JP2006519136A - 自転車ロック - Google Patents

Abstract

自転車のクランク軸（５）の回転を妨げるための自転車ロックはクランク軸に近い自転車のサドルチューブ（６）の下部に設けられている。自転車ロックはロックピン（２）とロック機構を収容するロックハウジング（１）を備えている。ロック機構はロックピンを２つの位置で固定するようになっており、ロックピンはクランク軸を解除するかまたはクランク軸を動かなくする。ロックハウジングとサドルチューブとを着脱可能に結合するために、自転車ロックは、サドルチューブの一部である対応する結合手段と相互に作用するようになっている結合手段（１２）を備えている。ロックハウジング（１）は回転結合（１２）によってサドルチューブ（６）に結合されている。下部位置にあるロックピンは、ロックハウジングとサドルチューブとの結合部の回転を妨げる。

Description

本発明は、自転車のクランク軸の回転を妨げる自転車ロックに関する。自転車ロックはクランク軸に近い自転車のサドルチューブの下部に設けられており、自転車ロックはロックピンとロック機構を収容するロックハウジングを備え、ロック機構はサドルチューブの孔を通して挿入されるキーによって操作されるようになっており、ロック機構はロックピンを２つの位置で固定するようになっている。ロックピンは、その上部位置でクランク軸を解除し、その下部位置でクランク軸を動かなくし、下部位置にあるロックピンの端部は、クランク軸のはめ込み用ノッチと係合する。

自転車の盗難の防止に関して多数の特許出願がされており、これらの出願は、アクセサリーおよびビルトイン自転車ロックに関するＩＰＣクラスＢ６２Ｈ ５／００、乗車を妨げる特徴に関するＢ６２Ｈ ５／０８、およびペダルクランクへ作用する特徴に関するＢ６２Ｈ ５／１０に分類されている。欧州特許出願第ＥＰ−Ａ−０６３０８０２号はクランク軸に作用するロックについて説明している。上述の欧州特許出願に述べられているようなタイプのロックは、組み立ておよびメンテナンスの複雑さゆえに、またはクランク軸を動かなくするという特性を損なうことなく付け直すには選択肢が制限されているがゆえに、全くまたはほとんど利用されていない。

本発明の目的は、クランク軸を動かなくする取替え可能な自転車ロックを提供することである。

この目的を達成するため、本発明は、前提部で述べたようなタイプの自転車ロックを提供する。自転車ロックは、ロックハウジングとサドルチューブとの間の着脱可能な結合のためにサドルチューブの一部である対応する結合手段と相互に作用するようになっている結合手段を備え、ロックハウジングは回転結合によってサドルチューブに結合され、下部位置にあるロックピンは、ロックハウジングとサドルチューブとの結合部の回転を妨げる。

それゆえ、本発明に係る自転車ロックは、自転車のサドルチューブに完全なユニットとして設置可能であり、そして、サドルチューブの下部に、例えば、ネジ接続、Ｖ溝接続、またはバヨネット接続によって所定位置に回転可能である。また自転車ロックがキーによってロックされ、自転車ロックのロックピンがクランク軸のはめ込み用ノッチにはまり、接続も確保され、それゆえ自転車がロックされる時には、自転車ロックはサドルチューブから取り除くことができない。一方、自転車がロックされていない時には、自転車ロックは、全体として、回転可能であり、切り離すことができ、かつ取り除くことができる。この解決策によって、十分なメンテナンスという点に関する特性上の必要条件、すなわちロックが十分に機能しない場合には自転車ロックを取り替える可能性を保ちつつ、クランク軸をロックすることが可能である。

自転車ロックは、クランク軸が円筒状の保護要素によって囲まれている、いわゆる密閉型クランク軸を備えた自転車にも適用可能であるということに注目しなければならない。この場合、保護要素はロックピンの一部のための貫通開口を有しているということは明らかである。

