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JP2007075853A - 鋳込みスリーブおよびその製造方法 - Google Patents

鋳込みスリーブおよびその製造方法 Download PDF

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JP2007075853A JP2005267012A JP2005267012A JP2007075853A JP 2007075853 A JP2007075853 A JP 2007075853A JP 2005267012 A JP2005267012 A JP 2005267012A JP 2005267012 A JP2005267012 A JP 2005267012A JP 2007075853 A JP2007075853 A JP 2007075853A
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Toshihiko Kaji
俊彦 鍛冶
Shinichiro Shigesumi
慎一郎 重住
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
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Abstract

【課題】鋳包み部材との結合力を高くすることのできる鋳込みスリーブを提供すること。
【解決手段】シリンダライナ1は、筒状の本体4と、本体4の外周面5に設けられた複数の凸条6とを有している。凸条6の第1の凸条61の一部には、周方向Cに張出した張出部8が形成されている。張出部8を周方向Cに切断した断面形状は、逆テーパ状をしており、根元側よりも先端側の方が周方向Cへの張出量が多くなっている。
【選択図】 図4

Description

この発明は、エンジンのシリンダライナなどに用いられる鋳込みスリーブおよびその製造方法に関する。
自動車やオートバイなどに用いられるエンジンのシリンダブロックには、筒状のシリンダライナと、シリンダライナの外周を鋳包むブロック本体とを有しているものがある(たとえば、特許文献1〜3参照)。
特開昭58−173074号公報 特許第3161301号明細書 実開昭56−147329号公報
エンジンの駆動のオン、オフなどに起因して、シリンダライナとブロック本体との結合部分において、両者の熱膨張量に差が生じることがある。特に、鋳鉄製のシリンダライナとアルミニウム合金製のブロック本体とを組み合わせた場合などのように、シリンダライナとブロック本体の材料(熱膨張係数)が異なる場合に、両者の結合部分での熱膨張量に差が生じ易い。
シリンダライナの径方向におけるシリンダライナとブロック本体との結合力が弱いと、両者の結合部分で熱膨張量に差が生じたときに、シリンダライナとブロック本体との間に隙間を生じ、その結果、シリンダライナの内周面(シリンダボア)の真円度が悪化するおそれがある。シリンダボアの真円度の悪化は、シリンダボアに擦接する圧力リングなどとの擦動抵抗の増大(エンジン出力のロス)を招き、好ましくない。
また、シリンダライナの軸方向において、シリンダライナとブロック本体とが相対的に動かないようにする必要がある。
しかしながら、特許文献1において、シリンダライナの外周面には、軸方向に延びる溝が形成されているのみであり、シリンダライナの径方向におけるシリンダライナとブロック本体との結合力を充分に確保し難い。
また、特許文献2では、シリンダライナの軸方向において、シリンダライナとブロック本体との間に引っかかり部分などがなく、シリンダライナとブロック本体との結合力が弱い。
また、特許文献3において、第1および第2の突条は、それぞれ、シリンダライナの軸方向に対して傾斜している。通常、ブロック本体を鋳造してシリンダライナを鋳込む際、溶湯は鋳型内でシリンダライナの軸方向に沿って流れるが、溶湯の流れ方向に対して第1および第2の突条が斜めに傾斜しているため、第1および第2の突条間に溶湯が十分に入り込まない。この結果、シリンダライナとブロック本体との間に隙間が生じて両者の結合力が弱くなってしまう。
