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JP2007006853A - カカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品味質改善方法及び味質改善飲食品 - Google Patents

カカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品味質改善方法及び味質改善飲食品 Download PDF

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JP2007006853A JP2005194764A JP2005194764A JP2007006853A JP 2007006853 A JP2007006853 A JP 2007006853A JP 2005194764 A JP2005194764 A JP 2005194764A JP 2005194764 A JP2005194764 A JP 2005194764A JP 2007006853 A JP2007006853 A JP 2007006853A
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Naohiro Fujita
直弘 藤田
Koji Kitamura
晃司 北村
Hiroyasu Nakamura
弘康 中村
Yoshihiro Yoshida
善廣 吉田
Shinji Azumaguchi
伸二 東口
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Ezaki Glico Co Ltd
Pharma Foods International Co Ltd
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Ezaki Glico Co Ltd
Pharma Foods International Co Ltd
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Abstract

【課題】カカオ由来原料を含むチョコレート等の飲食品において問題となる「苦味」「酸味」の味質を改善することにより、嗜好性を高めることができる方法及び嗜好性を高めたチョコレートを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品またはチョコレート生地に、γ‐アミノ酪酸(GABA)を、飲食品またはチョコレート生地の質量に対して0.05質量%以上添加することを特徴とする飲食品またはチョコレートの味質改善方法と、上記方法で味質を改善した味質改善飲食品または味質改善チョコレート。

Description

本発明はカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品およびチョコレートの味質改善方法及び味質改善飲食品と味質改善チョコレートに関するものである。
生理学的に味覚は、栄養物を摂取し、有害物質から身を守るのに役立っている。糖類は代表的な栄養物であり、「甘味」という好ましい味を有する為好んで摂取される。グルタミン酸を代表とするアミノ酸は主に「旨味」を有するが、無味である蛋白質近辺に遊離のアミノ酸が存在するので、栄養物である蛋白質のありかを教えるシグナルの役目を果たしている。「塩味」を有する食塩も不可欠な栄養物であり、適度な「塩味」は好ましい味として摂取される。
一般に、腐敗物は「酸味」を有し、多くの毒物は「苦味」を有する。「酸味」も「苦味」も本来は不快な味である為、長い間の食経験により、ワインやコーヒー、ビールといった「酸味」や「苦味」を好むという事はあるが、これは食生活、地域、環境、年齢、性別等により嗜好性が異なってくるものであり、これらの味がするものを生理学的に好んで食すものではない。
カカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品の代表にチョコレートがある。チョコレートの原料となるカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダー(以下カカオ由来原料と略記する)はカカオ豆から作られる原料であるが、これらは「酸味」、「苦味」を有しており、カカオ豆の品種や発酵条件、焙煎等の加工条件により、これらのバランスは異なってくる。「苦味」成分は主にテオブロミン、ポリフェノールから由来するものであり、「酸味」は主にカカオ豆の発酵過程において生産される発酵生産物に由来するものである。チョコレートの美味しさは大きく分けると、カカオ由来原料の「酸味」、「苦味」と糖類の「甘味」から成り立っており、これら味覚のバランスにより、美味しいチョコレートを作ることができるため、カカオ豆の選定、発酵条件、焙煎条件、原料の配合比率等には非常に注意を要する。
