JP2006347961A - 粉末状ビタミンe製剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】賦形剤として加工澱粉を使用し、且つ得られた粉末が自由流動性を有する粉末状ビタミンE製剤の製造方法を提供する。
【解決手段】抽出ビタミンEを含有する油相と、15質量%に調整した水溶液の粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と15質量%に調整した水溶液の粘度が100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを含有する水相とを乳化し、得られた水中油型乳化組成物を乾燥処理することを特徴とする粉末状ビタミンE製剤の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】抽出ビタミンEを含有する油相と、15質量%に調整した水溶液の粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と15質量%に調整した水溶液の粘度が100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを含有する水相とを乳化し、得られた水中油型乳化組成物を乾燥処理することを特徴とする粉末状ビタミンE製剤の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、粉末状ビタミンE製剤の製造方法に関する。
従来、脂溶性のビタミン類を粉末化する方法として、脂溶性のビタミン類をアラビアガムあるいはゼラチンを含む水溶液に加えて乳化し、得られた乳化液を噴霧乾燥する方法が主として用いられている。しかし、アラビアガムには原料事情に問題があり、またゼラチンにはアレルゲン表示の問題があることから、近年これらに替わるものとして加工澱粉を用いた方法が提案されている。それらは、例えば、油溶性物質および化工澱粉を水に加えて乳化し、乳化液を乾燥することを特徴とする乳化粉末の製造方法(特許文献1参照)、脂溶性物質、加工澱粉および糖類に水を加えて乳化し、該乳化液を乾燥した乳化粉末の製造方法(特許文献2参照)などである。
しかし、上記の方法で得られる粉末製剤の流動性は必ずしも良いとは言えず、流動性改善のために例えば含水二酸化ケイ素などの流動性付与物質を配合することが必要であった。
本発明は、賦形剤として加工澱粉を使用し、且つ得られた粉末が自由流動性を有する粉末状ビタミンE製剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して鋭意、検討を行った結果、粘度の異なる二種類のアルケニルコハク酸エステル化澱粉を賦形剤として抽出ビタミンEを粉末化することにより、流動性に優れた粉末状ビタミンE製剤が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)抽出ビタミンEを含有する油相と、15質量%に調整した水溶液の粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と
15質量%に調整した水溶液の粘度が100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを含有する水相とを乳化し、得られた水中油型乳化組成物を乾燥処理することを特徴とする粉末状ビタミンE製剤の製造方法、
(2)乾燥処理が噴霧乾燥であることを特徴とする前記(1)に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法、
(3)アルケニルコハク酸エステル化澱粉がオクテニルコハク酸エステル化澱粉であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法、からなっている。
すなわち、本発明は、
(1)抽出ビタミンEを含有する油相と、15質量%に調整した水溶液の粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と
15質量%に調整した水溶液の粘度が100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを含有する水相とを乳化し、得られた水中油型乳化組成物を乾燥処理することを特徴とする粉末状ビタミンE製剤の製造方法、
(2)乾燥処理が噴霧乾燥であることを特徴とする前記(1)に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法、
(3)アルケニルコハク酸エステル化澱粉がオクテニルコハク酸エステル化澱粉であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法、からなっている。
本発明で得られる粉末状ビタミンE製剤は優れた自由流動性を有する。
本発明で得られる粉末状ビタミンE製剤を使用することにより、計量の際の作業性が改善される。
本発明で得られる粉末状ビタミンE製剤を使用することにより、計量の際の作業性が改善される。
本発明で用いられる抽出ビタミンEとしては、植物油が精製される過程で副生する脱臭留出物(脱臭スカム、脱臭スラッジまたはホットウエル油など)から回収されるビタミンEであれば特に制限はなく、例えば、大豆油、ヒマワリ油、菜種油、綿実油、サフラワー油、トウモロコシ油、米糠油、ゴマ油、落花生油、パーム油などの脱臭留出物から分離・精製して得られる、α−、β−、γ−、δ−トコフェロールあるいはトコトリエノールを含む混合物が挙げられる。更に、該混合物をカラムクロマトグラフィー、蒸留または超臨界抽出などの操作により精製し、α−トコフェロール濃度あるいはトコトリエノール濃度を高めたものであっても良い。
本発明で用いられるアルケニルコハク酸エステル化澱粉は、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉などの天然澱粉、またはこれらの化工澱粉(酸分解澱粉、酸化澱粉、酵素分解澱粉、エーテル化、エステル化、架橋化などの澱粉誘導体、湿熱処理澱粉、アルファー化澱粉など)を、アルカリ触媒の存在下に無水アルケニルコハク酸と反応させて得ることができる。無水アルケニルコハク酸のアルケニルの炭素数は約2〜22、好ましくは約6〜14がよく、具体的には、例えばヘキセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、澱粉とコハク酸のアルケニル誘導体とのエステルであれば特に制限はなく、例えばオクテニルコハク酸エステル化澱粉、デセニルコハク酸エステル化澱粉、ドデセニルコハク酸エステル化澱粉、テトラデセニルコハク酸エステル化澱粉、ヘキサデセニルコハク酸エステル化澱粉、およびオクタデセニルコハク酸エステル化澱粉、並びにこれら澱粉をα化または加水分解などの処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、とりわけα化オクテニルコハク酸エステル化澱粉またはその塩が好ましい。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉は、加水分解の度合いにより、また加水分解をする時期、即ちエステル化反応の前か後かにより、水溶液としたときの粘度が異なる。