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JP2007075051A - 生体サンプル判別用プレート - Google Patents

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JP2007075051A
JP2007075051A JP2005269619A JP2005269619A JP2007075051A JP 2007075051 A JP2007075051 A JP 2007075051A JP 2005269619 A JP2005269619 A JP 2005269619A JP 2005269619 A JP2005269619 A JP 2005269619A JP 2007075051 A JP2007075051 A JP 2007075051A
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Motohiro Yamashita
資浩 山下
Toshibumi Nanjo
俊文 南條
Kazuyoshi Mori
一芳 森
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】 流路に充填された緩衝材中で生体サンプルを移動させて検出を行う際に、緩衝剤や生体サンプルの注入作業が容易で、そして短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル分析用のプレートを提供する。
【解決手段】 流路11,12は、生体サンプルを一定量だけ取得するための予め定められた容積を有する定量分取部10に一端が連結されており、流路11の断面積は流路12の断面積より大きくなる。流路11の他端には、前記軸心に対して定量分取部10と同心円上の位置において、流路11,12に充填される緩衝剤が保持される緩衝剤貯留部7を設けてあり、更に緩衝剤貯留部7には、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するオーバーフローチャンバー17を連結する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、DNAやタンパクその他の生体サンプルを緩衝剤中で移動させ、その輸送反応を検出して生体サンプルを分析するための生体サンプル判別用プレートに関する。
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNAとタンパクが存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
DNAに関しては、現在SNPs(single nucleotide polymorphismの略で「1塩基多型」と一般に訳されており、遺伝子における1暗号(1塩基)の違いの総称である。)が注目されている。その理由としては、SNPsの分類により、多くの疾患に対する罹患率や各個人の薬剤に対する効果や感受性を予測でき、さらには、地球上に親子兄弟といえども全く同じSNPsを持つ人間は絶対に存在しないことから個人の完全な特定ができると考えられているからである。
現在、SNPsを調べる方法としては、DNAの塩基配列を端から直接読んでいくシーケンシング(塩基配列の決定)が最も一般的に用いられている。そして、前記シーケンシングを行う方法としては、いくつかの報告があるが、もっとも一般的に行われているのは、ジデオキシシーケリング(Sanger法)である。なお、シーケンシングは、このSanger法を含め何れの方法においても、分離能の高い変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動か、キャピラリー電気泳動によって1塩基の長さの違いを分離・識別する技術が基になって成り立っている。
また、他の方法として、アフィニティリガンドキャピラリー電気泳動法がある。アフィニティリガンドキャピラリー電気泳動は、分子間親和力、とくに生態系における特異的親和力(酵素と基質、抗原と抗体の親和力等)を利用して分離に特異性を持たせるものであり、具体的には、キャピラリー管中の泳動溶液に、塩基配列を特異的に認識するアフィニティリガンドを添加しておき、試料を電気泳動させると、試料混合物中で相互作用する分子種だけが移動速度に変化を生じることに着目して分析を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