同様の課題は、シリンダライナに限らず、他の用途に用いられる鋳込みスリーブにも存在する。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、鋳包み部材との結合力を高くすることのできる鋳込みスリーブおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、鋳包み部材(2)に外周が鋳包まれる鋳込みスリーブ(1)において、筒状の本体(4)と、上記本体(4)の外周面(5)に設けられて本体(4)の軸方向(S)に長い複数の凸条(6)と、を有し、上記凸条(6)の少なくとも1つ(61)には、本体(4)の周方向(C)に張出した張出部(8)が形成されており、当該張出部(8)は、根元側よりも先端側の方が周方向(C)への張出量が多い形状をしていることを特徴とする鋳込みスリーブ(1)である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、鋳包み部材は、張出部の先端側を本体の周方向に抱きかかえるようにして、張出部と結合する。これにより、鋳包み部材と張出部とを機械的に強固に結合させることができ、本体の径方向において、スリーブと鋳包み部材とを強固に結合することができる。また、鋳包み部材は、本体の軸方向における張出部の両端部を挟み込むようにして、張出部と結合する。したがって、本体の軸方向において、スリーブと鋳包み部材との機械的な結合を通じて両者の結合力を強くできる。さらに、凸条は、本体の軸方向に沿って延びているため、鋳型内で本体の軸方向に沿って流れる溶湯の流れ方向と凸条の長手方向とを一致させることができる。これにより、溶湯を各凸条間に十分に入り込ませることができ、スリーブと鋳包み部材とを十分に密着させて両者をより強固に結合することができる。
請求項2記載の発明は、上記張出部(8)を周方向(C)に切断した断面形状は、逆テーパ状またはきのこ状をしていることを特徴とする請求項1記載の鋳込みスリーブ(1)である。
この構成によれば、凸条の根元側から先端側に向かうにつれて、本体の周方向における張出部の張出量が多くなる部分が設けられている。これにより、本体の径方向におけるスリーブと鋳包み部材との結合力をより強くすることができる。
請求項3記載の発明は、上記張出部(8)は、凸条(6)の長手方向に所定間隔(P2)をあけて複数設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鋳込みスリーブ(1)である。
この構成によれば、複数の張出部を鋳包み部材で本体の軸方向に挟み込むため、軸方向におけるスリーブと鋳包み部材との結合力をより強くできる。
請求項4記載の発明は、上記張出部(8)を有する凸条(61)は、本体(4)の周方向(C)に等間隔に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋳込みスリーブ(1)である。
この構成によれば、スリーブと鋳包み部材との結合力を、本体の周方向においてバランスよく配分することができる。
請求項5記載の発明は、上記凸条(6)は、張出部(8)が形成されていない部分(9)を周方向に切断した断面形状が、逆テーパ状またはきのこ状をしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳込みスリーブ(1)である。
この構成によれば、鋳包み部材は、張出部に加え、張出部が形成されていない部分の凸条に対しても、先端側を本体の周方向に抱きかかえるようにして結合する。その結果、鋳包み部材と凸条との機械的な結合力をより強固にすることができる。
請求項6記載の発明は、上記鋳込みスリーブ(1)は、アルミニウム合金製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋳込みスリーブ(1)である。
この構成によれば、軽量なアルミニウム合金でスリーブを形成することにより、スリーブの軽量化を達成することができる。また、アルミニウム合金は、鋳鉄などに比べ、優れた熱伝導率を有している。したがって、たとえば、この構成をオートバイなどのエンジンに適用し、スリーブをシリンダライナとして用いるとともに、鋳包み部材をブロック本体として用いた場合、シリンダボア回りの熱の分布を均一にでき、その結果、高圧縮比を達成することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の鋳込みスリーブ(1)の製造方法において、押出成形によって、筒状の本体(4)、および、本体(4)の外周面(5)に設けられて本体(4)の軸方向(S)に長い複数の凸条(62)を有する押出材(27)を形成する工程と、上記押出材(27)の凸条(62)の少なくとも1つに、本体(4)の周方向(C)に張出す張出部(8)を形成する工程と、を含み、上記張出部(8)を形成する工程は、根元側よりも先端側の方が周方向(C)への張出量が多くなるように張出部(8)を形成する工程を含んでいることを特徴とする鋳込みスリーブ(1)の製造方法である。
