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JP2006521101A - 水性媒体中での組み合わされた補因子依存型酵素反応系 - Google Patents

水性媒体中での組み合わされた補因子依存型酵素反応系 Download PDF

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JP2006521101A JP2006504700A JP2006504700A JP2006521101A JP 2006521101 A JP2006521101 A JP 2006521101A JP 2006504700 A JP2006504700 A JP 2006504700A JP 2006504700 A JP2006504700 A JP 2006504700A JP 2006521101 A JP2006521101 A JP 2006521101A
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Abstract

本発明は、化学的重要な化合物を、組み合わされた酵素的変換工程を用いて高いエナンチオマー濃度で得ることができる反応系に関する。組合わされた反応系は、有機化合物の補因子依存型酵素的変換および補因子の酵素的再生を含有し、その際反応系は水性溶液中で、これらの溶解限界を上廻る基質の量で操作する。好ましい実施態様において、アルコールデヒドロゲナーゼは、補因子依存型酵素であり、かつ補因子の再生(たとえば、NADHまたはNADPH)を、蟻酸デヒドロゲナーゼを用いて達成する。

Description

本発明は、カルボニル化合物の還元のための組み合わされた酵素反応系に関し、この場合、これらは、エマルション中で実施されることを特徴とする。特に、本発明は、有機化合物の補因子依存型酵素的変換、好ましくはカルボニル化合物の還元を含み、その際、補因子は、同系中で酵素的に再生される。
生物触媒経路による光学活性有機化合物、たとえばアルコールおよびアミノ酸の製造は重要性を増している。補因子再生を含む2個のデヒドロゲナーゼを組合わせての使用は、これらの化合物の工業的規模での合成のための経路として明らかにされている(DE19753350)。
Figure 2006521101
トリメチルピルベートの還元的アミノ化における、NAD−依存型蟻酸デヒドロゲナーゼを用いてのNADHのin situ再生によって、L−tert−ロイシンが生じる(Bommarius et al. Tetrahedron Asymmetry 1995, 6, 2851-2888)。
これらの触媒特性および効率に加えて、さらに水性媒体中で使用される生物触媒効率は、多くの合成された金属−含有触媒に比べて有利であり、特に重金属を有するために毒性の金属−含有出発物質の使用を回避することができることからも有利である。高価かつさらには危険性の高い還元剤、たとえばボランの使用は、不斉還元の場合に回避することができる。
それにもかかわらず、水溶性に乏しい物質の反応においては困難性が生じうる。これは特に疎水性カルボニル化合物からのアルコールの製造に影響するものであって、この場合、基質溶解性はしばしば10mMを下廻る。同様の困難性は、水溶性に乏しい生成物の場合にも生じる。原則として考えられうる解法として、極性有機溶剤またはこれらの水性溶液中での生物触媒的還元が実施されてきた。この場合において、酵素および基質の双方および適切である場合には、生成物が水溶性でなければならない。しかしながら、有機溶剤の直接的な存在における一般的な欠点は、これらの条件下で、酵素的活性において一般的に生じうる顕著な減少である(たとえば、Anderson et al., Biotechnol. Bioeng. 1998, 57, 79-86)。特に、工業的規模で使用され、かつ商業的量で提供可能な、これに関して使用される唯一の蟻酸デヒドロゲナーゼとしてのFDHは、残念なことに有機溶剤に対しての高い感受性を有する。これに関しては、有機溶剤としてDMSO、スルホラン、MTBE、アセトン、イソプロパノールおよびエタノールを、それぞれの場合において10%の添加量で使用する比較例1において明らかにされている。
有機溶剤の存在下で、Candida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの安定化に関する問題を解決するための種々の試みが知られており、たとえば、表面活性物質としての表面活性剤の付加的な使用により実施されている。しかしながら、反応速度の約四十分の一の減少および生じる蟻酸デヒドロゲナーゼの阻害といった欠点を有する(B. Orlich et al., Biotechnol. Bioeng. 1999, 65, 357-362.)。さらに、使用されたアルコールデヒドロゲナーゼの低い溶解性の理由から、これらのマイクロエマルションの条件下での還元工程は、経済的ではない。また、生じる生成物をしばしば通常の方法では確立されていない、界面活性剤からの分離をおこなわなければならないといった、後処理における他の問題が生じる。
