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JP2006352728A - オーディオ装置 - Google Patents

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JP2006352728A
JP2006352728A JP2005178761A JP2005178761A JP2006352728A JP 2006352728 A JP2006352728 A JP 2006352728A JP 2005178761 A JP2005178761 A JP 2005178761A JP 2005178761 A JP2005178761 A JP 2005178761A JP 2006352728 A JP2006352728 A JP 2006352728A
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Maki Katayama
真樹 片山
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Yamaha Corp
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Abstract

【課題】 ディスプレイに表示される人の口元から人の話声の音声が放音されるようにユーザに認識させるオーディオ装置を提供する。
【解決手段】 左右2チャンネルの300L,300Rに同じチャンネルのオーディオ信号を入力するオーディオ装置400であって、左スピーカ300Lに入力するオーディオ信号に対して、左スピーカからリスナの左耳への頭部伝達関数への逆関数に基づく周波数特性を付与するとともに、右スピーカ300Rに入力するオーディオ信号に対して、右スピーカ300Rからリスナの右耳への頭部伝達関数の逆関数に基づく周波数特性を付与する無定位補正部821,822と、左スピーカ300Lからリスナの右耳に到達する音声および右スピーカ300Rからリスナの左耳に到達する音声をキャンセルするための補正をオーディオ信号に対して行うクロストークキャンセル部823,824とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、左右2チャンネルのスピーカにモノラルのオーディオ信号を入力するオーディオ装置に関する。
近年、ホームシアター等、大型ディスプレイとマルチチャンネルスピーカとを組み合わせたシステムが実用化されている。このようなオーディオシステムは、例えば、図4で示すように、表示装置200の配置位置を前方としてリスナの聴取位置lpの前方左側に配置されるスピーカ300Lとリスナの前方右側に配置されるスピーカ300Rとこれらのスピーカ300L,300Rの間(聴取位置の正面)に配置されるスピーカ300Cを備える。
このオーディオシステムでは、オーディオ装置がこれらのスピーカ300L,300Rに対してマルチチャンネルオーディオトラックのオーディオビデオ信号を入力する。すなわち、このオーディオ装置は、スピーカRにrチャンネルのオーディオ信号を、スピーカLにlチャンネルのオーディオ信号を入力するとともに、表示される人物のセリフ用チャンネルであるセンタチャンネルcのオーディオ信号をスピーカ300Cに入力する。これによって、人の話声がスピーカ300Cから放音されるとともに、スピーカ300R,300Lから背景音や効果音、バックミュージック等が放音される。このため、リスナは映画館に居るような臨場感で映像音声を視聴することができる。
また、別のオーディオシステムは、図5に示すようにスピーカ300Cを備えず、フロントスピーカとしてスピーカ300R.300Lのみ備える(例えば特許文献1を参照)。オーディオ装置は、スピーカ300L,300Rの間の位置で定位するように、スピーカ300L,300Rの両方にモノラルでセンタチャンネルcのオーディオ信号を入力する。これによって、このオーディオシステムでは、実際には存在しないセンタスピーカ300Cの位置にセンタチャンネルcのオーディオ信号を定位させる。この様にして、スピーカ300Cの位置に音源があるとリスナに錯覚させて人の話声を放音することが可能となる。
特開平8−51698号公報