この構成によれば、本体の長手方向に沿って素材をまっすぐに押し出すという簡易な方法で、押出材を形成することができる。また、押出材を形成した後の凸条に張出部を形成するので、共通の押出材を用いて張出部の形状の異なる複数種類のスリーブを製造することができ、押出材の汎用性を高めることができる。
請求項8記載の発明は、上記張出部(8)を形成する工程は、上記凸条(62)に圧縮空気を噴射する工程を含んでいることを特徴とする請求項7記載の鋳込みスリーブ(1)の製造方法である。
この構成によれば、凸条に圧縮空気を噴射するという簡易な方法で張出部を容易に形成することができる。
請求項9記載の発明は、上記張出部(8)を形成する工程は、上記凸条(62)をダイス(39)に押し当て転造を行う工程を含んでいることを特徴とする請求項7記載の鋳込みスリーブ(1)の製造方法である。
この構成によれば、凸条にダイスを押し当てるという簡易な方法で張出部を容易に形成することができる。また、張出部を所望の形状に正確に形成することができる。さらに、転造に伴う加工硬化により、張出部の強度をより高くすることができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態にかかるシリンダライナの図解的な平面図である。図2は、シリンダライナの要部の側面図である。図3は、図2のA−A線に沿う横断面図である。図4は、図2のB−B線に沿う横断面図である。
なお、以下では、この発明をシリンダライナに適用した場合について説明するが、この発明は、シリンダライナ以外の他の用途に用いられる鋳込みスリーブについても適用することができる。
図1および図2を参照して、シリンダライナ1(鋳込みスリーブ)は、オートバイなどのエンジンに備えられるものであり、外周が鋳鉄製のブロック本体2(鋳包み部材)に鋳包まれて、シリンダブロック3の一部を構成している。なお、ブロック本体2は、アルミニウム合金などの合金製であってもよい。
シリンダブロック3には、シリンダライナ1が1または複数(たとえば、4つ。図1および図2では、1つのシリンダライナ1を図示。)設けられており、隣り合うシリンダライナ1は、互いに近接して配置されるようになっている。
シリンダライナ1は、アルミニウム合金製であり、円筒状の本体4と、本体4の外周面5に全周に亘って突設されて本体4の軸方向S(以下、単に軸方向Sともいう)に長い複数の凸条6と、を有している。なお、シリンダライナ1は、鋳鉄などの他の合金製であってもよい。
本体4は、軸方向Sに長く延びており、所定の肉厚(たとえば、4mm程度の肉厚)を有している。本体4の内周面7(シリンダボア)と外周面5とは、互いに同心に形成されており、本体4の周方向C(以下、単に周方向Cともいう)の全域に亘って肉厚が略一定にされている。本体4の外周面5は、ブロック本体2に取り囲まれてこのブロック本体2に接合している。
本体4の内周面7は、ホーニング加工などの仕上げ加工が施されて、真円度(円筒度)が十分に高くされている。この内周面7にピストン(図示せず)が挿通されている。ピストンの外周に取り付けられた圧力リングは、内周面7に対して極めて薄い潤滑油膜を介して、軸方向Sに擦動可能となっている。本体4の内周面7の真円度が高いほど、内周面7と圧力リングとの擦動抵抗を少なくすることができる。
この実施形態の特徴の1つは、凸条6に張出部8を設けることにより、本体4の径方向R(以下、単に径方向Rともいう)におけるシリンダライナ1とブロック本体2との結合力を強くし、これにより、内周面7の円筒度が悪化することを防止して、内周面7における擦動抵抗を少なくしている点にある。なお、張出部8の詳細については後述する。
凸条6は、本体4の軸方向Sの全域に亘って延びている。この凸条6は、本体4の周方向Cに沿って等間隔に複数本(この実施形態では、36本)設けられており、周方向Cに隣り合う凸条6間のピッチP1は、たとえば、2mm程度にされている。
凸条6は、第1の凸条61と、第2の凸条62とを含んでいる。
第1の凸条61は、複数本(この実施形態では、4本)設けられており、周方向Cに略90°毎に等間隔に配置されている。なお、第1の凸条61は、周方向Cに不等間隔に配置されていてもよいし、1本だけ設けられていてもよい。また、第1の凸条61のみによって凸条6を構成してもよい。
第1の凸条61は、幅狭部9(張出部8が形成されていない部分)と、幅狭部9よりも周方向Cに張出した上述の張出部8とを有している。
図2〜図4を参照して、幅狭部9は、周方向Cに切断した断面形状が、略矩形状をしており、外周面5からの高さH1は、数mm程度、幅W1は、たとえば2mm程度とされている。幅狭部9の周方向Cに向かい合う一対の側面は、互いに略平行である。これらの側面間に延びる頂面10は、略周方向Cに沿っている。
