JP2007080936A - 光電変換素子及び固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐことが可能な光電変換素子を提供する。
【解決手段】第一電極膜11と、第一電極膜11に対向する第二電極膜13と、第一電極膜11と第二電極膜13の間に配置される光電変換膜を含む光電変換層12とからなる光電変換部を有する光電変換素子であって、第二電極膜13上方から該光電変換膜に光が入射されるものであり、該光電変換膜は、第二電極膜13上方からの入射光に応じて電子と正孔を発生し、且つ、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さい特性を持ち、且つ、第一電極膜11近傍よりも第二電極膜13近傍の方が電子と正孔をより多く発生するものであり、第二電極膜13を電子の取り出し用の電極とした。
【選択図】図5
【解決手段】第一電極膜11と、第一電極膜11に対向する第二電極膜13と、第一電極膜11と第二電極膜13の間に配置される光電変換膜を含む光電変換層12とからなる光電変換部を有する光電変換素子であって、第二電極膜13上方から該光電変換膜に光が入射されるものであり、該光電変換膜は、第二電極膜13上方からの入射光に応じて電子と正孔を発生し、且つ、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さい特性を持ち、且つ、第一電極膜11近傍よりも第二電極膜13近傍の方が電子と正孔をより多く発生するものであり、第二電極膜13を電子の取り出し用の電極とした。
【選択図】図5
Description
本発明は、第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子と、この光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子に関する。
従来の光センサは、シリコン(Si)などの半導体基板中にフォトダイオード(PD)を形成して作成した素子が一般的であり、固体撮像素子としては、半導体基板中にPDを2次元的に配列し、各PDで光電変換により発生した信号電荷に応じた信号をCCDやCMOS回路で読み出す平面型固体撮像素子が広く用いられている。カラー固体撮像素子を実現する方法としては、平面型固体撮像素子の光入射面側に、色分離用に特定の波長の光のみを透過するカラーフィルタを配した構造が一般的であり、特に、現在デジタルカメラなどに広く用いられている方式として、2次元的に配列した各PD上に、青色(B)光、緑色(G)光、赤色(R)光をそれぞれ透過するカラーフィルタを規則的に配した単板式固体撮像素子がよく知られている。
ただし、単板式固体撮像素子においては、カラーフィルタが限られた波長の光のみしか透過しないため、カラーフィルタを透過しなかった光が利用されず光利用効率が悪い。また、画素の高集積化に伴い、PDのサイズが光の波長と同程度のサイズとなり、光がPDに導波されにくくなる。また、青色光、緑色光、赤色光を、近接するそれぞれ別々のPDで検出した後それらを演算処理することによって色再現するため、偽色が生じることがあり、この偽色を回避するために光学的ローパスフィルタを必要とし、このフィルタによる光損失も生じる。
従来、これらの欠点を解決する素子として、シリコンの吸収係数の波長依存性を利用して、シリコン基板内に3つのPDを積層し、それぞれのPDのpn接合面の深さの差によって色分離を行うカラーセンサが報告されている(特許文献1,2,3参照)。しかしながら、この方式では、積層されたPDでの分光感度の波長依存性がブロードであり、色分離が不十分であるという問題点がある。特に、青色と緑色の色分離が不十分である。
この問題点を解決するために、緑色光を検出してこれに応じた信号電荷を発生する光電変換部をシリコン基板上方に設け、シリコン基板内に積層した2つのPDで青色光と赤色光を検出するというセンサが提案されている(特許文献4参照)。シリコン基板上方に設けられる光電変換部は、シリコン基板上に積層された第一電極膜と、第一電極膜上に積層された有機材料からなる光電変換膜と、光電変換膜上に積層された第二電極膜とを含んで構成されており、第一電極膜と第二電極膜に電圧を印加することで、光電変換膜内で発生した信号電荷が第一電極膜と第二電極膜に移動し、いずれかの電極膜に移動した信号電荷に応じた信号が、シリコン基板内に設けられたCCDやCMOS回路等で読み出される構成となっている。本明細書において、光電変換膜とは、そこに入射した特定の波長の光を吸収し、吸収した光量に応じた電子及び正孔を発生する膜のことを言う。
有機材料からなる光電変換膜では、上述した構成において第二電極膜の上方から光が入射してくるとすると、光吸収によって発生する電子及び正孔が第二電極膜近傍において多く発生し、第一電極膜近傍ではそれほど多く発生しないのが一般的である。これは、この光電変換膜の吸収ピーク波長付近の光の多くが第二電極膜近傍で吸収されてしまい、第二電極膜近傍から離れるにしたがって、光の吸収率が低下していくことに起因している。このため、第二電極膜近傍において発生した電子又は正孔がシリコン基板にまで効率良く移動されないと、光電変換効率が低下してしまい、結果的に素子の感度低下を招くことになる。また、第二電極膜近傍で強く吸収された光波長による信号が減少することになるため、結果として分光感度の幅が広がってしまういわゆるブロード化を招くことにもなる。
また、有機材料からなる光電変換膜では、電子の移動度が正孔の移動度よりも非常に小さいのが一般的である。さらに、有機材料からなる光電変換膜における電子の移動度は酸素の影響を受けやすく、光電変換膜を大気中に晒すと電子の移動度が更に低下しまうことも分かっている。このため、電子をシリコン基板まで移動させようとする場合、第二電極膜近傍において発生した電子の光電変換膜内での移動距離が長いと、電子の移動中にその一部が失活するなどして電極膜にて捕集されず、結果として感度が低下し、分光感度がブロード化してしまう。
上述した感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐため、光電変換膜を薄くする、あるいは電子の移動度の高い材料を用いる事が対策として考えられるが、光吸収量を十分得る必要があるため、光電変換膜の膜厚を薄くするには限界があり、また移動度の要件を満たそうとすると材料が大きく制限されるデメリットが生じる。また、電子の遅い移動度を補助するために、光電変換膜に電界を加える事も可能であるが、十分に強い電界を加えた場合、それを挟む2つの電極からの注入性リーク電流が増大するなど、センサのS/Nを低下させる可能性がある。このため、これらの方法を採用せずに感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐ手法が望まれる。
感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐためには、第二電極膜近傍において発生した電子又は正孔をシリコン基板にまで効率良く移動させることが有効であり、これを実現するためには、光電変換膜内で発生した電子又は正孔の取り扱い方が課題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐことが可能な光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の光電変換素子は、第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、前記第二電極膜を前記電子の取り出し用の電極とした。
本発明の光電変換素子は、前記光電変換膜が、前記第一電極膜近傍よりも前記第二電極膜近傍の方が前記電子と前記正孔をより多く発生する。
本発明の光電変換素子は、前記光電変換膜が有機材料を含んで構成される。
本発明の光電変換素子は、前記有機材料が有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含む。
本発明の光電変換素子は、前記有機p型半導体及び前記有機n型半導体が、それぞれキナクリドン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを含む。
本発明の光電変換素子は、前記第一電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuで構成される。
本発明の光電変換素子は、前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuで構成される。
本発明の光電変換素子は、前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、又はFTOで構成され、前記光電変換部が、前記光電変換膜と前記第二電極膜との間に、仕事関数4.5eV以下の金属からなる膜を有する。
本発明の光電変換素子は、前記第二電極膜の可視光に対する透過率が60%以上である。
本発明の光電変換素子は、前記第一電極膜の可視光に対する透過率が60%以上である。
本発明の光電変換素子は、前記第一電極膜と前記第二電極膜は、前記第二電極膜に前記電子が移動し、前記第一電極膜に前記正孔が移動するように電圧が印加されるものであり、前記第一電極膜下方に設けられた半導体基板と、前記半導体基板内に形成され、前記第二電極膜に移動された前記電子を蓄積するための電子蓄積部と、前記電子蓄積部と前記第二電極膜とを電気的に接続する接続部とを備える。
本発明の光電変換素子は、前記光電変換部が、前記第一電極膜と前記光電変換膜との間に、有機高分子材料からなる膜を有する。
本発明の光電変換素子は、前記光電変換膜下方の前記半導体基板内に、前記光電変換膜を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える。
本発明の光電変換素子は、前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードである。
本発明の光電変換素子は、前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の前記入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードである。
本発明の光電変換素子は、前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された赤色用フォトダイオードであり、前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものである。
本発明の光電変換素子は、前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収する青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収する赤色用フォトダイオードであり、前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものである。
