JP2007023411A - エアバッグ用織物およびエアバッグならびにエアバッグ用織物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量、コンパクト性を維持しつつ、織物の機械的特性、特に高い引裂強力と低通気性を兼ね備えており、さらに経済性に優れたエアバッグ用織物とそれからなるエアバッグ、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】合成繊維フィラメント糸からなるエアバッグ用織物であって、リップストップ組織を有しており、引裂強力が150N以上で、かつ、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であることを特徴とするエアバッグ用織物。
【選択図】 なし
【解決手段】合成繊維フィラメント糸からなるエアバッグ用織物であって、リップストップ組織を有しており、引裂強力が150N以上で、かつ、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であることを特徴とするエアバッグ用織物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、自動車安全部品のひとつであるエアバッグに関する。また、それを構成するエアバッグ用織物に関する。
近年、交通安全意識の向上に伴い、特に自動車の事故が発生した際に乗員の安全を確保するために、種々のエアバッグが開発され、その有効性が認識され、急速に実用化が進んでいる。
エアバッグは、車両が衝突してから極めて短時間に膨張展開することにより、衝突の反動で移動する乗員を拘束し、衝撃吸収することで乗員を保護するものである。エアバッグを展開させる手段として、インフレータと呼ばれるガス発生装置が一般的に用いられているが、乗員拘束性能の向上を目的として、その出力は増加傾向にある。また、エアバッグの2段階展開方式化も検討されている。この2段階展開方式においては、2段階目のガス出力が従来のガス出力よりも大きくなり、エアバッグにかかる負荷がさらに大きくなるため、エアバッグ用織物に要求される機械的特性はますます高くなっている。
また、乗員拘束時に基布表面からの空気抜けによって拘束性能が低下することを防止するうえで、低通気性も重要な特性である。
織物の機械的特性を向上させる手段として、まず単純には、経、緯の織り密度を上げる手段がある。この手段は、機械的に繊維の重なりを構築し、空気が漏れることを防ぎ、また、繊維の充填率を上げることで機械的特性を向上させる。しかしこの手段では、織物厚さや重量が大きくなりエアバッグ用織物として不適当であった。また、製織速度が上がりにくく、生産性にも問題があった。
また、織物組織を工夫することで織物密度を上げずに機械的特性の改善を図る手段も知られている。例えば、リップストップ組織の基布を用いたエアバッグが開示されている(特許文献1参照)。この手段によれば、織物密度を上げるだけの手段に比べて、厚さや重量の増大はなく、また生産性の問題もなく有利である。しかし、リップストップ組織では通気量が通常の平織り組織に比較して高くなってしまい、乗員拘束性において問題があった。
また、リップストップ組織の織物に合成樹脂を塗布したエアバッグ用織物も開示されている(特許文献2参照)。これは、合成樹脂を塗布することで、低通気性を実現し、リップストップ組織の持つ高い機械的特性との両立を図ったものであるが、合成樹脂の塗布によって結局は、織物厚さや重量が増加し、また、製造コストも増加するという問題が残った。
特開平6−234345号公報
特開平11−293541号公報
本発明の目的は、軽量性、コンパクト性を維持しつつ、織物の機械的特性、特に高い引裂強力と低通気性とを兼ね備え、さらに経済性に優れたエアバッグ用織物およびエアバッグを提供することにある。
すなわち本発明は、合成繊維フィラメント糸からなるエアバッグ用織物であって、リップストップ組織を有しており、引裂強力が150N以上で、かつ、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であることを特徴とするエアバッグ用織物である。
また、本発明は、本発明のエアバッグ用織物を用いてなることを特徴とするエアバッグである。
また本発明は、合成繊維フィラメント糸からなりリップストップ組織を有する織物に対し熱セットする工程を含み、前記熱セット工程に寸法規制装置を設け、引裂強力が150N以上でJIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であるエアバッグ用織物を製造することを特徴とするエアバッグ用織物の製造方法である。
本発明によれば、軽量性、コンパクト性を維持しつつ、織物の機械的特性、特に高い引裂強力と低通気性とを兼ね備え、さらに経済性に優れたエアバッグ用織物およびエアバッグを得ることができる。
本発明のエアバッグ用織物は、合成繊維フィラメント糸からなる。その素材としては例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ポリサルホン系繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等を用いることができる。
ポリアミド繊維としては例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46や、ナイロン6とナイロン66との共重合ポリアミド繊維、ナイロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸、アミン等を共重合させた共重合ポリアミド繊維等を挙げることができる。
