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JP2007078818A - 反射防止膜 - Google Patents

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JP2007078818A JP2005263757A JP2005263757A JP2007078818A JP 2007078818 A JP2007078818 A JP 2007078818A JP 2005263757 A JP2005263757 A JP 2005263757A JP 2005263757 A JP2005263757 A JP 2005263757A JP 2007078818 A JP2007078818 A JP 2007078818A
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Hideaki Niino
英明 新納
Takuji Namatame
卓治 生田目
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Abstract

【課題】広帯域の反射防止波長域において所望の反射防止能を発揮し、しかも十分な表面強度を発揮することができる反射防止膜を提供すること。
【解決手段】本発明の反射防止膜は、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層は、25nm以上の孔径の細孔が細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在すること、あるいは、前記低屈折率層が細孔を有しており、前記低屈折率層を構成する一次粒子の粒子径の3倍以上の細孔径の細孔が、細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は反射防止膜に関し、特に広帯域の光に対して反射防止能を発揮する反射防止膜に関する。
光学部品、眼鏡、ディスプレイ装置などを被覆して用いる反射防止膜は、単層又は複数層からなるものが知られている。単層及び2層からなるものは、残存反射率が大きくなってしまうため屈折率の異なる3層を重層したものが好ましいと考えられてきた。
しかしながら、3層を積層させることは、公知の真空蒸着法、ディップコーティング法などいずれの方法でも、単層に比べ工程が煩雑であるとともに生産性が低いという欠点があった。その後、単層であっても下記の条件を満足すれば反射率の低減が可能であることが見出され、下記条件を満足する単層膜の開発が検討されてきた。
すなわち、基材の屈折率がns、単層膜の屈折率がnの場合の反射率Rがns>nのとき、極小値として(ns-n22/(ns+n22 をとることを利用し、このRが、n2=nsとなるように単層膜の屈折率nを(ns1/2に近づけて反射率を低減させるものである。
このとき、反射防止の波長域が十分広くない場合には、反射スペクトルの最低値が低くても短波長側、長波長側の反射率が高くなり、反射光が着色するという問題が生じる。このため、反射防止波長域をより広帯域化して反射光の着色を低減することが好ましい。
上記の反射率制御及び反射防止波長域の広帯域化を達成するものとして、非球形の形状の微粒子を含む層を有する反射防止膜が開示されている(特許文献1)。この反射防止膜は、広範な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以下)を示すとしているが、特許文献1には、具体的な反射率1%以下の波長範囲は開示されていない。
そこで本発明者が、非球形の微粒子である鎖状のシリカを塗布して、反射防止膜を形成したところ、反射率1%以下の波長域はおよそ400nmから650nmにかけての範囲となった。400nmより短波長側、650nmより長波長側の反射率が高く、そのため反射光は着色しており、反射防止波長域をより広帯域化して反射光の着色を低減すると好ましいことが判明した。
また、特許文献1に記されているとおり、低屈折率層に使用されるバインダー量は、微粒子間に形成されるミクロボイドを埋めすぎないように、微粒子間の密着が得られる必要最低限の量を用いる必要がある。しかしながら、ミクロボイドの含有量が高すぎると、膜の機械強度が低下してしまう。本発明者が、前述の鎖状のシリカを塗布して形成した反射防止膜の表面強度を調べたところ、実用上不十分であることが判明した。
特開平11−23803号公報
このように、従来の反射防止膜では、広帯域で、例えば230nm以上800nm以下の波長域で、所望の反射率、例えば最大反射率が5%以下、最小反射率が1%以下を実現し、しかも十分な表面強度を発揮することができなかった。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、広帯域の反射防止波長域において所望の反射防止能を発揮し、しかも十分な表面強度を発揮することができる反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明の反射防止膜は、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層は、25nm以上の孔径の細孔が細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする。