乳製品を含まないために強い「酸味」と「苦味」を有するビターチョコレートは、一般的には日本人の嗜好として好まれない為、乳製品を加えることにより嗜好性を高めたミルクチョコレート製品が国内市場においては大きい。これは、先述したように、「酸味」と「苦味」は生理学的には不快であるが、食習慣を通じて好まれるものであるため、欧米に比べてチョコレートの一人当たりの消費量が少ない国内においては、チョコレートの「酸味」、「苦味」を嗜好的に受け入れる土壌がまだ成熟していないためであると思われる。
しかし近年、チョコレートに使用される原料であるカカオ中のポリフェノール(カカオ・ポリフェノール)には高い抗酸化作用があるという点が注目され、チョコレートの健康部分にも注目がされており、特にポリフェノール高含有という点でビター系のチョコレートが各社から販売されてきていることから、
国内においてもビターチョコレートや、ミルク分の少ないチョコレートの消費量も高くなってきていると思われる。
このような傾向により、国内においても嗜好的にはチョコレートの「酸味」、「苦味」を「美味しさ」として受け入れるような食環境にはなりつつあると思われる。しかし、いまだ欧米に比べチョコレートの需要は圧倒的少なく、ミルクチョコレートとビターチョコレートの嗜好性に関してはミルク分の多いものをより好む傾向にあるのが現状である。
「酸味」や「苦味」を改善し、嗜好性を高める検討は医薬品、健康食品等において多く提案されている。例えば、特許文献1によれば、青臭さや苦味など、その摂取が困難となるような呈味、食感を有する青汁や野菜ジュースなどの食用または薬用植物を含有する飲料の呈味、食感改善方法として、βグルカンを添加することを提案している。これにより、呈味や食感が改善され飲みやすい、健康維持に有用な飲料を提供することができる。
また、特許文献2では、粉症やアトピー性皮膚炎等のアレルギー症疾患の予防や改善に効果がある食品素材として注目されている、シソ抽出物が配合された飲料等における苦味や渋味といったシソ特有の風味改善方法として、ユーカリ抽出物を含有することにより解決できることを提案している。
特許文献3では、飲食品の風味改善剤、風味改善方法として、α−結合ガラクトオリゴ糖を含有する飲食品の風味改善剤及びこれが添加された飲食品並びに飲食品の風味改善方法を提供している。
また特許文献4によれば、ヘスペリジン配糖体またはヘスペリジン配糖体とヘスペリジンとの混合物を、野菜飲料の青臭み、酸味、苦味の低減、生薬含有飲食品に苦味、渋味、薬臭の低減などを行う風味改善方法及び風味改善剤が提供されている。
さらには特許文献5では、青臭み、酸味等の強い野菜・果物類を原料とする飲食品の製造において、エリスリトールを添加する野菜・果物類の青臭み、酸味等の抑制方法が提供されている。
特許文献6によれば、乳、トウモロコシ又はカカオ豆の分解物を使用し、それにカボチャ及び/又はキュウリの磨砕物、あるいは同カボチャ及び/又はキュウリから抽出したグルタミン酸脱炭酸酵素を作用させ、上記分解物中のグルタミン酸をγ−アミノ酪酸(以下GABAと略記する)に変換したことを特徴とする呈味改善食品素材が開示されている。しかし、特許文献6で得られる呈味改善素材では、グルタミン酸に由来する呈味は低減できるものの、他の呈味成分に由来する味質は改善できるものではなく、また、他の飲食品に添加することにより味質を改善するということは意図していない。従って、カカオ由来原料を含む飲食品の「酸味」、「苦味」に関しては改善ができることまで意図しているものではない。
GABAの味質改善効果としては、特許文献7において提案されており、食品におけるアミノ酸や核酸等の旨味成分に由来する好ましくない味質を改善して、すっきりとした後味にすることができる飲食品の味質改善方法が提示されている。これによると、グルタミン酸に由来する呈味以外の、他のアミノ酸、ペプチド、核酸等において味質改善効果を提示している。
しかし、特許文献7においても、カカオ由来原料を含む飲食品における味覚改善を意図したものではなく、アミノ酸や核酸を含有する飲食品に対する「旨味」という味質における改善効果に留まるものであり、特許文献6同様、カカオ由来原料を含む飲食品の「苦味」、「酸味」成分にまで改善効果があることを意図しているものではない。
「知覚センサー−生物の巧みなシグナルの獲得−」津田基之編, 吉岡書店 (1997) 特開2005−73508号広報 特開2005−102635号公報 特開2003−250486号公報 特許公報第3208113号 特開平9−117262号公報 特開2000−166502号公報 特開2004−275098号公報
そこで本発明は少なくともカカオ由来原料を含むチョコレート等飲食品において問題となる「苦味」「酸味」の味質を改善することにより、嗜好性を高めることができる方法及び嗜好性を高めたチョコレートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は誠意努力した結果、GABAを添加することによって、カカオ由来原料を含むチョコレート等飲食品の好ましくない味質の改善に効果を有し、嗜好性を高めることができる事を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の飲食品の味質改善方法は、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品にγ‐アミノ酪酸(GABA)を少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品の総質量に対して0.05%以上添加することを特徴とする。
