JP2006521485A - 風力タービン羽根の製造方法、風力タービン羽根、前カバー、及び前カバーの使用 - Google Patents

Abstract

本発明は、風力タービン羽根の製造方法であって、少なくとも２つの風力タービンシェル、及び好ましくは一つ以上の耐荷重構造部を鋳込み成形するステップと、上記少なくとも２つの風力タービンシェル、及び上記一つ以上の耐荷重構造部を合わせて接着することにより、少なくとも２つの長手方向接合部を有する風力タービン羽根構造体を形成するステップと、一つ以上の前カバーを、上記風力タービン羽根構造体又はその一部にほぼ対応する形状に形成するステップと、上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に関連させて位置付けるステップと、上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に接着手段で留め付けるステップとを含む製造方法に関する。本発明はまた、風力タービン羽根、前カバー、及び風力タービン羽根への補助取り付け用ユニットとしての前カバーの使用に関する。

Description

［発明の背景］
本発明は、風力タービン羽根の製造方法、請求項１０の前文に従った風力タービン羽根、請求項１９の前文に従った前カバー、及び前カバーの使用に関する。

［関連技術の説明］
現代の風力タービンは通常、図１に示されたような、相当に大きい直径サイズのロータを有する。現代の風力タービン用の風力タービン羽根は、５０メートル以上の長さに近づきつつある。

風の相当な力とともにそれ自体の重量に耐えることができる風力タービン羽根を形成するために、羽根は、２つのガラス繊維シェル、及び一以上の内部ガラス繊維耐荷重梁、リム等をすべて互いに接着して構成される。

風が風力タービン羽根の表面を横切って移動するとき、風が低速化し、または、騒音を発生しないように、風力タービンシェルの表面を平滑にする必要があるので、風力タービン羽根に後処理を施さなければならない。シェル接合部、擦り傷及び空隙のすべてにゲルコート又は同様な充填材料を充填しなければならない。最後に、羽根は、完全に平滑になるまで、研削且つ研磨される。

しかしながら、風力タービン羽根を製造する上記後処理方法はすべて、欠点を有する。

特に、これらの方法は、不釣り合いな量の労力を消費し、相当な量の空間及び特殊システムを要する。

さらに、これらの方法は、建設中も後の品質管理手順においても、時間及び専門技術を要する。

本発明の目的は、上記欠点を伴わない風力タービン羽根を達成することである。

特に、本発明の目的は、時間のかかるプロセスを含み、結果的に羽根のコストの増加につながる後処理を伴わない風力タービン羽根を構成する方法を確立することである。

［発明］
本発明によると、風力タービン羽根の製造方法であって、
少なくとも２つの風力タービンシェル、及び好ましくは一つ以上の耐荷重構造部を鋳込み成形するステップと、
上記少なくとも２つの風力タービンシェル、及び上記一つ以上の耐荷重構造部を合わせて接着することにより、少なくとも２つの長手方向接合部を有する風力タービン羽根構造体を形成するステップと、
一つ以上の前カバーを、上記風力タービン羽根構造体又はその一部にほぼ対応する形状に形成するステップと、
上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に関連させて位置付けるステップと、
上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に接着手段で留め付けるステップと、
を含む風力タービン羽根の製造方法が提供される。

これにより、一つ以上の容易に制御可能且つ組み立て可能な前カバーで、風力タービン羽根の表面の一部を制御することが可能である。

特に、風力タービン羽根の前側又は前縁部分等の表面上に好都合な流れを生じるのに特に重要である部分に平滑な表面を有する風力タービン羽根を達成することが容易である。

したがって、風力タービン羽根の構成において、時間のかかるプロセスを含み、結果的に羽根のコストの増加につながる研削及び研磨等の後処理を伴う必要がない。

「前カバー」という用語は、風力タービン羽根又はその一部に表面として位置して、したがって、カバー位置に新しい前部を形成するカバーを意味するということを強調する必要がある。

請求項２に記載されているように、上記一つ以上のカバーを上記少なくとも２つの長手方向の接合部の１つ又はその一部の上方に位置付けたとき、本発明の好都合な実施形態が達成された。

風力タービン羽根の接合部が前カバーで覆われるので、風力タービン羽根の構成は、接合部に関するさらなる後処理をまったく必要としない。

請求項３に記載されているように、上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に留め付ける前に、上記接着手段を、上記一つ以上の前カバーの内面、及び上記風力タービン羽根構造体、たとえば上記風力タービン羽根構造体の一つ以上の対応部分に塗布するとき、前カバーを風力タービン羽根にぴったりはめ付ける好都合且つ簡単な方法を確立することができる。

請求項４に記載されているように、上記留め付けが、上記一つ以上の前カバーを上記風力タービン羽根構造体に仮留めするステップと、上記一つ以上の前カバーと上記風力タービン羽根構造体との間、又は上記一つ以上の前カバーの２つ以上の相互間の一つ以上の空間開口を閉鎖するステップと、接着剤塊の形で上記空間を接着手段で充填するステップとを含むとき、それが可能である。

請求項５に記載されているように、上記空間が、上記一つ以上の前カバーの内面から拡張するスペーサ手段を使用することによって形成されるとき、明確に画定された空間を形成することが可能である。明確に画定された空間により、前カバーを風力タービン羽根に適正に接着することが確実に行われ、その結果、完全な形状の風力タービン羽根及び前カバーが得られる。

請求項６に記載されているように、上記空間開口の上記閉鎖が、上記一つ以上の前カバーの長手方向縁部及び／又は横方向縁部に内側又は外側接着手段を位置付けることを含むとき、完全に閉鎖された空間が得られ、余分な接着剤塊の除去に関する後処理が確実に減少する。

請求項７に記載されているように、上記閉鎖が、隣接する前カバーの相互係合又は相互ロックを含むとき、係合又はロックは十分な締まり嵌めを行うので、前カバー間の交差部分に対して何らかの対策をとらなくても、閉鎖空間を形成することができる。さらに、１つの前カバーを次の前カバーに係合又はロックすることにより、１つの前カバーが次の前カバーを捕らえるので、前カバーを風力タービン羽根上に位置付けることがより容易になる。

請求項８に記載されているように、シリコーン塊や発泡体等を使用し、それにより、前カバー及び風力タービン羽根間、又は隣接する前カバー間の空間開口を閉鎖するとき、隣接する前カバー間の交差部分を閉鎖して、各前カバーの下側に１つの空間を形成することが可能である。各前カバーの下側に１つの空間があることにより、各空間の充填を確実に調整することがより容易になる。

