JP2007066625A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】セルモジュールが膨張したり収縮したりするときでも、セルモジュールの燃料電池に対して一様に、かつ、均一に面圧を加えることができ、電極の接触抵抗が増加することがなく、燃料ガスのリークが生じることがなく、出力特性が良好で、信頼性の高いようにする。
【解決手段】電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されているセルモジュールを備える燃料電池スタックであって、前記セルモジュールを燃料電池の積層方向の両端から挟み込む保持部材と、該保持部材を介して前記セルモジュールに締付荷重を付与する締付部材と、前記保持部材と締付部材との間に介在し前記燃料電池の積層方向の伸縮を吸収する補助保持部材とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されているセルモジュールを備える燃料電池スタックであって、前記セルモジュールを燃料電池の積層方向の両端から挟み込む保持部材と、該保持部材を介して前記セルモジュールに締付荷重を付与する締付部材と、前記保持部材と締付部材との間に介在し前記燃料電池の積層方向の伸縮を吸収する補助保持部材とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池スタックに関するものである。
従来、燃料電池は、発電効率が高く、有害物質を排出しないので、産業用、家庭用の発電装置として、又は、人工衛星や宇宙船などの動力源として実用化されてきたが、近年は、乗用車、バス、トラック等の車両用の動力源として開発が進んでいる。そして、前記燃料電池は、アルカリ水溶液型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、直接型メタノール等のものであってもよいが、反応温度が低く、小型化に有利な固体高分子型燃料電池が一般的である。
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合したMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)が使用される。そして、前記ガス拡散電極の一方を燃料極(アノード極)とし、その表面に燃料としての水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極(カソード極)とし、その表面に酸化剤としての空気を供給すると、空気中の酸素と、前記水素イオン及び電子とが結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。
そして、固体高分子型燃料電池は、MEAの外側に燃料ガスとしての水素ガスや酸素等の酸化剤ガスのような反応ガスの供給通路を形成するセパレータを配設した積層構造を有する。前記セパレータは、積層方向に隣り合うMEAへの反応ガスの透過を防止するとともに、発生した電流を外部へ取り出すための集電を行う。このように、MEAとセパレータとから成る単位セルを多数積層して燃料電池スタックが構成される(例えば、特許文献1参照。)。
図2は従来の燃料電池スタックの構成を示す図である。
図において、101は燃料電池スタックの燃料電池セル集合体であり、MEAとセパレータとから成る単位セルが、図における上下方向に多数積層されている。そして、前記燃料電池セル集合体101は、積層方向の両端からエンドプレート102によって挟み込まれた状態になっている。なお、燃料電池セル集合体101の上下に配設されたエンドプレート102は、締付ボルト103によって接続され、該締付ボルト103に螺(ら)合された締付ナット104を締め込むことによって、燃料電池セル集合体101を上下方向から締め付けるようになっている。
図2(a)は、締め付け前の状態を示しており、上下のエンドプレート102が燃料電池セル集合体101と接触する面から反った湾曲形状を有していることが分かる。そして、締付ナット104を締め込むことによって、燃料電池セル集合体101を上下方向から締め付けると、図2(b)に示されるように、上下のエンドプレート102が平坦(たん)に、かつ、互いに平行になる。そのため、燃料電池セル集合体101の各単位セルに一様に、かつ、均一に面圧を加えることができる。
特開2004−288539号公報
しかしながら、前記従来の燃料電池スタックにおいては、締付ボルト103に螺合された締付ナット104を締め込み、上下のエンドプレート102に直接力を付与することによって、燃料電池セル集合体101を締め付けるようになっているので、該燃料電池セル集合体101の膨張や収縮に適切に対応することができなかった。例えば、常温において、図2(b)に示されるように、上下のエンドプレート102が平坦になるように燃料電池セル集合体101を上下方向から締め付けていても、温度が低下して燃料電池セル集合体101が収縮すると、図2(a)に示されるように、上下のエンドプレート102が湾曲してしまう。すると、燃料電池セル集合体101の各単位セルに加えられる圧力が不均一になり、燃料電池セル集合体101内の電極の接触抵抗が増加したり、燃料ガスのリークが生じたり、部材が損傷を受けたりしてしまう。
本発明は、前記従来の燃料電池スタックの問題点を解決して、締め付ける前の状態において湾曲した形状の保持部材と、該保持部材と反対向きに湾曲した補助保持部材とを介して積層されたセルモジュールを締め付けることによって、該セルモジュールが膨張したり収縮したりするときでも、セルモジュールの燃料電池に対して一様に、かつ、均一に面圧を加えることができ、電極の接触抵抗が増加することがなく、燃料ガスのリークが生じることがなく、出力特性が良好で、信頼性の高い燃料電池スタックを提供することを目的とする。
