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JP2006501926A - 医療機器用の放射線不透過性ニチノール合金 - Google Patents

医療機器用の放射線不透過性ニチノール合金 Download PDF

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JP2006501926A JP2004543007A JP2004543007A JP2006501926A JP 2006501926 A JP2006501926 A JP 2006501926A JP 2004543007 A JP2004543007 A JP 2004543007A JP 2004543007 A JP2004543007 A JP 2004543007A JP 2006501926 A JP2006501926 A JP 2006501926A
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ダニエル、エル.コックス
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Abstract

体腔に用いるか、体腔中に埋め込むためのガイドワイヤやステントのような放射線不透過性ニチノール製の医療機器が開示されている。ステントは、ニッケル−チタンもしくはニチノールのような超弾性合金から作られ、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を含んでいる。添加した第三の元素により、ニチノール製ステントの放射線不透過度が、金の薄層で覆われた、大きさとストラットパターンが同じステンレス鋼製のステントの放射線不透過度と同程度にまで改良される。ニチノール製ステントは改良された放射線不透過性を持っているにもかかわらず、その超弾性形状記憶挙動を維持しており、更にストラットの厚み/肉厚が薄いままなので可撓性が高い。ガイドワイヤに応用する場合には、遠位コア部分を第三の元素を添加したニチノール合金で作り、それによって、ニッケル−チタン二元合金から作られた遠位コア部分の放射線不透過度よりも高くなるように、放射線不透過度を改良する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2000年12月27日に出願した同時係属中の親出願第09/752,212号の一部継続出願である。本明細書には、この親出願の全内容が引用形式により組み込まれたものとする。
発明の背景
本発明は、広くは体内用の自己拡張性医療機器に関するものである。より正確に言えば、本発明は、実質的にあらゆる体腔中で使用可能な、放射線不透過性ニチノールで作られたガイドワイヤ、及び自己拡張性医療機器に関するものである。このような機器には、ステントが含まれている。
ステントは典型的には、頚動脈、冠状動脈、末梢動脈、静脈、もしくはその他の脈管のような体腔の中に埋め込んで、体腔の開通性を維持するためのものである。このような機器は、血管のアテローム硬化性狭窄の治療に、特に経皮経管血管形成術(PTA)、もしくは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)を施した後で脈管が再狭窄する可能性を低減する目的で、しばしば用いられている。ステントはまた、体腔を支えるため、脈管中のフラップ、もしくは切開部を接合するため、或いは一般的には体腔の弱い部分を補強するためにも用いられている。
PTCAを施す間、患部を拡張して、血液が自由に流れるよう患者の管腔を開くために、膨張カテーテルを用いるのが普通である。PTCAには利点があり、また広い範囲で一般に認められて用いられてはいるが、それには、再狭窄や、場合によっては急性血栓症や亜急性閉鎖が生じるかもしれないといった、幾つかの欠点がある。この再発性狭窄は、初めのPTCAが成功したとしても、患者の17〜50パーセントに起きると予測されている。再狭窄は、脈管の損傷に対する複雑で完全には分かっていない生物学的反応であり、この反応によって再生脈管内膜の慢性的過形成がもたらされる。この再生脈管内膜の過形成は、損傷に対する反応で放出される成長因子により活性化される。急性血栓症も血管の損傷の結果生じるものであり、全身性の抗血栓症薬や、場合によっては血栓崩壊剤も必要になる。この療法は、カテーテル挿入部位での出血性の合併症を増加させることがあり、入院期間を長引かせることがある。亜急性閉鎖は、血栓症、弾性反動、及び/もしくは脈管切開の結果生じるものである。
再狭窄、及び亜急性もしくは急性閉鎖と戦うために、幾つかの処置法が開発されてきた。その内の一つは、脈管内ステントを送り込んで埋め込むというものである。ステントは、米国全土、及びヨーロッパやその他の国々で広く用いられている。概して言えば、ステントは様々な形状にすることができる。最もありふれた形状の一つは普通の円筒形の中空管であり、それによって、膨張カテーテルにより拡張された部分の脈管壁を開いたままに保つ。非常に注目され米国で用いられ、また販売されているステントは、カリフォルニア州サンタ・クララにあるアドバンスド・カーディオバスキュラー・システムズ社が製造しているACSマルチリンク・ステントという商品名で知られているものである。
バルーンカテーテルのような拡張性カテーテルと共に送り込む拡張性ステントの場合、ステントをカテーテルのバルーン部分の上に載せ、バルーンをふくらませて、縮められていた直径から動脈壁の内径と同じか、それより大きい直径にまで拡張させる。この種のステントは、ステントを変形させることにより、ステント壁を互いに連結させることにより、またステント上の内皮腫瘍と共にステント壁を一方向に連結させることにより、直径が大きくなるように拡張させることができる。
脈管内ステントの例は、米国特許第5,292,331号(Boneau)、米国特許第4,580,568号(Gianturco)、米国特許第4,856,516号(Hillstead)、米国特許第5,092,877号(Pinchuk)、及び米国特許第5,514,154号(Lau等)の各明細書中に見出すことができる。これらの特許は全て、引用形式で本明細書に組み込むものである。
幾つかの先行技術のステント、特にバルーン膨張型ステントの問題は、それらが固くて可撓性に欠けることが多いという点である。これらのバルーン膨張型ステントは、一般的にステンレス鋼合金から作られており、また、これらのステントは、それらの弾性限界を越えて拡張するように構成されている。その結果、このようなステントは、膨張バルーンによって弾性限界を越えて恒久的に変形して体腔を拡張したままに保ち、その体腔の開通性を維持する。広く用いられている市販のバルーン膨張型ステントが幾つかある。それらは通常、前述のPTCAを施した後に冠状動脈中に埋め込まれる。
