周壁部のうち、前記雄ねじ部の缶軸方向下端の終わり部分から、周方向に当該雄ねじ部が延在する方向と反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分に、周方向に延在した、若しくは周方向に断続的に点在した径方向内方へ凹む凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1周壁部のうち前記領域に位置する部分に凹部が形成されているので、この領域に位置するスカート部の形状がだれるのを抑制することが可能になる。
すなわち、スカート部の成形予定部の内表面のうち、凸曲面部の成形予定部を径方向外方に押圧してスカート部を成形しながら、第1周壁部の成形予定部の外表面を径方向内方に押圧して凹部を形成すると、凸曲面部の成形予定部の内表面に付与される前記押圧力が、凹部よりも缶軸方向上方に向けて分散するのを防ぐことが可能になる。したがって、この押圧力を凹部よりも下方に位置する第1周壁部、凸曲面部および第2周壁部の各成形予定部に集中的に付与することが可能になり、凸曲面部の曲率半径、および前記第2周壁部の外表面若しくはその接線が缶軸に直交する方向になす角度を全周に亙って略均等な大きさとしてスカート部を成形することができる。
また、スカート部を成形した後に、第1周壁部の外表面を径方向内方に押圧して凹部を形成すると、前記領域に位置する凸曲面部の曲率半径が大きく、このスカート部にだれが生じていた場合においても、凹部を前記押圧して形成した際に、第1周壁部のうち凹部よりも下方に位置する部分が、凸曲面部を支点として径方向内方に向けて倒され、凸曲面部の曲率半径を小さくすることが可能になる。したがって、凸曲面部の曲率半径が全周に亙って略均等とされたスカート部を成形することができる。
以上より、キャップを緩めたときに、ボトル缶のスカート部に配置されたキャップのブリッジを良好に破断できず、キャップのフレアーが拡径された状態で開栓され、再度このボトル缶をリシールすることが困難になること、およびキャッピング工程において、キャップの口金部に対する螺着精度が周方向位置ごとでばらつくことを抑制することが可能になる。
ところで、内容物が充填された後のボトル缶は、その口金部にキャップが螺着されることとなるが、その際に、キャップの自由端部としてのフレアは、裾巻きロールにより、前記スカート部の外形形状に沿うように、径方向内方へ向けて押圧して成形される。該成形時に用いられる裾巻きロールの、配置されたボトル缶に対する成形時の缶軸方向位置は、一般に次のようにして設定される。
まず、ボトル缶の口金部をその側面から撮像手段により撮像して、該口金部の輪郭線を捕捉し、該輪郭線において、前記第2周壁部に接する延長線と、前記凸曲面部に接する缶軸と平行な直線との交点を特定し、該交点と、前記口金部における開口端面との缶軸方向における距離を測定する。そして、該測定値に基づいて、前記裾巻きロールの前記成形時における缶軸方向位置が設定される。
このような設定方法では、裾巻きロールの前記位置を高精度に設定することが困難であるという問題があった。すなわち、前記凸曲面部と前記第2周壁部の缶軸方向下端部との径方向における距離は、一般に約1.2mm程度しかなく、しかも第2周壁部は、その缶軸方向における両端部が曲面形状とされ、その直線部分が約0.3mm〜0.6mm程度しかない。したがって、前述のような設定方法では、第2周壁部に接する延長線を高精度に特定することが困難であるという問題があった。
しかしながら、本発明に係るボトル缶では、第1周壁部に凹部が形成されているので、第2周壁部に接する延長線と、凸曲面部に接する缶軸と平行な直線との交点を特定し、該交点と、口金部における開口端面との缶軸方向における距離を測定するのに代えて、凹部と口金部の開口端面との缶軸方向における距離を測定することによって、前記設定を実施することが可能になる。したがって、第2周壁部に接する延長線よりも、凹部の方が容易に特定することが可能になるので、前記設定を容易かつ高精度に実施することができる。さらに、この測定を、前記輪郭線に基づく方法に限らず、例えば接触式によっても実施することが可能になり、この接触式による測定を採用することにより、この測定をさらに高精度に実施することができる。以上により、裾巻きロールの成形時における缶軸方向位置を容易かつ高精度に設定することができる。
ここで、前記凹部は、前記第1周壁部のうち、前記凸曲面部の径方向外方端部から缶軸方向上方に向けて0.5mm以上2mm以下離れた位置に形成されてもよい。
この場合、前記の作用効果が確実に奏されることになる。
この場合、前記の作用効果が確実に奏されることになる。