また、ポリエステル繊維としては例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等を挙げることができる。ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに酸成分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合させた共重合ポリエステル繊維であってもよい。
なかでも、大量生産性や経済性に優れたポリアミド繊維やポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。ナイロン6繊維、ナイロン66繊維は耐衝撃性に特に優れており、好ましい。
また、合成繊維フィラメント糸には、原糸糸条の製造工程や加工工程での生産性、あるいは、特性改善のために、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤等の添加剤を含んでいてもよい。
合成繊維フィラメント糸の単繊維の断面形状としては、通常の丸断面ではなく特定の扁平度を持つ扁平断面であることが好ましい。扁平断面繊維を用いることにより、織物としたときの繊維の充填化が促進され、織物の厚み方向に対して単位表面積あたりの隙間が減少し、同じ織物組織であれば、同等繊度の丸断面糸を使用した場合よりも通気量を抑えることができるため好ましい。扁平断面の形状については、特に限定はされないが、単繊維の断面形状を楕円に近似した際、その長径と短径の比で定義される扁平度(扁平度=単繊維断面長径÷単繊維断面短径)が1.5以上であることが好ましく、より好ましくは2.0以上である。かかる扁平断面形状としては、幾何学的に真の楕円形の他、例えば、長方形、菱形および繭形でもよいし、左右対称の他、左右非対称型でもよい。また、これらを組み合わせた形状のものでもよい。さらに、上記を基本形として、突起や凹みあるいは部分的に中空部があるものであってもよい。
合成繊維フィラメント糸の繊度としては、経糸または緯糸の1本あたりで100〜1000dtexが好ましい。100dtex以上とすることで、織物の強度を維持できる。また、1000dtex以下とすることで、コンパクト性や低通気性を維持できる。尚、リップストップ糸の例として後述するように、マルチフィラメントを2本以上引き揃えて1本の経糸または緯糸とする場合には、当該引き揃え後の1本の経糸または緯糸の総繊度を、ここで言う合成繊維フィラメント糸の繊度とする。
また、合成繊維フィラメント糸のフィラメント数としては、糸の剛性を抑え柔軟性を得るという点から36〜192本が好ましい。また、合成繊維フィラメント糸の単繊維繊度としては、同様の理由から3〜8dtexが好ましい。
また、合成繊維フィラメント糸の引張強度としては、エアバッグ用織物として要求される機械的特性を満足するために8.5cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは、9.0cN/dtex以上である。
本発明のエアバッグ用織物は、その織組織がリップストップ組織を有することが必須である。リップストップ組織とは、平織等の織組織を構成する経糸および/または緯糸の一部分に、織組織の地部を構成するいわゆる地糸と異なる繊度の糸を用いたり、地糸と同一の糸を2本以上引き揃えて用いた、うね組織を有する織組織をいう。
リップストップ組織では、リップストップ糸が形成するうね組織によって、特に引裂強力を向上させることができる。織物における引裂は、織物を引っ張ることで織物に生じた切込み部が成長することにより進行するものであり、切込み部では、引っ張る力によって織物組織のズレが生じ、織物を構成する合成繊維フィラメント糸が数本まとまって破断する現象が連続的に続く。
リップストップ糸に地糸よりも太い繊度のものを用いる場合は、太い繊度の糸において合成繊維フィラメント糸の破断をくい止めることができる。
また、リップストップ糸の繊度を地糸よりも細くした場合でも、地糸よりも太い繊度とした場合と同等の引裂強力を得られることを見出した。地糸よりも細い繊度の合成フィラメント糸を用いる場合は、細い繊度の糸において合成繊維フィラメント糸の破断の連続性を遮断することで引裂の進行をくい止めることができるのだと考えられる。
リップストップ組織の地部を構成する合成繊維フィラメント糸の繊度としては、軽量、コンパクト性の点から300〜400dtexの範囲であることが好ましい。
リップストップ糸の態様としては、地糸と同じ繊度の合成繊維フィラメント糸を2本以上合糸して使用するものや、地糸と異なる繊度の合成繊維フィラメント糸を使用するものを挙げることができる。地糸と異なる繊度の合成繊維フィラメント糸を使用するものは、地部と同じ繊度の合成フィラメント糸を2本以上合糸して使用する場合に比べ、同等の性能を得ながら引きそろえ等の準備工程を要しない点で好ましい。
リップストップ糸の繊度としては、地糸よりも太い繊度の合成繊維フィラメント糸を用いる場合には400〜1000dtexが好ましく、より好ましくは、420〜700dtexである。400dtex以上とすることで、地部との繊度差ができるため、リップストップ組織の特徴であるうね組織を形成することができる。また1000dtex以下とすることで、コンパクト性や低通気性を維持できる。
リップストップ糸の繊度を地糸よりも細くする場合、その繊度は100〜300dtexが好ましく、200〜300dtexがより好ましい。300dtex以下とすることで、地部との繊度差によりリップストップの効果を得ることができる。また100dtex以上とすることで、引張強度や低通気性を維持できる。
