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JP2006516383A - Bh3ペプチドおよびその使用方法 - Google Patents

Bh3ペプチドおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明はペプチド類およびそれらをコードする核酸配列を提供する。本発明はさらにアポトーシス関連性疾患を診断、処置および予防するための治療法、診断法および検査法を提供する。本発明はタンパク質のBCL−2ファミリのBH3ドメインだけが特異的死のリガンドとして機能し得るという発見に基づくものである。ペプチド類とは、本明細書ではBH3ペプチド類を意味するものとする。一局面において、本発明は配列番号:1、2または10の配列を有する単離ペプチドを提供する。上記ペプチドはBAKオリゴマー化およびミトコンドリアからのチトクロームcの放出を誘起する。

Description

国が支援する研究に関する陳述
本発明はNIH基金CA92625のもとで米国政府の支援のもとで行われた。米国政府は本発明に一部の権利を有する。
発明の分野
本発明は全体としてアポトーシスを調節する方法および組成物に関するものである。
発明の背景
アポトーシスと呼ばれるプログラム細胞死は全ての多細胞生物内の組織ホメオステーシスの発達および維持に不可欠な役割を演ずる(Raff,Nature 356:397−400,1992)。線虫からヒトに至るまでの遺伝子および分子分析によって、細胞自滅のアポトーシス経路が高度に維持されていることが示唆された(Hengartner and Horvitz,Cell 76:1107−1114,1994)。正常な発達および維持に必要である上、アポトーシスはウィルス感染に対する防御および癌発生の予防に重要である。
複数の亜細胞性領域から発する多様な固有死のシグナルは全て、ミトコンドリアからのチトクロームcの放出を誘発し、Apaf−1を活性化し、エフェクタ・カスパーゼの活性化を起こす。BCL−2ファミリのタンパク質はプログラム細胞死を遂行する主要調節物質であると同時にミトコンドリアにおける死のシグナルの実行体である。このファミリのメンバーにはプロ−および抗−アポトーシスタンパク質が両方とも含まれ、BCL−2相同性(BH)1−4ドメインと呼ばれる4つの保存領域に相同性を共有する(Adams and Cory,1998)。このファミリは主要3サブクラスに分けることができる。BCL−2およびBCL−Xを含む抗アポトーシスタンパク質類は全て“マルチドメイン”であり、4つのBHドメイン全てを通じて相同性を共有している。しかし、プロ−アポトーシスタンパク質はさらに分類することができ、BH1−3ドメインに配列相同性を有するBAXおよびBAKのようなマルチドメインタンパク質類を含む。これよりは遠い関係にある“BH3−only”タンパク質は今日までのところ全てプロ−アポトーシスであり、両親媒性α−らせんBH3領域内に配列相同性を有し、これはそれらのアポトーシス機能に必要である(Chittenden et al.,1995;O’Connor et al.,1998;Wang et al.,1996;Zha et al.,1997)。
死シグナルのreceiptではマルチドメイン・プロアポトーシスタンパク質はミトコンドリア機能異常の遂行に関与する。生存能力のある細胞において、これらのタンパク質はモノマーとして存在する。しかし細胞質に局在するかまたは膜にゆるく結合している不活性BAXは、種々の死のシグナルに反応すると、ホモ−オリゴマー化マルチマーとしてミトコンドリアの外膜に深く入り込む(Eskes et al.,2000;Gross et al.,1998;Wolter et al.,1997)。不活性BAKは上記ミトコンドリアに存在し、そこで死のシグナルに反応してホモ−オリゴマー化を含むアロステリック構造変化も受ける(Griffiths et al.,1999;Wei et al.,2000)。BAXおよびBAKの両方が欠如している細胞は細胞内の複数の部位から発せられる非常に種々様々の死の刺激に抵抗する(Wei et al.,2001)。
BH3−only分子はこのファミリの第三のサブセットを構成し、BID、NOXA、PUMA、BIK、BIMおよびBADを含む(Kelekar and Thompson,1998)。これらのタンパク質は両親媒性α−ヘリカルBH3領域にのみ配列相同性を共有する。この領域は、突然変異分析により、プロ−アポトーシスメンバーがそれらの死を活性させるために必要であることが示されている。その上、BH3−onlyタンパク質は“マルチドメイン”BCL−2ファミリメンバーへの結合を示すためにこのドメインを必要としている。酵母2−ハイブリッド法、界面活性剤で可溶化した細胞溶解物からの同時免疫沈殿法、およびin vitroプルダウン実験などを含む多結合アッセイは、個々のBH3−only分子がマルチドメインBCL−2メンバーに対してある選択性を示すことを示唆している(Boyd et al.,1995;O’Connor et al.,1998;Oda et al.,2000;Wang et al.,1996;Yang et al.,1995)。BIDタンパク質はプロ−アポプトテイックBAXおよびBAK、並びに抗−アポプトテイックBCL−2およびBCL−Xに結合する(Wang et al.,1996;Wei et al.,2000)。これに対して、BAD、NOXAおよびBIMは完全分子として抗−アポプトテイックメンバーに優先的に結合する(Boyd et al.,1995;O’Connor et al.,1998;Oda et al.,2000;Yang et al.,1995)。
発明の概要
本発明はタンパク質のBCL−2ファミリのBH3ドメインだけが特異的死のリガンドとして機能し得るという発見に基づくものである。ペプチド類とは、本明細書ではBH3ペプチド類を意味するものとする。
一局面において、本発明は配列番号:1、2または10の配列を有する単離ペプチドを提供する。上記ペプチドはBAKオリゴマー化およびミトコンドリアからのチトクロームcの放出を誘起する。また別の局面において、本発明は配列番号:3−9または11の配列を有する単離ペプチドを提供する。上記ペプチドはBCL−2またはMCL−1に結合する。例えば配列番号:1−5はBCL−2に結合する。一方、配列番号:6および配列番号:7はMCL−1に結合する。
また本発明には第一ドメインおよび第二ドメインを有するキメラペプチドが含まれる。第一ドメインは配列番号:1−11のアミノ酸配列を有する。第二ドメインは、生物膜を介する輸送を容易にするトランスロケーション配列を有する。例えばトランスロケーション配列にはポリアルギニンが含まれる。
また別の局面において、本発明は本発明の任意のペプチドをコードする核酸を含む。
また本発明は本明細書に記載される一つ以上の核酸を含むベクター、および本明細書に記載されるベクターまたは核酸を含む細胞を含む。
本発明は上記の核酸分子のいずれかを含むベクターで形質転換された宿主細胞にも関係する。
また別の局面において、本発明は本発明のペプチド類および担体または希釈剤を含む組成物を含む。
また別の局面において、本発明は対象における癌などの細胞増殖性疾患を、対象にBH3ペプチドを投与することによって処置する方法を提供する。
また別の局面において、本発明は細胞にアポトーシスが誘発されるように前記細胞を配列番号1、2または10と接触させて、アポトーシスを誘起する方法を含む。或いは本発明は細胞と配列番号:3−7または11のいずれかを含む組成物とを、上記細胞がアポトーシスに対して感作するように接触させることによって上記細胞をアポトーシスに対して感作させる方法を提供する。
本発明のその他の局面は、BCL−2を過剰に発現するミトコンドリアとBID様BH3ペプチドとを接触させてBCL−2−ペプチド−複合体を形成し、その複合体を試験化合物と接触させるというやり方でアポトーシスに敏感な化合物をスクリーニングする方法を含む。ミトコンドリアからのチトクロームcの放出を測定し、化合物に曝露しなかったミトコンドリアからのチトクロームc放出と比較する。試験化合物の存在しない場合と比較して試験化合物の存在する場合のチトクロームcの放出が増加していれば、その化合物はアポトーシス感作化合物であることが示唆される。
また別の局面において、本発明はBCL−2タンパク質を含むタンパク質をコードする非相同性遺伝子構成物を含むトランスジェニック動物、またはこの動物から単離される細胞に関係する。上記遺伝子構成物は普遍的に発現される。或いは上記遺伝子構成物は構造的に発現される。上記遺伝子構成物はプロモータのような調節配列を一つ以上含む。例えば、上記遺伝子構成物は誘導性プロモータの制御下にある。このトランスジェニック動物はBCL−2拮抗物質の効果を調べるための in vitro試験に有用である。
また別の局面において、本発明は in vitroアッセイにおいてトランスジェニック動物から単離した細胞系を使用してBCL−2タンパク質の阻害、抗アポトーシスBCL−2タンパク質ファミリメンバーの阻害を確認し、または拮抗物質そのものの効果を確認する方法に関係する。
また別の局面において、本発明は、ゲノムに安定的に組み込まれ、BCL−2タンパク質をコードする組換え核酸分子を含むトランスジェニック、非ヒト動物に関係する。
また別の局面において、本発明はBCL−2タンパク質をコードする組換え核酸分子を胚細胞、胎児細胞、卵細胞またはそれらから誘導される細胞に導入することを含む、トランスジェニック非ヒト動物の生産法に関係する。
別途記載がない限り、本明細書に使用される技術的および科学的用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似のまたは同じ方法および材料は本発明の実施または試験に使用できるが、適切な方法および材料は以下に記載される。本明細書に記載される全ての出版物、特許出願、特許およびその他の文献は参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。抵触のある場合、定義を含む本明細書が調整する。さらに、材料、方法および実施例は例証的なものに過ぎず、制限するものではない。
本発明のその他の特徴および利点は以下に詳述する説明および請求項から明らかである。
発明の詳細な説明
本発明はBCL−2ファミリのタンパク質からのBH3ドメインを含むペプチドが特定の死のリガンドとして機能し得るという発見に一部基づくものである。本発明のペプチドはBID、BIM、BAD、BIK、NOXA、およびBCLXポリペプチドのBH3ドメインから一部誘導されたものであり、プロ−アポトーシスメンバーを活性化するかまたは抗アポトーシスメンバーを中和することによって、それらのポケットからBH3ドメインを転置するというやり方で細胞死を開始する。プロ−アポトーシスメンバーを活性化するペプチドは本明細書では“BID様BH3ペプチド(例えば配列番号:1、2および10)”と呼ばれ、他方、抗アポトーシスメンバーを中和するペプチドは本明細書では“BAD様BH3ペプチド”(配列番号:3−7および11)と呼ばれる。BID様およびBAD様ペプチドは下の表1に列挙され、本明細書ではまとめてBH3ペプチドと呼ばれる。その他に、本発明は、細胞増殖異常などのアポトーシス関連性病態生理学を処置するための方法および医薬組成物を提供する。
BH3ペプチド
一局面において、本発明はBH3ペプチドを提供する。用語“ペプチド”は特定の長さを意味しない。ある実施形態において、BH3は長さ195アミノ酸未満であり、例えばアミノ酸150、100、75、50、35、25または15以下の長さである。例えばBH3ペプチドは配列番号:1−11の配列を含む。種々の実施形態において、BH3ペプチドは配列番号:1−2または10のアミノ酸配列を含む:上記ペプチドはBAKオリゴマー化およびチトクロームcの移動(例えばミトコンドリアからのチトクロームcの放出など)を誘発する。BAKオリゴマー化とは、BH3ペプチドがBAKオリゴマー、例えばダイマー、トリマーなどの生成を誘起することを意味する。これらのオリゴマーはヘテロ−オリゴマーである。或いは、これらオリゴマーはホモ−オリゴマーである。その他の実施形態において、BH3ペプチドはアポトーシス、例えばプログラム細胞死を促進する。或いはBH3ペプチドは配列番号:3−5または11のアミノ酸配列を含む:その際上記ペプチドはBCL−2またはBCL−2ファミリタンパク質のその他の抗アポトーシスメンバーに結合する。或いは、BH3ペプチドは配列番号:6または7のアミノ酸配列を含む:その際上記ペプチドはMCL−1、またはBCL−2ファミリタンパク質のその他の抗アポトーシスメンバーに結合する。(表1を参照)
BID様BH3ペプチドの例は、配列NH−XXXXXXIAXXLXXXGDXXXX−COOH(配列番号:10)を(全部または一部分)含むペプチドを含む。BAD様BH3ペプチドは配列NH−XXXXXXXXXXLXXXXDXXXX−COOH(配列番号:11)を(全部または一部分)含む。ここに使用するXは任意のアミノ酸である。或いは、BID様またはBAD様BH3ペプチドは配列番号:10または配列番号:11のアミノ酸を少なくとも5、6、7、8、9、15またはそれ以上含む。
BH3ペプチドはL−アミノ酸、D−アミノ酸、または両方の組み合わせのポリマーでよい。例えば種々の実施形態において、上記ペプチドはD−レトロ−インベルソ ペプチドである。用語“レトロ−インベルソ異性体”とは配列の方向が逆であり、各アミノ酸残基のキラリティが逆である線状ペプチドの異性体を言う。Jameson et al.,Nature,368,744−746(1994);Brady et al.Nature,368,692−693(1994)などを参照されたい。D−エナンチオマー類と逆合成とを組み合わせた正味の結果は、各アミド結合にあるカルボニル基とアミノ基との位置が取り代わり、その一方で各アルファ炭素にある側鎖の位置は保存されるというものである。特に別途記載がない限り、本発明の所定の任意のL−アミノ酸配列は、対応する天然L−アミノ酸配列に対して配列の逆を合成することによってD−レトロ−インバーソペプチドになり得ると推定される。
或いは、BH3ペプチドは環状ペプチドである。BH3環状ペプチドは当業者に公知の方法によって合成される。例えばペプチドN−およびC−末端の間に、または側鎖とN−またはC−末端との間に[例えばpH8.5でKFe(CN)で](Samson et al.Endocrinology,137:5182−5185(1996))または2つのアミノ酸側鎖の間に、アミド結合を形成することによって大環状化が実現することがよくある。DeGrado,Adv Protein Chem,39:51−124(1988)などを参照されたい。

