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JP2006500425A - ホスゲン化反応器からの反応排出液の後処理 - Google Patents

ホスゲン化反応器からの反応排出液の後処理 Download PDF

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JP2006500425A JP2004540644A JP2004540644A JP2006500425A JP 2006500425 A JP2006500425 A JP 2006500425A JP 2004540644 A JP2004540644 A JP 2004540644A JP 2004540644 A JP2004540644 A JP 2004540644A JP 2006500425 A JP2006500425 A JP 2006500425A
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Abstract

反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させる、そしてその懸濁液を膜型蒸発装置で後処理することを特徴とする方法により、反応器内で第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造する。この方法は製造プラントで実施される。

Description

本発明は、反応器内で第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させ、その懸濁液を膜型蒸発装置で後処理する方法、及びこの方法を実施するための製造プラントに関する。
第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造する方法は、極めて多数知られている。例えば、特許文献1(US3140305)には、アミンとホスゲンを反応させ、次いで反応生成物を蒸留する、実質的に純粋な芳香族イソシアネートの製造方法が記載されている。
さらに、用いられるアミノ基に比較して過剰のホスゲンを用いことにより、製造されるイソシアネートに関して高い選択性が得られ、従って、方法におけるコスト効率に決定的な影響を与えることが知られている。しかしながら、プラントのホスゲンの保持量(hold-up)が、アミノ基に対するホスゲンの比が大きくなると共に増加し、このためホスゲンの毒性のため、プラントの極めて少量のホスゲン保持量が望ましい。
US3140305
本発明の目的は、極めて少量のホスゲンの保持量(残留量)で、収量損失の極めて小さい反応を行うことを可能にしたイソシアネートの製造方法を提供することである。
本発明等は、上記目的が、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在する、ホスゲン化反応器で得られる反応排出液を膜型蒸発装置に移し、そこですることにより達成されることを見いだした。目的の達成は当該技術者にとって驚くべきことである。なぜなら膜型蒸発装置、特に薄膜型蒸発装置における固体の使用に対しては、これまでかなり懸念されていたからである。
本発明は、反応器内で第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させ、その懸濁液を膜型蒸発装置で後処理することを特徴とする方法に関するものである。
さらに本発明は、ホスゲン化反応器からの排出液を後処理するために膜型蒸発装置を使用する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させることを特徴とする方法に関するものである。
最後に、本発明は、第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造するための製造プラントであって、
第1級アミンとホスゲンとの反応を行う反応器、及び
液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で反応器内に存在する反応排出液が供給される少なくとも1基の膜型蒸発装置
を含むことを特徴とする製造プラントに関するものである。
