JP2007057792A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性粒子及び樹脂を含有する表面層を持つ電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置において、初期からの画像濃度薄や耐久での濃度変化が大きいという問題、高湿側で画像が流れる、あるいはゴーストが発生するなどの画像欠陥が無く、削れや磨耗、傷に対する強度が下がらず、短寿命であったり、スジ傷による画像欠陥などの問題もない、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】 支持体、該支持体上の感光層及び該感光層上の表面層を有する電子写真感光体において、該表面層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体、該支持体上の感光層及び該感光層上の表面層を有する電子写真感光体において、該表面層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 なし
Description
本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは表面層を有する電子写真感光体に関する。また、本発明は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写及びクリーニング等の電気的あるいは機械的外力が直接に加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、トナー、紙及びクリーニング部材等との接触による感光体表面の摩耗やキズの発生、また、帯電時に発生するオゾン及びNOx等の活性物質の付着による感光体表面の劣化に対する耐久性が要求される。
電子写真感光体に要求される上記のような特性を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなされている。中でも、樹脂を主成分とする保護層は数多く提案されている。例えば、特許文献1には樹脂と導電性金属酸化物粒子を含有する表面保護層が提案されている。そして、このような保護層に用いることのできる金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化アンチモンがドープされた酸化スズ等が提案されている。
特開昭57−30846号公報
しかしながら、酸化亜鉛や酸化チタンあるいは酸化アンチモンがドープされた酸化スズや酸化スズがドープされた酸化インジウムを樹脂に分散して表面層を形成した場合、表面層の抵抗が高くなり電子写真感光体として用いると、残留電位が高すぎる、また蓄積しやすいため、初期からの画像濃度薄や耐久での濃度変化が大きいという問題が発生することがあった。
また表面層の抵抗は低湿側で高くなり高湿側で低くなる傾向が一般にあるが、その環境変動が大きいため、高湿側で画像が流れる、あるいはゴーストが発生するなどの画像欠陥が生じることがあった。一方、残留電位を低くし、蓄積しにくくするためには表面層において酸化亜鉛や酸化チタンあるいは酸化アンチモンがドープされた酸化スズや酸化スズがドープされた酸化インジウム等の導電性粒子の量と樹脂量の比を大きくすることが好ましいが、樹脂量が少なくなると膜として不安定になり、削れや磨耗、傷に対する強度が下がるため、短寿命であったり、スジ傷による画像欠陥などの問題が発生することがあった。
本発明の目的は導電性粒子及び樹脂を含有する表面層を持つ電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置において、初期からの画像濃度薄や耐久での濃度変化が大きいという問題、高湿側で画像が流れる、あるいはゴーストが発生するなどの画像欠陥が無く、削れや磨耗、傷に対する強度が下がらず、短寿命であったり、スジ傷による画像欠陥などの問題もない、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、支持体、該支持体上の感光層及び該感光層上の表面層を有する電子写真感光体において、該表面層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
本発明によれば、導電性粒子及び樹脂を含有する表面層を持つ電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置において、初期から耐久を通じ画像濃度薄や高湿側での画像流れ、ポジゴースト低湿側での耐久濃度変化、ネガゴースト、あるいはスジ傷による画像欠陥が無く、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
タングステン元素をドープした酸化スズの抵抗は10−2〜104Ω・cm程度であり、一般的な優れた導電性を持つ導電性粒子として利用される。本発明のように電子写真感光体の表面層に含有される導電性粒子として利用される場合にはタングステン元素をドープした酸化スズの抵抗が102Ω・cm以下であることが好ましく、10−2〜102Ω・cmであることが好ましい。抵抗が102Ω・cmを超えると表面層に好ましい導電性を付与しにくくなる。
また10−2Ω・cmを下回る場合には、画像流れやポジゴーストが悪化したり、電位の環境変動が大きくなるなどの電子写真特性、画像特性に悪影響を与える。なお、抵抗は以下のようにして測定することができる。まず、試料を100kg/cm2の圧力をかけることによって、直径4cm、厚さ0.2cmの円盤状のペレットにする。次いで、このペレットの抵抗(Ω・cm)をハイレスタAP(三菱油化製)を用いて測定する。
タングステン元素をドープする量は、酸化スズに対して、0.01〜40モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜30モル%の範囲、もっとも好ましくは1〜20モル%の範囲である。タングステン元素の含有量が前記範囲より少ないと優れた導電性が得られにくいため好ましくなく、また、前記範囲より多くしても導電性の改善が認められにくいため好ましくない。
本発明の表面層に含有される導電性酸化スズは微粒子状であって、比表面積で表して5〜200m2/gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜200m2/gの範囲、もっとも好ましくは30〜100m2/gの範囲である。導電性酸化スズの比表面積が前記範囲より小さいと塗膜としたときの透明度や平滑度が低下しやすいため好ましくなく、また、前記範囲より大きいと塗料化の際の分散がしにくいため好ましくない。
本発明のタングステン元素をドープした酸化スズが本発明の課題を解決する理由としては、正確なところはわからないが、本発明者らは、本発明のタングステン元素をドープした酸化スズが高い導電性を示すこと、また本発明の表面層の樹脂あるいは表面層の塗工液におけるタングステン元素をドープした酸化スズの高い分散性と関連があると予想している。