原則として2相系中での酵素反応または酸化を実施が考えられうる。しかしながら、前記の有機性水溶性溶剤中での不安定化作用と同様に、特に、特定の有機溶剤の群、すなわち、極めて疎水性の性質を有するもの、たとえばヘプタンおよびヘキサンが適しているとされている。他方では、他の非極性溶剤、たとえばトルエン、特に典型的な溶剤、たとえばMBTEおよび酢酸エチルを含む他の非極性溶剤を用いての安定性試験では、極めて短い使用寿命であっても、Candida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの活性において顕著な減少を示した(H. Groeger et al., Org. Lett. 2003, 5, 173-176)。ヘプタンおよびヘキサンの存在下では対照的に、反応を実施できるものの、これらの溶剤中のケトン基質の溶解性はしばしば制限される。
さらに生物触媒反応を実施するために、有機溶剤中の固定化酵素の使用または水および水混和性有機溶剤を含有する均一系溶液中での酵素の使用が考えられる。しかしながら、有機溶剤および酵素との間において直接的な接触が生じるこれらの技術は、いくつかの酵素群、特に加水分解酵素に制限される。したがって、DE4436149では、「有機溶剤(水混和性または水不混和性)の直接的な存在は、加水分解酵素の群に属するいくつかの酵素によってのみ許容されている」と示されている。他の酵素群からのいくつかの他の例についても公知であるけれども(特に、オキシニトラーゼ)、しかしながら、DE4436149中での記載は、多くの酵素に関していまだ該当する。Candida boidiniiからのFDHの効果的な固定化については公知ではない。むしろ、たとえば工業的固定化の標準的な手法としてEupergit法が公知であるが、この場合、固定化後のこのFDHの残留活性は<20%であり、この場合、これらは、工業的利用に関して著しく低いものである。さらに固定化自体が、固定化工程および固定化材料による付加的なコストを伴うものである。
したがって、工業的には、酵素の不活性化または変性のリスクの理由から、有機溶剤の存在を回避するために改良されてきた。DE4436149では、生成物は、膜、特に疎水性膜を介して、反応溶液から有機溶剤に抽出される工程が記載されており、この場合、これらの膜は生成物に対して浸透性である。しかしながら、攪拌槽反応器中での標準的な方法と比較して、この方法は、技術における顕著なコストを要求するものであり、それというのも必要とされる有機膜が付加的なコスト要因となるためである。さらにこの方法は、専ら連続法に適している。さらに、低い基質濃度で反応を実施する欠点は、原則として、この方法を用いた場合には回避できない。したがって、基質濃度は溶解限界を下廻り、この場合、これらは多くのケトンに関して10mMであるか、あるいは顕著に低いものである。しかしながら、100mMまたはそれ以上の基質濃度が、工業的反応のためには好ましい。
すなわち、前記欠点を解決するための方法はいまだ知られていない。
したがって、本発明の目的は、特に水溶性に乏しい有機化合物が、組み合わされた補因子依存型酵素反応に使用可能であって、特に、経済的および環境的に有利な条件下で、工業的規模で使用することが可能な、組み合わせた補因子依存型酵素反応を提供するものである。
本発明の目的は、請求項によって達成される。請求項1〜10は本発明によって操作される反応系に関する。請求項11および12は本発明による方法を保護し、かつ請求項13および14は反応系の有利な使用を保護するものである。
純粋な水性溶剤中で、表面活性剤を添加することのない、有機化合物の補因子依存型酵素的変換および補因子の酵素的再生を含む、組み合わされた酵素的反応系を提供することによって、その際、酵素的変換において使用される基質は、基質の溶解限界を超えない限りは、水1lに対して少なくとも50mMの量で使用されることで、前記目的は、驚くべきことであり、予想だにされなかったが、特に有利に達成されることが見いだされた。特に懸念される酵素活性の著しい減少の点で、特に有機成分の存在下でCandida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼがlogP値<3.5である(これを下廻って、さらに多くの基質および生成物が減少する)といった、従来技術から想到される見解とは対照的に、驚くべきことに、このような有機成分の直接的な存在にもかかわらず(基質/生成物)、組み合わされた酵素反応系を、酵素の活性の一つの著しい損失がなく操作することが可能である。比較例2は、この驚くべき効果を説明するものである;この顕著な酵素活性の減少は、実際に完全なFDH活性の損失が2、3時間の範囲内で生じる比較例2の観察によれば、本発明による反応条件下で、顕著な変換が生じうることは予測できるものではない。
