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JP2006510612A - ブタ胸膜肺炎に対する弱毒生ワクチン - Google Patents

ブタ胸膜肺炎に対する弱毒生ワクチン Download PDF

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JP2006510612A JP2004552625A JP2004552625A JP2006510612A JP 2006510612 A JP2006510612 A JP 2006510612A JP 2004552625 A JP2004552625 A JP 2004552625A JP 2004552625 A JP2004552625 A JP 2004552625A JP 2006510612 A JP2006510612 A JP 2006510612A
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Abstract

本発明は、Apx溶血性細胞溶解性エキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子のセグメントにおいて少なくとも改変され、apxIIA遺伝子のセグメントにおいて任意で改変された、免疫原性非溶血性アクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)株を得る方法を提供する。本発明はまた、これを用いて得られた株およびブタ胸膜肺炎に対する弱毒生ワクチンも含む。

Description

発明の分野
本発明は、ブタ 胸膜肺炎に対する弱毒生ワクチンを調製するのに適した、免疫原性非溶血性のアクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)株を得る方法に関する。
発明の背景
アクチノバチルス・プルロニューモニエ(以下「App」)は、ブタ産業における重要な経済的損失の原因となる世界中に分布する感染症であるブタ胸膜肺炎を引き起こすグラム陰性細菌である。
Appの最も重要な病原因子は細胞外タンパク質(すなわち、Apxエキソトキシン)である。これらのエキソトキシンは、病原性グラム陰性細菌に広く分布している孔形成RTX毒素ファミリーに属する。Appにおける主要なエキソトキシンは、ApxI、ApxII、ApxIII、およびApxIVである。
エキソトキシンApxIおよびApxIIは溶血性および細胞溶解性を有する。ApxIは強力な溶血活性および細胞溶解活性を示し、ApxIIは弱い溶血活性および中程度の細胞溶解活性を示す。
これまでにスクリーニングされた全ての血清型はApxIVを産生することができるが、残りのApxエキソトキシンの発現については特徴的な血清型分布が存在する。血清型1、5、9、および11はエキソトキシンApxIおよびApxIIを産生する。血清型10はApxIのみを産生する。血清型7および12はApxIIのみを産生し、血清型2、3、4、6、および8はApxIIおよびApxIIIを生成する。
エキソトキシンApxIおよびApxIIに対応する遺伝子はオペロンとして構成されている。ApxIエキソトキシンのオペロンは、4つの遺伝子:apxIC、apxIA、apxIB、およびapxIDを含む。遺伝子apxIAはApxIエキソトキシンそのものをコードする。遺伝子apxICは、Apxに翻訳後修飾(アシル化)を導入して、ApxIに活性型高次構造をとらせ、宿主特異的細胞受容体と相互作用できるようにする、アクチベータータンパク質(アシラーゼ)をコードする。apxIBおよびapxID遺伝子は、成熟ApxIエキソトキシンを外部培地に分泌させる2つの膜タンパク質をコードする。
ApxIIオペロンは、ApxIIをコードする遺伝子A(apxIIA)と、ApxIIに活性型高次構造をとらせるアシラーゼをコードする遺伝子C(apxIIC)しか含まない。apxIB遺伝子とある程度の類似性を示す小さな断片も存在するが、これは機能的タンパク質を生じない。成熟ApxIIの外部培地への輸送は、apxIBおよびapxID遺伝子によりコードされるタンパク質の働きによるものである。
現在のワクチン接種法は全てのApp血清型を完全に防がない。
特許WO97/16532A1は、動物において免疫反応を誘導することができるワクチン株の構築について説明している。これは、部分的な欠失によって部分的にまたは完全に不活化されたApx毒素を産生する改変微生物を含む。この欠失は、構造遺伝子apxIAの誘導された変異誘発、および/またはapxIICアクチベーター遺伝子の部分的欠失によってなされた。この特許は膜貫通領域を改変しない。
特許EP810283A2は、アクチベータータンパク質を機能する形で産生せず、アシル化によって毒素を活性化できないようなやり方でApxIC遺伝子を改変することによってAppワクチン株を構築することについて説明している。この特許も膜貫通領域を改変しない。
Jansen et al.(Infection and Immunity 63:7-37(1995))は、部位特異的変異誘発によるApp相同組換え体の作成について述べた。これらの変異体は、CMr遺伝子の挿入によって不活化されたapxIA遺伝子および/またはTETr遺伝子の挿入によって不活化されたapxIIA遺伝子を示す。
Tacon et al.(Molecular Microbiology 14:207-216(1994))は2つのApp変異体について述べている。これらの一方は遺伝子apxIBDが破壊されており、他方は構造遺伝子apxIAが破壊されている。
Reimer et al;(Microbial Pathogenesis 18:197-209(1995))は、化学変異誘発によってオペロンapxIABCDの重要な部分に影響を及ぼす欠失を有するApp非病原変異体について述べている。この変異体はApxI毒素を合成しないが、ApxIIを合成することができる。しかしながら、これは細胞から分泌されない。
ApxIおよびApxIIエキソトキシンを発現しない株は防御免疫応答を誘導しないので弱毒ワクチンとして使用することができない。防御免疫応答が誘導されないのは、ApxIおよびApxIIエキソトキシンがAppの最も重要な病原決定因子の1つであるからである。
Prideaux(The 16th International Pig Veterinary Society Congress,Melbourne(Australia)17-20th September 2000,pag.439-442)は、非活性化ApxII毒素を分泌および発現する、apxIIC遺伝子が不活化された(従って、標的細胞に付着することができない)株から調製されたワクチンについて述べている。
このように、溶血能力を有さないApp株に基づく、前記の発明の背景において説明された弱毒生ワクチンは、標的細胞の膜受容体に付着できないように構造が改変されているために免疫防御性が低い。さらに、これらは細胞によって分泌されないので、ApxIおよび/またはApxII毒素に対する抗体を生じることができない。Frey et al.(Gene 142:97-102(1994))は、血清型I株に由来するApxIエキソトキシンのアミノ酸配列について述べている。Smiths et al.;Infection and Immunity 59:4497-4504(1991))は、血清型9株のApxIIエキソトキシンのアミノ酸配列について述べている。
発明の概要
本発明の著者らは、App病原性株から免疫原性非溶血性App株を得る方法を発見した。免疫原性非溶血性App株は、Apx細胞溶解性溶血性エキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントにおいて改変され、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントにおいて改変されている。
この株は溶血活性を有さないが免疫防御能力を変えずに維持し、ブタ胸膜肺炎に対する弱毒生ワクチンを調製するのに適している。
ApxIおよびApxIIエキソトキシンの膜貫通ドメインは、標的細胞の膜における孔形成に重要な役割を果たしている。この孔が形成されると、浸透圧が不均衡になり、最終的に標的細胞が溶解される。
驚くべきことに、これらのApp改変株を用いて調製された弱毒生ワクチンは低用量で投与することができ、溶血活性の無いApxI毒素およびApxII毒素を含み、強力な免疫原反応を得るために免疫学的に必要な全ての抗原を含むことが発見されている。