請求項９に記載されているように、上記接着手段が、射出時に高い流動性を有する塊として塗布又は射出されるとき、非常に大きい空間にも充填することができる。特に、高圧ポンピングを使用しないで、空間のすべての隅部に充填することが好ましい。さらに、羽根の一端部を上昇させて、塊が全体的又は部分的に重力の作用で流れることができるようすることが可能である。

本発明はまた、風力タービン羽根であって、当該羽根の表面又はその一部を覆うとともに接着手段でその表面に接着される一つ以上の前カバーを有し、上記一つ以上の前カバーが、上記風力タービン羽根又はその一部にほぼ対応する形状に事前成形される、風力タービン羽根に関する。

流れに関して言うと、これにより、羽根の重要部分に特に平滑な表面を有する好都合な風力タービン羽根を形成することが可能である。

請求項１１に記載されているように、一つ以上の前カバーが、上記少なくとも２つのぼほ長手方向の接合部の一つ以上を部分的又は全体的に覆うとき、本発明の好都合な実施形態を達成することが可能である。

風力タービン羽根の接合部が前カバーで覆われるので、風力タービン羽根の構成は、接合部に関するさらなる後処理をまったく必要としない。

請求項１２に記載されているように、一つ以上のスペーサ手段が上記一つ以上の前カバーの内面から拡張し、上記一つ以上の前カバーと上記風力タービン羽根との間の空間に接着手段を充填するとき、本発明の好都合な実施形態を達成することが可能である。

請求項１３に記載されているように、上記接着手段が、塗布又は射出時に高い流動性を有する塊であるとき、特に空間のすべての領域に接着剤塊を充填することができるので、本発明の好都合な実施形態が達成された。

請求項１４に記載されているように、上記接着手段が、エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤又はメタクリレート接着剤等の一液型又は二液型接着剤であるとき、風力タービン羽根が晒されるさまざまな気候条件に関して特に耐久性がある付着を生じることが可能である。

請求項１５に記載されているように、上記前カバーが上記羽根を基部から先端まで連続的に、又は実質的に覆うとき、風力タービン羽根のさまざまな部分上に同様な流れを生じることが可能である。

請求項１６に記載されているように、前カバーの端部が重なるとき、風力タービン羽根上に同様な流れを生じるとともに、同時に前カバーの下側に接着剤塊用の閉鎖空間を生じることが可能である。

請求項１７に記載されているように、上記前カバー端部が、内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム等の係合又はロック手段、及び／又は接着手段を有するとき、係合又はロックは十分な締まり嵌めを行うので、前カバー間の交差部分に対して何かの対策をとらなくても、閉鎖空間を形成することが可能である。

請求項１８に記載されているように、テープ又はストリップが、上記隣接する端部、又は上記端部間の交差部分を接続して閉鎖するとき、交差部分を簡単なやり方で閉鎖することが可能である。特に、交差部分がテープで覆われるので、前カバー相互の位置付けの重要性が低くなる。接着剤塊の充填及び硬化後、必要ならば、テープを取り除いてもよい。

さらに、本発明はまた、中央部分及び少なくとも２つのカバーフラップ部分を有する前カバーであって、
風力タービン羽根又はその一部にほぼ対応する形状に部分的又は全体的に事前成形される前カバーに関する。

これにより、風力タービン羽根の一部を覆うための平滑で明確に画定された表面を有する前カバーを達成することが可能である。

請求項２０に記載されているように、上記前カバーが、上記風力タービン羽根の一つ以上の長手方向接合部又はその一部を実質的に覆うのに十分であるとき、本発明の好都合な実施形態が達成された。

請求項２１に記載されているように、上記前カバーが、上記風力タービン羽根の前側接合部を実質的に覆うのに十分であるとき、本発明の好都合な実施形態が達成された。

請求項２２に記載されているように、上記前カバーの内面及び外面が平滑であるか、又はほぼ平滑であるとき、羽根を直接的に取り囲むので羽根への取り付けが容易であるカバーを達成することが可能である。さらに、前カバー及び羽根は接着手段によって分離されているだけであり、それら２つの間に直接的且つ強力な付着が達成される。

請求項２３に記載されているように、上記前カバーの内面が、一つ以上のスペーサ手段を有するとき、風力タービン羽根に関して明確に画定された空間を生じることが可能である。明確に画定された空間により、前カバーを風力タービン羽根に適正に接着することが確実に行われ、その結果、完全な形状の風力タービン羽根及び前カバーが得られる。

請求項２４に記載されているように、上記一つ以上のスペーサ手段の端部が、前縁部の形状等の上記風力タービン羽根の形状に対応する形状に事前成形されるとき、前カバーを直接的に羽根上に配置することが可能である。

請求項２５に記載されているように、上記一つ以上のスペーサ手段が、上記一つ以上の長手方向接合部に関して対称的に、たとえば、上記接合部上、又は接合部から等距離の位置で接合部の各側に位置付けられるとき、前カバーを風力タービン羽根及び接合部に関してより正確に位置付けることが可能である。

請求項２６に記載されているように、上記一つ以上のスペーサ手段が、長円形バー、円錐形、三角形、矩形、円筒形、半球形又は他の同様な形状を有するとき、本発明の好都合な実施形態が達成される。

請求項２７に記載されているように、上記一つ以上のスペーサ手段が、前カバーの中心線、又は上記風力タービン羽根の上記一つ以上の長手方向接合部に関して対称的に位置付けられるスペーサ手段を含むパターン等のスペーサ手段パターンを有するとき、たとえば、フラップ部分を風力タービン羽根上に後で接着することに関連して、前カバーをより正確に位置付けることができる。

請求項２８に記載されているように、上記一つ以上のスペーサ手段が、異なった形状のスペーサ手段を含むスペーサ手段パターンを有するとき、前カバーを所定形式の風力タービン羽根に、又は風力タービン羽根の異なった部分、たとえば、幅又は高さ等のサイズが異なった部分に適応させることが可能である。

請求項２９に記載されているように、前カバーの厚さが、０．１〜５ミリメートル、好ましくは０．５〜３ミリメートルの範囲にあり、たとえば、カバーフラップ部分で０．５ミリメートル、前カバーの中心で１．５ミリメートルであるとき、耐久性がありながら、柔軟且つ軽量な前カバーを達成することが可能である。フラップ部分を風力タービン羽根の方に曲げることが必要である場合、柔軟性が特に好都合である。