BH3ペプチドの製法
BH3ペプチドは近代的クローニング技術を使用して容易に作られ、または固相法または部位特異的突然変異誘発によって合成できる。BH3ペプチドはポリペプチドの優性阻害型を含むことがある。一実施形態において、天然BH3ペプチドは細胞または組織ソースから、標準的タンパク質精製技術を用いる適切な精製スキームによって分離できる。また別の実施形態においてはBH3ポリペプチドは組換えDNA法によって作製できる。組換え発現に代わるものとして、BH3ペプチドは標準的ペプチド合成法を用いて化学的に合成できる。
“分離された”または“精製された”タンパク質、またはその生物学的活性部分は、BH3ペプチドが誘導される細胞または組織ソースからの細胞性基質またはその他の混入タンパク質を実質的に含まず、また化学的に合成される場合、化学的前駆体またはその他の化学物質が実質的に含まれない。用語“細胞性基質を実質的に含まない”とは、BH3ペプチドが、このタンパク質が分離される細胞またはこのタンパク質を組換え生産する細胞からの細胞性コンポーネントから分離されているBH3ペプチド試料について言う。一実施形態において、用語“細胞性基質を実質的に含まない”は、非−BH3ペプチド(ここでは“混入タンパク質”とも言う)を約30%(乾燥重量で)未満有するBH3ペプチド試料、より好ましくは非−BH3ペプチドを約20%未満、さらにより好ましくは非−BH3ペプチドを約10%未満、そして最も好ましくは非−BH3ペプチドを約5%未満有するBH3ペプチド試料を含む。BH3ペプチドまたはその生物学的活性部分を組換えによって生産する際には、それは培養培地も実質的に含まないのが好ましい、すなわち培養培地は上記タンパク質試料の体積の約20%未満であり、より好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満である。
用語“化学的前駆体またはその他の化学物質を実質的に含まない”は、前記タンパク質がそのタンパク質の合成に関係した化学的前駆体またはその他の化学物質から分離されているBH3ペプチド試料を含む。一実施形態において、“化学的前駆体またはその他の化学的物質を実質的に含まない”という語は、化学的前駆体または非−BH3ペプチド化学物質を約30%(乾燥重量で)未満有するBH3ペプチド試料、より好ましくは化学的前駆体または非−BH3ペプチド化学物質を20%未満、さらにより好ましくは化学的前駆体または非−BH3ペプチド化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学的前駆体または非−BH3ペプチド化学物質を約5%未満有するBH3ペプチド試料を含む。
用語“生物学的同等物”は、本発明の組成物類が、ヒト、ラットまたはマウス起源のcDNAライブラリーから同定される配列から導き出されるBH3ポリペプチド、または組換え発現症状から生成するBH3ポリペプチドと必ずしも同程度ではなくても、同じアポトーシス調節効果の若干または全て、すなわちチトクロームc放出またはBAKオリゴマー化をあらわすことができることを意味する。
保存パーセントは、上記のアラインメントから、同一残基のパーセントを2残基が保存的置換をあらわす位置のパーセントに加えることによって計算される(PAM250残基重量表において0.3以上のlog奇数値を有すると定義される)。保存は同一性の比較のために上に記載した配列に比較される。この要求を満足する保存アミノ酸変化は:R−K;E−D、Y−F、L−M;V−I、Q−Hである。
BH3ペプチドはBH3ペプチドの誘導体も含むことができる。それらは融合タンパク質を含むBH3ペプチドのハイブリッドおよび修飾型、およびBH3ペプチドフラグメント、および幾つかのアミノ酸が欠失または置換されたハイブリッドおよび修飾型、および一つ以上のアミノ酸が修飾アミノ酸または異常アミノ酸に変化したような変形体、および前記ハイブリッド又は修飾型がBH3ペプチドの生物学的活性を保有する限りにおいてグリコシル化のような変形体などを含むものとする。上記生物学的活性を保有することによって、細胞死は、たとえヒトまたはマウスで同定された天然発生性BH3ポリペプチドや例えば組換え生産されるBH3ポリペプチドの程度と必ずしも同じレベルでないにしろ、BH3ポリペプチドによって誘発されることを意味する。用語、“誘発される”および“促進される”は、本明細書全体を通じて交換可能に使用される。
好ましい変異体は、一つ以上の推定非必須アミノ酸残基の部位で行われる保存的アミノ酸置換を含むものである。“保存的アミノ酸置換”とは、そのアミノ酸残基が同様な側鎖を有するアミノ酸残基で置換されることである。同様な側鎖を有するアミノ酸残基のファミリは当業者によって決定される。これらのファミリは、塩基性側鎖(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷をもたない極性側鎖(グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システインなど)、無極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンなど)、ベータ−分岐側鎖(スレオニン、バリン、イソロイシンなど)および芳香族側鎖(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンなど)を有するアミノ酸を含む。こうしてBH3ポリペプチド中のある予測される非必須アミノ酸残基は同じ側鎖ファミリからの別のアミノ酸残基で置換される。或いはまた別の実施形態において、BH3コーディング配列の全体または一部分に沿って、例えば飽和突然変異誘発によって突然変異をランダムに導入することができ、生成した突然変異体をスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定することができる。
また、実質的に相同性という意味のなかには、本明細書に記載されるBH3ペプチドに対する抗体類と交差反応することによって分離できる任意のBH3ペプチド、またはそれ(BH3ペプチド)をコードするヌクレオチド配列、例えばゲノムDNA、mRNAまたはcDNAが、本発明のBH3ペプチドまたはそのフラグメントのゲノムまたはサブゲノムヌクレオチド配列またはcDNAとのハイブリダイゼーションによって分離できるという任意のBH3ペプチドも含まれる。

キメラおよび融合タンパク質
本発明はBH3キメラまたは融合タンパク質も提供する。本明細書に使用するBH3またはBIDムテイン“キメラタンパク質”または“融合タンパク質”としては非−BH3ポリペプチドに作動可能に結合するBH3またはBIDムテインポリペプチドなどがある。“BH3ペプチド”はBH3ペプチドに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを言い、一方“非−BH3ペプチド”はBH3ペプチドに実質的に相同性でないタンパク質、例えば同じまたは異なる生物から誘導され、BH3ペプチドとは異なるタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを言う。BH3ペプチドの範囲では、上記BH3ペプチドはBH3ペプチドの全体または一部分に対応することができる。一実施形態において、BH3ペプチド融合タンパク質はBH3ペプチドの生物学的活性部分を少なくとも一つは含む。また別の実施形態において、BH3ペプチド融合タンパク質はBH3ペプチドの少なくとも2つの生物学的活性部分を含む。融合タンパク質の範囲内で、用語“作動可能に結合”とは、BH3ペプチドと非−BH3ペプチドとが互いにある枠内で結合することを意味するものとする。非−BH3ペプチドはBH3ペプチドのN−末端またはC−末端に融合することができる。
例えば、ある局面において本発明は、BH3ペプチドを含む第一ドメインを含み、前記BH3ペプチドがトランスロケーション配列を含む第二のドメインに作動可能に結合するというキメラペプチドを提供する。
“トランスロケーション”配列 とは細胞が所望の機能をもつようにあるペプチドを方向づける任意のアミノ酸配列を言う。例えばトランスロケーション配列はポリアルギニンである。例えばこのトランスロケーション配列は上記ペプチドを生物膜、例えばリン脂質膜、ミトコンドリヤ膜、または核膜を通して浸透できるようにし、または浸透を容易にすることができる。例えばトランスロケーション配列はそのペプチドを細胞の外側から、形質膜を介して細胞質または細胞内の所望の場所に、例えば核、リボソーム、ミトコンドリヤ、ER、ライソソームまたはペルオキシソーム内に導く。或いは、またはさらに加えて、トランスロケーション配列は上記ペプチドを血液−脳障壁、経粘膜障壁、または血液脳、血液網膜、胃腸および肺障壁などの生理学的障壁を通過させることができる。
或いは、BH3ペプチド融合タンパク質は第二のタンパク質の細胞外ドメインに作動可能に結合するBH3ペプチドを含む。このような融合タンパク質は、BH3ペプチド活性を調節する化合物のスクリーニングアッセイ(例えば以下に詳述するアッセイなど)に利用することもできる。
また別の実施形態において、融合タンパク質はGST−BH3ペプチド融合タンパク質であり、その際BH3ペプチド配列はGST(すなわちグルタチオン−S−トランスフェラーゼ)配列のC−末端に融合している。このような融合タンパク質は組換えBH3ペプチドの精製を容易にすることができる。
また別の実施形態において、融合タンパク質はBH3ペプチド−免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここでは1つ以上のドメインを含むBH3ペプチド配列が免疫グロブリンタンパク質ファミリのメンバーから誘導される配列に融合する。本発明のBH3ペプチド−免疫グロブリン融合タンパク質を医薬組成物に導入し、対象に投与し、細胞表面上でのBH3ペプチドリガンドとBH3ペプチドとの相互作用を阻害し、それによって in vivo におけるBH3ペプチド介在性シグナル形質導入を抑制することができる。一つの非制限的例において、予想される本発明のBH3ペプチドリガンドはVHLポリペプチドである。BH3ペプチド−免疫グロブリン融合タンパク質を使用してBH3ペプチド同起源リガンドの生体適合性に影響を与えることができる。BIDα6ペプチドリガンド/BH3ペプチドの相互作用は増殖性疾患の処置並びに細胞生存またはアポトーシスの調節(例えば誘発または阻止)の両方に治療的に有用である。例えばBH3ペプチドリガンド/BH3ペプチドの阻害は本明細書に記載される種々の疾患に利用できる。さらに本発明のBH3ペプチド/免疫グロブリン融合タンパク質を免疫原として使用して対象に抗−BH3抗体を産生し、BH3ペプチドリガンド類を精製し、スクリーニングアッセイでBH3ペプチドとBH3ペプチドリガンドとの相互作用を阻害する分子を同定することができる。
また別の実施形態において、上記融合タンパク質はBH3ペプチド−塩基性帯電ドメイン融合タンパク質であり、このタンパク質では1つ以上のドメインを含むBH3ペプチド配列が塩基性ペプチドドメインに融合している。本発明のBH3ペプチド−塩基性帯電ドメイン融合タンパク質は医薬組成物に組み込まれ、対象に投与され、細胞内におけるBH3ペプチドリガンドとBH3ペプチドとの相互作用を阻害し、それによってBH3ペプチド介在性シグナル形質導入を in vivo で抑制することができる。タンパク質治療領域ではタンパク質類をヒト患者に直接送達するための塩基性ペプチドドメインを含む生物学的活性融合タンパク質の例が当業者には幾つか知られている。例えば非制限的に、ヒト免疫不全症ウィルス1型(HIV−1)TATタンパク質、HIV−1Revタンパク質、ドロソフィラ・アンテナペディアまたはHIV−1オクタアルギニンタンパク質などである。これらの塩基性ペプチドドメインはアルギニンに富むことがある。これらの形質導入タンパク質はin vivo および in vitroいずれにおいてもタンパク質類を細胞質および核に送達するための膜透過性および運搬機能を有することが判明している。これらの細胞は哺乳動物細胞でよい(すなわちヒト細胞)(Suzuki et al.,J Biol Chem 276:5836−40,2001およびSuzuki et al.,J Biol Chem 277:2437−43,2002)。
本発明のBH3キメラまたは融合タンパク質は標準的組換えDNA技術によって生成される。例えば異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、一般的方法、例えば結合のためのブラントエンドまたはスタガーエンドの末端の使用、適切な末端を形成するための制限酵素消化、結合末端を適切なアルカリホスファターゼ処理によって充填、不都合な結合を回避、および酵素的結合によって、ある枠内で結合させる。また別の実施形態において、自動DNA合成器などの一般的方法によって融合遺伝子を合成することができる。或いは、遺伝子フラグメントのPCR増幅を2つの連続的遺伝子フラグメント間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して遺伝子フラグメント類のPCR増幅を行うことができる。上記遺伝子フラグメント類をその後アニールし、再増幅し、キメラ遺伝子配列を作成することができる(Ausuber et al.(Eds)CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,1992)。その上、融合部分をコードする多くの発現ベクターが市販されている(GSTポリペプチドなど)。融合部分がある枠内でBH3ペプチドに結合するように、BH3ペプチド−コーディング核酸をそのような発現ベクターにクローン化することができる。