ステントは、首の頚動脈の中、もしくは脚の末梢動脈や静脈の中といった、体表の近くにある血管の中に埋め込まれることが多い。これらのステントは、余りに体表の近くにあるため、ステントを部分的に、もしくは完全につぶして血管中の液体の流れを妨害し得る衝撃力に対して特に脆弱である。その他の力がバルーン膨張型ステントに強い衝撃を与えて、同様の部分的な、もしくは全体的な血管閉塞を引き起こすことがある。例えば、或る条件下では、筋肉の収縮もバルーン膨張型ステントを部分的に、もしくは完全につぶすかもしれない。このつぶれは管腔を塞ぎ、ステントを埋め込んである血管中の血流を制限することになる。
バルーン膨張型ステントは塑性変形するので、一旦つぶれるか破壊されるとその状態のままになり、恒久的に脈管を塞いでしまう。このように、或る条件下では、バルーン膨張型ステントは、患者にとって望ましくない状態を引き起こすかもしれない。
自己拡張性ステントは、その名の通り、ステントを形成している材料の特性のおかげで自己拡張する。この種のステントを配置するためには、通常、バルーンカテーテルの膨張力は不必要である。
設計者達は、超弾性形状記憶合金を見つけ出して、それらの材料特性を自己拡張性ステントに活かすことを、上述の用途を含む重要な用途から思いついた。超弾性ニッケル−チタン合金の自己拡張性ステントやその他の医療機器への応用例が、Jervisの米国特許第4,665,906号、第5,067,957号、第5,190,546号、及び第5,597,378号、並びにDotterの米国特許第4,503,569号の各明細書に開示されている。別の例が、「形状記憶合金製ステント」と題されたヨーロッパ特許出願公開第EP0873734A2号公報に開示されている。この公報には、一般的に管状の体を持つ人間や動物の体内の管腔中に用いるための、高い弾性を示すように処理された形状記憶合金から作られたステントが提案されている。この公報には更に、特定の第三の元素をニッケル−チタン合金に用いて所望の工学的性質を得ることが提案されている。
典型的なPTCAにおいては、予め形成された遠位先端部をもつガイディングカテーテルを、従来のセルディンガー法によって患者の心臓血管系に経皮的に導入し、この遠位先端部が所望の冠状動脈の小口内に収まるまで前進させる。ガイドワイヤを膨張カテーテルの内部ルーメン中に配置してから、その両方をガイディングカテーテルの中を通して、その遠位端まで前進させる。ガイドワイヤをガイディングカテーテルの遠位端から外に前進させて、ガイドワイヤの遠位端が拡張させようとする病変部を越えるまで患者の冠状血管系に入れ、その後、膨張型バルーンを遠位部分に有する上記膨張カテーテルを、膨張カテーテルのバルーンが病変部全体にわたって適切に配置されるまで、既に導入してあるガイドワイヤの上を患者の冠状組織の中まで前進させる。バルーンを病変部全体にわたって一旦正しく配置した後、ふくらませて病変部の動脈硬化性斑を動脈壁の内側に押し付ける。その他の様々な公知の方法によってステントを配置し、病変部に埋め込むことができる。
血管形成術やその他の脈管処置法に用いられている従来のガイドワイヤは、通常、一つ、もしくはそれ以上のテーパー付き部分を遠位端の近くに持つ細長いコア部材と、コア部材の遠位部分の周囲に配置された螺旋形コイルのような可撓性のある物体とからなっている。コア部材の遠位末端、もしくはコア部材の遠位末端に固定された、別個の付形リボンであってよい付形性部材が、可撓性のある物体の中を通って延びていて、この可撓性のある物体の遠位端で丸みのあるプラグに固定されている。トルクを与える仕組みをコア部材の近位端に設けて、ガイドワイヤが患者の脈管系中を前進している間にガイドワイヤを回転させ、それによってガイドワイヤの方向を操作する。
ガイドワイヤやその他の案内部材が中実のワイヤ部材であれ管状の部材であれ、それらに求められる大きな条件は、患者の脈管系やその他の体腔中をねじれなしに押し進めるのに十分なカラム強度をそれらが有している、ということである。しかしながら、それらには、それらが前進してゆく血管やその他の体腔の損傷を避けるのに十分な可撓性もなければならない。ガイドワイヤを意図した用途に一層適したものとするために、それらの強度と可撓性の両方を改良する努力がなされてきたが、これら二つの特性は大抵、一方を高めると他方が低下するという点で、正反対のものである。
先行技術は、形状記憶及び/もしくは超弾性特性を持つニチノールのような合金(Ni−Ti合金)の、患者の体内に挿入するように設計された医療機器への使用に言及している。ニチノールは、これらの特性のために、ガイドワイヤやステント等の製造に用いられてきた。
超弾性ステントへの第三の元素の使用は、例えばZadno-Azizi等の米国特許第5,907,893号明細書にも示されている。一般的な提案として、例えばMitose等の米国特許第5,885,381号明細書に開示されているような、第三の元素をニッケル−チタン合金に添加しようという試みがあった。
ニッケル−チタン製の自己拡張性ステントが医療の分野で役に立ち、有用なことは明らかである。しかし、ニッケル−チタン製の自己拡張性ステントのはっきりとした欠点は、金、もしくはタンタルから作られた同等の構造物に比べて放射線不透過性が十分でない、という点である。例えば、放射線不透過性があれば、心臓病専門医や外科医は、X線透視装置や同様の放射線装置を使用して、ステントを用いた処置を視覚化することができる。そのため、ニッケル−チタン製の自己拡張性ステントやガイドワイヤにとって、放射線不透過性が良好であるというのは有用な特徴である。
放射線不透過性は、ニッケル−チタン製ステントのストラットの厚みを増すことにより改良することができる。しかし、ストラットの厚みを増すことにより、ステントの可撓性に悪影響が及ぼされる。可撓性は、送り込み易さにとって必要な特性である。もう一つの問題の種は、放射線不透過性と半径方向の力は、ストラットの厚みによって共に変化するという点である。また、ニッケル−チタンは加工が難しく、ストラットが厚いと問題が悪化する。
放射線不透過性は、スパッター、めっき、もしくは共引抜きのようなコーティング法により、金、もしくは類似の重金属をステントに被覆することで改良することができる。しかしながら、これらの方法は、材料の適合性、電蝕、製造コストが高くつくこと、被膜の付着力もしくは剥離、生体適合性、ステントがつぶれた後やステントを配置した後に被膜の完全さが失われること、等の複雑な問題を生じる。
放射線不透過性は、合金を添加することによっても改良することができる。一つの具体的なアプローチは、ニッケル−チタンと第三の元素とで合金を作るというものである。先行技術において必要とされてきたが、これまで入手できなかったものは、放射線不透過性を高めるために第三の元素を含んでいるにもかかわらずニチノールの超弾性特性を保持している、ニッケル−チタン製の超弾性ステントである。
発明の要旨
本発明は、体腔に用いたり、体腔中に埋め込むための、ステントのような放射線不透過性医療機器に関するものである。好ましい態様においては、ステントのような放射線不透過性医療機器を、ストラットのパターンを画定する肉薄の管の形をした本体から構成する。この管状の本体は超弾性ニッケル−チタン合金を含むものであり、またこの合金は、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含むものである。好ましい態様においては、本発明によるステントのニッケルの原子百分率は42.8、チタンの原子百分率は49.7、プラチナの原子百分率は7.5である。