そのために、本発明の燃料電池スタックにおいては、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されているセルモジュールを備える燃料電池スタックであって、前記セルモジュールを燃料電池の積層方向の両端から挟み込む保持部材と、該保持部材を介して前記セルモジュールに締付荷重を付与する締付部材と、前記保持部材と締付部材との間に介在し前記燃料電池の積層方向の伸縮を吸収する補助保持部材とを有する。
本発明の他の燃料電池スタックにおいては、さらに、前記保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記セルモジュールの中心方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である。
本発明の更に他の燃料電池スタックにおいては、さらに、前記補助保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記保持部材と反対方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である。
本発明の更に他の燃料電池スタックにおいては、さらに、前記セルモジュールに所定の締付荷重を付与した状態において、前記保持部材は少なくとも前記セルモジュールに接触する面が該セルモジュールの端面に沿って平坦になり、前記補助保持部材は湾曲している。
本発明によれば、燃料電池スタックは、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されているセルモジュールを備える燃料電池スタックであって、前記セルモジュールを燃料電池の積層方向の両端から挟み込む保持部材と、該保持部材を介して前記セルモジュールに締付荷重を付与する締付部材と、前記保持部材と締付部材との間に介在し前記燃料電池の積層方向の伸縮を吸収する補助保持部材とを有する。
この場合、セルモジュールが膨張したり収縮したりするときでも、セルモジュールの燃料電池に対して面圧を加えることができ、電極の接触抵抗が増加することがなく、燃料ガスのリークが生じることがなく、出力特性が良好で、信頼性を向上させることができる。
燃料電池スタックは、さらに、前記保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記セルモジュールの中心方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である。
この場合、セルモジュールに付与される締付荷重が面内において均一になる。
燃料電池スタックは、さらに、前記補助保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記保持部材と反対方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である。
この場合、セルモジュールの両端に近い位置に締付荷重が付与されるので、燃料ガスの漏れを防止することができる。
燃料電池スタックは、さらに、前記セルモジュールに所定の締付荷重を付与した状態において、前記保持部材は少なくとも前記セルモジュールに接触する面が該セルモジュールの端面に沿って平坦になり、前記補助保持部材は湾曲している。
この場合、温度が変化しても、保持部材による締付荷重が面内に均一に付与され、補助保持部材が熱膨張及び熱収縮を吸収するので、セルモジュールに一定の締付荷重を付与することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における燃料電池スタックの構成を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における燃料電池のセルモジュールの構成を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における燃料電池の単位セルの構成を示す模式断面図である。
図3において、20は燃料電池(FC)装置としての燃料電池スタックであり、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として使用される。ここで、前記車両は、照明装置、ラジオ、パワーウィンドウ等の車両の停車中にも使用される電気を消費する補機類を多数備えており、また、走行パターンが多様であり動力源に要求される出力範囲が極めて広いので、動力源としての燃料電池スタック20と図示されない蓄電手段としての二次電池とを併用して使用することが望ましい。
そして、燃料電池スタック20は、アルカリ水溶液型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、直接型メタノール(DMFC)等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池(PEMFC)であることが望ましい。
なお、更に望ましくは、水素ガスを燃料ガス、すなわち、アノードガスとし、酸素又は空気を酸化剤、すなわち、カソードガスとするPEMFC(Proton Exchange Membrane Fuel Cell)型燃料電池、又は、PEM(Proton Exchange Membrane)型燃料電池と呼ばれるものである。ここで、該PEM型燃料電池は、一般的に、プロトン等のイオンを透過する電解質層としての固体高分子電解質膜の両側に触媒、電極及びセパレータを結合した燃料電池としてのセル(Fuel Cell)を複数及び直列に結合したスタック(Stack)から成る。