本発明の光電変換素子は、前記半導体基板上方に、前記光電変換部が複数積層されており、前記複数の光電変換部毎に前記電子蓄積部と前記接続部が設けられる。
本発明の光電変換素子は、前記半導体基板と該半導体基板の直近にある前記第一電極膜との間に、該第一電極膜を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を備える。
本発明の固体撮像素子は、前記光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し部を備える。
本発明の固体撮像素子は、前記光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号と、前記無機光電変換部に蓄積された電荷に応じた信号とを読み出す信号読み出し部を備える。
本発明の固体撮像素子は、前記光電変換素子に含まれる前記光電変換膜及び前記第一電極膜が、前記多数の光電変換素子全体で共通化されており、前記光電変換素子に含まれる前記第二電極膜が、前記多数の光電変換素子毎に分離されている。
本発明によれば、感度低下及び分光感度のブロード化を防ぐことが可能な光電変換素子を提供することができる。
本出願人は、第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子において、第二電極膜上方から光が入射されるものとした場合、光電変換膜内で発生する電子を第二電極膜に移動させ、第二電極膜に移動した電子を、半導体基板内に形成された電荷蓄積部に蓄積し、この電荷蓄積部に蓄積された電子に応じた信号を、半導体基板に形成したCCDやCMOS回路等の信号読み出し部によって外部に読み出すようにすることで、光電変換効率が向上し、感度低下及び分光感度のブロード化が防げることを見出した。以下では、まず、このような信号読み出し方式にすることがいかに重要であるかを説明する。
図1は、一対の電極膜と、これによって挟まれた光電変換膜とを含む光電変換部の構成例を示す図である。
図1に示す光電変換部は、透明な第一電極膜であるITOと、ITOの仕事関数を調整するためのInと、有機材料からなる光電変換膜としてのキナクリドンと、第二電極膜であるアルミニウム(Al)とをこの順に積層した構造となっている。Inの厚さは5nmであり、可視光(波長400〜700nmの光)に対する透過率が約95%のものとした。キナクリドンの厚さは200nmとした。Alの厚さは100nmとした。キナクリドンはIn上に真空蒸着によって成膜し、Alはキナクリドン上に真空蒸着によって成膜した。
図1に示す光電変換部は、透明な第一電極膜であるITOと、ITOの仕事関数を調整するためのInと、有機材料からなる光電変換膜としてのキナクリドンと、第二電極膜であるアルミニウム(Al)とをこの順に積層した構造となっている。Inの厚さは5nmであり、可視光(波長400〜700nmの光)に対する透過率が約95%のものとした。キナクリドンの厚さは200nmとした。Alの厚さは100nmとした。キナクリドンはIn上に真空蒸着によって成膜し、Alはキナクリドン上に真空蒸着によって成膜した。
図1に示す光電変換部において、ITO上に成膜した厚み200nmのキナクリドン蒸着膜に、ITO側から光入射した際、キナクリドン膜内のどの深さ位置でどのように光が吸収されるかを示したシミュレーションデータを図2に示す。図2に示すスペクトルのうち、(b)がキナクリドン膜内の深さ方向0〜50nmの範囲での光の吸収率、(c)がキナクリドン膜内の深さ方向50〜100nmの範囲での光の吸収率、(d)がキナクリドン膜内の深さ方向100〜150nmの範囲での光の吸収率、(e)がキナクリドン膜内の深さ方向150〜200nmの範囲での光の吸収率、(a)が(b)〜(e)の総和である。
図2に示すように、キナクリドンの吸収ピーク波長約570nmあたり光の多くはITO近傍で吸収されており、(d)あるいは(e)といった光入射側から遠い位置での吸収は、全体的に吸収が弱く、かつブロードになっている。したがって光吸収により生じる電荷も、ITO近傍で多く発生し、ITOから遠いAl近傍では比較的少ないことが分かる。
次に、図1に示す光電変換部にて、ITO側から光入射してキナクリドン内で発生させた電子をITOで捕集した場合の外部量子効率(ITOに移動された電子数/入射した光の光子数)と、電子をAlで捕集した場合の外部量子効率(Alに移動された電子数/入射した光の光子数)とを測定した結果を図3に示す。
上述したように、有機材料からなる光電変換膜は、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さいため、光入射側とは逆に位置するAlで電子を捕集する場合、該Alに電子が到達するまでに電子がトラップされ又は失活し、ITO近傍で多く発生した電子を効率良く遠いAl電極まで集めることが困難となる。このため、図3に示すように、光入射側のITOで電子を捕集した場合に比べ、逆側のAlで電子を捕集した場合は、同じバイアス電圧でも外部量子効率が大きく低減し、かつ作用スペクトルの形状も波長中央域がくぼんだ形となりブロード化していることが分かる。この結果は、図2に示したスペクトルとよく対応している。すなわち、ITOで電子を捕集する場合は、作用スペクトルは図2の(b)あるいは(c)に近く、Alで電子を捕集する場合は、作用スペクトルは図2の(e)あるいは(d)に近い。電子の捕集効率が作用スペクトルの形状を大きく支配しており、シャープで絶対値の大きな作用スペクトルを得るためには電子輸送距離を短くすることが重要であることが分かる。
上述したように、有機材料からなる光電変換膜は、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さいため、光入射側とは逆に位置するAlで電子を捕集する場合、該Alに電子が到達するまでに電子がトラップされ又は失活し、ITO近傍で多く発生した電子を効率良く遠いAl電極まで集めることが困難となる。このため、図3に示すように、光入射側のITOで電子を捕集した場合に比べ、逆側のAlで電子を捕集した場合は、同じバイアス電圧でも外部量子効率が大きく低減し、かつ作用スペクトルの形状も波長中央域がくぼんだ形となりブロード化していることが分かる。この結果は、図2に示したスペクトルとよく対応している。すなわち、ITOで電子を捕集する場合は、作用スペクトルは図2の(b)あるいは(c)に近く、Alで電子を捕集する場合は、作用スペクトルは図2の(e)あるいは(d)に近い。電子の捕集効率が作用スペクトルの形状を大きく支配しており、シャープで絶対値の大きな作用スペクトルを得るためには電子輸送距離を短くすることが重要であることが分かる。
なお、電子の移動度が比較的高い有機材料もいくつか知られているが、吸収スペクトルがブロードである等、可視分光用途の光電変換膜としては難点が多い。また、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さい材料は、有機材料に限らず、無機材料にも存在するため、このような無機材料を光電変換膜として用いた場合でも、光入射側のITOにて電子を捕集した方が電子捕集効率が良い。
また、有機材料は大気(特に酸素)に晒すと電子の移動度が低下するという結果も得られている。
図4は、図1に示す構成の光電変換部(ただしキナクリドンの厚み100nmとした)について、Alにて電子を捕集する条件を設定し、この条件においてキナクリドンとAlの間を大気に晒したときと、晒していないときの外部量子効率の変化を示したものである。
図4に示すように、Alで電子を捕集する場合、大気に10分程度晒すことで、波長中央域がくぼんで量子効率が低減している。すなわち、電子の移動度が低いことに起因する外部量子効率の低減は、大気の影響でさらに大きくなることが分かる。
図4は、図1に示す構成の光電変換部(ただしキナクリドンの厚み100nmとした)について、Alにて電子を捕集する条件を設定し、この条件においてキナクリドンとAlの間を大気に晒したときと、晒していないときの外部量子効率の変化を示したものである。
図4に示すように、Alで電子を捕集する場合、大気に10分程度晒すことで、波長中央域がくぼんで量子効率が低減している。すなわち、電子の移動度が低いことに起因する外部量子効率の低減は、大気の影響でさらに大きくなることが分かる。
以上説明したように、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、該第一電極膜と該第二電極膜の間に配置される有機材料からなる光電変換膜(光入射側で電子及び正孔をより多く発生し、且つ、正孔の移動度が電子の移動度よりも大きい材料からなる光電変換膜であれば良い)とを含む光電変換部を有する光電変換素子では、光を入射する側の電極膜に電子を捕集することで、外部量子効率を向上させることができる。この結果、このような光電変換素子において、感度向上及び分光感度のシャープネス化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、上述したような光電変換部を半導体基板上方に積層した構成のセンサとしてあげられる構成例を説明する。
(第一実施形態)
図5は、本発明の第一実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。図6は、図5に示す光電変換層の断面模式図である。この固体撮像素子は、図5に示す1画素が同一平面上でアレイ状に多数配置されたものであり、この1画素から得られる信号によって画像データの1つの画素データを生成することができる。
図5に示す固体撮像素子の1画素は、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に形成された透明な絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された第一電極膜11、第一電極膜11上に形成された光電変換層12、及び光電変換層12上に形成された第二電極膜13からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜14が形成されており、この遮光膜14によって光電変換層12の受光領域が制限されている。また、遮光膜14及び第二電極膜13上には透明な絶縁膜15が形成されている。
図5は、本発明の第一実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。図6は、図5に示す光電変換層の断面模式図である。この固体撮像素子は、図5に示す1画素が同一平面上でアレイ状に多数配置されたものであり、この1画素から得られる信号によって画像データの1つの画素データを生成することができる。