その結果、本発明のステントは、金の薄層で覆われた、医療等級のステンレス鋼で作られた同一の構造物に比べ、放射線不透過性が高い。別のとらえ方をすると、或るレベルの放射線不透過度を持つ所定のステントに対して、同じ寸法、及び同じストラットパターンを持つ本発明のステントは、ストラットの厚みが少なくとも10%薄いにもかかわらず、同レベルの放射線不透過度を維持している。
ニチノール製の自己拡張性ステントは、つぶして(すなわち荷重をかけて)から、送り込み系内に押し込めておく。ステントは、送り込み地点で解放されて(すなわち荷重が除かれて)元の直径に戻るようになっている。ステントは、管腔内で様々な機械的機能を果たすように設計されている。それらの機能の全てが、除重平坦低応力に基づくものである。そのため、ニッケル−チタン二元合金と共に合金化される第三の元素がニッケル−チタンの超弾性特性を低下させない、ということが極めて重要である。
十分な放射線不透過度を達成し、それにもかかわらずニッケル−チタン二元合金の超弾性という工学的性質を維持するためには、本発明の放射線不透過性ステントは、原子百分率が2.5以上、15以下のプラチナを含んでいるのが好ましい。もう一つの態様においては、ニッケル−チタンを、原子百分率が2.5以上、20以下のパラジウムと共に合金にする。このような組成を用いると、本発明の放射線不透過性ニチノール合金の応力−歪ヒステリシス曲線が、ニッケル−チタン二元合金の理想的と考えられる応力−歪ヒステリシス曲線に極めて近くなる。
本発明は更に、放射線不透過性のニチノール製ステントを提供する方法を企図するものである。好ましい態様においては、この方法により、肉薄の管の形をした、ストラットパターンを形成する本体がもたらされる。この本体は超弾性ニッケル−チタン合金を含むものであり、また、この合金は、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含むものである。このステントには、高い放射線不透過性がある。管の形をした本体を準備する工程には、ニッケル、チタン、及び第三の元素を融解し、この混合物を冷却して合金のインゴットを作り、この合金のインゴットを熱成形し、それを熱成形、もしくは常温成形により円筒にし、この円筒に穴を開けて管材を作り、この管材を冷間引抜きし、焼きなますことが含まれている。
本発明では、合金の成形適性、もしくは熱機械的特性を更に高めるために、第四の元素、例えば鉄を少量添加することも、勿論考えられている。簡単に言えば、上記の第三の元素の他に元素を存在させることが企図されている。
好ましい態様においては、ステント中の超弾性合金のオーステナイト完了温度(Af)は0℃以上、37℃以下である。また、この好ましい態様においては、融解後のインゴットのオーステナイト完了温度(Af)は0℃以上、40℃以下である。管材のオーステナイト完了温度(Af)は−15℃以上、15℃以下である。
本発明は、近位コア部分と遠位コア部分とを有する細長いコアを含んでなるガイドワイヤであって、遠位コア部分が超弾性合金を含んでいて、この合金が、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含んでおり、またこの遠位コア部分が実質的に放射線不透過性をもつガイドワイヤにも適用することができる。
本発明の他の特徴、及び利点は、以下の本発明の詳細な説明を添付の具体例としての図面を考慮して読むことにより更に明らかになるであろう。
発明を実施するための形態
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、放射線不透過性ニチノールから作られた医療機器に関するものである。以下に例として挙げる態様は、説明のためにガイドワイヤとステントとに向けられているが、体腔に使用できるその他の医療機器にも本発明が適用可能なことは、言うまでもないことである。
本発明のステントは、事実上、それらを埋め込む体腔と適合するあらゆる形状を持つことができる。ステントは、かなりの量の開口面積があるような形状にするのが好ましく、また、金属に対する開口面積の割合が少なくとも80パーセントであるのが好ましい。ステントはまた、体腔壁の切開部、もしくはフラップを覆って接合するような形状にするのも好ましい。
図1、図2、及び図4によれば、好ましい態様においては、本発明のステント10は部分的に、もしくは完全に、超弾性(SE)特性を持つニチノール(NiTi)のような合金で作られている。ステント10は、Lamに対して1996年10月29日に発行された、「拡張性ステント、及びそれを作る方法」と題された米国特許第5,569,295号(この特許は、引用形式により本明細書に組み込まれるものである)明細書に開示されているステントに多少似ている。本発明のステントと上記特許明細書に開示されているステントとの幾つかの違いは、本発明のステントは、第三の元素を添加した超弾性材料で構成するのが好ましいという点と、ストラットのパターンが変わっているという点である。勿論、ステント10の形状は、本発明により企図されている多くのステントの形状のほんの一例に過ぎない。
図4に戻ると、ステント10は管の形をしており、この管には、通常、同軸上に配置され、且つ隣り合う円筒形の要素24との間に配置された部材26により内的に連結された、半径方向に拡張可能な円筒形の要素24が複数含まれているのが好ましい。ストラットのパターンを形成しているストラット12の形は、好ましくは入れ子にすることができるように設計されている。このストラットのパターンは、図4に示す平らにした平面図で見るのが最も良い。へび状のパターンのストラット12は、一つの円筒形の要素24のストラットの延びている部分が隣りの円筒形の要素の周囲の相補的空間内に入り込むように、入れ子になっている。このようにして、複数の円筒形の要素24を、長さ方向に一層ぴったりと収めることができる。
上で紹介したように、本発明の典型的なステントは、超弾性材料を含んでいる。一般的な意味において、超弾性とは、その材料が普通の鋼に比べて高度の可逆的歪に耐えられる、ということである。技術的な意味においては、「超弾性」、また時として「擬似弾性」という言葉は、ニチノールの等温変態と関係がある。より具体的には、この言葉は、オーステナイト相からマルテンサイト相を生じさせる応力と関係がある。超弾性特性を持つ合金には、通常、少なくとも二つの相がある。すなわち、引張強さが比較的小さく、比較的低い温度で安定なマルテンサイト相と、引張強さが比較的大きく、マルテンサイト相よりも高い温度で安定なオーステナイト相である。超弾性特性により、通常、金属製のステントは、ステントをつぶして変形させると、NiTiをマルテンサイト相に可逆的に変える応力を生じる。ステントは、典型的には患者の体内への挿入を容易にするために、等温変態が生じるように変形された状態で送り込み用のさやの中に押し込めておく。体腔内に一旦入ると、ステントの拘束が解かれて、ステントにかかっていた応力が低下し、へび状のステントが等温変態によりオーステナイト相に戻り、元の変形していない形に戻る。このような状況下では、このステントを自己拡張性と言うことができる。