リップストップ糸は、経糸・緯糸の双方に用いてもよいし、経糸または緯糸の一方に用いてもよい。また、リップストップ糸を緯糸として打ち込む場合、同口1本入れ、または同口2本入れであってもよい。リップストップ糸のピッチは2〜20mmの範囲が好ましい。
本発明のエアバッグ用織物は、引裂強力が150N以上であることが重要である。引裂強力が150N未満であると、エアバッグ作動時の初期段階でエアバッグが収納されている容器を押し破る際に基布が引き裂かれたり、乗員拘束時の衝撃で織物が破裂しやすくなり、好ましくない。引裂強力として好ましくは170N以上であり、より好ましくは180N以上である。
さらに、本発明のエアバッグ用織物は、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であることが重要であり、好ましくは0.3cm3/cm2・sec以下である。通気量を0.5cm3/cm2・sec以下とすることで、インフレータから発せられる膨張用ガスを有効に使用することができ、乗員拘束性能向上のために有効である。
上記通気量は、後に詳述するように熱セット工程に寸法規制装置を設けることにより、上記範囲内に調整することができる。
次に、本発明のエアバッグ用織物の製造方法について説明する。
本発明のエアバッグ用織物の製造方法は、合成繊維フィラメント糸からなりリップストップ組織を有する織物に対し処理を施す。合成繊維フィラメント糸からなりリップストップ組織を有する織物については前述のとおりである。製織工程で用いる織機としては、ウォータージェットルーム、エアージェットルームおよびレピアルームなどを挙げることができる。特に、生産性を高めるためには高速製織が比較的容易なウォータージェットルームを好ましく用いることができる。
また本発明のエアバッグ用織物の製造方法は、熱セットする工程を含み、当該熱セット工程に寸法規制装置を設けることが重要である。前述のとおり、本発明のエアバッグ用織物はリップストップ組織を有するものであるが、リップストップ糸によるうね組織付近は平織り組織に比べ組織が粗く、通気量が高くなる傾向にある。これに対し、発明者らは寸法規制をしながら熱セット加工を施すことで、合成繊維フィラメントの収縮力を利用して織物組織を絞めることができ、通気量を所定の値に調整できることを見出した。
寸法規制装置を備えた乾燥機として具体的には例えば、ピンテンター方式またはクリップテンター方式の乾燥機を挙げることができる。ピンまたはクリップで織物の両端を把持し、乾燥仕上げ工程内において把持幅を調整することで、幅入れ率を調整することができる。また、ピンまたはクリップの幅を工程内の進行方向に対し連続的に変化させることが好ましい。また、乾燥仕上げ工程の入口と出口とに織物の送り速度調整機構が設けられていることが好ましい。熱セット工程前後の織物送り速度に差をつけることでオーバーフィード率を調整することができる。
幅入れ率、オーバーフィード率は、それぞれ下記式によって決められる。
「幅入れ率」=(「熱セット工程入口での織物幅」−「熱セット工程出口での織物幅」)÷「熱セット工程入口での織物幅」
「オーバーフィード率」=(「熱セット工程入り口での織物速度」−「熱セット工程出口での織物速度」)÷「熱セット工程出口での織物幅」 。
幅入れ率、オーバーフィード率を調整することで、所望の寸法に織物を仕上げることができる。そして寸法を規制した状態で熱セット工程を通過することで、織物を構成する合成フィラメントが乾燥熱によって収縮する力を利用して織物組織が絞まり、通気量を低下させることができる。したがって、上記の装置によって織物の寸法規制値を設定することで、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量を0.5cm3/cm2・sec以下に調整することができる。
「幅入れ率」=(「熱セット工程入口での織物幅」−「熱セット工程出口での織物幅」)÷「熱セット工程入口での織物幅」
「オーバーフィード率」=(「熱セット工程入り口での織物速度」−「熱セット工程出口での織物速度」)÷「熱セット工程出口での織物幅」 。
幅入れ率、オーバーフィード率を調整することで、所望の寸法に織物を仕上げることができる。そして寸法を規制した状態で熱セット工程を通過することで、織物を構成する合成フィラメントが乾燥熱によって収縮する力を利用して織物組織が絞まり、通気量を低下させることができる。したがって、上記の装置によって織物の寸法規制値を設定することで、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量を0.5cm3/cm2・sec以下に調整することができる。
幅入れ率およびオーバーフィード率は、織物の構成によって適宜設定すればよく、幅入れ率は−5〜5%が好ましく、より好ましくは−3〜2%である。また、オーバーフィード率は−5〜4%が好ましく、−2〜3%がより好ましい。幅入れ率、オーバーフィード率ともに、数値が小さくなるほど布を引張る方向になり、織縮み率を抑える効果が得られて好ましい。また−5%以上とすることで、引張強力等の織物の機械的物性を維持することができる。また、寸法規制装置への負荷を抑え、装置トラブルや、ピン外れ、クリップ外れ等の工程トラブルを防ぐことができる。