張出部8は、本体4の軸方向Sにおける一端から他端にかけて、第1の凸条61の長手方向(本体4の軸方向S)に所定のピッチP2(たとえば、ピッチP1と同じピッチ)をあけて等間隔に複数設けられている。なお、張出部8を軸方向Sに不等間隔に配置してもよいし、第1の凸条61毎に1つだけ設けられていてもよい。
張出部8は、周方向Cに切断した断面形状が、逆テーパ状をしており、外周面5から径方向Rの外方に進むにつれて、周方向Cの幅が広くなっている。すなわち、張出部8の根元側よりも先端側の方が周方向Cへの張り出し量が多い形状をしている。張出部8の周方向Cに向かい合う一対の側面は、互いに逆向きに傾いており、これらの側面間に延びる頂面11は、略周方向Cに沿っている。
張出部8は、その幅W2が幅狭部9の幅W1よりも広く(W2>W1)されて、幅狭部9よりも本体4の周方向Cに幅広に形成されており、幅狭部9に対して周方向Cの両側に張出している。なお、張出部8を、周方向Cの一方に関してのみ、幅狭部9から張出すようにしてもよい。張出部8の外周面5からの高さH2は、幅狭部9の高さH1よりも低く(H2<H1)なっている。なお、H2=H1でもよい。
幅狭部9のうち、張出部8との境界部分には、段部12が形成されており、軸方向Sに向かい合う一対の段部12,12間に、ブロック本体2が介在している。
上記の構成により、シリンダライナ1とブロック本体2とは、強固に結合されている。
具体的には、第1の凸条61は、ブロック本体2に周方向Cの両側から挟まれており、周方向Cにおけるシリンダライナ1とブロック本体2との相対回転が規制されている。
また、張出部8のうち幅狭部9よりも周方向Cに張出している部分は、ブロック本体2に軸方向Sの両側に挟まれ、また、一対の段部12,12間にはブロック本体2が介在している。これにより、軸方向Sにおけるシリンダライナ1とブロック本体2との相対移動が規制されている。
さらに、張出部8は、ブロック本体2に周方向Cの両側から抱きかかえられて、ブロック本体2とくさび状に結合している。これにより、径方向Rにおけるシリンダライナ1とブロック本体2との相対移動が規制されている。
第2の凸条62は、第1の凸条61の幅狭部9と同様の幅狭部9からなる。第2の凸条62は、第1の凸条61と同様に、ブロック本体2に周方向Cの両側から挟まれている。これにより、周方向Cにおけるシリンダライナ1とブロック本体2との相対回転がより確実に規制されている。
上記の概略構成を有するシリンダライナ1の製造は、下記の工程を経て製造される。具体的には、図5を参照して、まず、シリンダライナ1の材料としての粉末材料をモールドに充填する工程が行われる。
この工程では、粉末充填装置13を用いる。粉末充填装置13は、粉末材料が充填されるモールド14と、モールド14が載置される回転プレート15と、回転プレート15を回転させるためのモータ16と、モールド14を加振するための第1および第2のバイブレータ17,18と、を有している。
モールド14は、ウレタン樹脂などの弾性体製であり、筒状の周壁19と、周壁19の一端を塞ぐ端壁20と、端壁20から延びて周壁19に取り囲まれる芯軸21とを含んでいる。これら周壁19、端壁20および芯軸21によって、粉末材料が充填される空間22が区画されている。
回転プレート15の一側面には、モールド14の端壁20を着脱可能に載置できるようになっている。回転プレート15上のモールド14は、回転プレート15と一体回転可能にされている。
第1のバイブレータ17は、たとえば2つ設けられており、回転プレート15の他側面に配置されている。第1のバイブレータ17の加振力は、回転プレート15を介してモールド14に伝わり、これにより、モールド14は芯軸21(周壁19)の軸方向に振動する。
第2のバイブレータ18は、たとえば2つ設けられており、モールド14の周壁19の一端側と他端側のそれぞれに配置されている。第2のバイブレータ18の加振力は、周壁19を取り囲む振動伝達カバー23を介してモールド14に伝わり、これにより、モールド14は芯軸21の軸方向と直交する方向に振動する。
上記の構成を有する粉末充填装置13を用いた粉末材料の充填は、以下のようにして行われる。すなわち、モータ16を駆動して、モールド14を所定の回転数(たとえば、3〜30rpm程度)で回転させつつ、第1および第2のバイブレータ17,18をそれぞれ駆動して、モールド14に2軸方向の振動を与える。このときの各バイブレータ17,18の振動数は、たとえば、10Hz程度とされる。
この状態で、空間22に粉末材料を供給する。この粉末材料として、急冷凝固アルミニウム合金粉末と酸化アルミニウム粉末と黒鉛粒子との混合粉末を例示することができる。モールド14は回転しているため、粉末材料を供給する位置が刻々と変化する。
モールド14の回転運動と、モールド14に加えられた振動とによって、粉末材料は、均一かつ密に空間22に充填される。