第1級アミン又は2種以上のこれらのアミンの混合物であれば、所望のどのようなものでも本発明の新規な方法に使用することができる。芳香族アミン、特にジアミノジフェニルメタン系又はより高級なその類似物を使用することが好ましい。例えば、メチレンジフェニルアミン(MDA;各異性体、異性体混合物及び/又はそのオリゴマー)、トルエンジアミン(TDA)、n−ペンチルアミン、6−メチル−2−ヘプタンアミン、シクロペンチルアミン、R,S−1−フェニルエチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、2,6−キシリジン、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミン、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチルアミン、C11−ネオジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及び4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミンを挙げることができる。MDA及びTDAの使用が好ましい。本方法は脂肪族アミンに使用することもできる。1,6−ジアミノヘキサンの使用及びイソホロンジアミンの使用がここでは好ましい。
従って、新規な方法は、所望のどのようなイソシアネートの製造にも好適である。この方法は、メチレン(ジフェニルジイソシアネート)(MDI)及びトリレンジイソシアネート(TDI)の製造に特に有利に使用することができる。
第1級アミンとホスゲンとの反応によるイソシアネートの製造では、塩化カルバミルを下記式に従い第1の高速工程で中間体として形成し、塩化カルバミルは速度を決定する低速工程において平衡反応でイソシアネートとHClに分解する:
Figure 2006500425
上式のRは有機基である。
さらに、形成される塩化水素はアミンと反応し、アミン塩酸塩(R−NH3 +Cl-)を得る。
ホスゲンとジアミンとの反応を、反応器において新規な方法で行う。この反応器は、従来技術において知られており、ホスゲン化、好ましくは連続ホスゲン化に好適であり、そして通常の圧力に耐えられる通常の反応器であればどのようなようなものでも良い。好適な材料としては、例えば、鋼鉄(steel)、銀又は銅、ガラス、セラミック、又は均一又は不均一なこれらの混合物を挙げることができる。鋼鉄反応器の使用が好ましい。
従来技術で知られている設計反応器を一般に使用することができる。管型反応器、塔及び撹拌ケトルの使用が好ましい。
新規な方法では、反応剤(アミン及びホスゲン)の混合を、混合装置中を通過した反応流を強力に剪断することを可能にする混合装置で行う。好ましく使用される混合装置としては、回転混合装置、混合ポンプ又は混合ノズルを挙げることができ、この装置は反応器の上流側に設置される。混合ノズルの使用が特に好ましい。
新規な方法は、連続法、半連続法及びバッチ法を包含する。連続法が好ましい。
アミンとホスゲンの反応は、液相又は気相で行うことができる。反応条件、例えば圧力及び温度は、一般に従来技術で知られているパラメータである。
新規な方法は、液相で行うことが好ましい。
液相でのアミンとホスゲンの反応では、不活性溶剤を新規な方法に加えることができる。この不活性溶剤は、通常有機溶剤又はその混合物である。クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、ヘキサン、イソフタル酸ジエチル(DEIP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼン及びこれらの混合物が好ましい。特にクロロベンゼンが好ましい。不活性溶剤は反応の開始時にアミンに加えることが好ましい。不活性溶剤は、通常アミンの質量に対して、5〜1000質量%、5〜1000質量%、好ましくは50〜500質量%の量で使用される。
反応器(反応排出物)から得られる反応混合物は、懸濁液(サスペンション)の形態で存在する。懸濁液は、液体として製造すべきイソシアネートを含み、固体としてまだ分解していない塩化カルバミルを含んでいる。反応器から得られる懸濁液は、さらに固体として、アミン塩酸塩及び/又は尿素(R−NH−CO−NH−R)を含んでいる。