したがって、エマルションまたは懸濁液を少なくとも最初に反応系中に存在させることは有利である。使用された基質の量は、基質の溶解限界を下廻ることがない場合に限り、水1lに対して好ましくは50〜1500mM、さらに好ましくは100〜1000mMであり、かつ特に好ましくは100〜500mMである。
補因子依存型変換は、有利にはオキシドレダクターゼの反応である。カルボニル化合物、特にアルデヒドまたは非対称ケトンは、この変換のための基質として有利である。これらは、有利にはエナンチオ濃縮されたアルコールに還元される。
しかしながら、また基質としてアルコール化合物を使用することも可能であり、特に、第1級またはキラル第2級アルコールであり、この場合、これらはその後に酸化される。反応の性質は多様であり、かつレドックス反応のすべての型を含む。本発明の反応系は、特にカルボニル化合物を還元し、エナンチオ濃縮されたアルコールを生じるのに適している。これに関して、アルデヒドの還元による第1級アルコールの形成(例7参照)および非対称ケトンの不斉還元(例3〜6参照)は特に重要である。
反応系は、任意の補因子依存型オキシドレダクターゼを用いて実施することができ、その際、補因子はオキシドレダクターゼによって消費され、かつ第2の酵素系によって再生することができ、すなわち、この系は、組合わされた系である。この型の他の適した酵素は、文献中で見いだすことができる(Enzyme Catalysis in Organic Synthesis; Ed.:K.Drauz, H. Waldmann, Vol. I and II, VCH, 1995)。
アルコールデヒドロゲナーゼまたはアミノ酸デヒドロゲナーゼは、使用に好ましい酵素であることが立証されている。
補因子再生の特性は、まず使用される補因子自体に依存する。補因子再生の種々の方法は、前記文献中で見出すことができる。溶剤、酵素および空時収量の与えられた条件下で、当業者は再生のための媒体を自由に選択することができる。一般に、補因子としてのNADに対して(酸化反応において)は、たとえば、Lactobacillus brevis またはL. kefirからのNADHオキシダーゼが適している(DE10140088)。還元反応の場合には、蟻酸デヒドロゲナーゼによる補因子NADHの再生も、極めて有効であることが立証されている。Candida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの使用は、これに関して特に有利である。
反応条件下でもっとも有用かつ経済的に操作可能な補因子は、好ましくは補因子として使用される。これらは特に補因子NADHまたはNADPHである。
さらに本発明は、本発明による反応系を用いての有機化合物の酵素的変換のための方法を提供する。方法は好ましくは、エナンチオ濃縮有機化合物、好ましくは第1級またはキラル第2級アルコールの製造である。
工程はいわゆる当業者が望むようにおこなってもよく、その際、記載された反応系および以下に記載された実施例を用いておこなう。その他酵素反応に関して公知の条件については、本発明によって与えられている条件にしたがう。したがって反応は、10〜80℃、好ましくは20〜60℃の温度および特に好ましくは20〜40℃の温度で実施することができる。温度を設定する場合には、いわゆる当業者は、たとえば反応速度、収量、酵素安定性および副生成物スペクトルのような条件によって導くことができる。
反応を完了する場合には、均一系または不均一系混合物は、有利には、反応混合物を水相および有機相に分離する方法で、適切である場合には有機溶剤の添加によって処理してもよく、および好ましい生成物は有機相から単離される。
さらに本発明は、本発明による反応系を含有する有機化合物の変換のための装置に関する。使用するのに有利な装置は、たとえば攪拌槽または攪拌槽カスケードである。
本発明の一つの態様はさらに、有機化合物の酵素的変換または診断または分析のための本発明による反応系の使用である。これに関して、有機化合物の酵素的変換は、好ましくはエナンチオ濃縮生成物の形成を伴って実施される。