また、前記凹部は、前記第1周壁部のうち、前記雄ねじ部の前記終わり部分よりも缶軸方向下方に位置する部分に、その全周に亙って形成されてもよい。
凹部が第1周壁部の全周に形成されると、裾巻きロールの、配置されたボトル缶に対する成形時の缶軸方向位置を前記のように設定するに際し、このボトル缶を周方向に位置決めする必要がなくなるので、この設定のさらなる高効率化を図ることができる。
この発明によれば、口金部にスカート部を高精度に成形することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。まず、この発明の一実施形態として示したボトル缶の概略構成について説明する。
このボトル缶20は、図1に示されるように、図示されない大径の胴部と、この胴部の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向かうに従い漸次縮径された肩部23と、この肩部23の上端に連設されるとともに上方へ延在した口金部22とを備える概略構成とされている。口金部22には、開口端部が径方向外方へ折り曲げられて成形されたカール部8と、口金部22の缶軸方向中央部に周方向に螺旋状に延びる雄ねじ部6と、この雄ねじ部6の缶軸方向下端に連なり径方向外方へ膨出したスカート部7とが形成されている。
このボトル缶20は、図1に示されるように、図示されない大径の胴部と、この胴部の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向かうに従い漸次縮径された肩部23と、この肩部23の上端に連設されるとともに上方へ延在した口金部22とを備える概略構成とされている。口金部22には、開口端部が径方向外方へ折り曲げられて成形されたカール部8と、口金部22の缶軸方向中央部に周方向に螺旋状に延びる雄ねじ部6と、この雄ねじ部6の缶軸方向下端に連なり径方向外方へ膨出したスカート部7とが形成されている。
スカート部7は、図2に示すように、雄ねじ部6の缶軸方向下端に連なり、下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部7aと、この第1周壁部7aの下端に連なり、径方向外方へ凸とされた凸曲面部7bと、この凸曲面部7bの下端に連なり、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部7cとを備えている。そして、第2周壁部7cの下端、つまりスカート部7の下端に、凸曲面部7bより小径とされるとともに、下方に延在した首部9が連設されている。
以上の構成において、スカート部7の缶軸方向における大きさaは、雄ねじ部6の螺旋形状に起因して、周方向で一定ではなく、図1に示すように、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aに位置する部分(以下、「周方向位置A」という)が最も小さく、この位置Aから周方向に雄ねじ部6が延在する方向Xに向かうに従い漸次大きくなる。そして、この大きさaは、雄ねじ部6の前記終わり部分6aの、前記延在する方向Xと反対側の近傍(以下、「周方向位置B」という)に位置する部分で最も大きくなっている。
具体的には、スカート部7を構成する第1周壁部7a、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cのうち第1周壁部7aの缶軸方向における大きさのみが、周方向で前述のように異なり、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの缶軸方向における大きさは口金部22の略全周に亙って均等とされている。
そして、第1周壁部7aには、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aから、周方向にこの雄ねじ部6が延在する方向Xと反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分に、本実施形態では、第1周壁部7aの全周に亙って、周方向に延在した凹部7dが形成されている。また、この凹部7dと凸曲面部7bとの缶軸方向における距離は、口金部22の全周に亙って略同等とされている。さらに、本実施形態の凹部7dは、図1に示すように、第1周壁部7aのうち、雄ねじ部6の前記終わり部分6aよりも缶軸方向下方に位置する部分に、その全周に亙って連続的に形成されている。