本発明の目的は、病原性App株から、溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントにおいて改変された、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントにおいて改変された免疫原性非溶血性App株を得る方法を開発することである。
さらに、本発明の別の局面は、本発明の方法を用いて得られた株およびその株から調製されたワクチンである。
第3の局面において、本発明は、コレクションエスパノーラデカルチボスチポ(Coleccion Espanola de Cultivos Tipo)に登録番号CECT5985およびCECT5994で寄託されたApp株を目的とする。
発明の詳細な説明
本発明は、免疫原性非溶血性アクチノバチルス・プルロニューモニエ株を病原性Appから得る方法であり、以下の段階:
-Apx溶血性細胞溶解性エキソトキシンの膜貫通ドメインが決定される段階、
-Apx溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つの断片が改変され、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントが改変される段階、
を特徴とする方法について言及する。
「免疫原性」という用語は、本発明の方法を用いて得られたApp株が免疫防御能力を変えずに維持していることを意味し、宿主において高い免疫原反応を得るために免疫学的に必要な全ての抗原を含むことを意味する。
「非溶血性」という用語は、本発明の方法を用いて得られたApp株が溶血活性を有さず、非病原株であることを意味する。
疾患に罹患している感染動物から得られるApp病原株の選択は、当業者に周知の通常の方法に従って行われる。
第1の段階は、Ludwig et al.;Mol.Gene.Genet.226:198-208(1991)において大腸菌について述べられているように、溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンのアミノ酸配列を分析するTransMemプログラム(Aloy et al;Comp.Appl.Biosc.13:213-234(1997))またはHelixmem(Eisenbeg et al.;J.Mol.Biol.179:125-142(1984))を使用した、App溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンの膜貫通ドメインの同定にある。
第2の段階は、溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントを改変すること、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントを改変することにある。
「改変する」という用語は、従来のDNA組換え法(1つもしくは複数のヌクレオチドの置換、1つもしくは複数のヌクレオチドの挿入、遺伝子の部分欠失もしくは完全欠失を含む)を使用した遺伝子の改変、または化学的変異誘発もしくは放射線変異誘発による破壊による遺伝子の改変を意味する。
好ましい実現において、改変は、溶血性細胞溶解性Apxエキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントにおける欠失、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントにおける欠失によって行われる。
溶血性細胞溶解性エキソトキシンのapxIAおよびapxIIA遺伝子に存在する膜貫通ドメインは、前記のTransmemおよびHelixmemプログラムを用いて検出された。溶血性細胞溶解性エキソトキシンApxIおよびApxIIのアミノ酸配列に対して行われた予測から、膜貫通ドメイン(膜貫通とも呼ばれる)は、エキソトキシン配列の以下の領域に位置することが分かった:
-第1の膜貫通ドメインH1:アミノ酸233〜253(apxIのヌクレオチド699〜759に対応する);
-第2の膜貫通ドメインH2:アミノ酸296〜315(apxIのヌクレオチド888〜945に対応する);
-第3の膜貫通ドメインH3:アミノ酸369〜405(apxIのヌクレオチド1107〜1215に対応する)。
好ましい実現において、改変は、AppのエキソトキシンApxIの第2の膜貫通ドメインをコードする遺伝子apxIAのセグメントにおける欠失によって行われる。
好ましくは、改変は、App ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードするapxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944の欠失によって行われる。
本発明の方法の別の好ましい実現は、さらに、AppのApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードする、apxIIA遺伝子のセグメントにさらなる欠失を導入する。好ましくは、App ApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードするapxIIA遺伝子のヌクレオチド885〜944の欠失が導入される。
「実施例」の項で詳細に説明する本発明の好ましい実現において、免疫原性非溶血性App株は以下の段階を含むプロセスを用いて得られた。
A-App病原株の選択。
B-折り畳みプロセスに影響を及ぼすことなく、かつ折り畳みプロセスの結果として生じる溶血素が膜特異的受容体と相互作用する能力に影響を及ぼすことなく、ApxIおよびApxIIタンパク質の第2の膜貫通ドメインにおける欠失を可能にするヌクレオチド構築物を設計するための、ApxIおよびApxIIタンパク質の膜貫通ドメインαヘリックスの予測。
C-Appゲノムに組込むことができるクローニングベクターの構築。このクローニングベクターは、ベクターの組込みを効率的にモニタリングすることができるマーカー遺伝子を含む。
C1-複製起点RK6、RP4転移起点(origin of transfer)、およびカナマイシン耐性遺伝子を有するハイブリッドプラスミドpGP3の構築。さらに、プロモーターptacおよびターミネーターrrnBの制御下にある蛍光タンパク質GPVUV(以下、GFP)遺伝子が挿入された。DNA配列を後で簡単に挿入できるように、マルチクローニングサイトも改変された。
C.2. apxIA遺伝子によって特定される第2の膜貫通ヘリックスの5'隣接配列および3'隣接配列を含むハイブリッドクローニングベクターの構築。従って、ハイブリッドプラスミドpApxIΔH2は、apxIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスをコードするセグメントの5'末端および3'末端に隣接するこのような断片を選択およびクローニングするために構築された。このプラスミドは、Appを形質転換するための最終ベクターとして用いられた。
C.3. apxIIA遺伝子によって特定される第2の膜貫通ヘリックスの5'隣接配列および3'隣接配列を含むハイブリッドクローニングベクターの構築。従って、ハイブリッドプラスミドpApxIIΔH2は、apxIIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスをコードするセグメントの5'末端および3'末端に隣接するこのような断片を選択およびクローニングするために構築された。このプラスミドは、Appを形質転換するための最終ベクターとして用いられた。
D. ゲノムに挿入されたハイブリッドプラスミドを解離した組換え細菌の構築。
D.1. ハイブリッドプラスミドpApxIΔH2とApp BP816 Nlr(App HP816株の偶発変異体から得られたナリジキン酸耐性株)のゲノムとの独特の相同組換え事象の結果として、AppゲノムにハイブリッドプラスミドpApxIΔH2を組み込んでいるApp組換え株(HP816R1と呼ぶ)の構築。
D.2. 段階1で得られた組換え細菌が同定されている場合、第2の相同組換え事象によって、ゲノムに組み込まれた組換えベクターを解離することができ、この第2の組換えのためにapxIA遺伝子に部分的欠失を生じた細菌を検出および単離することができる手順を用いた、AppApxIH2-株の構築。
D.3. ハイブリッドプラスミドpApxIIΔH2とAppApxIH2-ゲノムとの独特の相同組換え事象の結果として、AppApxIH2-ゲノムにハイブリッドプラスミドpApxIIΔH2を組み込んでいる、App HP816R2組換え株の構築。