一方、寸法規制装置を用いずに乾燥仕上げ加工を施すと、織物を構成する合成フィラメント糸が自由に収縮してしまう。この場合、織物構造が不均一になるばかりでなく、JIS L−1096 8.7.2B法によって測定されるような合成フィラメントの織縮み率が上昇するため、織物厚さが大きくなり好ましくない。また、通気量も高くなり、均一性も損なわれるため、エアバッグの性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
また、上記のように寸法を規制した熱セット工程において乾燥温度を調整することで、ヒートセット効果を得る、すなわち、寸法安定性に優れた織物を得ることができる。これは、エアバッグが10年以上の長期使用を前提とした自動車に搭載されることを考慮すると、エアバッグの性能を経年的に維持する上で有効である。織物の寸法安定性は、温度50℃、湿度95%の環境において400時間放置したときの寸法変化率が3%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1.5%以下である。
熱セット工程は、必要に応じて、多段階に分けてもよい。その場合、乾燥温度は1段目よりも2段目、さらに3段目の方が高温というように、後工程になるほど高温になるように設定することが好ましい。多段階に分けて熱セットすることで、セット効果が高まり、寸法安定性が向上し好ましい。また、処理温度を徐々に高温にすることで、熱収縮むらのない通気量の均一な織物を得ることができ好ましい。
また、本発明のエアバッグ用織物は、運転席用、助手席用および後部座席用、側面用エアバッグなどに使用することができる。特に、大きな拘束力が求められる運転席用、助手席用エアバッグとして好適に使用することができる。
次に、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[測定方法]
(1)織物の厚さ
JIS L 1096−1999 8.5.1に則り、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に測定した。
(1)織物の厚さ
JIS L 1096−1999 8.5.1に則り、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に測定した。
(2)目付け
JIS L 1096−1999 8.4.2に則り測定した。
JIS L 1096−1999 8.4.2に則り測定した。
(3)引張強力
JIS L 1096−1999 8.12.1 A法(ストリップ法)のラベルドストリップ法に則り、織物幅30mm、定速緊張形の試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験したときの破断強力を測定した。
JIS L 1096−1999 8.12.1 A法(ストリップ法)のラベルドストリップ法に則り、織物幅30mm、定速緊張形の試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験したときの破断強力を測定した。
(4)引裂強力
JIS L 1096−1999 8.15.1 A−1法(シングルタング法)に基づき、10cm×25cmの試験片を用いて引張速度200mm/minで試験した。
JIS L 1096−1999 8.15.1 A−1法(シングルタング法)に基づき、10cm×25cmの試験片を用いて引張速度200mm/minで試験した。
(5)通気量
JIS L 1096−1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に則り測定した。尚、試験差圧は当該規定どおり125Paとした。
JIS L 1096−1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に則り測定した。尚、試験差圧は当該規定どおり125Paとした。
(6)寸法安定性
JIS L−1096−1999 8.64.4 図58に則り25cm×25cmの試験片に20cmの測定長に相当する線分を引いた試料を準備し、温度50℃、湿度95%の環境において400時間放置した後の寸法をb(cm)としたとき、次式数2により算出される寸法変化率により評価した。
寸法変化率=(b−20)÷20×100 。
JIS L−1096−1999 8.64.4 図58に則り25cm×25cmの試験片に20cmの測定長に相当する線分を引いた試料を準備し、温度50℃、湿度95%の環境において400時間放置した後の寸法をb(cm)としたとき、次式数2により算出される寸法変化率により評価した。
寸法変化率=(b−20)÷20×100 。
[実施例1]
(地糸)
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維72フィラメントで構成され、総繊度350dtex、強度8.5cN/dtex、伸度23.5%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸を地糸とした。
(地糸)
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維72フィラメントで構成され、総繊度350dtex、強度8.5cN/dtex、伸度23.5%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸を地糸とした。
(リップストップ糸)
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維72フィラメントで構成され、総繊度470dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸をリップストップ糸とした。