以下において、保護の範囲を限定する意図ではなく、単に実現可能な実施形態を示している添付の図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
異なった図面中、同一の参照符号は同一または類似の部品を示す。
図１、図２および図３に示すように、本発明に係る自転車ロックはロックハウジング１を備え、ロックピン２はロックハウジング１内に位置している。ロックピン２は２つの部分からなり、すなわち、下部２１および上部２３からなり、これら下部２１および上部２３はスプリング要素２５を介して互いに連結されている。ロックピン２はロック機構３およびキー４によって２つの位置に位置することができ、これら２つの位置は、ロックピン２が自転車のクランク軸５を動かなくし、かつ図１のロックピンを示す肉太の線によって表されており、ロックピンの下端２２すなわちロックピン２の下部２１がクランク軸５の２つのはめ込み用ノッチ５１または５２の一方にはまる下部位置と、ロックピン２がロックハウジング１内に戻され、かつ図１の肉細の線によって表されるロックピンの端部２２ａおよび２３ａの位置によって示されている上部位置である。ロックピン２のスプリング要素２５は、はめ込み用ノッチ５１または５２の一方がロックピン２の端部２２のちょうど手前に位置していなくても、自転車のロックを可能とする。クランク軸５の回転が十分な場合には、ノッチ５１または５２の一方が端部２２の前方に位置するときに、ロックピン２の下部２１の端部２２はスプリング要素２５によって発生する押圧力によってはめ込み用ノッチ５１または５２の一方に押し入れられる。

一般的に言えば、クランク軸５には１または２以上のノッチを用いてもよい。各ノッチは、止まり穴又は溝の形をとってもよく、また他の適当な形をとってもよい。溝の場合には、ロックピンがクランク軸の回転を妨げる下部位置にあるときに、溝の底部はロックピンの長手軸と一列に並んで伸びてもよい。ノッチの形状および数は、ロックピンがクランク軸に係合するときに、その通常の機能を果たしかつクランク軸を壊すことによって自転車の盗難が行われることを防止するためにクランク軸に必要とされる機械的強度によって決定してもよい。

ロック機構３は、適用されたロック機構３に従って、伝導装置または偏心器３１によって、この目的のためにロックピン２の上部に備えられた構造２６を介して、ロックピン２を動かす。
ロックピン２の上部２３は、サドルチューブ６の側部にある開口を通してケーブル自転車ロックのコネクタを装着するためのキャッチシステム２７に嵌合することもできるので、自転車は同一のロックを用いて道路にある物体に結びつけることもできる。

ロックハウジング１はネジ、Ｖ溝、またはバヨネットシステム１２を有した底板１１を備えている。ロックハウジング１は、ロックピン２をガイドするための多数のガイド１３と、ロック機構３用のスペース１４と、ロックハウジング１を補強するか、またはサドルチューブ６の側部にある開口の処でロックピン２の上部２３と協同してケーブル自転車ロックを嵌めるためのキャッチシステム２７を支持するためのインサート１５とを備えている。ロックハウジング１は、ロックハウジング１を組み立てたり分解するための特別な工具用の係合構造となるソケットヘッドレンチ用の六角孔１７を有する閉塞板１６と、ロックハウジング１がサドルチューブ６に固定されるかあるいはサドルチューブ６から解除される場合に、ロックハウジング１が解除されないような方法で取り付けられているロックハウジング１と閉塞板１６との間にあるアタッチメント１８を含んでいる。ロックハウジング１の底板１１の底部側とクランク軸５の間の距離ができるだけ小さくなるように、ロックハウジング１はネジ接続又はＶ溝接続又はバヨネット接続１２によってサドルチューブ６の下部にあるクランク軸ケーシング内に配置されており、それゆえ、クランク軸５を動かなくするために最適な機械的強度を与える目的で、クランクピン２によってクランク軸５まで橋渡しをする距離はできるだけ小さくしている。さらに、ロックハウジング１内のロックピン２の偏心した配置によって、ロックハウジング１はサドルチューブ６の下部にある接続１２におけるロックハウジング１の解除用の回転に抗して固定されている。

クランク軸５は、刻みが付けられた１以上の接線方向はめ込み用ノッチを備えており、図１は２つのノッチ５１および５２を示している。クランク軸ハウジングを開けてクランク軸５を軸方向に外側に取り除くことによって自転車が自転車ロックから解放されることを防止するために、これら接線方向はめ込み用ノッチ５１および５２は、図３のノッチ５１に示されるように、軸方向に仕切られている。この可能性は、図示された接線方向はめ込み用ノッチ５１，５２の空間が限られていることによって防止される。
さらに、ピン２２と空間５１の構成によって回転によるロックハウジング１の解除が不可能になるような方法で、加工された接線方向のはめ込み用ノッチ５１にはまる概略不等辺四角形断面が得られるような方法でロックピン２の端部２２がはめこまれているということが図３に示されている。