図1に戻ると、一部が断面図であるこの説明図には、ガイドワイヤ14、送り込み用のさや16、及び脈管内カテーテル18を含む交換ステント高速送り込み装置の遠位端が示されている。分かり易くするために、図1の送り込み装置の図は単純化してある。それは、本発明と共に用いることのできる送り込み装置のほんの一例に過ぎない。自己拡張性ステントに限定して用いられる送り込み装置の更なる詳細は、例えば「自己拡張性ステント送り込み装置」と題されたLimon等の米国特許第6,077,295号(この特許は、引用形式により本明細書に組み込まれるものである)明細書中に見出すことができる。本発明の範囲から外れることなしに、ワイヤを用いないような他の送り込み装置を用いることができる。
図1には更に、膨張ルーメン(図示せず)中でふくらませた、必要に応じて用いられる膨張可能なバルーン20が示されているが、このバルーンは、典型的には自己拡張性ステントには必要ない。ステント10は最初、脱気されたバルーン20上で縮んでおり、ステント10を配置する瞬間まで、この集成装置全体は送り込み用のさや16の内側に保持されている。ステント10には自己拡張性があるので、さや16を引き抜くと、ステント10はバルーン20の助けなしに、より大きな配置時直径にまで拡張する。それにもかかわらず、幾つかの方法では、ステント10を更に拡張させて動脈壁29中に一層良く収まるようにするために、バルーン20を特に用いる。
図2は、送り込み装置を取り去った後の、拡張した状態の自己拡張性ステント10を示している。外力が動脈28にかかると、拡張したステント10は、一時的に、少なくとも部分的につぶれるか、もしくは変形する。ステント10が変形すると、ニッケル−チタン合金中の応力によって、オーステナイト相からマルテンサイト相への等温変態が生じる。外力を除くと、ステント10中の応力も同じように低下して、ステントはマルテンサイト相からオーステナイト相にすぐに戻る。この殆ど瞬間的な等温変態が起きると、ステント10は完全に拡張した状態に戻り、動脈は開いたままとなる。へび状のステント10が動脈28中に埋め込まれている場合、たとえステントが外力により一時的に変形しても、埋め込み部位で動脈が恒久的につぶれる危険性を最低限に抑えながら、ステントの高いレジリエンスによって動脈の開通性を効果的に維持することができる。その上、ステント10のレジリエンスによってフラップ30が支えられて、動脈の開通性が維持される。
ステント10は、ニッケル−チタンのような超弾性材料から作られていて、オーステナイト相の時に応力がかかると等温変態するのが好ましい。殆どの目的に対しては、体温でニッケル−チタン合金がオーステナイト相であるように、ステント10の変態点を十分に低く設定するのが好ましい。
理論によれば、超弾性特性を示すニチノールのような金属の試験片に、マルテンサイト相からオーステナイト相への変態が完了する温度で、もしくはそれより高い温度で応力をかけた場合、この試験片は、応力によって引き起こされるオーステナイト相からマルテンサイト相への変態が生じる特定の応力レベルに達するまで、弾性変形する。変態が進むに連れて、応力がそれほど増加しないか、もしくは全く増加しないのに、合金の歪が著しく増す。応力が実質的に一定のままで、オーステナイト相からマルテンサイト相への変態が完了するまで、歪が増加する。その後で更に変形させるためには、応力を更に増す必要がある。マルテンサイト金属は、付加的な応力がかかると、初めは弾性的に撓むが、その後、永久残留歪により塑性的に撓む。
永久歪が少しでも生じる前に試験片の荷重を取り除けば、応力によって生じたマルテンサイトが弾性回復して、オーステナイト相に戻る。応力の低下によって、先ず歪が減少する。マルテンサイト相がオーステナイト相に変わり始めるレベルに応力が低下すると、試験片中の応力のレベルは実質的に一定に(しかし、オーステナイト相に戻る変態が完了するまで、オーステナイト結晶性構造がマルテンサイト結晶性構造に変わる一定の応力レベルよりも低く)保たれる。すなわち、無視できる程度の応力の低下によって、歪が著しく回復される。オーステナイトに戻る変態が完了した後、応力を更に低下させると、歪が弾性減少する。荷重をかけた時に比較的一定の応力で著しい歪を生じ、荷重を取り除いた時に変形から回復するこの能力を、一般的に「超弾性」、また時として「擬似弾性」と呼ぶ。
図3は、超弾性ニッケル−チタン二元合金の理想的と考えられる応力−歪ヒステリシス曲線を示すものである。この関係を、x−y軸上にプロットしてある。x軸は歪を示し、y軸は応力を示す。説明し易くするために、x−y軸には超弾性ニチノールに典型的な目盛りを付し、それぞれ応力は0〜60ksiとし、歪は0〜9パーセントとしてある。
図3のプロットを見ると、点Aから点Bの線は、ニッケル−チタン合金の弾性変形を示している。点B以降は、歪もしくは変形は、かけられた応力にもはや比例しない。また応力によって引き起こされるオーステナイト相からマルテンサイト相への変態が始まるのは、点Bと点Cの間の領域である。
材料は、点Dに向かう点Cで、応力は比較的一定だが変形もしくは歪は著しい領域に入る。この一定もしくは平坦な領域は、荷重応力として知られている。それは、歪が連続的に増してゆく時の材料の挙動を表わしているからである。オーステナイトからマルテンサイトへの変態が生じるのは、この平坦なC−D領域においてである。
試験片に応力がかけられたために生じたマルテンサイト相への変態は、点Dで実質的に完了する。点Dを越えると、マルテンサイト相は初めは弾性変形するが、点Eを越えると、この変形は塑性的、もしくは永久的になる。
この超弾性金属にかけた応力を取り除くと、材料の挙動は点Eから点Fへの曲線をたどる。マルテンサイトは、EからFの領域で元の形状に回復する。但し、マルテンサイト構造には永久歪はなかったものとする。金属は、回復過程の点Fで、応力によって生じた不安定なマルテンサイト相から、より安定なオーステナイト相に変わり始める。
点Gから点Hの領域も応力が実質的に一定、もしくは平坦な領域であるが、この領域で、マルテンサイトからオーステナイトに戻る変態が生じる。この一定、もしくは平坦なG−H領域は、除重応力として知られている。点Iから起点Aへの線は、元の形状への金属の弾性回復を示している。
超弾性を示すニッケル−チタン二元合金は、上記のような、また図3の曲線にプロットしたような、普通でない応力−歪の関係を有している。上で強調したように、超弾性曲線には、上で荷重平坦応力C−D、及び除重平坦応力G−Hとした、荷重をかけた時に応力が殆ど一定になる領域があるのが特徴的である。当然、荷重平坦応力C−Dは常に除重平坦応力G−Hよりも大きい。荷重平坦応力は、元のオーステナイト結晶性構造のためにマルテンサイトが応力により生じつつある期間を表わしている。応力により生じたマルテンサイトは、荷重を取り除くと、曲線の除重平坦応力部に沿ってオーステナイトに戻る。荷重時応力C−Dと除重応力G−Hとの応力差が、系のヒステリシスである。