本発明の反射防止膜においては、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層が細孔を有しており、前記低屈折率層を構成する一次粒子の粒子径の3倍以上の細孔径の細孔が、細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することが好ましい。
本発明の反射防止膜においては、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層が網目状の粒子集合体から構成され、100nm以上の径を有する粒子集合体が粒子集合体全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することが好ましい。
本発明の反射防止膜においては、前記反射防止膜の表面が1μm以上の凹凸を有しておらず、膜厚が実質的に均一であることが好ましい。
本発明の反射防止膜においては、前記低屈折率層は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物とを加水分解・脱水縮合して調製される、網目状の粒子集合体の分散液から形成されることが好ましい。
本発明の反射防止膜においては、前記加水分解・脱水縮合はpH3以上で行われることが好ましい。
本発明の反射防止膜においては、前記低屈折率層は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物とを2相分離した状態で反応させ、反応後に1相に均一化して得られる、網目状の粒子集合体の分散液から形成されることが好ましい。
本発明の反射防止膜は、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層は、25nm以上の孔径の細孔が細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする。このため、広帯域(例えば230nm以上800nm以下)な反射防止波長域で反射防止能(例えば最大反射率が5%以下であり、最小反射率が1%以下である)、すなわち反射光が弱まり、着色が低減する効果を発揮し、しかも十分な表面強度を発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の反射防止膜は、例えば230nm以上800nm以下の相対的に広い波長域で、反射防止能、例えば最大反射率が5%以下、最小反射率が1%以下を発揮するものである。好ましくは、最大反射率が4%以下、最小反射率が0.5%以下である。なお、反射防止能の指標である最大反射率及び最小反射率は、分光膜厚計により反射スペクトルを測定することで、求めることができる。
このような反射防止能を発揮するためには、25nm以上の孔径の細孔が細孔全体に対して10%以上存在し、反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することが必要である。
本発明に係る反射防止膜は、反射防止能を有する単層あるいは複数の層の積層体で構成されるが、少なくとも一層の低屈折率層を有する。本発明において低屈折率層とは、基材の光学フィルムよりも低い屈折率を有する層のことをいう。この低屈折率層の屈折率は、膜強度、最低反射率などを考慮して、1.01以上1.45以下であることが好ましい。より好ましくは、1.05以上1.4以下である。なお、低屈折率層の屈折率は、反射スペクトルからシミュレーションにより求めることができる。
反射防止膜が単層の低屈折率層で形成されている場合、反射スペクトルの広帯域性が大きくなるため、好ましい。
本発明の反射防止膜は表面にフッ素原子が存在する。このため、膜表面に滑り性を有し、優れた表面強度を有する。反射防止膜の表面にフッ素原子が存在していることは、X線光電子分光装置などで調べることができる。表面にフッ素原子を存在させる方法としては、従来から知られる各種の公知の方法を用いることができる。例えば、フッ素系表面処理剤などを反射防止膜表面に塗布する方法や、フッ素を含有するカップリング剤などの化合物を気相蒸着させる方法を用いることができる。このとき、本発明の低屈折率層は非常にポーラスであるため、フッ素系表面処理剤が低屈折率層の界面付近でトラップされ、低屈折率層内部のポーラスな構造により反射防止性能は維持しつつ、十分な表面強度を発揮する。
また、表面にフッ素原子を存在させる方法として、反射防止膜表面層を形成する塗布組成物中に、フッ素を含有するポリマーやカップリング剤などの化合物を混合しておいてから塗布する方法などがある。この場合、本発明の反射防止膜における低屈折率層は、非常にポーラスであるため、反射防止性能は維持したまま、フッ素を含有するポリマーやカップリング剤などが低屈折率層の界面付近に偏析するため、十分な表面強度を発揮する。
本発明の反射防止膜は、低屈折率層に粒子を含有することが好ましい。粒子は屈折率が低い物質で構成されることが好ましい。例えば、ケイ素を含む粒子を含有すると、屈折率が低くなるためより好ましい。粒子の大きさは、膜厚制御やヘーズを考慮して、2000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、1000nm以下である。低屈折率層が粒子を含有していると、粒子間に空隙が生まれるため、低屈折率層の屈折率が低くなり、好ましい。低屈折率層に粒子を含有していることは、低屈折率層の表面や断面の走査型電子顕微鏡(以下、SEMと省略する)像をとることで、確認することができる。