また、本実施形態の凹部7dは、図2に示すように、第1周壁部7aの外周面においてのみ径方向内方へ曲面状とされて凹むような凹溝とされ、この位置に対応する内周面は平滑面とされている。なお、凹部7dは、凸曲面部7bの径方向外方端部から缶軸方向上方に0.5mm以上2mm以下離れた位置に形成されている。また、凹部7dの缶軸方向における大きさは0.2mm以下とされ、第1周壁部7aの外周面と、凹部7dの外周面のうち最も径方向内方に位置する部分との径方向における距離、つまり凹部7dの深さは、0.02mm〜0.10mmとされている。
次に、以上のように構成されたボトル缶20の、雄ねじ部6、スカート部7および首部9を成形するためのボトル缶の製造装置について説明する。この製造装置に供されるボトル缶体5は、前述した図7に示す従来のものと同様であるのでその説明を省略する。
本実施形態のボトル缶の製造装置10は、図3から図5に示すように、ボトル缶体口金部4の内側に配置される内側成形駒60、および外側に配置される外側成形駒50を備え、これらの各成形駒60、50は、スカート成形部12a、12bと、このスカート成形部12a、12bと同軸的に配設された雄ねじ成形部11a、11bとを備え、本実施形態では、各成形駒60、50において、軸線方向下部がスカート成形部12a、12bとされ、上部が雄ねじ成形部11a、11bとされている。さらに各成形駒60、50は、配置されたボトル缶体5の口金部4に対して、缶軸方向および径方向に接近離間可能に支持されるとともに、それぞれの回転軸線回りに回転自在に支持されている。
ここで、以下説明の便宜のため、内側成形駒60のスカート成形部12aを「内側スカート成形部12a」といい、内側成形駒60の雄ねじ成形部11aを「内側雄ねじ成形部11a」といい、外側成形駒50のスカート成形部12bを「外側スカート成形部12b」といい、外側成形駒50の雄ねじ成形部11bを「外側雄ねじ成形部11b」という。
以上より、図5に示すように、内側成形駒60が口金部4の内側に配置されるとともに、外側成形駒50が外側に配置された後に、これらの各成形駒50、60が互いに接近移動することにより、この口金部4を挟み込んだ状態で、これら50、60が缶軸回りに回動することによって、口金部4に、雄ねじ部6、スカート部7および首部9が成形されるようになっている。
ここで、内側および外側雄ねじ成形部11a、11bの各外周面にはそれぞれ、その周方向の全周に亙って、図3に示すように、各成形部11a、11bの径方向外方へ凸とされた雄ねじ押圧部11c、11dが、互いの軸線方向における位置がずれるように螺旋状に形成されている。そして、本実施形態の各雄ねじ押圧部11c、11dの、雄ねじ成形部11a、11bの外周面からの径方向における大きさ、つまりねじ山高さD、Cは、成形する雄ねじ部6のねじ山高さEより大きくされている。
これにより、雄ねじ部6の成形時に、外側雄ねじ成形部11bの外周面と雄ねじ部6のねじ山部6cの外周面とが非接触とされ、また、内側雄ねじ成形部11aの外周面と雄ねじ部6の谷部6bの内周面とが非接触とされる。
外側スカート成形部12bは、首部成形予定部4eの外表面を径方向内方へ向けて押圧する外側押圧部102dと、第1周壁部7aの少なくとも一部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cのうち、成形する雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aから、周方向にこの雄ねじ部6が延在する方向X(図1参照)と反対方向に向けた少なくとも約180°の領域(以下、「領域」という)に位置する部分を成形するに際し、第1周壁部7aの少なくとも一部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部の外表面が押し当てられ、これら7a、7bおよび7cを支持する支持部12cとを備えている。
本実施形態の支持部12cは、第1周壁部7aの缶軸方向下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部の外表面が缶軸方向に略連続的に押し当てられ、これら7a、7bおよび7cを支持する構成とされるとともに、その軸線方向下端に前記外側押圧部102dが滑らかに連設されている。
また、本実施形態の外側スカート成形部12bは、支持部12cの軸線方向上端に連設されて、軸線方向上方へ向かうに従い漸次縮径する第1凸曲面部12dを備えている。なお、第1凸曲面部12dの支持部12cとの連結部分12gは、径方向外方へ曲面状に凸とされて、その曲率半径は約0.5mm〜2.0mmとされている。
