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JP2006526669A - 重合可能なキラル化合物 - Google Patents

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JP2006526669A JP2006504526A JP2006504526A JP2006526669A JP 2006526669 A JP2006526669 A JP 2006526669A JP 2006504526 A JP2006504526 A JP 2006504526A JP 2006504526 A JP2006504526 A JP 2006504526A JP 2006526669 A JP2006526669 A JP 2006526669A
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Abstract

本発明は、重合および光異性化が可能なキラル化合物、および液晶媒体、液晶デバイス、異方性ポリマー、光学、電気光学、装飾、セキュリティ、化粧、診断、電気、電子、電荷輸送、半導体、光学記録、エレクトロルミネセンス、光導電体、電子写真およびレーザー発光の用途における該化合物の使用、ならびに重合可能なキラル化合物を含む液晶媒体、ポリマー、光学部品、ディスプレイおよび装飾またはセキュリティ用マーキングに関する。

Description

本発明は、重合および光異性化が可能なキラル化合物、該化合物の調製方法、ならびに液晶媒体、液晶デバイス、異方性ポリマー、光学、電気光学、装飾、セキュリティ、化粧、診断、電気、電子、電荷輸送、半導体、光学記録、エレクトロルミネセンス、光導電体、電子写真およびレーザー発光用途での該化合物の使用に関する。本発明は、さらに、重合可能なキラル化合物を含む液晶媒体、ポリマー、光学部品、ディスプレイ、および装飾またはセキュリティ用マーキングに関する。
光照射によってそのキラリティーを変化させるキラル材料は従来技術で周知である。例えば、光照射によってE−Zまたはシス−トランス異性化を示し、それによって1つのキラル形から別のキラル形に変換される、光異性化が可能なキラル材料が報告されている。さらに、光照射すると、キラル中心の光脱離または光開裂によるそれらキラリティーの破壊によって、キラルからアキラルまたはラセミ混合物に変化する光分解または(光)調整が可能なキラル材料(TCM)が知られている。
光異性化が可能なキラル材料は、とりわけ、パターン化された光学特性を有するコレステリックポリマー膜を調製するために提案されており、該膜は液晶ディスプレイにおけるカラーフィルターまたはブロードバンド反射偏光板などの光学部品として使用できる。パターン化されたコレステリック膜の調製は、例えばWO00/34808に記載されている。
さらに、光異性化および光調整が可能なキラル材料が、コレステリックまたはマルチドメイン液晶ディスプレイで使用するために提案されている。
例えば、WO98/57223は、光異性化が可能なキラルドーパントとして重合可能なメントン誘導体を含有するネマティック液晶材料を用いた、マルチドメイン液晶ディスプレイを開示している。このディスプレイは、液晶材料のねじれ方向が互いに反対である異なるサブ−ピクセルを含んでいる。これは、所定のねじれ方向を有する光異性化が可能なキラルドーパント、および反対のねじれ方向を有する異性化できないキラルドーパントを含む液晶材料層を、ホトマスクを通して光照射することによって製造される。これによって、層の露光部分中の異性化可能ドーパントがそのキラリティーを変え、露光部分のらせんピッチが変化することになる。
US5,668,614は、調整可能なキラル材料(TCM)を含むコレステリック液晶混合物から構成されるマルチカラーコレステリックディスプレイを開示している。このディスプレイは、TCMを含む液晶混合物を、ホトマスクを通した光照射に部分的に暴露することによって調製される。これによって、光開裂または光ラセミ化によりTCMのキラリティーが変化し、それに伴ってコレステリック液晶材料の露光部分におけるらせんピッチが変化することになる。その結果、ピッチを異にし、それに伴って反射波長の色を異にする領域が得られ、マルチカラーディスプレイが実現する。
メントン、カンファーまたはノピノン誘導体、あるいはキラルなスチルベン類を含む光異性化が可能なキラル材料は、P.van de WitteらによりLiq.Cryst.24(1998)、819〜27、J.Mat.Chem.9(1999)、2087〜94、およびLiq.Cryst.27(2000)、929〜33に、およびA.BobrovskiらによりLiq.Cryst.25(1998)、679〜687に報告されている。
キラル中心に結合した光開裂が可能なカルボン酸基または芳香族ケト基を含む、調整可能なキラル材料(TCM)が、US5,668,614に開示されている。さらに、F.Vicentini、J.Cho、およびL.Chienは、Liq.Cryst.24(1998)、483〜488に、TCMとしてのビナフトール誘導体およびマルチカラーディスプレイにおけるそれらの使用について記載している。
しかし、従来技術での異性化可能で調節可能なキラル材料には、いくつかの欠点がある。US5,688,614中に、およびF.Vicentiniらによって報告されているTCMは、光開裂が非可逆過程であり、キラル化合物の破壊につながるという一般的な欠点がある。WO98/57223ならびにP.van de WitteらおよびA.Bobrovskyらの論文に開示されている光異性化が可能なメントンおよびスチルベン誘導体には、それらの誘導体が官能性を欠くために、構造を変更するのが容易でないという欠点がある。
従来技術から周知である光異性化が可能な多くの化合物のもう1つの欠点は、それらの化合物が、低いらせんねじり力(ヘリカルツイスティングパワー:HTP)を示すに過ぎないことが多いことである。HTPは、液晶ホスト材料中にらせん状にねじれた分子構造を誘導するためのキラル化合物の有効性を表し、ほとんどの実際的応用に対して十分である一次近似では式(1)
HTP=1/(p・c) (1)
で与えられ、式中、cはキラル化合物の濃度であり、pはらせんのピッチである。式(1)から判るように、短いピッチは、多量のキラル化合物を使用するか、あるいはHTPの絶対値が大きいキラル化合物を使用することによって達成できる。したがって、低HTPを有するキラル化合物を使用する場合には、短いピッチを誘導するのに多量のキラル化合物が必要となる。このことは欠点である。なぜなら、キラル化合物は、液晶ホスト混合物の特性、例えば透明点、誘電異方性、粘度、駆動電圧または切換時間などに悪影響を与えることが多く、キラル化合物は、純粋なエナンチオマーとしてのみ使用可能であり、その結果、高価で、合成するのが困難なためである。
従来技術におけるキラル化合物のもう1つの欠点は、それらの化合物が、液晶ホスト混合物に対して低い溶解性を示すことが多く、このことが低温での望ましくない結晶化につながることである。この欠点を克服するためには、ホスト混合物に対して典型的には2種以上の異なるキラル化合物を添加しなければならない。このことは、コストの上昇を意味し、また、異なるキラル化合物はそれら化合物のねじれの温度係数が互いに補償されるように選択されなければならないので、混合物の温度補償のためのさらなる工夫が求められる。
したがって、広範囲の誘導体において合成するのが容易で、少量で使用することができ、例えば一定の反射波長を利用する場合にコレステリックピッチの温度安定性が改善され、液晶ホスト混合物の特性に影響を与えず、ホスト混合物に対して良好な溶解性を示す、高いHTPを有する光異性化が可能なキラル化合物が相当に求められている。
本発明は、これらの特性を有するが、上で述べたような従来技術によるキラル化合物の欠点をもたない、光異性化が可能なキラル化合物を提供する目的を有する。本発明のもう1つの目的は、当業者の利用できる光異性化が可能なキラル化合物のプールを拡張することである。
本発明の発明者らは、これらの目的が、イソソルビド(1)、イソマンニット(isomannite)(2)またはイソイディット(isoidite)(3)から選択されるキラルな糖基を含み、その糖基が2−位および5−位で桂皮酸誘導体をベースにしたメソゲン基に結合し、メソゲン基に結合した1個または複数の重合可能な末端基を場合によっては柔軟なスペーサーを経由して含み、該メソゲン基が側方置換されている、下記の重合可能なキラル化合物を提供することによって実現できることを見出した。糖基は分子にキラリティーを付与し、一方、桂皮酸基は光異性化が可能である。
Figure 2006526669
GB2314839は、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(イソソルビド)桂皮酸エステルをベースにした高HTPを有するキラルで重合可能なメソゲン化合物を開示している。しかし、これらの化合物の液晶ホスト混合物に対する溶解性は、極めて限られている。
これと対照的に、側方置換されたメソゲン基を有する本発明による重合可能なキラル化合物は、液晶ホスト混合物に対する溶解性が向上している。また、本発明に開示する方法によって、これらの化合物をより簡単に合成することが可能になる。
本発明は、式Iの化合物に関する。
P−Sp−(A−Zm1−A−CH=CH−CO−G−CO−CH=CH−A−(Z−Am2−R I