図5に示す固体撮像素子の1画素は、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に形成された透明な絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された第一電極膜11、第一電極膜11上に形成された光電変換層12、及び光電変換層12上に形成された第二電極膜13からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜14が形成されており、この遮光膜14によって光電変換層12の受光領域が制限されている。また、遮光膜14及び第二電極膜13上には透明な絶縁膜15が形成されている。
光電変換層12は、図6に示すように、第一電極膜11上に、下引き膜121と、電子ブロッキング膜122と、光電変換膜123と、正孔ブロッキング膜124と、正孔ブロッキング兼バッファ膜125と、仕事関数調整膜126とがこの順に積層されて構成される。光電変換層12は、これらのうち光電変換膜123を少なくとも含んでいれば良い。
光電変換膜123は、第二電極膜13上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷発生し、且つ、正孔の移動度よりも電子の移動度が小さく、且つ、第一電極膜11近傍よりも第二電極膜13近傍の方が電子と正孔をより多く発生するような特性を持つ材料を含んで構成される。このような光電変換膜用の材料としては有機材料が代表として挙げられる。図5の構成では、光電変換膜123は、緑色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。光電変換膜123は、全画素で共通して用いることができるため、1枚構成の膜であれば良く、画素毎に分離しておく必要はない。
光電変換膜123を構成する有機材料は、有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。有機p型半導体及び有機n型半導体として、それぞれキナクリドン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを特に好ましく用いることができる。
有機p型半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機n型半導体(化合物)は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
p型有機色素、又はn型有機色素としては、いかなるものを用いても良いが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
光電変換層12は、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜を含有する場合が好ましい。このような場合、光電変換層12にバルクへテロ接合構造を含有させることにより、光電変換層12のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換膜の光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特願2004−080639号において詳細に説明されている。
また、光電変換層12は、p型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ光電変換膜を含有する場合が好ましく、さらに好ましくは、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入する場合である。pn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜30であり、特に好ましくは2または10である。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。なお、タンデム構造については、特願2004−079930号において詳細に説明されている。
また、光電変換層12に含まれる光電変換膜は、p型半導体の層、n型半導体の層、(好ましくは混合・分散(バルクヘテロ接合構造)層)を持ち、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1方に配向制御された有機化合物を含む場合が好ましく、さらに好ましくは、p型半導体及びn型半導体の両方に配向制御された(可能な)有機化合物を含む場合である。この有機化合物としては、π共役電子を持つものが好ましく用いられるが、このπ電子平面が、基板(電極基板)に対して垂直ではなく、平行に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは0°以上80°以下であり、さらに好ましくは0°以上60°以下であり、さらに好ましくは0°以上40°以下であり、さらに好ましくは0°以上20°以下であり、特に好ましくは0°以上10°以下であり、最も好ましくは0°(すなわち基板に対して平行)である。上記のように、配向の制御された有機化合物の層は、光電変換層12全体に対して一部でも含めば良いが、好ましくは、光電変換層12全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような状態は、光電変換層12に含まれる有機化合物の配向を制御することにより、光電変換層12のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換膜の光電変換効率を向上させるものである。
有機化合物の配向が制御されている場合において、さらに好ましくはヘテロ接合面(例えばpn接合面)が基板に対して平行ではない場合である。ヘテロ接合面が、基板(電極基板)に対して平行ではなく、垂直に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは10°以上90°以下であり、さらに好ましくは30°以上90°以下であり、さらに好ましくは50°以上90°以下であり、さらに好ましくは70°以上90°以下であり、特に好ましくは80°以上90°以下であり、最も好ましくは90°(すなわち基板に対して垂直)である。上記のような、ヘテロ接合面の制御された有機化合物の層は、光電変換層12全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、光電変換層12全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような場合、光電変換層12におけるヘテロ接合面の面積が増大し、界面で生成する電子、正孔、電子正孔ペア等のキャリア量が増大し、光電変換効率の向上が可能となる。以上の、有機化合物のヘテロ接合面とπ電子平面の両方の配向が制御された光電変換膜において、特に光電変換効率の向上が可能である。これらの状態については、特願2004−079931号において詳細に説明されている。光吸収の点では有機色素層の膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、有機色素層の膜厚として好ましくは、30nm以上300nm以下、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
これらの有機化合物を含む光電変換層12は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により成膜される。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等が用いられる。
p型半導体(化合物)及びn型半導体(化合物)の少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。一方、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10−4Torr以下、好ましくは10−6Torr以下、特に好ましくは10−8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
固体撮像素子100は、上述した特性を持つ光電変換膜123を有しているため、上述したように、光入射側の電極である第二電極膜13にて電子を捕集することで、外部量子効率を上げることができ、感度向上及び分光感度のシャープ化が可能となる。そこで、固体撮像素子100では、光電変換膜123で発生した電子が第二電極膜13に移動し、光電変換膜123で発生した正孔が第一電極膜11に移動するように、第一電極膜11と第二電極膜13に電圧が印加される。
下引き膜121は、第一電極膜11上の凹凸を緩和するためのものである。第一電極膜11に凹凸がある場合、あるいは第一電極膜11上にゴミが付着していた場合、その上に低分子有機材料を蒸着して光電変換膜123を形成すると、この凹凸部分で光電変換素子123に細かいクラック、つまり光電変換膜123が薄くしか形成されない部分ができやすい。この時、さらにその上から第二電極膜13を形成すると、上記クラック部が第二電極膜13にカバレッジされて第一電極膜11と近接するため、DCショートやリーク電流の増大が生じやすい。特に、第二電極膜13としてTCOを用いる場合、その傾向が顕著である。このため、あらかじめ第一電極膜11上に下引き膜121を設けることで凹凸を緩和して、これらを抑制することができる。
下引き膜121としては、ポリアニリン、ボリチオフェン、ポリピロール、ポリカルバゾール、PTPDES、PTPDEKなどの有機の高分子系材料があげられ、スピンコート法で形成することが好ましい。
下引き膜121としては、ポリアニリン、ボリチオフェン、ポリピロール、ポリカルバゾール、PTPDES、PTPDEKなどの有機の高分子系材料があげられ、スピンコート法で形成することが好ましい。
電子ブロッキング膜122は、第一電極膜11から電子が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、第一電極膜11からの電子が光電変換膜123に注入されるのを阻止する。
正孔ブロッキング膜124は、第二電極膜13から正孔が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、第二電極膜13からの正孔が光電変換膜123に注入されるのを阻止する。
正孔ブロッキング兼バッファ膜125は、正孔ブロッキング膜124の持つ機能と共に、第二電極膜13成膜時に光電変換膜123に与えられるダメージを軽減する機能を果たす。
第二電極膜13を光電変換膜123の上層に成膜する場合、第二電極膜13の成膜に用いる装置中に存在する高エネルギー粒子、例えばスパッタ法ならば、スパッタ粒子や2次電子、Ar粒子、酸素負イオンなどが光電変換膜123に衝突する事で、光電変換膜123が変質し、リーク電流の増大や感度の低下など性能劣化が生じる場合がある。これを防止する一つの方法として、光電変換膜123の上層にバッファ膜125を設ける事が好ましい。