以上より、スカート部7の成形時において、第1周壁部7aの下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部は、これらの外表面が支持部12cに押し当てられて支持されるようになっている。言い換えれば、後述する内側スカート成形部12aにより、第1周壁部7aの下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部の内表面が径方向外方に押圧されて、これらと対応する外表面が支持部12cの外表面に押し当てられて支持されるようになっている。また、第1周壁部7aの成形予定部の下部外表面のうちその上端部が、第1凸曲面部12dの前記連結部分12gにより径方向内方へ向けて押圧されるようになっている。
本実施形態の内側スカート成形部12aは、第1周壁部7aの缶軸方向下部、および凸曲面部7bの各成形予定部における内表面を径方向外方へ向けて押圧する第1内側押圧部12eと、第2周壁部7cの成形予定部を、その缶軸方向下端部を支点として内表面側から径方向外方に向けて折り曲げる折り曲げ部12fとを備えている。これらの第1内側押圧部12eと折り曲げ部12fとは、軸線方向で滑らかに連設されている。
本実施形態では、第1内側押圧部12eおよび折り曲げ部12fは内側スカート成形部12aの外周面に全周に亙って形成されている。さらに本実施形態では、内側スカート成形部12aは、第1周壁部7aの缶軸方向上部の成形予定部における内表面を径方向外方に押圧する第2内側押圧部12hを備えている。
次に、以上のように構成されたボトル缶の製造装置10により、ボトル缶体口金部4に雄ねじ部6、スカート部7および首部9を成形する方法について説明する。
まず、図4に示すように、ボトル缶体5を図示されない保持テーブル上に缶軸と装置10の中心軸線Oとを一致させた状態で保持した後に、外側成形駒50および内側成形駒60をボトル缶体5に向けて前進移動させる。
まず、図4に示すように、ボトル缶体5を図示されない保持テーブル上に缶軸と装置10の中心軸線Oとを一致させた状態で保持した後に、外側成形駒50および内側成形駒60をボトル缶体5に向けて前進移動させる。
ここで、内側成形駒60の回転軸線は装置10の中心軸線Oと略一致し、かつ内側成形駒60の外径はボトル缶体口金部4の内径より小さくされており、また、外側成形駒50は、その回転軸線とボトル缶体口金部4の外周面との距離が、外側成形駒50の半径よりも大きくなる位置に位置しており、以上より、装置10、つまり内側成形駒60および外側成形駒50をボトル缶体5に向けてその缶軸方向に前進移動させると、内側成形駒60はボトル缶体口金部4の内側に配置され、外側成形駒50はボトル缶口金部4の外側に配置される。
その後、図示されない駆動手段により、内側成形駒60をボトル缶体5の径方向外方へ向けて移動させるとともに、外側成形駒50をボトル缶体5の径方向内方へ向けて移動させて、各成形駒50、60を互いが接近する方向に移動させることにより、図5に示すように、口金部4が各成形駒50、60の外表面により挟持される。この口金部4のうち、雄ねじ成形予定部4cは、内側および外側雄ねじ成形部11a、11bにより挟持され、スカート成形予定部4bは、内側および外側スカート成形部12a、12bにより挟持される。
これらのうち、雄ねじ成形予定部4cは、その内表面が内側雄ねじ成形部11aの雄ねじ押圧部11cにより径方向外方へ向けて押圧されて、ねじ山部6cが成形されるとともに、外表面が外側雄ねじ成形部11bの雄ねじ押圧部11dにより径方向内方へ向けて押圧されて、谷部6bが成形される。さらにこの際、谷部6bの内周面は、内側雄ねじ成形部11aの外周面と非接触とされるとともに、ねじ山部6cの外周面は、外側雄ねじ成形部11bの外周面と非接触とされる。
一方、スカート成形予定部4bの内表面のうち、第1周壁部7aの缶軸方向下部、および凸曲面部7bの各成形予定部が、内側スカート成形部12aの第1内側押圧部12eにより径方向外方へ向けて押圧されるとともに、第2周壁部7cの成形予定部が、その下端部を支点として、内側スカート成形部12aの折り曲げ部12fにより内表面側から径方向外方へ向けて折り曲げられる。さらに、第1周壁部7aの成形予定部の缶軸方向上部内表面が、内側スカート成形部12aの第2内側押圧部12hにより径方向外方に向けて押圧される。
また、スカート成形予定部4bの外表面のうち、第2周壁部7cの成形予定部における缶軸方向下端部が、外側スカート成形部12bの外側押圧部102dにより径方向内方へ向けて押圧されるとともに、第1周壁部7aの缶軸方向下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部が、外側スカート成形部12bの支持部12cに押し当てられて支持される。すなわち、内側スカート成形部12aの第1内側押圧部12eによる前記径方向外方へ向けた押圧によって、第1周壁部7aの下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部の略全域の外表面が支持部12cに押し当てられて支持される。