{式中、
Pは、重合可能な又は反応性の基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
Gは、次の基から選択され、
Figure 2006526669
およびAは、互いに独立に、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含んでもよく、Lで単置換または多置換されてもよい、芳香族または脂環式基であり、
およびAは、互いに独立に、1個または複数のCH基がNで置換されてもよく、Lで単置換または多置換されてもよい、1,4−フェニレンであり、
Lは、F、Cl、Br、I、CN、NO、OH、NCS、SF、またはアルキルであり(該アルキルは、直鎖または分枝状であり、1〜8個の炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換され、該アルキル中の1個または複数の非隣接CH基は、それぞれの場合に互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような形態で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−、または−C≡C−で置換されてもよい)、
およびZは、互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−,−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
およびYは、互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、
Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、NCS、SF、またはアルキルであり、あるいはP−Spの意味の1つを有する(該アルキルは、直鎖または分枝状であり、1〜20個の炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換され、該アルキル中の1個または複数の非隣接CH基は、それぞれの場合に互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような形態で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−、または−C≡C−で置換されてもよい)、
およびR00は、互いに独立に、H、または1〜12個の炭素原子を有するアルキルであり、
m1およびm2は、互いに独立に、0、1または2であり、
但し、該化合物は、Lで少なくとも単置換された少なくとも1個の基A、A、A、またはAを含有する。}
本発明は、さらに、式Iの中の少なくとも1種の化合物を含むLC媒体に関する。
本発明は、さらに、式Iの中の少なくとも1種の化合物を含む重合可能なLC媒体に関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物または前記もしくは後記の重合可能なLC媒体を重合させることによって得られる、キラルな異方性ポリマーに関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物または上記および下記の重合可能なLC媒体を、その配向状態で、好ましくは膜の形態で重合させることによって得られる、キラルな異方性ポリマーに関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物または上記および下記の重合可能なLC媒体を、その配向状態で重合させることによって得られ、配向および/または光学特性を異にする少なくとも2つの領域からなるパターンを有する、キラルな異方性ポリマー膜に関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物、上記および下記のポリマーもしくはポリマー膜の、電気光学ディスプレイ、液晶ディスプレイ、光学膜、偏光板、補償板、ビームスプリッター、反射膜、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンピングホイル、カラー画像、例えば消費者用品もしくは有価証券用の装飾またはセキュリティ用マーキング、LC顔料、接着剤、異方性力学特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬、非線形光学材料、光学情報記憶装置におけるキラルなドーパントとしての使用、集積回路部品として、フラットパネルディスプレイ用の薄膜トランジスタとしての、または電波方式認識(RFID)タグ用の、例えば電界効果型トランジスタ(FET)のような電子デバイスにおける使用、あるいは有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスディスプレイもしくはLCDのバックライト用の、光電池もしくはセンサデバイス用の、光導電体としての、バッテリーの電極材料としての、電子写真もしくは電子写真記録用の、またはレーザー発光材料もしくはデバイス中の半導体部品における使用に関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物、または上記および下記のLC媒体、ポリマーもしくはポリマー膜を含む、認証、照合またはセキュリティ用マーキングまたはカラー画像に関する。
本発明は、さらに、上記および下記の認証、照合またはセキュリティ用マーキングを含む有価物または有価証券に関する。
用語の定義
「液晶またはメソゲン性材料」あるいは「液晶またはメソゲン化合物」という用語は、1つまたは複数のロッド形状、ボード形状(lath形状)またはディスク形状のメソゲン基、すなわちLC相挙動を誘導する能力を有する基を含む材料または化合物を意味する。メソゲン基を含む化合物または材料は、必ずしもそれ自体でLC相を示す必要はない。それらの化合物または材料が、その他の化合物との混合物においてのみ、あるいはメソゲン化合物または材料、またはそれらの混合物を重合させた場合にLC相挙動を示すこともあり得る。
「重合可能な」および「反応性の」という用語には、ラジカル重合またはイオン連鎖重合、重付加または重縮合のような重合反応に関与する能力のある化合物または基、および重合類似反応において例えば縮合または付加によってポリマー主鎖にグラフトされる能力のある反応性化合物または反応性基が含まれる。
「膜」という用語には、多かれ少なかれ明白な機械的安定性を有する剛性または可撓性で自己保持性または自立性のフィルム、加えて支持基板上または2個の基板間のコーティングまたは層が含まれる。
本発明の光異性化が可能でキラル化合物は、メソゲン性であるか、あるいは液晶である。すなわち、これらの化合物は、例えば別な化合物との混合物中で中間相挙動を誘起または増強するか、あるいはそれら自体で1種または複数の中間相を示すことができる。本発明の化合物は、別な化合物との混合物中においてのみ、あるいは重合可能な化合物の場合には(共)重合させた際に中間相挙動を示すこともあり得る。メソゲン性の本発明の化合物が特に好ましい。
本発明の化合物には、いくつかの利点がある、すなわち、
・化合物は、文献上周知である標準的方法を用い、広範囲の誘導体について、数百グラムの大きなスケールでも容易に合成することができる。
・出発原料は、商業的に入手可能であるか、あるいは文献上周知の方法を用いて安価に合成できる。
・化合物は、異なる対称性(左手および右手)の化合物として、鏡像異性的に純粋に調製可能であり、ネマティックホスト中で左回転および右回転らせんの双方を形成することが可能になる。
・双方のらせんを利用できる可能性があることは、一方向回転の円偏向を反射するキラルな膜または皮膜の製造を可能にするので、例えばセキュリティの用途での使用に対してかなりの利点である。
・化合物は、高いHTPを示す。
・化合物は、液晶混合物に対して良好な溶解性を示す。
・化合物は、メソゲン性であるか、あるいはさらに液晶性である。
・本発明化合物を液晶混合物中のキラルドーパントとして使用する場合には、それらの溶解性が高いので、より多量のドーパントを使用して大きなねじれ(=低ピッチ)を生じさせることができる。
・多量のドーパントが必要な場合には、本発明ドーパントの広範な液晶相により、ホスト混合物の液晶相は悪影響を受けることがより少ない。
・これらの化合物のHTPが高いので、高ピッチを達成するのに必要な本発明ドーパントの量が少なくて済み、そのため、混合物の液晶特性は悪影響を受けることが少ない。
・1種または複数の本発明ドーパントを含む液晶混合物は、改良された低温安定性を示す。
・1種または複数の本発明ドーパントを含むコレステリック液晶は、反射波長の温度依存性が低下する。
式Iの化合物は、LCDにおけるカラーフィルターのような光学膜として、あるいは装飾またはセキュリティ用画像として使用できるパターン化されたキラルLC膜を調製するための、重合可能な混合物中での使用に特に適している。
LC相挙動を誘導または増強するために、式Iの化合物を、基Pを介して、その他の重合可能なメソゲン性モノマーと共重合させることも可能である。
特に好ましいのは、式Iの化合物であり、式中、
− AおよびAが、置換1,4−フェニレンであるもの、
− m1=m2=0であるもの、
− m1=m2=1であるもの、
− ZおよびZが、−COO−、−OCO−、−C≡C−または単結合であるもの、
− RがP−Sp−であるもの、