一方、タンパク質は、細胞、組織、生体液中に存在し、生体活動の調節、細胞へのエネルギー供給、重要な物質の合成、生物構造体の維持、さらには細胞間でのコミュニケーションや細胞内情報伝達に関与している。現在では、タンパク質が様々な環境や、相互作用する他のタンパク質の存在、タンパク質が受けた修飾の程度や種類に応じて、複数の機能を有することが明らかになってきている。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が遺伝子の指示(配列情報)により順番につながることでつくられており、その種類は数千万種と言われるが、その遺伝子の配列がわかれば、どのアミノ酸がどういう順番でつながってできているかの情報を得ることができる。生物の遺伝子(ゲノム)から作られるタンパク質の一そろいのセットは、プロテオームと呼ばれるが、ヒトゲノムの塩基配列解読が終わった今、プロテオームの解析が盛んに進められている。
そして、このようなタンパク質の機能解析研究としては、同定やキャラクタリゼーションのみならず、生化学アッセイやタンパク質間相互作用研究、タンパク質ネットワーク、または細胞内外のシグナリング解明なども行っていく必要がある。このタンパク質機能の研究には、多方面の技術が使用され、酵素アッセイ、酵母 two−hybrid アッセイ、クロマトグラフィーによる精製、情報ツールとデータベース等があるが、特に、電気泳動によるたんぱく質の判別は重要な手法である。そして、電気泳動のように、キャピラリー管中のサンプル、分析物、緩衝剤、及び試薬等の液体を移動させた際に得られる輸送反応を検出して、該サンプルの分析、判別、判定等を行う場合の前記液体の輸送及び方向付けに関しては、さまざまな報告がある(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特開平7−311198号公報 特表2000−513813号公報 特表2001−523341号公報
上述したように生体サンプルの分析においては、キャピラリー電気泳動装置を利用した方法が広く使われている。
実際に輸送反応を行なう部分であるキャピラリーは、外形300ミクロン、内径100ミクロン程度のガラス管が使用される例が多く、折れにくくするために表面はポリイミド等でコーティングされている。しかしながら、内部試料を検出するために検出窓として焼いたり薬品で溶かすなどしてコーティングを一部剥ぎ取る。この時、コーティングを剥いだ部分は折れやすくなり取り扱いに十分注意する必要がある。折れた場合はなお危険である。
また、サンプルの注入においても、加圧や吸引で行なうのが一般的な方法であるが、一定量注入する必要があり、時間で調整するもののキャピラリー内の緩衝剤の粘度や温度変化により注入量が実験のたびに異なるという問題がある。サンプルの量は測定結果に及ぼす影響は大きく、大変重要な項目である。
また、このようなキャピラリーを使用した装置の場合、構成上短い流路での電気泳動を行なうことは困難であり、必要以上の泳動距離と時間をかけて測定することになる。
上記の煩雑な作業を簡便にする方法として、キャピラリーの代わりに、微細な流路を形成したプレートを使って、電気泳動させる方法がある。
しかし、このプレート上の流路を利用した場合でも試料の分離を行うのに、例えば特許文献2,特許文献3に記載の方法では、試料をトラップする緩衝剤が充填された、複数のキャピラリーチャンネルを交差させ、且つ少なくとも3つ電極を設けて、該少なくとも3つ設けられた電極のうちの2つの電極に印加して、前記交差部を通して前記試料を移動させているが、この方法でも、電気泳動させるための電圧印加に損失があるため、電気泳動速度が遅く、即ち、生体サンプルの輸送が遅いため、生体サンプルの判別検出に時間がかかる。
本発明は、流路に充填された緩衝剤中で生体サンプルを移動させて検出を行う際に、煩雑な準備作業が不要で、かつ、電気泳動中の電圧印加の効率を向上させたことで、短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル判別用のプレートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の生体サンプル判別用プレートは、緩衝剤が充填された流路中を生体サンプルが電気泳動により移動するときに生ずる輸送反応を検出して前記生体サンプルを判別する生体サンプル判別用プレートにおいて、前記生体サンプルを収容する空間を有し前記空間に前記生体サンプルを充填して収容する定量分取部と、前記定量分取部に前記緩衝剤を送出する第1流路と、前記第1流路から送出された前記緩衝剤が前記定量分取部に流入するときに前記定量分取部から流入する生体サンプルを電気泳動させる第2流路と、を備え、前記第1流路の流路断面積が前記第2流路の流路断面積より大きく形成されてなる。
さらに、前記第2流路に流入する前記緩衝剤のうち前記第2流路の容量を超える緩衝剤を収容するオーバーフローチャンバーを備えてなる。
さらに、前記第1流路の流路断面積が前記第2流路の流路断面積の1倍以上2倍以下に形成されてなる。
さらに、前記第1流路の長さが前記第2流路の長さより短く形成されてなる。
