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JP2006346938A - 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 Download PDF

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JP2006346938A JP2005173854A JP2005173854A JP2006346938A JP 2006346938 A JP2006346938 A JP 2006346938A JP 2005173854 A JP2005173854 A JP 2005173854A JP 2005173854 A JP2005173854 A JP 2005173854A JP 2006346938 A JP2006346938 A JP 2006346938A
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Bunji Ishimoto
文治 石本
Hiroichi Nunokawa
博一 布川
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】搬送ローラの偏心による補正への影響を抑える。
【解決手段】搬送ローラの周方向における基準位置からの理論上の周面の長さが、1回の搬送動作における理論上の搬送量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルに基づいて補正する。
【選択図】 図21

Description

本発明は、画像の濃度ムラを抑制する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法に関する。
媒体としての用紙にインクを吐出して画像を形成する印刷装置として、インクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)が知られている。このプリンタは、キャリッジの移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して用紙にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラを有する搬送部により前記用紙を前記移動方向と交差する交差方向(以下、搬送方向ともいう)に搬送する搬送動作とを交互に繰り返す。これにより、移動方向に沿う複数のドットから構成されたラスタラインが交差方向に並べられて複数形成されることにより画像が印刷される(たとえば、特許文献1を参照)。このような、プリンタでは濃度ムラの発生を抑制するために、所定濃度の画像を印刷するための画像データに基づいて印刷させた画像の濃度を、ラスタラインが形成された列領域毎に読み取り、読み取った情報に基づいて印刷すべき画像の画像データを列領域毎に補正する場合がある。
特開平6−166247号公報
しかしながら、上記のようなプリンタでは、本来搬送方向に等間隔にて形成される複数のラスタラインが、搬送ローラの偏心により等間隔で形成されない場合がある。このようなプリンタにて、所定濃度の画像を印刷するための画像データに基づいて画像を印刷しても適切な濃度の画像が印刷されない畏れがある。また、誤った濃度に印刷された画像を読み取った情報に基づいて画像データを補正すると、適正な補正がなされず、濃度ムラが抑制されない畏れがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、搬送ローラの偏心による補正への影響を抑えることが可能な印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法を実現することにある。
主たる発明は、(a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、(b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、(c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、(d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
(a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、(b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、(c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、(d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、搬送部が媒体を断続的に搬送する理論上の所定量と等しくなるように、仮想的に設定される設定領域と、画像データを補正するための補正値とが対応付けられているので、搬送部の1回の搬送に対応させて画像データを補正することが可能である。このため、媒体が断続的に搬送される各搬送動作に応じた補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記媒体を搬送する搬送動作と前記ドットを形成するドット形成動作とを交互に繰り返すことにより前記画像が印刷され、前記補正値テーブルは、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該搬送動作後の前記ドット形成動作にて用いられる前記画像データを補正するための補正値とが対応付けられていることが望ましい。
このような印刷装置によれば、補正された補正データに基づいてドットが形成される直前の搬送動作の際に媒体が接触していた設定領域と対応付けられているので、画像データが補正される補正値はドットが形成される直前の搬送動作にて媒体が触れていた搬送ローラの部位と対応している。このため、ドットが形成される直前の搬送動作にて搬送される搬送量が理論上の搬送量と相違して誤差等を含んでいる場合には、その誤差を抑制すべく画像データを補正するように補正値を設定しておくことにより、良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記搬送ローラのn回転分(nは整数)の理論上の前記周面の長さと、前記理論上の所定量を整数倍した量とは一致することが望ましい。
このような印刷装置によれば、最初に媒体に接触していた搬送ローラの部位と、搬送ローラがn回転した後に媒体と接触する搬送ローラの部位とが一致することになる。すなわち、搬送ローラのn回転により搬送される量は、所定回数の搬送動作により媒体が搬送される量と等しくなる。このため、搬送ローラがn回転以上する場合には、媒体を単一の設定領域にて搬送する搬送動作が発生することになる。例えば、搬送動作をm回繰り返すと搬送ローラがちょうどn回転する場合には、m+1回目の搬送動作の際に媒体と接触していた設定領域は、1回目の搬送動作の際に媒体と接触していた設定領域と同じである。よって、画像を印刷する際に実行されるすべての搬送動作に対応させて、補正値を設定する必要はなく、搬送ローラがn回転する際に実行される搬送動作の際に、媒体と接触する設定領域分の補正値を有していればよい。このため、設定領域と補正値とを対応付けた補正値テーブルを小さくすることが可能である。
かかる印刷装置において、前記基準位置と、前記搬送動作における前記基準位置の変位量とを検出するための検出部を有し、前記コントローラは、前記検出部にて前記変位量を検出することにより、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域を検出することが望ましい。
このような印刷装置によれば、搬送ローラの周方向における所定の基準位置の変位を検出部により検出するので、基準位置から周面の長さにて設定されている複数の設定領域のうち、搬送動作の際に媒体と接触していた設定領域を検出することが可能である。
かかる印刷装置において、前記検出部は、前記搬送ローラの回転量を検出するためのロータリー式エンコーダであることが望ましい。