また、本発明のチョコレートの味質改善方法は、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含むチョコレート生地にγ‐アミノ酪酸(GABA)をチョコレート生地質量100に対して0.05質量%以上添加することを特徴とする。
本発明の方法によれば、カカオ由来原料を含む飲食品、チョコレート生地にGABAを特定量添加することで、味質を改善することができ、嗜好性を高めることができる。
そして、本発明の味質改善飲食品は、上記方法、即ち、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品にγ‐アミノ酪酸(GABA)を少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品の総質量に対して0.05%以上添加する方法で味質を改善したことを特徴とする。
さらに、本発明の味質改善チョコレートは、上記方法、即ち、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含むチョコレート生地にγ‐アミノ酪酸(GABA)をチョコレート生地質量100に対して0.05質量%以上添加する方法で味質を改善したことを特徴とする。
上記の味質改善飲食品及び味質改善チョコレートによれば、嗜好性の高い飲食品やチョコレートを提供する事ができる。
以上、本発明によれば、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品またはチョコレート生地にGABAを飲食品、チョコレート生地質量100に対して0.05質量%以上添加することで、カカオマス由来原料を含む飲食品やチョコレートの味質を改善することができ、嗜好性を高めることができる。また、嗜好性を高めた味質改善飲食品や味質改善チョコレートを提供する事ができる。特に、ビターチョコレート、やココア飲料の嗜好性を高めることができることは、市場においても好ましいことであり、健康志向の高まった消費者ニーズにあう、嗜好性の高いチョコレートやココア飲料として、今後の市場拡大も期待することができる。
以下に、本発明の味質改善方法及び味質改善飲食品や味質改善チョコレートについて詳細に説明する。
本発明におけるチョコレートとは、チョコレート生地を利用して作られた全ての食品をいい、チョコレート規約におけるチョコレート加工品だけに制限されるものではない。
本発明におけるチョコレート生地とは、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ又はココアパウダーを原料とし、必要により糖類、乳製品、他の食用油脂、果汁、香料、調味料等を必要に応じて加えて通常の工程を経て製造されたものや、ココアバターの代わりに代用脂として、動植物由来のテンパリング、ノーテンパリング又はそれらを混合した油脂を使用したチョコレート生地等、各種チョコレートを含み、チョコレート規約におけるチョコレート生地だけに制限されるものではない。
カカオマスとは、通常、カカオビーンズからシェルを技術的に可能な限り除いたもの(カカオニブ)を、そのいかなる構成成分も除去又は添加することなく、機械的方法により磨砕したもの(アルカリ処理等をしたものを含む)をいい、ココアバターとは、通常、カカオビーンズ、カカオニブ又はカカオマスから得られた油脂であって、シェル又はジャームの脂肪分を天然に含んでいる量以上含まないものをいい、ココアケーキとは、通常、カカオニブ又はカカオマスから機械的方法により、脂肪分の一部を除いたものをいい、ココアパウダーとは、通常、ココアケーキを粉砕し、必要により乾燥させた微粉末のものをいう。また、チョコレートの「酸味」、「苦味」成分は主にこのカカオマス、ココアケーキ、ココアパウダーに由来するものである。
乳製品とはクリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、発酵乳、発酵乳パウダー、ミルククラム、ブロックミルク、牛乳等一般に乳製品といわれるものをいう。
他の食用油脂とは、イリッペ油、シアー油、なたね油、パーム油、やし油、綿実油、大豆油、ひまわり油、鯨油、魚油、米油、乳脂、ラード、バター、ショートニング、マーガリン、カカオ代用脂、硬化油脂等、ココアバター以外の食用油脂をいう。
本発明におけるGABAの添加においては、飲食品に使用可能なGABA含有食品素材であれば特に制限なく用いることができる。例えば、発芽玄米や、茶の生葉を嫌気的に処理してGABA含量を増加させたものや、GABAを比較的多く含む紅麹、酵母エキスが知られており、これらの原料から調整されたものを用いることができる。