さらに、緩衝剤が充填された流路中を生体サンプルが電気泳動により移動するときに生ずる輸送反応を検出して前記生体サンプルを判別する生体サンプル判別用プレートにおいて、前記生体サンプル判別用プレートは、前記緩衝剤と前記生体サンプルが注入、充填される第3の流路と、前記緩衝剤が充填される第4の流路と、前記第3の流路と前記第4の流路が共通にする第2の定量分取部と、前記第3の流路の一部に設けられた、電極が挿入できる第1の電極挿入部と、第2の電極挿入部と、前記第4の流路の一部に設けられ、正電極が挿入される第3の電極挿入部と、負電極が挿入される第4の電極挿入部と、を備え、前記第4の流路において、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積が、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積より大きく形成されてなる。
さらに、前記第4の流路において、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積が、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積の1倍以上2倍以下でなる。
さらに、前記第4の流路において、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の長さが、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの長さより短く形成されてなる。
本発明によれば、電気泳動中の電圧印加の効率を向上させることができるため、電気泳動速度が速くなり、短時間で検出することが可能となる。さらに、遠心力によるサンプル輸送できるプレートについては、遠心力によって、短時間で一定量の生体サンプルを緩衝剤中に添加することができ、その後の電気泳動によって、正確かつ短時間で検出を行うことができる。さらに本発明によれば、緩衝剤や生体サンプルをプレートに供給する際に、緩衝剤注入部あるいは生体サンプル注入部の全体を満たすように注入するだけで、分析に必要な量の緩衝剤や生体サンプルを、過不足なく供給することができる。このため、従来のように、ピペットなどからプレートに供給する際に、一定量だけ吐出させるような、熟練した操作は必要とならず、簡単な操作で緩衝剤や生体サンプルを注入することができる。このように煩雑な準備作業が不要で、短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル分析用のプレートを提供することができる。
(実施の形態1)
まず、図1〜図8を用いて、本実施の形態1における生体サンプル分析プレートの構成について説明する。図1は、本実施の形態1における生体サンプル分析プレートの流路形成面からみた図である。
本実施の形態1におけるプレート1には図2に示すパターン2が4個放射線状に形成されており、同時に4検体のDNA判別が可能である。
図1に示すように本実施の形態1におけるプレート1の外形は8センチ四方の正方形で4角は面取りされており、そのうちの1角は更に大きく面取りされている。
更に穴4を設けているが、これは外形を非対称にしてパターンの場所を特定できるようにされている。プレート1をこのような外形形状にしている訳は、図示しない光学読取装置にプレートを取り付けて、上記の蛍光度や、吸光度を検出する際の位置決めを容易にするためである。材料はアクリル系の樹脂を使用し厚みは2mmである。流路形成面には溝が形成されさらに厚さ50μmのアクリル製フィルムを接着することで密閉流路が形成されている。
また、5は本プレートの軸心であり、軸心5を中心に本プレートを上記の光学読取装置の回転部に固定するための孔3を設けている。
図2に示す6は緩衝剤であるDNAコンジュゲートを注入する、空気孔を兼ねた緩衝剤注入口、7は注入された緩衝剤を一旦保持するための緩衝剤注入部、8はDNAサンプルを注入する、空気孔を兼ねたサンプル注入口、9は注入されたDNAサンプルを一旦保持するためのサンプル注入部である。緩衝剤注入部7とサンプル注入部9の形状は相似しており、周辺断面を図3に示す。
図3は緩衝剤注入部やサンプル注入部近傍の断面を表した図であり、斜線でハッチングした部分がプレート1である。19が緩衝剤注入口6およびサンプル注入口8にあたり、20が緩衝剤注入部7およびサンプル注入部9である。21が前述したフィルムであり溝にフタをするように貼り付けることで密閉流路が形成される。ちなみに流路形成面は下部である。
再び図2に戻り、サンプル注入部9はサンプル定量分取部10と接続しており、緩衝剤注入部7も流路11によって、定量分取部10と接続している。また、定量分取部10には空気抜きをするための空気孔13と、注入されたDNAサンプルを遠心力により、定量化するためのオーバーフローチャンバー14と、電気泳動時に前記した光学読取装置にて走査するための流路12が接続されており、流路12の端部には、空気孔15が接続されており、更に、17は緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するためのオーバーフローチャンバーが設置されている。本実施の形態では、流路11の幅は300μm、深さは50μm、流路12の幅は200μm、深さは50μmである。