BH3核酸
本発明は付加的に、BH3ペプチドをコードする核酸にも関係する。BH3ペプチドをコードする核酸は当業者に公知の任意の方法によって得られる(例えば配列の3’−および5’末端にハイブリッド化できる合成プライマーを用いるPCR増幅によっておよび/または所定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチド配列を使用してcDNAまたはゲノムライブラリーからクローニングすることによって)。
一つ以上のBH3ペプチドの組換え発現のために、上記ペプチドをコードするヌクレオチド配列の全部または一部分を含む核酸を適切な発現ベクター(すなわち挿入されたペプチドコーディング配列の転写および翻訳のために必要な要素を含むベクター)に挿入する。幾つかの実施形態において、調節要素は異種である(すなわち天然遺伝子プロモータではない)。或いは、必要な転写および翻訳シグナルは、遺伝子および/またはそれらのフランキング領域のための天然プロモータによって供給されることもある。
種々のホスト−ベクター系を利用してペプチドコーディング配列を発現させることができる。これらには非制限的に(i)ワクシニアウィルス、アデノウィルスなどを感染させた哺乳動物細胞系;(ii)バキュロウィルスなどを感染させた昆虫細胞系;(iii)酵母ベクターを含む酵母または(iv)バクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNAで形質転換した細菌がある。使用するホスト−ベクター系によって、多数の適切な転写および翻訳要素のいずれを用いてもよい。
発現ベクター内のプロモータ/エンハンサ配列は、本発明において提供される植物、動物、昆虫、または真菌の調節配列を利用できる。例えば酵母およびその他の真菌からのプロモータ/エンハンサ要素を使用できる(GAL4プロモータ、アルコール・デヒドロゲナーゼ・プロモータ、ホスホグリセロール・キナーゼ・プロモータ、アルカリホスファターゼ・プロモータなど)。或いは、またはこれに加えて、それらには動物の転写調節領域が含まれる。例えば(i)膵β−細胞内で活性なインスリン遺伝子調節領域(Hanahan,et al.,1985.Nature 315:155−122などを参照);(ii)リンパ系細胞内で活性な免疫グロブリン遺伝子調節領域(Grosschedl,et al.1984.Cell38:647−658などを参照);(iii)肝臓内で活性なアルブミン遺伝子調節領域(例えばPinckert,et al.1987.Genes and Dev 1:268−276を参照);(iv)脳乏突起細胞内で活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子調節領域(Readhead,et al.1987.Cell 48:703−712などを参照);および(v)視床下部内で活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子調節領域(例えばMason,et al.1986.Science 234:1372−1378を参照)などである。
発現ベクターまたはそれらの誘導体には、例えばヒトまたは動物ウィルス(ワクシニアウィルスまたはアデノウィルスなど);昆虫ウィルス(バキュロウィルスなど);酵母ベクター類;バクテリオファージベクター類(例えばラムダファージ);プラスミドベクターおよびコスミドベクター類などがある。対象とする挿入配列の発現を調節する宿主細胞株、または所望の特殊の様態で上記配列によってコードされる発現されたペプチドを修飾または操作する宿主細胞株が選択される。さらに、選択されたホスト株においてある誘導物質の存在のもとで、幾つかのプロモータからの発現を高めることができる;例えば遺伝子工学的に操作されるペプチドの発現の調節を容易にする。さらに、異なる宿主細胞は発現されたペプチドの翻訳および翻訳後操作および修飾に関して特徴的かつ特異的メカニズムを有する(例えばグリコシル化、燐酸化など)。こうして異種ペプチドの所望の修飾および操作が確実に行われるように適切な細胞系またはホスト系が選択される。例えば細菌系内のペプチド発現を使用して非グリコシル化コアペプチドを生成することができ;他方、哺乳動物細胞内の発現は異種ペプチドの“天然の”グリコシル化を確実にする。
BH3ペプチドおよびこれらのペプチドをコーティングする核酸の誘導体、フラグメント、相同体、類似体および変異体も本発明に含まれる。核酸については、本明細書に記載される誘導体、フラグメントおよび類似体は、少なくとも6個の(連続)核酸の配列であって、特異的ハイブリダイゼーションができる十分な長さを有するものと定義される。アミノ酸では、本明細書に記載される誘導体、フラグメント、および類似体は、少なくとも4個の(連続)アミノ酸の配列であって、エピトープを特異的に認識できる十分な長さを有するものと定義される。
上記フラグメント類の長さは、BH3ペプチドまたはこれをコーディングする核酸が誘導される対応する完全核酸またはポリペプチドの長さより短い。誘導体および類似体は、それら誘導体または類似体が修飾された核酸またはアミノ酸を含む限り、完全な長さでも、そうでなくてもよい。BN3ペプチドの誘導体または類似体とは、例えば、種々の実施形態において同じ長さのアミノ酸配列に沿って、または当業者に公知のコンピュータ相同性プログラムによって整列される整列配列に比較して、少なくとも約30%、50%、70%、80%または95%、98%または99%もが同一であるペプチドに実質的に相同である領域を含む分子類などである。例えば配列の同一性は、規定値パラメーターを含む配列分析ソフトウエア(Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group,Unibersity of Wiskonsin Biotechnology Center,1710 Unibersity Avenue,Madison,Wis.53705)を使用して測定できる。
標準配列に100%未満の同一性を有するポリペプチド配列の場合、非同一部位は標準配列の保存的置換であるのが好ましい;ただし必須ではない。保存的置換は一般的には次に示す基中の置換を含む;すなわちバリン、イソロイシンおよびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギンおよびグルタミン;セリンおよびスレオニン;リジンおよびアルギニン;およびフェニルアラニンおよびチロシンなどの基である。かくして本発明には例えば配列、機能、および抗原性またはその他の機能において、対応する親配列を有するタンパク質との相同性を保持するように突然変異した配列を有するペプチド類が含まれる。そのような突然変異は例えば保存的アミノ酸変化、例えば広く類似した分子特性を有するアミノ酸の間の変化などを含む突然変異でよい。例えば脂肪族基アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン内での相互交換が保存的と考えられる。時にはこれらの一つをグリシンに代えることも保存的と考えられる。その他の保存的相互交換には、脂肪族基アスパルテートおよびグルタメート内;アミド基アスパラギンおよびグルタミン;ヒドロキシル基セリンおよびスレオニン;芳香族基フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン:塩基性基リジン、アルギニンおよびヒスチジン内;および硫黄含有基メチオニンおよびシステイン内の交換がある。時には基メチオニンおよびロイシン内の置換も保存的と考えられる。好ましい保存的置換基はアスパルテート−グルタメート;アスパラギン−グルタミン;バリン−ロイシン−イソロイシン;アラニン−バリン;フェニルアラニン−チロシン;およびリジン−アルギニンである。
特定のポリペプチドが、決められた長さの標準ポリペプチドに対して特異的な同一性パーセントを有すると言われる場合、その同一性パーセントは上記標準ペプチドに対するものである。したがって、100アミノ酸長さを有する標準ポリペプチドに50%同一であるペプチドは、標準ポリペプチドの50アミノ酸長部分に完全に一致する50アミノ酸ポリペプチドでよい。標準ポリペプチドにその全長に沿って50%同一である100アミノ酸長ポリペプチドでもよい。その他のポリペプチドが同じ基準に適合することは当然である。
本発明は開示されたポリヌクレオチド類またはペプチド類の対立遺伝子変異体も含む;すなわち上記ポリヌクレオチドによってコードされるものと同一性、相同性の、または関連するペプチドもコードする上記単離されたポリヌクレオチドのまた別の天然発生性形も包含する。或いは非天然発生性変異体を突然変異誘発技術または直接合成によって作成することができる。
開示されたポリヌクレオチドおよびペプチドの種相同体も本発明によって提供される。“変異体”とは本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが、それらの必須特性は保持するポリヌクレオチドまたはポリペプチドを言う。概して変異体は全体的に酷似し、多くの領域が本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと一致している。変異体はコーディング領域、非コーディング領域またはそれら両方に変化を含むことができる。
幾つかの実施形態において、変化した配列は、全体的アミノ酸配列が延長し、その一方でそのタンパク質がトラフィッキング特性を保持するような挿入を含む。さらに、変化した配列は全体的アミノ酸配列を短縮するランダムまたは設計された内部欠失を含み、その一方でタンパク質は運搬特性を保有する。
変化した配列は付加的にまたは代わって、厳密な条件下で、そのBH3ペプチドを誘導したポリペプチドまたはペプチドをコードする天然発生性ポリヌクレオチドの適切な鎖とハイブリッド化するポリヌクレオチドによってコードされることがある。変異体ペプチドを、BH3ペプチド結合性およびBH3ペプチド介在性活性の調節に関して本明細書に記載するアッセイによって試験することができる。“厳密な条件”は配列に依存し、異なる環境では異なる。概して厳密な条件は、決められたイオン強度およびpHで、特定配列の熱融点(T)より約5℃低くなるように選択される。Tは標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度(決められたイオン強度およびpHで)である。一般的に厳密な条件とは、pH7で塩濃度が少なくとも約0.02モル、温度が少なくとも約60℃であるような条件である。その他の要因(特に塩基の組成および相補的鎖の大きさ)がハイブリダイゼーションの厳密さに影響するかも知れないので、有機溶媒の存在および塩基のミスマッチングの程度、およびパラメーターの組み合わせは、任意の要因の絶対的測定値より重要である。
高い厳密性は例えば工程1:DNA含有フィルター類を65℃で6XSSC、50mMトリス−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02%PVP、0.02%フィコール、0.02%BSAおよび500μg/ml変性サーモン精子DNAからなる緩衝液中で8時間ないし一晩、前処理する。工程2:フィルター類を、100mg/ml変性サーモン精子DNAおよび5〜20x10cpmの32P標識プローブを加えた前記プレハイブリダイゼーション液中で65℃で48時間ハイブリダイゼーションする。工程3:フィルター類を、2XSSC、0.01%PVP、0.01%フィコール、および0.01%BSAを含む溶液中で37℃で1時間洗浄する。これに続いて、0.1X SSC中で50℃で45分間洗浄する。工程4:フィルター類をオートラジオグラフにかける。使用される極めて厳密なその他の条件は当業者には公知である。例えばAusubel et al.,(eds.),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley and Sons,NY;およびKriegler,1990,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NYを参照されたい。
中程度に厳密な条件は下記を含む:工程1:DNA含有フィルター類を6X SSC、5Xデンハルト溶液、0.5%SDSおよび100mg/ml変性サーモン精子DNAを含む溶液中で55℃で6時間、前処理する。工程2:フィルター類を5〜20x106cpmの32P標識プローブを加えた上と同じ溶液中で55℃で18−20時間ハイブリダイゼーションする。工程3:フィルター類を、2X SSC、0.1%SDSを含む溶液中で37℃で1時間洗浄し、その後1X SSCおよび0.1%SDSを含む溶液中で60℃で30分間づつ2度洗浄する。工程4:フィルターを乾燥ブロッティングし、オートラジオグラフィーにかける。使用する中程度厳密性のその他の条件は当業者には公知である。例えばAusubel et al.,(eds.),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley and Sons,NY;およびKriegler、1990、GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL、Stockton Press,NYを参照されたい。
低厳密性は次を含む:工程1:DNA含有フィルター類を、35%ホルムアルデヒド、5X SSC,50mMトリス−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.1%PVP、0.1%フィコール、1%BSAおよび500μg/ml変性サーモン精子DNAを含む溶液中で40℃で6時間前処理する。工程2:フィルター類を、0.02%PVP、0.02%フィコール、0.2%BSA、100μg/mlサーモン精子DNA、10%(wt/vol)硫酸デキストラン、および5〜20×106cpmの32P標識プローブを添加した同じ溶液中で40℃で18−20時間ハイブリダイゼーションする。工程3:フィルター類を2X SSC、25mMトリス−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、および0.1%SDSを含む溶液中で55℃で1.5時間洗浄する。洗浄溶液を新鮮溶液に代え、60℃でさらに1.5時間インキュベートする。工程4:フィルターを乾燥ブロッティングし、オートラジオグラフィーにかける。必要ならば、フィルターを3回目として65〜68℃で洗い、フィルムに再露光させる。使用される低厳密性のその他の条件は当業者には公知である(例えば交差種ハイブリダイゼーションなどに用いられるものなど)。例えばAusubel et al.,(eds.),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley and Sons,NY;およびKriegler、1990、GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL、Stockton Press,NYを参照されたい。

BS3抗体
BH3ペプチドまたはそのフラグメントに対する抗体も本発明に含まれる。本明細書に使用する用語“抗体”は免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン(Ig)分子類(すなわち抗原に特異的に結合する(抗原と免疫反応する)抗原結合部位を含む分子類)の免疫学的活性部分を言う。このような抗体としては、非制限的に、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fab、Fab’およびF(ab’)2フラグメント、およびFab発現ライブラリーが挙げられる。概してヒトから得られる抗体分子は分子内に存在する重鎖の性質が互いに異なるIgG、IgM、IgA、IgEおよびIgDクラスのいずれかに関係する。あるクラスはIgG、IgGなどのサブクラスも有する。さらに、ヒトでは軽鎖はカッパ鎖またはラムダ鎖である。抗体に関する本明細書の参考文献はヒト抗体種のこのようなクラス、サブクラスおよびタイプの全てに関する参考文献を含む。
本発明の単離されたBH3関連タンパク質は、抗原、またはその部分またはフラグメントとして機能するものとする。その他に、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の標準的作成法を用い、免疫特異的に抗原と結合する抗体類を生成する免疫原としても使用できる。完全なタンパク質を使用することができ、またはその代わりに本発明は免疫原として使用するための抗原の抗原性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは完全タンパク質のアミノ酸配列の少なくとも6アミノ酸残基、または配列番号:1−7に示されるアミノ酸配列を含み、そのエピトープを包含して、ペプチドに対して生じた抗体が完全タンパク質と、またはエピトープを含む任意のフラグメントと特異的免疫コンプレックスを形成するようにする。用語エピトープはポリペプチドの抗原決定基に用いられる。一般的にエピトープは親水性アミノ酸を含み、ポリペプチドの特定の領域がそのポリペプチドの表面に位置し、水性媒質中に露出しやすいようになっている。抗原性ペプチドは、エピトープに特異的な立体構造中に少なくとも3個のアミノ酸残基を含むのが好ましい。一般的に抗原性ペプチドは少なくとも5個のアミノ酸残基を含み、または少なくとも10個のアミノ酸残基、または少なくとも15個のアミノ酸残基、または少なくとも20個のアミノ酸残基、または少なくとも30個のアミノ酸残基を含む。その上、BH3ペプチドまたはそのフラグメントに対する抗体は、ここで同定されるBIDのα6ヘリックスドメインのような保存された領域を含むオリゴペプチド類に対しても生じる。
本発明の幾つかの実施形態において、抗原性ペプチドによって包囲される少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の表面、例えば親水性領域に位置するBH3の領域である。ヒトBH3配列の疎水性の分析は、BH3のどの領域が特に親水性であるか、したがってBH3のどの領域が目標とする抗体産生のために有用な表面残基をコードしやすいかを明らかにする。抗体産生を目標とする手段として、親水性領域および疎水性領域を示すハイドロパシープロットが当業者に公知の任意の方法、例えばカイト・ドゥリトル(Kyte Doolittle)またはホップ・ウッズ(Hopp Woods)法によって、フーリエ変換を行って、または行わずに作成される。例えばHopp and Woods,1981,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78:3824−3828;Kyte and Doolittle 1982,J.Mol.Biol.157:105−142を参照されたい。これらの各々は参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。抗原性タンパク質内の一つ以上のドメインに特異的である抗体類、またはその誘導体、フラグメント、類似体または相同体も本発明によって提供される。
本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体またはオルト体は、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体を生成する免疫原として使用できる。
本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体またはオルト体に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を産生するために当業者に公知の種々の方法が用いられる(例えば参考として本明細書に組み込まれるAntibodies:A Laboratory Manual,Harlow E,and Lane D,1988,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい)。これらの抗体の幾つかは以下に記載される。

ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体の産生のために、種々の適切なホスト動物(ウサギ、ヤギ、マウスまたはその他の哺乳動物など)を、天然タンパク質、その合成変異体、またはこれらの誘導体類の1回以上の注射によって免疫する。適切な免疫原製剤としては例えば天然発生性免疫原性タンパク質、免疫原性タンパク質である化学的に合成されたポリペプチド、または組換え発現された免疫原性タンパク質が挙げられる。さらに前記タンパク質を、免疫された哺乳動物において免疫原性であることが知られている第二のタンパク質に結合できる。このような免疫原性タンパク質の例は非制限的に、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、血清アルブミン、ウシ・トログロブリンおよび大豆トリプシンインヒビタなどである。前記製剤はさらにアジュバントを含むことができる。免疫学的反応を高めるために使用される種々のアジュバントとしては非制限的に、フロインドの(完全および不完全)アジュバント、無機質ゲル(水酸化アルミニウム)、表面活性物質(リゾレシチン、プルロニックポリオール類、ポリアニオン類、ペプチド、油乳剤、ジニトロフェノール、など)、ヒトに使用できるアジュバント、BCGワクチンおよびコリネバクテリウム・パルブムのようなヒトに使用できるアジュバント類、または同様な免疫刺激物質類がある。使用できるアジュバントのその他の例としてはMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロース・ジコリノマイコレート)およびCpGジヌクレオチド・モチーフなどが挙げられる(Krieg,A.M.Biochem Biophys Acta 1489(1):107−16,1999)。
免疫原性タンパク質に対するポリクローナル抗体分子は哺乳動物から(例えば血液から)分離され、タンパク質Aまたはタンパク質Gを使用するアフィニティクロマトグラフィーなどの公知の方法によってさらに精製される。上記の方法は主として免疫血清のIgGフラクションを与える。それに引き続き、またはその代わりに、探求される免疫グロブリンの標的である特異的抗原、またはそのエピトープをカラムに固定し、免疫アフィニティクロマトグラフィーによって免疫特異的抗体を精製することができる。免疫グロブリンの精製はD.Wilkinsonによって検討されている(The Scientist,published by The Scientist,Inc.,Philadelphia PA,Vol.14,No.8(April 17,2000),pp.25−28)。

モノクローナル抗体
本明細書に使用する用語“モノクローナル抗体”(MAb)または“モノクローナル抗体組成物”は特異的軽鎖遺伝子生成物および特異的重鎖遺伝子生成物からなる抗体分子の1種類の分子だけを含む抗体分子集団を言う。より詳細に述べれば、モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDRs)は前記集団の全分子において同一である。MAbは、特異的結合親和性を特徴とする抗原の特定のエピトープと免疫反応できる抗原結合部位を含む。
モノクローナル抗体はKohlerおよびMilstein、Nature,256:495(1975)に記載されるようなハイブリドーマ法を使用して作ることができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスターまたはその他の適切なホスト動物を一般的には免疫物質で免疫し、前記免疫物質に特異的に結合する抗体を産生する、または産生できるリンパ球を導き出す。或いは前記リンパ球をin vitroで免疫することができる。
免疫物質は一般的にはタンパク質抗原、そのフラグメントまたはその融合タンパク質である。概してヒト由来細胞が望ましい場合には末梢血リンパ球が用いられ、非ヒト哺乳動物ソースの細胞が望ましい場合は脾細胞またはリンパ節細胞が用いられる。その後ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を用いて上記リンパ球を不死化細胞系と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,(1986)pp.59−103)。不死化細胞系は通常、形質転換された哺乳動物細胞、特に齧歯類、ウシおよびヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞系が用いられる。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは未融合の不死化細胞の増殖または生存を阻害する1種類以上の物質を含む適切な培養培地に培養することができる。例えば、親細胞に酵素ヒポキサンチングアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)が欠けている場合は、上記ハイブリドーマの培養培地はヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含み(“HAT培地”)、これらの物質がHGPRT欠乏細胞の増殖を阻止する。
好ましい不死化細胞系は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞によって抗体の安定的高レベルの発現を促進し、HAT培地のような培地に敏感である。より好ましい不死化細胞系はネズミ骨髄腫系である。これは例えばthe Salk Institute,Cell Distribution Center、San Diego,California and the American Type Culture Collection,Manassas,Virginiaから入手できる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞も記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,Marcel Dekker,Inc,New York(1987)pp.51−63)。
その後ハイブリドーマ細胞を培養する培養培地について、抗原に対するモノクローナル抗体の存在を試験することができる。ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性を免疫沈降法によって、または ラジオイムノアッセイ(RIA)または固相酵素免疫測定法(ELISA)などのin vitro結合アッセイによって測定するのが好ましい。このような技術およびアッセイは当業者には公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は例えばMunsonおよびPollandのスキャチャード分析(Anal.Biochem.,107:20(1980))によって測定できる。標的抗原に対する高度の特異性および高い結合親和性を有する抗体が単離されるのが好ましい。
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、それらクローンを制限希釈法によってサブクローン化し、標準的方法によって増殖させることができる。この目的のための適切な培養培地は例えばダルベッコ改良イーグル培地およびRPMI−1640培地などである。或いはハイブリドーマ細胞を哺乳動物の腹水中など in vivoで増殖させることができる。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体を単離し、または培養培地または腹水液から一般的免疫グロブリン精製法、例えばタンパク質A−セファローズ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動法、透析またはアフィニティクロマトグラフィーなどによって精製することができる。
これらのモノクローナル抗体は米国特許第4,816,567号に記載されるような組換えDNA法によっても作成できる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは一般的方法を使用して容易に単離し、配列決定することができる(例えば、ネズミ抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチド・プローブを使用する)。本発明のハイブリドーマ細胞はこのようなDNAの好ましいソースとして役立つ。単離されたDNAは発現ベクターに挿入され、その後、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはその他の方法では疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞、などの宿主細胞にトランスフェクトされ、上記の組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成する。相同性ネズミ配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常ドメインのコーディング配列を置換することによって(米国特許第4,816,567号;Morrison,Nature 368、812−13(1994))または非免疫グロブリンポリペプチドのコーディング配列の全部または一部分を免疫グロブリンコーディング配列に共有結合することによって、上記DNAを変化させることもできる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインを置換し、または本発明の抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインを置換し、キメラ二価抗体を生成することができる。