また、特開2000−166502号公報のように、グルタミン酸またはグルタミン酸を含有する原料をグルタミン酸脱炭酸酵素に作用させて調整されたものや、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する微生物(乳酸菌、酵母、麹など)を用いて発酵させて得られる発酵物から調製されたGABA含有食品素材を用いることもできる。
上記GABA含有食品素材について特に制限は無いが、あまり大きく味に影響を与える成分を含まない発酵物から調製されたGABA含有食品素材が好ましい。また、GABA含量が低いと添加量が増え味に影響を与える場合もあるため、GABA含有食品素材はGABA濃度10質量%〜100質量%が好ましい。
本発明におけるGABAの添加量は、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品、チョコレート生地質量100に対して0.05質量%以上であるが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.18質量%以上、最も好ましくは0.2質量%以上である。
本発明におけるGABAの検出方法は特に限定されるものではないが、一般的なアミノ酸分析法が好ましく、イオン交換カラムを用いての高速クロマトグラフィー(HPLC)で分離し、オルトフタルアルデヒド(OPA)によるポストカラムでの誘導体化後、蛍光検出器で検出定量する方法がより好ましい。また、チョコレート中のGABA含量を測定する場合は、クロロホルムなどの溶媒で抽出処理を行なった後、上記アミノ酸分析法や高速クロマトグラフィー(HPLC)法で分析する事が好ましい。
また、通常のカカオマスにはGABAは0.01〜0.04質量%含まれる。従って通常のチョコレートはカカオマス含量が10〜70質量%のものであることが多い事から、GABAは0.001〜0.028質量%以下の場合が多い事となり、0.03質量%以上のGABAが検出された場合は、チョコレートにGABAを添加した可能性があるとみなす事ができる。
GABAの添加方法は特に制限されず、単独、又は他の原料と同時にチョコレート生地に直接添加したり、チョコレート生地と組み合わせた、例えばビスケットと組み合わせたチョコレート菓子を作る際に、ビスケット側にGABAを添加することによってもチョコレートの味質改善効果が得られる。また、添加時期、方法においても特に制限はされず、製造工程の適当な段階で添加することが可能である。
本発明における、少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品の具体例としてはチョコレート、チョコレート生地を組み合わせた、又は練り込んだビスケット等焼き菓子若しくはチョコレート菓子、ココア、粉末ココア、アイスクリーム等を挙げることができるが、例示に制限されるものではなく、カカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品であれば適応される。
本発明の味質改善方法を用いるチョコレートまたはチョコレート生地を用いる飲食品そして味質改善チョコレートについて、チョコレートの配合で特に制限は無く用いることが出来る。ミルクなど乳製品や糖分の比較的少ないチョコレート、特にビターチョコレートでは、より好ましく味質改善効果を発揮する事ができる。即ち、本発明の味質改善方法を用いるチョコレートまたはチョコレート生地を用いる飲食品そして味質改善チョコレートについて、使用する乳製品含量がチョコレート生地に対して25質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これら例示に限定されるものではない。単位は特に記載がない場合は、質量を基準とする
〔GABA組成物の調整〕
GABAを調製する方法の一つとして、表1に示す割合で各成分を含有する発酵原料(pH5.0)50Lを90℃で10分間加熱殺菌した後、キムチ由来の乳酸菌(ラクトバチルス ヒルガルディーK3株(FERM P-18422))培養液50mLを接種し、30℃で3日間培養した。なお、発酵終了後の発酵液のGABA含量は51g/Lであった。この発酵液を90℃10分間加熱殺菌した後、濾過助剤を加えてろ過し、得られた液を噴霧乾燥機にて乾燥、粉末化して乳酸菌発酵GABA組成物(GABA含有:約20質量%)を得た(以下「調製GABA」という)。
Figure 2007006853
なお、本製造方法はGABAの調製の例示であり、本発明を限定するものではない。その他GABAとしては、市販されている高純度GABA(「GABA協和」協和発酵製、以下「市販GABA」という)を用いて以下の実施例を行った。
〔実施例1〕
表2(各サンプル配合とミルクチョコレート生地に対するGABA含有質量)で示す割合で作成したチョコレートサンプル1〜10とGABAを含まない対象サンプルを調整して17名のパネラーにより官能試験を行い、比較例と比べて食べやすいと感じたかを評価した。その結果を表3にまとめた。
Figure 2007006853
Figure 2007006853