− Rが、1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルキルもしくはアルコキシ、または2〜12個、好ましくは2〜7個の炭素原子を有するアルケニルであるもの、
− Spが、隣接環状基AまたはAに−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合を経由して結合した、1〜12個の炭素原子を有するアルキレンであるもの、
− Spが、単結合であるものである。
Lは、好ましくは、F、Cl、Br、I、CN、NO、あるいは1〜8個の炭素原子を有し、その中の1個または複数のH原子がFまたはClで置換されてもよい直鎖または分枝状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシである。
極めて好ましくは、Lが、F、Cl、CN、NO、あるいは1〜4個の炭素原子を有し、その中のアルキル基がパーフルオロ化されてもよい直鎖もしくは分枝状のアルキル、アルコキシ、またはアルキルカルボニルから選択される。
特に好ましい基Lは、F、Cl、CN、NO、CH、C、C(CH、CH(CH、CHCH(CH)C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHFまたはOCから選択され、特に、F、Cl、CN、CH、C、C(CH、CH(CH、OCH、COCHまたはOCFから選択され、最も好ましくは、F、Cl、CH、C(CH、OCHまたはCOCHから選択される。
好ましい基AおよびAは、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、フェニレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、アズレン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アントラセンおよびフェナントレンである。
特に好ましくは、AおよびAが、1個または2個の非隣接CH基がOおよび/またはSで置換されていてもよい、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、または1,4−シクロヘキシレンから選択され、これらの基は、非置換であるか、式Iで定義したLで単置換または多置換される。
好ましくは、式I中の基−(A−Zm1−A−および−A−(Z−Am2−は、単環基A1−4のみを含む。極めて好ましくは、基−(A−Zm1−A−および−A−(Z−Am2−が、1個または2個の5または6員環を含む。
好ましいメソゲン基−(A−Zm1−A−および−A−(Z−Am2−のより小さな基を以下に列挙する。単純化のために、これらの基の中で、Pheは1,4−フェニレンであり、PheLは式Iで定義した1〜4個のLで置換された1,4−フェニレンであり、Cycは1,4−シクロヘキシレンであり、Zは式IにおけるZの意味の1つを有する。リストは次の下位式およびその鏡像体を含む。
−PheL− II−1
−PheL−Z−Phe− II−2
−PheL−Z−PheL− II−3
−PheL−Z−Cyc− II−4
Zは、好ましくは、−COO−、−OCO−、−CHCH−または単結合である。
極めて好ましくは、基−(A−Zm1−A−および/または−A−(Z−Am2−が、次式およびそれらの鏡像体から選択されるものである。
Figure 2006526669
式中、Lは、前記で付与した意味を有し、rは1、2、3または4、好ましくは1または2である。
これらの好ましい式中の基
Figure 2006526669
は、極めて好ましくは、
Figure 2006526669
、さらには
Figure 2006526669
を意味し、Lはそれぞれ独立に前記で付与した意味の1つを有する。
式Iの中の特に好ましい化合物は、式中、rが1である少なくとも2個の基
Figure 2006526669
および/または、式中、rが2である少なくとも1個の基
Figure 2006526669
を含んでいる。
Rが、アルキル基、あるいはアルコキシ基、すなわち末端CH基が−O−で置換されている場合には、これらの基は直鎖または分枝状でよい。好ましくは直鎖状であり、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有し、したがって好ましくは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、またはオクトキシであり、加えて、メチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
オキサアルキル、すなわち、1個のCH基が−O−で置換されている場合は、好ましくは、例えば、直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−オキサブチル(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサへキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニル、あるいは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
Rが、1個または複数のCH基が−CH=CH−で置換されたアルキル基である場合には、Rは直鎖または分枝状でよい。好ましくは直鎖状であり、2〜10個の炭素原子を有し、したがって、好ましくは、ビニル、プロプ−1−またはプロプ−2−エニル、ブト−1−、2−またはブト−3−エニル、ペント−1−、2−、3−またはペント−4−エニル、ヘキス−1−、2−、3−、4−またはヘキス−5−エニル、ヘプト−1−、2−、3−、4−、5−またはヘプト−6−エニル、オクト−1−、2−、3−、4−、5−、6−またはオクト−7−エニル、ノン−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−またはノン−8−エニル、デス−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−またはデス−9−エニルである。
特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特に、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4E−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が一般的に好ましい。
Rが、1個のCH基が−O−で置換され、もう1個のCH基が−CO−で置換されたアルキル基である場合には、これらの置換された基は隣接するのが好ましい。したがって、これらの置換された基は、一緒になって、カルボニルオキシ基−CO−O−、またはオキシカルボニル基−O−CO−を形成する。好ましくは、この基Rは、直鎖状であり、2〜6個の炭素原子を有する。
したがって、Rは、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシカルボニル)−ブチルである。
Rが、2個以上のCH基が−O−および/または−COO−で置換されたアルキル基である場合には、Rは直鎖または分枝状でよい。Rは直鎖であり、3〜12個の炭素原子を有するのが好ましい。したがって、Rは、好ましくはビス−カルボキシ−メチル、2,2−ビス−カルボキシ−エチル、3,3−ビス−カルボキシプロピル、4,4−ビス−カルボキシ−ブチル、5,5−ビス−カルボキシ−ペンチル、6,6−ビス−カルボキシヘキシル、7,7−ビス−カルボキシ−ヘプチル、8,8−ビス−カルボキシ−オクチル、9,9−ビス−カルボキシ−ノニル、10,10−ビス−カルボキシ−デシル、ビス−(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(メトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(メトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(メトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(メトキシカルボニル)−ペンチル、6,6−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘプチル、8,8−ビス−(メトキシカルボニル)−オクチル、ビス−(エトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(エトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(エトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(エトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(エトキシカルボニル)−ヘキシルである。
Rが、CNまたはCFで単置換されたアルキルまたはアルケニル基である場合には、Rは直鎖であるのが好ましい。CNまたはCFによる置換は、所望する任意の位置でよい。