ヒト化抗体
本発明のタンパク質抗原に対する抗体類はさらにヒト化抗体またはヒト抗体を含むことができる。これらの抗体は、投与される免疫グロブリンに対するヒトによる免疫反応を生ずることなく、ヒトに適切に投与できる。抗体類のヒト化形はキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)または抗体のその他の抗原結合部分列など)である。これらは主としてヒト免疫グロブリンの配列からなり、非ヒト免疫グロブリンから誘導される最小配列を含む。ヒト化はWinterらの方法(Jones et al.Nature,321:522−525(1986);Riechmann et al.Nature,332:323−327(1988);Verhoeyen et al.Science,239:1534−1536(1988))によって、齧歯類CDRsまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列の代わりに用いることによって行われる。(米国特許第5,225,539号も参照されたい。) ある例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はレシピエント抗体にも挿入されたCDRまたはフレームワーク配列にも見いだされない残基も含むことができる。概して、ヒト化抗体は少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。上記可変ドメインではCDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのそれらに対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のそれらである。ヒト化抗体は免疫グロブリンの、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常部領域(Fc)の少なくとも一部分を含むのが最適である(Jones et al.1986;Riechmann et al.1988;and Presta,Curr.Op.Struct.Biol..2:593−596(1992))。

ヒト抗体
完全なヒト抗体とは、CDRsを含む軽鎖および重鎖の両方の実質的全配列がヒト遺伝子に由来する抗体分子を言う。そのような抗体は本明細書では“ヒト抗体”または“完全ヒト抗体”と呼ばれる。ヒトモノクローナル抗体はトリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbor,et al.,1983 Immunol Today 4:72を参照)およびヒトモノクローナル抗体を作製するためのヒトEBVハイブリドーマ法(Cola,et al.1985 In:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96を参照)によって作ることができる。ヒトモノクローナル抗体は本発明の実施に用いることができ、ヒトハイブリドーマの使用によって(Cote,et al.1983.Proc Natl Acad Sci USA 80:2026−2030を参照)、またはヒトB−細胞をエプスタインバール・ウィルスで in vitro形質転換することによって作ることができる(Cole,et al.1985 In:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96を参照)。
それに加えて、ヒト抗体は、ファージ・ディスプレー・ライブラリーを含むその他の技術を使用して作製できる(Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.;J.Mol.Biol.,222:581(1991))。同様に、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば内因性免疫グロブリン遺伝子が一部または完全に不活性化されたマウス、に導入することによって作ることができる。攻撃の際にヒト抗体の産生が認められるが、それは遺伝子再配列、組立ておよび抗体レパートリーを含むあらゆる点でヒトに見られるものとよく似ている。このアプローチは例えば米国特許第5,545,807号;第5,545,806号;第5,565,825号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,661,016号およびMarks et al.(Bio/Technology 10,779−783(1992));Lonberg et al.(Nature368 856−859(1994));Morrison(Nature368、812−13(1994));Fishwild et al.(Nature Biotechnology 14,845−51(1996));Neuberger(Nature Biotechnology 14、826(1996));およびLonberg and Huszar(Intern.Rev.Immunol.13 65−93(1995))に記載されている。
ヒト抗体はその他に、抗原による攻撃に反応した動物の内因性抗体よりもむしろ完全にヒト抗体を産生するように変化させたトランスジェニック非ヒト動物を用いて作製できる。(PCT公告WO94/02602参照)。非ヒトホストにおいて重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードする内因性遺伝子を無能力にし、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードする活性遺伝子座をホストゲノムに導入する。ヒト遺伝子は、必要なヒトDNAセグメントを含む例えば酵母の人工的染色体を使用して挿入される。所望の変化を全てもたらす動物は、改変の全補体よりも少ない補体を含む中間的トランスジェニック動物を交雑することによって子孫として得られる。そのような非ヒト動物の好ましい実施形態はマウスであり、キセノマウス(登録商標)と呼ばれ、PCT公告WO96/33735およびWO96/34096に開示されている。この動物は完全ヒト免疫グロブリンを分泌するB細胞を産生する。それらの抗体類は対象とする免疫原で免疫した後の動物から直接得ることができ、例えばポリクローナル抗体の製剤などであり、或いは動物から誘導される免疫B細胞から得られる例えばハイブリドーマ産生モノクローナル抗体などである。その上、ヒトの可変部領域を有する免疫グロブリンをコードする遺伝子を回収し、発現させて、抗体類を直接得ることができ、またはさらに改変して例えば一本鎖Fv分子のような抗体類似物を得ることもできる。
内因性免疫グロブリン重鎖の発現の欠如したマウスを例にした、非ヒトホストの生成法の例は、米国特許第5,939,598号に開示されている。これを達成する方法は、胚性幹細胞における少なくとも一つの内因性重鎖遺伝子座からJ−セグメント遺伝子を欠失させてその遺伝子座の再配列を阻止し、また再配列した免疫グロブリン重鎖遺伝子座の転写体の生成を阻止し、その欠失は選択可能マーカをコードする遺伝子を含むターゲティングベクターによって誘起され;上記胚性幹細胞からトランスジェニックマウスが作製され、そのトランスジェニックマウスの体−および胚細胞は選択可能マーカをコードする遺伝子を含む。
ヒト抗体のような対象とする抗体の作製法は米国特許第5,916,771号に開示されている。その方法は、重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを培養中の1個の哺乳動物宿主細胞に導入し、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターをもう1つの哺乳動物宿主細胞に導入し、これら2つの細胞を融合してハイブリッド細胞を形成する。上記ハイブリッド細胞は、重鎖と軽鎖とを含む抗体を発現する。
この方法をさらに改良して、臨床的に関連するエピトープを免疫原上に同定する方法、および上記関連するエピトープに高親和性で免疫特異的に結合する抗体を選択する相関的方法がPCT公告WO99/53049に開示されている。

Fabフラグメントおよび一本鎖抗体
本発明により、本発明の抗原性タンパク質に特異的な一本鎖抗体を作製する諸技術が使用できる(米国特許第4,946,778号などを参照されたい)。それに加えて、Fab発現ライブラリーを構成し(例えばHuse et al.,1989 Science 246:1275−1281を参照)、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、類似体または相同体に対する所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントを迅速かつ効果的に同定できる方法が使用できる。タンパク質抗原にイディオタイプを含む抗体フラグメント類を、当業者に公知の方法によって次のように作製できる:(i)抗体分子のペプシン消化によって生成するF(ab)2フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成するFabフラグメント;(iii)パパインおよび還元剤で抗体分子を処理することによって生成するFabフラグメント、および(iv)Fフラグメント。ただしこれらに制限するものではない。

2抗原特異抗体
2抗原特異抗体は少なくとも2種の異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。本発明の場合、結合特異性の1つは本発明の抗原性タンパク質に対するものである。第二の結合標的はその他の任意の抗原であり、細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニットであるのが好ましい。
2抗原特異抗体の製法は当業者には公知である。伝統的に、2抗原特異抗体の組換え生産は2組の免疫グロブリン重鎖/軽鎖の同時発現に基づき、その際2本の重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello,Nature,305:537−539(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖をランダムに組み合わせるため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の抗体分子の混合物を生成する可能性があり、そのなかの1種だけが正しい2抗原特異構造を有する。上記正しい分子の精製は普通はアフィニティクロマトグラフィー工程によって行われる。同様な方法が1993年5月13日発行のWO93/08829、およびTraunecker etal.,1991 EMBO J.,10:3655−3659に開示されている。
所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変部ドメインを免疫グロブリン定常部ドメイン配列に融合することができる。この融合はヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常部ドメインで行われるのが好ましい。融合の少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常部領域(CH1)を有するのが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNAを、および所望ならば、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを別々の発現ベクターに挿入し、適切なホスト生体に同時トランスフェクトする。2抗原特異抗体のより詳細な製法は、例えばSuresh et al.,Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照されたい。
WO96/27011に記載される別のアプローチによると、1組の抗体分子間の界面を遺伝子操作し、組換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーのパーセントを最大にすることができる。好ましい界面は抗体定常部ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第一の抗体分子の界面からの小さいアミノ酸側鎖の1種以上がより大きい側鎖(例えばチロシンまたはトリプトファン)に置換される。第二の抗体分子の界面には大きい側鎖に代わってより小さい側鎖(アラニンまたはスレオニンなど)が入るため、上記大きい側鎖(類)と同一または類似の大きさの代償的“キャビティ”が作られる。これがホモダイマーなど好ましくない他の最終産物に比べてヘテロダイマーの収率をより高める機序である。
2抗原特異抗体は完全抗体または抗体フラグメント類(F(ab’) 2抗原特異抗体など)として製造できる。抗体フラグメントから2抗原特異抗体を製造する技術は文献に記載されている。例えば2抗原特異抗体は化学的結合を使用して製造することができる。Brennan et al.,Science 229:81(1985)は、完全抗体をタンパク質分解的に切断してF(ab’)を生成する方法を記載している。これらのフラグメントはジチオール錯化剤ヒ酸ナトリウムの存在下で還元され、ビシナルジチオール類を安定化し、分子間ジスルフィド形成を阻止する。生成するFab’フラグメントはその後チオニトロ安息香酸(TNB)誘導体に変換される。Fab’−TNB誘導体の一つはその後メルカプトエチルアミンによる還元によってFab’−チオールに再変換され、等モル量のその他のFab’−TNB誘導体と混ぜられ、2抗原特異抗体を形成する。生成した2抗原特異抗体は酵素類の選択的固定剤として使用できる。
それに加えて、Fab’フラグメントは大腸菌(E.coli)から直接回収され、化学的に結合して2抗原特異抗体を形成する。Shalaby et al.,J.Exp.Med.175:217−225(1992)は完全にヒト化した2抗原特異抗体F(ab’)分子の製法を記載している。各Fab’フラグメントを大腸菌から別々に分泌させ、in vitroで直接化学的に結合させて2抗原特異抗体を形成させる。こうして作製した2抗原特異抗体はErbB2受容体を過剰発現する細胞および正常ヒトT細胞に結合することができ、ヒト乳癌標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の溶解活性をトリガーすることもできる。
組換え細胞培養物から直接2抗原特異抗体を作製し、分離する方法も種々記載されている。例えば2抗原特異抗体はロイシン・ジッパーを使用して製造することができる。Kostelny et al.,J.Immunol.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質からのロイシン・ジッパー・ペプチドは遺伝子融合によって2種の異なる抗体のFab’部分に結合した。この抗体ホモダイマーはヒンジ領域で還元され、モノマーを形成し、その後再酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成した。この方法は抗体ホモダイマーの製造にも利用できる。Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)に記載される“二価抗体”法は、2抗原特異抗体フラグメントを製造するための別の機序を与えた。これらフラグメントは、リンカーによって軽鎖可変部ドメイン(V)に結合する重鎖可変部ドメイン(V)を含む。上記リンカーは同じ鎖上の2つのドメインを結合するには短すぎる。よって、1フラグメントのVおよびVドメインは別のフラグメントの相補的VおよびVドメインと対になることを強いられ、これによって2つの抗原結合部位を形成する。一本鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって2抗原特異抗体を製造するもう一つの方法も記載されている。Gruber et al.,J.Immunol.152:5368(1994)を参照されたい。
二価より大きい価を有する抗体も考慮される。例えば3抗原特異抗体を作ることができる。Tutt et al.,J.Immunol.147:60(1991)。
典型的2抗原特異抗体は2つの異なるエピトープに結合することができ、そのうちの少なくとも1つは本発明のタンパク質抗原に由来する。或いは、免疫グロブリン分子の抗−抗原性アームは、白血球上のトリガー分子、例えばT−細胞受容体分子(CD2、CD3、CD28、またはB7など)、またはIgG(FcγR)のためのFc受容体、例えばFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD16)などに結合するアームと一緒になって、特定抗原を発現する細胞に細胞防御機構を集中することができる。2抗原特異抗体を使用して、細胞障害性物質を特定抗原を発現する細胞に向けることができる。これらの抗体は抗原結合アームと、細胞障害性物質または放射性核種キレータ、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、またはTETAなどに結合するアームとを有する。対象とするまた別の2抗原特異抗体は本明細書に記載されるタンパク質抗原に結合する(BIDまたはBIDα6)。

ヘテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体も本発明の範囲内である。ヘテロコンジュゲート抗体は共有結合した2個の抗体からなる。このような抗体は、例えば免疫系細胞を好ましくない細胞に(米国特許第4,676,980号)およびHIV感染症の治療に(WO91/00360;WO92/200373;欧州特許第03089号)標的化することが提案されている。上記抗体類は合成タンパク質化学における公知の方法、例えば架橋剤を含む方法などを使用して in vitroで作ることができると考えられる。例えばイムノトキシンはジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって構成できる。この目的のために適切な試薬の例としてはイミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデートおよび例えば米国特許第4,676,980号に開示されるものなどが挙げられる。

エフェクター機能遺伝子操作
本発明の抗体をエフェクター機能に関して改変し、例えばその抗体の癌治療効果を高めるようにすることが望ましい。例えばシステイン残基(1つまたは複数)をFc領域に挿入し、それによってこの領域における鎖間ジスルフィド結合の形成を可能にすることができる。こうして生成したホモダイマー抗体は改善されたインターナリゼーション能および/または高められた補体介在性殺細胞性および抗体依存性細胞障害性(AFCC)を有することができる。Caron et al.,J.Exp Med.176:1191−1195(1992)およびShopes,J.immunol.,148:2918−2922(1992)を参照されたい。高い抗腫瘍活性を有するホモダイマー抗体をWolff et al.,Cancer Research,53:2560−2565(1993)に記載されているようにヘテロ二官能性架橋剤を使用して作ることもできる。或いは、2つのFc領域を有し、したがって高い補体溶解能およびADCC能を有する抗体を遺伝子操作で作ることができる。Stevenson et al.,Anti−Cancer Drug Design,3:219−230(1989)を参照されたい。