この際、第1周壁部7aの缶軸方向下部の外表面のうちその上端部、すなわち雄ねじ部6の前記終わり部分6aより缶軸方向下方位置が、外側スカート成形部12bの第1凸曲面部12dの前記連結部分12gにより径方向内方へ向けて押圧される。また、首部成形予定部4eは、その内表面が無拘束とされた状態、すなわち内側スカート成形部12aのうち、折り曲げ部12fの下端に連設されて、外側押圧部102dに首部成形予定部4eを挟んで対向する部分101dの外表面と非接触とされた状態で、外表面が外側押圧部102dにより径方向内方へ向けて押圧される。
以上のように、ボトル缶体口金部4が外側および内側成形駒50、60により挟持された状態で、装置10がその中心軸線O回りに回動されることにより、口金部4の全周に亙って、雄ねじ部6、スカート部7および首部9が成形される。この成形過程において、第1周壁部7aの成形予定部の下部外表面のうちその上端部は、全周に亙って第1凸曲面部12dの前記連結部分12gにより径方向内方へ向けて押圧されることにより、第1周壁部7aの外周面に、図1および図2に示されるような、雄ねじ部6の前記終わり部分6aよりも缶軸方向下方に位置する部分に、その全周に亙って連続的に延在した凹部7dが形成される。
その後、ボトル缶体口金部4の開口端部が、径方向外方へ折り返されてカール部8が成形される等して図1および図2に示すボトル缶20が形成される。
その後、ボトル缶体口金部4の開口端部が、径方向外方へ折り返されてカール部8が成形される等して図1および図2に示すボトル缶20が形成される。
以上説明したように、本実施形態によるボトル缶によれば、第1周壁部7aのうち前記領域に位置する部分に凹部7dが形成されているので、この領域に位置するスカート部7の形状がだれるのを抑制することが可能になる。
すなわち、本実施形態では、スカート部成形予定部4bの内表面のうち、凸曲面部7bの成形予定部を径方向外方に押圧してスカート部7を成形しながら、第1周壁部7aの成形予定部の外表面を径方向内方に押圧して凹部7dを形成するので、凸曲面部7bの成形予定部の内表面に付与される前記押圧力が、凹部7dよりも缶軸方向上方に向けて分散するのを防ぐことが可能になる。
したがって、この押圧力を凹部7dよりも下方に位置する第1周壁部7a、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの各成形予定部に集中的に付与することが可能になり、凸曲面部7bの曲率半径R、および第2周壁部7cの外表面若しくはその接線が缶軸に直交する方向になす角度θを全周に亙って略均等な大きさとしてスカート部7を成形することができる。
これにより、キャップを緩めたときに、ボトル缶のスカート部に配置されたキャップのブリッジを良好に破断できず、キャップのフレアーが拡径された状態で開栓され、再度このボトル缶をリシールすることが困難になること、およびキャッピング工程において、キャップの口金部に対する螺着精度が周方向位置ごとでばらつくことを抑制することが可能になる。
また、第1周壁部7aに凹部7dが形成されているので、裾巻きロールの、配置されたボトル缶20に対する成形時の缶軸方向位置を設定するに際し、ボトル缶20の口金部22をその側面から撮像手段により撮像して、この口金部22の輪郭線を捕捉し、この輪郭線において、凹部7dと口金部22の開口端面との缶軸方向における距離を測定することによって、前記設定を実施することが可能になり、この設定を容易かつ高精度に実施することができる。また、この測定を前記輪郭線に基づく方法に限らず、例えば接触式によっても実施することが可能になり、この接触式による測定を採用することにより、この測定をさらに高精度に実施することができる。
さらに、本実施形態では、凹部7dが、第1周壁部7aのうち、雄ねじ部6の前記終わり部分6aよりも缶軸方向下方に位置する部分に、その全周に亙って連続的に形成されているので、裾巻きロールの、配置されたボトル缶20に対する成形時の缶軸方向位置を前記のように設定するに際し、このボトル缶20を周方向に位置決めする必要がなくなるため、前記設定のさらなる高効率化を図ることができる。
また、凹部7dが、第1周壁部7aのうち凸曲面部7bの径方向外方端部から缶軸方向上方に向けて0.5mm以上2mm以下離れた位置に形成されているので、前記の作用効果が確実に奏されることになる。