本発明によれば、組み合わされた酵素系は、補因子を消費しながら有機化合物の酵素的変換を進行し、かつ補因子をin situで第2の酵素系によって再生することを意味するものと解される。結果として、これは高価な補因子の使用を減少させ、それというのもこれらは全変換率に対して触媒量でのみ使用されるべきであるためである。
特に驚くべきことに、従来の教示にもかかわらず、使用される2個の酵素はエマルションの存在によっても損なわれることはなく、したがって、好ましい生成物を極めて良好な空時収量で製造することが可能である。
示されたように、2個のアルデヒドおよびケトンに対しては、使用されたFDHの急速な不活性化を導く多くの有機溶剤とは対照的に(比較例参照)、酵素の顕著な安定性、特に極めて不安定な蟻酸デヒドロゲナーゼの顕著な安定性が、高い基質濃度であってさえも数日後に観察することができる。さらに、反応の急速な進行は、この場合、純粋に水性の溶液中で、極めて低いケトン濃度の場合と同様の速度で生じることは驚くべきことである(理論的にはもっとも最適化された条件下)。工程条件下でのこの急速な形成速度は、特に<15mMの少ない量のケトン基質の添加の時の、活性の顕著な減少の点において、まったく予測されなかったものである(比較例2参照)。むしろ、少量のケトンの存在下であってさえも、活性におけるこれらの顕著な損失に基づいて、基質濃度をさらに増加させる場合には、変換が生じないかまたは低い変換率のみが予測されていた。この予測とは対照的に、好ましい反応は驚くべきことに、工程条件下で特に急速に進行するばかりでなく、さらに驚くべきことに完全な変換を導くものであった。
本発明による新規反応系を含む結果は、実施例で示す。他の有機溶剤を用いての比較例は図1に示す。
方法は、Candida Boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの野生型および遺伝子工学技術によって改質化されたこの酵素の型の双方で実施する(DE19753350)。前記のように、好ましくはNADHを補因子として使用する。試験に関して、たとえばRhodococcus、好ましくはRhodococcus erthropolisからのADHをADH成分として使用することができる。
一般に、使用される酵素は、反応のために、好ましいように精製された細胞不含の天然の形でかまたは組み換えにより製造された形で使用することができる。これに関してさらに好ましくは、粗抽出物を使用する。
本発明による方法の主な利点は、方法を簡略化することである。したがって、これらは高価な工程を含むことなく、かつ工程は好ましくはバッチ式反応器中で実施することができる。同様に、従来の方法とは対照的に、有機媒体から水性媒体を分離する特定の膜が使用とされることはない。同様の方法において必要とされる表面活性剤の添加は、本発明による方法においては省略される。これは、従来技術には教示がないにもかかわらず、本発明による方法を特に有利にするものである。
さらに、方法の後続の工程は特に簡略化される。水不溶性有機溶剤での簡単な抽出は、形成された生成物の単離の簡単な方法を導く。さらに可能な定量的変換は、真空下での有機抽出剤の蒸発後すでに高純度の粗生成物の存在を可能にする。したがって、高沸点基質(存在する場合)からの生成物の高価な精製は省略される。
エナンチオ濃縮またはエナンチオマー濃縮は、光学的対掌体が他のものを含む混合物中で、>50%で存在することを意味するものである。
示された構造は、すべての可能なジアステレオマーに関し、かつジアステレオマーに関しては、本願発明に含まれる化合物の2個の可能なエナンチオマーに関する。
本発明による方法は、以下の実施例によって例証される。
実施例:
例1(FDH活性の比較例)
蟻酸ナトリウム2.72g(0.8mol/l)およびリン酸水素二カリウム三水和物1.14g(0.1mol/l)を計量供給し、かつ完全に脱イオン化されたHO 40ml中に溶解した。溶液のpHは、アンモニア溶液(25%)および蟻酸(100%)または適切な溶剤を用いて、8.2に調整した。その後に溶液を50ml容量のフラスコ中に移し、かつ完全に脱イオン化されたHOで充填した。これとは別個に、NAD三水和物 71.7mg(4mmol/l)を計量供給し、かつ約20mlの完全に脱イオン化されたHO中に溶解した。溶液のpHを、アンモニア溶液(25%)および蟻酸(100%)または適切な希釈剤を用いて8.2に調整した。その後に溶液を25ml容量のフラスコ中に入れ、かつ完全に脱イオン化されたHOで充填した。それぞれの場合において基質溶液およびNADH溶液500μlを、その後に測定のために使用される1cmセル中で混合した。酵素溶液10μlの添加の後に、水中の有機溶剤の10%の溶液(表参照のこと)を溶剤として使用し、混合物を簡単に浸透し、セルをフォトメータ上に置きかつデータの記録を開始した。酵素溶液を測定の開始前に直接的にのみ添加した。酵素活性を、NADの反応によるNADHの形成について、光度定量検出によって一定の時間の後に測定した。光度定量測定法は30℃の温度でかつ340nmの波長で、15分の測定時間で実施した。結果は第1表および第2表に示した。