D.4. 同定された組換え細菌が段階D.3において得られている場合、第2の相同組換え事象によって、ゲノムに組み込まれた組換えベクターを解離することができ、この第2の組換えのためにapxIIA遺伝子に部分的欠失を生じた細菌を検出および単離することができる手順を用いた、AppApxI/IIH2-株の構築。
本発明において、得られた変異体AppApxIH2-は、apxIA遺伝子のコード配列のヌクレオチド885〜944が欠失されている以外は最初の野生型App株と同一である。この欠失は、産生されたApxIにアミノ酸296〜315が存在しないことと一致する。
本発明において、得られた変異体AppApxI/IIH2-は、apxIIA遺伝子のコード配列のヌクレオチド885〜944が欠失されている以外はAppApxIH2-株と同一である。この欠失は、産生されたApxIIにアミノ酸296〜315が存在しないことと一致する。
本発明の好ましい実現において、Appゲノムにおいて生じる唯一の改変は、遺伝子apxIAおよびapxIIAのコード配列内の60塩基対の欠失、ならびに制限標的(この場合、それぞれ、酵素XholIおよびEcoRIに対応する)によるその置換である。プラスミドDNAに由来する配列(例えば、カナマイシン耐性遺伝子)のさらなる挿入はAppゲノムにおいて生じない。これにより、第1の改変を実施するのに用いられた同じストラテジーに正確に従って、得られた株の同じ遺伝子または別の標的遺伝子に改変を加えることができる。他方で、結果として生じた株が複数の抗生物質に対して耐性となるのが避けられ、これは、生ワクチンとして用いられる株において望ましい特徴である。
本発明において用いられる制限標的は重要ではない。制限標的を導入しない構築を使用することができるが、所望の組換えクローンを検出し、株または得られた株の安定性の追跡を可能にするさらなる機構を有するために、制限標的の使用が好ましい。従って、タンパク質合成の停止コドンを導入せず、Appゲノムに既に存在している可能性のある隣接制限断片と共に電気泳動分析で可能な(すなわち、100塩基対を超える)制限断片を生じれば、任意の標的を使用することができる。
本発明はまた、前記の方法に従って得られたApp株について言及する。
本発明の別の目的は、1977年4月28日のブタペスト条約によってコレクションエスパノーラデカルチボスチポ(スパニッシュコレクションオブタイプカルチャーズ(Spanish Collection of Type Cultures))に登録番号CECT5985で寄託された、ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通をコードするapxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失されていることを特徴とするApp株、またはその変異体である。
本発明の別の目的は、スパニッシュコレクションオブタイプカルチャーズに登録番号CECT5994で寄託された、ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通をコードするapxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失され、さらに、ApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通をコードするapxIIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失されていることを特徴とするApp株、またはその変異体である。
本発明はまた、ブタ胸膜肺炎から動物を保護するためのワクチンについて言及する。これらのワクチンは、当業者に周知の通常の方法に従って調製することができる。
これらのワクチンは、本発明に記載の方法に従って得られた、免疫学的に有効な量のApp生弱毒株細菌を含む。「免疫学的に有効な」とは、ワクチン接種のために投与される細菌の量が、病原型Appにより引き起こされる感染に対する有効な免疫反応を宿主において誘導するのに十分であることを意味する。
使用される投与量は、ワクチン接種を行おうとする動物の年齢および体重ならびに投与形態に左右される。
ワクチンは、免疫応答を誘導するのに十分であれば、どの細菌量も含んでよい。適切な投与量は103〜1010の範囲に含まれる。
さらに、ワクチンは薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。この賦形剤は水と同じくらい単純なものでもよいが、細菌を増殖させる培養液または生理学的濃度の塩を含む溶液を含んでもよい。
本発明において有用な薬学的に許容される賦形剤の別の例として、安定剤、炭水化物(すなわち、グルコース、ショ糖(sacharose)、マンニトール(manitol)、ソルビトール)および緩衝液(すなわち、リン酸緩衝液)が挙げられる。
任意で、他のアジュバント成分がワクチンに添加されてもよい。これらのアジュバントは、病原性侵入物に対する宿主の免疫応答を増強する非特異的な免疫系刺激物である。アジュバントの例はビタミンEおよび植物油である。
ワクチンは、鼻腔内経路、皮内経路、皮下経路、噴霧、または筋肉内経路によって動物に投与されてもよい。
本発明の産業上の応用は説明から容易に推測される。ブタ胸膜肺炎が、ブタ産業に対する重大な経済的損失の原因となる世界的な感染性呼吸器疾患であり、免疫原性非溶血性App株を得る本発明の方法が、ブタ胸膜肺炎と闘うための有効なワクチンの調製を可能にすることは言及するだけの価値がある。
以下の実施例は本発明の十分に包括的かつ完全な説明を当業者に提供するために示されるが、これらは、本説明の前記の項で述べられた本発明の必須の局面に対する限定であるとみなしてはならない。
実施例
以下で適用される技法およびDNA組換え法は、Sambrook and Russell (In Molecular Cloning 3rd Ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold spring Harbor New York(2001)およびAusubel et al;Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.(1998))で詳細に述べられている。全てのPCR産物をpBEプラスミドに予めクローニングした後に、制限酵素で消化した。このプラスミドはpBluescriptSK2(ストラタジーン(Stratagene))ベクターの誘導体であり、マルチクローニングサイトが、制限酵素EcoRVの標的のみを特定する小さなヌクレオチド配列で置換されている。
大腸菌XL1-blue株(ストラタジーン)は、プラスミドpUC118またはpBluescript SKに基づくハイブリッドベクターの宿主として用いられた。大腸菌S17-1 λ pir株(Simon et al;Biotechnology 1:784-791(1983))は、プラスミドpGP704に基づくハイブリッドベクターの宿主として用いられた。
下記の全てのオリゴヌクレオチド配列は全て、特に明記してあるものを除いて、5'→3'のセンス方向で書かれている。全てのPCR反応において、試験校正活性(test correcting activity)を有するディープベント(Deep Vent)耐熱性ポリメラーゼ (ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs))を使用した。
A. 病原性App株の選択
ラボラトリオスヒプラ(Laboratorios Hipra)S.A.(Amer-Girona-Spain)が所蔵する天然1型血清型Appに対応するHP816株を、野生型App株として選択した。
HP816Nlr株は、野生型HP816の偶発変異体から得られたナリジキン酸耐性株である。
B. エキソトキシンApxIおよびApxIIの膜貫通ドメインの同定
大腸菌(Ludwig et al;Mol.Gene.Genet.226:198-208(1991))について述べられたように、αヘリックス構造をとる3つの膜貫通ドメインが、プログラムTransMem(Aloy et al;Comp.Appl.Biosc.13:213-234(1997))およびHelixmem(Eisenbeg et al;J.Mol.Biol.179:125-142(1984))を用いて決定された。これらのプログラムを、血清型1株に由来するApxI(Frey et al;Gene 142:97-102(1994))および9型血清型のApxII(Smits et al;Infection and Immunity 59:4497-4504(1991))のアミノ酸配列に適用した。これらのプログラムは、2つのタンパク質において膜貫通ヘリックスとして働く可能性のある3つの領域を検出した(図1)。第1の膜貫通はアミノ酸233〜253に位置する(H1)。第2の膜貫通はアミノ酸296〜315に位置する(H2)。第3の膜貫通はアミノ酸369〜405に位置する(H3)(これらは全てApxIに由来する)。