本実施の形態において、燃料電池スタック20は、図3に示されるように、複数のセルモジュール10を有する。なお、図3における矢印は、燃料ガスとしての水素ガスの流れを示している。セルモジュール10は、図4に示されるように、燃料電池としての単位セル(MEA)10Aと、該単位セル10A同士を電気的に接続するとともに、単位セル10Aに導入される水素ガスの流路と空気とを分離するセパレータ10Bと、単位セル10A及びセパレータ10Bを1セットとして、板厚方向に複数セット重ねて構成されている。セルモジュール10は、単位セル10A同士が所定の間隙(げき)を隔てて配置されるように、単位セル10Aとセパレータ10Bとが、多段に重ねられて積層されている。
単位セル10Aは、電解質層としての固体高分子電解質膜11の側に設けられた酸素極としての空気極12及び他側に設けられた燃料極13で構成されている。前記空気極12は、反応ガスを拡散しながら透過する導電性材料から成る電極拡散層と、該電極拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜11と接触させて支持される触媒層とから成る。また、単位セル10Aの空気極12側の電極拡散層に接触して集電するとともに空気と水との混合流を透過する多数の開口が形成された網目状の集電体としての空気極側コレクタ14と、単位セル10Aの燃料極13側の電極拡散層に接触して同じく電流を外部に導出するための網目状の集電体としての燃料極側コレクタ15とを有する。
そして、単位セル10Aにおいては、図5に示されるように、水が移動する。図5において、48は燃料ガス流路としての燃料室であり、49は空気流路としての酸素室である。この場合、燃料極側コレクタ15の燃料室48内に燃料ガス、すなわち、アノードガスとしての水素ガスを供給すると、水素が水素イオンと電子とに分解され、水素イオンがプロトン同伴水を伴って、固体高分子電解質膜11を透過する。また、前記空気極12をカソード極とし、酸素室49内に酸化剤、すなわち、カソードガスとしての空気を供給すると、空気中の酸素と、前記水素イオン及び電子とが結合して、水が生成される。なお、水分が逆拡散水として固体高分子電解質膜11を透過し、燃料極側コレクタ15の燃料室48内に移動する。ここで、逆拡散水とは、酸素室49において生成される水が固体高分子電解質膜11内に拡散し、該固体高分子電解質膜11内を前記水素イオンと逆方向に透過して燃料室48にまで浸透したものである。
次に、燃料電池システムの全体構成について説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの構成を示す図である。
図6において、燃料電池スタック20に燃料ガスとしての水素ガス及び酸化剤としての空気を供給する装置が示される。なお、図示されない改質装置によってメタノール、ガソリン等を改質して取り出した燃料である水素ガスを燃料電池スタック20に直接供給することもできるが、車両の高負荷運転時にも安定して十分な量の水素ガスを供給することができるようにするためには、燃料貯蔵手段73に貯蔵した水素ガスを供給することが望ましい。これにより、該水素ガスがほぼ一定の圧力で、常に、十分に供給されるので、前記燃料電池スタック20は車両の負荷の変動に遅れることなく追随して、必要な電流を供給することができる。
水素ガスは、水素吸蔵合金を収納した容器、デカリンのような水素吸蔵液体を収納した容器、水素ガスボンベ等の燃料貯蔵手段73から、燃料供給管路としての第1燃料供給管路21、及び、該第1燃料供給管路21に接続された燃料供給管路としての第2燃料供給管路33を通って、燃料電池スタック20の燃料ガス流路の入口に供給される。そして、前記第1燃料供給管路21には、燃料貯蔵手段元開閉弁24、圧力センサ27、第1燃料圧力調整弁25a、第2燃料圧力調整弁25b及び燃料供給電磁弁26が配設される。また、前記第2燃料供給管路33には、安全弁33a及び前記燃料ガス流路内の圧力を検出する圧力センサ78が配設される。この場合、前記燃料貯蔵手段73は、十分に大きな容量を有し、常に、十分に高い圧力の水素ガスを供給することができる能力を有するものである。
そして、燃料電池スタック20の燃料ガス流路の出口から未反応成分として排出される水素ガスは、燃料排出管路31を通って燃料電池スタック20の外部に排出される。前記燃料排出管路31には、回収容器としての水回収ドレインタンク60が配設されている。そして、該水回収ドレインタンク60には水と分離された水素ガスとを排出する燃料排出管路30が接続され、該燃料排出管路30にはポンプとしての吸引循環ポンプ36が配設されている。また、前記燃料排出管路30には水素循環電磁弁34が配設されている。また、前記燃料排出管路30における水回収ドレインタンク60と反対側の端部は、第2燃料供給管路33に接続されている。これにより、燃料電池スタック20の外部に排出された水素ガスを回収し、燃料電池スタック20の燃料ガス流路に供給して再利用することができる。
また、前記水回収ドレインタンク60には、起動用燃料排出管路56が接続され、該起動用燃料排出管路56には水素起動排気電磁弁62が配設され、燃料電池スタック20の起動時に燃料ガス流路から排出される水素ガスを大気中に排出することができるようになっている。なお、起動用燃料排出管路56の出口端は排気マニホールド71に接続されている。また、起動用燃料排出管路56に、必要に応じて水素燃焼器を配設することもできる。そして、該水素燃焼器によって排出される水素ガスを燃焼させ、水にしてから大気中に排出することができる。
ここで、前記第1燃料圧力調整弁25a及び第2燃料圧力調整弁25bは、バタフライバルブ、レギュレータバルブ、ダイヤフラム式バルブ、マスフローコントローラ、シーケンスバルブ等のものであるが、前記第1燃料圧力調整弁25a及び第2燃料圧力調整弁25bの出口から流出する水素ガスの圧力をあらかじめ設定した圧力に調整することができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。なお、該圧力の調整は、手動によってなされてもよいが、電気モータ、パルスモータ、電磁石等から成るアクチュエータによってなされることが望ましい。