Figure 2006521101
Figure 2006521101
例2(比較例;添加剤としての2’,3−ジクロロアセトフェノンの存在下での、FDH長期活性の測定)
蟻酸デヒドロゲナーゼの活性は、比較例1に記載されている方法にしたがって測定したが、しかしながら有機溶剤は使用しなかった。これに関連して、2’,3−ジクロロアセトフェノンの種々の量のケトン濃度は添加剤として添加された。安定性が得られた過程については図2に示した。2,3’−ジクロロアセトフェノンが使用される場合には、急速な不活性化が>10mMの基質濃度で5時間以内に生じた。
例3:250mM 2−クロロアセトフェノンでの反応
オルト−クロロアセトフェノン(2−クロロアセトフェノン;250mM)、ならびにNADH(ケトンに基づいて0.04当量)および蟻酸ナトリウム(ケトンに基づいて5.5当量)を含有し、かつR. erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 60U/mmolおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C26A;E.Coli中での発現)からの蟻酸デヒドロゲナーゼ 60U/mmolの酵素量を有する反応混合物を、30℃の温度で、リン酸バッファー(100mM、pH7.0)50ml中で、72時間に亘って攪拌した。この時間中に試料を取り出し、かつ特定の変換率をHPLCにより測定した。72時間の後に、ケトンの好ましいアルコールへの完全な変換が観察された。その後に有機成分を2x50mlのメチルtert−ブチルエーテルを用いて抽出し、水相を取り除き、かつ有機相を乾燥させた。得られた濾液を、濾過後に真空下で易揮発性成分と分離し、かつ得られた残留物を、HPLC分析およびH核磁気共鳴分光法によって組成比について試験した。組成比は>99%であることが測定された(図3)。
例4:400mM 2−クロロアセトフェノンでの反応
オルト−クロロアセトフェノン(2−クロロアセトフェノン;400mM、全容量に基づく)ならびにNADH(ケトンに基づいて0.04当量)、および蟻酸ナトリウム(ケトンに基づいて5.5当量)を含有し、かつR.erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 60U/mmolおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C26A;E.Coli中での発現)からの蟻酸ホルメート60U/mmolの酵素量を有する反応混合物を、30℃の温度で、リン酸バッファー(100mM、pH7.0)12ml中で、46.5時間に亘って攪拌し、その際、全容量は20mlであった。この時間中に試料を取り出し、かつ特定の変換率をHPLCにより測定した。46.5時間の後に、ケトンの好ましいアルコールへの完全な変換が観察された(図4)。
例5:250mM 4−クロロアセトフェノンでの反応
オルト−クロロアセトフェノン(4−クロロアセトフェノン;250mM、全容量に基づく)ならびにNADH(ケトンに基づいて0.04当量)および蟻酸ナトリウム(ケトンに基づいて5.5当量)を含有し、かつR.erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 60U/mmolおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C26A;E.Coli中での発現)からの蟻酸ホルメート 60U/mmolの酵素量を有する反応混合物を、30℃の温度で、リン酸バッファー(100mM、pH7.0)15ml中で46.5時間に亘って攪拌し、その際、全容量は20mlであった。この時間中に試料を取り出し、かつ特定の変換率をHPLCにより測定した。46.5時間の後に、ケトンの好ましいアルコールへの>99%の変換が観察された(図5)。
例6:300mM 2’,3−ジクロロアセトフェノンでの反応
α,メタ−ジクロロアセトフェノン(2’,3−ジクロロアセトフェノン;300mM、全容量に基づく)ならびにNADH(ケトンに基づいて0.04当量)および蟻酸ナトリウム(ケトンに基づいて5.5当量)を含有し、かつR.erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 60U/mmolおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C26A;E.Coli中での発現)からの蟻酸ホルメート 60U/mmolの酵素量を有する反応混合物を、30℃の温度で、リン酸バッファー(100mM、pH7.0)14ml中で、46.5時間に亘って攪拌し、その際、全容量は20mlであった。この時間中に試料を取り出し、かつ特定の変換率をHPLCにより測定した。46.5時間の後に、ケトンの好ましいアルコールへの>99%の変換が観察された(図6)。