C. Appゲノムに組み込むことができるハイブリッドクローニングベクターの構築
図2において、この項で説明するプラスミドの地図を用いて概要を理解することができる。
C.1.- 組換えプラスミドpGP3の構築
プラスミドpGP704(Miller and Mekalanos;J.Bact.170:2575-2583(1988))を制限酵素BglIIおよびEcoRIで同時に切断した。アガロースゲル電気泳動を用いて、3.7kbのDNA断片を単離した。この断片を、オリゴヌクレオチドpGP5'
Figure 2006510612
およびpGP3'
Figure 2006510612
と共に連結反応物中でインキュベートした。得られた組換えプラスミドをpGP1と名付けた。
pGP1プラスミドを制限酵素PstIで消化した。アガロースゲル電気泳動を用いて、3.12kbのDNA断片を単離した。この断片を、pUC4Kプラスミド(ファルマシア(Pharmacia))を制限酵素PstIで消化して得られた別の1.2kb断片に連結した。このように得られた組換えプラスミドをpGP2と名付けた。
プラスミドpMAL-p2(ニューイングランドバイオラボ)を使用して、プロモーターptacに対応する配列を、ptac5'オリゴヌクレオチドプライマー
Figure 2006510612
およびptac3'
Figure 2006510612
(それぞれ、5'末端に制限標的EcoRIおよびKpnIを含む)を使用してPCR増幅した。pMAL-p2プラスミドからまた、オペロンrrnBのrho依存性ターミネーターに対応する配列を、プライマーオリゴヌクレオチドrrnB5'
Figure 2006510612
およびrrnB3'
Figure 2006510612
(それぞれ、5'末端に制限標的KpnIおよびEcoRIを含む)を用いてPCR増幅した。増幅されたDNA断片のサイズは278塩基対(bp)である。
プラスミドpAG408(Suarez et al;Gene 196:69-74(1997))を使用して、GFPUVタンパク質遺伝子と、atpE遺伝子のリボソーム結合領域との融合を、プライマーオリゴヌクレオチドGFP5'
Figure 2006510612
およびGFP3'
Figure 2006510612
(5'末端に制限標的KpnIを含む)を使用して増幅した。増幅された断片のサイズは830bpである。
最初の2つの断片(プロモーターptacおよびターミネーターrrnB)は制限酵素KpnIおよびEcoRIで消化したが、3番目(融合atpE-GFPUV)は制限酵素KpnIで消化した。次いで、予め脱リン酸化され、制限酵素EcoRIで切断されたプラスミドpGP2に、このように得られた3つの断片を連結した。得られた様々な組換えプラスミドのうち、図2のように配置された3つの断片の担体である組換えプラスミドを選択した。このプラスミドを有するコロニーは紫外線に曝されると強い蛍光を示した。このように得られたハイブリッドプラスミドをpGP3と名付けた。
C.2- ハイブリッドプラスミドpApxIΔH2の構築
この段階の第1の目的は、apxIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコード断片の5'末端に隣接するDNA断片を得ることであった。従って、ApxIa5'オリゴヌクレオチド
Figure 2006510612
およびApxIa3'
Figure 2006510612
(それぞれの5'末端に制限標的EcoRVおよびXhoIを含む)をプライマーとして使用して、897bpの断片をApp HP816株の精製ゲノムDNAからPCR増幅した。オリゴヌクレオチドApxIa5'(SEQ ID NO: 9)の7番目の塩基は、ApxIa遺伝子の翻訳開始コドンの第1の塩基に対応する。オリゴヌクレオチドApxIa3'(SEQ ID NO: 10)の7番目の塩基は遺伝子apxIAのコード配列の塩基885に相補的であり、第2の膜貫通ヘリックスの配列が開始する前の最後の塩基である。
この段階の第2の目的は、apxIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの3'末端に隣接するDNA断片を得ることであった。従って、オリゴヌクレオチドApxIb5'
Figure 2006510612
およびApxIb3'
Figure 2006510612
(それぞれの5'末端に制限標的XhoIおよびBglIIを含む)をプライマーとして使用して、1042bpの断片をApp HP816株の精製ゲノムDNAからPCR増幅した。オリゴヌクレオチドApxIb5'(SEQ ID NO: 11)の7番目の塩基はapxIA遺伝子のコード配列の塩基944に対応し、第2の膜貫通ヘリックスの配列が終了した後の最初の塩基である。オリゴヌクレオチドApxIb3'(SEQ ID NO: 12)の7番目の塩基は、apxIA遺伝子のコード配列の塩基1975に相補的である。
前記で説明した2つの断片が得られたら、前者は制限酵素EcoRVおよびXhoIで消化したが、後者は酵素XhoIおよびBglIIで消化した。次いで、制限酵素EcoRVおよびBglIIで予め切断されたベクターpGP3に、2つの断片を連結した。結果として生じたハイブリッドプラスミドをpApxIΔH2と名付けた。
C.3.- ハイブリッドプラスミドpApxIIΔH2の構築
この段階の第1の目的は、apxIIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの5'末端に隣接するDNA断片を得ることであった。従って、オリゴヌクレオチドApxIIa5'
Figure 2006510612
およびApxIIa3'
Figure 2006510612
(それぞれの5'末端に制限標的EcoRVおよびEcoRIを含む)をプライマーとして使用して、871bpの断片をApp HP816株の精製ゲノムDNAからPCR増幅した。オリゴヌクレオチドApxIIa5'(SEQ ID NO: 13)の7番目の塩基はapxIIA遺伝子のコード配列の塩基27に対応する。オリゴヌクレオチドApxIIa3'(SEQ ID NO: 14)の7番目の塩基はapxIIA遺伝子のコード配列の塩基885に相補的であり、第2の膜貫通ヘリックスの配列が開始する前の最後の塩基である。
この段階の第2の目的は、apxIIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの3'末端に隣接するDNA断片を得ることであった。従って、オリゴヌクレオチドApxIIb5'
Figure 2006510612
およびApxIIb3'
Figure 2006510612
(それぞれの5'末端に制限標的EcoIおよびBglIIを含む)をプライマーとして使用して、952bpの断片をApp HP816株の精製ゲノムDNAからPCR増幅した。オリゴヌクレオチドApxIIb5'(SEQ ID NO: 15)の7番目の塩基はapxIIA遺伝子のコード配列の塩基944と一致し、第2の膜貫通ヘリックスの配列が終了した後の最初の塩基である。オリゴヌクレオチドApxIIb3'(SEQ ID NO: 16)の7番目の塩基はapxIIA遺伝子のコード配列の塩基1845に相補的である。
前記で説明した2つの断片が得られたら、前者は制限酵素EcoRVおよびEcoRIで消化したが、後者は酵素EcoRIおよびBglIIで消化した。次いで、制限酵素EcoRVおよびBglIIで予め消化されていたベクターpGP3に、2つの断片を連結した。結果として生じたハイブリッドプラスミドをpApxIIΔH2と名付けた。
D.- ゲノムに挿入されたハイブリッドプラスミドを解離した組換え細菌の構築
D.1. App組換え株HP816R1の構築
ハイブリッドプラスミドpApxIΔH2を用いたAppの形質転換は、このプラスミドの担体である大腸菌S17-1λpir細胞からの接合によって行われた。ハイブリッドプラスミドpApIΔAH2を用いた形質転換のために、HP816Nlr株を使用した。