粉末材料の充填が完了して、空間22内に粉末体が形成されると、モータ16ならびに第1および第2のバイブレータ17,18の駆動を停止し、モールド14を回転プレート15から取り外す。
次に、図6に示すように、モールド14の周壁19の他端を塞いで、このモールド14を、液体が張られた圧力容器24内に入れて、冷間静水圧成形プレス(CIP:Cold Isostatical Press)工程を実施する。これにより、上記の粉末体をCIP体25にする。
次に、図7に示すように、CIP体25をモールドから取り出し、予熱工程を行う。この工程では、加熱装置26を用いてCIP体25を所定の温度に加熱する。これにより、CIP体25は、たとえば、500℃程度に加熱される。
次に、図8(a)および図8(b)を参照して、押出成形工程を実施する。この工程では、予熱されたCIP体25を用いて熱間押出成形を行うことにより、押出材27を形成する。
押出装置28のコンテナ29には、CIP体25が収容されている。コンテナ29の一方の開口の周囲には、主ラム30が当接して位置決めされており、この主ラム30にCIP体25の一端が受けられている。CIP体25の他端は、コンテナ29の内周面に擦動自在に設けられたダイ31に受けられている。ダイ31には、ダイステム32が取り付けられている。
また、主ラム30、CIP体25、ダイ31およびダイステム32を挿通するマンドレル33が設けられており、マンドレル33とダイ31との間に押出孔34が区画されている。押出孔34をCIP体25の軸方向に見た形状は、シリンダライナ1(図1参照)のうち張出部8が形成されていない部分を、軸方向Sに直交する方向に切断したときの断面形状に相当する形状とされている。
予熱された後にコンテナ29に収容されたCIP体25は、ダイステム32がダイ31を主ラム30側に移動させることにより加圧され、これにより、押出孔34を通って押出材27となる。押出孔34を通って押出成形された押出材27は、筒状の本体4、および、本体4の外周面5に設けられて本体4の軸方向Sに長い複数の第2の凸条62を有している。
次に、押出材27の第2の凸条62の少なくとも1つ(この実施形態では、4本の第2の凸条62)に、本体4の周方向Cに張出す張出部8を形成して第1の凸条61とする工程を実施する。この工程では、圧縮空気を噴射可能な噴射装置36を用いる。
噴射装置36は、張出部8を設ける第2の凸条62の数に対応する数(この実施形態では、4本。図8(a)では、2本の噴射ノズル37のみを図示。)の噴射ノズル37を有している。噴射ノズル37は、押出材27の径方向外方に配置されており、張出部8が形成される第2の凸条62側を向いている。
押出孔34から押し出された直後の、高温(たとえば、400℃程度)の押出材27の対応する第2の凸条62に向けて、噴射ノズル37から圧縮空気が噴射される。圧縮空気の噴射は、押出材27の軸方向Sへの移動に同期して間欠的に行われる。
これにより、上記第2の凸条62の一部に圧縮空気が噴射されてその部分が塑性変形し、張出部8が形成される。すなわち、第1の凸条61が形成される。
本体4の径方向外方から中心に向かって圧縮空気を噴射することにより、張出部8は、根元側よりも先端側の方が周方向Cへの張出量が多い形状となる。押出材27は、張出部8が形成されて押出材38となる。
なお、上記張出部8を形成する工程では、噴射ノズル37に代えて、図9(a)および図9(b)に示すように、ダイス39を用い、転造加工により張出部8を形成してもよい。ダイス39は、押出材27の本体4の軸方向Sに直交する方向に延びる軸線回りに回転可能とされており、外周部の全周に亘って等ピッチに形成された複数の歯部40を有している。押出材27の軸方向Sへの移動に同期してダイス39を回転させつつ、歯部40を押出材27の対応する第2の凸条62の一部に押し当てる。これにより、圧縮空気を用いた場合と同様に張出部8が形成される。
次に、図10に示すように、押出材38を切断する工程を行う。この工程では、工具41を用いて、押出材38を所定の長さごとに切断していく。これにより、シリンダライナ1が形成される。
次に、図11に示すように、シリンダライナ1の内周面7に二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤をコーティングする。シリンダライナ1は、そのあと、保管、出荷される。
以上説明したように、この実施形態によれば、ブロック本体2は、張出部8の先端側を本体4の周方向Cに抱きかかえるようにして、張出部8と結合する。これにより、ブロック本体2と張出部8とを機械的に強固に結合させることができ、本体4の径方向Rにおいて、シリンダライナ1とブロック本体2とを強固に結合することができる。