本発明においては、例えば15質量%に調整した水溶液の粘度が約5ミリパスカル秒以上約100ミリパスカル秒未満となるアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と15質量%に調整した水溶液の粘度が約100〜250ミリパスカル秒の範囲内となるアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)を選択して用いる。アルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)としては、15質量%に調整した水溶液の粘度が約5ミリパスカル秒以上約100ミリパスカル秒未満のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、市販品の例えばカプシュールST(日本エヌエスシー社製)、ハイキャップ100(日本エヌエスシー社製)、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)、エマルスター30A(松谷化学工業社製)などを挙げることができる。また、アルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)としては、15質量%に調整した水溶液の粘度が約100〜250ミリパスカル秒のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、市販品の例えばエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)、エマルスターEMS−10(松谷化学工業社製)などを挙げることができる。
本発明では、二種類のアルケニルコハク酸エステル化澱粉と水が混合され、水相として使用される。即ち、15質量%に調整した水溶液の粘度が約5ミリパスカル秒以上約100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と15質量%に調整した水溶液の粘度が約100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを水に溶解した溶液が水相として好ましく使用される。上記(A)と(B)の二種類のアルケニルコハク酸エステル化澱粉は別々に水に加えられ分散・溶解されても良く、また前記二種類のアルケニルコハク酸エステル化澱粉を予め紛体混合し、該混合物を水に加え分散・溶解しても良い。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)の配合比率(重量比)には特に制限はなく、約1:99〜約99:1の任意の比率で使用してよい。好ましくは、アルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)(例えば、カプシュールST、ハイキャップ100、ピュリティガムBEなど)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)(例えばエヌクリーマー46など)とを混合して得られる混合物の15質量%水溶液の粘度が約50〜200ミリパスカル秒の範囲になるように、アルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)との配合比率を定める。
上記混合物の具体例としては、例えばカプシュールSTとエヌクリーマー46の配合比率(重量比)を約1:1で混合して得られた混合物(混合物の15質量%水溶液の粘度:約60ミリパスカル秒)、ハイキャップ100とエヌクリーマー46の配合比率(重量比)を約1:1で混合して得られた混合物(混合物の15質量%水溶液の粘度:約82ミリパスカル秒)、ピュリティガムBEとエヌクリーマー46の配合比率(重量比)を約1:1で混合して得られた混合物(混合物の15質量%水溶液の粘度:約90ミリパスカル秒)などを挙げることができる。
本発明で用いられる水としては、飲用可能なものであれば特に制限はなく、例えば蒸留水、イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜処理水および限外ろ過膜処理水などの精製水、水道水、地下水または涌水などの天然水並びにアルカリイオン水などが挙げられる。
本発明で言うところの粘度は、第7版食品添加物公定書記載「28.粘度測定法」の「第2法回転粘度計法」に基づいて測定される。具体的な測定条件および操作条件を以下に示す。なお回転数は想定される粘度に応じて選択される。
[測定方法]
試料を入れた容器中にローターとガードを静かに入れ、試料の液面をローターの液浸マークに一致させる。スイッチを入れてから60秒経過後の指針の示す目盛を読み取り、この指示値に、使用したローターの種類および回転数によって定まる換算乗数を乗じて、試料の粘度を算出する。
[操作条件]
測定装置 ブルックフィールド型粘度計
ローター 1号
回転数 60、30、12または6回転/分のいずれか
測定 回転開始60秒後
測定温度 25℃
[測定方法]
試料を入れた容器中にローターとガードを静かに入れ、試料の液面をローターの液浸マークに一致させる。スイッチを入れてから60秒経過後の指針の示す目盛を読み取り、この指示値に、使用したローターの種類および回転数によって定まる換算乗数を乗じて、試料の粘度を算出する。
[操作条件]
測定装置 ブルックフィールド型粘度計
ローター 1号
回転数 60、30、12または6回転/分のいずれか
測定 回転開始60秒後
測定温度 25℃
本発明に係る水中油型乳化組成物100質量%中には、前記抽出ビタミンE約5〜30質量%、好ましくは約10〜25質量%、アルケニルコハク酸エステル化澱粉約10〜35質量%、好ましくは約14〜30質量%、残余が水となるように調整するのが好ましい。
また、水中油型乳化組成物の製造に用いられる水の量に特に制限はないが、得られる乳化組成物の固形分濃度が20〜60質量%となるよう調整するのが好ましい。
また、水中油型乳化組成物の製造に用いられる水の量に特に制限はないが、得られる乳化組成物の固形分濃度が20〜60質量%となるよう調整するのが好ましい。
本発明に係る水中油型乳化組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いて行うことができる。以下に好ましい水中油型乳化組成物の製造方法を例示する。
例えば、水にアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)を加えて約40〜80℃、好ましくは約60〜80℃に加熱して溶解して水相とする。該水相を攪拌しながら、この中に約100℃以下、好ましくは約60〜100℃に保温された抽出ビタミンEをゆっくり加え、高速回転式分散・乳化機を用いて、回転数約4000〜20000rpmにて、攪拌時間約10〜60分間で乳化する方法により本発明に係る水中油型乳化組成物を製造することができる。
例えば、水にアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)を加えて約40〜80℃、好ましくは約60〜80℃に加熱して溶解して水相とする。該水相を攪拌しながら、この中に約100℃以下、好ましくは約60〜100℃に保温された抽出ビタミンEをゆっくり加え、高速回転式分散・乳化機を用いて、回転数約4000〜20000rpmにて、攪拌時間約10〜60分間で乳化する方法により本発明に係る水中油型乳化組成物を製造することができる。