また、前記燃料供給電磁弁26、水素循環電磁弁34及び水素起動排気電磁弁62は、いわゆる、オン−オフ式のものであり、電気モータ、パルスモータ、電磁石等から成るアクチュエータによって作動させられる。なお、前記燃料貯蔵手段元開閉弁24は手動又は電磁弁を用いて自動的に作動させられる。さらに、前記吸引循環ポンプ36は、水素ガスとともに逆拡散水を強制的に排出し、燃料ガス流路内を負圧の状態にすることができるポンプであれば、いかなる種類のものであってもよい。
一方、酸化剤としての空気は、空気供給ファン、空気ボンベ、空気タンク等の酸化剤供給源75から、酸化剤供給管路77及び吸気マニホールド74を通って、燃料電池スタック20の空気流路に供給される。この場合、供給される空気の圧力は大気圧程度の常圧である。なお、酸化剤として、空気に代えて酸素を使用することもできる。そして、空気流路から排出される空気は、マニホールドとしての排気マニホールド71、凝縮器72、出口側排気マニホールド22及び排気口22aを通って大気中へ排出される。
また、前記酸化剤供給管路77には、水をスプレーして、燃料電池スタック20の空気極12を湿潤な状態に維持するための水供給ノズル76が配設される。また、スプレーされた水によって前記空気極12及び燃料極13を冷却することができる。さらに、前記排気マニホールド71の端部に配設された凝縮器72は、前記燃料電池スタック20から排出される空気に含まれる水分を凝縮して除去するためのもので、前記凝縮器72によって凝縮された水は凝縮水排出管路79を通って水タンク52に回収される。なお、前記凝縮水排出管路79には排水ポンプ51が配設され、前記水タンク52にはレベルゲージ(水位計)52aが配設されている。
そして、前記水タンク52内の水は、給水管路53を通って水供給ノズル76に供給される。なお、前記給水管路53には、給水ポンプ54及び水フィルタ55が配設されている。ここで、前記排水ポンプ51及び給水ポンプ54は、水を吸引して吐出することができるポンプであれば、いかなる種類のものであってもよい。また、前記水フィルタ55は、水に含まれる塵埃(じんあい)、不純物等を除去するものであれば、いかなる種類のものであってもよい。
前記蓄電手段としての二次電池は、いわゆる、バッテリ(蓄電池)であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が一般的である。なお、前記蓄電手段は、必ずしもバッテリでなくてもよく、電気二重層キャパシタのようなキャパシタ(コンデンサ)、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギを電気的に蓄積し放出する機能を有するものであれば、いかなる形態のものであってもよい。さらに、これらの中のいずれかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。
また、前記燃料電池スタック20は図示されない負荷に接続され、発生した電流を前記負荷に供給する。ここで、該負荷は、一般的には、駆動制御装置であるインバータ装置であり、前記燃料電池スタック20又は蓄電手段からの直流電流を交流電流に変換して、車両の車輪を回転させる駆動モータに供給する。ここで、該駆動モータは発電機としても機能するものであり、車両の減速運転時には、いわゆる、回生電流を発生する。この場合、前記駆動モータは車輪によって回転させられて発電するので、前記車輪にブレーキをかける、すなわち、車両の制動装置(ブレーキ)として機能する。そして、前記回生電流が蓄電手段に供給されて該蓄電手段が充電される。
なお、本実施の形態において、燃料電池システムは制御装置として、図示されないFCコントロールECU(Electronic Control Unit)を有する。前記制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、各種のセンサから燃料電池スタック20の燃料ガス流路及び空気流路に供給される水素、酸素、空気等の流量、温度、出力電圧等を検出して、前記酸化剤供給源75、第1燃料圧力調整弁25a、第2燃料圧力調整弁25b、燃料供給電磁弁26、水素循環電磁弁34、吸引循環ポンプ36、排水ポンプ51、給水ポンプ54、水素起動排気電磁弁62等の動作を制御する。さらに、前記FCコントロールECUは、車両に配設された他のセンサ、及び、車両の制御手段としての図示されないEV(Electric Vehicle)コントロールECUと連携して、燃料電池スタック20に燃料ガス及び酸化剤を供給するすべての装置の動作を統括的に制御する。
次に、セルモジュール10を締め付けるための締付装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における燃料電池スタックの締付装置の構成を示す第1の図、図7は本発明の第1の実施の形態における燃料電池スタックの締付装置の構成を示す第2の図、図8は本発明の第1の実施の形態における燃料電池スタックのエンドプレートと補助プレートとの関係を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における燃料電池スタックの燃料ガス流路の配置を示す図である。
