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JP2006351954A - 積層型コモンモードフィルタ - Google Patents

積層型コモンモードフィルタ Download PDF

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JP2006351954A
JP2006351954A JP2005178209A JP2005178209A JP2006351954A JP 2006351954 A JP2006351954 A JP 2006351954A JP 2005178209 A JP2005178209 A JP 2005178209A JP 2005178209 A JP2005178209 A JP 2005178209A JP 2006351954 A JP2006351954 A JP 2006351954A
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JP2005178209A
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Kuniyasu Watanabe
邦保 渡邉
Osami Kumagai
修美 熊谷
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TDK Corp
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TDK Corp
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Abstract

【課題】 浮遊容量を小さくして高周波特性を向上させることが可能な積層型コモンモードフィルタを提供すること。
【解決手段】 第1の導体22は、スパイラル形状を呈し、第1の端子電極に接続される。第2の導体23は、第1の導体22の内側端部に対応する位置から第2の端子電極まで伸びて当該第2の端子電極に接続されると共に、第1の導体22よりもインダクタンス値が低い。第3の導体32は、スパイラル形状を呈し、第3の端子電極に接続される。第4の導体33は、第3の導体32の内側端部に対応する位置から第4の端子電極まで伸びて当該第2の端子電極に接続されると共に、第3の導体32よりもインダクタンス値が低い。第2及び第4の導体23,33が、積層方向において第1の導体22と第3の導体32との間に位置すると共に、互いに異なる絶縁体11,12間及び絶縁体12,13間に位置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、積層型コモンモードフィルタに関する。
この種の積層型コモンモードフィルタとして、複数の絶縁体が積層された積層体と、積層体に形成された第1〜第4の端子電極と、積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第1及び第2の導体を含む第1のコイルと、積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第3及び第4の導体を含む第2のコイルと、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
更に、特許文献1に記載された積層型コモンモードフィルタには、以下の構成が記載されている。第1の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が第1の端子電極に接続されている。第2の導体は、第1の導体の内側端部に対応する位置から第2の端子電極まで伸びて当該第2の端子電極に接続されると共に、第1の導体よりもインダクタンス値が低い。第3の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が第3の端子電極に接続されている。第4の導体は、第3の導体の内側端部に対応する位置から第4の端子電極まで伸びて当該第4の端子電極に接続されると共に、第3の導体よりもインダクタンス値が低い。第2及び第4の導体は、複数の絶縁体の積層方向(以下、場合によっては、単に「積層方向」と称する。)において第1の導体と第3の導体との間に位置すると共に、複数の絶縁体のうち同じ絶縁体間に位置している。
特開平8−203737号公報(特許第3601619号公報)
特許文献1に記載された積層型コモンモードフィルタでは、第1及び第3の導体はスパイラル状とされるため、第1及び第3の導体におけるコイル面積は比較的大きなものなる。このため、第1の導体と第3の導体とを複数の絶縁体の積層方向において近づけて位置させると、第1の導体と第3の導体との間に発生する浮遊容量が大きくなってしまう。浮遊容量が大きくなると、低い周波数にて共振が起こり、結果的に高周波特性が低下することとなる。