すなわち、高導電性と高分散性の効果で残留電位が低く抑えられ、耐久を含め電位が安定し、初期からの画像濃度薄や耐久での濃度変化が大きいという問題が発生せず、表面層の抵抗の環境変動も小さいため、高湿側で画像が流れる、あるいはポジゴーストが発生するなどの画像欠陥が無く、樹脂を減らさずに表面層として高い導電性が得られるため膜としての強度が十分で、削れや磨耗、傷に対する問題がなく、短寿命であったり、スジ傷による画像欠陥などの問題もない、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が得られると考えている。
タングステン元素をドープした酸化スズの分散性向上あるいはタングステン元素をドープした酸化スズを含有する表面層の抵抗の環境変動を小さくする方法として、タングステン元素をドーパントとして含有する以外に、0.01〜30モル%の第三成分元素を含有する、また表面処理剤により酸化スズ粒子の表面を処理することが有効であることを本発明者らは見出した。以下に詳細を説明する。
すなわち本発明の表面層に含有される導電性酸化スズは、タングステン元素をドーパントとして含有する以外に、好ましくは0.01〜30モル%の第三成分元素を含有してなることを特徴とするアンチモンを実質的に含有しない導電性酸化スズであってもよい。
第三成分元素を含有させた本発明の表面層に含有される導電性酸化スズも微粒子状であって、前記の導電性酸化スズと同様の趣旨から比表面積で表して5〜200m2/gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜200m2/gの範囲、もっとも好ましくは30〜100m2/gの範囲である。第三成分元素は、タングステン元素をドープした酸化スズ粒子の内部あるいはその表面に含有させることができ、該酸化スズ粒子の表面に付着させると導電性の経時安定性がより一層優れたものが得られるため好ましい形態である。
第三成分元素としては、銀、金、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、炭素、ケイ素、スズ、バナジウム、ニオブ、リン、ビスマス、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金などの元素の少なくとも一種を用いることができ、それらの金属、または、それらの酸化物、水酸化物などの化合物を用いることができる。たとえば、ケイ素元素は、ケイ酸またはその塩、酸化ケイ素、含水酸化ケイ素などの無機ケイ素化合物、ケイ素アルコキシド、シリコン樹脂などの有機ケイ素化合物の状態で含有させることができる。
導電性の経時安定性を改善したり、塗料化の際の分散性を改善したりするためには、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、スズの元素をタングステン元素をドープした酸化スズ粒子の表面に含有させるのが好ましく、特に、ケイ素がより好ましい。導電性をより一層改善するために、ニオブ、リンの元素をドーパントとしてタングステン元素をドープした酸化スズ粒子の内部に含有させてもよい。
第三成分元素の含有量は、酸化スズに対して、0.01〜30モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜20モル%の範囲、もっとも好ましくは0.1〜10モル%の範囲である。第三成分元素の含有量が前記範囲より少ないと添加した効果が現れにくいため好ましくなく、また、前記範囲より多くしてもより一層の改善が認められにくく、しかも、導電性を低下させやすいため好ましくない。
本発明においては、本発明の酸化スズ粒子の分散性及び分散安定性の向上、更には、表面層の抵抗の環境変動の防止を目的として、表面処理剤により酸化スズ粒子の表面を処理することができる。表面処理に用いられる表面処理剤としては、各種のシランカップリング剤、シリコーンオイル、シロキサン化合物及び界面活性剤等が挙げられる。特に、酸化スズ粒子の分散性及び分散安定性の点から、フッ素原子含有化合物が好ましい。
以下にそれぞれの好ましい化合物を例示するが、これらの化合物に限定されない。
含フッ素シランカップリング剤の例を表1にあげる。
表2にフッ素変性シリコーンオイルの例をあげる。
表3にフッ素系界面活性剤の例をあげる。
シロキサン化合物の例一般式(1)をあげる。
一般式(1)中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0または正の整数である。
このシロキサン化合物を添加後分散した塗工液、または、これを表面処理した導電性微粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得られた。
一般式(1)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、質量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
本発明の酸化スズ粒子の表面処理方法は、以下の通りである。まず、本発明の酸化スズ粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を酸化スズ粒子表面に付着させる。分散の手段としてはボールミル、サンドミル等の通常の分散手段を用いられる。
次に、この分散溶液から溶剤を除去し、酸化スズ粒子表面に表面処理剤を固着させれば良い。また、必要に応じてこの後更に熱処理を行っても良い。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加しても良い。更に、必要に応じて表面処理後の酸化スズ粒子に更に粉砕処理を施しても良い。表面処理剤の割合は、酸化スズの粒径にもよるが、酸化スズ全重量に対し、1〜65重量%であることが好ましく、特には5〜50重量%であることが好ましい。
本発明においては、表面層の離型性、撥水性及び表面滑性を向上させる目的で表面層中にフッ素原子含有樹脂粒子を含有させることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体が挙げられ、これらの中から一種あるいは二種以上を適宜選択して用いられる。特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は、適宜選択することができ、特に限定されない。
表面層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は、表面層全重量に対し70重量%以下であることが好ましく、特には10〜60重量%であることが好ましい。フッ素原子含有樹脂粒子の割合が70重量%を超えると保護層の機械的強度が低下し易くなることがある。
本発明の表面層の抵抗は、1010〜1015Ω・cmであることが好ましく、特には1011〜1014Ω・cmであることが好ましい。抵抗が1010Ω・cmに満たないと、電荷を保持しにくくなり、画像流れやポジゴーストが発生し易くなる。逆に、抵抗が1015Ω・cmを超えると、電荷が移動しにくくなり、濃度薄及びネガゴーストが発生し易くなる。