また、本実施形態によるボトル缶の製造方法によれば、スカート部7のうち、缶軸方向における大きさが大きい部分としての、雄ねじ部6の缶軸方向下端の終わり部分6aから、周方向にこの雄ねじ部6が延在する方向Xと反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分を成形するに際し、スカート部成形予定部4bの中で凸曲面部7bの成形予定部の内表面のみならず、第1周壁部7aの成形予定部の内表面をも径方向外方に向けて押圧するので、前記領域に位置するスカート部7の形状がだれるのを防ぐことができる。
すなわち、凸曲面部7bの成形予定部の内表面のみを径方向外方に向けて押圧して、この凸曲面部7bの径方向外方に向けた変形挙動に第1周壁部7aの成形予定部を追従させるようにして変形させ第1周壁部7aを成形するのではなく、積極的に第1周壁部7aの成形予定部の内表面を径方向外方に向けて押圧してこの方向に変形させて第1周壁部7aを成形するので、成形後に前記押圧を解除しても、この第1周壁部7aに径方向内方に向けたスプリングバックを生じさせることなく、前記押圧時の形状のままに維持させることができる。したがって、凸曲面部7bの曲率半径R、および第2周壁部7cの外表面若しくはその接線が缶軸に直交する方向になす角度θを全周に亙って略均等な大きさとしてスカート部7を成形することができる。
また、スカート部7の前記領域に位置する部分を成形するに際し、第1周壁部7aの成形予定部が、支持部12cにより外表面側から支持された状態でこの外表面と対応する内表面が第1内側押圧部12eにより径方向外方に向けて押圧されてスカート部7の第1周壁部7aに成形されるので、この成形時に、第1周壁部7aの成形予定部の外表面に発生する缶軸方向の延びを抑えることが可能になり、この延びにより第1周壁部7aの成形予定部の径方向外方へ向けた変形が阻害されたり、あるいは前記スプリングバックが生ずるのを確実に防ぐことができる。
さらに、前記領域に位置するスカート部7を成形するに際し、第2周壁部7cの成形予定部を前記折り曲げるので、成形する第2周壁部7cの缶軸方向下端部を加工硬化させることが可能になる。したがって、成形後に第1周壁部7aおよび凸曲面部7bの各成形予定部の内表面に対する径方向外方に向けた押圧を解除した際、第1周壁部7aおよび凸曲面部7bに径方向内方に向けたスプリングバックが生じようとした場合においても、前記加工硬化された第2周壁部7bの缶軸方向下端部を、このスプリングバックに対して抗する強化部として作用させることが可能になる。
また、スカート部7の前記領域に位置する部分を成形するに際し、凸曲面部7bの成形予定部が、その外表面側から支持された状態でこの外表面に対応する内表面が径方向外方に向けて押圧されて凸曲面部7bに成形されるので、この成形時に、凸曲面部7bの成形予定部の外表面に発生する缶軸方向の延びを抑えることが可能になり、この延びにより凸曲面部7bの成形予定部の径方向外方へ向けた変形が阻害されたり、あるいは成形後に凸曲面部7bの成形予定部の内表面に対する径方向外方に向けた押圧を解除した際、凸曲面部7bに径方向内方に向けたスプリングバックが生ずるのを確実に抑えることができる。
また、第2周壁部7cの成形予定部が、その外表面側から支持された状態で前記折り曲げられるので、前記成形時に、第2周壁部7cの成形予定部の下端部における外表面に発生する、この縦断面形状の延びる方向に沿った圧縮ひずみを抑えることが可能になり、成形後に第2周壁部7cの成形予定部に対する前記折り曲げを解除した際、前記圧縮ひずみにより、第2周壁部7cが缶軸方向上方に向けてスプリングバックするのを抑えることができる。
さらに、本実施形態では、第1周壁部7aに凹部7dを形成する際、この周壁部7aの外表面が、外側スカート成形部12bの第1凸曲面部12dの前記連結部分12gにより径方向内方へ向けて押圧されるとともに、これと対応する内表面が内側スカート成形部12aの第1内側押圧部12eにより径方向外方へ向けて押圧されて、この内外表面が強固に挟持されることとなる。
したがって、前述のように第2周壁部7cの下端部が加工硬化することと相俟って、スカート部7の成形時に、第1周壁部7aおよび凸曲面部7bの各成形予定部の内表面に対する径方向外方に向けた押圧力が、凹部7dよりも缶軸方向上方に、第2周壁部7cの下端部よりも下方にそれぞれ分散するのを防ぐことが可能になり、この押圧力を凹部7dと第2周壁部7cの下端部との間に位置する第1周壁部7aの下部および凸曲面部7bの各成形予定部に集中的に付与することができる。したがって、スカート部7をより一層高精度に成形することができる。