通常、塩化カルバミルを、懸濁液(反応排出液)中に、製造されるべきイソシアネートの質量に対して0.01〜35質量%、好ましくは0.02〜30質量%の量で含んでいる。MDIの製造においては、塩化カルバミルは、製造されるべきイソシアネートの質量に対して5〜35質量%、好ましくは15〜30質量%の量で含んでいる。TDIの製造において、塩化カルバミルは、製造されるべきイソシアネートの質量に対して0.01〜30質量%、好ましくは0.02〜20質量%の量で含んでいる。
さらに、アミン塩酸塩は、一般に懸濁液(反応排出液)中に、製造されるべきイソシアネートの質量に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に0.5〜3質量%の量で含んでいる。
最後に、尿素は、一般に懸濁液(反応排出液)中に、製造されるべきイソシアネートの質量に対して0.05〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、特に1〜5質量%の量で含んでいる。
本発明では、薄膜蒸発装置は、蒸発すべき媒体の液相を、薄膜として加熱表面上にもたらし、蒸発のために逆混合することなくその表面に沿って搬送する全ての装置を意味すると理解される。薄膜は加熱表面によって一方の側に、そして気相によって反対の側に束縛される。流下薄膜型蒸発缶及び薄膜型蒸発装置が膜型蒸発装置の例である。
通常、膜型蒸発装置で蒸発するべき液体又は懸濁液は0.01〜10mm、好ましくは0.1〜6mm、特に好ましくは0.5〜3mmの膜厚を有する。
可能な態様において、用いられる膜型蒸発装置を薄膜型蒸発装置とすることができる。薄膜型蒸発装置は、従来技術において知られており、例えばUllmanns Enzyklopaedieに記載されている。一般に、薄膜型蒸発装置は、高沸点残さから熱過敏物質を蒸発させ、熱で化学変化しやすい物質を濃縮する機能を有する。そして液体は薄膜として、その液体を少しずつ落とすことにより、あるいは遠心力、ワイパー等により、加熱表面にもたらされる。
好適な薄膜型蒸発装置の例としては、液体膜を機械的に製造する装置、例えばSAMBAY及びLUWA薄膜型蒸発装置、及びSako薄膜型蒸発装置、及びALFA−LAVALセントリサーム(centritherm)蒸発装置を挙げることができる。
好ましい態様では、可動部分のない膜型蒸発装置が使用される。これらの例としては、流下薄膜型蒸発缶(下降蒸発装置とも呼ばれる)及び螺旋管蒸発装置を挙げることができる。
本発明では、膜型蒸発装置は流下薄膜型蒸発缶が好ましい。熱移動表面は、管状又は板状であり得る。円筒管の使用が好ましい。
新規な方法で使用される膜型蒸発装置、好ましくは流下薄膜型蒸発缶は、通常0.5ミリバール〜25バール、好ましくは0.5〜20バール、特に好ましくは1〜18バールで運転される。
製造されるイソシアネートがTDIの場合、新規な方法で使用される膜型蒸発装置、好ましくは流下薄膜型蒸発缶は、通常0.5ミルバール〜25バール、好ましくは0.5〜20バール、さらに好ましくは1〜18バール、特に好ましくは2〜17バールで運転される。
製造されるイソシアネートがMDIの場合、新規な方法で使用される膜型蒸発装置、好ましくは流下薄膜型蒸発缶は、通常0.5ミリバール〜25バール、好ましくは0.5〜20バール、さらに好ましくは1〜18バール、特に好ましくは1.5〜10バールで運転される。
膜型蒸発装置の温度は、通常30〜300℃、好ましくは50〜200℃である。
蒸発される液体の滞留時間は、設定される温度に依存する。通常、膜型蒸発装置の滞留時間は、15秒〜20分、好ましくは20秒〜10分、特に好ましくは40〜400秒である。所望の滞留時間を達成するために、2基以上、好ましくは2基の膜型蒸発装置を連続的に接続することが便宜である。従って、上述の滞留時間は、連続的に接続された膜型蒸発装置の合計の滞留時間に基づいている。
懸濁液相及び液相は、並流(cocurrent)又は向流で流すことができる。液相及び気相は、用いられる膜型蒸発装置において向流で搬送されることが好ましい。
可能な態様では、懸濁液(反応排出液)が、連続的に配置された、2基又は必要により2基を超える膜型蒸発装置において、後処理される。好ましい態様においては、連続して配置された2基の膜型蒸発装置を異なる圧力レベルで操作する。