図1及び7に示される燃料電池スタック20おいては、複数のセルモジュール10が図における上下方向に重ねられて積層され、上下両端から保持部材としてのエンドプレート81によって挟まれている。さらに、各エンドプレート81の外側には補助保持部材としての補助プレート82が配設されている。なお、図9(b)に示されるように、各セルモジュール10内においても、単位セル10A及びセパレータ10Bが上下方向に重ねられて積層されている。そして、最下層のセルモジュール10の下面は下方のエンドプレート81の上面に当接し、最上層のセルモジュール10の上面は上方のエンドプレート81の下面に当接しており、複数のセルモジュール10は、単位セル10A、すなわち、燃料電池の積層方向の両端から各2枚のエンドプレート81及び補助プレート82によって挟み込まれた状態になっている。
また、上下のエンドプレート81及び補助プレート82は、複数本、例えば、4本の締付用シャフト84によって相互に接続されている。ここで、前記エンドプレート81は、いかなる形状の部材であってもよいが、本実施の形態においては、図8に示されるように、概略長方形状の板材である。なお、図8は、図1及び7における上方又は下方から見たエンドプレート81及び補助プレート82を示している。そして、長方形の4隅に該当する箇所に図示されない貫通孔(こう)が各々形成され、各貫通孔に締付用シャフト84の端部が挿入され、締付用ナット85によって固定される。なお、締付用シャフト84及び締付用ナット85は、エンドプレート81を介してセルモジュール10に締付荷重を付与する締付部材として機能する。これにより、締付用シャフト84は、2枚のエンドプレート81を締結し、かつ、2枚のエンドプレート81から引っ張り応力を受ける。そして、前記エンドプレート81、補助プレート82、締付用シャフト84及び締付用ナット85によって、セルモジュール10を締め付けるための締付装置が構成される。
ところで、図8に示される例において、エンドプレート81の平面形状は、厳密な長方形でなく、4隅の部分が長軸方向(図8における横方向)に突出し、突出した部分に締付用シャフト84の端部が挿入される貫通孔が形成されている。換言すると、長軸方向両端の各々において、貫通孔が形成された部分の間は、中心に向けて凹入した凹部となっている。なお、貫通孔が形成された部分は、長軸方向に関して、セルモジュール10の端よりも外側に位置する。そのため、図1及び7に示されるように、締付用シャフト84は、セルモジュール10の端よりも外側に位置し、セルモジュール10に当接しない。なお、前記エンドプレート81の凹部は、必要に応じて省略することができる。すなわち、エンドプレート81の平面形状は長方形であってもよい。
また、図8に示されるように、補助プレート82は、長方形状の板材であるが、エンドプレート81よりも厚さが薄く、縦及び横の寸法がエンドプレート81よりもわずかに短く形成されている。そして、4隅の部分に締付用シャフト84の端部が挿入される図示されない貫通孔が形成され、各貫通孔に締付用シャフト84の端部が挿入され、締付用ナット85によって固定される。ここで、補助プレート82は、図1及び7に示されるように、エンドプレート81と締付用ナット85との間になるように配設され、エンドプレート81と締付用ナット85とによって挟まれている。すなわち、2枚のエンドプレート81は、補助プレート82を介在させた状態で、締付部材によって締結される。なお、補助プレート82は、エンドプレート81と同様の凹部を備える形状であってもよい。
そして、図1に示されるように、エンドプレート81は、締付装置がセルモジュール10を締め付ける前の状態においては、積層されたセルモジュール10の中心方向に突出するように湾曲した形状を備える弾性体である。ここで、エンドプレート81は、ステンレス鋼等の弾性を備える金属から成る板状の部材であり、一種の板ばねとしての機能も備えるものである。そして、締付用ナット85を締め込むことによって、上下のエンドプレート81で積層されたセルモジュール10を上下方向から締め付けると、上下のエンドプレート81は弾性変形して、図7に示されるように、少なくともセルモジュール10に接触する面が平坦に、かつ、互いに平行になる。そのため、積層されたセルモジュール10の各単位セル10Aに一様に、かつ、均一に面圧を加えることができる。なお、締付用ナット85を締め込む量は、積層されたセルモジュール10に付与される締付荷重があらかじめ設定された所定値となるように調整される。
また、補助プレート82は、図1に示されるように、締付装置がセルモジュール10を締め付ける前の状態においては、エンドプレート81と反対向きに、すなわち、積層されたセルモジュール10から離れる方向に突出するように湾曲した形状を備える弾性体である。また、補助プレート82の湾曲の度合い、すなわち、突出量は、エンドプレート81の突出量より大きくなっている。ここで、補助プレート82は、ステンレス鋼等の弾性を備える金属から成る板状の部材であり、一種の板ばねとしての機能も備えるものである。そして、補助プレート82は、エンドプレート81よりも厚さが薄く、剛性が低くなっている。すなわち、補助プレート82は、エンドプレート81よりもばね定数の低い板ばねとして機能する。
そして、補助プレート82は、エンドプレート81と締付用ナット85とによって挟まれているので、該締付用ナット85を締め込むことによって、上下のエンドプレート81で積層されたセルモジュール10を上下方向から締め付けると、弾性変形して、図7に示されるように、湾曲の度合いが小さくなり、突出量が小さくなる。なお、補助プレート82は、エンドプレート81よりもばね定数が低いので、締付用ナット85を締め込むことによる変形量がエンドプレート81よりも大きい。これにより、積層されたセルモジュール10は、エンドプレート81が弾性変形することによって発生するばね力、及び、補助プレート82が弾性変形することによって発生するばね力によって締め付けられる。