抵抗は以下のようにして測定することができる。まず、電極間距離(D)180μm、長さ(L)5.9cmのクシ型白金電極上に、厚さ(T)4μmの本発明の表面層を設ける。次に、クシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)をpA(ピコアンペア)メーターによって測定し、下記式によって抵抗ρvを得る。
本発明においては、分散性、結着性及び耐候性等を向上させる目的で、表面層中にカップリング剤や酸化防止剤等の添加物を加えても良い。
本発明の表面層の膜厚は0.2〜10μmであることが好ましく、特には0.5〜6μmであることが好ましい。
本発明の表面層はタングステン元素がドープされた酸化スズと結着樹脂を含有する。本発明の酸化スズの含有量は表面層全重量に対し、40〜85重量%であることが好ましく、特には50〜75重量%であることが好ましい。含有量が40重量%に満たないと十分な導電性を得にくくなり易く、85重量%を超えると十分な機械的強度を得にくくなり易い。
用いることのできる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ホスファゼン樹脂、メラミン樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの結着樹脂は単独で用いることも、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記結着樹脂の中でも、表面層の硬度、耐摩耗性、更には粒子の分散性、分散液の安定性の点から硬化性樹脂が好ましい。この場合、熱または光によって硬化するモノマーまたはオリゴマーを含有する溶液に本発明の酸化スズ粒子を分散した塗工液を感光層上に塗布し、乾燥した後、熱または光の照射によって該塗布膜を硬化させて保護層を形成する。このような硬化性樹脂としては、特にはフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びシロキサン樹脂であることが好ましい。中でも、表面保護層の抵抗の環境変動が小さい点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。
フェノール樹脂の抵抗の環境変動を小さくする効果は、本発明のタングステン元素ドープ酸化スズにより表面層の抵抗環境変動を小さくする効果を打ち消すことなく、逆に相乗効果が得られ好ましい。特には、表面硬度が硬く、耐磨耗性に優れ、微粒子の分散性、分散後の安定性にも優れるという点から熱硬化型レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。
硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つのタイプがあり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾールタイプと、ホルムアルデヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラックタイプに分けられる。
レゾールタイプは、アルコール類やケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。一方、ノボラックタイプは一般にそのまま加熱しても硬化はしないが、パラホルムアルデヒドやヘキサメチレンテトラミン等のホルムアルデヒド源を加えて加熱することで硬化物を生成する。
一般的に工業的には、レゾールは塗料、接着剤、注型品及び積層品用のワニスとして利用され、ノボラックは主として成形材料や結合剤として利用されている。
本発明における結着樹脂として利用されるフェノール樹脂は、上記のレゾールタイプ及びノボラックタイプのどちらでも利用可能であるが、硬化剤を加えることなく硬化することや、塗料としての操作性等からレゾールタイプを用いることが好ましい。
本発明ではこれらのフェノール樹脂を1種類又は2種類以上混合して用いることができ、また、レゾールタイプとノボラックタイプを混合して用いることも可能である。また、本発明に使用されるフェノール樹脂は、公知のフェノール樹脂であれば如何なるものを用いてもよい。
通常、レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類化合物とアルデヒド類化合物をアルカリ触媒下で製造される。用いられる主たるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン及びビスフェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール及びアセトアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのフェノール類とアルデヒド類とをアルカリ触媒下で反応させ、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類、トリメチロールフェノール類のモノマー、及びそれらの混合物、又はそれらをオリゴマー化したもの、及びモノマーとオリゴマーの混合物を作製する。このうち、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、1つのものがモノマーである。
用いられるアルカリ触媒としては、金属系アルカリ化合物、アンモニア及びアミン化合物が挙げられ、金属系アルカリ化合物としては、NaOH、KOH及びCa(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物等が、アミン化合物としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、高湿の環境下での抵抗の変動を考慮するとアンモニア及びアミン化合物を用いることが好ましく、更に、溶液の安定性を考慮するとアミン化合物を用いることがより好ましい。
本発明の表面保護層は、硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解又は希釈して得た塗工液を感光層上に塗工して成形することが好ましく、これによって塗工後に重合反応が起きて硬化層が形成される。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、表面保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
なお、本発明において「樹脂が硬化している」とは、樹脂、又は、保護層が、溶液状態で存在する時の溶媒に湿潤しても表面保護層がほぼ溶解しない状態のことをいう。例えば、樹脂がフェノール樹脂を用いた表面保護層の場合は、溶媒のメタノールやエタノール等のアルコール溶剤に湿潤しても表面保護層がほぼ溶解しない状態のことをいう。
次に、本発明の電子写真感光体が有する支持体について説明する。支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル及びインジウム等の金属をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