請求項３０に記載されているように、カバーの長さが、１〜１００メートル、好ましくは１〜５メートルの範囲にあり、たとえば、２メートルであるとき、前カバーの取り付け中の取り扱い及び作業が容易である前カバーを達成することが可能である。

請求項３１に記載されているように、上記スペーサ手段が、０．５〜８ミリメートル、たとえば３ミリメートルの長さを有するとき、風力タービン羽根に関して明確に画定された空間を達成することが可能である。

請求項３２に記載されているように、上記カバーが、羽根の形状に対応した幅及び高さを有し、たとえば、幅が０．１〜５メートルの範囲で、たとえば０．０２〜０．２メートル、及び、高さが０．１〜２メートルの範囲で、たとえば０．０５〜０．２メートルであるとき、相当な長さの現代の風力タービン羽根にぴったりはまる前カバーが達成されるであろう。

請求項３３に記載されているように、上記前カバーが、エポキシ又はポリエステル樹脂を強化するガラス繊維材料、又は炭素若しくはアラミド繊維材料等の同様な繊維材料、プラスチック材料、又は上記材料の組み合わせで形成されるとき、前カバーの好適な実施形態が達成された。特に、前カバーは、気候条件に対する回復力及び耐久性を有し、軽量で、且つコスト効率が高い。

請求項３４に記載されているように、上記前カバーが、アルミニウム等の金属板材料又は同様な軽金属板にスペーサ手段を溶接又は接着して形成されるとき、前カバーの耐久性がある実施形態が達成された。

請求項３５に記載されているように、上記前カバーの内面、好ましくは上記少なくとも２つのカバーフラップ部分の内面が、少なくとも１つの接着層を有するとき、前カバーを風力タービン羽根に容易且つ確実に接着させることが可能である。

請求項３６に記載されているように、上記少なくとも１つの接着層が、１０〜１００ミリメートルの範囲、たとえば５０ミリメートルの幅を有するとき、接着剤塊の射出中に閉鎖空間を維持するのに十分に確実に前カバーを留め付けることが可能である。

請求項３７に記載されているように、前カバーの端部が、カバーの一端部の内縁部又は内側リム及び他端部の外縁部又は外側リム、及び／又は接着手段等の、隣接する前カバーに係合又はロックするための手段を有するとき、考えられる好都合な係合又はロックが前カバー間に達成された。

請求項３８に記載されているように、前カバーの端部が、上記隣接する端部又は上記端部間の交差部分を接続して閉鎖するテープ又はストリップ等の、隣接する前カバーに係合又はロックするための手段を有するとき、隣接する端部又は交差部分を容易に閉鎖することが可能である。

さらに、本発明はまた、風力タービン羽根への補助取り付け用ユニットとして使用される前カバーに関する。これにより、直立して稼働中の風力タービンの一部である羽根上に前カバーを配置することが可能である。前カバーの配置は、たとえば、あられ、砂嵐、落雷又は鳥による表面の損傷を受けた羽根の補修に関連して実施されることが好ましいであろう。

補修は、風力タービンの位置で、羽根を風力タービンから取り外して、又は取り外さないで行うことができる。

次に、図面を参照しながら、本発明を説明する。

［詳細な説明］
図１は現代の風力タービン１を示し、これは、塔２、及び塔の頂部に配置された風力タービンナセル３を有する。３枚の風力タービン羽根５を有する風力タービンロータが、ナセル前部から外向きに延出した低速シャフトを介してナセルに接続されている。

図面に示されているように、一定レベルを超える風が、羽根上に誘発される揚力によってロータを作動させ、ロータを風に対して垂直方向に回転させることができる。回転運動が電力に変換され、当業者には既知であるように、この電力は通常、送電網に供給される。

図２は、風力タービン羽根５の好適な実施形態を示し、これは、通常は使用中に前面が風の方向にある羽根部分上に配置された多数の前カバー６を有する。

前カバー６は、端部と端部を付けて配置されて接合部７を形成しており、接合部内で端部を互いに直接的又は間接的に接続してもよく、又は近接配置するだけでもよい。

図面に示されているように、第１前カバーが、風力タービン羽根の基部で始まって、最後のカバーが羽根の先端で終了し、それによって、それぞれが羽根の一部分を覆う前カバーの一続きの線を生じることができる。しかし、前カバーを他の位置で開始及び終了させてもよく、たとえば、基部及び先端から或る程度の距離をおいて開始及び終了してもよい。

さらに、一つ以上の前カバーが、風力タービン羽根の異なった部分を覆ってもよく、たとえば、羽根の中央及び基部の一部分を覆い、その間に未被覆部分を設けるか、又は１つの前カバーが羽根の一部分を覆うだけでもよい。

前カバー６は好ましくは、風力タービン羽根５とともに風に関して空気力学的プロフィルを形成するようになっている。

異なった前カバーを、風力タービン羽根の、それら前カバーが覆う部分に適応させる。特に、風力タービン羽根の、異なった位置で異なる寸法に適合するために、カバーの幅が変化する、たとえば、基部での幅は先端での幅と比べて変化する。風力タービン羽根の上記異なる寸法に適合するために、前カバーの高さ、したがって、カバーの側部間の長さも変化する。

風力タービン羽根の全長、又は少なくともその大部分に適合する単一の前カバーによって、風力タービン羽根を覆うこともできることを強調しなければならない。

好適な実施形態では、前カバーは、風力タービン羽根に接着される。

図面の断面図は、高い流動性を有する接着手段を前カバー及び風力タービン羽根間に送り込むポンピングシステムを示している。ポンピングシステムは、ポンプと接着手段保持容器とを備えた基本形で示されている。しかしながら、本ポンピングシステムは、たとえば、送出量の測定、又は接着手段の圧力の測定により、接着手段が十分な量だけ確実に塗布されるようにする制御手段等のさらなる手段を有してもよい。

図３は、図２の好適な実施形態の断面図である。

本図面は特に、風力タービン羽根５の前縁部５ａ及び後縁部又は終縁部５ｂを示し、羽根の前縁部が前カバー６によって覆われている。

風力タービン羽根の終縁部に適合させた後カバーによって、さらには羽根の、前縁部又は終縁部を含まない部分を覆うように適合させたカバーによっても、風力タービン羽根を覆うことを強調しなければならない。しかしながら、好ましい風の挙動により、風力タービン羽根の前部分に関して本発明を使用することが特に好都合である。