それでは、以下前述した該DNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するまでの具体的操作および動作の一例を、外周側パターン2の詳細形状を示す図2を利用して説明する。
まず、検体となるDNAサンプルを準備する。本来DNAは2本鎖の螺旋構造をしたものであるが、本実施の形態1においては、判別したいSNPs部位を含む約60塩基長の1本鎖DNAを準備する。抽出方法や1本鎖化については本発明とは直接関係がないので詳細説明は省略する。
次に、緩衝剤としてDNAコンジュゲートを準備する。DNAコンジュゲートとは、6〜12塩基長1本鎖DNAの5’末端に高分子のリニアポリマーが共有結合したものである。さらにDNAは、正常型に対しては相補であるが変異型に対しては相補ではない配列であり、正常型DNAに対しての結合力が強く、変異型DNAに対しての結合力が弱い特性がある。また、電気泳動した場合、5’末端に結合したリニアポリマーがおもりとなり泳動速度がかなり遅いという特性もある。 以後記述する「DNAコンジュゲート」とは、電解質の役目もするpH緩衝剤およびMgCl2などのDNA結合力制御剤を含んだ物性とする。
試料の準備が終わったところで、DNAコンジュゲートおよびDNAサンプルをプレート内へ注入する。まず、DNAコンジュゲートをピペッター等により緩衝剤注入口6から緩衝剤注入部7を充填するように分注する。分注量としては、パターンのスケールにより異なるが本実施の形態1においては、緩衝剤注入部7と流路11と定量分取部10と流路12を満たすには、DNAコンジュゲートが3マイクロリットル必要である。緩衝剤注入部7の容積は、3マイクロリットルより若干多くなるように予め形成してある。
次に光学読取装置の回転部にプレート1を固定し、軸心5を軸に回転させる。この時分注されたDNAコンジュゲートは、遠心力により外周方向へと移動する。緩衝剤注入部7内のDNAコンジュゲートは流路11を通り定量分取部10へと移動した後、さらに流路12まで移動する。回転数4000rpmで回転開始から2分後、DNAコンジュゲートの移動が停止した状態が図4である。また、定量分取部10周辺を拡大した図が、図5である。
DNAコンジュゲートの移動が終了した後、緩衝剤注入部7と流路12内に存在するDNAコンジュゲートの液面高さと定量分取部の液面高さは、軸心5を中心とする同一円周上となる。但し、緩衝剤注入部7内に注入するDNAコンジュゲートの量が3マイクロリットルより少ない場合、図6aに示すように、定量分取部10や流路12内にDNAコンジュゲートが充填されない。充填していなければ、電気泳動ができなくなる。
一方、3マイクロリットルより多い場合においては、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するためのオーバーフローチャンバー17を設置している。このため、DNAコンジュゲートの液面高さと定量分取部の液面高さは、常に軸心5を中心とする同一円周上となる。なお、オーバーフローチャンバー17は、図6bに示すように、オーバーフローチャンバー17を除くハッチング部分、すなわち、緩衝剤注入部7と流路11と定量分取部10と流路12のハッチングした容積が3マイクロリットルになった時の、重心5を中心とする同一円周上の流路12に配置されている。
次にDNAコンジュゲートが流路内に輸送された後、DNAサンプルをプレート内へ注入する。DNAサンプルはピペッター等によりをサンプル注入口8よりサンプル注入部9へ分注する。本実施の形態1においては、DNAサンプルは1マイクロリットル必要とするので、サンプル注入部9の容積は、それより若干大きく形成しておく。
次に回転部にプレート1を固定し、軸心5を軸に回転させる。この時分注されたDNAサンプルは、遠心力により外周方向へと移動する。
サンプル注入部9内のDNAサンプルは空気孔13により気泡が発生することなく、定量分取部10へと移動する。このとき、定量分取部10に移動したDNAサンプルはオーバーフローチャンバー14により、定量化することができ、不必要なDNAサンプルはオーバーフローチャンバー14内へと移動する。そして、4000rpmでの回転開始から2分後、DNAサンプルの移動が停止した状態が図7である。また、定量分取部10周辺を拡大した図が図8である。
以上の動作で定量分取部10に残存したDNAサンプルがSNPsの判別を行なう最終試料となる。
次に、電気泳動を行う。流路が形成されたプレート前面にはフィルム21が貼られており、そこへ針状の電極を突き刺し内部へ挿入することで電圧印加が可能となる。電極を突き刺す場所は、正電極の場合、流路12の端部に、負電極の場合は、緩衝剤注入部7に突き刺す。電気泳動は、電極間に数百Vの電圧を印加すると、流路12さらには定量分取部10において電界が発生し、定量分取部10に一定量残存したDNAサンプルは、流路12中を正電極側(図7中A方向)へ泳動する。