上述したように、図4の構成でスピーカ300Cからセンタチャンネルcの音声を放音した場合、センタチャンネルcの音声はスピーカ300の位置に音像が定位する。また、図5のスピーカ300R,300Lにセンタチャンネルcの音声を入力・放音させる構成では、視聴者の聴間的にスピーカ300R,300Lの音量等がバランスする位置に音像が定位する。
いずれにしても、ディスプレイに表示される人物の口元から話声mから話声が発せられているようにセンタチャンネルcの音声を定位させることはできない。
特に、大きいディスプレイを使用したホームシアターシステムでは、壁面にディスプレイを設置し、床面にセンタスピーカ等を設置するため、定位が左右のみではなく上下にも離れているため、画面上の人物の位置と音像の定位位置ずれが大きく、視聴者が違和感を感じる原因になっていた。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、ディスプレイに表示される人の口元から人の話声の音声が放音されるようにユーザに認識させるオーディオ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明では以下の手段を採用している。
(1)本発明は、左右2チャンネルのスピーカに同一チャンネルのオーディオ信号を入力するオーディオ装置であって、左スピーカに入力するオーディオ信号に対して、左スピーカからリスナの左耳への頭部伝達関数への逆関数に基づく周波数特性を付与するとともに、右スピーカに入力するオーディオ信号に対して、右スピーカからリスナの右耳への頭部伝達関数の逆関数に基づく周波数特性を付与する無定位補正部と、左スピーカからリスナの右耳に到達する音声および右スピーカからリスナの左耳に到達する音声をキャンセルするための補正をオーディオ信号に対して行うクロストークキャンセル部と、を備えたことを特徴とするオーディオ装置である。
上記構成では、左右2チャンネルのスピーカに同一チャンネルのオーディオ信号が入力される。ここで、スピーカからリスナの耳口までに距離があると、耳口まで音声が伝達されるまでに、音声が減衰して周波数特性が変わる。これととともに、頭部による反射や回り込み、耳介内での反射などによって音波が干渉を起こし、これによっても周波数特性が変わる。この周波数特性からリスナは音源の方向を認識する。
本発明では、無定位処理部によって、左スピーカに入力するオーディオ信号に対して、左スピーカからリスナの左耳への頭部伝達関数への逆関数に基づく周波数特性が付与される。これとともに、右スピーカに入力するオーディオ信号に対して、右スピーカからリスナの右耳への頭部伝達関数の逆関数に基づく周波数特性が付与される。ここで、頭部伝達関数とは、スピーカからリスナの耳口までの音声の伝達関数である。
これによって、スピーカからリスナの耳口までの音声の減衰のぶんだけスピーカに入力するオーディオ信号の各周波数成分の振幅を大きくすることが可能となる。このため、スピーカからリスナの耳口までの音声の周波数特性をフラットに補正することが可能となり、リスナが聴感に基づいて音源の方向を認識することができなくなる。
また、クロストークキャンセル部によって、このオーディオ信号は、左スピーカからリスナの右耳に到達する音声および右スピーカからリスナの左耳に到達する音声をキャンセルするための補正が行われる。左スピーカからの音声がリスナの右耳に到達するクロストークや右スピーカからの音声がリスナの左耳に到達するクロストークが生じると、リスナは両耳への音声の入力タイミングの違いからスピーカの配置位置を音源であると認識してしまう。ここでは、クロストークをキャンセルするための補正が行われるため、リスナがかかる認識を行うことが防止される。
上述したような補正が、クロストークキャンセル部及び無定位処理部によってオーディオ信号に行われるため、左右スピーカから放音される音声がリスニングルームにおける何れの位置に定位するとリスナが聴感だけによって認識できなくなる。この状態を以下、無定位状態と記載する。ここで、本発明をディスプレイに表示される動画の音声を放音するためのオーディオ装置に適用すると、音声を無定位状態にすることで、リスナは視覚の影響によってディスプレイに表示される人の口元に音源があるように錯覚する。
(2)本発明は、上記オーディオ装置において、前記オーディオ信号は、マルチチャンネルオーディオトラックを含むビデオ信号のセンタチャンネルの信号であることを特徴とする。センタチャンネルの信号は人物のセリフ用チャンネルである。本発明をディスプレイに表示される動画の音声を放音するためのオーディオ装置に適用すると、音声を無定位状態にすることで、視覚の影響によってディスプレイに表示される人の口元にセリフ音源があるようにリスナに錯覚させることが可能となる。