図４は、本発明に従った前カバー６の好適な実施形態を詳細に示す。

前カバー６は、中央部分Ｃ及び２つのフラップ部分Ｆを有する。中央部分及びフラップ部分は共に、風力タービン羽根の形状に適合した前カバーを形成している。

フラップ部分は、カバーの側部として画定されて、好ましくは中央部分より柔軟性が高く、それにより、フラップ部分を風力タービン羽根の側部の方に曲げることができるようになっている。

本実施形態において、前カバーは、やや円形の断面を有するが、異なった長さの軸を有する他の楕円形、たとえば、風力タービン羽根の異なった部分の形状に対応した細い卵形、あるいは幅広のドーム形でもよい。

前カバーは好ましくは、風力タービン羽根の異なった部分の形状に対応して、０．０２〜０．２メートルの範囲の幅、及び０．０５〜０．２メートルの範囲の高さを有する。

前カバー６は、内面１１及び外面１２を有する。内面から、スペーサ手段９が隆起部の形で前カバーの長手方向に拡張している。しかしながら、以下の記載及び対応する図面でさらに説明するように、前カバーのスペーサ手段の特徴、たとえば方向、数及びサイズを変更してもよい。

前カバーのフラップ部分の内面は、前カバーの端部から端部まで延在する接着層１１ａ（一方のフラップ部分上の斜線領域）も有することができる。

この層は、フラップ部分を部分的又は全体的に覆ってもよい。好適な実施形態では、接着層は、１０〜１００ミリメートル、たとえば、５０ミリメートルである。

さらに、内面は、前カバーの一端部に、内縁部又は内側リム１０ｂを定める内側領域を有する。同様に、前カバーの外面１２は、但しカバーの対向端部に、外縁部又は外側リム１０ａを備える外側領域を有する。

好適な実施形態では、前カバーは、０．１〜５ミリメートル、好ましくは０．５〜１．５ミリメートルのカバー厚さ範囲を有し、たとえば、カバーフラップ部分の端部で又はその付近で０．５ミリメートル、前カバーの中央で３ミリメートルの厚さを有する。

風力タービン羽根に対してより平滑な交差部分を形成するために、前記端部に丸みを付けるのが好都合であろう。

前カバーの前面から風力タービン羽根の前縁部までの距離は、好ましくは２〜１０ミリメートル、たとえば４〜６ミリメートルである。距離が５ミリメートルで、中央カバー厚さが１．５ミリメートルである場合、空間の最大高さは、概ね３ミリメートルであり、これが好都合であると考えられる。

さらに、カバー長さは１〜１００メートル、好ましくは１〜５メートルの範囲にあり、たとえば２メートルである。

さらに、図面は、矢印及び点線で、前カバーの高さｈ、長さｌ及び幅ｗを示している。

図５ａ〜図５ｄは、カバーの対向縁部間の異なった接続例を含む幾つかの前カバー間の連結を示している。

図５ａは、端部と端部を付けて配置され、それによって接合部７を形成している２つの前カバー６を示している。

さらに、前カバーは、１つだけでなく２つのスペーサ手段９ａ、９ｂを有することから、本発明の異なった実施形態を示している。本実施形態のスペーサ手段は、中央部分の中心線の両側に配置されている、たとえば、中心線に関して対称的に配置されている。

図５ｂ〜図５ｄは、前カバー間の接合部の実施形態を断面図で示しており、第１前カバーの端部が第２前カバーの端部に隣り合わせて配置されている。

図５ｂは、前カバーが、材料の厚さを薄くした内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム１０ａ、１０ｂを有する実施形態を示す。厚さを薄くすることは、それぞれ内面及び外面を切り欠きの形にすることであってもよい。たとえば、前カバーの残り部分の全体厚さに対応する合計厚さを有することにより、切り欠き部分を互いにはめ合わせて、それらを１つの前カバーから次の前カバーに重ねることができる。

重なり部分自体が、２つの前カバー間の接合部の蓋としての役割を果たすが、たとえば、内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム１０ａ、１０ｂの２つの接触面上に配置された接着手段によって、重なり部分自体をさらに密閉してもよい。

図５ｃは、図５ｂの実施形態において、内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム１０ａ、１０ｂの各端部にリップを設けた実施形態を示す。各リップが対応の縁部又はリムに係合して、２つの前カバーを互いにロックする。

図５ｄは、前カバーの２つの端部を互いに隣り合わせて配置したさらなる実施形態を示す。前カバーは、接合部７の閉鎖も行う接着テープ又はストリップ１０ｃによって接続されている。

２つの前カバー間の接合部７の基本的な実施形態では、端部が互いに接するか、少なくとも近接しているが、接続されていない。この基本的な実施形態は、接着テープ又はストリップを除いた図５ｄとしてわかるであろう。

さらに、図面は、前カバーの材料厚さｔを矢印及び点線で示している。

図６は、本発明に従った前カバーを備える風力タービン羽根の好適な一実施形態の分解図である。

風力タービン羽根は、少なくとも２つの略長手方向の接合部に沿って互いに留め付けられた第１及び第２羽根シェル１３ａ、１３ｂを有する。前側接合部１４ａ、１４ｂは、羽根シェル同士を前部で留め合わせる接着手段を受け取るための２つの細長固定面を備えるように図示されている。さらに、後側長手接合部１５ａ、１５ｂは、羽根シェル同士を後部で留め合わせる接着手段を受け取るための２つの固定面を備えるように図示されている。

風力タービン羽根は、耐荷重梁構造部１６も有する。梁は、２つの垂直プレートによって相互接続された上側及び下側梁面１７ａ、１７ｂを有する。

風力タービン羽根シェル及び梁は、ガラス繊維強化プラスチック（ＧＲＰ）、すなわち、ガラス繊維強化ポリエステル又はエポキシで形成することができる。しかしながら、炭素繊維又はアラミド（ケブラー）等の他の強化材料も使用することができる。木材、木材エポキシ、木繊維エポキシ又は同様な複合材料も風力タービン羽根材料として使用することができる。

上側及び下側梁面は、シェルの間に配置される前に、接着手段で被覆される。梁を位置決めした後、シェルを組み合わせて互いに接着すると、梁の表面が、現代の風力タービンの一部分であるために必要な強度及び剛性を備えた風力タービン羽根を形成する。

シェルは異なった形状又は寸法に図示されており、その結果、前側接合部は、風力タービン羽根の長手方向直径平面の下方に位置する。しかし、前側接合部及び後側接合部は、それぞれ羽根の前部分又は後部分の任意場所であってもよく、必要に応じて、接合部の位置に合わせて対応の前カバーを変更してもよい。