流路12中にはDNAコンジュゲートが充填されており、DNAサンプルはDNAコンジュゲートとの結合を繰り返しながら電気泳動する。この時、上述したようにDNAサンプル中の正常型DNAはDNAコンジュゲートとの結合力が強いため泳動速度が遅くなり、変異型DNAは結合力が弱いため正常型に比べ泳動速度は速くなる。つまりDNAサンプル中に正常型、変異型両方が存在した場合は、正常型のDNAと変異型のDNAが分離していくこととなり、SNPsの判別が行なえるのである。
続いて、グラフ1に流路断面積を変化させた時の、電圧降下の関係を示す。グラフの縦軸は電圧、横軸が電圧印加した時の流路の位置を示し、0mmが正の電極位置、42mmが負の電極位置を表す。
電圧が印加される流路11と流路12の流路幅、深さをともに200μm、深さ50μmにした場合、電圧降下はグラフ上の点線を示す。次に流路11の流路幅のみを150μmに減らした場合、電圧降下のグラフは大きめの点線をし、流路11の流路幅のみを上300μmに増やした場合は、電圧降下はグラフ上の実線となった。
流路11の断面積を大きくすることで、電圧印加時の流路11の電気抵抗が下がり、電圧降下が低下する。その結果、電気泳動が行われる流路12の電圧効率があがるため、泳動速度が速くなり、検出時間が短縮できる。ちなみに、泳動時間は流路11の流路幅を200μmとした時に、検出時間は約5分、流路幅300μmだと、約4分と1分程度短縮することができた。更に、流路11の断面積を増やして、電気泳動試験を行った結果、DNAコンジュゲートの充填時に流路内に気泡が入り込むという問題が発生し、また、DNAサンプルの定量化も安定しなくなるという問題が発生した。逆に、流路幅を1倍以下の150μmにした場合だと、検出時間は約5分半かかった。グラフ2に流路断面積を変化させた時の、検出時間の関係を示す。このグラフからわかるように、断面積の最適化は、流路12の断面積に対し、流路11の断面積を1.5倍程度にするのが最良であることがわかった。
今回の実験では、流路幅を増加させる方法で、断面積を増やしたが、流路の深さや、流路の長さを変更してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、電気泳動中の電圧印加の効率を向上させることができるため、電気泳動速度が速くなり、短時間で検出することが可能となる。さらに、遠心力によるサンプル輸送できるプレートについては、遠心力によって、短時間で一定量の生体サンプルを緩衝剤中に添加することができ、その後の電気泳動によって、正確かつ短時間で検出を行うことができる。
(実施の形態2)
以下、図9を用いて、本実施の形態2について説明する。
実施の形態2における生体サンプル分析プレートは、イオン、有機酸、アミノ酸等の低分子や、タンパク質、核酸、糖等の高分子からなる荷電性分子、ウイルス、細胞等の荷電性粒子、などの荷電性物質を分離して、対象物質を分析することが実現するものである。
具体的には、本発明の電気泳動用チップの溝の中に分離用緩衝液、分離用高分子ゲル、分離用等電性フォーカッシング緩衝液等の分離用媒体を充填させて、分析対象物質を含む試料を注入し、溝の両端に電圧を印加することによって、分離用媒体中で分析対象物質を電位差で移動させて分離することができる。
まず、図9を用いて、本実施の形態2における生体サンプル分析プレートの構成について説明する。図9は、本実施の形態2における生体サンプル分析プレートの流路形成面からみた図である。
図9に示すように本実施の形態2におけるプレート40の外形は20mm×75mmであり、厚さ1mmのアクリル系樹脂を使用した。
プレート40上には穴41、42を設けている。これはプレート2を図示しない光学読取装置にプレートを取り付けて、上記の蛍光度や、吸光度を検出する際の位置決めを容易にするためである。流路形成面には溝が形成されさらに厚さ50μmのアクリル製フィルムを接着することで密閉流路が形成されている。
43、44、45は分離用媒体を注入するための分離用媒体注入部、46は分析対象物質を含むサンプルを注入ためのサンプル注入部である。分離用媒体注入部43、44、45とサンプル注入部46の形状は同じであり、内径1mm、深さ0.9mmである。
47はサンプルを分離させるための分離流路であり、その両端部には分離用媒体注入部43、44が接続されている。48はサンプルや分離用媒体を導入するための導入流路であり、その両端部には分離用媒体注入部45とサンプル注入部46が接続されている。また、分離流路47と導入流路48は直角に交差し、交差した部分49を定量分取部とよぶ。流路の寸法は分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の流路幅が150μm、それ以外の全ての流路幅は100μmである。