したがって、本体4の径方向Rにおいて、シリンダライナ1とブロック本体2との間に熱膨張量の差などに起因する隙間が生じることを防止でき、その結果、シリンダライナ1の内周面7の真円度が悪化することを防止できる。このため、シリンダライナ1に関して、ピストンに取り付けられた圧力リングなどとの擦動抵抗が増大することを防止でき、駆動ロスの増大を防止することができる。
また、ブロック本体2は、本体4の軸方向Sにおける張出部8の両端部を挟み込むようにして、張出部8と結合する。したがって、本体4の軸方向Sにおいて、シリンダライナ1とブロック本体2との機械的な結合を通じて両者の結合力を強くできる。
また、凸条6は、本体4の軸方向Sに沿って延びているため、鋳型内で本体4の軸方向Sに沿って流れる溶湯の流れ方向と凸条6の長手方向とを一致させることができる。これにより、溶湯を各凸条6間に充分に入り込ませることができ、シリンダライナ1とブロック本体2とを十分に密着させて両者をより強固に結合することができる。
さらに、シリンダライナ1の張出部8を周方向Cに切断した断面形状を、逆テーパ状にしていることにより、第1の凸条61の根元側から先端側に向かうにつれて、本体4の周方向Cにおける張出部8の張出量が多くなっている。これにより、張出部8とブロック本体2とをくさび状に結合でき、本体4の径方向Rにおけるシリンダライナ1とブロック本体2との結合力をより強くすることができる。
また、張出部8を、第1の凸条61の長手方向に所定間隔をあけて複数設けている。これにより、複数の張出部8をブロック本体2で軸方向Sに挟み込むため、軸方向Sにおけるシリンダボア1とブロック本体2との結合力をより強くできる。
さらに、第1の凸条61を、本体4の周方向Cに等間隔に複数設けることにより、シリンダライナ1とブロック本体2との結合力を、本体4の周方向Cにおいてバランスよく配分することができる。
また、シリンダライナ1を、鋳鉄などに比べ軽量なアルミニウム合金製とすることにより、シリンダライナ1の軽量化を達成することができる。また、アルミニウム合金は、鋳鉄などに比べ、優れた熱伝導率を有している。したがって、シリンダボア回りの熱の分布を均一にでき、その結果、エンジンの高圧縮比を達成することができる。
さらに、シリンダライナ1を製造する際、押出成形によって押出材27を形成し、その後、張出部8を形成している。これにより、本体4の長手方向に沿ってCIP体25をまっすぐに押し出すという簡易な方法で、押出材27を形成することができる。また、押出材27を形成した後に張出部8を形成するので、共通の押出材27を用いて張出部8の形状の異なる複数種類のシリンダライナ1を製造することができ、押出材27の汎用性を高めることができる。さらに、成形直後の高温でやわらかい押出材27に張出部8を形成するので、張出部8を容易に形成することができる。
また、押出材27の第2の凸条62に圧縮空気を噴射することにより張出部8を形成する場合、押出材27の第2の凸条62に圧縮空気を噴射するという簡易な方法で張出部8を容易に形成することができる。
一方、押出材27の第2の凸条62をダイス39に押し当て転造により張出部8を形成する場合、押出材27の第2の凸条62にダイス39を押し当てるという簡易な方法で張出部8を容易に形成することができる。また、この場合、張出部8を所望の形状に正確に形成することができる。さらに、転造に伴う加工硬化により、張出部8の強度をより高くすることができる。
なお、この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、図12に示すように、張出部8を周方向Cに切断した断面形状は、きのこ状をしていてもよい。この場合も、張出部8は、傘状の部分が、第1の凸条61の根元側から先端側に向かうにつれて、周方向Cにおける張出部8の張出量が多くなる部分とされており、張出部8を逆テーパ状に形成したのと同様の効果を得ることができる。
また、図13に示すように、第1および第2の凸条61,62のそれぞれにおいて、幅狭部9(張出部8が形成されていない部分)を周方向Cに切断した断面形状は、逆テーパ状をしていてもよい。この場合、幅狭部9は、根元側から先端側に向かうにつれて、周方向Cにおける張出量が多くなっている。これにより、ブロック本体2は、張出部8に加え、幅狭部9に対しても、先端側を周方向Cに抱きかかえるようにして結合する。その結果、ブロック本体2と凸条6との機械的な結合力をより強固にすることができる。