本発明によれば、左右スピーカから放音される音声がリスニングルームにおける何れの位置にも定位しない無定位状態であるとリスナに認識させることができる。ここで、本発明をディスプレイに表示される動画の音声を放音するためのオーディオ装置に適用すると、音声を無定位状態にすることで、視覚の影響によってディスプレイに表示される人の口元に音源があるようにリスナに錯覚させることができる。このため、ディスプレイに表示される人の口元から人の話声の音声が放音されるようにユーザに認識させることができる。
図1及び図2を参照して本発明の実施形態であるオーディオシステム100を詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるオーディオシステム100のスピーカ300の配置とスピーカ300から放音される音声を説明するための図である。
オーディオシステム100は、表示装置200に表示される映像の音声を出力する。このオーディオシステム100は、リスニングルーム内におけるリスナの聴取位置lpの周囲に配置された複数のスピーカ300と、これらのスピーカ300にオーディオ信号を入力するオーディオ装置400とを備える。このオーディオ信号は、マルチチャンネルオーディオトラックを含むビデオ信号から抽出されたオーディオ信号である。また、このビデオ信号から抽出された映像信号は図示しない映像再生装置によって表示装置200に表示される。
複数のスピーカ300は、聴取位置lpの前方左側に配置されたスピーカ300L、前方右側に配置されたスピーカ300R、左側に配置されたスピーカ300LS、右側に配置されたスピーカ300RSからなる。オーディオ装置400は、スピーカ300R,300L,300RS,300LSに対して各スピーカ300に対応するチャンネルr,l,rs,lsのオーディオ信号をそれぞれ入力する。これとともに、オーディオ装置400は、センタチャンネルcのオーディオ信号をスピーカ300R,300Lに入力する。なお、これらの各チャンネルには、対応するスピーカ300と同一の小文字のアルファベットを識別子として付与する。
ここで、センタチャンネルcの信号をスピーカ300R、300Lにそのまま入力すると、図5で示したように、このセンタチャンネルcの音声はスピーカ300Lとスピーカ300Rの間に定位される。本実施形態にかかるオーディオ装置400では、スピーカ300R,300Lに入力するセンタチャンネルcのオーディオ信号を頭部伝達関数に基づいて処理することにより、センタチャンネルcの音声の定位を無くしてしまった。
このように、センタチャンネルcの音声を無定位にしたことにより、リスナは音声そのものに基づいてではなく、視覚に基づいてその音声を定位させるようになる。これによって、リスナはセンタチャンネルcから出力されるセリフを画面に表示される人物の口元mに定位させるようになる。
以下、上述したようなセンタチャンネルcの音声を無定位状態にする機能を備えたことを特徴とするオーディオ装置400の構成を説明する。
図2は、オーディオ装置400の機能を概略的に示すブロック図である。オーディオ装置400は、オーディオインタフェース1、信号処理部2、DA(digital analog)コンバータ3、増幅器4及びコントロール部5を備える。
オーディオインタフェース1は、入力端子6aに接続された図略のAVコンテンツ再生装置から入力端子6aを介してデジタルのオーディオ信号を入力するためのインタフェース回路である。信号処理部2は、オーディオインタフェース1から入力したオーディオ信号を各チャンネルl,r,c,ls,rsに分離し、この分離したオーディオ信号に対してフィルタ処理(周波数特性制御)、スピーカ300への出力レベル、遅延時間の調整等の信号処理を施す。
信号処理部2は、例えばDSP(DigitalSignal Processor)等から成り、信号処理を施したオーディオ信号を、チャンネルl,r,ls,rsについては対応するDAコンバータ3に対して出力する。これとともに、信号処理部2はセンタチャンネルcのオーディオ信号については後述する信号処理部8に入力する。
DAコンバータ3は、入力したデジタルのオーディオ信号をアナログ信号に変換する。DAコンバータ3は各スピーカ300毎に設けられておりスピーカ300Lに対応するものがDAコンバータ31、スピーカRに対応するものがDAコンバータ32、スピーカLSに対応するものがDAコンバータ33、スピーカRSに対応するものがDAコンバータ34である。DAコンバータ31,32には、チャンネルl,rのオーディオ信号が加算部7(61,62)を介して入力される。DAコンバータ33,34にはチャンネルls,rsのオーディオ信号が入力される。