本発明は、上記のニッケル−チタン合金の超弾性特性を維持しながら、第三の元素を添加することにより、この材料の放射線不透過性を改良しようというものである。これは、好ましくは一つの態様において、約30〜約52パーセントのチタンと、残部としてニッケル、及び10パーセント以下の一つ、もしくはそれ以上の付加的な第三の合金形成元素とから実質的になる組成物を作ることにより達成される。このような第三の合金形成元素は、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる群から選ぶことができる。この好ましい態様においては、プラチナの原子百分率は2.5以上、15以下である。もう一つの態様においては、パラジウムの原子百分率は2.5以上、20以下である。
本発明による好ましい態様のステントの、ニッケルの原子百分率は42.8であり、チタンの原子百分率は49.7であり、プラチナの原子百分率は7.5である。実験に基づいた研究によれば、上記の組成物により、316Lステンレス鋼から作られた、2.7〜6.5μmの金被膜を有する同じ大きさ、及び同じパターンのステントに匹敵する放射線不透過度を持つステントパターンがもたらされる。
本発明は、他の様々な態様において、合金の二次成形適性、もしくは熱機械的特性を更に高めるために、第四の元素、例えば鉄を少量添加することを企図している。本発明の合金中には、炭素や酸素等のような不純物も存在していてよい。
本発明の超弾性放射線不透過性金属ステントを作るための好ましい方法には、ニッケル−チタン管材を作ることが先ず必要とされる。この管材は、上で示した組成に従って、ニッケルとチタンを第三の元素と共に真空誘導融解して作る。その後、コンシステンシーを得るために、インゴットを再融解する。次に、このインゴットを熱間圧延して棒材にし、ひずみを取り、一定の大きさにし、熱成形、もしくは常温成形して円筒にする。この円筒をガンドリリングして管材にする。ガンドリリングの代わりに、放電加工(EDM)、レーザービーム加工等を含む、当該技術分野で知られているその他の材料除去法を用いてもよい。次に、この管材を冷間引抜きと焼きなましに繰り返し付して仕上寸法にする。
上記の好ましい態様の工程はいずれも、所望の結果に応じて、必要ならば繰り返したり、順番から外したり、省略したりすることができる。ここから後は、この管材を、レーザーカットによるストラットパターンの形成やヒートセット等の従来のステント製造技術に付す。
以下の事柄は、十分に放射線不透過性を持ってはいるが合金の超弾性応力−歪挙動を維持しているステントを得るための、本発明に対する付加的な加工の指針である。実験に基づいた証拠は、様々な好ましい態様において、Ni−Ti−PdもしくはNi−Ti−Ptのインゴットのオーステナイト完了温度は0℃≦Af≦40℃でなければならない、ということを示唆している。Ni−Ti−PdもしくはNi−Ti−Pt管材のオーステナイト完了温度は、−15℃≦Af≦15℃でなければならない。典型的な態様においては、レーザーカットされた最終的なNi−Ti−PdもしくはNi−Ti−Pt製ステントのオーステナイト完了温度は、0℃≦Af≦37℃でなければならない。勿論、レーザーカットされた完成したステントのAfは、当該技術分野で知られている様々な熱処理方法により、必要に応じて設定することができる。
オーステナイト完了温度(Af)が、材料が完全にオーステナイトに戻る温度を意味する、ということは言うまでもない。専門用語としては、Af(及びその他の変態点As、Ms、Mf)を、例えばNi−Ti−PdもしくはNi−Ti−Ptから作られたインゴットに用いる場合、それは当該技術分野で知られている示差走査熱量計(DSC)試験により測定されるものである。インゴットの変態点を測定するためのDSC試験法の指針は、「熱分析によるニッケル−チタン合金の変態点の標準試験法」と題されたASTM規格No.F2004−00である。
管材、及び完成したステントの「有効Af」は、当該技術分野で知られている曲げ・解放回復試験により測定することができる。このような試験においては、管材をMf点以下に冷却し、変形させ、そして暖める。上昇してゆく温度をモニターしている間に、管材の変形の最終的な回復点が、材料のAfに近づいてゆく。有効Afの試験法の指針は、「曲げ・解放回復によりニッケル−チタン形状記憶合金の変態点を測定するための標準試験法」と題されたもう一つのASTM規格、もしくは当該技術分野において知られている同等の試験法である。
例として挙げた上記の態様に従って作ったワイヤのサンプルを試験した。具体的には、ニッケル−チタン−パラジウム、及びニッケル−チタン−プラチナについての実験データに基いた応力と歪との関係を、図5に示すように、ニチノール二元合金に対してプロットする。曲線Aは、ニッケル−チタン−プラチナのサンプルに該当する。曲線Bは、ニチノール二元合金のサンプルによるものである。曲線Cは、ニッケル−チタン−パラジウムのサンプルによるものである。実験に基づいたデータを得るために、ワイヤのサンプルを張力下に置き、初めのオーステナイト相からマルテンサイト相への変態が終わるまで、その張力を次第に大きくしていった。その後、可塑変形が少しでも生じる前に、サンプルにかかっている応力がゼロになって変形が完全に回復するまで、張力をゆっくりと解除した。
図5のプロットから明らかなように、本発明のニッケル−チタン−パラジウム合金、及びニッケル−チタン−プラチナ合金は、ニチノール二元合金についてのヒステリシス曲線に近い応力−歪曲線を有している。三つの曲線全てに、超弾性金属の特徴である変態の存在を示す、実質的に平らな荷重平坦応力、及び除重平坦応力がある。そのため、本発明のニチノール製ステントに、材料の超弾性機能は維持しながら放射線不透過性を改良するために、第三の元素(例として挙げたこれらの態様においては、パラジウムかプラチナ)を組み入れる。これまで抜けていたのは、これらの合金の超弾性特性を維持しながらこのレベルの放射線不透過性を得ることができる、という実験に基づいた証拠である。
本発明は更に、ステントの肉厚、もしくはストラットの厚みを増加させることに頼らずに放射線不透過性を改良したニチノール製ステントを提供するものである。肉厚、もしくはストラットの厚みを増すと、ステントの可撓性が損なわれるが、それは送り込み適性にとって不利である。逆に、本発明の超弾性ニチノール製ステントは、肉厚/ストラットの厚みが薄く、しかも/もしくは従来のステンレス鋼製ステントと同程度のストラット横断面面積をもっており、また金の薄い被膜で覆われたステンレス鋼製ステントに匹敵する放射線不透過性をもっている。肉厚/ストラットの厚みとは、管の内径と外径との差である。