Rが、ハロゲンで少なくとも単置換されたアルキルまたはアルケニルである場合には、Rは直鎖であるのが好ましい。ハロゲンは、好ましくはFまたはClであり、複数置換の場合にはFが好ましい。置換して得られる基には、パーフルオロ化された基も含まれる。単置換の場合、FまたはCl置換基は、所望する任意の位置でよいが、好ましくはω−位である。末端にF置換基を有する特に好ましい直鎖状基の例としては、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロへキシルおよび7−フルオロヘプチルである。しかし、Fはその他の位置にも存在できる。
ハロゲンは、好ましくは、FまたはClである。
Rは、極性または非極性基でよい。極性基の場合、Rは、CN、SF、ハロゲン、OCH、SCN、COR、COOR、または、1〜4個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−もしくはポリフッ化アルキルまたはアルコキシ基から選択される。Rは、1〜4個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するフッ素化されてもよいアルキルである。特に好ましい極性基は、F、Cl、CN、OCH、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、CHF、CHF、OCF、OCHF、OCHF、CおよびOCから、特に、F、Cl、CN、CF、OCHFおよびOCFから選択される。非極性基の場合、Rは、好ましくは、15個までの炭素原子を有するアルキル、または2〜15個の炭素原子を有するアルコキシである。
Rは、アキラルまたはキラルな基でよい。キラルな基である場合には、Rは、好ましくは、式IIIから選択され、
Figure 2006526669
式中、
は、1〜9個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルキレン−オキシ基であるか、あるいは単結合であり、
は、1〜10個の炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、BrまたはCNで単置換または多置換されてもよいアルキルまたはアルコキシ基であり、その際、1個または複数の非隣接CH基を、それぞれの場合に互いに独立に、酸素原子が互いに直接結合しないような形態で、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−で置換することも可能であり、
は、F、Cl、Br、CN、またはQに対して定義したと同様ではあるがQと異なるアルキルまたはアルコキシ基である。
式III中のQがアルキレン−オキシ基である場合には、酸素原子が、キラル炭素原子に隣接しているのが好ましい。
式IIIの好ましいキラル基は、2−アルキル、2−アルコキシ、2−メチルアルキル、2−メチルアルコキシ、2−フルオロアルキル、2−フルオロアルコキシ、2−(2−エチン)−アルキル、2−(2−エチン)−アルコキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−アルコキシである。
特に好ましいキラル基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロルプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。極めて好ましいのは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
さらに、アキラルな分枝状基Rを含む化合物は、例えば、結晶化の傾向を低減するので、場合によっては重要である。この型の分枝状基は、一般に、1個を超える鎖の分岐を含まない。好ましいアキラルな分枝状基はイソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシである。
重合可能なまたは反応性の基Pは、好ましくは、CH=CW−COO−、
Figure 2006526669
、CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−、およびWSi−から選択され、Wは、H、Cl、CN、フェニルまたは1〜5個の炭素原子を有するアルキル、特に、H、ClまたはCHであり、WおよびWは、互いに独立に、Hまたは1〜5個の炭素原子を有するアルキル、特に、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、互いに独立に、Cl、1〜5個の炭素原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、Pheは、1個または複数の前に定義した基Lで置換されてもよい1,4−フェニレンであり、kおよびkは、互いに独立に、0または1である。
特に好ましくは、Pは、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、オキセタン基またはエポキシ基であり、アクリレート基またはメタクリレート基がとりわけ好ましい。
スペーサー基Spに関しては、この目的のために当業者に周知であるすべての基を使用できる。スペーサー基Spは、好ましくは式Sp’−Xからなり、したがって、P−SpはP−Sp’−X−であり、式中、
Sp’は、20個までの炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換されてもよいアルキレンであり、その1個または複数の非隣接CH基を、それぞれの場合に互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような形態で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−により置換することも可能であり、
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
、R00、YおよびYは、式Iで付与した意味の1つを有する。
Xは、好ましくは、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CX=CX−、−C≡C−または単結合であり、特に、−O−、−S−、−C≡C−、−CX=CX−または単結合であり、特に好ましくは、−C≡C−または−CX=CX−などの共役系を形成できる基であるか、または単結合である。さらに、好ましい基Xは、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR、−NR−CO−O−および−O−CO−NR−である。
基Sp’は、典型的には、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−、あるいは−(SiR00−O)−であり、pは2〜12の整数であり、qは1〜3の整数であり、RおよびR00は前記で付与した意味を有する。
好ましい基Sp’は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
さらに好ましいのは、Spが単結合である1個または2個の基P−Sp−を有する化合物である。2個の基P−Spを有する化合物の場合には、2つの重合可能な基Pおよび2つのスペーサー基Spのそれぞれは同一でも異なってもよい。
もう1つの好ましい実施形態において、基Sp’は、式IVのキラルな基であり、
Figure 2006526669
式中、
およびQは、式IIIで付与した意味を有し、
は、1〜10個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルキレン−オキシ基、あるいは単結合であり、Qとは異なり、
は、重合可能な基Pに結合している。
特に好ましい式Iの化合物は、次式の化合物であり、
Figure 2006526669
式中、PおよびSpは、前に定義した通りであり、L1−4は、互いに独立に、Hを意味するか、あるいはLの意味の1つを有し、L1−4の少なくとも1つは、Hと異なる。
特に好ましいのは、式Ia〜Icの化合物であり、該式中、LおよびLはHであり、LおよびLの1つまたは双方がHと異なる。これらの好ましい化合物中のLおよびLは、極めて好ましくは、F、Cl、CN、NO、CH、C、C(CH、CH(CH、CHCH(CH)C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHFおよびOCから選択される。
式Iの化合物は、それ自体周知である方法、および、例えばHouben−Weylの「Methoden der organischen Chemie」Thieme−Verlag、Stuttgartなど、有機化学の標準的著作に記載されている方法にしたがって、またはそれからの類推で合成できる。好ましくは、下記の反応スキーム1にしたがって、またはそれからの類推で化合物を合成する。さらなる方法を実施例から選択できる。
スキーム1:
Figure 2006526669
式Iの化合物は、マルチプレックスまたはアクティブマトリックスアドレッシングを用いた例えばねじれまたは超ねじれネマティックディスプレイのように液晶マトリックスのねじれた分枝構造を示す液晶ディスプレイ用の液晶混合物において、あるいは強誘電性またはコレステリックディスプレイ用の例えばキラルなスメクティックまたはキラルなネマティック(コレステリック)混合物のようなキラルな液晶相を有する液晶混合物を含むディスプレイにおいて使用できる。