流路の深さは分離流路47も導入流路48も全て50μmである。流路の長さは分離用媒体注入部43から定量分取部49までの分離流路47の長さが25mm、分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の長さが3mm、分離用媒体注入部45から定量分取部49までの分離流路48の長さが3mm、分離用媒体注入部46から定量分取部49までの分離流路48の長さが3mmである。
それでは、以下にΦX174HaeIII分解断片DNAが分離するまでの具体的操作および動作の一例を説明する。
まず、5g/Lハイドロキシプロピルメチルセルロース(Aldrich社製、平均分子量90,000)、5mg/Lエチジウムブロマイド、44.75mM TRIS(2−アミノー2−ヒドロキシメチルー1,3−プロパンジオール)、44.75mMホウ酸(pH8.2)を含む分離用ゲル緩衝液を、泳動液導入用液溜まり43に5μl、44と45に各3μlをピペッター等により滴下する。注入方法としては特に制限はないが、例えば、毛細管現象を利用する方法、注射筒等を用いる加圧注入法、一方の液溜まり部に滴下した媒体をもう一方の液溜まり部から水流ポンプ、真空ポンプ等を用いて減圧することによって注入する減圧注入法などが挙げられる。
本発明では、流路表面をプラズマ処理により、親水性処理を行い、毛細管現象を利用して分離流路47及び試料導入流路48に緩衝液を充填した。次に、DNA鎖長で72bpから1353bpの11個の断片から構成される、ΦX174のHaeIII分解断片を上記分離用ゲル緩衝液に40μg/ml濃度に溶解した試料液3μLを、ピペッター等を使って、サンプル注入部46に滴下する。次に、分離用媒体注入部45とサンプル注入部46に電極を挿入し、1000V/cmの電圧を印加して、サンプルを定量分取部49まで移動させる。続いて分離用媒体注入部43、44にも電極を挿入し、400V/cmの電圧を印加して電気泳動を実施し、DNA断片を分離できることが確認できた。
続いて、グラフ3に流路断面積を変化させた時の、電圧降下の関係を示す。グラフの縦軸は電圧、横軸が電圧印加した時の流路の位置を示し、0mmが正の電極が挿入される分離用媒体注入部43、25mmが負の電極が挿入される分離用媒体注入部44の位置を表す。
電圧が印加される分離流路47の流路幅、深さを100μm、深さ50μmにした場合、電圧降下はグラフ上の点線となった。次に分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の流路幅のみを50μmに減らした場合、電圧降下のグラフは大きめの点線をし、分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の流路幅のみを150mに増やした場合は、電圧降下はグラフ上の実線となった。
分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の断面積を大きくすることで、電圧印加時の分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の電気抵抗が下がり、電圧降下が低下する。その結果、電気泳動が行われる分離用媒体注入部43から定量分取部49までの分離流路47の電圧効率があがるため、泳動速度が速くなり、検出時間が短縮できる。
ちなみに、泳動時間は分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の流路幅を100μmとした時に、検出時間は約140秒、流路幅150μmだと、約120秒と20秒程度短縮することができた。
更に、分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の断面積を増やして、電気泳動試験を行った結果、DNA断片の分離が不安定になるという問題が発生した。逆に、分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の流路幅を1倍以下の75μmにした場合だと、検出時間は約150秒かかった。グラフ4に流路断面積を変化させた時の、検出時間の関係を示す。このグラフからわかるように、断面積の最適化は、分離用媒体注入部43から定量分取部49までの分離流路47の断面積に対し、分離用媒体注入部44から定量分取部49までの分離流路47の断面積を1.5倍程度にするのが最良であることがわかった。
今回の実験では、流路幅を増加させる方法で、断面積を増やしたが、流路の深さや、流路の長さを変更してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、電気泳動中の電圧印加の効率を向上させることができるため、電気泳動速度が速くなり、短時間で検出することが可能となる。
本発明の生体サンプル分析プレートは、DNAサンプル等の生体サンプルの判別を、短時間で正確に、且つ簡便に行えるようにするものとして有用である。