さらに、雄ねじ成形予定部4cに雄ねじ部6を成形するに際し、谷部6bの内周面とねじ山部6cの外周面とが前記各雄ねじ成形部11a、11bと非接触とされているので、成形時に雄ねじ部6が厚さ方向に圧縮変形されて、その肉厚が薄くなることを防止することが可能になり、雄ねじ部6の座屈強度の低下を防ぐことができる。
ここで、このように雄ねじ部6の谷部6bの内周面とねじ山部6cの外周面とが前記非接触とされて雄ねじ部6が成形されると、この非接触とされた面積が増大した分、ボトル缶体口金部4による前記各成形駒50、60の拘束が緩くなることから、前記各成形駒50、60の回転軸線の傾きが、成形時における口金部4の周方向位置ごとでばらつくことにより、ねじ山高さEが周方向位置ごとで安定せず、高精度な雄ねじ部6を成形することが困難になるおそれが考えられる。
しかしながら、本実施形態では、第1周壁部7aの下部、凸曲面部7bおよび第2周壁部7cの内外表面が、前記各成形駒50、60により挟み込まれた状態で雄ねじ部6が成形されるので、ボトル缶体口金部4による前記各成形駒50、60の拘束を必要十分確保することが可能になり、この成形時における前記回転軸線の傾きが、口金部4の周方向位置ごとでばらつくことを抑えることが可能になる。したがって、ねじ山高さEの周方向位置ごとでのばらつきを抑えることが可能になり、高精度な雄ねじ部6を成形することができる。
特に本実施形態では、第2周壁部7cの成形予定部を、その缶軸方向下端部を支点として内表面側から径方向外方へ向けて折り曲げながらスカート部7を成形しつつ雄ねじ部6を成形し、各スカート成形部12a、12bが、第2周壁部7cの内外表面に面接触することになるので、成形時に各スカート成形部12a、12bがそれぞれの回転軸線に対して傾斜しようとしても、前記面接触により、ボトル缶体口金部4と各成形駒50、60との間に発生した摩擦力によって、この傾きの発生を防ぐことが可能になり、高精度な雄ねじ部6を確実に成形することができる。
ここで、前述した作用効果のうち、スカート部7を高精度に形成できることについての評価試験を実施した。評価方法として、図1に示すボトル缶20を20個準備し、各ボトル缶20について、スカート部7のうち、周方向位置を任意に異ならせた3箇所でスカート角度θ(図1参照)を測定した。比較例として、従来技術としての図8に示すボトル缶110を用い、同様にスカート角度θを測定した。
結果、比較例では、前記角度θの標準偏差が3.398であったのに対し、本実施形態のボトル缶20では1.549であり、実施例ではスカート部7を高精度に形成できることが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、凹部7dを、図2に示すように、第1周壁部7aの外周面においてのみ径方向内方へ曲面状に凹む凹溝として、この位置に対応する内周面は平滑面とした構成を示したが、凹部7dを、第1周壁部7aの外周面のみならず内周面をも径方向内方へ凹ませて形成してもよい。また、図2で示した前記凹部7dに代えて、縦断面視の形状を例えばV字状にしてもよいし、これらの形状に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、凹部7dを、図2に示すように、第1周壁部7aの外周面においてのみ径方向内方へ曲面状に凹む凹溝として、この位置に対応する内周面は平滑面とした構成を示したが、凹部7dを、第1周壁部7aの外周面のみならず内周面をも径方向内方へ凹ませて形成してもよい。また、図2で示した前記凹部7dに代えて、縦断面視の形状を例えばV字状にしてもよいし、これらの形状に限られるものではない。
さらに、凹部7dを、第1周壁部7aのうち、雄ねじ部6の前記終わり部分6aよりも缶軸方向下方に位置する部分に、その全周に亙って連続的に形成したが、少なくとも前記180°の領域に位置する部分に形成すれば、その缶軸方向における形成位置は特に限定されるものではない。また、凹部7dは第1周壁部7aに周方向に断続的に点在させて形成してもよい。さらに、凹部7dは第1周壁部7aにその全周に形成したが、少なくとも前記180°の領域に位置する部分に形成すればよい。
また、前記実施形態では、凹部7dを、スカート部7を成形するのと同時に形成したが、スカート部7を成形した後に、第1周壁部7aの外表面を径方向内方に押圧して凹部7dを形成してもよい。この場合、前記領域に位置する凸曲面部7bの曲率半径Rが大きく、このスカート部7にだれが生じていた場合においても、凹部7dを前記押圧して形成した際に、第1周壁部7aのうち凹部7dよりも下方に位置する部分が、凸曲面部7bを支点として径方向内方に向けて倒され、凸曲面部7bの曲率半径Rを小さくすることが可能になる。したがって、凸曲面部7bの曲率半径Rを全周に亙って略均等な大きさとしてスカート部7を成形することができる。