本発明は、浮遊容量を小さくして高周波特性を向上させることが可能な積層型コモンモードフィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る積層型コモンモードフィルタは、複数の絶縁体が積層された積層体と、積層体に形成された第1〜第4の端子電極と、積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第1及び第2の導体を含む第1のコイルと、積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第3及び第4の導体を含む第2のコイルと、を備え、第1の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が第1の端子電極に接続され、第2の導体は、第1の導体の内側端部に対応する位置から第2の端子電極まで伸びて当該第2の端子電極に接続されると共に、第1の導体よりもインダクタンス値が低く、第3の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が第3の端子電極に接続され、第4の導体は、第3の導体の内側端部に対応する位置から第4の端子電極まで伸びて当該第4の端子電極に接続されると共に、第3の導体よりもインダクタンス値が低く、第2及び第4の導体は、複数の絶縁体の積層方向において第1の導体と第3の導体との間に位置すると共に、複数の絶縁体のうち互いに異なる絶縁体間に位置することを特徴とする。
本発明に係る積層型コモンモードフィルタでは、第2及び第4の導体が、複数の絶縁体の積層方向において第1の導体と第3の導体との間に位置すると共に、複数の絶縁体のうち互いに異なる絶縁体間に位置するので、第1の導体と第3の導体との積層方向での間隔が比較的大きなものとなる。特許文献1に記載された積層型コモンモードフィルタに比して、第1の導体と第3の導体との積層方向での間隔は、第2の導体と第4の導体との間に位置する絶縁体の厚み分だけ大きくなる。これにより、第1の導体と第3の導体との間に発生する浮遊容量を小さくでき、高周波特性を向上することができる。
好ましくは、第1の導体の内側端部と第3の導体の内側端部とは、積層方向から見てずれて位置している。この場合、第1のコイル(第1の導体及び第2の導体)と第2のコイル(第3の導体及び第4の導体)とにおける、積層方向から見て重なり合う領域の面積が少なくなり、第1のコイルと第2のコイルとの間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。この結果、高周波特性をより一層向上することができる。
好ましくは、第1の導体と第3の導体との積層方向での間隔が、20μm以上に設定されている。この場合、第1の導体と第3の導体との間に発生する浮遊容量を約3.4pF以下にできる。
好ましくは、複数の絶縁体のうち、第1の導体から第3の導体までの間に位置する絶縁体が非磁性体であり、残りの絶縁体が磁性体である。この場合、ディファレンシャルモードのインピーダンスが低減されることとなり、高周波数帯域に対応可能な積層型コモンモードフィルタを得ることができる。
また、好ましくは、積層体は、第1〜第4の導体を囲むように位置する第1の部分と、当該第1の部分を積層方向で挟むように位置する第2の部分とを含んでおり、複数の絶縁体のうち、第1の部分に含まれる絶縁体が非磁性体であり、残りの絶縁体が磁性体である。この場合、ディファレンシャルモードのインピーダンスがより一層低減されることとなり、更に高周波数帯域に対応可能な積層型コモンモードフィルタを得ることができる。
本発明によれば、浮遊容量を小さくして高周波特性を向上させることが可能な積層型コモンモードフィルタを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「上」及び「下」なる語を使用することがあるが、これは各図の上下方向に対応したものである。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタCFの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの断面構成を説明するための模式図である。図3は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタに含まれる、素体を分解して示した構成図である。
積層型コモンモードフィルタCFは、図1〜図3に示されるように、直方体形状の素体1と、第1及び第2のコイル21,31と、素体1の側面に形成された第1〜第4の端子電極3〜6とを備えている。第1及び第2のコイル21,31は、素体1内に配されている。第1のコイル21は、第1の端子電極3と第2の端子電極4とに電気的に接続される。第2のコイル31は、第3の端子電極5と第4の端子電極6とに電気的に接続される。第1のコイル21と、第2のコイル31とは、互いに磁気結合する。
素体1は、図3に示すように、複数(本実施形態においては、9層)の絶縁体11〜19が積層されることにより構成される積層体である。実際の積層型コモンモードフィルタCFは、絶縁体11〜19間の境界が視認できない程度に一体化されている。絶縁体11〜19は、グリーンシートが焼成されることにより、構成される。