増幅部4(41〜44)は、各スピーカ300毎に設けられており、DAコンバータ3から入力したオーディオ信号の信号レベルを増幅して出力端子6bに接続されたスピーカ300に入力する。これによって、スピーカ300L,300R,300LS,300RSからチャンネルl,r,ls,rsの音声がそれぞれ放音される。
コントロール部5は、メモリ等の記憶部、操作部等のユーザインタフェースとともに、CPU(Central Processing Unit)とからなり、メモリに記憶されるプログラムを実行することで、信号処理部2や後述の信号処理部8の信号処理を含めた本オーディオ装置400の各部の動作を制御する。
また、オーディオ装置400は上述の構成に加えて信号処理部8を備える。信号処理部8は、DSP等で実現され、センタチャンネルcのオーディオ信号が信号処理部2から入力される。信号処理部8は、入力したオーディオ信号に対して上述したようなセンタチャンネルcの音声を無定位状態にするための処理を施した上で加算部7(71,72)に対して出力する。なお、信号処理部8は信号処理部2と同一のDSPで実現してもよい。
以下に、センタチャンネルcの音声を無定位状態にするための処理とこの処理を行うための構成について詳細に説明する。センタチャンネルcの音声を無定位にするためには、無定位補正が必要となる。
ここで、無定位補正とは、スピーカからリスナの両耳に伝達される音声の周波数特性をフラットにし、リスナの聴感に基づく音声の定位感を無くす補正である。スピーカ300はラウドスピーカであるため、スピーカ300からリスナの耳までの距離や方向に応じて音声が減衰し、周波数特性が変化する。また、頭部による反射や回り込み、耳介での反射などによって周波数特性が変化する。この周波数特性の変化に基づいてリスナは経験的に音源の方向や距離を認識する。
したがって、フィルタ処理等により、この音声伝搬による周波数特性の変化をキャンセルしてフラットな特性で音声をリスナの耳に到達させてやると、リスナはその音声の定位を聴感に基づいて認識することができなくなる。一般的に人間は、音声を聴感に基づいて定位できない場合、視野に定位の対象となる映像や物体があると、その映像や物体にその音声が定位していると認識(錯覚)する性質がある。
この実施形態では、この人間の性質を利用し、センタチャンネルcの音声を無定位処理して出力することにより、画面上の人物にセリフの音声が定位しているように認識させるようにしている。
また、この無定位処理した音声をラウドスピーカであるスピーカ300から出力して、リスナに対して聴感上完全に無定位な音声を聴かせるためには、クロストークキャンセル処理が更に必要である。
ここで、クロストークとは、マルチチャンネル(バイノーラル)信号をヘッドフォンでなくラウドスピーカで出力したときに発生する現象である。バイノーラル信号は、リスナの左耳に到達させるべき音声を左スピーカから出力し、リスナの右耳に到達させるべき音声を右スピーカから出力することにより、リスナに対する所定の定位感を実現している。しかし、ラウドスピーカの場合、左スピーカから出力した音声はリスナの右耳にも回り込んで到達し、右スピーカから出力した音声もリスナの左耳に回り込んで到達してしまい(これらの回り込み音声をクロストークという。)、上記所定の定位感等が薄れてしまう。
このため、これらクロストークがリスナの聴感上キャンセルされるような信号をさらに付加して出力することにより、ラウドスピーカを用いてもヘッドフォンと同じように所定の定位感を実現できるようにしている。具体的には、スピーカ300Lから右耳に到達するクロストークをキャンセルする信号をスピーカ300Rから出力し、スピーカ300Rから右耳に到達するクロストークをキャンセルする信号をスピーカ300Lから出力することによって、クロストークをキャンセルする。このクロストーク補正に関して、詳細については後述する。
信号処理部8は、上述したような無定位補正及びクロストークキャンセル補正を行うために、信号分離部81と信号補正部82を備える。信号分離部81は、信号処理部2からcチャンネルのオーディオ信号が入力され、この入力したオーディオ信号からオーディオ信号を4つ生成する。