本発明の一部である種々の部品の形状、材質および寸法は合理的な範囲内で変更することができ、ロックピン２の断面は、図に示されるように扇形状としてもよく、またロックピン２がロックハウジング１に偏心してはまる場合には、ロックピン２の断面として不等辺四角形、矩形、正方形、又は円形の断面を選ぶことも可能である。
さらに、ピンが不等辺四角形、矩形、正方形又は六角形の断面を有し、この断面がクランク軸の同様な形状のノッチにはまる場合には、同心状にはめ込まれるロックピンを有したデザインとすることも可能である。このことは、自転車がロックされるときに自転車ロックを固定することにも役立つ。

自転車がロックされるときにロックピン２を通して固定することを可能とするために、回転（どんなに小さなものであっても）がサドルチューブ６の下部でロックハウジング１の組み立ておよび分解のために必要とされるという条件で、一方側のロックハウジング１と他方側のクランク軸ケーシングを備えたサドルチューブ６との間で適用される接続を自由に選択することも可能である。

図４は、下部に１または２以上の半径方向外側に伸びるピン６０を備えたロックハウジング１ａを備えた自転車ロックを示している。この具体例と形状を同じくするサドルチューブ６（図示せず）は、下部でサドルチューブ６の内壁に沿って、放射状かつ少なくとも部分的に円周方向に伸びている少なくとも１つの隆起部を備えている。少なくとも１つのピン６０をサドルチューブ６の隆起部の高さより下まで下げ、少なくとも１つのピン６０が隆起部の下方に位置するように少なくとも１つのピン６０をある角度だけ回転させることにより、ロックハウジング１ａはサドルチューブ６に装着されており、それによって、特に下部位置にある自転車ロックのロックピン２（図示せず）がサドルチューブ６内のロックハウジング１ａの回転を妨げるときに、ロックハウジング１ａがサドルチューブ６から軸方向に取り外されることを防止している。

少なくとも１つのピン６０はピン６０をロックハウジング１ａに押圧することができるようにバネで止められており、それによってピン６０はロックハウジング１ａから突出しない。そのような構造によって、前記隆起部はサドルチューブ６の内壁に沿って全周に伸びることが可能であり、カラーの形をとることが可能である。ロックハウジング１ａを装着している間、少なくとも１つのピン６０が隆起部またはカラーを通過するまで、少なくとも１つのピン６０は適当な工具によって内方に押圧されることが可能であり、その後、少なくとも１つのピン６０が解除されて、ロックハウジング１ａの反対方向への動きを妨げる。
本発明に係るロックハウジング１，１ａは、それらのサドルチューブ６への回転結合に加えて、サドルチューブ６に圧入可能である。

図５は、ロック機構３の下方の第１円周溝７１とロック機構３の下方の第２円周溝７２とを備えたロックハウジング１ｂを示している。これらの溝は互いに間隔を置いて配置されている。溝７２はロックハウジング１ｂの端部近くに位置しており、溝７１はロック機構３の近くに位置している。各溝７１，７２には、Ｏリング７３が設けられている。Ｏリング７３の外径はサドルチューブ６（図示せず）の内径にほぼ等しい。サドルチューブ６はキーをロック機構３に挿入するためのキー穴を備えている。Ｏリング７３の間の領域がサドルチューブ６のキー穴に対向するまで、ロックハウジング１ｂをサドルチューブ６内に滑り込ませることによってロックハウジング１ｂが装着される。次に、Ｏリング７３の間のロックハウジング１ｂの外壁、ロックハウジング１ｂの外壁に対向するサドルチューブ６の内壁、およびＯリング７３によって囲まれた空間は、サドルチューブのキー穴を通して適当な接着剤で満たされている。都合がよいことには、接着剤が固まるときにサドルチューブ６内でロックハウジング１ｂを最も確実に固定するために最大量の接着剤を用いることができるようにするために、前記空間を接着剤で満たす際に、溝７１内のＯリング７３はキー穴の直上、またはキー穴の高さに位置している。前記空間を接着剤で満たした後に、接着剤がまだロックハウジング１ｂの動きを許容する間に、ロックハウジング１ｂは所定の位置に動かされる。この具体例および手順は、サドルチューブ内でロックハウジングを予め定められた位置に接着剤で固定するためにサドルチューブ内に接着剤を簡単にかつ確実に塗布し、同時に接着剤がロックハウジングを汚染することを防止したり自転車ロックの機能を妨げることを防止するという課題を解決する。接着剤が固まった後には、自転車のフレームが修復できないほどに損傷させないでは自転車ロックをサドルチューブから取り除くことはできない。