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維72フィラメントで構成され、総繊度470dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸をリップストップ糸とした。
(製織)
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で160℃にて2分間の熱セット加工を施した。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で160℃にて2分間の熱セット加工を施した。
得られたエアバッグ用織物の特性を表1に示す。このエアバッグ用織物は、高い引裂強力と低通気性を兼ね備え、かつ、目付け、厚さにおいても優れている。
[実施例2]
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(リップストップ糸)
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維36フィラメントで構成され、総繊度235dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸をリップストップ糸とした。
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維36フィラメントで構成され、総繊度235dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸をリップストップ糸とした。
(製織)
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに60本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに60本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で180℃にて2分間の熱セット加工を施した。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で180℃にて2分間の熱セット加工を施した。
得られたエアバッグ用織物の特性を表1に示す。このエアバッグ用織物は、高い引裂強力と低通気性を兼ね備え、かつ、目付け、厚さにおいても優れている。
[実施例3]
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(リップストップ糸)
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維36フィラメントで構成され、総繊度350dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸を2本引き揃え700dtexとしたものをタテ糸のリップストップ糸とし、製織時に指定の箇所で地糸を同口2本入れとなるように打ち込んで700dtexとしたものをヨコ糸のリップストップ糸とした。
ナイロン6・6からなり、扁平度3の断面形状の単繊維36フィラメントで構成され、総繊度350dtex、強度8.6cN/dtex、伸度24.0%で、無撚りの合成繊維フィラメント糸を2本引き揃え700dtexとしたものをタテ糸のリップストップ糸とし、製織時に指定の箇所で地糸を同口2本入れとなるように打ち込んで700dtexとしたものをヨコ糸のリップストップ糸とした。
(製織)
ウォータージェットルームにて、リップストップ部の緯糸打ち込みが同口2本入れで、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
ウォータージェットルームにて、リップストップ部の緯糸打ち込みが同口2本入れで、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmでリップストップ間隔が経糸・緯糸ともに15mmのリップストップ組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きクリップテンター乾燥機を用いて幅入れ率1%、オーバーフィード率2%の寸法規制の下で190℃にて2分間の熱セット加工を施した。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きクリップテンター乾燥機を用いて幅入れ率1%、オーバーフィード率2%の寸法規制の下で190℃にて2分間の熱セット加工を施した。
得られたエアバッグ用織物の特性を表1に示す。このエアバッグ用織物は、高い引裂強力と低通気性を兼ね備え、かつ、目付け、厚さにおいても優れている。
[比較例1]
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(地糸)
実施例1で地糸として用いたのと同様のものを地糸とした。
(リップストップ糸)
リップストップ糸は用いなかった。
リップストップ糸は用いなかった。
(製織)
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmの平織り組織の織物を得た。
ウォータージェットルームにて、織密度が経糸・緯糸ともに59本/2.54cmの平織り組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で160℃にて2分間の熱セット加工を施した。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きピンテンター乾燥機を用いて幅入れ率0%、オーバーフィード率0%の寸法規制の下で160℃にて2分間の熱セット加工を施した。