本発明の化合物、混合物およびポリマーは、WO92/19695、WO93/23496、US5,453,863またはUS5,493,430に記載の、例えば表面安定化またはポリマー安定化コレステリック組織ディスプレイ(SSCT、PSCT)などのコレステリックディスプレイ用に、特に、例えばWO98/57223に記載のマルチドメイン液晶ディスプレイ、あるいは、US5,668,614に記載のマルチカラーコレステリックディスプレイなどの可変ピッチを有する液晶デバイス用に特に適している。
前述の文献の全開示を参照により本出願に導入する。
式Iの本発明化合物は、光照射によってその色を変えるホトクロミック液晶媒体での使用にも適している。
したがって、本発明のもう1つの対象は、少なくとも1種のキラルな式Iの化合物を含む液晶混合物である。
本発明のさらなるもう1つの対象は、少なくとも1種のキラルな式Iの化合物を含有するコレステリック液晶媒体を含むコレステリック液晶ディスプレイである。
本発明化合物は、液晶ホスト混合物に対して良好な溶解性を有し、混合物の相挙動および電気光学特性にそれほど影響を与えずに、ドーパントとして液晶ホストに多量に添加できる。それによって、低温での望ましくない自発的結晶化を低減し、混合物の動作温度範囲を拡大できる。さらに、これらのキラル化合物は、混合物の特性に影響を与えないでドーパント濃度を高めて低ピッチ値(高ねじれ)を得ることができるので、それらの化合物が低HTPを有する場合でさえ高ねじれ液晶媒体を調製するのに使用できる。したがって、結晶化を回避するために添加されることの多い第二のドーパントの使用を避けることができる。
また、本発明の式Iのキラル化合物は、高いHTP値を示す。高らせんねじれ、すなわち低ピッチを有する液晶混合物は、これらの化合物をドーパントとして使用することによって調製することができ、あるいは、これらの本発明化合物をドーパントとして極めて少量で使用することによって中程度のらせんねじれを有する液晶混合物を得ることができる。
上で述べたように、本発明化合物は、液晶混合物の物理的特性に与える影響の度合いが極めて小さいので、さらに有利である。
したがって、式Iのキラル化合物を、例えば、液晶ディスプレイで使用される正の誘電異方性を有する液晶混合物に混合すると、誘電異方性の減少は極めてわずかであり、液晶混合物の粘度増加の程度も極めて小さい。これによって、従来のドーパントを含むディスプレイと比較した場合、ディスプレイのしきい値電圧がより低下し、スイッチング時間が改善されることになる。
本発明による液晶混合物は、好ましくは、0.1〜30wt%、特に1〜25wt%、極めて特に好ましくは2〜15wt%の式Iのキラル化合物を含有する。
本発明による液晶混合物は、1〜3種の式Iのキラル化合物を含有するのが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、液晶混合物は、2〜25種、好ましくは3〜15種の化合物からなり、その中の少なくとも1種は式Iのキラル化合物である。その他の化合物は、好ましくは、ネマティックまたはネマトゲン性物質から、例えば、既知のアゾキシベンゼン類、ベンジリデン−アニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、安息香酸フェニルまたはシクロヘキシル類、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、安息香酸の、シクロヘキサンカルボン酸のおよびシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルシクロへキサン類、シクロヘキシルシクロヘキセン類、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン類、1,4−ビス−シクロヘキシルベンゼン類、4,4’−ビス−シクロヘキシルビフェニル類、フェニル−またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−またはシクロヘキシルピリジン類、フェニル−またはシクロヘキシルピリダジン類、フェニル−またはシクロヘキシルジオキサン類、フェニル−またはシクロヘキシル−1,3−ジチアン類、1,2−ジフェニル−エタン類、1,2−ジシクロヘキシルエタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン類、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)エタン類、1−シクロヘキシル−2−ビフェニル−エタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシル−フェニルエタン類、ハロゲン化されてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル、トラン類、置換桂皮酸類、およびさらなるネマティックまたはネマトゲン性物質類から選択される、低分子量液晶化合物である。これらの化合物中の1,4−フェニレン基は、側部で単フッ素化または二フッ素化されてもよい。
この好ましい実施形態の液晶混合物は、この型のアキラル化合物をベースにする。
これらの液晶混合物の成分となり得る最も重要な化合物は、次式、
R’−L’−G’−E−R”
で特徴付けられ、式中、L’およびEは、同一または異なってもよく、それぞれの場合に、互いに独立に、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−B−Phe−および−B−Cyc−、ならびにこれらの鏡像体から形成される群からの二価の基であり、ここで、Pheは非置換の、またはフッ素で置換された1,4−フェニレンであり、Cycはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、Bは2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジリル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである。
これらの化合物中のG’は、次の二価の基、−CH=CH−、−N(O)N−、−CH=CY−,−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−または単結合から選択され、Yはハロゲン、好ましくは塩素であるか、または−CNである。
R’およびR”は、それぞれの場合、互いに独立に、1〜18個、好ましくは3〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであるか、あるいは代わりに、R’およびR”の一方がF、CF、OCF、Cl、NCSまたはCNである。
これらの化合物のほとんどにおいて、R’およびR”は、それぞれの場合に、互いに独立に、鎖長を異にするアルキル、アルケニルまたはアルコキシであり、ネマティック媒体における炭素原子の総数は2〜9個、好ましくは2〜7個である。
これらの化合物またはその混合物の多くは市販されている。これら化合物のすべては、既知であるか、あるいは文献(例えば、Houben−Weylの「Methoden der Organischen Chemie(有機化学の方法)」、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart)などの標準的著作に記載されているような、周知であり該反応に適した反応条件下で確実である、本質的に周知である方法によって調製できる。ここで、本質的に周知であるがここでは言及しない変法を使用することもできる。
本発明化合物は、重合可能な液晶混合物、異方性ポリマーゲル、および異方性ポリマー膜、特に、均一な平面状配向を有するらせん状にねじれた分子構造を示す、すなわち配向したコレステリック膜のようにらせん軸が膜平面に対して垂直に配向したポリマー膜の調製に好んで使用される。
異方性ポリマーゲルおよびそれらを含むディスプレイは、例えば、DE19504224およびGB2279659に開示されている。
配向したコレステリックポリマー膜は、例えば、ブロードバンド反射偏光板、カラーフィルター、セキュリティマーキングとして、あるいは液晶顔料を調製するために使用できる。
ブロードバンドコレステリック偏光板は、例えば、EP0606940、WO97/35219またはEP0982605に記載されている。カラーフィルターは、例えば、EP0720041またはEP0685749およびR.MaurerらによるSID1990 Digest、110〜113に記載されている。液晶顔料は、例えば、EP0601483、WO97/27251、WO97/27252、WO97/30136またはWO99/11719に記載されている。
異方性ポリマーゲルまたは配向したポリマー膜を製造するためには、液晶混合物が、少なくとも1種の重合可能な化合物、好ましくは重合可能なメソゲン化合物を含むべきである。
したがって、本発明のもう1つの対象は、少なくとも2種の化合物を含む重合可能な液晶混合物であり、その化合物の中の少なくとも1種は式Iのキラル化合物であり、その化合物の中の少なくとも1種は重合可能な化合物である。重合可能な化合物は、少なくとも1種の式Iの前記化合物または追加の化合物でよい。
好ましくは、重合可能な液晶混合物は、1個の重合可能な官能基を有する少なくとも1種の重合可能なメソゲン化合物、および2個以上の重合可能な官能基を有する少なくとも1種の重合可能なメソゲン化合物を含む。