信号補正部82は、無定位補正のための構成としてlch信号補正部821及びrch信号補正部822を備えるとともに、クロストークキャンセル補正のための構成としてlchクロストークキャンセル部823及びrchクロストークキャンセル部824を備える。これらの各部821,822,823,824は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ等から成り、信号分離部81からオーディオ信号がそれぞれ入力される。
lch信号補正部821は、スピーカ300Lからリスナの左耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が予め設定されている。この頭部伝達関数とは、音源からリスナの耳口までの音声の伝達関数である。図3を参照して、(A)がスピーカ300Lから左耳までの頭部伝達関数で伝達された音声の周波数特性を示す図であり、(B)がこの逆関数に基づく周波数特性を示す図である。このように、lch信号補正部821は、スピーカ300Lに入力するためのセンタチャンネルcのオーディオ信号に対して、(B)で示す周波数特性を付与する。このため、このオーディオ信号がスピーカ300Lから左耳までの頭部伝達関数で伝達されると、(A)で示すように各周波数成分が減衰されるが、この減衰分だけ信号レベルが底上げされることになる。これによって、スピーカ300Lから左耳までのセンタチャンネルcの音声の周波数特性をフラットに補正することができる。
rch信号補正部822は、スピーカ300Rからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が予め設定されている。rch信号補正部822も、lch信号補正部821と同様にして、スピーカ300Rに入力するためのセンタチャンネルcのオーディオ信号に対して、スピーカ300Rからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に基づく周波数特性を付与する。これによって、スピーカ300Rから右耳までのセンタチャンネルcの音声の周波数特性をフラットに補正することができる。lch信号補正部821、rch信号補正部822は無定位補正を施したオーディオ信号を対応する加算部9(91,92)に入力する。
lchクロストークキャンセル部823は、スピーカ300Rからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数とスピーカ300Rからリスナの左耳までの頭部伝達関数の逆関数とを乗じたものに対応するフィルタ係数が予め設定されている。ここで、スピーカ300Rからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されているのは、rch信号補正部822での補正によってスピーカ300Rに出力される音声信号にはスピーカ300Rからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ特性が付与されているからである。このフィルタ特性と同様のフィルタ特性を付与することで、スピーカ300Rに入力される音声信号と同様の処理が施された音声信号が生成される。
また、スピーカ300Rからリスナの左耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されているのは、スピーカ300Rから左耳までのセンタチャンネルcの音声の周波数特性をフラットに補正するためである。図3を参照して、(C)がスピーカ300Rから左耳までの頭部伝達関数で伝達された音声の周波数特性を示す図であり、(D)がこの逆関数に基づく周波数特性を示す図である。このように、lchクロストークキャンセル部823は、センタチャンネルcのオーディオ信号に対して、(D)で示す周波数特性を付与する。
これによって、このオーディオ信号がスピーカ300Rから左耳までの頭部伝達関数で伝達されると(C)で示すように減衰するが、この減衰分だけ信号レベルが底上げされる。このため、スピーカ300Rから左耳までのセンタチャンネルcの音声の周波数特性をフラットに補正することができる。この補正によって、入力されたオーディオ信号はスピーカ300Rから放音されて左耳に到達するクロストーク成分をキャンセルするための音声信号(クロストークキャンセル信号)となる。