得られた織物の特性を表1に示す。この織物は、通気性は問題ないが、引裂強力が低く好ましくない。
[比較例2]
(地糸・リップストップ糸・製織)
製織までは実施例1と同様にして、リップストップ組織の織物を得た。
(地糸・リップストップ糸・製織)
製織までは実施例1と同様にして、リップストップ組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きシュリンクサーファードライヤーを用いて、寸法規制をせずに、160℃にて2分間の乾燥仕上げ加工を施した。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、引き続きシュリンクサーファードライヤーを用いて、寸法規制をせずに、160℃にて2分間の乾燥仕上げ加工を施した。
得られた織物の特性を表1に示す。この織物は、引裂強力については問題ないが、通気量が大きく好ましくない。また、寸法安定性についても劣っている。
[比較例3]
(地糸・リップストップ糸・製織)
製織までは実施例1と同様にして、リップストップ組織の織物を得た。
(地糸・リップストップ糸・製織)
製織までは実施例1と同様にして、リップストップ組織の織物を得た。
(熱セット)
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、自然乾燥させた。
次いでこの織物を、熱水収縮槽を通過させ、自然乾燥させた。
得られた織物の特性を表1に示す。この織物は、引裂強力については問題ないが、通気量が大きく好ましくない。また、寸法安定性についても劣っている。
本発明によるエアバッグ用織物は、軽量、コンパクト性を維持しつつ、織物の機械的特性、特に高い引裂強力と低通気性とを兼ね備え、さらに経済性に優れている。特に、ノンコートエアバッグに好適である。本発明のエアバッグ用織物は、特に運転席用、助手席用、側面衝突用サイドエアバッグなどに好適に用いることができるが、その適用範囲が、これらに限られるものではない。
Claims (7)
- 合成繊維フィラメント糸からなるエアバッグ用織物であって、リップストップ組織を有しており、引裂強力が150N以上で、かつ、JIS L 1096 A法(フラジール形法)による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であることを特徴とするエアバッグ用織物。
- 合成繊維フィラメント糸の単繊維の断面が扁平形状である請求項1に記載のエアバッグ用織物。
- リップストップ組織の地部が、繊度300〜400dtexの合成繊維フィラメント糸からなる請求項1または2に記載のエアバッグ用織物。
- リップストップ組織のリップストップ糸が、繊度400〜1000dtexの合成繊維フィラメント糸である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用織物。
- リップストップ組織のリップストップ糸が、繊度100〜300dtexの合成繊維フィラメント糸である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用織物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグ用織物を用いてなることを特徴とするエアバッグ。
- 合成繊維フィラメント糸からなりリップストップ組織を有する織物に対し熱セットする工程を含み、前記熱セット工程に寸法規制装置を設け、引裂強力が150N以上でJIS L 1096 A法による通気量が0.5cm3/cm2・sec以下であるエアバッグ用織物を製造することを特徴とするエアバッグ用織物の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005206591A JP2007023411A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | エアバッグ用織物およびエアバッグならびにエアバッグ用織物の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009013520A (ja) * | 2007-07-03 | 2009-01-22 | Seiren Co Ltd | エアバッグ用織物およびエアバッグ |
JP2009256860A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-11-05 | Toray Ind Inc | エアバッグ用織物およびエアバッグ用織物の製造方法 |
JP2012162808A (ja) * | 2011-02-03 | 2012-08-30 | Asahi Kasei Fibers Corp | 合成繊維からなる基布 |
KR20150002260A (ko) * | 2013-06-28 | 2015-01-07 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 에어백용 폴리에스테르 원단의 제조방법 |
-
2005
- 2005-07-15 JP JP2005206591A patent/JP2007023411A/ja active Pending
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