正孔ブロッキング兼バッファ膜125の材料は、銅フタロシアニン、PTCDA、アセチルアセトネート錯体、BCPなどの有機物、有機-金属化合物や、MgAg、MgOなどの無機物が好ましく用いられる。また、正孔ブロッキング兼バッファ膜125は、光電変換膜123の光吸収を妨げないために、可視光の透過率が高い事が好ましく、可視域に吸収をもたない材料を選択する事、あるいは極薄い膜厚で用いる事が好ましい。正孔ブロッキング兼バッファ膜125の膜厚は、光電変換膜123の構成、第二電極膜13の膜厚などにより適当な厚みが異なるが、特に、2〜50nmの膜厚で用いる事が好ましい。
第二電極膜13を光電変換膜123の上層に成膜する場合、第二電極膜13の成膜に用いる装置中に存在する高エネルギー粒子、例えばスパッタ法ならば、スパッタ粒子や2次電子、Ar粒子、酸素負イオンなどが光電変換膜123に衝突する事で、光電変換膜123が変質し、リーク電流の増大や感度の低下など性能劣化が生じる場合がある。これを防止する一つの方法として、光電変換膜123の上層にバッファ膜125を設ける事が好ましい。
正孔ブロッキング兼バッファ膜125の材料は、銅フタロシアニン、PTCDA、アセチルアセトネート錯体、BCPなどの有機物、有機-金属化合物や、MgAg、MgOなどの無機物が好ましく用いられる。また、正孔ブロッキング兼バッファ膜125は、光電変換膜123の光吸収を妨げないために、可視光の透過率が高い事が好ましく、可視域に吸収をもたない材料を選択する事、あるいは極薄い膜厚で用いる事が好ましい。正孔ブロッキング兼バッファ膜125の膜厚は、光電変換膜123の構成、第二電極膜13の膜厚などにより適当な厚みが異なるが、特に、2〜50nmの膜厚で用いる事が好ましい。
仕事関数調整膜126は、第二電極膜13の仕事関数を調整して、暗電流を抑制するためのものである。第二電極膜13が、仕事関数が比較的大きい(例えば4.5eV以上)もの(例えば、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、及びFTOのいずれか)で構成される場合、仕事関数調整膜126の材料としては、仕事関数が4.5eV以下の金属を含むもの(例えばIn)を用いることで、暗電流を効果的に抑制することができる。このような仕事関数調整膜126を設けたことによる利点等の説明は後述する。
ここで、図6に示す光電変換膜123の本実施形態において得に好ましい作成例を説明する。
第一電極膜11として、スパッタ法により厚み100nmのITOをガラス基板上に成膜する。その上に、第二電極膜13をスパッタ成膜する際のダメージを低減するため、導電性を有する高分子の下引き膜121としてPSSがドープされたPEDOTをスピンコート後、真空加熱することで40nm成膜する。その上に、電子ブロッキング膜122としてm-MTDATAを真空蒸着法により50nm成膜する。その上に緑色の光を吸収する光電変換膜123としてキナクリドンを真空蒸着法により100nm成膜し、正孔ブロッキング膜124としてAlq3を真空蒸着法により50nm成膜、続いて同じく正孔ブロッキング兼バッファ膜125としてBCPを真空蒸着法により20nm成膜する。その上に、第二電極膜13の仕事関数を電子捕集電極として好適に調整するため、Inを真空蒸着法により5nm成膜する。さらに第二電極膜13として、ITOをプラズマフリー条件下でスパッタ法により10nm成膜する。上記m-MTDATAの成膜から第二電極膜13であるITOのスパッタ成膜までは、大気に晒すことなく真空一貫で行う。第二電極膜13上方から光入射する場合、このように電子を第二電極膜13で捕集するために好適な構成とすることで、電子の移動度が小さいことに起因する分光感度のブロード化および低感度化を抑え、さらに酸素による性能劣化も低減される。この作成例で用いた材料の化学式を以下に列挙する。
第一電極膜11として、スパッタ法により厚み100nmのITOをガラス基板上に成膜する。その上に、第二電極膜13をスパッタ成膜する際のダメージを低減するため、導電性を有する高分子の下引き膜121としてPSSがドープされたPEDOTをスピンコート後、真空加熱することで40nm成膜する。その上に、電子ブロッキング膜122としてm-MTDATAを真空蒸着法により50nm成膜する。その上に緑色の光を吸収する光電変換膜123としてキナクリドンを真空蒸着法により100nm成膜し、正孔ブロッキング膜124としてAlq3を真空蒸着法により50nm成膜、続いて同じく正孔ブロッキング兼バッファ膜125としてBCPを真空蒸着法により20nm成膜する。その上に、第二電極膜13の仕事関数を電子捕集電極として好適に調整するため、Inを真空蒸着法により5nm成膜する。さらに第二電極膜13として、ITOをプラズマフリー条件下でスパッタ法により10nm成膜する。上記m-MTDATAの成膜から第二電極膜13であるITOのスパッタ成膜までは、大気に晒すことなく真空一貫で行う。第二電極膜13上方から光入射する場合、このように電子を第二電極膜13で捕集するために好適な構成とすることで、電子の移動度が小さいことに起因する分光感度のブロード化および低感度化を抑え、さらに酸素による性能劣化も低減される。この作成例で用いた材料の化学式を以下に列挙する。
図5に戻り、p型シリコン基板1内には、その浅い方からn型半導体領域(以下、n領域と略す)4と、p型半導体領域(以下、p領域と略す)3と、n領域2がこの順に形成されている。n領域4の遮光膜14によって遮光されている部分の表面部には、高濃度のn領域(n+領域という)6が形成され、n+領域6の周りはp領域5によって囲まれている。
n領域4とp領域3とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、青色光を吸収する深さ(約0.2μm)となっている。したがって、n領域4とp領域3は、青色光を吸収してそれに応じた電子を発生し、これを蓄積するフォトダイオード(Bフォトダイオード)を形成する。Bフォトダイオードで発生した電子は、n領域4に蓄積される。
n領域2とp型シリコン基板1とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、赤色光を吸収する深さ(約2μm)となっている。したがって、n領域2とp型シリコン基板1は、赤色光を吸収してそれに応じた電子を発生し、これを蓄積するフォトダイオード(Rフォトダイオード)を形成する。Rフォトダイオードで発生した電子は、n領域2に蓄積される。
n+領域6は、絶縁膜7,第一電極膜11、及び光電変換層12に開けられた開口に形成された接続部9を介して第二電極膜13と電気的に接続されており、接続部9を介して、第二電極膜13で捕集された電子を蓄積する。接続部9は、第二電極膜13とn+領域6以外とは絶縁膜8によって電気的に絶縁される。
n領域2に蓄積された電子は、p型シリコン基板1内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域4に蓄積された電子は、p領域3内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域6に蓄積された電子は、p領域5内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子100外部へと出力される。これらのMOS回路が特許請求の範囲の信号読み出し部を構成する。各MOS回路は配線10によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、n領域2、n領域4に引き出し電極を設け、所定のリセット電位をかけると、各領域が空乏化し、各pn接合部の容量は限りなく小さい値になる。これにより、接合面に生じる容量を極めて小さくすることができる。
このような構成により、光電変換膜123でG光を光電変換し、p型シリコン基板中のBフォトダイオードとRフォトダイオードでB光およびR光を光電変換することができる。また上部でG光がまず吸収されるため、B-G間およびG-R間の色分離は優れている。これが、シリコン基板内に3つのPDを積層し、シリコン基板内でBGR光を全て分離する形式の固体撮像素子に比べ、大きく優れた点である。以下の説明では、固体撮像素子100のp型シリコン基板1内に形成される無機材料からなる光電変換を行う部分(Bフォトダイオード及びRフォトダイオード)のことを無機層とも言う。
尚、p型シリコン基板1と第一電極膜11との間(例えば絶縁膜7とp型シリコン基板1との間)に、光電変換膜123を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、p型シリコン基板1内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのMOS回路を設け、このMOS回路にも配線10を接続しておけば良い。
第一電極膜11は、光電変換膜123で発生して移動してきた正孔を吐き出す機能を有する。第一電極膜11は、全画素で共通して用いることができる。このため、固体撮像素子100では、第一電極膜11が全画素で共通の一枚構成の膜となっている。図5に示す構成では、p型シリコン基板1でも光電変換を行っているため、第一電極膜11は、可視光に対する透過率が60%以上であることが好ましく、90%であることがより好ましい。第一電極膜11下方に光電変換領域が存在しない構成の場合には、第一電極膜11は透明性の低いものであっても構わない。材料としては、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、及びAuのいずれかを最も好ましく用いることができる。第一電極膜11の詳細については後述する。
第二電極膜13は、光電変換膜123で発生して移動してきた電子を捕集する役割を果たす。第二電極膜13は、画素毎に分離されており、これによって画像データを生成することができる。第二電極膜13は、光電変換膜123に光を入射させる必要があるため、可視光に対する透過性が高い材料を用いる必要がある。第二電極膜13は、その可視光に対する透過率が60%以上であることが好ましく、90%であることがより好ましい。材料としては、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、及びAuのいずれかを最も好ましく用いることができる。第二電極膜13の詳細については後述する。
無機層は、結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAsなどの化合物半導体のpn接合またはpin接合が一般的に用いられる。この場合、シリコンの光進入深さで色分離を行っているため積層された各受光部で検知するスペクトル範囲はブロードとなる。しかしながら、図5に示すように光電変換層12を上層に用いることにより、すなわち光電変換層12を透過した光をシリコンの深さ方向で検出することにより色分離が顕著に改良される。特に図5に示すように、光電変換層12でG光を検出すると、光電変換層12を透過する光はB光とR光になるため、シリコンでの深さ方向での光の分別はBR光のみとなり色分離が改良される。光電変換層12がB光またはR光を検出する場合でも、シリコンのpn接合面の深さを適宜選択することにより顕著に色分離が改良される。