接合を行う前に、このような細菌の定常期培養物を得た。App816Nlrの増殖には、TSYN培地(トリプチックソイブロス30g/L、酵母エキス6g/L)(加圧滅菌を一回行い、0.004%NADを添加した)およびナリジキン酸(nalidixc acid)(50μg/mL)を使用した。
大腸菌S17-1λpirを増殖させるために、加圧滅菌を一回行い、25μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 10g/L)を使用した。定常期に達したら、0.2〜0.3 A600単位のApp培養物および0.6〜0.8 A600単位の大腸菌培養物を10mM MgSO4溶液1mLに添加した。次に、これを15,000gで2分間遠心分離し、このように得られたペレットを、10mM MgSO4溶液200μlに再懸濁した。両培養物の混合が終了したら、これを、ペトリ皿(15g/Lノーブル(Noble)寒天を添加したTSYN培地を含む)の上に予め配置した2.5cmおよび0.45μmニトロセルロースフィルターの上に広げた。37℃で6時間のインキュベーション後、接合体を含むフィルターを、PBS(Na2HPO4 10mM、KH2PO4 1mM、NaCl 137mM、KCl 2mM pH7.4)2mLを含むチューブに入れた。激しく振盪した後、フィルターを取り出し、細胞懸濁液を15,000gで2分間遠心分離し、ペレットをPBS 500μLに再懸濁した。このように得られた懸濁液をペトリ皿(15g/Lノーブル寒天、50μg/mLカナマイシン、および50μg/mLナリジキン酸を添加したTSYN培地を含む)に、ペトリ皿1枚あたり100μLの細胞懸濁液の割合で分配した。結果として得られた培養物を37℃で24〜36時間インキュベートした。この手順を用いて、プラスミドpApxIΔH2との接合のために、カナマイシン(kanamicin)およびナリジキン酸に耐性のコロニー65個を得た。これは、受容細胞1個あたり1.3×10-7の形質転換頻度に匹敵する。
ペトリ皿(15g/Lノーブル寒天、0.004%NAD、50μg/mLカナマイシン、および50μg/mLナリジキン酸を添加したLPを含む)における白金耳の消耗(exhaustion)によって、いくつかのコロニーを再播種した。結果として生じたコロニーは全て紫外線に曝されると異なる程度の蛍光を示した。このことから、独特の組換え事象によってプラスミドがAppゲノムに組み込まれたことが分かった。図3に示したように、二重組換えが行われた場合、接合完了体はカナマイシン含有培地において増殖することができない。この抗生物質がプレートに存在する時、プラスミド全体がゲノムに組み込まれた組換え体しか増殖することができない。指標遺伝子GFPは、カナマイシン耐性コロニーが偶発変異の産物であるかどうかを区別することができる。
最後に、得られた組換え体は、プラスミドとapxIA遺伝子との相同組換えから生じた。これは、0.004%NADを添加したコロンビア(Columbia)血液寒天プレートでの組換え体の溶血活性を観察することによって確認された(図3,パネルC)。プラスミドpApxIΔH2を用いて得られた組換え体の溶血環直径は、親株HP816Nlrと比較して大幅に縮小している。
後の継代のために、プラスミドpApxIΔH2を用いて得られた組換え体の1つを選択し、HP816R1と呼んだ。
D.2. AppApxIH2-株の構築
プラスミドpApxIΔH2がゲノムに組み込まれた組換え体が得られたら、第2の組換えによってAppゲノム内の欠失を固定することが必要不可欠である。従って、前の段階の組換え体の1つを、ナリジキン酸のみを添加した培地における連続継代にかけた。カナマイシンを含まない培地を使用すると、Appゲノムと組み込まれたプラスミドとの間で第2の組換えが生じた場合、結果として生じた細菌は生存することができる。この第2の組換え事象は2つの異なる遺伝子型を出現させる。第1の組換えが行われた同じセグメントでこれが生じる場合、結果として生じる遺伝子型はD.1.項で用いられた親株と同一である。第1の組換えが起こらなかったセグメントでこの第2の組換えが生じる場合、結果として生じる遺伝子型は、溶血素の第2の膜貫通ヘリックスをコードする断片における欠失を示す(図3,パネルA)。組換え体の出現は、いくつかの異なる方法:a)コロニーが紫外線に曝された時の蛍光の消失、b)カナマイシン感受性、およびc)D.1.項で用いられた親株により示される溶血環の回復によってモニタリングすることができる。方法a)およびb)は両方の組換え型を検出する。方法c)を使用すると、親表現型を回復する組換え体を区別することができる。これは、apxIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントが欠失している組換え体では、対応する親表現型の溶血活性は回復しないためである。
前の継代培養物からの連続継代は、HP816R1から単離されたコロニーから得られた培養物から単になった最初の継代を除いて、前の継代培養物の1/10000希釈液を用いて行った。培地は、0,004%NADおよび50μg/mLナリジキン酸を添加したLBであった。それぞれの継代について、体積10mLの培地を使用した。検出された組換え体のパーセントを表1に示す。
Figure 2006510612
a)親株により示された溶血環を回復したコロニーを計数することによって求められたパーセント
b)紫外線に曝された時に蛍光を示さないコロニーを計数することによって求められたパーセント
前記の表において観察されたように、継代ごとに、第2の組換えのためにプラスミドが解離した細菌の数は増加する。非蛍光コロニーのパーセントは、溶血活性を回復するコロニーのパーセントよりわずかに高いだけである。このことは、第2の組換えが、第1の組換えが生じた同じDNAセグメントで好んで生じることを示唆している。それぞれの組換え型の頻度が50%である場合、非蛍光コロニーの数は溶血活性を回復するコロニーの数の二倍である。
培養物が第2の組換えにおいて十分に濃縮されたら、精製段階を開始することができる。この目的を念頭に入れて、いくつかの非蛍光コロニーを、NADを添加したコロンビア寒天ならびにNAD、50μg/mLナリジキン酸、および20μg/mLカナマイシンを添加したLB寒天(LBNKm)において増殖させた。後の研究のために、LBNKmにおいて増殖せず、挿入による組換え体HP816R1と同じ溶血活性を示した、いくつかのコロニーを選択した。
D.3 App HP816R2組換え株の構築
pApxIIΔH2を用いたAppの形質転換は、このプラスミドの担体である大腸菌S17-1λpirからの接合によって行った。ハイブリッドプラスミドpApIIΔAH2を用いた形質転換のために、AppApxIH2-株を使用した。手順および培地は、D.1.項に記載のものと同一である。プラスミドpApxIIΔH2による形質転換頻度は、プラスミドpApxIΔH2についてD.1.項で得られたものとほぼ同じであった。
ペトリ皿(15g/Lノーブル寒天、0.004%NAD、50μg/mLカナマイシン、および50μg/mLナリジキン酸を添加したLBを含む)における白金耳の消耗によって、いくつかのコロニーを再播種した。結果として生じたコロニーは全て紫外線に曝されると異なる程度の蛍光を示した。このことから、1回の組換え事象でプラスミドがAppゲノムに組み込まれたことが分かる。図4に観察されるように、二重組換えが生じる場合、接合完了体はカナマイシン含有培地において増殖することができない。この抗生物質がプレートに存在する時、プラスミド全体がゲノムに組み込まれた組換え体しか増殖することができない。指標遺伝子GFPは、カナマイシン耐性コロニーが偶発変異の産物であるかどうかを区別することができる。
最後に、得られた組換え体は、プラスミドとそれぞれのapxIIA遺伝子との間の相同組換えから生じた。これは、0.004%NADを添加したコロンビア寒天プレートでの組換え体の溶血活性を観察することによって確認された(図4,パネルC)。プラスミドpApxIIH2を用いて得られた組換え体は溶血環が完全に消失する。
後の継代のために、プラスミドpApxIIΔH2を用いて得られた組換え体の1つを選択し、HP816R2と名付けた。
D.4 AppApxI/IIH2-株の構築
プラスミドpApxIIΔH2がゲノムに組み込まれたプラスミドが得られたら、第2の組換えによってAppゲノム内の欠失を固定することが必要不可欠である。従って、D.2に記載のように、前の段階で得られた組換え体を、ナリジキン酸のみを添加した培地における連続継代にかけた。2回目の継代から検出された組換え体パーセントの値は、D.2で得られた値とほぼ同じである。