このような印刷装置によれば、検出部がロータリー式エンコーダなので、搬送動作により搬送される際に媒体に接触していた設定領域を、より正確に検出することが可能である。
かかる印刷装置において、前記ノズルは、前記搬送方向と交差する移動方向に移動されつつインクを吐出して前記媒体にドット列を形成し、前記補正値テーブルは、前記移動方向に沿う前記ドット列が形成された列領域間の濃度ムラを抑制すべく、補正用パターンを読み取った結果に基づいて生成されていることが望ましい。
搬送方向と交差する移動方向に沿うドット列が形成された列領域間の濃度ムラは、搬送動作にて媒体が正確に搬送されていない場合にも生じるが、列領域間の濃度ムラを補正するため補正値テーブルは、補正用パターンを読み取った結果に基づいて生成されるので、実際の搬送状態に応じた適切な補正値テーブルを生成可能である。
ここで、用紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる「単位領域」としたときに、「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域のことをいう。例えば、「単位領域」は、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。また、印刷解像度が360dpi×720dpiの場合、「単位領域」は、約70.56μm×35.28μm(≒1/360インチ×1/720インチ)の大きさの長方形状の領域になる。そして、理想的にインク滴が吐出された場合には、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上で広がって単位領域にドットが形成される。そして、「列領域」は、例えば印刷解像度が720dpi×720dpiの場合、搬送方向に約35.28μm(≒1/720インチ)の幅の帯状の領域となり、移動方向に移動するノズルから理想的にインク滴が断続的に吐出されると、この列領域にドット列が形成される。
かかる印刷装置において、前記画像データは、単位領域毎の階調値を示しており、所定階調値を示す前記画像データに基づいて印刷された前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、各列領域ごとに補正値を取得し、前記補正値テーブルは、前記補正用パターンを構成する前記ドット列を形成した前記ドット形成動作の直前の前記搬送動作の際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該ドット列形成動作にてドット列が形成された前記列領域に対応する補正値と、が対応付けられていることが望ましい。
このような印刷装置によれば、各列領域ごとに取得される補正値は、補正用パターンを構成するドット列を形成したドット列形成動作にてドット列が形成された列領域に対応付けられており、さらに、補正用パターンを構成するドット列を形成したドット形成動作の直前の搬送動作の際に媒体に接触していた設定領域と対応付けられている。このため、各補正値は、搬送ローラのいずれの設定領域にて搬送された後に、いずれの列領域に形成されるドット列を形成するための画像データに対応すべき補正値であるかが、補正値テーブルにより設定されている。このため補正値テーブルに基づいて、画像データを補正することにより、適切に画像データを補正することが可能である。
かかる印刷装置において、前記補正用パターンは、所定の濃度を示す階調値に基づいて、前記移動方向に移動される前記ノズルから吐出されるインクにて形成される複数のドット列が、前記搬送方向に沿って並べて印刷されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数のドット列が搬送方向に沿って並べて印刷されているので、補正用パターンを読み取ることによりドット列が形成された列領域間の濃度ムラを読み取りことが可能である。そして、この補正用パターンを読み取った結果に基づいて画像データを補正するので、印刷する画像における列領域間の濃度ムラを適切に抑制することが可能である。
かかる印刷装置において、前記補正用パターンは、前記搬送ローラが前記理論上の所定量を整数倍した量と一致するn回転した際に前記媒体が搬送される理論上の搬送距離に含まれる列領域分のドット列を、有することが望ましい。
このような印刷装置によれば、搬送ローラがn回転する際に、搬送ローラの異なる周面にて設定された複数種類の設定領域にて媒体が搬送される搬送動作が繰り返されることになるが、補正用パターンには、複数種類の各設定領域にて媒体が搬送されたときに各列領域に形成されるすべてのドット列が含まれている。このため、補正用パターンを読み取ることにより、印刷されるべき画像の画像データに対応するすべての補正値を取得することが可能である。
また、(a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、(b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、(c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、(d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、を有し、(e)前記媒体を搬送する搬送動作と前記ドットを形成するドット形成動作とを交互に繰り返すことにより前記画像が印刷され、前記補正値テーブルは、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該搬送動作後の前記ドット形成動作にて用いられる前記画像データを補正するための補正値とが対応付けられており、(f)前記搬送ローラのn回転分(nは整数)の理論上の前記周面の長さと、前記理論上の所定量を整数倍した量とは一致し、(g)前記基準位置と、前記搬送動作における前記基準位置の変位量とを検出するための検出部を有し、前記コントローラは、前記検出部にて前記変位量を検出することにより、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域を検出し、(h)前記検出部は、前記搬送ローラの回転量を検出するためのロータリー式エンコーダであり、(i)前記ノズルは、前記搬送方向と交差する移動方向に移動されつつインクを吐出して前記媒体にドット列を形成し、前記補正値テーブルは、前記移動方向に沿う前記ドット列が形成された列領域間の濃度ムラを抑制すべく、補正用パターンを読み取った結果に基づいて生成され、(j)前記画像データは、単位領域毎の階調値を示しており、所定階調値を示す前記画像データに基づいて印刷された前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、各列領域ごとに補正値を取得し、前記補正値テーブルは、前記補正用パターンを構成する前記ドット列を形成した前記ドット形成動作の直前の前記搬送動作の際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該ドット列形成動作にてドット列が形成された前記列領域に対応する補正値と、が対応付けられており、(k)前記補正用パターンは、所定の濃度を示す階調値に基づいて、前記移動方向に移動される前記ノズルから吐出されるインクにて形成される複数のドット列が、前記搬送方向に沿って並べて印刷され、(l)前記補正用パターンは、前記搬送ローラが前記理論上の所定量を整数倍した量と一致するn回転した際に前記媒体が搬送される理論上の搬送距離に含まれる列領域分のドット列を、有することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