支持体の形状としてはドラム状、シート状及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適した形状にすることが望ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の感光層について説明する。感光層の構成は電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する単層型と、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型に大別される。
感光層が積層型の場合、電荷発生物質としては、セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機系電荷発生物質;ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエアリウム塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系顔料等の多環キノン顔料;インジゴ系顔料;キナクリドン系顔料;及びアゾ系顔料等が挙げられる。電荷発生層は、これらの電荷発生物質を真空蒸着装置によって蒸着層として形成したり、あるいは結着樹脂に分散または溶解した塗工液を塗布し、乾燥することによって塗布層として形成することができる。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニルアルコール等の樹脂が挙げられる。
電荷発生層中に含有する結着樹脂は、電荷発生層全重量に対して80重量%以下であることが好ましく、特には50重量%以下であることが好ましい。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることが好ましい。
電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合物;ヒドラゾン化合物;及びスチリル化合物等の電荷輸送物質を結着樹脂に溶解した塗工液を塗布し、乾燥することにより形成される。
結着樹脂としては、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン、あるいはこれらの共重合体、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー及びスチレン−マレイン酸コポリマー等が挙げられる。また、このような絶縁性ポリマーの他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーも使用することができる。
結着樹脂と電荷輸送物質との割合は、結着樹脂100重量部当たり電荷輸送物質を10〜500重量部とすることが好ましい。
また、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
感光層が単層型の場合、感光層は、上述の電荷発生物質及び電荷輸送物質を上述の結着樹脂中に分散及び溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶アミド、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。下引層は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.2μm〜3μmであることが好ましい。
露光がレーザー光の場合は、干渉縞の防止のために下引層と支持体の間に導電層を設けることが好ましい。導電層はカーボンブラック及び金属粒子等の導電性粉体を結着樹脂中に分散した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には5〜30μmであることが好ましい。
上述した各種層は、適当な有機溶剤を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等のコーティング法によって形成することができる。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくともひとつを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
φ30mm×260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を設けた。
φ30mm×260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を設けた。
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
図2に上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折パターンを示す。粉末X線回折の測定にはCuKα線を用い、次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
次いで、下記式で示される電荷輸送材料10部
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)社製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この塗工液を電荷発生層上に塗布し、105℃で1時間をかけて熱風乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、表面保護層として、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積60m2/g)を下記式で示される化合物で表面処理した(処理量13%)タングステンドープ酸化スズ超微粒子20部、
タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積60m2/g)をメチルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF99、信越化学(株)製)で表面処理した(処理量25%)タングステンドープ酸化スズ微粒子30部、エタノール150部を、サンドミルにて66時間かけて分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて2時間分散を行った。その後、熱硬化性レゾール型フェノール樹脂{商品名:PL−4804、群栄化学工業(株)製(アミン系化合物含有)}を樹脂成分として30部を溶解し、塗工液とした。
この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により膜を形成し、145℃の温度で1時間、熱風乾燥して表面保護層を得た。この時、得られた表面保護層の膜厚測定は、薄膜のため光の干渉による瞬間マルチ測光システムMCPD−2000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、その膜厚は3.5μmであった。また、表面保護層塗工液の分散性は良好で、膜表面はムラのない均一な面であった。
試験の評価は、ヒューレットパッカード(株)製レーザージェット4000に改造を施した実機を用いた。