本発明の反射防止膜は、膜のヘーズを考慮して、表面が1μm以上の凹凸を有さず膜厚が実質的に均一であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上の凹凸を有さず膜厚が実質的に均一であることである。反射防止膜の膜厚が実質的に均一であるとは、反射防止膜の約70%以上の個所の膜厚が、膜厚の平均値の±50%以内であることをいう。膜厚が実質的に均一である場合、反射防止膜の反射率が低くなるため好ましい。反射防止膜の表面に凹凸があるかどうかや、反射防止膜の膜厚が実質的に均一であるかどうかは、膜断面のSEM像をとることで判断することができる。
本発明の反射防止膜の低屈折率層は、25nm以上の孔径の細孔が全体の細孔に対して10%以上存在する細孔径分布を有する。ここで、細孔とは、SEMで低屈折率層表面を見たときに、粒子が存在せず黒く見える孔の部分を指す。本発明においては、細孔の孔径とは、細孔と同面積の円の直径を指す。本発明においては、細孔の孔径は、画像解析ソフトウェアで細孔の面積を求めることで、算出することができる。また、25nm以上の細孔の割合は、画像解析ソフトウェアにより、低屈折率層表面のSEM像中に存在する細孔の孔径を多数求め、その分布を調べることにより求めることができる。細孔の孔径は分布を有する。孔径が25nm以上の細孔の割合は、10%以上である場合、反射防止波長域の広帯域性が発現する。好ましくは15%以上である。
本発明の反射防止膜は、反射防止膜を形成する一次粒子の3倍以上の細孔が、全体の細孔に対して10%以上存在する細孔径分布を有することが好ましい。より好ましくは4倍以上である。3倍以上の孔径の細孔を有すると、反射防止波長域に広帯域性が発現する場合が多い。なお、本発明において一次粒子とは、SEMで反射防止膜表面を見たときや、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと省略する)像で反射防止膜形成用塗布液の粒子集合体を見たときに見える、最小の粒子単位のことを指す。また、本発明においては、一次粒子の粒子径は、一次粒子と同面積の円の直径を指す。一次粒子の粒子径は、膜厚制御やヘーズを考慮して、2000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、1000nm以下である。
本発明の反射防止膜は、一次粒子を含有する低屈折率層を有するが、この一次粒子は、粒子間で凝集したり、化学結合したりすることで集合し、網目状の粒子集合体を形成している。本発明の反射防止膜は、低屈折率層が網目状の粒子集合体から構成され、かつ、集合体径100nm以上の粒子集合体が粒子集合体全体に対して10%以上存在することが好ましい。
本発明で粒子集合体の集合体径とは、粒子集合体が重ならないようにして低屈折率層形成用塗布液から検鏡試料を調製して、その透過型電子顕微鏡像をとり、その粒子集合体像を画像処理し、その面積を求めた場合の、その面積と同面積の円の直径をいう。もしその粒子集合体が集合体内に空隙を有する網目状である場合には、画像処理により集合体内の空隙を穴埋めして求まった面積と同面積の円の直径を指す。また、低屈折率層の一部を剥離し、分散させて得られた分散液から同様にして粒子集合体の集合体径を求めてもよい。
低屈折率層中に、集合体径100nm以上の粒子集合体が粒子集合体全体に対して10%以上存在すると、膜中に25nm以上の細孔を形成しやすくなり、反射防止波長域の広帯域性が発現するので好ましい。より好ましくは、150nm以上の粒子集合体が粒子集合体全体に対して10%以上存在することである。本発明において網目状とは、連結した一次粒子により囲まれて生じた空隙が、一つの粒子集合体中に複数存在している状態をいう。反射防止膜の低屈折率層が網目状の粒子集合体から形成されていることは、低屈折率層形成用塗布液を用いて前述のとおりに透過型電子顕微鏡像を撮影して確認できる。また、低屈折率層の一部を剥離し分散させた分散液を用いて、前述のとおりに透過型電子顕微鏡像を撮影することによっても確認できる。
本発明の反射防止膜は、ある種の添加剤、例えば沸点の低いシランカップリング剤などを含むハードコート上に塗布した場合でも、十分な反射防止性能を付与できる。これは、本発明の反射防止膜はポーラスであるため、下地のコーティングから各種添加剤が拡散してきても、各種添加剤をトラップして低屈折能に影響を与えず、低屈折率を維持できるためであると考えられる。また、同様の理由で、低屈折率層上に各種のコーティングを塗布しても、十分な反射防止性能を維持できる。
次に、本発明の反射防止膜における網目状の粒子集合体の製造方法について説明する。本発明の反射防止膜の低屈折率層を形成する網目状の粒子集合体の分散液は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物を加水分解・脱水縮合して調製される。
鎖状のシリカとは、シリカ微粒子がシロキサン結合などの化学結合により連結して鎖状となったものをいい、直線状に伸びた形状であっても、二次元的、もしくは三次元的に湾曲した形状であっても構わない。