本発明に使用される重合可能な単反応性、二反応性および多反応性化合物は、本質的に周知である方法、および例えば有機化学の標準的著作、例えばHouben−Weylの「Methoden der organischen Chemie」Thieme−Verlag、Stuttgartなどに記載されている方法によって調製できる。
重合可能なLC混合物中でモノマーまたはコモノマーとして本発明による化合物と一緒に使用できる適切で重合可能なメソゲン化合物は、例えば、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、WO95/22586、WO97/00600およびGB2351734に開示されている。しかし、これらの文献に開示された化合物は、単なる例とみなすべきであり、本発明の範囲を限定するものではない。
特に有用なキラルおよびアキラルで重合可能メソゲン化合物の例を以下に列挙するが、これらは単なる例示と解釈すべきであり、いかなる意味でも本発明を限定するものではなく、本発明を説明することを意図したものである。
Figure 2006526669
Figure 2006526669
Figure 2006526669
上式で、Pは、重合可能な基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタン、またはスチリル基であり、xおよびyは、同一または異なって1〜12の整数であり、Aは、Lによって単置換、二置換もしくは三置換されてもよい1,4−フェニレンであるか、あるいは1,4−シクロヘキシレンであり、uおよびvは、互いに独立に0または1であり、Zは、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、Rは、極性基または無極性基であり、Terは、例えばメンチルのようなテルペノイド基であり、Cholは、コレステリル基であり、L、LおよびLは、互いに独立に、H、F、Cl、CN、または1〜7個の炭素原子を有するハロゲン化されてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ基であり、rは、0、1、2、3または4である。上式中のフェニル環は、1、2、3または4個の基Lにより置換されていてもよい。
この関連で「極性基」という用語は、F、Cl、CN、NO、OH、OCH、OCN、SCN、4個までの炭素原子を有するフッ素化されてもよいアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ基、あるいは1〜4個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−またはポリフッ化アルキルまたはアルコキシ基から選択される基を意味する。「無極性」という用語は、「極性基」についての前記の定義に包含されず、1個以上、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するハロゲン化されてよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ基を意味する。
本発明による重合可能なLC混合物には、式Iの化合物のほかに、例えば、商業的に入手可能なノナン酸コレステリル(CN)、CB15、R/S−811、R/S−1011、R/S−2011、R/S−3011、R/S−4011またはR/S−5011(Merck KGaA、Darmstadt)のような1種または複数のさらなるキラルドーパントを含めてもよい。特に好ましいのは、キラルな糖基、特に、例えばソルビトール、マンニトールまたはイディトールのようなジアンヒドロへキシトール誘導体、極めて好ましくはWO98/00428に開示されているソルビトール誘導体を含む、高いねじれ力を有するドーパントである。さらに好ましいのは、GB2,328,207に記載のヒドロベンゾイン基、WO02/94805に記載のキラルなビナフチル誘導体、WO02/34739に記載のキラルなビナフトールアセタール誘導体、WO02/06265に記載のキラルなTADDOL誘導体を含むドーパント、ならびに、WO02/06196およびWO02/06195に記載の少なくとも1種のフッ素化結合基および末端もしくは中心キラル基を有するキラルドーパントである。
異方性ポリマー膜を調製するためには、重合可能なLC混合物を、基板上に塗布し、配向させ、例えば熱または化学線照射に暴露することによって重合させて、LC分子の配向を固定すること好ましい。配向および硬化は、混合物のLC相で実施される。この技術は、当技術分野で周知であり、例えばD.J.BroerらがAngew.Makromol.Chem.183、(1990)45〜66に一般的に記載している。
LC材料の配向は、例えば、その材料が塗布される基板を処理すること、塗布中または塗布後にその材料を剪断すること、塗布された材料に磁場または電場を印加すること、またはそのLC材料に界面活性化合物を添加することによって達成できる。配向技術に関する総説としては、例えば、I.Sageによる「Thermotropic Liquid Crystals」G.W.Gray編、John Wiley & Sons、1987年、75〜77頁、およびT.UchidaおよびH.Sekiによる「Liquid Crystals−Applications and Uses Vol.3」B.Bahadur編、World Scientific Publishing、シンガポール 1992年、1〜63頁がある。配向材料および技術に関する総説としては、J.CognardによるMol.Cryst.Liq.Cryst.78巻、補巻1(1981年)、1〜77頁がある。
重合は、熱または化学線照射に暴露することによって起こる。化学線照射とは、UV光、IR光または可視光のような光を用いた照射、X線またはガンマ線を用いた照射、あるいはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子を用いた照射を意味する。好ましくは、吸収されない波長のUVを照射して、重合を実施する。化学線照射用の線源としては、例えば、単一UVランプまたは集合UVランプを使用できる。高いランプ出力を使用すると、硬化時間を短縮できる。化学線照射のためのその他の可能な線源としては、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視光レーザーのようなレーザーがある。
重合は、好ましくは、化学線照射の波長で吸収のある開始剤の存在下で実施される。例えば、UV光によって重合させる場合には、UV照射下で分解して、重合反応を開始させるフリーラジカルまたはイオンを生成する光開始剤を使用できる。アクリレートまたはメタクリレート基を有する重合可能な材料を硬化させる場合には、ラジカル光開始剤を使用するのが好ましく、ビニル、エポキシドおよびオキセタン基を有する重合可能な材料を硬化させる場合には、カチオン光開始剤を使用するのが好ましい。加熱の際に分解して重合を開始させるフリーラジカルまたはイオンを生成する重合開始剤を使用することもできる。ラジカル重合用の光開始剤としては、例えば、商業的に入手可能なイルガキュア(Irgacure)651、イルガキュア184、ダロキュア(Darocure)1173またはダロキュア4205(すべてCiba Geigy AGから)を使用することができ、カチオン光重合の場合には、商業的に入手可能なUVI6974(Union Carbide)を使用できる。
重合は、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で実施するのが好ましい。
基板としては、例えば、ガラスまたは石英の薄板、およびプラスチックの膜または薄板を使用できる。重合前、重合中および/または重合後に、塗布された混合物の上面に第二の基板を載せることも可能である。基板は、重合後に取り外してもよいし、外さなくてもよい。化学線照射によって硬化させる場合に2枚の基板を使用するのであれば、少なくとも1枚の基板は、重合のために使用する化学線照射に対して透過性でなければならない。等方性または複屈折性基板を使用できる。重合後に重合した膜から基板を取り外さない場合には、等方性基板を使用するのが好ましい。好ましくは、少なくとも1枚の基板が、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステルの膜、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)の膜などのプラスチック基板であり、特に好ましくはPET膜またはTAC膜である。複屈折性基板としては、例えば、一軸延伸プラスチック膜を使用できる。例えば、PET膜は、ICI Corp.からメリネックス(Melinex)の商品名で商業的に入手できる。
重合可能な混合物を、好ましくは、基板上または基板間に薄い層として塗布し、そのキラルな中間相、例えばコレステリックまたはキラルスメクティック相に配向して、平面配向、すなわち分子らせんの軸が層に対して側方に伸びる配向が得られる。平面配向は、例えば、ドクターブレードなどで混合物を剪断することによって達成できる。また、配向層、例えばラビングしたポリイミドまたはスパッタリングしたSiOの層を基板の少なくとも1枚の上面に設けることも可能である。別法としては、第二の基板を塗布された材料の上面に載せる。この場合は、2枚の基板を一緒にすることによって生させた剪断によって、十分に良好な配向が得られる。また、塗布された混合物に電場または磁場を印加することも可能である。