前カバーの中心線は、接合部、及び風力タービン羽根の長手方向直径平面と一致することが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、前カバーが特に接合部を覆う限り、中心線、接合部、及び長手方向直径平面の一つ以上を離して配置してもよい。

シェルの組み立て後、スペーサ手段９ａ、９ｂを備えた前カバー６を位置付けて風力タービン羽根に留め付けることにより、本発明に従った風力タービン羽根の製造が終了する。

前カバーは、幾つかの製造方法によって多くの材料又は材料の組み合わせで形成することができる。

しかしながら、好適な一実施形態では、カバーは、射出成形機によってプラスチックで形成される。

別の実施形態では、鋳型への流し込みを使用して、エポキシ若しくはポリエステル樹脂を強化するガラス繊維材料、又は炭素繊維又はアラミド材料等の同様な繊維材料で前カバーを形成することができる。

さらに、前カバーは、薄い金属板、たとえば、圧延金属にスペーサ手段を溶接又は接着して製造してもよい。金属は好ましくは、アルミニウム等のより軽量の金属のうちから選択される。

前カバーは、プラスチックプレートにゴムスペーサ手段を設ける等の、異なった材料で形成することもできる。

図７ａ〜図７ｈは、本発明に従った前カバーの異なった実施形態を有する風力タービン羽根を製造する３種類の異なった方法を示す。

図７ａ〜図７ｃは、本発明に従った前カバーの第１実施形態を有する風力タービン羽根を製造する第１方法を示す。

前カバー６は、中央部分Ｃの中心に１つのスペーサ手段９を配置した図４の前カバーに対応する。さらに、前カバーは、内面に接着層１１ａ、１１ｂを備える２つのフラップ部分Ｆを有する。

図７ａは、互いに向き合わせて配置された風力タービン羽根５の前部及び前カバーを示す。

図７ｂは、スペーサ手段９が風力タービン羽根の前部に最初にどのように接するかを示す。スペーサ手段の表面は、一実施形態では、前カバー及び風力タービン羽根間の第１接続部になる接着手段を有してもよい。

フラップ部分は、羽根形状より広角で広がっているので、フラップ部分が風力タービン羽根の側部と接触しないことも、さらに示す。しかし、拡張角を羽根より小さくしてもよく、その場合、フラップ部分をさらに外に広げることにより、前カバーを羽根上に押し進める必要がある。

フラップ部分を風力タービン羽根の側部に当接させて広げることにより、前カバーの下側の空間が密閉される。このことは、スペーサ手段の表面に、前カバー及び風力タービン羽根間の第１接触部になる接着手段が設けられている場合、特に可能である。

図７ｃは、前カバーの内面上の接着層１１ａ、１１ｂを使用した、フラップ部分と風力タービン羽根の側部との接続を示す。

フラップ部分を風力タービン羽根に接続させると、前カバー及び羽根間に空間が形成される。この空間は、側部が接着層１１ａ、１１ｂによって、また前カバー間の交差部分が上記実施形態の一つ以上によって、たとえば、接着テープ又はストリップによって閉鎖される。さらに、最初と最後の前カバーの開口を接着テープ又はストリップ、発泡体、シリコーン塊等の閉鎖手段で閉鎖してもよい。

スペーサ手段９の長さが、空間のサイズを決定する。

空間を閉鎖した後、ポンピングシステムによって容易に送り込むことができるようにするために高い流動性を有する接着剤塊の形の接着手段をその空間に充填する。接着剤塊は、固化後に前カバーを風力タービン羽根に固定して、シェル間に接合部を有する羽根の前部分の堅固なカバーを形成する。

接着剤塊は好ましくは、エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤又はメタクリレート接着剤等の、一成分型又は二成分型接着剤から選択することができる。

しかし、前カバーを風力タービン羽根に永久的に付着させるために、他の接着剤を使用してもよい。

一実施形態では、図２に関連して説明したようなポンピングシステムにより、たとえば、第１前カバーと風力タービン羽根の基部との間の開口に位置する充填穴から空間に充填してもよい。

さらなる実施形態では、基部充填穴を、幾つかの前カバー、さらには各前カバーに、たとえば、前カバー間の交差部分内の充填穴の形で設けられた穴で補完してもよい。これにより、たとえば、図２に関連して説明したようなポンピングシステムにより、空間により効果的に充填することができる。

カバーの端部が接するだけで、蓋がまったくない基本的な実施形態の変形形態として、発泡体やシリコーン塊等の材料を追加してもよい。その材料が前カバーの端部を閉鎖し、側部蓋、たとえば接着層１１ａ、１１ｂと合わさって、密閉空間を前カバーの下側に形成する。この空間に蓋の穴を介して接着剤塊を充填してもよい。

図７ｄ〜図７ｆは、本発明に従った前カバーの第２実施形態を有する風力タービン羽根を製造する第２方法を示す。

図７ｄは、対称的に位置付けられた２つのスペーサ手段９ａ、９ｂを有するが、フラップ部分Ｆの内面上に接着層を有していない前カバーを示す。

図７ｅは、風力タービン羽根の前部上に前カバーを位置付けたところを示す。スペーサ手段上の接着手段により、前カバーを風力タービン羽根上の安定位置に配置することが可能である。

図７ｆは、前カバーの下側の空間を、前カバーの外面と風力タービン羽根の側部とを接続する１本のテープＴで閉鎖した状態を示す。側部をテープで閉鎖した後、空間に接着剤塊１８が充填され、また、上述したように、前カバー間の交差部分が形成されている。

図７ｇ及び図７ｈは、本発明に従った前カバーの第３実施形態を有する風力タービン羽根を製造する第３方法を示す。

図７ｇは、対称的に位置付けられた２つのスペーサ手段９ａ、９ｂと、フラップ部分Ｆの内面上の接着層とを有する前カバーを示す。接着剤塊１８を（図７ｈに示されているように）充填する前に、前カバーを２つのスペーサ手段の上方で曲げることにより、フラップ部分を風力タービン羽根の側部に強制的に接触させる。

空間蓋は、充填穴に加えて、硬化中に接着剤塊の通気を行う穴等、多数の穴を有してもよいことを強調しなければならない。これら穴は、風力タービン羽根の下記の後処理で閉鎖されてもよい。