第1のコイル21は、第1の導体22と、第2の導体23とを有する。第1の導体22は、絶縁体11上に位置する。第1の導体22は、スパイラル形状を呈している。第1の導体22の外側端部は、素体1の側面まで引き出されて当該側面に露出しており、第1の端子電極3に接続される。第1の導体22の外側端部は、引き出し導体として機能する。
絶縁体11における第1の導体22の内側端部に対応する位置には、絶縁体11を厚み方向に貫通するスルーホール導体41が形成されている。第1の導体22は、その内側端部においてスルーホール導体41に電気的に接続されている。
第2の導体23は、絶縁体12上に位置している。これにより、第1の導体22と、第2の導体23とは、異なる層に位置することとなる。第2の導体23の一端部は、素体1の側面(第1の導体22の外側端部が引き出される側面に対向する側面)まで引き出されて当該側面に露出しており、第2の端子電極4に接続される。第2の導体23の他端部は、スルーホール導体41が形成された位置、すなわち第1の導体22の内側端部に対応する位置まで伸びている。第2の導体23は、第1の導体22よりも線路長が短く、インダクタンス値が低い。第2の導体23の一端部は、引き出し導体として機能する。
第2の導体23の他端部は、絶縁体11,12が積層された状態でスルーホール導体41と電気的に接続される。これにより、第1の導体22及び第2の導体23は、相互に電気的に接続され、第1のコイル21を構成することとなる。
第2のコイル31は、第3の導体32と、第4の導体33とを有する。第3の導体32は、絶縁体14上に位置する。第3の導体32は、スパイラル形状を呈している。第3の導体32の外側端部は、素体1の側面(第1の導体22の外側端部が引き出される側面)まで引き出されて当該側面に露出しており、第3の端子電極5に接続される。第3の導体32の外側端部は、引き出し導体として機能する。
絶縁体13における第3の導体32の内側端部に対応する位置には、絶縁体13を厚み方向に貫通するスルーホール導体43が形成されている。スルーホール導体43は、絶縁体13,14が積層された状態で第3の導体32の内側端部と電気的に接続される。
第4の導体33は、絶縁体13上に位置している。これにより、第3の導体32と、第4の導体33とは、異なる層に位置することとなる。第4の導体33の一端部は、素体1の側面(第1及び第3の導体22,32の外側端部が引き出される側面に対向する側面)まで引き出されて当該側面に露出しており、第4の端子電極6に接続される。第4の導体33の他端部は、スルーホール導体43が形成された位置、すなわち第3の導体32の内側端部に対応する位置まで伸びている。第4の導体33は、第3の導体32よりも線路長が短く、インダクタンス値が低い。第4の導体33の一端部は、引き出し導体として機能する。
第4の導体33の他端部は、その一端部においてスルーホール導体43に電気的に接続されている。これにより、第3の導体32及び第4の導体33は、相互に電気的に接続され、第2のコイル31を構成することとなる。
第1の導体22と第3の導体32とは、当該各導体22,32におけるスパイラル状の部分の殆どが絶縁体11〜19の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)から見て互いに重なるように伸びている。本実施形態では、第1の導体22の内側端部と第3の導体32の内側端部とは、積層方向から見て同じ位置となっている。
積層型コモンモードフィルタCFは、上述したように、第1の導体22は絶縁体11上に位置し、第2の導体23は絶縁体12上に位置し、第4の導体33は絶縁体13上に位置し、第3の導体32は絶縁体14上に位置している。したがって、第2の導体23及び第4の導体33は、積層方向において第1の導体22と第3の導体32との間に位置することとなる。また、第2の導体23は絶縁体11と絶縁体12との間に位置し、第4の導体33は絶縁体12と絶縁体13との間に位置し、第2の導体23と第4の導体33とは、互いに異なる絶縁体11,12間及び絶縁体12,13間に位置することとなる。
第1の導体22と第3の導体32との間には、3層の絶縁体11,12,13が存在する。これにより、第1の導体22と第3の導体32とは、積層方向に見て、3層の絶縁体11,12,13の厚みに対応する間隔G1を有して配置されることとなる。第1の導体22と第3の導体32との間隔G1は、第1のコイル21と第2の31とが磁気結合し得る長さに設定される。第1の導体22と第3の導体32との間隔G1は、80μm以下に設定されることが好ましい。第1の導体22と第3の導体32との間隔G1が80μmより大きくなると、第1のコイル21と第2の31との磁気結合が弱くなり、コモンモードフィルタとしての特性を確保できなくなるためである。