第2の組換えにおいて培養物が十分に濃縮されたら、精製段階に進めることができる。この目的を念頭において、いくつかの非蛍光コロニーを、NADを添加したコロンビア寒天、ならびにNAD、50μg/mLナリジキン酸、およびカナマイシン20μg/mLを添加したLB寒天(LBNKm)において増殖させた。後の研究のために、LBNKmにおいて増殖を示さず、挿入による組換え体HP816R2と同じ溶血活性を示した、いくつかのコロニーを選択した。
E.- 培養物の均一異性ならびに遺伝子apxIAおよびapxIIAにおける欠失の存在を試験するための、前の継代において単離されたコロニーから精製されたDNAの分析
前の継代D.2およびD.4の組換え体を定常期に達するまで、50μg/mLナリジキン酸を添加したTSYN培地10mLにおいて増殖させた。その後、これらの組換え体それぞれのDNA抽出を行った。
E.1.- apxIH2-組換え体の分析
プラスミドpApxIΔH2から得られた第2の組換え体の培養物の各々に対応するゲノムDNA試料を、制限酵素XhoIで消化した。これらの消化物を、HP816Nlr株およびHPB816R1株の培養物から抽出されたDNAから行われた他の消化物と共に、プラスミドpΔApx1H2-を制限酵素EcoRVおよびBglIIで消化して得られた1927bpのDNA断片をプローブとして使用したサザンブロットによって分析した。これらのハイブリダイゼーションの結果を図3Bに示す。対照株HP816Nlrのハイブリダイゼーション結果は、オペロンapxI内に見られる制限標的XhoIの存在を示す(約20kbに位置する)。プラスミドpApxIΔH2が挿入された組換え体の分析から、1.1kbおよび4.3kbの2 つの新たなバンドが出現し、既存の20kbバンドが約1kbわずかに増加したことが分かる。新たなバンドのサイズおよび既存のバンドの増加は、AppゲノムのapxIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスコード断片の5'隣接領域にハイブリッドプラスミドpApxΔH2が挿入されることから予想される(図3A,略図2)。第1の組換えが行われた同じ5'領域における第2の組換えによりプラスミドが解離した組換え体の分析から、小さな分子量の2つのバンドが消失し、以前の21kbの移動度がわずかに減少して、親株と同じ水準で見られることが分かる。このことは、溶血活性が親株HP816Nlrにより示されるものと同一であることと合わせて、この全てのプロセスの間に、Appゲノムにさらなる改変が導入されないことを示唆している(図3,AおよびC)。
最後に、第2の膜貫通ヘリックスをコードするセグメントの3'隣接領域における第2の組換えよりプラスミドが解離した組換え体の分析から、4.3kbのバンドが消失し、挿入によって組換え体において以前に観察された1.1kbのバンドが維持され、20kbのバンドがわずかに減少したことが分かる。このバンド分布は、第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの消失およびXhoI標的によるその置換のために予想されるものである。Appゲノムに挿入された、この新たな標的は、1.1kb断片を生じさせ、続けて、816Nlr株で観察される20kbバンドの中の1.1kbを減少させる(図3AおよびB)。CAでは、培養1および3のコロニーを取り囲む大きな溶血環、培養2、4、および5のコロニーを取り囲む小さな溶血環が存在することに留意のこと。TSでは、培養1、3、4、および5は増殖しないことも見ること。この組換え体は親株HP816Nlrと比較して非常に低い溶血活性を示し、ApxII溶血素のみを有する血清型7 Appと同じ溶血活性を示す(図3C)。この結果は、第2の膜貫通ヘリックスの欠失によって、App ApxIAの溶血活性が無くなるか、かなり減少することを示している。説明した欠失により改変されたAppは、以下、ApxIAH2-と呼ぶ。
このように得られた組換え体は、ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードするapxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失されていることを特徴とし、AppApxIH2-と名付けられている。これは、ブタペスト条約において規定された条項に従って、2002年1月10日にコレクションエスパノーラデカルチボスチポに登録番号CECT5985で寄託されている。
E.2.- apx/IIH2-組換え体の分析
挿入による組換え体HP816R2およびプラスミドpApxIIΔH2-から得られた第2の組換え体に対応するゲノムDNA試料を制限酵素EcoRIで消化した。これらの消化物を、HP816Nlr株の培養物から抽出されたDNAから行われた別の消化物と共にサザンブロットを使用して分析した。プローブとして、PCR増幅された2つのDNA断片を使用した。これらは、ApxIIの第2の膜貫通ヘリックスをコードするDNAセグメントの5'隣接領域および3'隣接領域に対応した(B項)。これらのハイブリダイゼーションの結果を図4Bに示す。対照株HP816Nlrのハイブリダイゼーション結果から、オペロンapxIIが含まれる断片の境界を定める2つのEcoRI制限標的(互いに15.7kb離れている)が存在することが分かる。プラスミドpApxIIΔH2の挿入による組換え体の分析から、15.7kbのバンドが消失し、8.2kb、7.5kb、および0.9kbの新たな3つのバンドが出現したことが分かる。新たなバンドのサイズは、AppゲノムのapxIIA遺伝子の第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの3'隣接領域にハイブリッドプラスミドpApxIIΔH2が挿入されることから予想される(図4A)。第1の組換えが行われた同じ3'領域における第2の組換えによりプラスミドが解離した組換え体の分析から、対照株により示されたものと一致する1個の15.7kbバンドが再び出現したことが分かる(図4B)。この溶血活性は、AppApxIH2-の親株により示されるものと同一である(図4C)。最後に、第2の膜貫通ヘリックスをコードするセグメントの3'隣接領域における第2の組換えによりプラスミドが解離した組換え体の分析から、13.5kbおよび0.9kbのバンドが消失し、新たな7.5kb断片が出現したことが分かる(図4B)。このバンド分布は、第2の膜貫通ヘリックスのコードセグメントの消失およびEcoRI標的によるその置換から予想されるものである(図4A)。Appゲノムに挿入されたこの新たな標的は、15.7kbのEcoRI断片(親株ではオペロンapxIIを含む)を、2つの8.2kb断片および7.5kb断片に分離させる。(図4AおよびB)。この組換え体は実質的に非溶血性である(図4C)。この結果は、第2の膜貫通の欠失によって、App ApxIIAの溶血活性が消し去られるか、実質的に完全に減少することを示している。説明した欠失により改変されたApxIIAは、以下、ApxIIAH2-と呼ぶ。CAでは、培養1および3のコロニーを取り囲む小さな溶血環が存在し、培養2および4のコロニーを取り囲む溶血環は存在しないことに留意のこと。TSでは、培養1、3、および4が増殖しないことにも留意のこと。
このように得られた組換え株はAppApxI/IIH2-と名付けられた。これは、ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードするApxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失され、さらに、ApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードするapxIIA遺伝子のヌクレオチド885〜944が欠失されていることを特徴とする。この株は、特許に関するブタペスト条約の条項に明記されているように、2002年6月12日にコレクションエスパノーラデカルチボスチポに登録番号CECT5994で寄託されている。
F.- 得られた組換え株によるApxIAH2 - およびApxIIAH2 - の産生の分析