実際、本発明のステントが持つ改良された放射線不透過性は、厳密には、ストラットの厚みにより決定することができる。このコンテクストにおいては、本発明の放射線不透過性ステントは、ストラットの厚みが薄くなっているにもかかわらず、ストラットがそれよりも厚い同一のステントが持つ放射線不透過性を示す。言い換えると、一つのステントが或るレベルの放射線不透過性を示すとすれば、それと同じ寸法、及び同じストラットパターンを持つ本発明のステントは、そのレベルの放射線不透過性を示し、しかも参照ステントに比べてストラットの厚みが少なくとも10%減少している。
10パーセントの減少は、ストラットの横断面の面積についても言える。すなわち、所定の横断面面積を持つストラットを有する、或るレベルの放射線不透過性を持つ所定のステントに対して、同じ寸法、及び同じストラットパターンを持つ本発明のステントは、同レベルの放射線不透過性を示すが、参照ステントに比べて横断面面積が少なくとも10%減少している。
ニチノールの超弾性以外の別の側面は、形状記憶である。本発明は、下記のようなこの物理的属性も考慮して用いることができる。
形状記憶効果によって、体腔もしくは腔内に挿入し易くするために変形させたニチノール構造物は、体内で暖められて元の予め定められた形に戻る。形状記憶効果を持つニチノール合金には、通常、少なくとも二つの相がある。すなわち、引張強さが比較的小さく、比較的低い温度で安定なマルテンサイト相と、引張強さが比較的大きく、マルテンサイト相よりも高い温度で安定なオーステナイト相である。
マルテンサイト相からオーステナイト相への変態が完了するよりも高い温度、すなわち、オーステナイト相が安定であるよりも高い温度にまでニッケル−チタン金属を加熱することにより、形状記憶効果がこの合金に付与される。この熱処理中の金属の形状が、「記憶された」形状である。熱処理した金属を、マルテンサイト相が安定である温度にまで冷却して、オーステナイト相をマルテンサイト相に変える。その後、マルテンサイト相の金属を、例えば患者の体内に入れ易くするために塑性変形させる。次いで、変形したマルテンサイト相を、マルテンサイトからオーステナイトへの変態点よりも高い温度にまで加熱すると、変形したマルテンサイト相がオーステナイト相に変わる。この変態の間に、金属は元の形状に戻ってゆく。
金属の組成や材料の処理を少し変更することにより、回復もしくは転移温度を変えることができる。適切な組成を開発する過程で、適切な転移温度を選択するために、生体温度適合性を確認しなければならない。言い換えれば、ステントを加熱する場合、周囲の身体組織と適合しなくなるほどステントを熱くしてはならない。自己架橋性高密度ポリエチレン(HDPEX)のような照射記憶ポリマーといったその他の形状記憶材料も用いることができるが、それらに限定されるものではない。形状記憶合金は当該技術分野で知られており、例えばサイエンティフィック・アメリカンの第281巻、74〜82頁(1979年11月)に掲載されている「形状記憶合金」(引用形式により本明細書中に組み込むものである)の中で論じられている。
形状記憶合金は、一定の温度で、オーステナイト相とマルテンサイト相との間を転移する。マルテンサイト相の時にそれらを変形させると、それらがその相のままである限りこの変形が保持されるが、それらを転移温度に加熱すると元の形状に戻る。この時、それらはオーステナイト相に変わる。これらの転移が生じる温度は、合金の性質、及び材料の状態により影響を受ける。転移温度が体温よりもやや低いニッケル−チタンをベースとする合金(NiTi)が、本発明には好ましい。ステントを体腔中に埋め込む場合、マルテンサイトの状態からオーステナイトの状態に確実に早く転移させるために、ステントは、体温よりも僅かに低く設定された転移温度を有しているのが望ましい。
再び図1、図2、及び図4に戻ると、本発明のステント10は、上で検討したNiTiのような形状記憶合金から作られている。ステント10を動脈28、もしくはその他の脈管中に挿入してから送り込み用のさや16を引き抜くと、ステント10は周囲の環境に触れる。その後、形状記憶合金で作られた機器について説明したように、ステント10は動脈28内のより高い温度と接触して、すぐに拡張する。ステント10を半径方向に外側に更に拡張させるために、必要に応じて用いる膨張性バルーン20を、通常の手段によってふくらませてもよい。
また一方、外力が動脈にかかると、ステント10は一時的に、少なくとも部分的につぶれる。しかしその後、ステント10は、その形状記憶特性により、前の拡張した形状に迅速に戻る。例えば、形状記憶特性を持つ耐圧潰ステントを脈管内に埋め込む。このステントは、たとえ外力によりステントが一時的に変形しても、脈管が永久につぶれる危険性と、ステントが埋め込み部位から移動する危険性の両方を最小限に抑えながら、脈管の開通性を維持する。
本発明に従って作ったステント10は、高い放射線不透過性も有している。前記と同様の合金製造法をここで用いて第三の元素を添加し、ステントの放射線不透過性を高める。マルテンサイト相からオーステナイト相への変態を熱的に生じさせる限り、本発明のステントの配置は、形状記憶効果の見地から説明することができる。
本発明は、ガイドワイヤにも適用可能である。図6は、本発明の特徴を用いた典型的な態様のガイドワイヤ40の、一部を断面図とした側面立面図である。ガイドワイヤ40は、比較的高強度の細長い近位部分42と、超弾性合金材から実質的に作られている比較的短い遠位部分44と、遠位部分44の近位端と近位部分42の遠位端とをトルクが伝達されるような関係で連結している、超弾性合金材から実質的に作られたコネクター要素46とからなっている。遠位部分44には、末端の方向に向かって小さくなってゆくテーパー付きの部分が少なくとも一つある。コネクター要素46は、その中を貫通している、遠位部分44の近位端50と近位部分42の遠位端52とが入るように作られた、内部ルーメンを持つ、中空の管の形をした構造物であるのが好ましい。端50、52はコネクター要素46に圧入させてもよいし、コネクターをクリンピングしたり、スエージングすることにより、又は適切な接着剤、溶接、ろう付け、もしくははんだのような手段により、端をコネクターの中に固定させてもよい。
螺旋形のコイル54が遠位部分44の周囲に配置されており、またその遠位端にはプラグ56がある。螺旋形のコイル54は、基部の位置58、及び中間の位置60で、はんだにより遠位部分44に、またその遠位端により丸みのあるプラグ56に固定されているのが好ましい。このプラグ56は通常、螺旋形のコイル54の遠位端を、必要に応じて用いる付形リボン62の遠位先端部にはんだ付け、もしくは溶接して形成する。好ましくは、螺旋形のコイル54の最遠位部分64を、プラチナ、もしくはプラチナ−ニッケル合金のような放射線不透過性の金属で作ってその識別を容易にする一方、それをX線透視装置、もしくはX線下で患者の体内に配置する。最遠位部分64は、螺旋形のコイル54が伸びていない時の長さの約10〜約30%伸びるのが好ましい。