例7:100mM ケイ皮アルデヒドでの反応
ケイ皮アルデヒド(100mM、使用されたバッファーの量に基づく)ならびにNADH(ケトンに基づいて0.2当量)および蟻酸ナトリウム(ケトンに基づいて5.0当量)を含有し、かつR.erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 20U/mmolおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C26A;E.Coli中での発現) 20U/mmolの酵素量を有する反応混合物を、30℃の温度で、リン酸バッファー(100mM、pH7.0)10ml中で24.25時間に亘って攪拌した。この時間中に試料を取り出し、かつ特定の変換率をHPLCにより測定した。24.25時間の後に、アルデヒドの好ましいアルコールへの>95%の変換が観察された(図7)。
種々の溶剤を用いての本発明による反応系の結果を示す図 2,3’−ジクロロアセトフェノンを使用した場合の酵素活性を示す図 250mM 2−クロロアセトフェノンの反応を示す図 400mM 2−クロロアセトフェノンの反応を示す図 250mM 4−クロロアセトフェノンの反応を示す図 300mM 2’,3−ジクロロアセトフェノンの反応を示す図 100mM ケイ皮アルデヒドの反応を示す図

Claims (14)

  1. 純粋な水性溶剤系中で表面活性剤を添加することなく、有機化合物の補因子依存型酵素的変換および補因子の再生を含む、組合わされた酵素反応系において、基質の溶解限界を下廻ることがない限りは、基質を水1l当たり少なくとも50mMの量で酵素的変換中に使用する、組合わされた酵素反応系。
  2. エマルションまたは懸濁液が、少なくとも最初に反応系に存在する、請求項1に記載の反応系。
  3. 基質濃度が、基質の溶解限界を下廻ることはない限りは、少なくとも最初に、水1l当たり50〜1500mM、好ましくは100〜1000mMおよび特に好ましくは100〜500mMである、請求項1または2に記載の反応系。
  4. カルボニル化合物、特にアルデヒドまたは非対称ケトンを基質として使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の反応系。
  5. アルコール化合物、特に第1級アルコールまたはキラル第2級アルコールを基質として使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の反応系。
  6. NADHまたはNADPHを補因子として使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の反応系。
  7. 反応を10〜80℃、好ましくは20〜60℃および特に好ましくは20〜40℃の温度で実施する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の反応系。
  8. デヒドロゲナーゼを有機化合物の変換のための酵素として使用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の反応系。
  9. アルコールデヒドロゲナーゼを使用する、請求項8に記載の反応系。
  10. 補因子の再生を、蟻酸デヒドロゲナーゼ、特にカンジダ ボイジニイ(Candida boidinii)からの蟻酸デヒドロゲナーゼによって実施する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の反応系。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の反応系を使用することを特徴とする、有機化合物の製造方法。
  12. 反応混合物を水相と有機相とに分離し、適切な場合には有機溶剤を添加し、かつ好ましい生成物を有機相から単離する、請求項11に記載の方法。
  13. 有機化合物の酵素的変換または診断または分析のための、請求項1に記載の反応系の使用。
  14. エナンチオ濃縮された有機化合物を製造するための方法における、請求項13に記載の使用。
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