図８は、本発明に従った前カバーの好適な一実施形態を有する風力タービン羽根の製造のフローチャートを示す。

製造方法は、以下のステップを含む。

ａ）２つの羽根シェル及び内部耐荷重梁構造部の鋳込み成形。
ｂ）接着手段による羽根シェル及び内部耐荷重梁構造部の組み立て。
ｃ）たとえば、スペーサ手段上の接着手段による前カバーの風力タービン羽根への仮留め。
ｄ）風力タービン羽根と前カバーとの間の、又は前カバー間の交差部分の位置の空間開口の、たとえば接着層又はテープを使用した閉鎖。
ｅ）たとえば一つ以上の充填穴を介した密閉空間の接着剤塊での充填。
ｆ）温度を上昇させ、それによって硬化プロセスを促進するため、たとえば熱を加えることによる接着剤塊の硬化。
ｇ）余分な接着剤塊の除去や通気穴及び充填穴の閉鎖等の、風力タービン羽根の後処理。

図９ａ〜図９ｄは、異なったパターン及び形状のスペーサ手段を有する前カバーの内面の実施形態を示す。実施形態はそれぞれ、中心線ｃｌを有するが、表面の湾曲をなくした内面の一部分として示されている。中心線は、風力タービン羽根の長手方向接合部、たとえば前側接合部にほぼ対応していることが好ましい。

図９ａは、スペーサ手段１９ａが中心線ｃｌに対して傾斜している第１実施形態を示す。その角度は、０度（図４及び図７ａ〜図７ｃの実施形態にほぼ一致）から９０度までの間の任意の角度でよいが、本実施形態では４５度として示されている。スペーサ手段は、薄い長円形のバンクとして形成された多数の隆起部を有する。内面はまた、バンク間、特に中心線の位置に開口を有する。開口により、接着剤塊が密閉空間のすべての隅部までより自由に広がることができる。

本実施形態の変形形態では、バンクに異なった角度を付ける、たとえば１つ置きに４５度の角度を付け、１つ置きに９０度の角度を付ける。さらに、開口の数を増減することが可能である。

図９ｂは、たとえば図５ａのスペーサ手段にほぼ対応するが、開口が、中心線に平行である厚い長円形バンクとして形成された、多数のスペーサ手段１９ｂ又は隆起部を形成している実施形態を示す。

図９ｃは、多数の半球形のスペーサ手段１９ｃを有する実施形態を示す。スペーサ手段は、対称的なパターンに位置付けられているように図示されており、そのパターンは、多数又は少数のスペーサ手段で構成することができる。さらに、スペーサ手段のサイズは、たとえば中心線から外に向かって、そのサイズを連続的に減少させ、それにより、風力タービン羽根の形状に一致させるように変化させてもよい。

図９ｄは、中心線の周りに対称的に位置付けられた多数の円錐形スペーサ手段１９ｄを有する実施形態を示す。円錐形の先端は、より丸みが付いた先端で終端している図９ａ〜図９ｃの実施形態より小さく、且つより明確な面積で風力タービン羽根の表面に係合するであろう。

図１０は、中心線ｃｌの周りのスペーサ手段９ａの異なった断面を示す。

第１実施形態は、風力タービン羽根５の表面に係合した図９ｄの円錐形スペーサ手段９ａを示す。

第２実施形態は、スペーサ手段がやや軟質の材料で形成され、羽根との接触時にスペーサ手段を強く押し付けることができるようにした、風力タービン羽根５の表面に係合した図９ｄの円錐形スペーサ手段９ａを示すことができる。

しかしながら、本実施形態は、より大きい接触表面積が得られる円錐台形として形成されたスペーサ手段も示すことができる。

最後の実施形態は、たとえば三角形、矩形又は円筒形等の、不変性が高い輪郭を有するスペーサ手段を示す。

図１１は、スペーサ手段９ａの異なった実施形態を風力タービン羽根５の表面との関連で示す。スペーサ手段はすべて、タービン羽根との接触面２０を有する。スペーサ手段は分割されて、スペーサ手段の接触面と羽根との間にチャネル又は開口２１を形成して、接着剤塊が入ることができるようにしている。

最初の２つの実施形態は、スペーサ手段が接触面２０に向かって尖っている先端の、１つの大きい、又は２つのより小さいチャネルの可能な例を示す。最後の実施形態は、スペーサ手段の不変性が高い輪郭、たとえば三角形、矩形又は円筒形を示す。

図９ａ〜図９ｄ、図１０及び図１１に示されたスペーサ手段の形状、パターン及び構成以外に、スペーサ手段を別の形状にしてもよく、及び風力タービン羽根との組み立てに関して好都合である別のパターンに構成してもよく、たとえば、図９ａ〜図９ｄ、図１０及び図１１の内容の組み合わせ、たとえば、円錐形バー等にしてもよい。

本発明の別の好適な実施形態では、前カバーを風力タービン羽根又はその一部にほぼ対応する形状に事前成形するが、図１２ａ〜図１２ｃに示されているように、スペーサ手段を設けない、すなわち、内面及び外面が平滑であるか、ほぼ平滑である。

前カバーの内面と風力タービン羽根の対応部分とを接着手段１８で被覆して、それらを合わせて堅固に、すなわち気泡又は水泡を伴わないで付着させる。

付着前に、前カバー又は風力タービン羽根だけを接着手段で被覆する実施形態も、実現可能である。

たとえばクランプ等によって前カバーに力を加えることによって、堅固な付着を向上させてもよい。

付着後、前カバーの、たとえば側部又は端部からはみ出した余分な接着手段を除去する。除去は、接着手段の硬化が完了する前に実施されることが好ましい。

接着手段は好ましくは、エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤又はメタクリレート接着剤等の、一成分型又は二成分型接着剤から選択することができる。

しかしながら、前カバーを風力タービン羽根に永久的に付着させるために、他の接着剤を使用してもよい。

以上に、特定の例を参照しながら本発明を例示してきた。しかし、本発明は、上記の特別な例に制限されないで、広範囲の用途に関連して使用してもよいことを理解されたい。さらに、特に本発明に従った風力タービン羽根及び前カバーを、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内の多くの変更形で構成することができることを理解されたい。