このように、積層されたセルモジュール10の各単位セル10Aは、平坦に、かつ、互いに平行になったエンドプレート81を介して、一様に、かつ、均一に面圧を受け、適切な締付荷重が付与される。そのため、セルモジュール10内の電極の接触抵抗、すなわち、空気極12と空気極側コレクタ14との接触抵抗、燃料極13と燃料極側コレクタ15との接触抵抗、空気極側コレクタ14とセパレータ10Bとの接触抵抗、燃料極側コレクタ15とセパレータ10Bとの接触抵抗等を低くすることができる。また、セルモジュール10に適切な締付荷重を付与することによって、単位セル10A及びセパレータ10Bと図示されないシール部材との密着力が適切な値となり、水素ガスや空気のリークを確実に防止することができる。さらに、セルモジュール10に適切な締付荷重を付与することによって、単位セル10A、セパレータ10B等を構成する各部材にかかる力が適切な値となり、各部材が損傷を受けることがない。
ところで、図9に示されるように、セルモジュール10の長手方向の両端近傍には、積層方向にセルモジュール10を貫通する長孔(あな)86が燃料ガス流路として形成されている。なお、図9(a)はセルモジュール10の積層方向端部を示す平面図であり、図9(b)はセルモジュール10の積層方向断面を示す図である。そして、少なくとも積層方向に隣接するセルモジュール10同士の間には、燃料ガス漏れ防止シール87が配設され、長孔86から燃料ガスがリークすることを防止するようになっている。なお、前記燃料ガス漏れ防止シール87は、O−リング、面シール等のシール部材から成り、図9(a)に示されるように、長孔86の周囲を取り囲むように形成された凹溝88内に配設される。そして、前記燃料ガス漏れ防止シール87は、図9(b)において矢印で示される方向に、締付荷重が付与されることによって、セルモジュール10の面に密着し、長孔86から燃料ガスがリークすることを防止する。
通常、長孔86は、セルモジュール10の面内の利用効率を向上させるため、構造を簡素化するため等の理由によって、セルモジュール10の面内のできる限り外周寄りの位置、すなわち、図9に示される例において、できる限り長手方向の両端に近い位置に配設される。そのため、燃料ガス漏れ防止シール87に締付荷重を適切に付与するには、エンドプレート81の両端近傍の部分においてもセルモジュール10に締付荷重を付与する必要がある。
締付装置においては、エンドプレート81が、補助プレート82を介在させた状態で、締付部材によって締結されるようになっているので、締付用ナット85の締付荷重は、補助プレート82を介して、エンドプレート81に伝えられる。ここで、補助プレート82は、エンドプレート81と反対向きに湾曲しており、締付荷重があらかじめ設定された所定値となる量だけ締付用ナット85を締め込まれた状態であっても、図7に示されるように、少し湾曲した形状を維持する。そのため、図1及び7からも分かるように、補助プレート82は、その両端縁においてエンドプレート81と接触するようになっている。すなわち、エンドプレート81は、常に、補助プレート82の両端縁から締付荷重を付与される。そして、補助プレート82の両端縁は、締付用シャフト84の端部が挿入される貫通孔よりも外側において、エンドプレート81の両端縁近傍に接触しているので、エンドプレート81は、両端縁近傍の部位、すなわち、締付用シャフト84の端部が挿入される貫通孔よりも外側の部位において締付荷重が付与される。そのため、セルモジュール10の両端近傍の部分においてセルモジュール10に締付荷重を付与することができ、セルモジュール10の長手方向の両端に近い位置に配設された長孔86の周囲を取り囲む燃料ガス漏れ防止シール87に締付荷重を適切に付与することができる。
次に、前記構成の燃料電池システムの動作について説明する。
本実施の形態の燃料電池システムにおける定常運転時には、第1燃料圧力調整弁25a及び第2燃料圧力調整弁25bの出口から流出する水素ガスの圧力をあらかじめ設定した一定の圧力に調整した後、前記第1燃料圧力調整弁25a及び第2燃料圧力調整弁25bは燃料電池システムの運転中には調整されることがなく、そのままの状態が保持される。また、酸化剤供給源75は、燃料電池の出力電流に応じてあらかじめ設定された空気が供給されるように作動する。この場合、供給される空気の量は、燃料電池スタック20の出力が最大となるために必要な空気の量よりも十分に多い量である。また、本実施の形態において、燃料電池スタック20の単位セル10Aに供給される空気の圧力は大気圧程度の常圧であり、特段加圧される必要がない。そのため、前記酸化剤供給源75、酸化剤供給管路77、吸気マニホールド74、排気マニホールド71、凝縮器72、出口側排気マニホールド22等は、耐圧性を有する必要がないので構成を簡素化することができる。
そして、燃料電池スタック20が運転を開始すると、該燃料電池スタック20を構成する各単位セル10Aにおいて逆拡散水が発生し、該逆拡散水が固体高分子電解質膜11を透過して燃料ガス流路にまで達し、前記固体高分子電解質膜11の燃料極13側を加湿する。これにより、該固体高分子電解質膜11の燃料極13側は湿潤な状態となり、電気化学反応によって水素から生成された水素イオンが固体高分子電解質膜11内をスムーズに移動することができる。
また、前記燃料ガス流路に供給されて余剰となった未反応成分としての水素ガスは、前記燃料ガス流路にまで浸透して余剰となった逆拡散水と混合して、気液混合物となる。該気液混合物となった水素ガスは、吸引循環ポンプ36によって吸引され、燃料電池スタック20に接続された燃料排出管路31を通って前記燃料電池スタック20の外部に排出される。そして、前記気液混合物は、燃料排出管路31を通過して水回収ドレインタンク60内に導入される。そして、比較的広い空間を備える前記水回収ドレインタンク60内に滞留することによって、重量物である水分が重力によって下方に落下し、水素ガスから逆拡散水が分離する。該逆拡散水が分離して乾燥した状態の水素ガスは、燃料排出管路30から水回収ドレインタンク60外に排出される。