場合によっては、第二の基板を利用することが、重合可能な混合物の配向を助けるのみならず、重合を阻害することもある酸素を排除するためにも有利である。選択肢として、硬化は、不活性ガス雰囲気下で実施できる。しかし、適切な光開始剤および高いランプ出力を使用すると、空気中での硬化も可能である。カチオン光開始剤を使用する場合には、ほとんどの場合、酸素を排除する必要はないが、水は排除すべきである。
異方性ポリマー膜を調製するための本発明の重合可能な液晶混合物は、好ましくは、0.1〜35wt%、特に0.5〜15wt%、極めて特に好ましくは0.5〜5wt%の1種または複数の重合可能な式Iのキラル化合物を含む。1〜3種の式Iのキラル化合物を含む重合可能な液晶混合物が好ましい。
重合可能な材料には、さらに、1種または複数のその他の適切な成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤、共反応モノマー、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動改善剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料などを含めることができる。
好ましくは、本発明の重合可能な混合物は、例えば組成物の貯蔵中における望ましくない自発的重合を阻止するために使用される安定剤を含む。安定剤としては、この目的に対して当業者が周知であるすべての化合物を基本的には使用できる。このような化合物は、広範な種類が商業的に入手可能である。安定剤の典型的な例は、4−エトキシフェノールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。
また、ポリマーの架橋を増やすために、重合可能な混合物に、2個または複数の重合可能な官能基を有する非メソゲン化合物を、多官能性で重合可能なメソゲン化合物に代えてまたはそれに追加して、好ましくは20wt%までの量で、添加することも可能である。二官能性の非メソゲン性モノマーの典型的な例は、1〜20個の炭素原子からなるアルキル基を有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタクリレートである。2個を超える重合可能な基を有する非メソゲン性モノマーの典型的な例は、トリメチルプロパントリメタクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
1個だけの重合可能な官能基を有する化合物を含む本発明の組成物を重合させると、線状ポリマーが生じ、一方、1個を超える重合可能な官能基を有する化合物の存在下では、架橋ポリマーが得られる。
異方性ポリマーゲルを調製するためには、液晶混合物を、前記のように in situ で重合させることができるが、この場合、重合可能な混合物の配向は、必ずしも必要ではない。
光異性化が可能な式Iの化合物は、平面配向を有するコレステリック膜または層を調製するのに特に適している。このような層または膜は、入射光と、コレステリック材料のらせん状にねじれた構造との相互作用で生じる、円偏向した可視光を選択的に反射する。反射中心波長λは、式(2):
λ=n・p (2)
により、コレステリック材料のピッチpおよび平均屈折率nによって決まる。
反射される波長バンドのバンド幅Δλは、式(3):
Δλ=Δn・p (3)
により、コレステリック材料のピッチおよび複屈折Δnによって決まる。
平面状配向を有するコレステリック層の反射波長λは、式(4):
λ(α)=λ(0)cos[arcsin((sinα)/n)] (4)
[式中、λ(0)は、垂直観察での反射波長であり、λ(α)は、視野角αでの反射波長である]
により、第一近似としては視野角によって決まる(Eberleら、Liq.Cryst.1989、5(3)、907〜916を参照されたい)。したがって、視野角が大きくなると、反射色はより短波長の方向に移動する。この現象は、専門家には「カラーフロップ(colour flop)」として知られており、装飾またはセキュリティの用途で利用される。
式Iの化合物中に光異性化が可能な基が存在するため、本発明の化合物およびそれらを含む液晶材料のキラリティーを光照射によって変更できる。光照射は、例えば、UV光、またはレーザーなどのその他の高エネルギー源による照射で達成できる。ホトマスクの技術を使用することによって、材料中の選択した領域のみでキラリティーを変更することも可能であり、次いで、例えば重合によってそのキラリティーを固定する。
したがって、本発明は、さらに、式Iの化合物または上記および下記の重合可能なLC媒体を、配向および/または光学特性を異にする少なくとも2つの領域からなるパターンを有する配向状態で重合させることによって得られるキラルな異方性ポリマー膜に関する。該膜は、らせんピッチ、反射波長、反射光の回転方向、および反射光の視野角依存性(カラーフロップ)から選択される少なくとも1種の特性を異にする、少なくとも2つの領域からなるパターンを示すことが好ましい。
例えば、本発明の化合物および混合物は、反射波長λおよび反射バンド幅Δλなどの光学特性を容易に変更できる反射性コレステリック膜を調製するのに使用できる。例えば、異なる反射波長λの領域を含む水平パターンを有するコレステリック反射膜、または反射した波長バンドが広いバンド幅Δλを有するブロードバンド反射膜を調製できる。このような膜の調製は、例えば、WO00/34808およびP.van de Witteらによる論文、J.Mater.Chem.9(1999)、2087〜2094に記載されており、そのすべての開示を参照により本出願に組み込む。また、パターン化したコレステリック膜およびブロードバンド反射膜の調製を、例示として以下に記載する。
可変波長を有するコレステリック膜は、例えば次のように調製できる。
キラルで光異性化が可能な本発明の式Iの化合物を含む重合可能なコレステリック混合物の薄層を、基板上に塗布し、前記のように平面状配向に配向させる。塗布され配向された層は、前記の式(2)により、らせんピッチpで決まる波長λの選択的反射を示す。塗布された層を適切な波長の光照射に暴露すると、式Iの化合物中の光異性化が可能な基(群)が異性化する。これによって、光異性化が可能な化合物のHTPがシフトし、前記の式(1)により、らせんピッチp、したがって層の反射波長λが変化する。異性化およびλのシフトの程度は、例えば照射時間および/または照射線量を変更することによって調節できる。
層の一部のみを光照射に暴露すると、らせんピッチおよび反射波長は、暴露された部分のみで変化し、非暴露部分では変化しないままで残る。これは、例えば、塗布層の上面に置いたホトマスクを通して光照射することにより達成できる。その後に、例えばホトマスクを通したin situ での光重合による重合によって、ピッチが変化したそれらの部分でコレステリック構造が固定される。次いで、塗布層中の非暴露部分に対して、異なる条件下、例えば異なる照射時間および/または照射線量で、前記の光異性化および(光)重合段階を繰り返すと、異なる反射波長を示す異なる領域を有するパターン化されたコレステリック膜が得られる。このようなパターン化された膜は、例えば、液晶ディスプレイまたはプロジェクターのような光学または電気光学デバイスにおけるカラーフィルターとして使用するのに適している。これらの膜は、例えば、クレジットカード、パスポート、紙幣またはその他の有価証券の偽造を識別または防止するためのセキュリティマーキングに使用できる。
ブロードバンドコレステリック反射膜は、例えば次のように調製できる。
光異性化が可能な式Iの化合物を含む平面状配向を有するコレステリック混合物の層に、さらに、異性化可能化合物が光異性化を示す波長に吸収極大を有する染料を含める。例えば、混合物に、UV領域の波長で異性化を示す異性化可能化合物をUV染料と一緒に含めてもよい。混合物を前記のようなUV照射に暴露すると、染料が、層厚中にUV光強度の勾配を形成する。その結果、異性化は、底部でよりも上端部でより速く、ピッチの勾配が生まれ、反射波長バンドが拡大することになる。ピッチ勾配および反射バンド幅は、例えば、膜厚、照射時間、照射線量および/またはUV染料および光異性化可能化合物の濃度を変えることによって調節できる。コレステリック混合物が1種または複数の重合可能な成分を含む場合には、in situ で重合させることによって膜の構造を固定できる。
本発明によるLC膜は、液晶ディスプレイまたは投射システムにおける偏光板、補償板、円偏光板またはカラーフィルターのような光学素子として、配向層、装飾画像として、液晶またはエフェクト顔料の調製のために、特に、場所によって変化する反射色を有する反射膜として、例えば、装飾、情報記憶、またはセキュリティ用途、例えば身分証明書もしくはクレジットカード、紙幣などのような偽造不能な証書のためのマルチカラー画像として、有用である。
光配向が可能な式Iの化合物、すなわち、直線偏光で照射することによって好ましい方向に配向することが可能であり、それによって液晶の配向を誘導できる化合物は、例えばUS5,602,661またはEP0689084A2に記載されているように、一方向性もしくは局部的に変化する配向または配向特性を有する重合または架橋した異方性膜を調製するために、場合によっては、その他の単反応性または二反応性のメソゲン性または液晶性化合物との混合物で使用できる。このような膜は、該膜上に供給される重合可能なまたは非反応性のLC混合物のための配向層として使用できる。また、光配向が可能な式Iの化合物を含む混合物は、別個の配向層を必要とせず、光学素子として直接使用するための均一または局部的に変化する配向を有する単一ポリマー膜を調製するのに使用できる。