イムノコンジュゲート(免疫コンプレックス)
本発明は、化学療法剤、トキシン(細菌、真菌、植物または動物由来の酵素的活性毒素、またはその断片)または放射性同位体(すなわちラジオコンジュゲート)などの細胞障害剤に結合した抗体を含む、イムノコンジュゲートにも関する。
このようなイムノコンジュゲートの生成に有用な化学療法剤は上に記載された。使用できる酵素活性トキシンおよびその断片としてはジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エキソトキシンA鎖(シュードモナス アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)から得られる)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデッシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP−S)、モモルフィカ キャランティア(momorfica charantia)インヒビタ、クルシン、クロチン、サパオナリア アフィシナリス インヒビタ、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセン類がある。種々の放射性核種を利用して放射性コンジュゲート抗体を生産できる。例として212Bi、131I、131In、90Y、および186Reがある。
抗体と細胞傷害剤とのコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質−カップリング剤、例えばN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCLなど)、活性エステル(ジスクシンイミジル スベレート)、アルデヒド(グルタールアルデヒドなど)、ビスアチド化合物(ビス(p−アチドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(トリレン2,6−ジイソシアネート)、およびビス活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などを使用して作ることができる。例えばリシン・イムノトキシンはVitetta et al.,Science,238:1098(1987)に記載されているように作ることができる。炭素−14−標識1−イソチオシアネートベンジル−3−メチルジエチレン・トリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は放射性核種を抗体に結合させるための典型的キレート剤である。WO94/11026を参照されたい。
また別の実施形態において、抗体を“受容体”(ストレプトアビジンなど)に結合して腫瘍をプレターゲティングするために利用することができる。この場合、抗体−受容体コンジュゲートを患者に投与し、その後非結合コンジュゲートを掃去剤によって循環から除去し、その後細胞傷害剤と結合している“リガンド”(例えばアビジン)を投与する。

アポトーシスの調節法
本発明にはアポトーシスを誘発する方法または細胞をアポトーシスに対して感作する方法も含まれる。“アポトーシスを誘発する”とは、プログラム細胞死が開始することを意味する。アポトーシスは当業者に公知の方法によって測定される、例えばアポトーシスはアネキシンV染色によって測定される。
ある局面において、アポトーシスを必要とする対象に、アポトーシスを誘発する十分な量のBH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドを投与することによってアポトーシスを誘発する。前記対象は例えば任意の哺乳動物、例えばヒト、霊長類、マウス、ネズミ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタなどである。様々の局面において、前記対象は癌または自己免疫病にかかりやすい。
BH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドは抗血管形成化合物と共に投与される。抗血管形成化合物の例としては、非制限的にチロシンキナーゼ・インヒビタ、上皮由来増殖因子インヒビタ、線維芽細胞由来増殖因子インヒビタ、血小板由来増殖因子インヒビタ、基質メタロプロテアーゼ(MMP)インヒビタ、インテグリン・ブロッカー、インターフェロンアルファ、インターフェロン誘導性タンパク質10、インターロイキン−12、ペントサン・ポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼ・インヒビタ、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビタ、カルボキシアミドトリアゾール、テトラヒドロコルチゾル、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル−フマギロール、サリドマイド、アンジオスタチン、エンドスタチン、トロポニン−1、VEGFに対する抗体、血小板因子4またはトロンボスポンジンがある。
BH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドはさらに化学療法化合物と共に投与される。化学療法化合物の例は、非制限的に、パクリタキセル、タキソール、ロバスタチン、ミノシン、タモキシフェン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル(5−FU)、メトトレキサート(MTX)、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、アドリアマイシン、エポシロン、ナベルビン、カムプトテシン、ダウノニビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エピルビシン、またはイダルビシンなどである。
或いはBH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドはその他に、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、ヒト、2抗原特異、ヘテロコンジュゲート、イムノコンジュゲート、キメラ、一本鎖、Fab、Fab’およびF(ab’)2フラグメントなどの抗体、および上記のようなFab発現ライブラリーと共に投与される。
また別の局面において、細胞と、アポトーシスを誘発するのに十分な量のBH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドとを接触させることによってアポトーシスが細胞に誘発される。或いは細胞と、その細胞をアポトーシスに対して感作する十分な量のBH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドとを接触させることによって細胞をアポトーシスに対して感作する。BH3ペプチドまたはBH3キメラペプチドにさらされる、すなわちこれらと接触する細胞集団は任意の数の細胞、すなわち1個以上の細胞でよく、in vitro、in vivoまたは ex vivoで生成できる。
幾つかの疾患状態は罹患細胞におけるアポトーシスの欠陥ダウン−レギュレーションの発生に関係している。例えば悪性腫瘍は、少なくとも一部は、細胞増殖シグナルが細胞死シグナルを不適切に上回るというアポトーシス抵抗状態に起因する。さらに、エプスタイン−バーウィルス、アフリカ豚コレラウィルスおよびアデノウィルスなどのDNAウィルスは宿主細胞機構に寄生し、それら自体が活発に複製する。同時に、上記ウィルス類はアポトーシスを変調して細胞死を抑制し、標的細胞にウィルスが繁殖できるようにする。さらに、ある疾患状態、例えばリンパ球増殖状態、薬剤耐性癌などの癌、関節炎、炎症、自己免疫病などは細胞死の調節のダウンレギュレーションから起きる。このような疾患状態においてはアポトーシス機序を推進することが望ましい。

アポトーシス調節化合物のスクリーニング法
本発明はさらに、アポトーシスを調節する化合物、すなわちアクチベータまたは感作物質をスクリーニングする方法も提供する。
種々の方法において、アポトーシス感作化合物は、抗アポトーシスタンパク質、例えばBCL−2またはBCL−Xを過剰発現するミトコンドリアと、BID様BH3ペプチドと接触させてタンパク質−ペプチド複合体を形成することによって確認される。上記複合体を候補化合物と接触させ、チトクロームc放出を測定し、試験集団におけるチトクロームc放出量を、化合物に曝露したまたは曝露しなかった対照集団と比較する。上記化合物の存在しない場合に比較して上記化合物が存在する場合のチトクロームc放出の増加はその化合物がアポトーシス感作物質であることを示す。
本発明はこのスクリーニング法によって確認されるアポトーシス感作物質、および上記アポトーシス調節物質を含む医薬組成物も含む。

医薬組成物
本発明の化合物類、例えばBH3ペプチドBH3キメラペプチド、BH3ペプチドをコードする核酸、およびBH3およびBH3抗体など(本明細書では“活性化合物”とも呼ばれる)、およびその誘導体、フラグメント、類似体および相同体を、投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。このような組成物は一般的には核酸分子、またはタンパク質および薬物学的に容認される担体を含む。本明細書に使用される“薬物学的に容認される担体”とは薬物学的投与に適合する任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング類、抗菌剤および抗真菌剤、等張性物質および吸収遅延剤などを含むものとする。適切な担体はこの分野の標準的参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されており、これは参考として本明細書に組み込まれる。このような担体または希釈剤の好ましい例としては非制限的に、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンなどが挙げられる。リポソームおよび固定油のような非水性ビヒクルも使用できる。薬物学的活性物質のためにこのような媒質および作用物質を使用することは当業者には公知である。任意の一般的媒質または作用物質が上記活性化合物と不適合でない限り、上記組成物へのこれらの使用が考慮される。補助的活性化合物を上記組成物に組み込むこともできる。
本発明の医薬組成物はその意図する投与経路に適合するように処方される。投与経路の例は非経口投与、例えば静脈内、皮内、皮下、口腔内(吸入など)、経皮(局所的)、経粘膜、および直腸投与などである。非経口、皮内または皮下投与のために使用する溶液または懸濁液は下記の諸成分を含むことができる:滅菌希釈剤、例えば注射用水、食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコールまたはその他の合成溶媒など;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン類;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩または燐酸塩などの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張力調節剤。pHは酸または塩化水素酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基で調節できる。非経口製剤はガラスまたはプラスチックから作られたアンプル、使い捨て注射器またはマルチ用量バイアルに封入することができる。
注射に使用するための適切な医薬組成物は、滅菌注射溶液または分散液を即座に調製するための滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散剤と滅菌粉末とを含む。静脈投与の場合適切な担体は生理的食塩液、静菌性水、クレモフォルEL(商標)(BASF、Parsippany、N.J.)または燐酸緩衝食塩液(PBS)を含む。全ての場合に、組成物は無菌でなければならないし、注射が容易にできる程度に流動性でなければならない。製造および保存条件下では安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して防御されていなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒質でよい。正しい流動性を維持するには、例えばレシチンのようなコーティングの使用、分散系の場合は必要な粒度の保持、および界面活性剤の使用などによる。微生物作用の防止は種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン粒子、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって行われる。多くの場合、糖、ポリアルコール類、例えばマニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムなどの等張性物質を組成物中に含むのが好ましい。注射用組成物の吸収を長引かせるために、吸収を遅らせる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどを組成物中に含めることができる。
滅菌注射用溶液は、活性化合物(例えばBH3ペプチドまたはBH3ペプチドコーディング核酸)の必要量を必要に応じて上に挙げた諸成分の1種類または組み合わせと共に適切な溶媒に挿入し、その後滅菌濾過することによって作られる。概して、分散系は活性化合物を、塩基性分散媒質および上に挙げたものの中の必要なその他の成分類を含む無菌ビヒクルに挿入することによって作られる。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製法は真空乾燥および凍結乾燥であり、それは前に滅菌濾過したその溶液から活性成分プラス任意の付加的所望成分の粉末を与える。
経口組成物は概して不活性希釈剤または食用担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封入されるかまたは錠剤に圧縮される。経口治療投与の目的のためには、活性成分は賦形薬と組み合わされ、錠剤、トローチまたはカプセルの形で使用できる。経口組成物は口腔洗浄剤として使用される液体担体を使用して調製することもできる。その場合、液体担体中の化合物は口内に投与され、サッと洗浄し、吐き出すか呑み込まれる。薬物学的に適合する結合剤および/または補助物質をその組成物の一部として含むことができる。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは任意の下記の成分類または同様な性質の化合物を含むことができる:微晶質セルロース、トラガントガムまたはゼラチン;澱粉または乳糖などの賦形薬、アルギン酸などの崩壊剤、プリモゲル、またはコーンスターチ;ステアリン酸マグネシウムまたはステローテスのような離型剤;コロイド性二酸化珪素のような滑剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味料;またはペパミント、サリチル酸メチルのような芳香剤またはオレンジ香料。
吸入によって投与するためには、化合物類は適切な噴射剤、例えば二酸化炭素のようなガスを含む加圧容器またはディスペンサー、または噴霧器からエアロゾルスプレーの形で供給される。
全身投与は経粘膜的または経皮的手段によっても行われる。経粘膜的または経皮的投与の場合、浸透すべき障壁に適した浸透剤が組成物に使用される。このような浸透剤は概ね当業者には公知であり、例えば経粘膜的投与のためには界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜的投与は鼻スプレーまたは座薬を使用して行うことができる。経皮的投与のためには活性化合物は当業者には一般的に公知のように軟膏、ザルベ、ゲルまたはクリームに処方される。
化合物類は直腸送達のために座薬の形(例えばココアバターおよびその他のグリセリドのような一般的座薬基剤と共に)または貯留浣腸の形に製造することもできる。
一実施形態において、活性化合物は、その化合物の体内からの速やかな排泄を防ぐ担体と共に製造される。例えばインプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む徐放性製剤などである。生体内分解性、生体適合性ポリマー類、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類、およびポリ乳酸などが使用できる。このような組成物の製法は当業者には明らかである。これらの物質はAlza Corporation and Nova Pharmaceuticals,Inc.から市場で入手できる。リポソーム懸濁液(ウィルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)も薬物学的に容認される担体として使用できる。これらは例えば参考として本明細書に完全に組み込まれる米国特許第4,522,811号に記載されている当業者に公知の方法によって作ることができる。
投与を容易にし、用量を均一化するために、用量単位型の経口または非経口組成物を処方することが特に有益である。ここに使用する用量単位型とは処置すべき対象のための1回量として適した物理的に個別化された単位を言う:各単位は所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を必要な薬物学的担体と共に含む。本発明の用量単位型は詳細に述べられており、活性化合物の特定の特性および得られる特定の治療効果に直接基づくものである。
上記医薬組成物は容器、パックまたはディスペンサーに、使用説明書と共に含まれる。

トランスジェニック動物
また別の局面において、本発明は異種(または外因性)遺伝子構成物、またはBCL−2ポリペプチド(例えばtet−BCL−2対立遺伝子)をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物を含む。
トランスジェニック哺乳動物の製法は、BCL−2ポリペプチドをコードする核酸を発現する核酸構成物を未分化の細胞型、例えば胚性幹(ES)細胞に導入することを含む。ES細胞を哺乳動物胚に注入し、そこでそれは発生しつある胚に合体する。その胚を養母に移植し、妊娠を継続させる。
胚性幹細胞は、異種遺伝子構成物の胚系伝達を構築するように、発生しつつある胚芽系にそれらが合体できる、またはその一部となり得る能力に関して選択されるのが普通である。例えばこの能力を有する任意のES細胞系は本発明において適切に使用できる。ES細胞の産生のために一般的に使用されるあるマウス種は129J種である。好ましいES細胞系はネズミ細胞系D3(アメリカ培養コレクション、カタログ番号CRL 1934)である。より好ましい細胞系はRW4である。これらの細胞は、Robertson(Robertson,In:Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cell:A Practical Approach,E.J.Robertson,ed.,IRL Press,Washington,D.C.,1987)によって示されたような、当業者に公知の方法を用いて培養され、DNA挿入のために準備される。核酸構成物のES細胞への挿入は、当業者に公知の種々の方法、例えばエレクトロポレーション、マイクロインジェクション、および燐酸カルシウム処理などを使用して行うことができる。
用語“導入遺伝子”は本明細書では哺乳動物細胞のゲノム、特に生きている動物の哺乳動物細胞のゲノムに人工的に挿入した、または人工的に挿入しようとしている遺伝子物質を言うために用いられる。導入遺伝子を使用して細胞を形質変換する、すなわち異種核酸、例えばDNAの挿入後に恒久的または一過性遺伝子変化、好ましくは恒久的遺伝子変化が誘発されることを意味する。恒久的遺伝子変化は概してDNAの細胞ゲノムへの導入によって達成される。安定的組み込みのためのベクター類としてはプラスミド、レトロウィルスおよびその他の動物ウィルス、YACsなどが挙げられる。トランスジェニック哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ヤギ、ウマなどが興味深く、齧歯類、例えばラット、マウスなどが特に興味深い。トランスジェニック動物はマウスであるのが好ましい。
トランスジェニック動物は、染色体外要素として存在する非相同性核酸配列、またはその動物の細胞の全て又は一部、特に胚細胞に安定的に組み込まれた非相同性核酸配列を含む。別途記載がない限り、トランスジェニック動物は胚系配列に安定的変化を含むと推定される。動物の初期構造に、細胞の1サブセットだけが変化したゲノムを有するキメラまたはキメラ動物が発生する。キメラは主として繁殖目的に利用され、所望トランスジェニック動物を生成する。ヘテロ接合変化を有する動物類はキメラの繁殖によって作成される。一般的に雄および雌ヘテロ接合体を繁殖させてホモ接合動物を作成する。
ヘテロ接合遺伝子は普通はその動物ホストとは異なる種に由来するか、さもなくばそのコーディングまたは非コーディング配列が変化している。導入される遺伝子は野生型遺伝子、天然に発生する多型性、または遺伝操作した配列、例えばコーディングまたは非コーディング領域に欠失、置換または挿入を有する配列でよい。導入される遺伝子がコーディング配列である場合、それは構成的または誘導的であるプロモータや、ホスト動物に発現するために必要なその他の調節配列に、作動可能に結合するのが普通である。“作動可能に結合する”とは、DNA配列および調節配列(1または複数)が、転写アクチベータタンパク質などの適切な分子が調節配列(1または複数)に結合する際に遺伝子発現が可能であるような仕方で結合することを意味する。本発明のトランスジェニック動物は異種遺伝子の存在に加えて、その他の遺伝的変化を含むことができる。例えばホストゲノムはBH−3ドメインを含む内因性遺伝子(例えば内因性BID、BIM、BAD、BIK、NOXAおよび/またはBCLX遺伝子)の機能に影響を与えるように改変でき、マーカ遺伝子またはその他の遺伝子変化を含むことができる。BCL−2トランスジェニックマウスの作出が図10に示される。ここでは16匹のキメラをB6マウスにつがわせ、45匹のポジティブF1子孫が生成した。