そして、定常運転においては、前記燃料排出管路30から排出された水素ガスは、開いた状態になっている水素循環電磁弁34を通過して、第2燃料供給管路33に導入され、再び、燃料電池スタック20の燃料ガス流路に供給されて再利用される。
次に、締付装置の動作について説明する。
図7に示されるように、締付装置がセルモジュール10を締め付けた状態では、剛性の高い板ばねとして機能する上下のエンドプレート81は、少なくともセルモジュール10に接触する面が平坦に、かつ、互いに平行になる。また、剛性の低い板ばねとして機能する上下の補助プレート82は、湾曲の度合いが小さくなり、突出量が小さくなっているが、平坦にはなっていない。これにより、セルモジュール10が膨張及び収縮した際にも、剛性の低い板ばねとして機能する補助プレート82が弾性変形することによって、セルモジュール10に付与される締付荷重を、あらかじめ設定された所定値となるように維持することができるとともに、積層されたセルモジュール10の各単位セル10Aに一様に、かつ、均一に面圧を加える状態を維持することができる。
通常、セルモジュール10は温度が上昇すると膨張し、温度が低下すると収縮する。そのため、燃料電池システムが運転を開始してからある程度の時間が経過すると、燃料電池スタック20内の温度が上昇してセルモジュール10が膨張する。一方、燃料電池スタック20を搭載した車両が寒冷地を走行する場合のように周囲の環境が低温になると、燃料電池スタック20内の温度が低下してセルモジュール10が収縮する。また、通常、セルモジュール10は、固体高分子電解質膜11が湿潤な状態になると膨張し、固体高分子電解質膜11が乾燥すると収縮する。そのため、水供給ノズル76から供給される水の量が変化したり、生成水の量が変化したりすると、セルモジュール10が膨張したり、収縮したりする。
そして、セルモジュール10が膨張した場合には上下のエンドプレート81が互いに離れる方向に変位するが、剛性の低い補助プレート82が弾性変形し、湾曲の度合いが更に小さくなり、平坦な形状により近付くことによって、セルモジュール10の膨張によるエンドプレート81の変位を吸収する。一方、剛性の高いエンドプレート81は、実質的に弾性変形しないので、平坦な形状を維持する。そのため、セルモジュール10が膨張した場合でも、セルモジュール10の各単位セル10Aに一様に、かつ、均一に面圧を加える状態を維持することができる。
なお、弾性変形させられることによって、板ばねとして機能する補助プレート82の発生するばね力が増加し、セルモジュール10に付与される締付荷重が増加する。しかし、補助プレート82は、剛性が低いので変形量に対するばね力の増加量が小さい。そのため、セルモジュール10に付与される締付荷重の増加量が極(ごく)わずかであり、セルモジュール10に付与される締付荷重の値は、あらかじめ設定された所定値からほとんど変化しない。したがって、セルモジュール10の各部材は、締付荷重の増加によって損傷を受けることがない。
また、セルモジュール10が収縮した場合には上下のエンドプレート81が互いに近付く方向に変位するが、剛性の低い補助プレート82が弾性変形し、湾曲の度合いが大きくなり、突出量が大きくなることによって、セルモジュール10の収縮によるエンドプレート81の変位を吸収する。一方、剛性の高いエンドプレート81は、実質的に弾性変形しないので、平坦な形状を維持する。そのため、セルモジュール10が収縮した場合でも、セルモジュール10の各単位セル10Aに一様に、かつ、均一に面圧を加える状態を維持することができる。
なお、弾性変形させられることによって、板ばねとして機能する補助プレート82の発生するばね力が減少し、セルモジュール10に付与される締付荷重が減少する。しかし、補助プレート82は、剛性が低いので変形量に対するばね力の増加量が小さい。そのため、セルモジュール10に付与される締付荷重の減少量が極わずかであり、セルモジュール10に付与される締付荷重の値は、あらかじめ設定された所定値からほとんど変化しない。したがって、セルモジュール10内の電極の接触抵抗を低く維持することができ、水素ガスや空気のリークを確実に防止することができる。
このように、本実施の形態において、締付装置は、締め付ける前の状態において湾曲した形状のエンドプレート81と、該エンドプレート81と反対向きに湾曲した剛性の低い補助プレート82とを介して積層されたセルモジュール10を締め付けるようになっている。これにより、締付装置は、簡単な構造でありながら、燃料電池スタック20の各部材に寸法変化が発生しても、セルモジュール10に付与する締付荷重をあらかじめ設定された所定値からほとんど変化しないように維持することができる。したがって、セルモジュール10内の電極の接触抵抗を低く維持することができ、水素ガスや空気のリークを確実に防止することができ、各部材が損傷を受けることがなく、出力特性を良好に維持することができ、信頼性を向上させることができる。
また、エンドプレート81には、補助プレート82の両端縁から、締付用シャフト84の端部が挿入される貫通孔よりも外側の部位において締付荷重が付与されるので、セルモジュール10の長手方向の両端に近い位置に配設された長孔86の周囲を取り囲む燃料ガス漏れ防止シール87に締付荷重を適切に付与することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図10は本発明の第2の実施の形態における燃料電池スタックのエンドプレートと補助プレートとの関係を示す図である。