第2の導体23と第4の導体33との間には、1層の絶縁体12が存在する。これにより、第2の導体23と第4の導体33とは、積層方向に見て、1層の絶縁体12の厚みに対応する間隔G2を有して配置されることとなる。
絶縁体15〜17は、絶縁体11の上に位置しており、第1の導体22を保護するためのベース層として機能する。絶縁体18,19は、絶縁体14の下に位置している。絶縁体15〜19は、素体1の厚みを所定の寸法に調整するためのものでもある。絶縁体15〜17の数は3層に限られるものではなく、1層でも2層でもよく、また4層以上であってもよい。絶縁体18,19も、2層に限られることなく、積層しなくてもよい。
続いて、積層型コモンモードフィルタCFの作製方法について説明する。
まず、絶縁体11〜13を構成することとなる非磁性体グリーンシートを用意する。非磁性体グリーンシートは、例えばFeとZnOとCuOとの混合粉を原料としたスラリーをフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。非磁性体グリーンシートの厚みは、例えば18μm程度に設定することができる。FeとZnOとCuOとの混合粉の代わりに、誘電体材料(TiOとCuOとNiOとMnCOとの混合粉等)や、酸化物セラミック材料(Al、SiO、ZrO、フォルステライト、ステアタイト、コージライト等、またはこれらの混合粉)を用いてもよい。
また、絶縁体14〜19を構成することとなる磁性体グリーンシートを用意する。磁性体グリーンシートは、例えばフェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又は、Ni−Cu系フェライト等)粉末を原料としたスラリーをフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。磁性体グリーンシートの厚みは、例えば20μm程度である。
次に、絶縁体11,13を構成することとなる各非磁性体グリーンシートの所定の位置、すなわちスルーホール導体41,43を形成する予定位置に、レーザー加工等によってスルーホールを形成する。
次に、絶縁体11〜14を構成することとなる各グリーンシートに、第1〜第4の導体22,23,32,33に対応する導体パターンを形成する。各導体パターンは、例えば、銀もしくはニッケルを主成分とする導体ペースト(導電体材料)をスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。各スルーホールには、各導体パターンを形成する際に、導体ペーストが充填されることとなる。
次に、各グリーンシートを順次積層して圧着し、チップ単位に切断した後に所定温度(例えば、800〜900度)にて焼成する。これにより、素体1が形成されることとなる。素体1は、例えば、完成後における長手方向の長さが1.25mm、幅が1.0mm、高さが0.5mmとなるようにする。第1〜第4の導体22,23,32,33の焼成後における幅は、例えば50μm程度に設定される。第1〜第4の導体22,23,32,33の焼成後における厚みは、例えば12μm程度に設定される。
次に、この素体1に第1〜第4の端子電極3〜6を形成する。これにより、積層型コモンモードフィルタCFが得られることとなる。第1〜第4の端子電極3〜6は、素体1の外面に銀、ニッケルもしくは銅を主成分とする電極ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、Cu/Ni/Sn、Ni/Sn、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、又は、Ni/Ag等を用いることができる。なお、積層型コモンモードフィルタCFのコモンモードインピーダンスは、例えば90Ωに設定することができる。
以上のように、本実施形態においては、第2及び第4の導体23,33が、積層方向において第1の導体22と第3の導体32との間に位置すると共に、互いに異なる絶縁体11,12間及び絶縁体12,13間に位置するので、第1の導体22と第3の導体32との積層方向での間隔が比較的大きなものとなる。特許文献1に記載された積層型コモンモードフィルタに比して、第1の導体22と第3の導体32との積層方向での間隔は、第2の導体23と第4の導体33との間に位置する絶縁体12の厚み分だけ大きくなる。これにより、第1の導体22と第3の導体23との間に発生する浮遊容量を小さくでき、積層型コモンモードフィルタCFの高周波特性を向上することができる。
第2の導体23と第4の導体33との間にも浮遊容量は発生する。しかしながら、第1及び第3の導体22,32は第2及び第4の導体23,33よりも導体面積が極めて大きく、第1のコイル21と第2のコイル31の間に発生する浮遊容量は第1の導体22と第3の導体23との間に発生する浮遊容量が支配的になる。
ところで、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタCFでは、複数の絶縁体11〜19のうち、第1の導体22から第3の導体32までの間に位置する絶縁体11〜13が非磁性体であり、残りの絶縁体14〜19が磁性体である。第1の導体22と第3の導体32とは、磁性体にも接することとなる。これにより、ディファレンシャルモードのインピーダンスが低減されることとなり、高周波数帯域に対応可能なコモンモードフィルタを得ることができる。