評価としては、22℃/55%RH下で初期の暗電位(Vd)および明電位(Vl)がそれぞれ−650V、−155Vになるよう一次帯電電圧およびレーザー光量を調整した。その後、低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(32.5℃/83%RH)の条件下のそれぞれでVd、Vlを測定した上で、10000枚耐久し、画像評価を行った。さらに耐久後のVd、Vlを測定した。
また前述の方法で、クシ型白金電極上に、上記の表面層を厚さ(T)4μmで設け、上記環境と同じ低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(32.5℃/83%RH)でクシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)を測定し、抵抗ρvを求めた。これらの結果を表4に示す。なお画像評価は10段階の評価で行い、数字が大きいほど良く、6以上を実用上問題無しとする。
(実施例2)
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープし、さらにケイ素元素を酸化スズに対し4モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗7.5×101Ω・cm、比表面積75m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様に評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープし、さらにケイ素元素を酸化スズに対し4モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗7.5×101Ω・cm、比表面積75m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例3)
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープし、さらにリン元素を酸化スズに対し1.0モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗6×101Ω・cm、比表面積72m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様に評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープし、さらにリン元素を酸化スズに対し1.0モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗6×101Ω・cm、比表面積72m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例4)
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)に代え、熱硬化性レゾール型フェノール樹脂{商品名:PL−4804、群栄化学工業(株)製(アミン系化合物含有)}を下記式で示されるアクリルモノマーに代え、
光重合開始剤として2、4−ジエチルチオキサンソンを5部添加した塗工液を用い膜形成した後、乾燥し、高圧水銀灯にて500mW/cm2の光強度で20秒間紫外線照射し表面保護層を得た以外は、実施例1と全く同様に評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)に代え、熱硬化性レゾール型フェノール樹脂{商品名:PL−4804、群栄化学工業(株)製(アミン系化合物含有)}を下記式で示されるアクリルモノマーに代え、
(実施例5)
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し6.0モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗6×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代え、表面保護層の結着樹脂のレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4804)を、レゾール型フェノール樹脂PL−4852(群栄化学工業(株)製、アミン系化合物含有)及びPL−5294(群栄化学工業(株)製、アルカリ金属含有)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1において、タングステン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対し6.0モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗6×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代え、表面保護層の結着樹脂のレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4804)を、レゾール型フェノール樹脂PL−4852(群栄化学工業(株)製、アミン系化合物含有)及びPL−5294(群栄化学工業(株)製、アルカリ金属含有)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例1)
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、リン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗5×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、リン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗5×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、ニオブ元素を酸化スズに対し7.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗8×101Ω・cm、比表面積58m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、ニオブ元素を酸化スズに対し7.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗8×101Ω・cm、比表面積58m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、チタン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積60m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、チタン元素を酸化スズに対し5.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積60m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例4)