得られた組換え株がApxH2-をなお産生するかどうか確かめるために、LB培地中のその濃度を測定した。産生されたApxは、ApxIおよびApxIIに特異的なモノクローナル抗体を使用したイムノアッセイおよびウェスタンブロットを用いて検出された。図5(AおよびB)に示したように、組換え株によるApxIAH2-およびApxIIAH2-の産生および培地への排出は、野生型親株HP816Nlrからの非改変Apxと同じ一過性パターンに従う。全ての溶血素(改変または非改変)が増殖対数期の後半あたりで培地に出現し、定常期の初めに最大濃度に達する。この時間以降、全ての溶血素の濃度は安定状態のままであるか、わずかに減少する。同じ図において観察されるように、ApxIAH2-およびApxIIAH2-は、野生型親株HP816Nlrにより産生されるそれぞれの非改変Apxに示される濃度と同様の濃度に達するまで蓄積する。他方で、導入された欠失は非常に小さく(18アミノ酸)、2つのApxH2-の分子量は2kDしか減少しないと予想される。2つの野生型溶血素が約105kDaの見かけの分子量を有することを念頭におくと、2kDaの分子量減少は、ポリアクリルアミドゲルおよびその対応するウェスタンブロットでは認識できない(図6)。最後に、本発明者らは、この同じ図面において、短縮されたまたは不適当に処理されたポリペプチド産物は現れていないことを強調しなければならない。トラック3の105kDaは(C)でのみ検出されることに留意のこと。これらの全てのデータから、2つのApxに導入された小さな欠失によって、これらのApxの完全な合成および培地への輸送は妨げられないことが分かる。これらが培地に放出されると、ApxH2-は、それぞれの非改変Apxにより示されるものと同様の安定性を示す。
G.- 得られた株の弱毒化の効果
2つの構築された組換え株の弱毒化の程度を試験するために、3ヶ月の雄および雌のLWxLDハイブリッドブタを使用した。異なる試験において4匹のブタ複製を使用した。それぞれの株を、PBS 5mLに溶解して108cfuの用量で、最初の3つの群の動物には気管内注入によって投与した。この用量は、この年齢のブタにおける野生型株HP816NlrのLD50として以前に求められたものである。4番目の群の動物にはPBS 5mLを一回しか接種しなかった。7日の試験期間中、毎日、臨床徴候を書き留めた。結果を表2に示す。
Figure 2006510612
(a)敏捷な行動および飼育者の存在下で反応する能力が損なわれている動物(罹患動物/総数)
(b)呼吸リズムの乱れおよび/または呼吸困難を示す動物(罹患動物/総数)
接種の7日後に、動物を屠殺し、呼吸器に観察された肉眼で見える病変を記録した。剖検時に細菌検査も行った。
この試験で得られた結果を表3にまとめた。
Figure 2006510612
この群の5匹の動物のうち2匹がこの期間に死んだ。剖検時に、5匹の動物のうち4匹が重篤な肺病変を示した。AppApxIH2-株を接種した動物も行動の変化を示したが、これらの徴候は接種の4日目から弱まった。臨床徴候は穏やかであり、ブタの50%でしか観察されなかった。この群の動物はどれも試験中に死ななかったが、70%が剖検時に病変を示したが、全て、前の群より穏やかであることが認められた。第3の群にはAppApx/IIH2-株を接種した。この動物のうち4匹が穏やかな行動変化を示したが、これらは接種の48時間後から弱まった。限定した臨床徴候を示した2匹の動物もまた接種の48時間後に回復した。どの動物にも剖検時に肺病変は観察されなかった。肺病変の評価は、Hannan et al;(Research in Veterinary Science 33:76-88(1982))に従って行った。示した値は各群の算術平均と標準偏差である。これらの結果によれば、AppApxI/IIH2-株は無毒であり、生ワクチンとして安全に使用することができる。接種されたApp株が、投与の7日後に、この群のブタの80%において回収されたことを強調することが重要である。この結果から、AppApxI/IIH2-株は溶血活性を有さないのにもかかわらず、実験感染でのAppApxI/IIH2-株の生存能力は変化しないことが分かる。このことは、Apxエキソトキシンが生成および放出できるように微生物を生きたままにすることが必要不可欠であると念頭においている場合に重要である。Apxエキソトキシンの産生が無ければ、この弱毒化株は、将来の感染から動物を保護する免疫応答を誘導することができないので、生ワクチンとして使用することができない(Reimer et al;Microbial Pathogenesis 18:197-209(1995))。全ての試験において、強力な免疫原性反応が達成された。
ClustalXプログラム(Thompson et al;Nucleic Acid Research 24:4876-4882(1997))を用いて、血清型1株に由来するApxIのアミノ酸配列(Frey et al;Gene 142:97-102(1994))と血清型9に由来するApxIIのアミノ酸配列(Smits et al.;Infection&Immun.59:4497-4504(1991))との間で行われたアラインメントを示す。この図では、ApxIのアミノ酸1〜594に含まれる配列とApxIIの1〜590に含まれる配列のみが示されている。このアラインメントでは、以下の領域:H1(アミノ酸233〜253)、H2(アミノ酸296〜315)、およびH3(アミノ酸369〜405)を枠で囲った。これらの領域は、それぞれ、2つのApxに存在する3つの膜貫通ドメインに対応する。 ハイブリッドプラスミドpApxIΔH2およびpApxIIΔH2を得るためのスキームを段階を追って示す。まず最初に、プラスミドpGP704(Miller and Mekalanos;J.Bacteriol.170:2575-2583(1988))を制限酵素EcoRIおよびBglIIで消化し、その後に、オリゴヌクレオチドpGP5'およびpGP3'を連結することによって、pGP1プラスミドを得た。このプラスミドは、プラスミドR6K栄養複製起点(vegetative origin of replication)(OriR6K)、プラスミドRP4接合転移起点(origin of transference by conjugation)(OriTP4)、およびアンピシリン耐性遺伝子(Bla)を含む。プラスミドpGP1を制限酵素PstIで消化し、プラスミドpUC4Kに由来するカナマイシン耐性遺伝子(KmrまたはKan)のPstI断片担体と連結して、プラスミドpGP2を得た。予め脱リン酸化され、制限酵素EcoRIで消化されたこのプラスミドに、PCR増幅された3つのDNA断片(すなわち、プロモーターptac、atpE/GFPUV融合コード領域(大腸菌atpEリボソーム結合領域と緑色蛍光タンパク質U.V.変異体)、およびrrnB転写ターミネーター)を挿入した。結果として生じたプラスミドをpGP3と名付けた。このプラスミドに、遺伝子apxIおよびapxIIの第2の膜貫通ヘリックスをコードする(PCR増幅された) 5'隣接領域および3'隣接領域を挿入して、それぞれ、プラスミドpApxIΔH2およびpApxIIΔH2を得た。 3つのパネルに分かれている。パネルAは、Appゲノムに由来するオペロンapxIの制限地図(キロベース(kb))および遺伝子の分布を示す。異なる組換え事象の標的であるapxIAはライトグレーで示し、隣接する遺伝子apxIC、apxIB、およびapxIDはダークグレーで示した。プラスミドpApxIΔH2の異なる遺伝子または領域は斜線付の棒を用いて図示した。apxIA膜貫通ヘリックス(H1、H2、およびH3)のコード断片を黒色で強調表示した。図2のプラスミドにおける名称および一部の詳細な構造は簡略されている。従って、gfpUVはptacプロモーターおよびatpE/GFPUV融合を含み、OriVは、R6K栄養複製起点およびRP4接合転移起点(OriT)を示す。(1)および(3)には両方とも酵素XhoIで得られた制限地図およびAppゲノムのオペロンApxIの遺伝子の分布が示される。(2)には、AppゲノムにプラスミドpApxIΔH2が挿入された後の同じオペロンの制限地図を示す。この挿入は、プラスミドpApxIΔH2に位置するH2の5'隣接領域とAppゲノムとの間の独特の相同組換え事象によって行われる。図3のパネルBは、Apx1遺伝子プローブと、以下の収集物から得られたXhoI消化ゲノムDNAのサザン転写物とのハイブリダイゼーション結果を示す:1) HP816Nlr;2)H2の5'隣接領域間の独特の相同組換え事象によってプラスミドpApxIΔH2がAppゲノムに挿入されることで得られた組換え体(HP816R1);3)親株HP816Nlrの同じ表現型を回復するHP816R1から得られた組換え体;および4)HP816R1と同じ溶血活性を示す以外は、親株HP816Nlrと同じ表現型を回復するHP816R1から得られた組換え体(AppApxIH2-)。パネルCは、パネルBに示した同じ培養物から播種されたコロニー(1、2、3、および4)と、血清型7のApp培養物に由来する別のコロニー(5)の外観を示す。