また、rchクロストークキャンセル部824は、スピーカ300Lからリスナの左耳までの頭部伝達関数の逆関数とスピーカ300Lからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が予め設定されている。rchクロストークキャンセル部824も、lchクロストークキャンセル部823と同様にして、スピーカ300Lからリスナの左耳までの頭部伝達関数の逆関数及びスピーカ300Lからリスナの右耳までの頭部伝達関数の逆関数に基づくフィルタ特性をセンタチャンネルcのオーディオ信号に対して付与する。これによって、オーディオ信号はスピーカ300Lから放音されて右耳に到達するクロストーク成分をキャンセルするための音声信号(クロストークキャンセル信号)となる。
lchクロストークキャンセル部823及びrchクロストークキャンセル部rchは、補正後のオーディオ信号を対応する加算部9(91,92)に入力する。
加算部91はlchクロストークキャンセル部823からのクロストークキャンセル信号をlch信号補正部821から入力されたオーディオ信号に加算する(加算した後の信号を以下「オーディオ信号x1」と記載する)。このオーディオ信号x1は加算部91から加算部71に入力される。
また、加算部92は、rchクロストークキャンセル部824からのクロストークキャンセル信号をrch信号補正部822から入力されたオーディオ信号に加算する(加算した後の信号を以下「オーディオ信号x2」と記載する)。このオーディオ信号x2が加算部92から加算部72に入力される。
オーディオ信号x1は加算部71でチャンネルlのオーディオ信号に加算されて、DAコンバータ31及び増幅部41を介してスピーカ300Lに入力される。また、オーディオ信号x2は加算部72でチャンネルrのオーディオ信号に加算されて、DAコンバータ32及び増幅部42を介してスピーカ300Rに入力される。これによって、オーディオ信号x1の音声がチャンネルlの音声とともにスピーカ300Lから放音されてリスナの左耳に到達する。また、オーディオ信号x2の音声がチャンネルrの音声とともにスピーカ300Rから放音されてリスナの右耳に到達する。
ここで、左耳にはスピーカ300Rからのクロストーク音声も到達し、右耳にはスピーカ300Lからのクロストーク音声も到達する。しかしながら、オーディオ信号x1には加算部91でこのスピーカ300Rからのクロストークキャンセル信号が加算されている。また、オーディオ信号x2からは加算部92でスピーカ300Lからのクロストークキャンセル信号が加算されている。これによってクロストーク成分が打ち消され、スピーカ300Rから左耳へのクロストークもスピーカ300Lから右耳へのクロストークも生じない。
なお、上述したlch信号補正部821、rch信号補正部822、lchクロストークキャンセル部823及びrchクロストークキャンセル部824のフィルタ係数は、例えば以下のように算出されて予め設定される。事前準備として、リスニングルームにおいてリスナが聴取位置lpに位置する状態でリスナの両耳にマイクロフォン(図略)を取り付ける。オーディオ装置400はこのマイクロフォンを接続して、このマイクロフォンからの信号が入力されるように準備する。
この状態で、リスナからの指示があったときに、オーディオ装置400はスピーカ300L,300Rに対してテスト用音声のオーディオ信号(テスト用音声信号)を順番に入力する。ここでは、周波数の異なる複数種類のテスト用音声信号が、所定時間間隔毎に切り換えられてスピーカ300L,300Rに入力される。マイクロフォンから入力された複数種類の周波数のテスト用音声信号を解析することで、オーディオ装置400はスピーカ300Rからリスナの右耳への頭部伝達関数及びスピーカ300Lからリスナの左耳への頭部伝達関数を解析することができる。
オーディオ装置400は、この頭部伝達関数に対応するフィルタ係数を算出して、上述した各部821、822、823及び824に設定する。なお、フィルタ係数は、オーディオ装置400の出荷前に製造業者によって上述した処理が実行される等の他の方法で算出されてもよい。この場合には、予め定められたスピーカ300R,300Lとの位置関係に聴取位置lpを設定しなくてはならない。
上記構成によって、本実施形態にかかるオーディオ装置400は、クロストークキャンセル補正と無定位補正とをセンタチャンネルcのオーディオ信号に行うことで、センタチャンネルcの音声を無定位状態にすることができる。これによって、表示装置200で表示される人の口元mにcチャンネルの音源があるようにリスナに錯覚させることができる。
本実施形態は、以下の変形例を採用することができる。