無機層の構成は、光入射側から、npn又はpnpnとなっていることが好ましい。特に、表面にp層を設け表面の電位を高くしておくことで、表面付近で発生した正孔、及び暗電流をトラップすることができ暗電流を低減できるため、pnpn接合とすることがより好ましい。
尚、図5では、光電変換部がp型シリコン基板1上方に1つ積層される構成を示したが、p型シリコン基板1上方に、光電変換部を複数積層した構成にすることも可能である。光電変換部を複数積層した構成については後の第三実施形態で説明する。このようにした場合は、無機層で検出する光は一色で良く、好ましい色分離が達成できる。また、固体撮像素子100の1画素にて4色の光を検出しようとする場合には、例えば、光電変換部にて1色を検出して無機層にて3色を検出する構成、光電変換部を2つ積層して2色を検出し、無機層にて2色を検出する構成、光電変換部を3つ積層して3色を検出し、無機層にて1色を検出する構成等が考えられる。また、固体撮像素子100が、1画素で1色のみを検出する構成であっても良い。この場合は、図5においてn領域2、p領域3、n領域4を無くした構成となる。
無機層についてさらに詳細に説明する。無機層の好ましい構成としては、光伝導型、p−n接合型、ショットキー接合型、PIN接合型、MSM(金属−半導体−金属)型の受光素子やフォトトランジスタ型の受光素子が挙げられる。特に、図5に示したように、単一の半導体基板内に、第1導電型の領域と、第1導電型と逆の導電型である第2導電型の領域とを交互に複数積層し、第1導電型及び第2導電型の領域の各接合面を、それぞれ異なる複数の波長帯域の光を主に光電変換するために適した深さに形成してなる無機層を用いることが好ましい。単一の半導体基板としては、単結晶シリコンが好ましく、シリコン基板の深さ方向に依存する吸収波長特性を利用して色分離を行うことができる。
無機半導体として、InGaN系、InAlN系、InAlP系、又はInGaAlP系の無機半導体を用いることもできる。nGaN系の無機半導体は、Inの含有組成を適宜変更し、青色の波長範囲内に極大吸収値を有するよう調整されたものである。すなわち、InxGa1-xN(0≦X<1)の組成となる。このような化合物半導体は、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて製造される。Gaと同じ13族原料のAlを用いる窒化物半導体のInAlN系についても、InGaN系と同様に短波長受光部として利用することができる。また、GaAs基板に格子整合するInAlP、InGaAlPを用いることもできる
無機半導体は、埋め込み構造となっていてもよい。埋め込み構造とは、短波長受光部部分の両端を短波長受光部とは異なる半導体で覆われる構成のものをいう。両端を覆う半導体としては、短波長受光部のバンドギャップ波長より短い又は同等のバンドギャップ波長を有する半導体であることが好ましい。
第一電極膜11と第二電極膜13の材料は、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができる。金属材料としては、Li、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、Fr、Ra、Sc、Ti、Y、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe,Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In,Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、B、C、N、F、O、S、Nの中から選ばれる任意の組み合わせを挙げることができるが、特に好ましいのはAl、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znである。
第一電極膜11は、光電変換層12に含まれる正孔輸送性の光電変換膜または正孔輸送膜から正孔を取り出してこれを吐き出すため、正孔輸送性光電変換膜、正孔輸送膜などの隣接する膜との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。第二電極膜13は、光電変換層12に含まれる電子輸送性の光電変換膜または電子輸送膜から電子を取り出してこれを捕集ため、電子輸送性光電変換膜、電子輸送膜などの隣接する膜との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。これらの具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、IZOが好ましい。
電極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。ITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
透明な電極膜(透明電極膜)成膜時の条件について触れる。透明電極膜成膜時のシリコン基板温度は500℃以下が好ましく、より好ましくは、300℃以下で、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、透明電極膜成膜中にガスを導入しても良く、基本的にそのガス種は制限されないが、Ar、He、酸素、窒素などを用いることができる。また、これらのガスの混合ガスを用いても良い。特に酸化物の材料の場合は、酸素欠陥が入ることが多いので、酸素を用いることが好ましい。
また、透明電極膜の表面抵抗は、第一電極膜11であるか第二電極膜13であるか等により好ましい範囲は異なる。信号読出し部がCMOS構造である場合、透明導電膜の表面抵抗は、10000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、1000Ω/□以下である。信号読出し部が仮にCCD構造の場合、表面抵抗は1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100Ω/□以下である。第二電極膜13に使用する場合には1000000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100000Ω/□以下である。
透明電極膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料である。透明電極膜の光透過率は、その透明電極膜を含む光電変換部に含まれる光電変換膜の吸収ピーク波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
また、光電変換層12を複数積層する場合、第一電極膜11と第二電極膜13は、光入射側に最も近い位置にある光電変換膜から最も遠い位置にある光電変換膜まで、それぞれの光電変換膜が検出する光以外の波長の光を透過させる必要があり、可視光に対し、好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の光を透過する材料を用いる事が好ましい。
第二電極膜13はプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで第二電極膜13を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、第二電極膜13の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
第二電極膜13の成膜中にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置がある。EB蒸着装置またはパルスレーザー蒸着装置については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。以下では、EB蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をEB蒸着法と言い、パルスレーザー蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をパルスレーザー蒸着法と言う。
プラズマ発生源から基体への距離が2cm以上であって基体へのプラズマの到達が減ずるような状態を実現できる装置(以下、プラズマフリーである成膜装置という)については、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着法などが考えられ、それらについては沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。
TCOなどの透明導電膜を第二電極膜13とした場合、DCショート、あるいはリーク電流増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換膜123に導入される微細なクラックがTCOなどの緻密な膜によってカバレッジされ、反対側の第一電極膜11との間の導通が増すためと考えられる。そのため、Alなど膜質が比較して劣る電極の場合、リーク電流の増大は生じにくい。第二電極膜13の膜厚を、光電変換膜123の膜厚(すなわち、クラックの深さ)に対して制御する事により、リーク電流の増大を大きく抑制できる。第二電極膜13の厚みは、光電変換膜123厚みの1/5以下、好ましくは1/10以下であるようにする事が望ましい。
通常、導電性膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本実施形態の固体撮像素子100では、シート抵抗は、好ましくは100〜10000Ω/□でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、透明導電性薄膜は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換膜123での光吸収を増大させ、光電変換能を増大させるため、非常に好ましい。薄膜化に伴う、リーク電流の抑制、薄膜の抵抗値の増大、透過率の増加を考慮すると、透明導電性薄膜の膜厚は、5〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20nmである事が望ましい。
透明電極膜の材料は、プラズマフリーである成膜装置、EB蒸着装置、及びパルスレーザー蒸着装置により成膜できるものが好ましい。例えば、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウムタングステン(IWO)等の導電性金属酸化物、窒化チタン等の金属窒化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル、アルミニウム等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。また、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)等に詳細に記載されているものを用いても良い。