コロニーを、0.004%NADを添加したコロンビア血液寒天プレート(CA)または25μg/mLカナマイシンを添加したTSYNプレート(TS)に播種した。CAでは、培養1および3のコロニーの周囲に大きな溶血環が存在するのが認められ、培養2、4、および5のコロニーの周囲に小さな溶血環が存在するのが認められる。また、TSの培養1、3、4、および5では増殖は認められなかった。 3つのパネルに分かれている。パネルAは、Appゲノムに位置するオペロンapxIIの制限地図(kb)および遺伝子の分布を示す。apxIIAはライトグレーで示した。これは異なる組換え事象の標的である。隣接する遺伝子apxIIC、apxIIBはダークグレーで示した。プラスミドpApxIIΔH2の異なる遺伝子または領域は斜線付の棒を用いて図示した。apxIIA膜貫通ヘリックス(H1、H2、およびH3)のコード断片を黒色で強調表示した。(1)および(3)に、酵素EcoRIを用いて得られた制限地図およびAppゲノムのApxIIオペロン遺伝子の分布を示す。(2)には、プラスミドpApxIIΔH2プラスミドが挿入された後の同じオペロンの制限地図を示す。この挿入は、プラスミドpApxIIΔH2に位置するH2の3'隣接領域とAppゲノムとの間の独特の相同組換え事象によって行われる。(4)には、Appゲノムに位置するH2の5'隣接領域による第2の組換えの後の(2)で挿入されたプラスミドの解離後のオペロン制限地図を図示する。パネルBは、apxIIA遺伝子プローブと、以下の培養物から得られたEcoRI消化ゲノムDNAのサザン転写物とのハイブリダイゼーション結果を示す:1)HP816Nlr;2)H2の5'隣接領域間の独特の相同組換え事象によってプラスミドpApxIIΔH2がAppゲノムに挿入されることで得られた組換え体(HP816R2);3)親株HP816Nlrの同じ表現型を回復するHP816R2から得られた組換え体;4)HP816R2と同じ溶血活性を示す以外は、親株HP816Nlrの同じ表現型を回復するHP816R2から得られた組換え体(AppApxI/IIH2-)。パネルCは、パネルBに示した同じ培養物から播種されたコロニー(1、2、3、および4)を示す。コロニーを、NADを添加したコロンビア血液寒天プレート(CA)または25μg/mLカナマイシンを添加したTSYNプレート(TS)に播種した。培養1および3のコロニーの周囲に小さな溶血環が存在するのが認められ、培養2および4のコロニーの周囲には溶血環の存在は認められなかった。TSでは、培養1、3、および4の殖は認められないことも参照のこと。 異なる培養物の600nmでの吸光度値(左y軸)から示された1時間間隔での増殖による3つの曲線グラフ(黒記号)。同じ間隔で培養物の上清からいくつかの試料を同時に採取した。炭酸緩衝液(pH9.6)で1/50に希釈するまで、これらの試料を0℃に保った。次いで、ApxIおよびApxIIの存在を、それぞれのApxに特異的なモノクローナル抗体を使用したELISAによって定量するために、これらの試料をマイクロウェルに入れた。各試験試料の405nmでの吸光度値(右y軸)から、Apxそれぞれの蓄積を経時的に示す曲線を図示した(白抜き記号)。(A)では、HP816Nlr培養物(三角)およびAppApxIH2-培養物(丸)を示し、白抜き記号はApxIの蓄積を示す。(B)では、HP816Nlr培養物(三角)およびAppApxI/IIH2-培養物(丸)を示し、白抜き記号はApxIIの蓄積を示す。(C)では、HP816RI培養物(三角)およびHP816R2培養物(丸)はApxIの蓄積を示し、白抜き記号はApxIIの蓄積を示す。 パネル(A)は、以下から5時間で採取された培養物上清試料を用いたポリアクリルアミドゲルにおける変性電気泳動のクマシーブルー染色を示す:1) HP816Nlr;2) AppApxIH2-;3)App血清型4から得られた対照(App血清型4は105kDのApxIIおよび115kDのApxIIIを産生および分泌するが、ApxIを産生および分泌しない);ならびにM)分子量マーカー(110kDおよび120kDの関連バンドを示す)。(B)では、ゲル(A)において分析されたものと同一の試料を用いたゲルのウェスタンブロット(ApxI特異的モノクローナル抗体によって検出された)を観察することができる。(C)では、AppApxI/IIH2-培養物の上清試料を含むゲル(トラック2以外はゲル(A)のものと同一の試料を用いた)のウェスタンブロットを観察することができる。バンドの分布はゲル(A)で現れたものと同一であるので、ゲルの写真は含まれない。この転写物は、ApxII特異的モノクローナル抗体を用いて明らかになった。(C)にしかトラック3の105kDバンドが検出されないことを観察すること。
【配列表】
Figure 2006510612
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Claims (12)

  1. 免疫原性非溶血性アクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacilllus pleuropneumoniae)株を病原性App株から得る方法であり、以下の段階を含むことを特徴とする方法:
    -Apx溶血性細胞溶解性エキソトキシンの膜貫通ドメインが同定される段階;
    -Apx溶血性細胞溶解性エキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントが改変され、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントが改変される段階。
  2. Apx溶血性細胞溶解性エキソトキシンの膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子の少なくとも1つのセグメントに欠失を導入し、任意で、apxIIA遺伝子のセグメントに欠失を導入することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. App ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子のセグメントに欠失を導入することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. App ApxIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードする、apxIA遺伝子のヌクレオチド885〜944の欠失を導入することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. さらに、App ApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードする、apxIIA遺伝子のセグメントに欠失を導入することを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. App ApxIIエキソトキシンの第2の膜貫通ドメインをコードする、apxIIA遺伝子のヌクレオチド885〜944の欠失を導入することを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の方法に従って得られたアクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)株。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項記載の方法に従って得られたアクチノバチルス・プルロニューモニエ株を含むことを特徴とする、ブタ胸膜肺炎に対するワクチン。
  9. コレクションエスパノーラデカルチボスチポ(Coleccion Espanola de Cultivos Tipo)に登録番号CECT5985で寄託された免疫原性非溶血性アクチノバチルス・プルロニューモニエ株、またはその変異体。
  10. 請求項9記載のアクチノバチルス・プルロニューモニエ株を含むことを特徴とする、ブタ胸膜肺炎に対するワクチン。
  11. コレクションエスパノーラデカルチボスチポに登録番号CECT5994で寄託された免疫原性非溶血性アクチノバチルス・プルロニューモニエ株、またはその変異体。
  12. 請求項11記載のアクチノバチルス・プルロニューモニエ株を含むことを特徴とする、ブタ胸膜肺炎に対するワクチン。
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