遠位部分44の最遠位部66は、必要に応じて、横断面が長方形、もしくは正方形になるように平らにし、また好ましくは、丸みのある先端部68を設ける。この丸みのある先端部68は、螺旋形のコイル54の伸びた遠位部分64の隙間を最遠位部66が偶然通り抜けるのを最小限に抑えるために用いられるものであり、はんだのビードであってよい。
細長い近位部分42の露出部分は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロンという商品名で販売されている)のようなつるつるした物質の被膜、もしくはポリシロキサンのようなその他の適切なつるつるした被膜で覆ってもよい。
冠状動脈に用いる場合、通常、ガイドワイヤ40の細長い近位部分42の長さは約130〜約140cmであり、外径は約0.006〜約0.018インチである。末梢動脈、及びその他の体腔には、直径の大きいガイドワイヤを用いることができる。直径がより小さいテーパー付き部分の長さは、最終製品に求められる剛性、もしくは可撓性にもよるが、約2〜約20cmにすることができる。螺旋形のコイル54の長さは約20〜約45cm、外径は細長い近位部分42の直径とほぼ同じであり、直径約0.002〜0.003インチのワイヤから作る。二本以上の螺旋形コイルを用いることができる。付形リボン、及び遠位部分44の平らな最遠位部66の横断面は、通常、寸法約0.001インチ×0.003インチの長方形であってよい。
本発明のガイドワイヤ40には、超弾性ニチノール製遠位部分44と、必要に応じてコネクター要素46とが含まれている。両方共、ニッケル−チタンと第三の元素の上記組成に従って作るのが好ましい。コネクター要素46は、もう一つの態様においては、ニチノール二元合金であってよい。
ガイドワイヤ40の超弾性部分の最終的形状を作るための現在のところの好ましい方法は、上記の相対比率に従った組成をもつ棒、もしくは管状部材を、好ましくは引抜きにより冷間加工し、その後、この冷間加工した部品を、それに形状記憶を付与するために応力をかけながら熱処理するというものである。この棒、もしくは管状部材の典型的な横方向の初期の寸法は、それぞれ約0.045インチ、もしくは約0.25インチである。最終製品を管状にする場合には、小径のインゴット、例えば直径0.25〜約1.5インチ、長さ5〜約30インチのインゴットから、押出しにより、もしくは機械加工により、長さ方向にセンター穴を開けて中空の管を作り、その外表面を磨いて滑らかにすればよい。中実棒状部材、もしくは管状部材の引抜きを行う前に、実質的に全ての内部応力を除くため、必要に応じて、アルゴンのような保護的雰囲気中、約500〜約750℃の温度で、典型的には約650℃で約30分間焼きなます。このようにしてから、全ての試料を、ばらつきのない最終特性を持つ製品が得られるよう、実質的に同じ冶金学的条件での次の熱機械加工に付す。このような処理により、冷間加工を有効に行うのに不可欠な延性ももたらされる。
応力から解放された加工素材を引抜きにより冷間加工して、その横断面の面積を約30〜70%減少させる。金属を、一つ、もしくはそれ以上のダイ、又は適切な内径に通して引き抜き、一回通す毎に横断面の面積を約10〜50%減少させる。スエージングのような、冷間加工のその他の方式を用いることもできる。
冷間加工後、引抜きしたワイヤ、もしくは中空管状物を、350〜約600℃の温度で約0.5〜約60分間熱処理する。金属に一直線の記憶形状を付与するために、また金属中の全ての残留応力を確実に均一にするために、引抜きしたワイヤ、もしくは中空管状物を熱処理する時に、材料の引張強度(室温で測定した場合)の約5〜約50%、好ましくは約10〜約30%の縦方向の応力に付すのが好ましい。記憶を付与するこの熱処理により、冷間加工した金属のオーステナイト−マルテンサイト変態点も決まる。一直線という記憶を形成し、且つ超弾性材料中の残留応力を均一に保つことにより、この材料で作られたガイドワイヤには、患者の血管内でトルクが伝わった時にガイドワイヤが急に動いてしまうという傾向が殆ど、もしくは全くなくなる。ガイドワイヤの加工に関するその他の詳細は、例えば、Nanis 等の米国特許第5,695,111号、及び Abrams等の米国特許第5,341,818号の各明細書中に見出すことができる。これらの特許の内容は、引用形式により本明細書に組み込まれるものである。
コネクター要素46を形成しているニチノール製小管は、通常、外径が約0.006〜約0.002インチ、肉厚が約0.001〜約0.004インチであればよい。コネクター要素46用の現在のところの好ましい超弾性小管は、外径約0.014インチ、肉厚約0.002インチのものである。
図7は、もう一つの態様のガイドワイヤ72の、一部を断面図にした側面立面図である。この典型的な態様のガイドワイヤ72は、近位コア部分76と、遠位コア部分78と、螺旋形コイル80とを有するコア部材74を有している。遠位コア部分78は、第一のテーパー付き部分82と、この第一のテーパー付き部分82と末端でつながっている第二のテーパー付き部分84とを有している。第二のテーパー付き部分84のテーパーは第一のテーパー付き部分82のテーパーよりも大きく、このようにテーパーが大きくなっているために、ガイドワイヤ72の遠位部分は、患者の曲がりくねった通路中を進んで行く時に非常に滑らかに移動する。
平らな遠位先端部86は、第二のテーパー付きコア部分84の遠位端から、コア部材74の平らな遠位先端部86を螺旋形コイル80の遠位端に止め付けているはんだ88のかたまりに向かって延びている。はんだ90のかたまりによって、螺旋形コイル80の近位端が第二のテーパー付き部分84の中間位置に止め付けられている。図7の態様に示されているように、コア部材74は、ガイドワイヤ72の近位端から遠位端に向かって、連続的にとぎれることなく任意の長さに亘って延びている。
コア部材74は、近位コア部分76の長さ方向に広がっているフルオロポリマー、例えばデュポンから入手可能なテフロンのようなつるつるした被膜92で覆われているのが好ましい。遠位コア部分78も、アドバンスド・カーディオバスキュラー・システムズ社が使用しているマイクログライドのようなつるつるした被膜(図示せず)で覆われている。親水性の被膜も用いることができる。
図10は、コア部材74の遠位先端から螺旋形コイル80の遠位端に向かって伸びている別個の付形リボンを有する、もう一つの態様のガイドワイヤの遠位コア部分の部分側面立面図である。この態様においては、図7に示すコア部材74の平らな遠位先端部86が、付形リボン94で置き換えられている。この付形リボンは、その遠位端によりコイル80の遠位端に、またその近位端によりコア部材74の遠位先端に固定されている。
図7、及び図10に示されている態様においては、ガイドワイヤには、超弾性ニッケル−チタン合金を上記のような第三の元素と共に用いることができる。コア部材には、鋼のような非超弾性金属も使用可能である。例えば、ガイドワイヤのコア部材全体を、高張力ステンレス鋼、もしくはハイテン304ステンレス鋼から作ることができる。その他の高力金属(それらの内の幾つかは析出硬化型である)には、304ステンレス鋼、MP35N、及びL605がある。