さらに、図14に示すように、幅狭部9を周方向Cに切断した断面形状は、きのこ状をしていてもよい。この場合、幅狭部9の傘状の部分が、根元側から先端側に向かうにつれて、周方向Cにおける張出量が多くなる部分とされている。これにより、幅狭部9を逆テーパ状に形成したのと同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態において、凸条6は、本体4の周方向Cの一部にのみ設けられていてもよい。この場合、シリンダライナ1は、隣接するシリンダライナ1の凸条6同士が互いに近接して向かい合うように配置されることが好ましい。すなわち、隣り合うシリンダライナ1間の距離が短い部分に凸条6を配置することが好ましい。
さらに、シリンダライナ1の製造に際して、押出材38を所定の長さに切断した後に、張出部8を形成するようにしてもよい。また、張出部8をプレス成形により形成してもよい。
この発明の一実施形態にかかるシリンダライナの図解的な平面図である。 シリンダライナの要部の側面図である。 図2のA−A線に沿う横断面図である。 図2のB−B線に沿う横断面図である。 シリンダライナの材料としての粉末材料をモールドに充填する工程を説明するための部分断面図である。 冷間静水圧成形プレス工程について説明するための部分断面図である。 CIP体に予熱を加える工程について説明するための側面図である。 (a)は、押出成形工程および押出材の凸条に張出部を形成する工程について説明するための断面図であり、(b)は、(a)のD−D線に沿う断面図である。 (a)は、この発明の別の実施形態における押出材の凸条に張出部を形成する工程について説明するための断面図であり、(b)は、(a)のE−E線に沿う断面図である。 押出材を切断してシリンダライナを形成する工程を説明するための一部断面図である。 シリンダライナの内周面にコーティングを施す工程について説明するための一部断面図である。 この発明のさらに別の実施形態の要部の横断面図である。 この発明のさらに別の実施形態の要部の横断面図である。 この発明のさらに別の実施形態の要部の横断面図である。
符号の説明
1 シリンダライナ(鋳込みスリーブ)
2 ブロック本体(鋳包み部材)
4 本体
5 (本体の)外周面
6,61,62 凸条
8 張出部
9 幅狭部(張出部が形成されていない部分)
27 押出材
39 ダイス
C (本体の)周方向
S (本体の)軸方向

Claims (9)

  1. 鋳包み部材に外周が鋳包まれる鋳込みスリーブにおいて、
    筒状の本体と、
    上記本体の外周面に設けられて本体の軸方向に長い複数の凸条と、
    を有し、
    上記凸条の少なくとも1つには、本体の周方向に張出した張出部が形成されており、当該張出部は、根元側よりも先端側の方が周方向への張出量が多い形状をしていることを特徴とする鋳込みスリーブ。
  2. 上記張出部を周方向に切断した断面形状は、逆テーパ状またはきのこ状をしていることを特徴とする請求項1記載の鋳込みスリーブ。
  3. 上記張出部は、凸条の長手方向に所定間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鋳込みスリーブ。
  4. 上記張出部を有する凸条は、本体の周方向に等間隔に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋳込みスリーブ。
  5. 上記凸条は、張出部が形成されていない部分を周方向に切断した断面形状が、逆テーパ状またはきのこ状をしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳込みスリーブ。
  6. 上記鋳込みスリーブは、アルミニウム合金製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋳込みスリーブ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の鋳込みスリーブの製造方法において、
    押出成形によって、筒状の本体、および、本体の外周面に設けられて本体の軸方向に長い複数の凸条を有する押出材を形成する工程と、
    上記押出材の凸条の少なくとも1つに、本体の周方向に張出す張出部を形成する工程と、
    を含み、
    上記張出部を形成する工程は、根元側よりも先端側の方が周方向への張出量が多くなるように張出部を形成する工程を含んでいることを特徴とする鋳込みスリーブの製造方法。
  8. 上記張出部を形成する工程は、上記凸条に圧縮空気を噴射する工程を含んでいることを特徴とする請求項7記載の鋳込みスリーブの製造方法。
  9. 上記張出部を形成する工程は、上記凸条をダイスに押し当て転造を行う工程を含んでいることを特徴とする請求項7記載の鋳込みスリーブの製造方法。
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