以上の結果から、GABAを0.05%添加すると半数近くの人が味質改善の効果があるとの評価をし、0.15%以上添加になると全員がチョコレートの味質改善があるとの評価が得られた。
〔チョコレート中のGABA濃度の測定〕
まず、チョコレートサンプルをできるだけ細かく砕き、約10g秤量してホモジナイザー容器に量りとり(秤量値記録)、蒸留水を加えて約100gにする。(10倍希釈。秤量値記録)ホモジナイザーにて10,000rpmで5分間粉砕し、ガラス製の遠沈管に約20mLとり、等量のクロロホルムを加える。(溶媒抽出) 振とう機にて白濁するまで攪拌し、37℃の恒温槽内に30分間放置する。蓋を緩めガスを抜き、3,000rpmで10分間遠心分離する。上清300μLずつを2本のマイクロチューブに移し特級エタノールを700μL加え(n=2)、10,000rpmで5分間遠心分離する。各々の上清200μLをマイクロチューブに移し、0.2Nクエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)を800μL加え(5倍希釈)、10,000rpmで5分間遠心分離する。上清800μLをサンプルカップに移し、測定試料とした。 GABAとグルタミン酸の含量はアミノ酸含量測定の常法に従って高速液体クロマトグラフで以下の条件で分析した。例えば、上記実施例1記載の比較例(GABA無添加)のチョコレートのGABA含量は0.0026質量%であり、サンプル番号10(GABA添加)のチョコレートのGABA含量は0.2質量%であった。従って、添加したGABAは、ほぼ計算値どおり、分析できた。
使用機器:(株)島津製作所製の高速液体クロマトグラフLC−9A
分析用カラム:強酸性陽イオン交換樹脂カラムShin−pack Isc−07Na型
移動層緩衝液:(株)島津製作所製のアミノ酸移動層キットNa型
移動層流量:0.3ml/分
反応層1:0.04%次亜塩素酸ナトリウム溶液(pH10のホウ酸−炭酸緩衝液500mlに対して次亜塩素酸0.2ml)
反応層2:(株)島津製作所製のアミノ酸分析キットOPA試薬
反応層流量:0.2ml/分
検出:蛍光検出 Ex348nm、Em450nm
〔実施例2〕
実施例1と同様に、表4(各サンプル配合とビターチョコレート生地に対するGABA含有質量)で示す割合で作成したチョコレートサンプル1〜10とGABAを含まない対象サンプルを調整して17名のパネラーにより官能試験を行い、比較例と比べて食べやすいと感じたかを評価した。その結果を表5にまとめた。
Figure 2007006853
Figure 2007006853
以上の結果から、実施例1と同様にGABAを0.05%添加すると半数近くの人が味質改善の効果があるとの評価をし、0.1%では8割以上の人が、0.15%以上添加になると全員がチョコレートの味質改善があるとの評価が得られた。
〔実施例3〕
表6で示す割合で作成したココア飲料サンプル1〜10とGABAを含まない対象サンプルを調整して17名のパネラーにより官能試験を行い、比較例と比べて食べやすいと感じたかを評価した。その結果を表7にまとめた。
Figure 2007006853
Figure 2007006853
以上の結果から、実施例1、2と同様にGABAを0.05%添加すると半数近くの人が味質改善の効果があるとの評価をし、0.1%添加では7割の人が、0.15%以上添加では全員がココア飲料の味質改善があるとの評価が得られた。
〔実施例4〕
表8で示す割合で作成した直径約10mm、長さ約80mmの棒状ビスケットに対し、表9で示した割合で作成したチョコレートサンプル1〜10をコーティングした組合せ菓子と、同様に作成したGABAを含まない対象サンプルを調整して17名のパネラーにより官能試験を行い、比較例と比べて食べやすいと感じたかを評価した。その結果を表10にまとめた。
Figure 2007006853
Figure 2007006853
Figure 2007006853
以上の結果から、GABAを0.05%添加すると約3割の人が味質改善の効果があるとの評価をし、0.1%以上では半数以上が、0.15添加になるとほぼ全員がココア飲料の味質改善があるとの評価が得られた。

Claims (4)

  1. 少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品にγ‐アミノ酪酸(GABA)を少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含む飲食品の総質量に対して0.05%以上添加することを特徴とした飲食品の味質改善方法。
  2. 少なくともカカオマス、ココアケーキ又はココアパウダーを含むチョコレート生地にγ‐アミノ酪酸(GABA)をチョコレート生地質量100に対して0.05質量%以上添加することを特徴としたチョコレートの味質改善方法。
  3. 請求項1記載の方法で味質を改善したことを特徴とする味質改善飲食品。
  4. 請求項2記載の方法で味質を改善したことを特徴とする味質改善チョコレート。

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