次に、仕事関数調整膜126を設けたことによる利点について説明する。
第二電極膜13をITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、及びFTO等の仕事関数が高く、透明性の高い材料にした場合、第二電極膜13へのバイアス印加時の暗電流は、電圧1V印加時で10μA/cm2程度とかなり大きなものとなる。
暗電流の原因の一つとして、バイアス印加時に第二電極膜13から光電変換層12へと流入する電流が考えられる。ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、及びFTO等の透明性の高い電極を第二電極膜13として用いた場合は、その仕事関数が比較的大きい(4.5eV以上)ことにより、正孔が光電変換層12へと移動する際の障壁が低くなり、光電変換膜123への正孔注入が起こりやすくなるのではないかと考えられた。実際、ITO、IZO、SnO2、TiO2、及びFTO等の透明性の高い金属酸化物系透明電極の仕事関数を調べてみると、例えばITO電極の仕事関数は4.8eV程度であり、Al(アルミニウム)電極の仕事関数が約4.3eVであるのと比べてかなり高く、また、ITO以外の他の金属酸化物系の透明電極も、最も小さいAZO(Alがドープされた酸化亜鉛)の4.5eV程度を除くと、約4.6〜5.4とその仕事関数は比較的大きいものであることが知られている(例えば、J.Vac.Sci.Technol.A17(4),Jul/Aug 1999 p.1765−1772のFig.12参照。)。
第二電極膜13をITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、及びFTO等の仕事関数が高く、透明性の高い材料にした場合、第二電極膜13へのバイアス印加時の暗電流は、電圧1V印加時で10μA/cm2程度とかなり大きなものとなる。
暗電流の原因の一つとして、バイアス印加時に第二電極膜13から光電変換層12へと流入する電流が考えられる。ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、及びFTO等の透明性の高い電極を第二電極膜13として用いた場合は、その仕事関数が比較的大きい(4.5eV以上)ことにより、正孔が光電変換層12へと移動する際の障壁が低くなり、光電変換膜123への正孔注入が起こりやすくなるのではないかと考えられた。実際、ITO、IZO、SnO2、TiO2、及びFTO等の透明性の高い金属酸化物系透明電極の仕事関数を調べてみると、例えばITO電極の仕事関数は4.8eV程度であり、Al(アルミニウム)電極の仕事関数が約4.3eVであるのと比べてかなり高く、また、ITO以外の他の金属酸化物系の透明電極も、最も小さいAZO(Alがドープされた酸化亜鉛)の4.5eV程度を除くと、約4.6〜5.4とその仕事関数は比較的大きいものであることが知られている(例えば、J.Vac.Sci.Technol.A17(4),Jul/Aug 1999 p.1765−1772のFig.12参照。)。
第二電極膜13の仕事関数が比較的大きい(4.8eV)と、バイアス印加時に正孔が光電変換膜123へと移動する際の障壁が低くなり、第二電極膜13から光電変換膜123への正孔注入が起こりやすく、その結果として暗電流が大きくなると考えられる。本実施形態では正孔ブロッキング膜124を設けているため暗電流が抑制されているが、第二電極膜13の仕事関数が大きいと、正孔ブロッキング膜124があっても、暗電流の抑制は難しくなる。
そこで、本実施形態では、第二電極膜13と光電変換膜123との間に、仕事関数が4.5eV以下となる膜を設けた。
なお、以下に、仕事関数が4.5eV以下の金属をその特性とともに列挙する。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔比較例1〕
厚み250nmのITO電極(理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−2で求めた仕事関数4.8eV;可視域光透過率約90%)が積層されたガラス基板(市販品)の上に、厚み100nmのキナクリドン(下記化合物1;5,12−ジヒドロキノ[2,3−b]アクリジン−7,14−ジオン)、および厚み100nmのAl電極(仕事関数4.3eV;可視域光透過率0%)を順次真空蒸着により積層した構造で、ITO電極側から光を入射し、ITO電極側で電子を捕集する場合を例として挙げる。素子面積2mm×2mmとして実際に素子作製および測定を行った結果、電圧1V印加時(ITO電極を正バイアスとして電子捕集、以下も同様)で暗電流が9.3μA/cm2と大きな値となった。
この場合、電子捕集電極であるITOの仕事関数が大きいため、バイアス電圧印加時には、ITO電極からキナクリドンへの正孔注入が起こりやすく、暗電流が大きくなると考えられる。
厚み250nmのITO電極(理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−2で求めた仕事関数4.8eV;可視域光透過率約90%)が積層されたガラス基板(市販品)の上に、厚み100nmのキナクリドン(下記化合物1;5,12−ジヒドロキノ[2,3−b]アクリジン−7,14−ジオン)、および厚み100nmのAl電極(仕事関数4.3eV;可視域光透過率0%)を順次真空蒸着により積層した構造で、ITO電極側から光を入射し、ITO電極側で電子を捕集する場合を例として挙げる。素子面積2mm×2mmとして実際に素子作製および測定を行った結果、電圧1V印加時(ITO電極を正バイアスとして電子捕集、以下も同様)で暗電流が9.3μA/cm2と大きな値となった。
この場合、電子捕集電極であるITOの仕事関数が大きいため、バイアス電圧印加時には、ITO電極からキナクリドンへの正孔注入が起こりやすく、暗電流が大きくなると考えられる。
〔実施例1〕
一方、仕事関数が4.3eVと小さいInを2nm真空蒸着によりITO電極上に積層し、キナクリドンとITO電極との間にInを介在させた他は比較例1と同様の素子を作製した(2nmのInの可視域光透過率は約98%)。その結果、電圧1V印加時の暗電流が1.8nA/cm2と4桁程度大きく抑制された。
このことは、電子捕集電極であるITO電極の仕事関数を小さくすることで電子捕集電極からの正孔注入が大きく抑制されたことを示している。
同じく1Vバイアス印加条件で、ITO電極側から550nmの光を照射強度50μW/cm2で入射したところ、外部量子効率(入射フォトン数に対する測定電荷数)で12%であった。また、バイアス2V印加時においては、暗電流は約100nA/cm2、外部量子効率は19%であった。
一方、仕事関数が4.3eVと小さいInを2nm真空蒸着によりITO電極上に積層し、キナクリドンとITO電極との間にInを介在させた他は比較例1と同様の素子を作製した(2nmのInの可視域光透過率は約98%)。その結果、電圧1V印加時の暗電流が1.8nA/cm2と4桁程度大きく抑制された。
このことは、電子捕集電極であるITO電極の仕事関数を小さくすることで電子捕集電極からの正孔注入が大きく抑制されたことを示している。
同じく1Vバイアス印加条件で、ITO電極側から550nmの光を照射強度50μW/cm2で入射したところ、外部量子効率(入射フォトン数に対する測定電荷数)で12%であった。また、バイアス2V印加時においては、暗電流は約100nA/cm2、外部量子効率は19%であった。
(第二実施形態)
本実施形態では、第一実施形態で説明した図5に示す構成の無機層を、p型シリコン基板内で2つのフォトダイオードを積層するのではなく、入射光の入射方向に対して垂直な方向に2つのフォトダイオードを配列して、p型シリコン基板内で2色の光を検出するようにしたものである。
本実施形態では、第一実施形態で説明した図5に示す構成の無機層を、p型シリコン基板内で2つのフォトダイオードを積層するのではなく、入射光の入射方向に対して垂直な方向に2つのフォトダイオードを配列して、p型シリコン基板内で2色の光を検出するようにしたものである。
図7は、本発明の第二実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図7に示す固体撮像素子200の1画素は、p型シリコン基板17と、p型シリコン基板17上方に形成された第一電極膜30、第一電極膜30上に形成された光電変換層31、及び光電変換層31上に形成された第二電極膜32からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜34が形成されており、この遮光膜34によって光電変換層31の受光領域が制限されている。また、遮光膜34上には透明な絶縁膜33が形成されている。
図7に示す固体撮像素子200の1画素は、p型シリコン基板17と、p型シリコン基板17上方に形成された第一電極膜30、第一電極膜30上に形成された光電変換層31、及び光電変換層31上に形成された第二電極膜32からなる光電変換部とを含んで構成され、光電変換部上には開口の設けられた遮光膜34が形成されており、この遮光膜34によって光電変換層31の受光領域が制限されている。また、遮光膜34上には透明な絶縁膜33が形成されている。
第一電極膜30、光電変換層31、及び第二電極膜32は、第一電極膜11、光電変換層12、及び第二電極膜13と同じ構成である。
遮光膜34の開口下方のp型シリコン基板17表面には、p領域19とn領域18からなるフォトダイオードと、p領域21とn領域20からなるフォトダイオードとが、p型シリコン基板17表面に並んで形成されている。p型シリコン基板17表面上の任意の方向が、入射光の入射方向に対して垂直な方向となる。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してB光を透過するカラーフィルタ28が形成され、その上に第一電極膜30が形成されている。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してR光を透過するカラーフィルタ29が形成され、その上に第一電極膜30が形成されている。カラーフィルタ28,29の周囲は、透明な絶縁膜25で覆われている。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ28を透過したB光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域18に蓄積する。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ29を透過したR光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域20に蓄積する。