比較例2において、ニオブ元素を酸化スズに対し7.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積55m2/g)の量を40部に代えた以外は、比較例2と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
比較例2において、ニオブ元素を酸化スズに対し7.5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗7×101Ω・cm、比表面積55m2/g)の量を40部に代えた以外は、比較例2と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、アンチモン元素を酸化スズに対し5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
実施例4において、タングステン元素を酸化スズに対し3.5モル%ドープし、さらにニオブ元素を酸化スズに対し1.5モル%添加した酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積74m2/g)を、アンチモン元素を酸化スズに対し5モル%ドープした酸化スズ超微粒子(抵抗9×101Ω・cm、比表面積55m2/g)に代えた以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (19)
- 支持体、該支持体上の感光層及び該感光層上の表面層を有する電子写真感光体において、該表面層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- タングステン元素をドープした酸化スズ粒子に0.01〜30モル%の第三成分元素を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が表面に表面処理剤を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 表面処理剤がシランカップリング剤、シリコーンオイル、シロキサン化合物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくともひとつの化合物であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 表面処理剤がフッ素原子含有化合物であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
- タングステン元素をドープした酸化スズ粒子中のタングステン元素量が酸化スズに対し0.01〜40モル%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- タングステン元素をドープした酸化スズ粒子の比表面積が5〜200m2/gであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が102Ω・cm以下の抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 表面層が1010〜1015Ω・cmの抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 樹脂が硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 硬化型樹脂がフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂の少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
- フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
- レゾール型フェノール樹脂がアミン系化合物を用いて作製される樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
- アミン系化合物がアンモニアを除くアミン系化合物であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
- 硬化型樹脂が熱により硬化する熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
- 表面層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 表面層にアルカリ金属、又は、アルカリ土類金属を含有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
該電子写真感光体が、請求項1乃至17のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置において、
該電子写真感光体が、請求項1乃至17のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005242686A JP2007057792A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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Publications (1)
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ID=37921362
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011154260A (ja) * | 2010-01-28 | 2011-08-11 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電子写真感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
JP2015018169A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | 株式会社リコー | 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ |
JP2017126034A (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-20 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真感光体 |
JP2020042098A (ja) * | 2018-09-07 | 2020-03-19 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真感光体、ならびにこれを用いた電子写真画像形成方法および電子写真像形成装置 |
-
2005
- 2005-08-24 JP JP2005242686A patent/JP2007057792A/ja not_active Withdrawn
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