ノックアウトおよびノックイン
本発明の操作には必ずしも必要ではないが、本明細書に記載されるトランスジェニック動物は、上記の遺伝子変化に加えて、BCL−2を含む内因性遺伝子に変化を含むことがある。例えばホスト動物が、本発明の目標に合うように、ある標的遺伝子(1または複数)に関して“ノックアウト”および/または“ノックアウトイン”かどちらかである(例えばホスト動物の内因性BCL−2遺伝子が“ノックアウト”され、および/またはそのBCL−2遺伝子が“ノックイン”される)。ノックアウトは、対象とするBCL−2遺伝子を含む内因性遺伝子の対立遺伝子の一つまたは両方の機能の部分的または完全な喪失を有する。ノックインでは、内因性BCL−2遺伝子からは遺伝子配列および/または機能が変化している導入遺伝子が導入される。これら2つが組み合わされ、例えば天然発生性遺伝子が無能になり、改変型が導入される。例えばBCL−2を含むホスト動物の内因性遺伝子をノックアウトし、その一方でBCL−2を含む外因性遺伝子を導入することが望まれる。
ノックアウトでは、標的遺伝子の発現は検出できないか、ごくわずか検出されるに過ぎない。例えばBCL−2を含む遺伝子のノックアウトは、BCL−2遺伝子の機能が実質的に減少し、発現が検出できず、または微々たるレベルで存在することを意味する。これは種々の機序によって、例えば1つ以上の停止コドンの挿入、DNAフラグメントの挿入などのコーディング配列の破壊の導入、コーディング配列の欠失、コーディング配列のための停止コドンの置換などによって実現できる。外因性導入遺伝子配列が最後にはゲノムから欠失し、天然配列に最終的変化を残す場合もある。種々のアプローチを用いて“ノックアウト”が達成される。天然遺伝子の全てまたは一部分の染色体欠失が誘導される、例えば非コーディング領域の欠失、特にプロモータ領域、3’調節配列、エンハンサの欠失、またはBCL−2遺伝子の発現を活性化する遺伝子の欠失が誘導される。機能的ノックアウトも天然遺伝子の発現をブロックするアンチセンス構成物の導入によって実現する(Li and Cohen(1996)Cell 85:319−329などを参照されたい)。“ノックアウト”には、例えば動物を標的遺伝子変化を促進する物質に曝露することによって、標的遺伝子部位における組換えを促進する酵素(例えばCre−lox系におけるCre)を導入することによって、または生後の標的遺伝子変化を指向するその他の方法によって標的遺伝子に変化がおきるという条件つきノックアウトも含まれる。
標的遺伝子の“ノックイン”は天然標的遺伝子の発現または機能の変化を起こす宿主細胞ゲノムにおける変化を意味する。増加する(異所性を含む)または減少する発現は、標的遺伝子の追加的コピーの導入によって、または標的遺伝子の内因性コピーの発現を高める調節配列を操作可能に挿入することによって達成される。これらの変化は本質的でも一時的でもよい;すなわちアクチベータまたはリプレッサの存在に依存する。ノックイン技術の使用を外因性配列の作成と組み合わせて本発明のトランスジェニック動物を作出してもよい。
上記非相同性遺伝子構成物はBCL−2タンパク質類を含むタンパク質をコードする核酸を含む。上記非相同性遺伝子構成物は種々の選択マーカおよびエンハンサ要素をコードすることもできる。
選択マーカは、検出可能および/またはアッセイ可能である任意の核酸配列でよい。選択マーカの例は陽性選択マーカ類および陰性選択マーカ類を含む。陽性選択マーカは薬剤耐性遺伝子;例えばネオマイシン耐性遺伝子またはヒグロマイシン耐性遺伝子、またはベータ−ガラクトシダーゼ遺伝子などを含む。陰性選択マーカ、例えばチミジンキナーゼ遺伝子、ジフテリア毒素遺伝子およびガンシクロヴィルは、相同性組換えを受けていない胚性幹(ES)細胞を排除するために非相同性遺伝子構成物において有用である。選択マーカ遺伝子はそれ自体のプロモータに作動可能に結合し、または挿入されるべき細胞内で活性であるかまたは容易に活性化される任意のソースからのその他の強いプロモータに作動可能に結合するのが普通である;しかしマーカ遺伝子はそれ自体のプロモータを付着して有する必要はない、なぜならばそれはBCL−2含有遺伝子のプロモータを用いて転写され、抑制されるからである。さらに、上記マーカ遺伝子は通常その遺伝子の3’末端に付着したポリA配列を有する;この配列は上記遺伝子の転写を停止するのに役立つ。
“エンハンサ要素”は転写と関係するポリペプチドによって結合した核酸配列であって、通常、発光融合タンパク質をコードする核酸とはシス型である核酸配列を含む。エンハンサ要素の例は環状AMP反応要素(CRE)、血清反応要素(SRE)、核因子B(NF−κB)、アクチベータタンパク質1(AP−1)、血清反応因子(SRF)およびp53結合部位などである。これらのエンハンサ要素はさらにTATAボックスを含むことができる。
非相同性遺伝子構成物はトランスジェニック哺乳動物において構造的に発現される。この遺伝子構成物は特殊の組織に発現する。例えば上記構成物は組織特異的プロモータの制御下にある。
本発明はBCL−2タンパク質をコードする非相同性遺伝子構成物を含むトランスジェニックマウスを含む。この遺伝子構成物は一時的プロモータの制御下にある。トランスジェニック・トランス−アクチベータタンパク質による上記プロモータの活性化はBCL−2タンパク質をコードする遺伝子構成物の発現増加を起こす。トランスアクチベータの不活性化は選択された生体適合性実体またはその実体の部分と、トランスアクチベータ要素との相互作用によって活性化される。これはBCL−2導入遺伝子の発現の減少を起こす。活性化が動物の一部分にだけ起きる場合、その部分の細胞だけがBCL−2タンパク質を発現する。

トランスジェニック細胞系
本発明は上記のトランスジェニック動物に由来する細胞系も含む。例となる細胞系は三重トランスジェニック(E−mu myc+/tet−Bcl−2+/NNTVtTA+)白血病マウスの骨髄から誘導される。この細胞系は分割をIL−7に依存している。BLC−2を停止するドキシサイクリンで処理すると、細胞は全て死滅する。これはBCL−2と細胞系との依存関係を証明するものである。本発明は、in vitroアッセイにおいてこの細胞系を使用してBH3ドメインを含むペプチドまたはペプチド類似体によるBCL−2の阻害(すなわちBCL−2阻止)を測定し、または試験化合物(すなわちBH3アゴニスト)の効果を測定する方法も含む。
本発明を次に記す実施例によってさらに詳しく説明する。これらの実施例は請求項に記載される本発明の範囲を制限するものではない。

実施例1:一般的方法

ペプチド・ストック
ペプチド類はTufts University Core Facilityによって合成され、HPLCにより精製され、質量分析によって同一性が確認された。ストック溶液は10〜20mM DMSOであった。
ミトコンドリアの分離
マウス肝ミトコンドリアを年齢の一致したwtまたはBak−/−マウスから分離した。肝臓をさいの目に切り、ダウンス・ロータリー・テフロン(登録商標)・ペッスルにより破壊し、Kinematica Polytronホモジナイザーを用いてホモジナイズした。分離緩衝液(250mMスクロース、10mMトリス−HCl pH7.4、0.1mM EGTA)に懸濁後、ミトコンドリアを分画遠心工程によって分離し、その後分離緩衝液で2回洗浄した。FL5.12細胞からのミトコンドリアは、上記のように細胞破壊、その後の分画遠心法および洗浄によって分離された。細胞破壊は、Kinematica Polytronホモジナイザーによって、またはダウンス・ホモジナイゼーションとその後の27ゲージ針を6〜10回押出す工程との組み合わせによって行った。

チトクロームcの放出
ミトコンドリアをタンパク質濃度0.5mg/mlで室温で、実験用緩衝液(125mM KCl、10mM トリス−MOPS pH7.4、5mMグルタメート、2.5mM マレート、1mM KPO、10□M EGTA−トリスpH7.4)中で処理した。放出パーセントを比色ELISA(MCTC0、R&D Systems)を使用して定量した。全ての実験においてDMSO処理を溶媒活性の対照として用いた。

BMH架橋
1,6−ビスマレイミドヘキサンはPierce(#22330)から入手した。DMSO中10mMストック溶液を、処理したミトコンドリア懸濁液に1:1の希釈で加えた。室温で30分間架橋させ、その後遠心分離してミトコンドリアをペレットにした。そのペレットをNuPAGE担持緩衝液(Invitrogen)に溶解した。

結合アッセイ
ペプチドがBCL−2に結合するKを測定するために、C−末端トランスメンブレン・ドメインの欠如したGST−BCL−2融合タンパク質を使用した。AHAリンカーを使用してペプチドをフルオレッセインアミノ−末端で合成した。25nMのペプチドを37℃で結合緩衝液(140mM NaCl、10mM トリス、pH7.4)中でGST−BCL−2の滴定で混合した。パーキンエルマーLS50Bルミネッセンス・スペクトロフォトメータ上で測定した蛍光分極の増加を定量し、結合を計算した。S字状用量反応曲線への非線状フィットのためにはプログラム・オリジン6.0を用い、Kを測定した。定量的BIDBH3置換アッセイでは25nMフルオレッセイン化BIDBH3を結合溶液中で1μM GST−BCL−2と混合した。未標識BH3ペプチドの量の増加を滴定し、蛍光分極の喪失をBIDBH3の置換の測定値とした。データを上記のようにS字状曲線にフィットさせ、IC50を測定した。

GST−BCL−2の作製
GST−BCL−2δC21融合タンパク質を0.1mM IPTGによってBL21 DE3に誘発した。細菌ペレットを溶菌緩衝液(PBS中、1mg/mlリゾチーム/1%トリトンX−100/0.1mg/ml PMSF/2μg/mlアプロチニン/2μg/mlロイペプチン/1μg/mlペプスタチンA)に再懸濁し、超音波処理した。20,000×gで20分間遠心した後、上澄液をグルタチオン−アガロースビーズ(Sigma)に塗布した。それらビーズをPBSで洗い、50mMグルタチオン/50mMトリスHCl、pH8.0で処理し、タンパク質を溶出した。溶出液を結合緩衝液に対して透析し、アミコン遠心濃縮装置を使用して濃縮した。

環状二重層
環状二重層(CD)スペクトルをJacoJ−710分光偏光計で、20℃で下記の標準測定パラメーターを使用して測定した:波長、190−260nm;段階分離度、0.5nm;速度、20nm/sec;蓄積、10;応答、1秒;バンド幅、1nm;パス長さ、0.1cm。ペプチドのストック溶液を電離水に溶解し、アミノ酸分析によって濃度を測定した。サンプルを50mM燐酸カリウムpH7で希釈し、理論的最終濃度50μMにした。各サンプルのCDスペクトルを三回づつ測定し、希釈液のみのバックグラウンドスペクトルを差し引いた。比較のために、差し引いたCDスペクトルを、希釈ペプチド溶液のアミノ酸分析によって測定した反復ペプチド濃度に基づいて、35μMに標準化した。平均残基楕円性[q]222obsを、モデル・らせん状デカペプチドについて報告された[q]222obsで割ることによって、各ペプチドのα−らせん含有量を計算した(Yang et al.,1986)。

イムノブロット分析
イムノブロット分析に使用する抗体として抗チトクロームc(75981A、Pharmingen)、抗BAK(Upstate Biotechnology)、および抗BAX(N−20、Santa Cruz)などを使用した。抗体の検出は高めた化学ルミネッセンスを使用して行った(Western Lightning,Perkin−Elmer)。

ジャルカット細胞の死滅
ジャルカット細胞をRPMI 1640、10%ウシ胎児血清、100u/mlペニシリン、100μg/ml/ストレプトマイシン、2mMグルタミン、50μM β−メルカプトエタノールに増殖させた。細胞をペプチドで5時間処理し、その後製造者のプロトコルによって(BD Biosciences 556547)蛍光タグ付きアネキシンVで染色した。FACS分析とその後のFlowJoソフトウエア(Tree Star,Inc)を用いる分析とを用いて死滅を定量した。

実施例:2 BIDおよびBIMからのBH3ペプチドはミリストイル化BIDのようにチトクロームcを放出するが、かならずしも全てのBH3onlyメンバーがチトクロームcを放出するものではない。
in vivo アポトーシスのミトコンドリア経路を再現するようにみえる in vitroミトコンドリア系において、組換えp15tBID、およびより効率的にはp7/myrp15、ミリストイル化BID複合体(myrBID)は、BAKオリゴマー化およびチトクロームc放出を開始する。in vitroおよび in vivo のプレ−アポトーシス活性は完全BH3ドメインを必要とするので、このBH3から誘導されるペプチド類の、アポトーシス活性を開始する能力を試験した。20マーのBIDBH3(aa80−99)は10μMで(表1)、myrBIDと同様にチトクロームc放出を開始できることが証明された(図1A)。その他のBH3ドメインペプチド類の活性を比較した。BIMBH3(表1)はチトクロームc放出を示したが、その他のBH3−onlyメンバーBAD、BIKおよびNOXAから誘導されるペプチド類は(表1)100μMの濃度でさえこの活性を示さなかった(図1B)。抗アポトーシスBcl−XのBH3ドメインから誘導されるペプチドはチトクロームc放出を誘起しなかった(図1B)。環状二重層研究は、これらのペプチドの相対的α−らせん含有量は変動するが、α−らせんのパーセントは単にペプチド類の活性だけを意味するものではないことを示した。NOXAABH3およびBCL−XBIDは相対的に低いα−らせん含有量を有するが、BADBH3は最高のα−らせん含有量を示し、それでもこのアッセイでは不活性である(表1)。同様に、BIDのBH3ドメインから誘導されるが、そのファミリ全体に高度に保存された2つの残基に置換を含む(L90A、D90A)あるペプチドも、α−らせん性を保持する一方、チトクロームc放出は起こさなかった(表1、図1B)。