鎖状のシリカの分散媒は、実質的に鎖状のシリカが安定に分散したゾルとなっていれば、特に限定されない。具体的には、水、炭素数1〜6個の一価アルコール、炭素数1〜6個の二価アルコール、グリセリンなどのアルコール類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ(n−プロピル)エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル(n−ブチル)ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどが好適に用いられる。より好ましい分散媒は、水である。
鎖状のシリカのゾルの濃度は、網目状の粒子集合体が得られることを考慮して、2質量%以上であることが好ましい。鎖状のシリカのゾルの濃度は、前述の分散媒を、市販の鎖状のシリカの分散液に添加することにより、調整することができる。
加水分解基含有シランの加水分解基とは、加水分解により水酸基が生じる基であればよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、エノキシ基、オキシム基などが挙げられる。
本発明における加水分解基含有シランとして、下記一般式(1)で表される加水分解基含有シラン、下記一般式(2)で表される加水分解基含有シランを用いることが出来る。
SiX4−n (1)
(式中、Rは水素又は炭素数1〜10個のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表す。またこれらの置換基上にさらにハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基などの官能基を有していても良い。Xは加水分解基を表す。nは0〜3の整数である。)
Si−R −SiX (2)
(式中、Xは加水分解基を表し、Rは炭素数1〜6個のアルキレン基又はフェニレン基を表す。また、mは0又は1である)
加水分解基含有シランとして具体的に用いられるものは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(i−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(i−ブトキシ)シラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラキス(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラキス(トリフルオロアセトキシ)シラン、トリアセトキシシラン、トリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリス(トリフルオロアセトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラフルオロシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、メチルトリフルオロシラン、テトラキス(メチルエチルケトキシム)シラン、トリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルシランなどである。
また、例えば日本国コルコート株式会社製のメチルシリケート51、エチルシリケート40、エチルシリケート48などに代表される、下記一般式(3)にて表される加水分解基含有シランも好適に用いることができる。
−(O−Si(OR−OR (3)
(式中、Rは炭素数1〜6個のアルキル基を表す。pは2〜8の整数である。)
上記加水分解基含有シランは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。上記加水分解基含有シランの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好適に用いられる。
これらの加水分解基含有シランは、加水分解反応により加水分解基の一部又は全部が反射防止膜用塗布組成物中でシラノール基に変換する。そのため、上記の加水分解基含有シランの一部又は全部の代わりに、シラノール基を含有するシランを用いても良い。
このようなシランとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、ケイ酸、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノール、ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオールなどのシラン、あるいは末端や側鎖にヒドロキシル基を有するポリシロキサンなどが挙げられる。また、オルトケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カリウム、オルトケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸リチウム、オルトケイ酸テトラメチルアンモニウム、オルトケイ酸テトラプロピルアンモニウム、メタケイ酸テトラメチルアンモニウム、メタケイ酸テトラプロピルアンモニウムなどのケイ酸塩や、これらを酸やイオン交換樹脂に接触させることにより得られる活性シリカなどのシランなども用いることができる。