図7、及び図10に示されているテーパー付きの部分82、84は、剛性が直線的に変化するように作ることもできる。これは、例えばCornish等の米国特許第6,390,993号明細書に開示されている。この特許の内容は、引用形式により本明細書に組み込まれるものである。
本発明は、本明細書においては、ガイドワイヤ、及び放射線不透過性ニチノール製ステントに関して例を挙げて説明してきたが、その他の場合に本発明を用いることができるということは、当業者にとっては明らかである。本発明の範囲から逸脱することなく、他の変更、及び改良を行うことができる。
図1は、送り込み用カテーテルの上に載せられていて、損傷を受けた脈管内で拡張して損傷を受けた脈管の内側を脈管壁に押し付けているステントを描いた、一部を断面図とした側面立面図である。 図2は、送り込み用カテーテルを抜去した後に脈管内で拡張したステントを描いた、一部を断面図とした側面立面図である。 図3は、超弾性材料の理想的と考えられる応力−歪ヒステリシス曲線である。 図4は、一例として挙げられる態様の超弾性ステントを平らにした時のストラットパターンの平面図である。 図5は、ニチノール二元合金、及び本発明で用いられるニッケル−チタン−パラジウム合金とニッケル−チタン−プラチナ合金の、非常に良く似た応力−歪の関係を示す、実験データに基づいた曲線群である。 図6は、本発明の特徴を取り入れたガイドワイヤの側面立面図である。 図7は、本発明の特徴を持つもう一つの態様のガイドワイヤの、一部を断面図とした側面立面図である。 図8は、図7に示すガイドワイヤの線8−8に沿っての横断面図である。 図9は、図7に示すガイドワイヤの線9−9に沿っての横断面図である。 図10は、本発明の特徴を持つ、付形リボンを用いたもう一つの態様のガイドワイヤの側面立面図である。

Claims (24)

  1. 近位コア部分と遠位コア部分とを有する細長いコアからなる、体腔用のガイドワイヤであって、
    遠位コア部分が超弾性合金を含んでいて、この合金が、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含んでおり、また
    この遠位コア部分が実質的に放射線不透過性を持つガイドワイヤ。
  2. プラチナの原子百分率が2.5以上、15以下である、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. パラジウムの原子百分率が2.5以上、20以下である、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  4. 実質的に放射線不透過性を持つ前記遠位コア部分の放射線不透過度が、ニッケル−チタン二元合金で作られた同じ寸法のワイヤコアの放射線不透過度よりも高い、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記合金の約30〜約52パーセントがチタンであり、残りがニッケルと、約10パーセント以下の一つ、もしくはそれ以上の第三の合金形成用追加元素である、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記超弾性合金がニッケル−チタン合金を含んでいる、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  7. チタンの原子百分率が約49.6以上、約49.8以下である、請求項6に記載のガイドワイヤ。
  8. ステント中の前記超弾性合金のオーステナイト完了温度(Af)が0℃以上、約37℃以下である、請求項6に記載のガイドワイヤ。
  9. 管の形をした本体が、オーステナイト完了温度(Af)が約−15℃以上、約15℃以下の未加工の管材を含んでいる、請求項6に記載のガイドワイヤ。
  10. 近位コア部分と遠位コア部分とを有する細長いコアからなる、医療用の超弾性放射線不透過性ガイドワイヤであって、
    遠位コア部分が超弾性ニッケル−チタン合金を含んでいて、この合金が、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含んでおり、
    この遠位コア部分が少なくとも部分的にポリマー被膜で覆われており、また
    このポリマー被膜で覆われた遠位コア部分が放射線不透過性を持つガイドワイヤ。
  11. 前記遠位コア部分の放射線不透過度が、ニッケル−チタン二元合金で作られた同じ寸法の遠位コア部分の放射線不透過度よりも高い、請求項10に記載のガイドワイヤ。
  12. プラチナの原子百分率が約2.5以上、約15以下である、請求項10に記載のガイドワイヤ。
  13. パラジウムの原子百分率が約2.5以上、約20以下である、請求項10に記載のガイドワイヤ。
  14. 前記遠位コア部分、及び前記近位コア部分が、前記合金の連続的で途切れのない一本の長い状態である、請求項10に記載のガイドワイヤ。
  15. 前記ガイドワイヤが、前記遠位コア部分と別個の近位コア部分とを連結するトルク伝達管状要素を含んでおり、またこのトルク伝達要素が前記合金を第三の元素と共に含んでいる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
  16. 医療用のガイドワイヤを提供するための方法であって、
    近位コア部分と遠位コア部分とを有する細長いコアであって、遠位コア部分が超弾性ニッケル−チタン合金を含んでおり、この合金は、イリジウム、プラチナ、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる化学元素群から選ばれる第三の元素を更に含んでいる細長いコアを準備する工程と、
    この細長いコアを冷間引抜きする工程と、
    この細長いコアを熱処理する工程と
    を含み、前記遠位コア部分が放射線不透過性を持つ方法。
  17. 細長いコアを準備する前記工程に、ニッケル、チタン、及び前記第三の元素を融解し、冷却して合金のインゴットを作り、この合金のインゴットを熱成形して円筒にし、この円筒を引き抜いて焼なましすることが含まれる、請求項16に記載の方法。
  18. プラチナの原子百分率が約2.5以上、約15以下である、請求項16に記載の方法。
  19. パラジウムの原子百分率が約2.5以上、約20以下である、請求項16に記載の方法。
  20. ステント中の前記超弾性合金のオーステナイト完了温度(Af)が約0℃以上、約37℃以下である、請求項16に記載の方法。
  21. 融解後のインゴットのオーステナイト完了温度(Af)が約0℃以上、約40℃以下である、請求項17に記載の方法。
  22. 前記管材のオーステナイト完了温度(Af)が約−15℃以上、約15℃以下である、請求項17に記載の方法。
  23. 前記インゴットを再融解する、請求項17に記載の方法。
  24. 前記合金が第四の元素を含んでいる、請求項16に記載の方法。
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