好ましい態様においては、2基の膜型蒸発装置が使用され、第1の膜型蒸発装置を0.5〜25バール、好ましくは0.5〜20バール、特に好ましくは1〜18バールで操作し、第2の膜型蒸発装置を、第1の膜型蒸発装置より低い圧力で、0.01〜1バール、好ましくは0.02〜0.5バール、特に好ましくは0.05〜0.2バールで操作する。
2基を超える膜型蒸発装置を連続的に(直列に)接続する場合、第1の膜型蒸発装置を0.5〜25バール、好ましくは0.5〜20バール、特に好ましくは1〜18バールで操作し、他の各膜型蒸発装置を、前の膜型蒸発装置より低い圧力で、0.01〜1バール、好ましくは0.02〜0.5バールで操作する。
反応排出液の後処理において膜型蒸発装置を使用するための好ましい設計図を図1に示す:
図1は、連続的に配置された2基の流下薄膜型蒸発缶ユニットI及びIIを示している。
Iは、第1の流下薄膜型蒸発缶であり、
IIは、第2の流下薄膜型蒸発缶であり、
IIIは、反応排出液の給送であり、
IVは、気相の除去であり、
Vは、相分離容器であり、
VIは、加熱ジャッケト付き管束であり、
VIIは、所望の生成物(液体)の除去であり、
VIIIは、減圧手段であり、
IXは、液体分配機であり、
Xは、液体コレクタである。
流下薄膜型蒸発缶Iは、0.5バール超過、好ましくは1〜5バール(絶対圧力)で操作され、IIは、Iより低い圧力で、好ましくは3ミリバール超過、特に好ましくは50ミリバール超過で操作される。
懸濁様反応排出液は、Iの頂上に投入される。Iの頂上への投入前に、圧力をIの操作圧力に下げるために、反応排出液を、必要により減圧手段、好ましくは減圧バルブを再び通過させて、相分離容器に給送する。Iの頂上への投入後、相分離容器から採取された懸濁液をまず分配機(例、穿孔箱分配機)に投入し、そこで管束の管に分配する。
この管は、10〜200mm、好ましくは25〜80mmの外径を有している。管の長さは、0.5〜15m、好ましくは3〜9mである。流下薄膜型蒸発缶当たりの管数は、通常10〜10000管、好ましくは100〜1000管である。
管は、例えば38mmの外径、2.3mmの壁厚及び6000mmの長さを有している。例えば、約560管存在する。懸濁液は管の下側出口で集められ、別の分配機に送られる。別の管束は下記のようなものである。
この管束の下部には、レベル調節器があり、そこから懸濁液が、IIへの圧力適応のための膨張容器にバルブを介して給送される。IIはIに類似するように設計される。
最初の液体懸濁相は、分配機と管束を含む各ユニットで、約10秒の滞留時間を有する。これにより、約4×10秒=40秒の合計滞留時間がもたらされる。表面の構造化により、固体の滞留時間を、純粋な液相に比較して約3のファクタで増加させることができる。これにより、ユニットI及びII合わせて約2分の最大滞留時間が得られる。
40秒の滞留時間以内に、塩化カルバミルは、150℃の壁温で、0.1〜0.01質量%の初期含有量から塩化カルバミルの初期量に対して1ppmまで低減される。表面構造化の結果として、10〜0.01質量%から1ppmまで低減さえ可能である。
その後、液相を、さらなる後処理に給送されるが、この後処理は製造されたイソシアネートに依存して異なり得る。一般に、不活性溶剤が次の工程で分離除去される。これは、塔で行われるか、或いは膜型蒸発装置、好ましくは流下薄膜型蒸発缶でもう一度行われ得る。
好ましい態様において、蒸留塔は、使用される1基の膜型蒸発装置又は使用される複数の膜型蒸発装置の下流に接続される。
膜型蒸発装置において、イソシアネートの主な開裂は、ホスゲン分離と同時に起こる。本発明によれば、低いホスゲン保持量での開裂は、膜型蒸発装置を用いることにより行われる。その後、比較的長時間が必要な、塩化カルバミルの最終転化が、既にホスゲンが少なくなった溶液を蒸留塔に投入することにより達成されるが、その蒸留塔では、保持量及び従って滞留時間が、より大きな添加ホスゲン保持量とすることなく、適宜生み出される。イソシアネート溶液は、蒸留塔の底部で取り出され、そして残存開裂(物)及び残存ホスゲン中に形成されたHClが蒸留塔の頂部から取り出される。
複数の膜型蒸発装置の使用では、蒸留塔は、通常、連続する工程の最後の工程で配置された膜型蒸発装置の下流に接続される。