加水分解基含有シラン化合物の添加量は、膜強度や最低反射率を考慮して、鎖状シリカのケイ素原子の0.01倍以上50倍以下が好ましい。より好ましくは0.05倍以上30倍以下である。
加水分解及び脱水縮合は、触媒により促進してもよい。触媒としては酸性触媒、アルカリ性触媒、有機スズ化合物などが挙げられる。特に酸性触媒が好ましく、例えば硝酸、塩酸などの鉱酸やシュウ酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。
また、加水分解及び脱水縮合は、加熱により促進しても良い。加水分解基含有シランの加水分解・脱水縮合を行う反応温度は高いほど反応が早く進むので生産性の面で好ましい。通常、塗布組成物の粘度を制御しやすい温度、具体的には、好ましくは20℃以上100℃以下、より好ましくは20℃以上80℃以下である。上記温度で加水分解・脱水縮合を行う場合、要する時間は20℃の場合には最低1時間あればよく、60℃であれば最低20分あればよい。
本発明の反射防止膜における低屈折率層を形成する網目状の粒子集合体の分散液は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物をpH3以上で加水分解・脱水縮合して調製されることが好ましい。pH3以上で両者を加水分解・脱水縮合させた場合、網目状の粒子集合体を形成しやすくなるため、前述の理由で反射防止波長域が広帯域化した反射防止膜が得られることが多いからである。なお、pHの調製は、酸・アルカリの添加、弱酸強塩基・強酸弱塩基の塩の添加、陽・陰イオン交換樹脂による処理など、従来から知られている種々の方法で行うことができる。
本発明の反射防止膜の低屈折率層を形成する網目状の粒子集合体の分散液は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物を2相分離した状態で反応させ、反応後に1相に均一化して得られることが好ましい。2相分離した状態で反応させると、網目状の粒子集合体が得られる場合が多い。1相への均一化は、加水分解基含有シラン化合物と、鎖状のシリカの分散媒との相溶性を向上するような、鎖状のシリカの分散媒としてあげた溶媒を加えることなどにより、行うことができる。
本発明における網目状の粒子集合体の分散液は、アルカリ土類金属塩を含有することが好ましい。アルカリ土類金属塩を含有すると、下層との接着性を向上させることができる。アルカリ土類金属塩としては、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、酢酸塩などの無機酸塩及び有機酸塩が好ましい。中でもマグネシウム、カルシウムの無機酸塩及び有機酸塩が特に好ましい。アルカリ土類金属塩は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明において、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物にアルカリ土類金属塩を添加して加水分解・脱水縮合すると、網目状の粒子集合体が得られ、また加水分解及び脱水縮合に要する時間を短くできるので、好ましい。アルカリ土類金属塩の添加量は、鎖状のシリカに含まれる全ケイ素原子に対してモル比で0.0001以上0.1以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001以上0.05以下である。アルカリ土類金属塩は、溶液として添加することが好ましい。アルカリ土類金属塩に用いる溶媒は、アルカリ土類金属塩が溶解可能であれば特に限定されない。具体的には水、炭素数1〜6個の一価アルコールなどを挙げることができる。
なお、本発明において、網目状の粒子集合体の分散液は、膜厚や塗布組成物の粘度などを考慮して、液中のシリカの濃度が0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下の範囲である。網目状の粒子集合体の分散液の液中のシリカの濃度は、前述の鎖状のシリカの分散媒としてあげた溶媒を加えることにより、調整できる。
反射防止膜形成用塗布液を用いて前述のとおりに透過型電子顕微鏡像を撮影したり、反射防止膜の一部を剥離し分散させた分散液を用いて、前述のとおりに透過型電子顕微鏡像を撮影すると、網目状の粒子集合体中の一次粒子と一次粒子の間に、加水分解基含有シラン化合物が加水分解・脱水縮合して生じた、ゲル状の粒子間結着部位を見てとることができる。この粒子間決着部位は、鎖状のシリカの粒子間結着部位よりも太くなっている。
次に、本発明における網目状の粒子集合体の分散液の、光学フィルム基材への成膜条件について詳説する。
本発明の反射防止膜用塗布組成物を塗布する光学フィルム基材としては、透明なフィルムが好ましく、例えば、耐熱性200℃以下のトリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系フィルム;延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルム;ポリカーボネート系フィルム;ノルボネン系フィルム;ポリアリレート系フィルム及びポリスルフォン系フィルムが挙げられ、耐熱性150℃以下のセルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、ポリカーボネートフィルム、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。