本実施の形態において、上下の補助保持部材としての補助プレート91は、図10に示されるように、各々、細長い長方形状の2枚の補助プレート91a及び91bから成る。すなわち、補助プレート91は、エンドプレート81の短手方向に2分割されている。また、補助プレート91a及び91bと締付用ナット85との間には、長方形状の中間板92が介在する。該中間板92は、締付用シャフト84の端部が挿入される貫通孔が2つずつ形成され、2枚の補助プレート91a及び91bの両端の各々に跨(またが)るように配設されている。なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態において、補助プレート91は、2分割され、2枚の補助プレート91a及び91bから成るので、容易に取り付けを行うことができる。また、2枚の補助プレート91a及び91bの間に部材が存在しないので、補助プレート91を軽量化することができる。さらに、補助プレート91a及び91bの間を通して、第2燃料供給管路33、燃料排出管路31等の管路を配設したり、図示されない補機類のコード、配管等を配設することができる。さらに、2枚の補助プレート91a及び91bの剛性を独立して変化させることができるので、セルモジュール10の部位に応じて、適切な値の締付荷重を付与することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図11は本発明の第3の実施の形態における燃料電池スタックのエンドプレートと補助プレートとの関係を示す図である。
本実施の形態において、上下の補助保持部材としての補助プレート93は、図11に示されるように、長方形状の板材であるが、中央部に形成された長方形状の開口部93aを有する。なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態において、補助プレート93は、開口部93aを有するので、軽量化することができる。また、開口部93aを通して、第2燃料供給管路33、燃料排出管路31等の管路を配設したり、図示されない補機類のコード、配管等を配設することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図12は本発明の第4の実施の形態における燃料電池スタックのエンドプレートと補助プレートとの関係を示す図である。
本実施の形態において、上下の補助保持部材としての補助プレート94は、図12に示されるように、平面形状が概略X字状の板材である。なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態において、補助プレート94は、概略X字状の形状を有するので、長方形状と比較して空隙となる部分が多く、軽量化することができる。また、空隙となる部分を通して、第2燃料供給管路33、燃料排出管路31等の管路を配設したり、図示されない補機類のコード、配管等を配設することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 セルモジュール
10A 単位セル
10B セパレータ
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
20 燃料電池スタック
48 燃料室
81 エンドプレート
82、91、91a、91b、93、94 補助プレート
84 締付用シャフト
85 締付用ナット
86 長孔
10A 単位セル
10B セパレータ
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
20 燃料電池スタック
48 燃料室
81 エンドプレート
82、91、91a、91b、93、94 補助プレート
84 締付用シャフト
85 締付用ナット
86 長孔
Claims (4)
- 電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されているセルモジュールを備える燃料電池スタックであって、
前記セルモジュールを燃料電池の積層方向の両端から挟み込む保持部材と、
該保持部材を介して前記セルモジュールに締付荷重を付与する締付部材と、
前記保持部材と締付部材との間に介在し前記燃料電池の積層方向の伸縮を吸収する補助保持部材とを有することを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記セルモジュールの中心方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記補助保持部材は、前記セルモジュールに締付荷重を付与していない状態において、前記保持部材と反対方向に突出するように湾曲した板状の弾性体である請求項2に記載の燃料電池スタック。
- 前記セルモジュールに所定の締付荷重を付与した状態において、前記保持部材は少なくとも前記セルモジュールに接触する面が該セルモジュールの端面に沿って平坦になり、前記補助保持部材は湾曲している請求項3に記載の燃料電池スタック。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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KR20040100142A (ko) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | 엘지전자 주식회사 | 연료전지의 스택구조 |
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-
2005
- 2005-08-30 JP JP2005249533A patent/JP2007066625A/ja not_active Withdrawn
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