上記水中油型乳化組成物を製造するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、TKホモミクサー(特殊機化工業社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式分散・乳化機が好ましく用いられる。
また、これらの装置で乳化した液を、高圧式均質化処理機を使用して、さらに均質化してもよい。ここで高圧式均質化処理機としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)またはナノマイザー(大和製罐社製)などを好ましく使用することができる。上記均質化処理機に代えて、例えば超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。
また、これらの装置で乳化した液を、高圧式均質化処理機を使用して、さらに均質化してもよい。ここで高圧式均質化処理機としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)またはナノマイザー(大和製罐社製)などを好ましく使用することができる。上記均質化処理機に代えて、例えば超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。
得られる水中油型乳化組成物中の油分の平均粒子径は約10μm以下、好ましくは約0.05〜5μm、更に好ましくは約0.1〜1μmである。該平均粒子径が0.05μm未満であると、粉末の水への分散、溶解性が低下するため好ましくない。また10μm以上であると、乳化組成物自体の保存安定性が不安定となる恐れがある。
次に水中油型乳化組成物は乾燥され粉末化される。乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥などが挙げられるが、好ましくは噴霧乾燥である。本発明で使用される噴霧乾燥装置に特に制限はなく、噴射式噴霧乾燥装置または回転円盤式噴霧乾燥装置など公知の装置を使用することができる。また、噴霧乾燥の操作条件に特に制限は無く、例えば、乳化組成物を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度約150〜270℃、排気温度約70〜130℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、流動性の良い粉末状ビタミンE製剤を得ることができる。得られる粉末状ビタミンE製剤の平均粒子径は約20〜200μm、好ましくは約50〜100μmである。また得られる粉末状ビタミンE製剤の乾燥減量は約10質量%以下、好ましくは約7質量%以下、更に好ましくは約5質量%以下である。
本発明で得られる粉末状ビタミンE製剤の好ましい実施態様の一例は、該製剤100質量%中、ビタミンEを約10〜70質量%、好ましくは約20〜60質量%、アルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)とアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)の混合物を約30〜90質量%、好ましくは約40〜80質量%を含む粉末である。
尚、本発明になる粉末状ビタミンE製剤中には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えば賦形剤、流動性付与物質などを加えることができる。賦形剤としては、例えば、ブドウ糖、果糖などの単糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖などの二糖、デキストリン、粉末水飴などのでん粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖類、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、粉末還元水飴、粉末還元パラチノースなどの糖アルコール類などが挙げられる。また流動性付与物質としては、例えば、リン酸三カルシウム、微粒二酸化ケイ素などが挙げられる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。もちろん、本発明が以下に記載された実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
[参考例]
以下の実施例または比較例で使用するオクテニルコハク酸エステル化澱粉の粘度を表1に示す。
以下の実施例または比較例で使用するオクテニルコハク酸エステル化澱粉の粘度を表1に示す。
[実施例1]
1)5L容ステンレス製ビーカーに精製水1850mlを入れ80℃に加温する。
2)TKホモミクサー(型式:MARK2.5;特殊機化工業社製)で低速で攪拌しながら、カプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを溶解し、水相とした。
3)抽出ビタミンE(製品名:理研Eオイル805;理研ビタミン社製,ビタミンE含量約80質量%)600gを約80℃まで加熱し、油相とした。
4)TKホモミクサーで低速で撹拌しながら、上記2)の水相に上記3)の油相を徐々に加え、その後10000rpmで15分間攪拌・乳化し、得られた乳化液を更にAPVゴーリンホモジナイザー(型式:LAB1000;APV社製)にて34.3MPaで1回処理し、均質化液を得た。
5)上記4)の均質化液を、加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社)にて、熱風入口温度170℃、排気温度80℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより粉末状ビタミンE製剤(実施品1)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.3質量%であった。
1)5L容ステンレス製ビーカーに精製水1850mlを入れ80℃に加温する。
2)TKホモミクサー(型式:MARK2.5;特殊機化工業社製)で低速で攪拌しながら、カプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを溶解し、水相とした。
3)抽出ビタミンE(製品名:理研Eオイル805;理研ビタミン社製,ビタミンE含量約80質量%)600gを約80℃まで加熱し、油相とした。
4)TKホモミクサーで低速で撹拌しながら、上記2)の水相に上記3)の油相を徐々に加え、その後10000rpmで15分間攪拌・乳化し、得られた乳化液を更にAPVゴーリンホモジナイザー(型式:LAB1000;APV社製)にて34.3MPaで1回処理し、均質化液を得た。
5)上記4)の均質化液を、加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社)にて、熱風入口温度170℃、排気温度80℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより粉末状ビタミンE製剤(実施品1)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.3質量%であった。