現代の大型風力タービンを示す図である。 本発明に従った前カバーを有する風力タービン羽根の好適な一実施形態を示す図である。 図２の好適な実施形態の断面図である。 本発明に従った前カバーの好適な一実施形態を示す図である。 図５ａは幾つかの前カバー間の連結状態を示す図であり、図５ｂはカバーの対向縁部間の一接続例を示す図であり、図５ｃはカバーの対向縁部間の別の接続例を示す図であり、図５ｄはカバーの対向縁部間の別の接続例を示す図である。 本発明に従った前カバーを有する風力タービン羽根の好適な一実施形態の分解図である。 本発明に従った前カバーの第１実施形態を有する風力タービン羽根の第１製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第１実施形態を有する風力タービン羽根の第１製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第１実施形態を有する風力タービン羽根の第１製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第２実施形態を有する風力タービン羽根の第２製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第２実施形態を有する風力タービン羽根の第２製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第２実施形態を有する風力タービン羽根の第２製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第３実施形態を有する風力タービン羽根の第３製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの第３実施形態を有する風力タービン羽根の第３製造方法を示す。 本発明に従った前カバーの好適な一実施形態を有する風力タービン羽根を製造するフローチャートである。 前カバーの内面上のスペーサ手段の一実施形態及びパターンを示す図である。 前カバーの内面上のスペーサ手段の別の実施形態及びパターンを示す図である。 前カバーの内面上のスペーサ手段の別の実施形態及びパターンを示す図である。 前カバーの内面上のスペーサ手段の別の実施形態及びパターンを示す図である。 スペーサ手段の異なった実施形態を側部から見た図である。 スペーサ手段のさらなる実施形態を側部から見た図である。 本発明に従った前カバーの別の好適な実施形態を示す図である。 本発明に従った前カバーの別の好適な実施形態を示す図である。 本発明に従った前カバーの別の好適な実施形態を示す図である。

符号の説明

１ 風力タービン
２ 風力タービンの塔
３ 風力タービンナセル
４ 風力タービンハブ
５ 風力タービン羽根
５ａ 風力タービン羽根の前縁部
５ｂ 風力タービン羽根の終縁部
６ 風力タービン羽根の前カバー
７ 前カバー間の接合部
８ 風力タービン羽根の基部
９、９ａ、９ｂ スペーサ手段
１０ａ、１０ｂ 内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム
１０ｃ 接着テープ又はストリップ
１１ 前カバーの内面
１１ａ、１１ｂ 内面上の接着層
１２ 前カバーの外面
１３ａ、１３ｂ 風力タービン羽根シェル
１４ａ、１４ｂ 風力タービン羽根シェルの長手方向の前側接合面
１５ａ、１５ｂ 風力タービン羽根シェルの長手方向の後側接合面
１６ 耐荷重梁構造部
１７ａ、１７ｂ 接着剤を塗布するための上側及び下側梁面
１８ 接着剤塊等の接着手段
１９ａ〜１９ｄ 異なる形状のスペーサ手段
２０ 接触面
２１ 接着剤のためのチャネル又は開口
ａ〜ｇ フローチャートブロック
ｈ、ｌ、ｗ、ｔ 前カバーの高さ、長さ、幅及び厚さ
ｃｌ 中心線
Ｃ 前カバーの中央部分
Ｆ 前カバーのフラップ部分
Ｔ テープ又はストリップ

Claims (39)