さらに、前記実施形態では、スカート部7を成形する際に、スカート部成形予定部4bの中で凸曲面部7bの成形予定部の内表面のみならず、第1周壁部7aの成形予定部の内表面をも径方向外方に向けて押圧したが、凸曲面部7bの成形予定部の内表面のみを径方向外方に向けて押圧してもよい。
また、前記領域に位置するスカート部7を成形するに際し、第1周壁部7aおよび凸曲面部7bの各成形予定部を、その外表面側を支持した状態で内表面を径方向外方に向けて押圧して第1周壁部7aおよび凸曲面部7bを成形したが、これらの外表面側を支持しないで内表面を径方向外方に向けて押圧して成形してもよい。
さらにまた、前記領域に位置するスカート部7を成形するに際し、第2周壁部7cの成形予定部を、その外表面側を支持しながら内表面側から前記折り曲げて第2周壁部7cに成形したが、この外表面側を支持しないで内表面側を前記折り曲げてもよく、あるいはこの成形予定部の内外表面を無拘束として、第1周壁部7aおよび凸曲面部7bの各成形予定部の内表面を径方向外方に向けて押圧して、この第1周壁部7aおよび凸曲面部7bの径方向外方に向けた変形挙動に、第2周壁部7cの成形予定部を追従させるようにして変形させ、第2周壁部7cを成形してもよい。
また、図6に示すように、折り曲げ部12fを有さない内側スカート成形部21を採用し、第2周壁部7cの成形予定部の内表面を無拘束として、その他は図3に示す前記実施形態と同様にしてスカート部7を成形してもよい。
このような構成においても、スカート角度θの標準偏差が1.671となることを、前述と同様の評価方法により確認することができた。これにより、図6に示す内側スカート成形部21を採用しても、前記比較例と比べて有利な作用効果を有することが確認できた。
さらに、前記実施形態では、首部成形予定部4eの内表面を無拘束としてその外表面を径方向内方に向けて押圧して首部9を成形したが、少なくともスカート部7の前記領域に位置する部分を成形するに際し、首部成形予定部4eを、その内表面側から支持しながらこの内表面と対応する外表面を径方向内方に向けて押圧して首部9に成形してもよい。
この場合、首部9の成形時に、首部成形予定部4eの内表面に発生する缶軸方向の延びを抑えることが可能になり、この延びにより径方向内方へ向けた首部成形予定部4eの変形が阻害されたり、あるいは成形後に前記各成形駒50、60を口金部22から離間させたときに首部9が径方向外方に向けてスプリングバックするのを防ぐことが可能になる。これにより、首部9を高精度に成形することが可能になり、この首部9の形状のゆがみがスカート部7に影響することを防ぐことができ、スカート部7を高精度に成形することをより一層確実に実現することができる。
口金部にスカート部を高精度に成形することが可能になるボトル缶を提供する。
4 ボトル缶体の口金部
5 ボトル缶体
6 雄ねじ部
6a 雄ねじ部の缶軸方向下端の終わり部分
7 スカート部
7a 第1周壁部
7b 凸曲面部
7c 第2周壁部
20 ボトル缶
22 ボトル缶の口金部
X 雄ねじ部が延在する方向
5 ボトル缶体
6 雄ねじ部
6a 雄ねじ部の缶軸方向下端の終わり部分
7 スカート部
7a 第1周壁部
7b 凸曲面部
7c 第2周壁部
20 ボトル缶
22 ボトル缶の口金部
X 雄ねじ部が延在する方向
Claims (2)
- 口金部にキャップが螺着されるボトル缶であって、
前記口金部は、雄ねじ部と、該雄ねじ部の缶軸方向下端に連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次拡径された第1周壁部、および該第1周壁部の下端に径方向外方へ凸とされた凸曲面部を介して連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された第2周壁部を備えるスカート部とを備え、
前記第1周壁部のうち、前記雄ねじ部の缶軸方向下端の終わり部分から、周方向に当該雄ねじ部が延在する方向と反対方向に向けて少なくとも約180°の領域に位置する部分に、周方向に延在した、若しくは周方向に断続的に点在した径方向内方へ凹む凹部が形成されていることを特徴とするボトル缶。 - 請求項1記載のボトル缶であって、
前記凹部は、前記第1周壁部のうち、前記凸曲面部の径方向外方端部から缶軸方向上方に向けて0.5mm以上2mm以下離れた位置に形成されていることを特徴とするボトル缶。
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