また、本発明の反射防止膜用塗布組成物を塗布する基材として、上記のフィルムよりも厚膜のアクリルシートやポリカーボネートシートを用いることもできる。
本発明における塗布は、ディッピング、スピンコーター、ナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、スライドコーター、カーテンコーター、スプレイコーター、ダイコーターなどの公知の塗布法を用いて実施することができる。これらのうち連続塗布が可能なナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、スライドコーター、カーテンコーター、スプレイコーター、ダイコーターが好ましく用いられる。
網目状の粒子集合体の分散液が塗布されて得られた膜は、その後光学フィルムの熱変形温度より低い温度で加熱処理して硬化させる。硬化を行う温度は、上記光学フィルムの耐熱性により変更することができるが、多孔性、密着性の観点から60℃以上、熱による変形という観点から、150℃以下が好ましい。より好ましくは70〜130℃、最も好ましくは80〜120℃である。また、硬化時間は、1時間以内、好ましくは10分以内、より好ましくは2分以内である。
以上の処理によって、少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜を形成することができる。本発明において、低屈折率層の膜厚は、特に制限されるものではないが、反射防止効果の観点から50〜1000nmの範囲内が好ましく、より好ましくは50〜500nmの範囲内、最も好ましくは60〜200nmの範囲内である。
本発明の網目状の粒子集合体の分散液は、反射防止膜の反射率、膜強度や膜密着性、反射防止波長域の広帯域性を実用上損ねない範囲で、シランカップリング剤など有機鎖を有する化合物、結合助剤、レベリング剤、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物・有機性塩基・NHOH、低分子ポリビニルアルコール・界面活性剤などの安定化剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色素、金属塩、離型剤、含水酸化アルミニウムなどの含水金属酸化物、塩化アルミニウムなどの塩基性金属塩化物などの種々の添加剤を添加することができる。
反射防止膜と光学フィルム基材との間にハードコート層を設けると、反射防止膜の鉛筆強度や耐衝撃性を向上させることができるので好ましい。ハードコート層としては、市販のシリコーン系ハードコート、(メタ)アクリル系ハードコート、エポキシ系ハードコート、ウレタン系ハードコート、エポキシアクリレート系ハードコート、ウレタンアクリレート系ハードコートなど、公知のものを用いることができる。この他、多官能モノマーなどと重合開始剤を含む塗布液を塗布し、多官能モノマーなどを重合させることによっても形成できる。ハードコート層の厚さは、通常、0.1μm〜10μmに設定される。ハードコート剤には、表面の改質などを目的として、シランカップリング剤など、各種の添加物が加えられていてもよい。
反射防止膜中に、低屈折率層より屈折率の高い高屈折率層を設けても構わない。高屈折率層としては、例えば、チタン、ジルコニウム、亜鉛、セリウム、タンタル、イットリウム、ハフニウム、アルミニウム、マグネシウムなどの金属からなる酸化物又は複合酸化物など公知の無機微粒子を、バインダーに分散させたものが用いられる。バインダーとしては、種々の加水分解基含有シラン化合物、種々の有機ポリマーのうち側鎖や末端に重合性官能基を有するもの、種々の重合性モノマー、種々の硬化性樹脂などである。これらバインダーの種類と量は、目的の屈折率、強度、耐光性、黄変性などによって公知のものを用いることができる。上記金属酸化物のうち、高屈折率と耐光性を併せ持つ酸化ジルコニウムが特に好ましい。高屈折率層の屈折率は1.4〜2.5の範囲で、なるべく低屈折率層の屈折率の2乗に近い値に設定するのが好ましい。高屈折率層の厚さは、通常、0.01μm〜1μmに設定される。
反射防止膜中に帯電防止層を設けると、反射防止膜に埃が付着するのを防ぐことができるので有効である。帯電防止層としては、界面活性剤、イオン性ポリマーなどの公知の帯電防止剤や導電性微粒子などをバインダーに分散させたものが用いられる。導電性微粒子としては、例えば、インジウム、亜鉛、スズ、モリブデン、アンチモン、ガリウムなどの酸化物あるいは複合酸化物微粒子、銅、銀、ニッケル、低融点合金(ハンダなど)の金属微粒子、金属を被覆したポリマー微粒子、各種のカーボンブラック、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー粒子、金属繊維、炭素繊維など、公知のものが用いられる。この中でも特にITO(スズ含有酸化インジウム)粒子、ATO(スズ含有酸化アンチモン)粒子が、高い透明性と導電性を発現させることができるので好ましい。帯電防止層の厚さは、通常、0.01〜1μmに設定される。バインダーは、高屈折率層バインダーと同様のものを使用することができる。