p型シリコン基板17表面の遮光膜34によって遮光されている部分には、n+領域23が形成され、n+領域23の周りはp領域22によって囲まれている。
n+領域23は、絶縁膜24,25、第一電極膜30、及び光電変換層31に開けられた開口に形成された接続部27を介して第二電極膜32と電気的に接続されており、接続部27を介して、第二電極膜32で捕集された電子を蓄積する。接続部27は、第二電極膜32とn+領域23以外とは絶縁膜26によって電気的に絶縁される。
n領域18に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域20に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域23に蓄積された電子は、p領域22内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子200外部へと出力される。これらのMOS回路が特許請求の範囲の信号読み出し部を構成する。各MOS回路は配線35によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。
尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n領域18、n領域20、及びn+領域23に蓄積された電子をp型シリコン基板17内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n領域18、n領域20、及びn+領域23に蓄積された電子をp型シリコン基板17内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
このように、信号読み出し部は、CCDおよびCMOS構造が挙げられるが、消費電力、高速読出し、画素加算、部分読出し等の点から、CMOSの方が好ましい。また、CMOSの場合、取り扱うことのできる信号電荷としては、電子および正孔のいずれかが考えられるが、電荷移動度に由来する信号読み出しの高速性、製造におけるプロセス条件の完成度等の点から電子の方が優れているため、電子を捕集する電極をn+領域に接続するのが好ましい。
尚、図7では、カラーフィルタ28,29によってR光とB光の色分離を行っているが、カラーフィルタ28,29を設けず、n領域20とp領域21のpn接合面の深さと、n領域18とp領域19のpn接合面の深さを各々調整して、それぞれのフォトダイオードでR光とB光を吸収するようにしても良い。この場合、p型シリコン基板17と第一電極膜11との間(例えば絶縁膜24とp型シリコン基板17との間)に、光電変換層31を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、p型シリコン基板17内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのMOS回路を設け、このMOS回路にも配線35を接続しておけば良い。
また、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、p型シリコン基板17上方に光電変換部を複数積層した構成としても良い。更に、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを複数とし、p型シリコン基板17上方に光電変換部を複数積層した構成としても良い。また、カラー画像を作る必要がないのであれば、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、光電変換部を1つだけ積層した構成としても良い。
(第三実施形態)
本実施形態の固体撮像素子は、第一実施形態で説明した図5に示す構成の無機層を設けず、シリコン基板上方に複数(ここでは3つ)の光電変換層を積層した構成である。
図8は、本発明の第三実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図8に示す固体撮像素子300は、シリコン基板41上方に、第一電極膜56、第一電極膜56上に積層された光電変換層57、及び光電変換層57上に積層された第二電極膜58を含むR光電変換部と、第一電極膜60、第一電極膜60上に積層された光電変換層61、及び光電変換層61上に積層された第二電極膜62を含むB光電変換部と、第一電極膜64、第一電極膜64上に積層された光電変換層65、及び光電変換層65上に積層された第二電極膜66を含むG光電変換部とが、それぞれに含まれる第一電極膜をシリコン基板41側に向けた状態で、この順に積層された構成となっている。
本実施形態の固体撮像素子は、第一実施形態で説明した図5に示す構成の無機層を設けず、シリコン基板上方に複数(ここでは3つ)の光電変換層を積層した構成である。
図8は、本発明の第三実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図8に示す固体撮像素子300は、シリコン基板41上方に、第一電極膜56、第一電極膜56上に積層された光電変換層57、及び光電変換層57上に積層された第二電極膜58を含むR光電変換部と、第一電極膜60、第一電極膜60上に積層された光電変換層61、及び光電変換層61上に積層された第二電極膜62を含むB光電変換部と、第一電極膜64、第一電極膜64上に積層された光電変換層65、及び光電変換層65上に積層された第二電極膜66を含むG光電変換部とが、それぞれに含まれる第一電極膜をシリコン基板41側に向けた状態で、この順に積層された構成となっている。
シリコン基板41上には透明な絶縁膜48が形成され、その上にR光電変換部が形成され、その上に透明な絶縁膜59が形成され、その上にB光電変換部が形成され、その上に透明な絶縁膜63が形成され、その上にG光電変換部が形成され、その上に開口の設けられた遮光膜68が形成され、その上に透明な絶縁膜67が形成されている。
G光電変換部に含まれる第一電極膜64、光電変換層65、及び第二電極膜66は、図5に示す第一電極膜11、光電変換層12、及び第二電極膜13と同じ構成である。
B光電変換部に含まれる第一電極膜60、光電変換層61、及び第二電極膜62は、図5に示す第一電極膜11、光電変換層12、及び第二電極膜13と同じ構成である。ただし、光電変換膜61に含まれる光電変換膜は、青色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
R光電変換部に含まれる第一電極膜56、光電変換層57、及び第二電極膜58は、図5に示す第一電極膜11、光電変換層12、及び第二電極膜13と同じ構成である。ただし、光電変換膜57に含まれる光電変換膜は、赤色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
シリコン基板41表面の遮光膜68によって遮光されている部分には、n+領域43,45,47が形成され、それぞれの周りはp領域42,44,46によって囲まれている。
n+領域43は、絶縁膜48、第一電極膜56、及び光電変換層57に開けられた開口に形成された接続部54を介して第二電極膜58と電気的に接続されており、接続部54を介して、第二電極膜58で捕集された電子を蓄積する。接続部54は、第二電極膜58とn+領域43以外とは絶縁膜51によって電気的に絶縁される。
n+領域45は、絶縁膜48、R光電変換部、絶縁膜59、第一電極膜60、光電変換層61に開けられた開口に形成された接続部53を介して第二電極膜62と電気的に接続されており、接続部53を介して、第二電極膜62で捕集された電子を蓄積する。接続部53は、第二電極膜62とn+領域45以外とは絶縁膜50によって電気的に絶縁される。
n+領域47は、絶縁膜48、R光電変換部、絶縁膜59、B光電変換部、絶縁膜63、第一電極膜64、光電変換層65に開けられた開口に形成された接続部52を介して第二電極膜66と電気的に接続されており、接続部52を介して、第二電極膜66で捕集された電子を蓄積する。接続部52は、第二電極膜66とn+領域47以外とは絶縁膜49によって電気的に絶縁される。
n+領域43に蓄積された電子は、p領域42内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域45に蓄積された電子は、p領域44内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域47に蓄積された電子は、p領域46内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子300外部へと出力される。これらのMOS回路が特許請求の範囲の信号読み出し部を構成する。各MOS回路は配線55によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n+領域43,45,47に蓄積された電子をシリコン基板41内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
なお、シリコン基板41と第一電極膜56との間(例えば絶縁膜48とシリコン基板41との間)に、光電変換層57,61,65を透過してきた光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、シリコン基板41内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのMOS回路を設け、このMOS回路にも配線55を接続しておけば良い。
このように、第一実施形態及び第二実施形態で述べた、光電変換層をシリコン基板上に複数積層する構成は、図8のような構成によって実現できる。
以上の説明において、B光を吸収する光電変換膜とは、少なくとも400〜500nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であるものを意味する。G光を吸収する光電変換膜とは、少なくとも500〜600nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。R光を吸収する光電変換膜とは、少なくとも600〜700nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。
第一実施形態や第三実施形態のような構成の場合は、上層からBGR、BRG、GBR、GRB、RBG、RGBという順序で色を検出するパターンが考えられる。好ましくは最上層がGである。また、第二実施形態のような構成の場合は、上層がR層の場合は下層が同一平面状にBG層、上層がB層の場合は下層が同一平面状にGR層、上層がG層の場合は下層が同一平面状にBR層といった組み合わせが可能である。好ましくは上層がG層で下層が同一平面状にBR層である図7のような構成である。