本発明の実施の形態1にかかる生体サンプル判別用プレートの平面図 同生体サンプル判別用プレートのバターンを拡大して示す平面図 同生体サンプル判別用プレートのサンプル注入部、および緩衝剤注入部の断面図 同生体サンプル判別用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル判別用プレートの定量分取部を拡大して示す平面図 同生体サンプル判別用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル判別用プレートのパターン部分を示す平面図 同生体サンプル判別用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル判別用プレートの定量分取部を拡大して示す平面図 本発明の実施の形態2にかかる生体サンプル判別用プレートの平面図 本発明の実施の形態1にかかる流路断面積を変化させた時の電圧降下の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態2にかかる流路断面積を変化させた時の検出時間の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態1にかかる流路断面積を変化させた時の電圧降下の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態2にかかる流路断面積を変化させた時の検出時間の関係を示すグラフ
符号の説明
1 プレート
2 流路パターン
3 回転部固定用穴
4 位置決め穴
5 プレート重心
6 緩衝剤注入口
7,7a,7b 緩衝剤注入部
8 サンプル注入口
9 サンプル注入部
10 定量分取部
11,12 流路
13 空気孔
14,17 オーバーフローチャンバー
15 空気孔
16 流路
30 DNAコンジュゲート
31 DNAサンプル
40 プレート
41,42 穴
43,44,45 分離用媒体注入部
46 サンプル注入部
47 分離流路
48 導入流路
49 定量分取部
A 泳動方向


Claims (7)

  1. 緩衝剤が充填された流路中を生体サンプルが電気泳動により移動するときに生ずる輸送反応を検出して前記生体サンプルを判別する生体サンプル判別用プレートにおいて、前記生体サンプルを収容する空間を有し前記空間に前記生体サンプルを充填して収容する定量分取部と、前記定量分取部に前記緩衝剤を送出する第1流路と、前記第1流路から送出された前記緩衝剤が前記定量分取部に流入するときに前記定量分取部から流入する生体サンプルを電気泳動させる第2流路と、を備え、前記第1流路の流路断面積が前記第2流路の流路断面積より大きく形成されてなる、生体サンプル判別用プレート。
  2. 前記第2流路に流入する前記緩衝剤のうち前記第2流路の容量を超える緩衝剤を収容するオーバーフローチャンバーを備えてなる、請求項1に記載の生体サンプル判別用プレート。
  3. 前記第1流路の流路断面積が前記第2流路の流路断面積の1倍以上2倍以下に形成されてなる、請求項1に記載の生体サンプル判別用プレート。
  4. 前記第1流路の長さが前記第2流路の長さより短く形成されてなる、請求項1に記載の生体サンプル判別用プレート。
  5. 緩衝剤が充填された流路中を生体サンプルが電気泳動により移動するときに生ずる輸送反応を検出して前記生体サンプルを判別する生体サンプル判別用プレートにおいて、前記生体サンプル判別用プレートは、前記緩衝剤と前記生体サンプルが注入、充填される第3の流路と、前記緩衝剤が充填される第4の流路と、前記第3の流路と前記第4の流路が共通にする第2の定量分取部と、前記第3の流路の一部に設けられた、電極が挿入できる第1の電極挿入部と、第2の電極挿入部と、前記第4の流路の一部に設けられ、正電極が挿入される第3の電極挿入部と、負電極が挿入される第4の電極挿入部と、を備え、前記第4の流路において、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積が、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積より大きく形成されてなる、生体サンプル分析用プレート。
  6. 前記第4の流路において、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積が、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の断面積の1倍以上2倍以下でなる、請求項4に記載の生体サンプル分析用プレート。
  7. 前記第4の流路において、負電極が挿入される前記第4の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの流路の長さが、正電極が挿入される前記第3の電極挿入部から前記第2の定量分取部までの長さより短く形成されてなる、請求項4に記載の生体サンプル分析用プレート。
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