本実施形態において、絶縁体11〜14,17を非磁性体とし、絶縁体15,16,18,19を磁性体としてもよい。この場合、図4に示されるように、素体1における第1のコイル21(第1及び第2の導体22,23)及び第2のコイル31(第3及び第4の導体32,33)を囲むように位置する第1の部分1aに含まれる絶縁体11〜14,17は非磁性体であり、絶縁体11〜14,17を積層方向で挟むように位置する第2の部分1bに含まれる絶縁体15,16,18,19は磁性体となる。すなわち、第1のコイル21の各導体22,23と、第2のコイル31の各導体32,33とは、非磁性体に接することとなる。第1の導体22と第3の導体32とは、磁性体に接することはない。この結果、ディファレンシャルモードのインピーダンスがより一層低減されることとなり、更に高周波数帯域に対応可能なコモンモードフィルタを得ることができる。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタCFの変形例の構成を説明する。図5は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの変形例の断面構成を説明するための模式図である。図6は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの変形例に含まれる素体を分解して示した構成図である。変形例に係る積層型コモンモードフィルタCFは、第1〜第4の導体22,23,32,33の形状に関して上述した実施形態に係る積層型コモンモードフィルタCFと相違する。
変形例に係る積層型コモンモードフィルタCFは、図1に示された積層型コモンモードフィルタCFと同じく、素体1と、第1及び第2のコイル21,31と、第1〜第4の端子電極3〜6とを備えている。第1のコイル21は、第1の導体22と、第2の導体23とを有する。第2のコイル31は、第3の導体32と、第4の導体33とを有する。
本変形例では、第1の導体22の内側端部と第3の導体32の内側端部とは、積層方向から見てずれて位置している。すなわち、スルーホール導体41の位置とスルーホール導体43の位置とが積層方向から見てずれている。これにより、本変形例では、第1のコイル21(第1の導体22及び第2の導体23)と第2のコイル31(第3の導体32及び第4の導体33)とにおける、積層方向から見て重なり合う領域の面積が少なくなる。これにより、第1のコイル21と第2のコイル31との間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。この結果、積層型コモンモードフィルタCFの高周波特性をより一層向上することができる。
ここで、第1の導体22と第3の導体32との積層方向での間隔G1と、第1の導体22と第3の導体32との間に発生する浮遊容量CSとの関係について、説明する。
本発明者等は、間隔G1と、浮遊容量CSとの関係を明らかにするために、以下のような実験をおこなった。すなわち、間隔G1が異なる積層型コモンモードフィルタのサンプルを5つ(サンプル1〜5)準備して、各サンプル1〜5の浮遊容量CSを測定した。その測定結果を、図7の表に示す。各サンプル1〜5とも、検体数を60個とし、コモンモードインピーダンスが90Ωとなるように設計している。
サンプル1は、本実施形態の積層型コモンモードフィルタCFと同じ構成の積層型コモンモードフィルタを用いた。間隔G1は、約14μmに設定した。
サンプル2は、本実施形態の積層型コモンモードフィルタCFと同じ構成の積層型コモンモードフィルタを用いた。間隔G1は、約20μmに設定した。
サンプル3は、本実施形態の積層型コモンモードフィルタCFと同じ構成の積層型コモンモードフィルタを用いた。間隔G1は、約30μmに設定した。
サンプル4は、本実施形態の積層型コモンモードフィルタCFと同じ構成の積層型コモンモードフィルタを用いた。間隔G1は、約40μmに設定した。
サンプル5は、本実施形態の変形例の積層型コモンモードフィルタCFと同じ構成の積層型コモンモードフィルタを用いた。間隔G1は、約41μmに設定した。
図7に示される測定結果から分かるように、間隔G1を20μm以上に設定することにより、浮遊容量CSを約3.4pF以下にできることがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。
本実施形態及びその変形例では、第1の導体22と第3の導体32とをそれぞれ1層としているが、これに限られない。各コイル21,31のインピーダンスを大きくするために、第1及び第3の導体22,32を2層以上としてもよい。この場合、2層以上とされた第1及び第3の導体22,32は、スルーホール導体等を介して電気的に接続されることとなる。