実施例:3 BH3ペプチド誘起性チトクロームc放出のためにはBAKが必要である
BH3ペプチドがアポトーシスの確立されたミトコンドリア経路を通じて作用するのかどうかを試験するために、我々はそれらが“マルチドメイン”膜BAKの存在を必要とするかどうかを調べた。天然tBIDによるチトクロームc放出の一つの顕著な特徴は、それが完全細胞のマルチドメインBAKまたはBAXまたは精製ミトコンドリア上のBAKを必要とすることである(Wei et al.,2000;Wei et al.,2001)。Bak−/−マウスの肝臓から分離したミトコンドリアのイムノブロットは、“マルチドメイン”プロ−アポトーシスBAXもBAKも存在しないことを確認した(図2)。さらに、BAXおよび/またはBAKの存在しない場合の抗アポトーシスBCL−2膜のレベルに代償的変化はない(示されず)。Bak+/+ 対 −/−ミトコンドリア上で100μM BIMBH3またはBIDBH3ペプチドを較すると、チトクロームc放出のためにはBAKが必要であることが判明した(図3)。このようにBAKを必要とすることは、これらα−らせんBH3ペプチドが、ミトコンドリアを非特異的に損傷する膜の自律的透過性によって機能するというより、ミトコンドリアアポトーシスの遺伝経路によって機能することを立証するものである。

実施例:4 チトクロームc放出を誘起するペプチドはBAKオリゴマー化を誘起する
これまでの研究は、tBIDのミトコンドリアへのトランスロケーションがBAKのアロステリック配座の活性化を起こし、上記活性化にはそのホモ−オリゴマー化とそれに続くチトクロームcの放出が含まれることを証明した(Wei et al.,2000)。BIDBH3ペプチドは(tBIDまたはp7/myr15BID複合体のように)BAKオリゴマー化を誘発し、これは架橋剤BMHで検出される(図4A)。さらに、BAKオリゴマー化と、BIDBH3ペプチドによって誘発されるチトクロームc放出との間には一時的関係がある(図4A、B)。BIMBH3もBAKオリゴマー化を誘発するが、チトクロームc放出誘発能力に欠けるBADBH3はBAKオリゴマー化を誘発することができない(図4C)。BAXとBAKの両方を含む培養FL5.12細胞から分離されたミトコンドリア中で、BIMBH3およびBIDBH3はBAXのオリゴマー化を誘発することができ、BADBH3はできないことも判明した(図2、4C)。BIDBH3はBIMBH3に比べてより顕著に架橋を誘発するが、その一方、BIMBH3はBIDBH3に比べてより顕著にBAX架橋を誘発することが注目される。突然変異体BIDペプチドBIDBH3mut(L90A、D95A)を試験した。それはチトクロームc放出(図1B)またはBAX、BAKオリゴマー化(図4C)を誘発することができなかった。これらの結果は、BIDBH3およびBIMBH3ペプチドが完全tBIDタンパク質のように、ミトコンドリアに存在するBAKまたはBAXにアロステリック変化を誘発できること、すなわちホモオリゴマー化およびそれに続くチトクロームc放出などを誘発できることを示唆している。

実施例:5 BCL−2はBH3ペプチド類によるチトクロームcのミトコンドリア内放出を阻害する
保護レベルでの抗アポトーシスBCL−2を担持するミトコンドリアは、in vitroで25ngのtBIDで処理した後、チトクロームcを放出しない。これは明らかにtBIDがBCL−2と結合し、BCL−2によって安定な複合体に封鎖され、tBIDによるBAK活性化が阻止されるからである(Cheng et al.,2001)。同様に、BCL−2が過剰発現しているミトコンドリアは、10μMBIDBH3、1μM BIMBH3、並びに30nM myrBIDに対して抵抗し、チトクロームcを放出できないことが判明した(図5A)。さらに、BCL−2の存在はBH3ペプチドへの曝露後のBAKオリゴマー化の喪失とも対応し、BCL−2がBAK活性化の上流を阻止することを示唆する(図5B)。これらの研究結果は、tBIDを不活性化する際のBCL−2の役割の主要成分がBH3ドメインを特異的に封鎖することであり、それによってBH3自体によるマルチドメインプロ−アポトーシスメンバー類の活性化が阻止されるということを裏づけるものである。

実施例:6 BADBH3はBCL−2に結合し、BIDによるチトクロームc放出を回復させる
BAKを活性化し、チトクロームcを放出させるという本来の能力に欠けるBH3ペプチドについて、BCL−2による抗アポトーシス防御を妨害する能力を試験した。このBH3サブセットはBCL−2の疎水性ポケットを占有し、したがってプロアポトーシスBIDBH3またはBIMBH3ペプチドに置換するかも知れない。BADBH3ペプチドは、閾下濃度のmyrBID(30nM)で処理したミトコンドリアのBCL−2保護を克服する能力を最も顕著に示し、BIKBH3は、有意ではあるがより低い能力を示す(図6A)。NOXAおよびBCL−Xから誘導される残りのBH3ペプチドはBCL−2保護を克服する能力を示さなかった(図6A)。BADBH3は100μMでさえそれ自体ではBAKを活性化することができずまたはチトクロームcを放出することができないから、これは、BADBH3が、BCL−2結合に関してBIDBH3またはBIMBH3と競争して成功することによってミトコンドリアをこれらのペプチドに対して感作することを示唆する。100μMでは、BADBH3はBCL−2過剰発現ミトコンドリアのチトクロームc放出を、BIDBH3(図6B)およびBIMBH3(図6C)に対して用量−反応的に、wtミトコンドリアで認められたレベルにまで回復させることができた。BADBH3で処理したwtミトコンドリアの感度の増加が認められた。wtミトコンドリアのソースであるFL5.12細胞はネズミBCL−2を幾らか発現するので、これは予想されるものである。BADBH3によるチトクロームc放出の回復はBAKオリゴマー化の回復を伴うことが認められた。
BADBH3によってBCL−2防御を排除することが、より生理的なリガンド、ミリストイル化BID複合体(p7/myrp15BID)を可能にするかどうかを試験した。200μM BADBH3をBCL−2過剰発現ミトコンドリアに添加すると、たった1nMのmyrBIDに対してもそれらミトコンドリアの感度は著しく回復する。これらのBADBH3処理ミトコンドリアはwtミトコンドリアよりも敏感である。これは、BADBH3がミトコンドリアに存在する内因性ネズミBCL−2およびBCL−Xを阻害する能力を有することを反映するものと考えられる(図6D)。BADBH3の用量−反応範囲を試験し、それが1μMという低濃度でBCL−2を阻害し(図6E)、myrBIDによるチトクロームc放出を可能にするかなりの活性を有することを明らかにした。100μMのBIKBH3もBCL−2を過剰発現するミトコンドリアに対してほぼ全部のチトクロームc放出を回復することができ、より高濃度であるとはいえBADBH3様作用機序を示す(図6E)。これは、短いBADBH3およびBIKBH3ペプチドが、BCL−2との結合を天然myrBIDタンパク質と効果的に競争することができ、これによってBCL−2の抗アポトーシス効果を排除し、myrBID誘導性チトクロームc放出を可能にすることをあらわす。

実施例:7 BADBH3は蛍光偏光分析によってBCL−2からBIDBH3を置換する
BADBH3がBCL−2からBIDBH3を置換することができるかどうかを直接試験するために、蛍光偏光分析を行った。BADBH3ペプチドはBIDBH3ペプチドより約5倍大きい親和性で完全BCL−2に結合した(平均41対220nM、表1、図7A)。さらに、BADBH3はBCL−2から予備結合BIDBH3を効率的に置換することができる(図7B)。しかし、予備結合BIDBH3と競争するためには、溶液中でBCL−2に対するBADBH3のもつ5倍大きい親和性にもかかわらず過剰のBADBH3が必要である。この研究結果は、結合時にはBCL−2および/またはBH3ペプチドに配座変化が起きることを示唆する。これに対してBIDBH3はBCL−2からBADBH3を効果的に置換しない。残るペプチドを試験すると、それら自体でチトクロームc放出を起こすペプチド類(BIDBH3およびBIMBH3)またはBCL−2と相互反応することによってチトクロームcを放出できるもの(BADBH3およびBIKBH3)は全て、50〜500nM範囲の親和性でBCL−2に結合することが明らかになる。BADBH3およびBIKBH3はBCL−2タンパク質からBIDBH3を置換する能力を示す(表1)。BCL−2阻害を克服できなかった残るペプチド(NOXABH3、NOXABBH3、BCLXBH3、BIDBH3mut)はBCL−2に直接結合せず、またはBCL−2からBIDBH3を置換しなかった(表1)。これらの結果は、“感作”BH3ドメイン(例えばBADBH3またはBIKBH3)が抗アポトーシスBCL−2のポケットからの“アクチベーティング”BH3ドメイン(例えばBIDBH3またはBIMBH3)に置換できることと一致する。ひとたび遊離すると、このモデルによる“アクチベーティング”BH3ドメインがBAKオリゴマー化とそれに続くチトクロームc放出をトリガーする(図7C)。
癌細胞のアポトーシスがこのようなBH3の形質導入によってトリガーされるかどうかを調査した。デカノン酸、アンテネペディア(ANT)またはHIV Tatを含むインターナリゼーション部分を利用した先行研究は、細胞毒素およびミトコンドリア毒素の難解な問題を認めた。例えば、種々のBH3ドメインがTat11マーに結合した際、wtおよびmutant形質導入されたペプチドは両方とも速やかに細胞を殺した。その上、多くのコンジュゲート類は遺伝経路を通じて作用するようには見えなかった。なぜならばそれらはBCL−2による阻害を示さず、Bax、Bak二重欠乏細胞を容易に殺したからである(示されず)。ポリアルギニン(8aa)をBax,Bakペプチドに結合することがより有望であるように見える。ポリアルギニン・タグはペプチドの形質膜を介する輸送を容易にすることが証明されている(Rothbard et al.,2000)。r8BIDBH3はジャルカット白血病細胞を殺すことができたが、r8BIDBH3mutは無効であった。さらに、無毒性10YMr8BADBH3の添加はジャルカット細胞を閾下濃度(10μM)のr8BIDBH3(図8)に対して感作することができた。r8BIDBH3およびr8BADBH3は両方ともBax、Bak二重欠乏細胞を殺すことができなかった。したがってこれは、“感作”BH3ドメインおよび“アクチベーティング”BH3ドメインが in vivo で共力して癌細胞のアポトーシスを開始する、という考え方の最初の証明になると思われる。

実施例:8
遺伝的に明確にされたミトコンドリアと合成ペプチドとを使用することによって、全BH3−only分子の関係とは別に、BH3ペプチドドメイン自体が特殊の死のリガンドとして機能し得ることが示される。BH3ペプチドの活性は、“BID様”BH3ドメインがBAX、BAK、それらそれぞれの受容体のアロステリック配座の活性化を十分トリガーし得るリガンド/受容体モデルを支えている。BIDBH3ペプチドによる活性化は定性的にはmyrBIDタンパク質とは次の点で区別ができない;すなわち両方ともBAKを必要とし、BAKオリゴマー化およびそれに続くチトクロームc放出を起こし、BCL−2と結合してBCL−2によって封鎖され、結果的にBAKを保護する。上記合成ペプチドも、BH3領域が単に保存された配列モチーフであるよりむしろ真のドメインであることを示している。なぜならばそのペプチドドメイン自体が固有の機能的活性を有するからである。BH3−onlyタンパク質からの種々のα−らせんペプチドを比較すると、BH3ドメインの機能的クラスが2つあることが明らかになる。BID様ドメインはマルチドメイン・プロアポトーシスBAX、BAKを“活性化する”。他方、BAD様ドメインは、抗アポトーシスBCL−2のポケットを占有することによって、ミトコンドリアをアポトーシスに対して“感作する”。後者は、閾下レベルでさえチトクロームc放出を開始できるBID様ドメインに取って代わる。これはBH3ドメインを模する治療薬が、ペプチド様物質であろうと小型分子であろうと、これら機能的クラスに指定されることを予想し、またここに明らかにされる遺伝的試薬および分子試薬を用いて分類されるはずであることを予想する。
治療的利益の観点から、BAD様“感作”BH3模擬物質は幾つかの魅力的特徴を有する。それらはBCL−2またはBCL−Xによって保護されている細胞の罹患性をリセットすると予想されるが、BH3−onlyタンパク質の“活性化”を開始する第二のアポトーシスシグナルを必要とする。これは、単一作用物質として“感作”模擬物質が特に正常細胞に対して無毒性であることを証明することを意味する。第二のシグナルを必要とすることによって、正常細胞には許容できるガン細胞選択的経路を使用する機会が与えられる。
ここでBAD様BH3ペプチドの“感作”サブセットに関する証拠は、これらタンパク質の作用機序に関するこれまでの明らかな矛盾を説明する。BAD、NOXAおよびBIKを含む大部分のBH3−only完全タンパク質は、界面活性剤で可溶化した溶解物の相互作用アッセイ、例えば酵母2−ハイブリッド、プルダウン、または同時免疫沈降法において、抗アポトーシスメンバーBCL−2、BCL−Xに明らかに優先的に結合することを示す(Boyd et al.,1995;Oda et al.,2000;Yang et al.,1995)。さらに、突然変異分析の結果、BADは抗アポトーシスBCL−Xに結合できた場合に限り、死を推進することができることが示唆された(Kelekar and Thompson,1998)。だがBax、Bak−二重欠乏細胞で証明されたように、BAD、NOXAおよびBIDは全て、殺すためにはマルチドメイン・プロアポトーシスBAX、BAKタンパク質を必要とする(Cheng et al.,2001;Zong et al.,2001)。抗アポトーシスBCL−2ポケットからの置換反応を媒介するBAD様BH3ペプチドの能力は、全ての考察を調和させる作用機序を提供する。完全細胞内の抗アポトーシスポケットから置換される協力的タンパク質としては非制限的にBID様“アクチベーティング”BH3−onlyメンバー類がある。BIMBH3ペプチドの分析は、この問題の解決に役立つ一方、挑発的であることが判明した。先行する相互作用アッセイは、完全BIMタンパク質がプロアポトーシスBAXまたはBAKに優先して抗アポトーシスBCL−2、BCL−Xに結合することを示している。ミトコンドリアからチトクロームcを放出する完全BIMタンパク質の能力を試験したこれまでの報告は異なる結果を与えた(Li et al.,2001;Terradillos et al.,2002)。本明細書では、全タンパク質の範囲から取り出された単離BIMBH3ドメインは、BAX、BAKを活性化することができるBID様として記録された。幾つかのあり得る説明を想定することができる。BAX、BAKを認識するBH3ドメインの厳密なα−らせん面は、完全BIMタンパク質では露出しない可能性がある。或いは、結合を測定するために使用する標準的タンパク質相互作用アッセイが、天然BIM分子が in vivo 細胞死中に受ける配座状態の全てを反映するものではないことも納得できる。
BIDBH3ペプチドの場合のチトクロームc放出に至る機械作用的経路は天然myrBID複合体に似ているように見えるが、トリガー効率は著しく変動する。ミトコンドリアからのチトクロームcのほぼ全ての放出には10nM myrBID複合体、10μM BIDBH3ペプチドが必要である。ミリストイル化はミトコンドリアに対するBIDターゲティングの効率を高め、ミトコンドリア外膜上のその部位に焦点を合わせるのに役立つと考えられる(Lutter et al.,2001;Zha et al.,2000)。組み込まれたmyrp15BIDタンパク質はBAKポケットにBH3ドメインをより効果的にあらわすことも考えられる。ミトコンドリアのソースによって個々のBH3ドメインに対するそれらの反応に変動があることが認められる。肝ミトコンドリアではBIDBH3がBIMBH3より強力であり、その一方で、FL5.12ミトコンドリアではBIMBH3がより効果的である。これはFL5.12にはBAXが存在し、肝ミトコンドリアには存在しないことを反映するものかも知れない。オリゴマー化効率(図4)からはBIDBH3がBAKをより好み、BIMBH3はBAXをより好むことが裏付けられる。BIMBH3がBAXをより好むという仮説は、NGF誘導体化後の神経細胞死においてBIMがBAXの上流で機能するという知見と一致する(Putcha et al.,2001)。BCL−2メンバーに対する個々のBH3ドメインの結合親和性はかなり変動し(Sattler et al.,1997)(図7)、選択性の尺度となる。環状二重層によるBH3ペプチドの評価は、α−らせん含有量は異なる結合親和性の唯一の決定要素ではなく、BAX、BAKオリゴマー化およびチトクロームc放出を誘発する能力の決定要素でもないことを示している。認められた特異性は、明白なBH3ドメインが選択マルチドメインパートナーを有するモデルであって、BH3−onlyおよびマルチドメイン両方の抗アポトーシスメンバーの大多数に対して合理的であるモデルを示唆する。
マルチドメインメンバーのBH3ドメインがアポトーシスを開始できるかどうかはあまり定かではない。ここで研究されたBCL−Xから単離されたBH3ドメインは活性を全く示さず、その一方でBAXからのBH3ペプチドは種々の結果を与えた。BAKからのBH3ペプチドをキセノパス無細胞系に添加すると、作用部位は不明であったが、チトクロームcの放出およびカスパーゼ活性が誘導された(Cosulich et al.,1997)。哺乳動物ミトコンドリアへのBAXBH3の添加は、透過性の変化を誘起することなくチトクロームcを放出することが報告された(Polster et al.,2001);これは本明細書で吟味された機械作用的経路と一致する。その一方で、ある研究者らは、チトクロームc放出の説明として透過性変化および膜内外電位差の喪失を誘発するBAXBH3ペプチドを報告している(Narita et al.,1998)。これはα−らせん自体に、または小器官の膜を損傷し得るハイブリッドタンパク質に固有であるかも知れない。
未来のための重要な挑戦は、BH3ペプチドまたはBH3ペプチド様物質を細胞に効果的に形質導入し、アポトーシスが遺伝経路によって誘発されることを確実にすることである。ここに示した最初のポリアルギニン形質導入法を含む幾つかの研究(Holinger et al.,1999;Wang et al.,2000)はこれが今後の研究を保証するものであることを示唆する。しかし注意しなければならないのは、両親媒性α−らせんペプチドの多くは、それらがカチオン性である場合には特に、ミトコンドリア膜などの負に帯電した膜に引き付けられ、そこでそれらは脂質基質および膜障壁の機能を非特異的に破壊することがあるということである(Ellerby et al.,1999;Matsuzaki,2001;Westerhoff et al.,1989)。ANT−BH3BADを利用した人々は、毒性がBCL−2経路とは無関係であり、B3−onlyタンパク質の発現を許容している酵母も殺すことを見いだした(Schimmer et al.,2001;Vieira et al.,2002)。BH3ペプチド様物質のためには受容体介在性経路を含むインターナリゼーションの別の方法も考えなければならない。ここに示される研究は、アポトーシスを遺伝経路において所定の時点に正しく開始するBH3様物質を設計することができるという概念を証拠立てた。その上、その研究は未来のBH3様物質類の作用機序を吟味するための範例および試薬を提供するものである。