本発明の反射防止膜は表面にさらに滑り性を付与するために、フッ素を含む被覆層を設けても良い。被覆層の膜厚は、通常、50nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは15nm以下、最も好ましくは6nm以下である。被覆層は単層又は複数層で構成されていてもよい。
上記の方法によって得られる反射防止膜は、例えば、メガネレンズ、ゴーグル、コンタクトレンズなどのメガネ分野;車の窓、インパネメーター、ナビゲーションシステムなどの自動車分野;窓ガラスなどの住宅・建築分野;ハウスの光透過性フィルムやシートなどの農芸分野;太陽電池、光電池、レーザーなどのエネルギー分野;TVブラウン管、ノートパソコン、電子手帳、タッチパネル、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテレビ、光ファイバー、光ディスクなどの電子情報機器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計などの家庭用品分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピー機器などの業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガラス、ゲーム機などの娯楽分野などにおいて、映り込みの防止及び/又は光透過性の向上を必要としている光透過性光学基材、特に耐熱性の低い光学フィルムなどの表面塗装に用いることが可能である。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)
片面に易接着処理を施された厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:コスモシャイン(登録商標)A4100、耐熱温度約150℃、屈折率1.55相当、鉛筆硬度HB)を用いる。
・絶対反射率の測定
FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)を用いて、波長230〜800nmの範囲での反射スペクトルを測定した。該波長範囲における反射率が最小の波長を反射率最小波長λbtmとし、その反射率を最低反射率Rminと定めた。また、該波長範囲における最大の反射率をRmaxと定めた。
・表面強度の測定
表面特性試験機(井元製作所製)に、ベンコット(登録商標)(小津産業株式会社製)をはめ込んだ蒸着膜剥離試験用プランジャーを取り付けた。試料表面を、500gの分銅により荷重をかけながら、幅4cmに渡り10往復、4分11秒をかけて摩擦した。摩擦後、サンプル表面の傷の有無を確認した。
・孔径が25nm以上の細孔の割合の算出
画像解析ソフトウェア「A像君(登録商標)」(旭化成株式会社製)を用いて、次のように行った。すなわち、低屈折率層表面にオスミウムを2nm程度コーティングし、SEM像を撮影した。SEM像中の細孔を、二値化処理により検出し、それぞれの面積Sを計算した。Sから細孔の孔径Dを、計算式D=(4S/π)0.5により求めた。Dを多数求めて分布を作成し、Dが25nm以上である細孔の細孔全体に対する割合を求めた。
・一次粒子径の算出
画像解析ソフトウェア「A像君(登録商標)」(旭化成株式会社製)を用いて、次のように行った。低屈折率層表面にオスミウムを2nm程度コーティングし、SEM像を撮影した。SEM像中の一次粒子を曲線分離したのち、二値化処理により検出し、それぞれの面積Sを計算した。Sから粒子径Dを、計算式D=(4S/π)0.5により求めた。Dを多数求めて分布を作成し、その平均値をもって一次粒子径とした。
(実施例1)
アクリル系紫外線硬化型樹脂(ライトアクリレートDPE−6A、共栄社化学株式会社製、固形分100質量%)2.5gにエタノール2.5gを加え、室温で攪拌下、イルガキュア(商標)184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)0.125gと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(サイラエースS710、チッソ株式会社製)を加え、ハードコートAを得た。
上記PETフィルムの易接着面に、ハードコートAをバーコーター(米国R.D.Specialities,Inc.製の#10ロッドを装着)で塗布し、紫外線硬化装置(ウシオ電機株式会社製、商品名:UVC−2519/1MNSC7−MS01)を用いて出力120W、コンベア速度2m/分、光源距離10mmにて紫外線照射(積算光量620mJ/cm)を行うことによって厚み5μmのハードコート層を形成した。
平均直径が約15nmで平均長さが約170nmの、鎖状のシリカの水分散液(商品名:スノーテックス(登録商標)OUP、日本国日産化学工業株式会社製、シリカ固形分濃度15質量%)20gを室温で攪拌下、テトラエトキシシランを12.48g、10%CaCl・2HO水溶液を0.55g、0.1N酢酸ナトリウム水溶液0.225gを加えた。溶液は2相分離した。下層のpHは4であった。その後、本混合物を70℃の湯浴上で1時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた2相分離した生成物を撹拌しながらエタノールを40g添加し、生成物を1相に均一化して化合物Bを得た。