1. 風力タービン羽根の製造方法であって、
   少なくとも２つの風力タービンシェル、及び好ましくは一つ以上の耐荷重構造部を鋳込み成形するステップと、
   前記少なくとも２つの風力タービンシェル、及び前記一つ以上の耐荷重構造部を合わせて接着することにより、少なくとも２つの長手方向接合部を有する風力タービン羽根構造体を形成するステップと、
   一つ以上の前カバーを、前記風力タービン羽根構造体又はその一部にほぼ対応する形状に形成するステップと、
   前記一つ以上の前カバーを前記風力タービン羽根構造体に関連させて位置付けるステップと、
   前記一つ以上の前カバーを前記風力タービン羽根構造体に接着手段で留め付けるステップと、
   を含む風力タービン羽根の製造方法。
2. 前記一つ以上のカバーは、前記少なくとも２つの長手方向接合部の１つ又はその一部の上方に位置付けられる、請求項１の方法。
3. 前記一つ以上の前カバーを前記風力タービン羽根構造体に留め付ける前に、前記接着手段は、前記一つ以上の前カバーの内面、及び前記風力タービン羽根構造体、たとえば前記風力タービン羽根構造体の一つ以上の対応部分に塗布される、請求項１又は２の方法。
4. 前記留め付けは、
   前記一つ以上の前カバーを前記風力タービン羽根構造体に仮留めするステップと、
   前記一つ以上の前カバーと前記風力タービン羽根構造体との間の、又は前記一つ以上の前カバーの２つ以上の相互間の一つ以上の空間開口を閉鎖するステップと、
   前記空間に接着剤塊の形の接着手段を充填するステップと、
   を含む、請求項１又は２の方法。
5. 前記空間は、前記一つ以上の前カバーの内面から拡張するスペーサ手段を使用することによって形成される、請求項４の方法。
6. 前記空間開口の閉鎖は、前記一つ以上の前カバーの長手方向縁部及び／又は横方向縁部に内側又は外側接着手段を位置付けることを含む、請求項１乃至５のいずれか１項の方法。
7. 前記閉鎖は、隣接する前カバーの相互係合又はロックを含む、請求項１乃至６のいずれか１項の方法。
8. シリコーン塊や発泡体等を使用し、それにより、前記前カバー及び前記風力タービン羽根間の、又は隣接する前カバー間の空間開口を閉鎖する、請求項１乃至７のいずれか１項の方法。
9. 前記接着手段は、射出時に高い流動性を有する塊として塗布又は射出される、請求項１乃至８のいずれか１項の方法。
10. 少なくとも２つのぼほ長手方向の接合部に沿って互いに留め付けられる少なくとも２つの羽根シェル（１３ａ、１３ｂ）を有する風力タービン羽根（５）であって、
    一つ以上の前カバー（６）が、該羽根又はその一部の表面を覆うとともに、接着手段（１８）で前記表面に接着され、
    前記一つ以上の前カバー（６）は、該風力タービン羽根又はその一部にほぼ対応する形状に事前成形されることを特徴とする風力タービン羽根。
11. 風力タービン羽根（５）であって、前記一つ以上の前カバー（６）は、前記少なくとも２つのぼほ長手方向の接合部の一つ以上を部分的又は全体的に覆うことを特徴とする、請求項１０の風力タービン羽根。
12. 風力タービン羽根（５）であって、一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）が、前記一つ以上の前カバー（６）の内面から拡張し、該一つ以上の前カバー（６）と該風力タービン羽根（５）との間の空間に接着手段（１８）が充填されることを特徴とする、請求項１０又は１１の風力タービン羽根。
13. 風力タービン羽根（５）であって、前記接着手段（１８）は、塗布又は射出時に高い流動性を有する塊であることを特徴とする、請求項１２の風力タービン羽根。
14. 風力タービン羽根（５）であって、前記接着手段（１８）は、エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤又はメタクリレート接着剤等の一成分型又は二成分型接着剤であることを特徴とする、請求項１０乃至１３のいずれか１項の風力タービン羽根。
15. 風力タービン羽根（５）であって、前記前カバー（６）は、該羽根を基部から先端まで連続的に、又は実質的に覆うことを特徴とする、請求項１０乃至１４のいずれか１項の風力タービン羽根。
16. 風力タービン羽根（５）であって、前記前カバー（６）の端部が重なることを特徴とする、請求項１０乃至１５のいずれか１項の風力タービン羽根。
17. 風力タービン羽根（５）であって、前記前カバー端部は、内縁部又は内側リム及び外縁部又は外側リム（１０ａ、１０ｂ）等の係合又はロック手段、及び／又は接着手段を有することを特徴とする、請求項１６の風力タービン羽根。
18. 風力タービン羽根（５）であって、テープ又はストリップ（１０ｃ）が、前記隣接する端部、又は前記端部間の交差部分を接続して閉鎖することを特徴とする、請求項１０乃至１７のいずれか１項の風力タービン羽根。
19. 中央部分（Ｃ）及び少なくとも２つのカバーフラップ部分（Ｆ）を有する前カバー（６）であって、
    該前カバー（６）は、風力タービン羽根（５）又はその一部にほぼ対応する形状に部分的又は全体的に事前成形されることを特徴とする前カバー。
20. 前カバー（６）であって、前記風力タービン羽根（５）の一つ以上の長手方向の接合部（１４ａ、１４ｂ、１５ａ、１５ｂ）又はその一部を実質的に覆うのに十分であることを特徴とする、請求項１９の前カバー。
21. 前カバー（６）であって、前記風力タービン羽根（５）の前側接合部（１４ａ、１４ｂ）を実質的に覆うのに十分であることを特徴とする、請求項２０の前カバー。
22. 前カバー（６）であって、該カバーの内面及び外面（１１、１２）は、平滑であるか、又はほぼ平滑であることを特徴とする、請求項１９乃至２１のいずれか１項の前カバー。
23. 前カバー（６）であって、該カバーの前記内面（１１）は、一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）を有することを特徴とする、請求項１９乃至２１のいずれか１項の前カバー。
24. 前カバー（６）であって、前記一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）の端部は、前縁部の形状等の前記風力タービン羽根の形状に対応する形状に事前成形されることを特徴とする、請求項２３の前カバー。
25. 前カバー（６）であって、前記一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）は、前記一つ以上の長手方向接合部に関して対称的に、たとえば、前記接合部上、又は接合部から等距離の位置で接合部の各側に位置付けられることを特徴とする、請求項２３又は２４の前カバー。
26. 前カバー（６）であって、前記一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）は、長円形バー、円錐形、三角形、矩形、円筒形、半球形又は他の同様な形状を有することを特徴とする、請求項２３乃至２５のいずれか１項の前カバー。
27. 前カバー（６）であって、前記一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）は、該前カバーの中心線、又は前記風力タービン羽根の前記一つ以上の長手方向接合部に関して対称的に位置付けられるスペーサ手段を含むパターン等のスペーサ手段パターンを有することを特徴とする、請求項２３乃至２６のいずれか１項の前カバー。
28. 前カバー（６）であって、前記一つ以上のスペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）は、異なった形状のスペーサ手段を含むスペーサ手段パターンを有することを特徴とする、請求項２３乃至２７のいずれか１項の前カバー。
29. 前カバー（６）であって、該前カバーの厚さは、０．１〜５ミリメートル、好ましくは０．５〜３ミリメートルの範囲にあり、たとえば、前記カバーフラップ部分で０．５ミリメートル、該前カバーの中心で１．５ミリメートルであることを特徴とする、請求項１９乃至２８のいずれか１項の前カバー。
30. 前カバー（６）であって、該カバーの長さは、１〜１００メートル、好ましくは１〜５メートルの範囲にあり、たとえば、２メートルであることを特徴とする、請求項１９乃至２９のいずれか１項の前カバー。
31. 前カバー（６）であって、前記スペーサ手段（９、９ａ、９ｂ、１９ａ〜１９ｄ）は、０．５〜８ミリメートル、たとえば３ミリメートルの長さを有することを特徴とする、請求項１９乃至３０のいずれか１項の前カバー。
32. 前カバー（６）であって、該カバーは、前記羽根の形状に対応した幅及び高さを有し、たとえば、幅が０．１〜５メートルの範囲で、たとえば０．０２〜０．２メートル、及び、高さが０．１〜２メートルの範囲で、たとえば０．０５〜０．２メートルであることを特徴とする、請求項１９乃至３１のいずれか１項の前カバー。
33. 前カバー（６）であって、該前カバーは、エポキシ又はポリエステル樹脂を強化するガラス繊維材料、又は炭素若しくはアラミド繊維材料等の同様な繊維材料、プラスチック材料、又は前記材料の組み合わせで形成されることを特徴とする、請求項１９乃至３２のいずれか１項の前カバー。
34. 前カバー（６）であって、該前カバーは、アルミニウム等の金属板材料又は同様な軽金属板にスペーサ手段を溶接又は接着して形成されることを特徴とする、請求項１９乃至３２のいずれか１項の前カバー。
35. 前カバー（６）であって、該前カバーの前記内面、好ましくは前記少なくとも２つのカバーフラップ部分（Ｆ）の内面は、少なくとも１つの接着層（１１ａ）を有することを特徴とする、請求項１９乃至３４のいずれか１項の前カバー。
36. 前カバー（６）であって、前記少なくとも１つの接着層は、１０〜１００ミリメートルの範囲、たとえば５０ミリメートルの幅を有することを特徴とする、請求項３５の前カバー。
37. 前カバー（６）であって、該前カバーの前記端部は、該カバーの一端部の内縁部又は内側リム（１０ａ、１０ｂ）及び他端部の外縁部又は外側リム（１０ａ、１０ｂ）、及び／又は接着手段等の、隣接する前カバーに係合又はロックするための手段を有することを特徴とする、請求項１９乃至３６のいずれか１項に前カバー。
38. 前カバー（６）であって、該前カバーの前記端部は、前記隣接する端部又は前記端部間の交差部分を接続して閉鎖するテープ又はストリップ（１０ｃ）等の、隣接する前カバーに係合又はロックするための手段を有することを特徴とする、請求項１９乃至３７のいずれか１項の前カバー。
39. 風力タービン羽根への補助取り付け用ユニットとしての、請求項１９乃至３８のいずれか１項の前カバーの使用。
    

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