[実施例2]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ハイキャップ100(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(実施品2)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.3質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ハイキャップ100(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(実施品2)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.3質量%であった。
[実施例3]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(実施品3)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.4質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(実施品3)を約880g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.4質量%であった。
[比較例1]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、カプシュールST(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品1)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、カプシュールST(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品1)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
[比較例2]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ハイキャップ100(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品2)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ハイキャップ100(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品2)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
[比較例3]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)400gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品3)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)400gを使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品3)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
[比較例4]
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、エヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品4)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
実施例1の2)に記載されているカプシュールST(日本エヌエスシー社製)200gとエヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)200gに替えて、エヌクリーマー46(日本エヌエスシー社製)を400g使用する以外は実施例1と同様に実施し、粉末状ビタミンE製剤(比較品4)を約850g得た。得られた粉末の乾燥減量は約4.5質量%であった。
[試験例1]
実施例1〜3および比較例1〜4で得た粉末状ビタミンE製剤(実施品1〜3、比較品1〜4)の紛質を評価するため、粉末の安息角を測定した。結果を表2に示した。
実施例1〜3および比較例1〜4で得た粉末状ビタミンE製剤(実施品1〜3、比較品1〜4)の紛質を評価するため、粉末の安息角を測定した。結果を表2に示した。
〈安息角の測定方法〉
安息角測定器(井元製作所社製)使用。試料粉末をロートの穴から静かに注入して水平板の上に堆積させ、形成される円錐の頂点がロートの下端に達したときの底面の半径と円錐の高さから安息角を測定した。尚、ロートの下端から水平板までの距離は40mmとした。
安息角測定器(井元製作所社製)使用。試料粉末をロートの穴から静かに注入して水平板の上に堆積させ、形成される円錐の頂点がロートの下端に達したときの底面の半径と円錐の高さから安息角を測定した。尚、ロートの下端から水平板までの距離は40mmとした。
実施品1〜3は40度以下の安息角を示し、極めて流動性が良かった。
[試験例2]
実施例1〜3および比較例1〜4で得た粉末状ビタミンE製剤(実施品1〜3、比較品1〜4)各500gをチャック付ポリエチレン袋(240×170×0.08mm)に充填し、40℃で1ヶ月保存した。試験終了後、袋から内容物を取り出し、その状態を観察した。結果を表3に示した。
実施例1〜3および比較例1〜4で得た粉末状ビタミンE製剤(実施品1〜3、比較品1〜4)各500gをチャック付ポリエチレン袋(240×170×0.08mm)に充填し、40℃で1ヶ月保存した。試験終了後、袋から内容物を取り出し、その状態を観察した。結果を表3に示した。
本発明で得られる粉末状ビタミンE製剤は、そのままあるいは他の粉末成分と混合して、医薬品、食品などの分野で、栄養強化を目的としてあるいは酸化防止剤として利用することができる。
Claims (3)
- 抽出ビタミンEを含有する油相と、15質量%に調整した水溶液の粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(A)と15質量%に調整した水溶液の粘度が100〜250ミリパスカル秒のアルケニルコハク酸エステル化澱粉(B)とを含有する水相とを乳化し、得られた水中油型乳化組成物を乾燥処理することを特徴とする粉末状ビタミンE製剤の製造方法。
- 乾燥処理が噴霧乾燥であることを特徴とする請求項1に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法。
- アルケニルコハク酸エステル化澱粉がオクテニルコハク酸エステル化澱粉であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉末状ビタミンE製剤の製造方法。
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