溝７１および７２と２つのＯリング７３の組み合わせの代わりに、１つのＯリング７３と１つの溝７１を省略して、溝７２と単一のＯリング７３との組み合わせも用いることができる。
ロックハウジング１ｂをサドルチューブ内でセンタリングするためのＯリングと溝との組み合わせによるセンタリング機能を考慮して、この機能は、溝７２内のＯリング７３からやや離れて位置する他の手段によっても得ることができる。
Ｏリングと溝の組み合わせの代わりに、ロックハウジング１ｂに接着され、さもなければロックハウジング１ｂに接続され、またはロックハウジングと一体に形成される別の弾性的又は非弾性的なシール部材を用いることもできる。

本発明に係る自転車ロックは、図面で示され、かつ上述した構造例に限定されることはない。本発明の範囲内で種々の変更をすることが可能である。例えば、更なる盗難防止のために、サドルチューブを通して上方からロックハウジングに穴開けをすることによって自転車ロックが破壊されることを防止するために、鋼球（図示せず）をロックハウジングの上部に収容することも可能である。鋼球はドリルの先端を横方向にそらせ、これゆえロックハウジングの下部を保護する。
本発明に係る自転車ロックは、他の状況または用途においてその使用が限定されることはない。

図１は、本発明に係る自転車ロックの位置にある自転車フレームの一部の断面図を模式的に示している。 図２は、図１に係る自転車ロックの底板の直上でのII-II断面を示す。 図３は、クランク軸内のロックピンの端部の位置における図１のIII-III断面を示す。 図４は、ロックハウジングをサドルチューブにバヨネット結合するための本発明に係る自転車ロックの実施形態の部分断面側面図を示す。 図５は、サドルチューブに接着される自転車ロックの実施形態の部分断面側面図を示す。

Claims (15)

1. 自転車のクランク軸の回転を妨げるための自転車ロックにおいて、
   自転車ロックはクランク軸に近い自転車のサドルチューブの下部に設けられ、
   自転車ロックはロックピンおよびロック機構を収容するロックハウジングを備え、
   ロック機構はサドルチューブの穴を介して挿入されるキーによって操作されるようになっており、
   ロック機構はロックピンを２つの位置で固定するようになっており、
   ロックピンは、その上部位置でクランク軸を解除し、その下部位置でクランク軸を動かないようにし、
   下部位置にあるロックピンの端部はクランク軸のはめ込み用ノッチに係合し、
   ロックハウジングとサドルチューブとを着脱可能に結合するために、自転車ロックはサドルチューブの一部である対応する結合手段と相互に作用するようになっている結合手段を備え、
   ロックハウジングは回転結合によってサドルチューブに結合され、
   下部位置にあるロックピンは、ロックハウジングとサドルチューブとの結合部の回転を妨げることを特徴とする自転車ロック。
2. 前記ロックハウジングはネジ接続によってサドルチューブに装着されることを特徴とする請求項１記載の自転車ロック。
3. 前記ロックハウジングはバヨネット接続によってサドルチューブに装着されることを特徴とする請求項１記載の自転車ロック。
4. 前記ロックハウジングはＶ溝接続によってサドルチューブに装着されることを特徴とする請求項１記載の自転車ロック。
5. 前記ロックピンはロックハウジング内で偏心位置を有することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の自転車ロック。
6. 前記ロックピンの下端はシリンダ形状をしており、クランク軸のシリンダ形状のノッチにはまることを特徴とする請求項５記載の自転車ロック。
7. 前記ロックピンの下端はクランク軸の加工された接線方向のはめ込み用ノッチに回転不能にはまることが可能であることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の自転車ロック。
8. 前記ロックピンの下端の断面は不等辺四角形であることを特徴とする請求項７記載の自転車ロック。
9. 前記ロックピンの下端の断面は矩形であることを特徴とする請求項７記載の自転車ロック。
10. 前記ロックピンの下端の断面は正方形であることを特徴とする請求項９記載の自転車ロック。
11. 前記ロックピンの下端の断面は六角形であることを特徴とする請求項７記載の自転車ロック。
12. 前記ロックピンはスプリング要素を介して互いに結合された２つの部分からなることを特徴とする請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の自転車ロック。
13. 前記ロック機構はクロスロックであることを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１項に記載の自転車ロック。
14. 前記ロック機構はシリンダロックであることを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１項に記載の自転車ロック。
15. 前記自転車ロックはケーブル自転車ロックを装着するためのキャッチシステムを含むことを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか１項に記載の自転車ロック。
    

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