HCl及びホスゲン、そしてより少ない量の溶剤及び痕跡量のイソシアネートを主として含む、除去されたガス相は、さらなる後処理に送られ、HClとホスゲンが分離される。どうしても痕跡量のイソシアネート及び/又は溶剤は、ホスゲン中に残ることになる。ホスゲンは、反応部に再循環される。
新規な方法は、第1級アミンとホスゲンとの反応が起こる反応器、及び反応器の反応排出液が給送される少なくとも1基の膜型蒸発装置を含む製造プラントで行われる。そして反応器の反応排出液が、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在している。
反応器及び膜型蒸発装置に加えて、製造プラントは、一般にさらに従来技術で知られている反応段階、例えば貯蔵容器、混合装置、及び後処理段階を含んでいる。
新規な製造プラントの好ましい態様を、図2に従う一般の工程図に基づいてより詳細に説明する。図2において:
Iは、ホスゲン容器であり、
IIは、アミン容器であり、
IIIは、混合装置であり、
Vは、反応器であり、
VIは、膜型蒸発装置であり、
VIIは、第2の後処理装置であり、
VIIIは、イソシアネート容器であり、
IXは、ホスゲン後処理であり、
Xは、溶剤後処理であり、
1は、ホスゲン供給であり、
2は、アミン供給であり、
3は、不活性溶剤の供給であり、
4は、分離された塩化水素及び不活性溶剤であり
5は、再循環されたイソシアネート流(任意)であり、
6は、排出された塩化水素であり、
7は、分離されたイソシアネートであり、
8、11は、分離された不活性溶剤であり、
9は、後処理された不活性溶剤であり、
10は、後処理されたホスゲンである。
アミン容器IIからのアミン及びホスゲン容器Iからのホスゲンを、適当な混合装置IIIで混合する。任意の態様において、アミンとホスゲンの混合物を、さらに溶剤としての再循環されたイソシアネートと混合する。混合後、混合物を反応器Vに移動する。混合装置と反応装置の両方有する装置、例えばフランジ接続ノズル付き管型反応器も使用することができる。
後処理装置VIは、前述の態様の1つの膜型蒸発装置である。通常、塩化水素及び不活性ガス及び/又は少量のイソシアネート流が、ここでイソシアネート流から分離される。
膜型蒸発装置VIIは、通常の蒸留ユニット又は別の膜型蒸発装置である。第2の分離装置VIIでは、不活性溶剤を分離することが好ましく、その後、後処理され(X)、アミン容器IIに再循環される。
新規な方法及び新規な製造プラントに加えて、本発明は、さらにホスゲン化反応器からの排出液を後処理するために膜型蒸発装置を使用する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させることを特徴とする使用方法に関するものでもある。従って、方法及び製造プラントにおいて前述した好ましい態様は、新規な使用方法にも適用することができる。
ホスゲン化反応器からの反応排出液を後処理するために膜型蒸発装置を使用することは、以下の利点をもたらす:
・全プラントのホスゲン保持量(残留量)を、永久的に低減し、実質的に安全な状態とする。
・製造プラントを、個々の細い装置を個々にチャンバー内に設置できるように設計することができ、全プラントのハウジングを省略することができる。
・投資コストを低減すること、即ちコスト効率を上昇させることができる。
膜型蒸発装置は、以下の機能を有する:
・ホスゲン及びHClの穏やかな蒸発。
・逆混合が実質的に無く、化学反応の重なり(特に塩化カルバミルの所望のイソシアネート及びHClへの分解)のある流れを形成すること。
・蒸発熱及び反応熱の導入。
・ホスゲン、HCl、懸濁固体及び溶解した反応剤の濃度の実質的減少(約0.5%〜0.01ppm)。
ホスゲン化反応器から得られる反応排出液の後処理