化合物B0.75gに1.75gのイソプロパノールを添加し、塗布液Bを得た。 塗布液Bを、前記ハードコート層の上に、バーコーター(米国R.D.Specialities,Inc.製の#4ロッドを装着)で塗布し、続いて熱風循環乾燥機にて、120℃、2分間の乾燥を行って、低屈折率層を形成し、積層体Bを得た。この積層体Bの絶対反射率を測定したところ、λbtmは540nm、Rminは0.2%、Rmaxは2%であった。積層体Bの反射スペクトルを図1に示す。図1から分かるように、積層体Bは、広帯域において所望の反射防止能を発揮するものであった。
この低屈折率層の上に、フッ素系表面処理剤(ノベック(登録商標))EGC−1720(日本国住友スリーエム株式会社製)を、バーコーター(米国R.D.Specialities,Inc.製の#5ロッドを装着)で塗布し、続いて熱風循環乾燥機にて、120℃、2分間の乾燥を行って、被覆層を形成し、積層体Cを得た。
この積層体Cの絶対反射率を測定したところ、λbtmは580nm、Rminは0.2%、Rmaxは2%であり、低い反射率と高い反射防止波長域の広帯域性を示した。積層体Cの反射スペクトルを図2に示す。また、積層体Cの表面強度の測定を行ったところ、傷は生じなかった。また、50°の傾斜をつけて膜表面のSEM像を撮影したところ、1μm以上の凹凸は認められなかった。また、反射防止膜断面のSEM像を撮影したところ、反射防止膜の膜厚は約100nmで実質的に均一であった。さらに、反射防止膜表面のSEM像を撮影し、孔径が25nm以上の細孔の割合を求めたところ、35%であった。また、一次粒子の粒子径は20nmであった。このように、本発明に係る反射防止膜は、広帯域において所望の反射防止能を発揮し、しかも十分な表面強度を発揮するものであった。
(比較例1)
実施例1と同じ鎖状のシリカの水分散液1gにエタノール2g、イソプロパノールを3.25g添加し、塗布液Dを得た。そして、実施例1と同様にしてPETフィルム上にハードコート層を設け、塗布液Dをハードコート層の上に塗布、乾燥し、積層体Dを得た。
この積層体Dの絶対反射率を測定したところ、λbtmは500nm、Rminは0.3%、Rmaxは7.5%であり、反射防止波長域の広帯域性は不十分であった。積層体Dの反射スペクトルを図3に示す。また、積層体Dの表面強度の測定を行ったところ、傷と膜の剥離が生じた。また、50°の傾斜をつけて膜表面のSEM像を撮影したところ、1μm以上の凹凸は認められなかった。また、反射防止膜断面のSEM像を撮影したところ、反射防止膜の膜厚は、約100nmで実質的に均一であった。さらに、反射防止膜表面のSEM像を撮影し、孔径が25nm以上の細孔の割合を求めたところ、5%であった。また、一次粒子の粒子径は15nmであった。比較例の反射防止膜は、広帯域において所望の反射防止能を発揮できないものであった。
実施例1に係る積層体Bの反射スペクトルを示す特性図である。 実施例1に係る積層体Cの反射スペクトルを示す特性図である。 比較例1に係る積層体Dの反射スペクトルを示す特性図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層は、25nm以上の孔径の細孔が細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする反射防止膜。
  2. 少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層が細孔を有しており、前記低屈折率層を構成する一次粒子の粒子径の3倍以上の細孔径の細孔が、細孔全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  3. 少なくとも一層の低屈折率層を有する反射防止膜であって、前記低屈折率層が網目状の粒子集合体から構成され、100nm以上の径を有する粒子集合体が粒子集合体全体に対して10%以上存在し、前記反射防止膜の表面にフッ素原子が存在することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の反射防止膜。
  4. 前記反射防止膜の表面が1μm以上の凹凸を有しておらず、膜厚が実質的に均一であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の反射防止膜。
  5. 前記低屈折率層は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物とを加水分解・脱水縮合して調製される、網目状の粒子集合体の分散液から形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の反射防止膜。
  6. 前記加水分解・脱水縮合はpH3以上で行われることを特徴とする請求項5記載の反射防止膜。
  7. 前記低屈折率層は、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物とを2相分離した状態で反応させ、反応後に1相に均一化して得られる、網目状の粒子集合体の分散液から形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の反射防止膜。
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