実施例:9 ミトコンドリアアッセイを使用するBH3−模擬物質のスクリーニング
BH3模擬物質、例えばBAD様またはBID様物質をミトコンドリアアッセイを用いてスクリーニングする。(図9を参照)野生型またはBak−/−どちらかのマウスの肝臓からミトコンドリアを分離する。分離したミトコンドリアを試験化合物と接触させ、チトクロームcの放出を測定する。wtまたはBak−/−ミトコンドリアにチトクロームcの放出がない場合、試験化合物は“感作”BAD模擬物質であることを示す。さらに試験するために、この潜在的“感作”BAD模擬物質を閾下濃度のBID様myrBID自体に加え、BAKwtミトコンドリアからのチトクロームc放出が高まるかどうかを確認する。BAD模擬物質は例えば特異的BCL−2/BCL−Xインヒビタとして有用である。wtミトコンドリアではチトクロームc放出を誘起するがBak−/−ミトコンドリアでは誘起しない化合物は、“アクチベーティング”BID模擬物質であることを示す。BADBH3およびmyrBIDをそれぞれ感作化合物およびアクチベーティング化合物の対照として使用する。
候補となった感作化合物を、wtまたは過剰発現BCL−2 FL5.12細胞からミトコンドリアを分離することによってさらに特徴づける。感作化合物はwtFL5.12ミトコンドリアからのチトクロームc放出を誘発しないが、感作化合物は閾下濃度のmyrBIDまたはBID模擬物質がBCL−2防御ミトコンドリアからチトクロームcを放出できるようにする。
候補となった感作化合物について、培養中のBCL−2非依存性癌細胞でなく、むしろBCL−2依存性癌細胞を殺す能力をさらに試験する。

実施例:10 BCL−2条件つきノックインマウスの作出および特徴づけ
標準的組換えDNA技術を用いて、tet−BCL−2対立遺伝子をDNAメチルトランスフェラーゼ1座位に標的化した(図10)。新しいマウス系をMMTV−tTA系と交雑させることによって(Jackson Labs)、上皮細胞およびB−系リンパ球に条件つきでBCL−2を過剰発現するマウスを作出した。これらの動物にドキシサイクリンを投与すると、BCL−2の過剰発現は上首尾に抑制された。これらのマウスを、B−リンパ球系にmycを発現するマウス(Eμ−mycマウス、Jackson Labs)と交雑させると、B−細胞リンパ芽球性白血病を一様に有するマウスが得られた。
白血病細胞からBCL−2発現を取り除いた効果を調べるために、28匹のマウスのコホートにおけるドキシサイクリン処理の効果を試験した。遺伝子型により、28匹のマウスの各々はtet−BCL−2、MMTV−tTA、およびEμ−myc対立遺伝子を含んでいた。表現型では、各々は血液塗抹試験により白血病を有し、100,000/μlより多い白血球数を有することが判明した。齢4−5週において、半数を飲料水中ドキシサイクリン(500μg/ml)で処置し、半数は未処置のままとした。白血球数を血球計数板で測定した。使用した2μlの血液は尾から採取し、3%サポニンで溶解し、ヘキスト33258で染色した。図11からわかるように、ドキシサイクリン処理によって誘発されたBCL−2発現の喪失は白血球数の劇的な、1−2logの減少および白血病の寛解を誘起する。これらのデータはこのネズミ癌モデルにおいて腫瘍を維持するためにはBCL−2が必要であることを強く裏づけ、候補となるBCL−2インヒビタの今後のin vivo 試験におけるこのモデルの有効性を証明する。

実施例11:BCL−2条件つきノックインマウスから誘導される細胞系の増殖
三重トランスジェニック、白血病マウスの骨髄からの細胞系を培養で増殖させた。BCL−2導入遺伝子の発現をドキシサイクリン処理によって排除すると、細胞系は死滅する。このBCL−2依存性癌細胞系は候補BCL−2インヒビタの細胞試験に有用である。
さらに、推定BCL−2拮抗物質の特異性の対照として、BCL−2発現に依存しないB−細胞性悪性腫瘍からの細胞系を生成した。BCL−2導入遺伝子の発現を排除するためにドキシサイクリン処理を行わなかった三重トランスジェニックマウスには腫瘍が発生した。これらのマウスからの細胞をドキシサイクリンの存在しない培地で増殖させた。ドキシサイクリン投与によってBCL−2発現を止めると、細胞死は起きなかった。これらの結果は、これらの細胞系と上記のBCL−2依存性細胞系との組み合わせが、推定BCL−2拮抗物質の作用の特異性を評価するために有用であることを示している。特異的BCL−2拮抗物質はBCL−2依存性細胞系を殺し、BCL−2非依存性細胞系は殺さない化合物である。

参考文献
その他の実施形態
本発明をその詳細な説明と共に述べたが、前記の記載は説明のためのものであり、添付の請求項の範囲によって規定される本発明の範囲を制限するものではない。その他の局面、利点および変更は以下に述べる請求項の範囲内である。
図1は、BIDBH3、myrBID、およびBIMBH3タンパク質およびペプチド類がミトコンドリアからのチトクロームcの放出を誘発することを示す棒グラフである。 図2は、マウス肝およびFL5.12細胞から分離されたミトコンドリアにおけるBAXおよびBAK発現を示すイムノブロットの写真である。 図3は、BIMBH3およびBIDBH3によって起きるチトクロームcの放出がマルチ−ドメイン プロ−アポトーシスBAKの存在に依存することを示す棒グラフである。 図4Aは、100μM BIDBH3で処理したWt肝ミトコンドリア中のBAKオリゴマー化を示すイムノブロットである。図4Bは、ペプチドがチトクロームc放出を誘発したことを示す線グラフである。Wt肝ミトコンドリアは(A)におけるように処理され、チトクロームcの放出はELIZA法によって測定した。図4Cは、FL5.12細胞からのミトコンドリアを指示されたペプチド100μMで処理することによって誘発されるBAKオリゴマー化を示すブロットである。マーカ1、2、3、4はモノマー、ダイマー、トリマーおよびテトラマーの大きさに対応する。図4Dは、FL5.12細胞からのミトコンドリア中のBAXオリゴマー化を示すブロットである。 図5Aは、BCL−2が親およびBCL−2過剰発現FL5.12細胞から単離されたミトコンドリアにおけるチトクロームcの放出を阻害することを示す棒グラフである。図5Bは、10μM BIDBH3で処理し、架橋剤BMHと共にインキュベートし、SDS−PAGEおよびBAKに関するイムノブロットで処理した親およびFL5.12−BCL−2細胞からのミトコンドリア中のBAKのオリゴマー化を示すブロットである。 図6Aは、BADBH3がBIDBH3、BIMBH3およびmyrBIDによるチトクロームc放出を可能にすることを示す棒グラフである。図6Bは、BADBH3がBIDBH3による用量依存的チトクロームc放出を可能にすることを示すグラフである。図6Cは、BADBH3がBIMBH3による用量依存的チトクロームc放出を可能にすることを示すグラフである。図6Dは、BADBH3がmyrBIDによる用量依存的チトクロームc放出を可能にすることを示すグラフである。図6Eは、BIDBH3およびBADBH3の用量依存的反応がFL5.12−BCL−2細胞のミトコンドリアからのチトクロームcのmyrBID誘発性放出を可能にすることを示す棒グラフである。 図6−1の続き。 図7Aは、GST−BCL−2に対するBIDBH3およびBADBH3の結合を示すグラフである。図7Bは、GST−BCL−2とBIDBH3との結合がBADBH3によって置換されることを示すグラフである。図7Cは、BID様ドメインの模式図である。図7Dは、BAD様ドメインの模式図である。 図7−1の続き。 図8は、r8BADBH3がジャルカット細胞をr8BIDBH3による死に対し感作させることを示す図である。 図9は、BH3模擬物のスクリーニング手法の模式図的説明である。 図10は、tet−Bcl−2対立遺伝子の胚系伝達を示す模式図である。 図11は、ドキシサイクリン処理によって誘起されるBCL−2発現の喪失が、WBCの劇的な1−2log減少および白血病の寛解をもたらすことを示す棒グラフである。 図12は、脾臓におけるhBcl−2の発現を描くウエスタンブロットの写真である。 図13は、白血病細胞の生存のためにBCL−2発現が必要であることを示す棒グラフである。 図14は、培養中の白血病細胞の増殖のためにIL−7が必要であることを描く棒グラフである。

Claims (32)

  1. 配列番号1、2または10からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ペプチド。
  2. 前記ペプチドがBAKオリゴマー化およびミトコンドリアからのチトクロームc放出を誘発する請求項1に記載のペプチド。
  3. 配列番号3〜7または11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ペプチド。
  4. 前記ペプチドがBCL−2またはMCL−2と結合する請求項3に記載のペプチド。
  5. 配列番号1〜11のいずれか1つの単離ペプチド。
  6. 第一ドメインおよび第二ドメインを含むキメラペプチドであって、前記第一ドメインは配列番号1〜11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記第二ドメインは生物膜を横切る輸送を促進する転移配列を含むキメラペプチド。
  7. 前記転移配列がポリアルギニンである請求項6に記載のペプチド。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のペプチドをコードする核酸。
  9. プロモータに作動可能に結合する請求項8の核酸を含む発現ベクター。
  10. 請求項9に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  11. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のペプチドと、担体とを含む組成物。
  12. 被験体における細胞増殖性疾患を処置する方法であって、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のペプチドを含む組成物をそれを必要とする被験体に投与する工程を包含する方法。
  13. 前記細胞増殖性疾患が癌である請求項12に記載の方法。
  14. 前記組成物がさらに化学療法化合物と共に投与される請求項12に記載の方法。
  15. 細胞にアポトーシスを誘発する方法であって、前記細胞と、前記細胞にアポトーシスを誘導するのに十分な量の配列番号1、2または10のいずれかを含む組成物とを接触させる工程を包含する方法。
  16. 細胞をアポトーシスに対して感作させる方法であって、前記細胞と、前記細胞をアポトーシスに対して感作させるのに十分な量の配列番号2〜7または11のいずれかを含む組成物とを接触させる工程を包含する方法。
  17. アポトーシス感作化合物をスクリーニングする方法であって:
    (a)抗アポトーシスタンパク質を過剰発現するミトコンドリアをBID様BH3ペプチドと接触させてタンパク質−ペプチド−複合体を形成する工程;
    (b)前記複合体を試験化合物と接触させる工程;および
    (c)前記ミトコンドリアからのチトクロームc放出を測定する工程であって、前記試験化合物の存在しない場合と比較して前記化合物の存在下におけるチトクロームc放出の増加が、前記化合物がアポトーシス感作化合物であることを示す、行程
    を包含する方法。
  18. 前記BID様BH3ペプチドが野生型BIDまたはそのフラグメントである請求項17に記載の方法。
  19. 前記抗アポトーシスタンパク質がBCL−2である請求項17に記載の方法。
  20. トランスジェニック非ヒト動物であって、前記動物のゲノムに安定的に組込まれた組換えBCL−2核酸分子を含むトランスジェニック非ヒト動物。
  21. 前記組換え核酸分子が一つ以上の調節配列に作動可能に結合する請求項20に記載の動物。
  22. 前記さらなる調節配列がプロモータである請求項22に記載の動物。
  23. 前記組換え核酸分子がヒトまたはネズミ由来のものである請求項20に記載の動物。
  24. 請求項20に記載の動物の単離された細胞。
  25. 前記細胞が幹細胞、生殖細胞、前駆細胞または始原細胞である請求項24に記載の細胞。
  26. 前記動物が齧歯類である請求項20に記載の動物。
  27. 前記齧歯類がマウスである請求項27に記載の動物。
  28. トランスジェニック非ヒト動物の生成法であって、組換えBCL−2核酸分子を生殖細胞、胚性細胞、卵細胞またはそれらに由来する細胞に導入することを包含する方法。
  29. 前記動物が齧歯類である請求項28に記載の方法。
  30. 前記齧歯類がマウスである請求項29に記載の方法。
  31. BCL−2タンパク質の活性を改変できる化合物の同定法であって:
    (a)請求項20に記載のトランスジェニック非ヒト動物またはこれに由来する細胞を試験化合物と接触させる工程;および
    (b)前記試験化合物の前記BCL−2タンパク質に与える効果を測定する工程;
    を包含し、それによって前記タンパク質の活性を改変する化合物を同定する、方法。
  32. 前記試験化合物がBH−3アゴニストである請求項31に記載の方法。
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