0.111kg/秒の質量流速を有する、ホスゲンとトルエンジアミンの混合物のモノクロロベンゼン溶液である流れIIを、内径1.1インチ及び長さ4mの第1の流下薄膜型蒸発缶チューブVIに、上方から液体状態で導入した。その導入前に混合中に形成された気相を分離除去しておいた。その流れはT=70℃の温度を有していた。それは、36質量%のホスゲン、46質量%のMCB、17質量%の塩化カルバミル及び1質量%のHClを含んでいる。4.5バール(絶対;abs)の圧力で、約8.5キロワット(kW)の熱電力(thermal power)を、ケーシングを介して流下薄膜型蒸発缶チューブに送った。蒸気相及び液相を向流で通過させる。液相をコレクタXに集め、第1の流下薄膜型蒸発缶チューブと同寸法の第2の流下薄膜型蒸発缶チューブに上方から供給した。ここでも、4.5バール(絶対;abs)の圧力で、約8.5キロワット(kW)の熱電力を送った。蒸気相及び液相を向流で通過させる。第2の流下薄膜型蒸発缶チューブの蒸気相は、第1の流下薄膜型蒸発缶チューブと通過させなかった。第2の流下薄膜型蒸発缶チューブから取り出された液相は、T=140℃の温度において、8質量%のホスゲン、66質量%のモノクロロベンゼン、12質量%のTDI及び13質量%の塩化カルバミルを含んでおり、その後2.5バールに落として、バルブVIIIを介して容器Vに送った。容器Vから取り出された液体を、長さ6m及び内径1.5インチの第3の流下薄膜型蒸発缶チューブに、さらに後処理を行うために給送した。蒸気相及び液相を向流で通過させた。底部から取り出された液相はコレクタXで集められ、長さ6m及び直径1.5インチの第4の流下薄膜型蒸発缶チューブVIに給送された。2.5バール(abs)の圧力で、約3.9キロワット(kW)の熱電力を流下薄膜型蒸発缶チューブに送った。蒸気相及び液相を向流で通過させた。第4の流下薄膜型蒸発缶チューブの蒸気相は、第3の流下薄膜型蒸発缶チューブと通過させなかった。第4の流下薄膜型蒸発缶チューブから排出された液相は、T=160℃の温度において、なお0.5質量%のホスゲン、68質量%のMCB、27質量%のTDI及び3質量%の塩化カルバミルを含んでいた。液体の排出液を、まず通常の蒸留ホスゲン除去法により蒸留塔に給送し、蒸留によりさらに後処理して純粋なTDIを得た。ホスゲン除去の蒸留では、残存塩化カルバミルもTDIとHClに分解した。
反応排出液の後処理において膜型蒸発装置を使用するための好ましい設計図である。 新規な製造プラントの好ましい態様を示す、一般の工程図である。

Claims (10)

  1. 反応器内で第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させ、その懸濁液を膜型蒸発装置で後処理することを特徴とする方法。
  2. 膜型蒸発装置が、可動部品の無い装置である請求項1に記載の方法。
  3. 膜型蒸発装置が、流下薄膜型蒸発缶である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 蒸留塔を膜型蒸発装置の下流に接続する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 懸濁液を、連続して配置された、異なる圧力レベルで作動する2基以上の膜型蒸発装置で後処理する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 第1の膜型蒸発装置を0.5〜25バールで作動させ、第2の膜型蒸発装置が第1の膜型蒸発装置の圧力より低い0.01〜1バールの圧力を有するようにする請求項5に記載の方法。
  7. 塩化カルバミルが、製造すべきイソシアネートの質量に対して0.01〜35質量%の量で懸濁液中に存在している請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 懸濁液が、追加の固体成分として、アミン塩酸塩及び尿素を含んでいる請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第1級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造するための製造プラントであって、
    第1級アミンとホスゲンとの反応を行う反応器、及び
    液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で反応器内に存在する反応排出液が供給される少なくとも1基の膜型蒸発装置
    を含むことを特徴とする製造プラント。
  10. ホスゲン化反応器からの反応の排出液を後処理するために膜型蒸発装置を使用する方法であって、反応の排出液を、液体としての製造すべきイソシアネート及び固体としての塩化カルバミルを含む懸濁液の形態で存在させることを特徴とする方法。
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