尚、第一実施形態〜第三実施形態において、光電変換膜以外の光電変換部からの信号の読み出しは、正孔と電子のどちらを用いても構わない。つまり、上述してきたように、半導体基板とその上に積層される光電変換部との間に設けられる無機光電変換部や、半導体基板内に形成されるフォトダイオードにて正孔を蓄積し、この正孔に応じた信号を信号読み出し部によって読み出す構成としても良いし、無機光電変換部や半導体基板内に形成されるフォトダイオードにて電子を蓄積し、この電子に応じた信号を信号読み出し部によって読み出す構成としても良い。
(第四実施形態)
本実施形態では、以上で説明した光電変換部の光入射側の電極である第二電極膜と、第二電極膜で捕集された電子を蓄積する半導体基板内に形成されたn+領域とを、具体的にどのようにして電気的に接続するかを、図9〜12の製造工程図を用いて説明する。図9〜図12は、固体撮像素子の製造工程を示す図であり、各図の右側の図は平面図、左側の図は、右側の平面図を図中の下から上方向に向かって見たときの断面図である。
本実施形態では、以上で説明した光電変換部の光入射側の電極である第二電極膜と、第二電極膜で捕集された電子を蓄積する半導体基板内に形成されたn+領域とを、具体的にどのようにして電気的に接続するかを、図9〜12の製造工程図を用いて説明する。図9〜図12は、固体撮像素子の製造工程を示す図であり、各図の右側の図は平面図、左側の図は、右側の平面図を図中の下から上方向に向かって見たときの断面図である。
まず、n+領域や信号読出し部等が形成されたSi基板71上に透明な絶縁膜72を形成し、n+領域上方の絶縁膜72に開口を形成し、この開口内に第二電極膜とn+領域を電気的に接続するための接続電極73を形成する。そして、金属73上にパッド74を形成して図9(a)のような状態を得る。次に、パッド74及び絶縁膜72上に透明な絶縁膜75を形成し(図9(b))、絶縁膜75上に第一電極膜76を形成する(図9(c))。次に、第一電極膜76をフォトリソグラフィによってパターニングし、第一電極膜76の少なくともパッド74上方に開口を形成する(図10(d)、図10(d’))。次に、絶縁膜75及び第一電極膜76上に光電変換層77を形成し、光電変換層77上に第二電極膜78を形成し、第二電極膜78上にハードマスクとなる透明な絶縁膜79を形成する(図10(e))。なお、絶縁膜79をハードマスクとせずに、第一電極膜76をハードマスクとして利用しても構わない。次に、光電変換層77、第一電極膜78、及び絶縁膜78をパーニングし、これらの少なくともパッド74上方に開口を形成し(図11(f))、この開口を埋めるように透明な絶縁膜80を形成する(図11(g))。次に、絶縁膜80をパターニングして、第一電極膜78の一部の上方と、パッド74上方とに開口81,82を形成し(図11(h))、開口81,82を埋めるように接続電極83を形成し(図12(i))、接続電極83をパターニングして図12(j)の状態を得る。
以上説明した固体撮像素子は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ファクシミリ、スキャナー、複写機をはじめとする撮像素子に適用できる。バイオや化学センサーなどの光センサーとしても利用可能である。
また、以上の実施形態で説明した絶縁膜として挙げられる材料は、SiOx、SiNx、BSG、PSG、BPSG、Al2O3、MgO、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物等であるが、最も好ましい材料はSiOx、SiNx、BSG、PSG、BPSGである。
1 p型シリコン基板(半導体基板)
2、4 n型半導体領域
6 高濃度n型半導体領域(電子蓄積部)
3、5 p型半導体領域
7、8、15 絶縁膜
9 接続部
10 配線
11 第一電極膜
12 光電変換層
13 第二電極膜
14 遮光膜
2、4 n型半導体領域
6 高濃度n型半導体領域(電子蓄積部)
3、5 p型半導体領域
7、8、15 絶縁膜
9 接続部
10 配線
11 第一電極膜
12 光電変換層
13 第二電極膜
14 遮光膜
Claims (22)
- 第一電極膜と、前記第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置される光電変換膜とを含む光電変換部を有する光電変換素子であって、
前記第二電極膜上方から前記光電変換膜に光が入射されるものであり、
前記光電変換膜は、前記第二電極膜上方からの入射光に応じて電子と正孔を含む電荷を発生するものであり、
前記第二電極膜を前記電子の取り出し用の電極とした光電変換素子。 - 請求項1記載の光電変換素子であって、
前記光電変換膜が、前記第一電極膜近傍よりも前記第二電極膜近傍の方が前記電子と前記正孔をより多く発生する光電変換素子。 - 請求項1又は2記載の光電変換素子であって、
前記光電変換膜が有機材料を含んで構成される光電変換素子。 - 請求項3記載の光電変換素子であって、
前記有機材料が有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含む光電変換素子。 - 請求項4記載の光電変換素子であって、
前記有機p型半導体及び前記有機n型半導体が、それぞれキナクリドン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを含む光電変換素子。 - 請求項1〜5のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第一電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuである光電変換素子。 - 請求項1〜6のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、又はAuである光電変換素子。 - 請求項1〜6のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第二電極膜が、ITO、IZO、ZnO2、SnO2、TiO2、又はFTOであり、
前記光電変換部が、前記光電変換膜と前記第二電極膜との間に、仕事関数4.5eV以下の金属からなる膜を有する光電変換素子。 - 請求項1〜8のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第二電極膜の可視光に対する透過率が60%以上である光電変換素子。 - 請求項1〜9のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第一電極膜の可視光に対する透過率が60%以上である光電変換素子。 - 請求項1〜10のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記第一電極膜と前記第二電極膜は、前記第二電極膜に前記電子が移動し、前記第一電極膜に前記正孔が移動するように電圧が印加されるものであり、
前記第一電極膜下方に設けられた半導体基板と、
前記半導体基板内に形成され、前記第二電極膜に移動された前記電子を蓄積するための電子蓄積部と、
前記電子蓄積部と前記第二電極膜とを電気的に接続する接続部とを備える光電変換素子。 - 請求項11記載の固体撮像素子であって、
前記光電変換部が、前記第一電極膜と前記光電変換膜との間に、有機高分子材料からなる膜を有する光電変換素子。 - 請求項11又は12記載の光電変換素子であって、
前記光電変換膜下方の前記半導体基板内に、前記光電変換膜を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える光電変換素子。 - 請求項13記載の光電変換素子であって、
前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードである光電変換素子。 - 請求項13記載の光電変換素子であって、
前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の前記入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する複数のフォトダイオードである光電変換素子。 - 請求項14記載の光電変換素子であって、
前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収可能な位置にpn接合面が形成された赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものである光電変換素子。 - 請求項15記載の光電変換素子であって、
前記複数のフォトダイオードが、青色の光を吸収する青色用フォトダイオードと、赤色の光を吸収する赤色用フォトダイオードであり、
前記光電変換膜が緑色の光を吸収するものである光電変換素子。 - 請求項10〜17のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記半導体基板上方に、前記光電変換部が複数積層されており、
前記複数の光電変換部毎に前記電子蓄積部と前記接続部が設けられる光電変換素子。 - 請求項10〜18のいずれか記載の光電変換素子であって、
前記半導体基板と該半導体基板の直近にある前記第一電極膜との間に、該第一電極膜を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を備える光電変換素子。 - 請求項10〜18のいずれか記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し部を備える固体撮像素子。 - 請求項19記載の光電変換素子をアレイ状に多数配置した固体撮像素子であって、
前記多数の光電変換素子の各々の前記半導体基板内に蓄積された前記電荷に応じた信号と、前記無機光電変換部に蓄積された電荷に応じた信号とを読み出す信号読み出し部を備える固体撮像素子。 - 請求項20又は21記載の固体撮像素子であって、
前記光電変換素子に含まれる前記光電変換膜及び前記第一電極膜が、前記多数の光電変換素子全体で共通化されており、
前記光電変換素子に含まれる前記第二電極膜が、前記多数の光電変換素子毎に分離されている固体撮像素子。
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---|---|---|---|---|
JP2010135496A (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-17 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | 光電変換膜及びこれを用いた撮像素子 |
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-
2005
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