本発明によるLC膜は、透過型または反射型のディスプレイで使用できる。これらの膜は、従来のLCD、特に、例えばECB(電気制御複屈折)、CSH(カラースーパーホメオトロピック)、VANまたはVAC(垂直配向ネマティックまたはコレステリック)ディスプレイ、MVA(マルチドメイン垂直配向)またはPVA(パターン化垂直配向)ディスプレイのようなDAP(配向相の変形)またはVA(垂直配向)モードのLCDにおいて、例えばOCB(光学的補償ベンドセルまたは光学的補償複屈折)、R−OCB(反射OCB)、HAN(ハイブリッド配向ネマティック)またはパイ−セル(π−セル)ディスプレイのような曲げ方式またはハイブリッド型ディスプレイにおいて、さらに、TN(ねじれネマティック)、HTN(高ねじれネマティック)またはSTN(超ねじれネマティック)モードのディスプレイにおいて、AMD−TN(アクティブマトリックス駆動TN)ディスプレイにおいて、あるいは「超TFT」ディスプレイとしても知られているIPS(面内切換)モードのディスプレイにおいて、使用できる。特に好ましいのは、VA、MVA、PVA、OCBおよびパイ−セルディスプレイである。
以下の実施例により本発明を例示するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。本明細書において、特記しない限り、温度は摂氏で示し、すべてのパーセントは重量による。
前記のスキーム1にしたがって、化合物(1a)を調製した。
Figure 2006526669
同様にして以下の化合物を調製した。
Figure 2006526669

Claims (16)

  1. 式Iの化合物。
    P−Sp−(A−Zm1−A−CH=CH−CO−G−CO−CH=CH−A−(Z−Am2−R I
    {式中、
    Pは、重合可能なまたは反応性の基であり、
    Spは、スペーサー基または単結合であり、
    Gは、次の基から選択され、
    Figure 2006526669
    およびAは、互いに独立に、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含んでもよく、Lで単置換または多置換されてもよい、芳香族または脂環式基であり、
    およびAは、互いに独立に、1個または複数のCH基がNで置換されてもよく、Lで単置換または多置換されてもよい、1,4−フェニレンであり、
    Lは、F、Cl、Br、I、CN、NO、OH、NCS、SF、またはアルキルであり(該アルキルは、直鎖または分枝状であり、1〜8個の炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換され、該アルキル中の1個または複数の非隣接CH基は、それぞれの場合に互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような形態で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−、または−C≡C−で置換されてもよい)、
    およびZは、互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−,−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
    およびYは、互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、
    Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、NCS、SF、またはアルキルであり、あるいは、P−Spの意味の1つを有する(該アルキルは、直鎖または分枝状であり、1〜20個の炭素原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換され、該アルキル中の1個または複数の非隣接CH基は、それぞれの場合に互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような形態で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−、または−C≡C−で置換されてもよい)、
    およびR00は、互いに独立に、H、または1〜12個の炭素原子を有するアルキルであり、
    m1およびm2は、互いに独立に、0、1または2であり、
    但し、前記化合物は、Lで少なくとも単置換された少なくとも1個の基A、A、A、またはAを含有する。}
  2. −(A−Zm1−A−および/または−A−(Z−Am2−が、以下の式およびこれらの鏡像体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2006526669
    (式中、Lは式Iにおける意味を有し、rは1、2、3または4である)
  3. m1=m2=0であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
  4. RがP−Spであることを特徴とする、請求項1から3までの少なくとも一項に記載の化合物。
  5. Lが、F、Cl、Br、I、CN、NO、あるいは1〜8個の炭素原子を有し、1個または複数のH原子がFまたはClで置換されてもよい直鎖または分枝状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシから選択されることを特徴とする、請求項1から4までの少なくとも一項に記載の化合物。
  6. 次式から選択されることを特徴とする、請求項1から5までの少なくとも一項に記載の化合物。
    Figure 2006526669
    (式中、PおよびSpは、式Iで定義した通りであり、L1−4は、互いに独立に、Hを意味するか、あるいは式IにおけるLの意味の1つを有し、L1−4の少なくとも1つはHと異なる)
  7. 請求項1から6までの少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする液晶媒体。
  8. 請求項1から6までの少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物、および少なくとも1種の重合可能なメソゲン化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の液晶媒体。
  9. 請求項1から6までの少なくとも一項に記載の化合物、あるいは請求項7または8に記載の液晶媒体を重合させることによって得られるポリマー。
  10. 請求項1から6までの少なくとも一項に記載の化合物、あるいは請求項7または8に記載の液晶媒体をその配向状態で重合させることによって得られる異方性ポリマー膜。
  11. 異なる配向および/または異なる光学特性を有する少なくとも2つの領域を有するパターンを有することを特徴とする、請求項10に記載の異方性ポリマー膜。
  12. 請求項1から11までの少なくとも一項に記載の化合物、媒体、ポリマーまたはポリマー膜の、電気光学ディスプレイ、液晶ディスプレイ、光学膜、偏光板、補償板、ビームスプリッター、反射膜、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンピングホイル、カラー画像、装飾またはセキュリティ用マーキング、液晶顔料、接着剤、異方性力学特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬、非線形光学材料、光学情報記憶装置におけるキラルなドーパントとしての使用;集積回路部品としての、フラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスタとしての、または電波方式認識(RFID)タグ用の、例えば電界効果型トランジスタ(FET)のような電子デバイスにおける使用;あるいは有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスディスプレイもしくは液晶ディスプレイのバックライト用の、光電池もしくはセンサデバイス用の、バッテリー内の電極材料としての、光導電体としての、電子写真もしくは電子写真記録用の、またはレーザー発光材料もしくはデバイス中の半導体部品における使用。
  13. 請求項1から11までの少なくとも一項に記載の化合物、媒体、ポリマーまたはポリマー膜を含むカラーフィルター。
  14. 請求項1から11までの少なくとも一項に記載の化合物、液晶媒体、ポリマーまたはポリマー膜、あるいは請求項13に記載のカラーフィルターを含むことを特徴とする液晶デバイス。
  15. 請求項1から11までの少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物、媒体、ポリマーまたはポリマー膜を含む、認証、照合もしくはセキュリティ用マーキングまたはカラー画像。
  16. 請求項15に記載の認証、照合もしくはセキュリティ用マーキングまたは画像を含む有価物または有価証券。
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