第1及び第3の導体22,32は、引き出し導体として機能する部分を、別体に形成して、異なる層に位置させてもよい。この場合、第1及び第3の導体22,32と引き出し導体として機能する部分とは、スルーホール導体等を介して電気的に接続されることとなる。
第1の導体22と第2の導体23との間隔、第2の導体23と第3の導体32との間隔、及び、第3の導体32と第4の導体33との間隔は、1層の絶縁体の厚みに対応する間隔とされているが、これに限られない。各間隔を、2層以上の絶縁体の厚みに対応する間隔としてもよい。
本発明は、第1のコイル21及び第2のコイル31を複数組有する積層型コモンモードフィルタアレイにも適用することができる。また、本発明は、上述したグリーンシート積層技術により製造された積層型コモンモードフィルタアレイだけでなく、印刷技術や薄膜技術等により製造された積層型コモンモードフィルタアレイにも適用できる。
本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタを示す斜視図である。 本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの断面構成を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタに含まれる、素体を分解して示した構成図である。 本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの断面構成を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの変形例の断面構成を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの変形例に含まれる素体を分解して示した構成図である。 第1の導体と第3の導体との積層方向での間隔と、第1の導体と第3の導体との間に発生する浮遊容量との関係を示す図表である。
符号の説明
CF…積層型コモンモードフィルタ、1…素体、1a…第1の部分、1b…第2の部分、3〜6…第1〜第4の端子電極、11〜19…絶縁体、21…第1のコイル、22…第1の導体、23…第2の導体、31…第2のコイル、32…第3の導体、33…第4の導体、41,43…スルーホール導体。

Claims (5)

  1. 複数の絶縁体が積層された積層体と、
    前記積層体に形成された第1〜第4の端子電極と、
    前記積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第1及び第2の導体を含む第1のコイルと、
    前記積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第3及び第4の導体を含む第2のコイルと、を備え、
    前記第1の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が前記第1の端子電極に接続され、
    前記第2の導体は、前記第1の導体の内側端部に対応する位置から前記第2の端子電極まで伸びて当該第2の端子電極に接続されると共に、前記第1の導体よりもインダクタンス値が低く、
    前記第3の導体は、スパイラル形状を呈すると共に、外側端部が前記第3の端子電極に接続され、
    前記第4の導体は、前記第3の導体の内側端部に対応する位置から前記第4の端子電極まで伸びて当該第4の端子電極に接続されると共に、前記第3の導体よりもインダクタンス値が低く、
    前記第2及び第4の導体は、前記複数の絶縁体の積層方向において前記第1の導体と前記第3の導体との間に位置すると共に、前記複数の絶縁体のうち互いに異なる絶縁体間に位置することを特徴とする積層型コモンモードフィルタ。
  2. 前記第1の導体の内側端部と前記第3の導体の内側端部とは、前記積層方向から見てずれて位置していることを特徴とする請求項1に記載の積層型コモンモードフィルタ。
  3. 前記第1の導体と前記第3の導体との前記積層方向での間隔が、20μm以上に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層型コモンモードフィルタ。
  4. 前記複数の絶縁体のうち、前記第1の導体から前記第3の導体までの間に位置する絶縁体が非磁性体であり、残りの絶縁体が磁性体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の積層型コモンモードフィルタ。
  5. 前記積層体は、前記第1〜第4の導体を囲むように位置する第1の部分と、当該第1の部分を前記積層方向で挟むように位置する第2の部分とを含んでおり、
    前記複数の絶縁体のうち、前記第1の部分に含まれる絶縁体が非磁性体であり、残りの絶縁体が磁性体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の積層型コモンモードフィルタ。
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