(1)本実施形態では、チャンネルls,rsをスピーカ300LS,300RSに入力しているが、この構成に限定されない。チャンネルls,rsについてもスピーカ300L,300Rに入力し、チャンネルls,rsの音声がバーチャルスピーカから放音されるようにしてもよい。
(2)本実施形態では、5チャンネルでオーディオ信号をスピーカ300に入力する構成であるが、チャンネル数はこれに限定されない。リスナの正面から見て左右方向に並べて配置された2台のスピーカに人のセリフに対応する少なくとも1チャンネルの音声信号が入力される構成であれば何チャンネルを入力する構成であってもよい。
(3)本実施形態では、センタチャンネルcのオーディオ信号を入力するためのスピーカとしてスピーカ300L,300Rを用いているが、他のスピーカ300を用いても良い。例えば、スピーカ300RS,300LSをフロントに配置して、これらのスピーカ300RS,300LSにモノラルでセンタチャンネルcのオーディオ信号を入力する構成等を採用してもよい。
(4)本実施形態では、オーディオ装置400がクロストークキャンセル補正をオーディオ信号に施すことでクロストークキャンセルを防止しているが、他の方法によってクロストークキャンセルを防止してもよい。例えば、狭い指向性を持つスピーカをセンタチャンネルc用のスピーカとして用いて、クロストークキャンセルを防止する構成であってもよい。この構成では、右スピーカからの音声をリスナの右耳のみに到達させる角度で右スピーカが配置され、左スピーカからの音声をリスナの左耳のみに到達させるような角度で左スピーカが配置される。
(5)本実施形態では、cチャンネルの音声を無定位状態にする構成であるが、この構成に限定されず、人のセリフのチャンネルの音声を無定位状態にする構成であればよい。
(6)本実施形態では、リスナが動く等によって聴取位置lpを変更した場合に、変更後の聴取位置lpではセンタチャンネルcの音声が無定位状態にならない。これに対して本発明では、聴取位置lpの変更すなわち頭部伝達関数の変更に追随して信号補正部82のフィルタ係数を変更する構成を採用してもよい。この場合には、例えば予めリスニングルーム内の複数箇所で頭部伝達関数を測定し、この頭部伝達関数に基づいたフィルタ係数を測定位置の情報とともにコントロール部5が記憶する。そして、オーディオ信号の再生時には、オーディオ装置400は、リスナに取り付けた位置センサ等からリスナの位置を随時入力する。そして、コントロール部5がこの入力した位置に対応するフィルタ係数を、記憶するフィルタ係数及び測定位置情報から求めて信号補正部82のフィルタに設定する。
本実施形態にかかるオーディオシステムのスピーカの配置とこれらのスピーカから放音される音声を説明するための図である。 図2は、オーディオ装置の機能を示すブロック図である。 信号補正部の信号補正を説明するための図である。 従来のオーディオシステムを説明するための図である。 図4で示すオーディオシステムとは別の従来のオーディオシステムを説明するための図である。
符号の説明
3−DAコンバータ 300L,300R−スピーカ(左右スピーカ) 400−オーディオ装置 821−lch信号補正部(無定位処理部) 822−rch信号補正部(無定位処理部) 823−lchクロストークキャンセル部 824−rchクロストークキャンセル部 l,r,c,ls,rs−チャンネル

Claims (2)

  1. 左右2チャンネルのスピーカに同一チャンネルのオーディオ信号を入力するオーディオ装置であって、
    左スピーカに入力するオーディオ信号に対して、左スピーカからリスナの左耳への頭部伝達関数への逆関数に基づく周波数特性を付与するとともに、右スピーカに入力するオーディオ信号に対して、右スピーカからリスナの右耳への頭部伝達関数の逆関数に基づく周波数特性を付与する無定位処理部と、
    左スピーカからリスナの右耳に到達する音声および右スピーカからリスナの左耳に到達する音声をキャンセルするための補正をオーディオ信号に対して行うクロストークキャンセル部と、
    を備えたことを特徴とするオーディオ装置。
  2. 前記オーディオ信号は、マルチチャンネルオーディオトラックを含むビデオ信号のセンタチャンネルの信号であることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
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