また、(a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、(b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、(c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、を有する印刷装置にて、(d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させる機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、(A)コンピュータ、及び、(B)このコンピュータに接続され、(a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、(b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、(c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、(d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、(e)を有する印刷装置、(C)を有することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部により前記媒体を搬送するステップと、前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルに基づいて、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するステップと、を有することを特徴とする印刷方法も実現可能である。
===印刷システムの構成===
<印刷システム>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。本実施形態の印刷システム100は、インクジェットプリンタ(以下、プリンタという)1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140と、スキャナ150とを有している。
プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。また、コンピュータ110には、スキャナ150を制御し、スキャナ150により読み取られた原稿の画像データを受け取るためのスキャナドライバがインストールされている。
<プリンタ>
図2は、印刷装置としてのプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の縦断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、媒体供給部としての給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラである。そして、搬送ローラ23は、例えば後述するインターレース方式の印刷において搬送ローラによる1回の搬送動作にて用紙が搬送される理論上の搬送量をLとしたときに、m回分の搬送にて搬送される理論上の距離mLが、搬送ローラがn回転した際に用紙が搬送される理論上の距離nH(H:搬送ローラの周長)となるように、直径が設定されている。図4は、本実施形態における搬送ローラの基準位置と、設定されている設定領域を説明するための図である。図示するように、本実施形態においては、搬送ローラ23が1回転する際の理論上の搬送量と、8回の搬送動作により用紙が搬送される距離とが一致するように設定されている。
プラテン24は、印刷中の用紙Sを支持する。排紙ローラ25は、用紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を所定の移動方向に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
ヘッドユニット40は、用紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中に滴状のインク(以下、インク滴という)を断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が媒体の一例としての用紙に形成される。
図5は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個備えている。各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)とピエゾ素子(不図示)が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張されて、ノズルからインク滴が吐出される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものであり、このロータリー式エンコーダ52の符号盤52aは搬送ローラ23の軸に設けられている。このため、ロータリー式エンコーダ52にて検出される1回転は、搬送ローラ23の1回転と一致する。また、ロータリー式エンコーダ52の符号盤52aには、円周方向に等間隔にて全周に亘って形成されたスリットと、円周方向の全周のうちの1点に形成された小孔とを有している。また、符号盤52aの盤面を挟むように配置される発光部と受光部とで構成される検出器(不図示)は、前記スリットと前記小孔とをそれぞれ検出するために、符号盤52aの直径方向に並べて2つ配置されている。すなわち、一方の検出器では、小孔を通過する光を検出して搬送ローラ23の周面上における所定の位置、例えば基準位置や、搬送ローラ23が1回転したことを検出し、他方の検出器では、スリットを通過する光を検出して搬送ローラ23の回転量、すなわち、基準位置の周方向における変位を検出する。すなわち、ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量、及び、搬送ローラ23の周面上における基準位置を検出するための検出部である。
紙検出センサ53は、印刷される用紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から用紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、用紙の有無を検出する。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御部である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<スキャナ>
図6Aは、スキャナ150の縦断面図である。図6Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部材154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図6Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
===印刷方法===
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに印刷条件等の情報と共に含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき用紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に用紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、用紙を印刷開始位置に位置決めする。
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる単位領域毎のデータ(以下、単位領域データという)に基づいてヘッド41からインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が用紙上に着弾すれば、用紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、用紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。
搬送処理(S004):搬送処理とは、用紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させて用紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成処理時にドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の用紙の排出(排紙)の判断を行う。印刷中の用紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットにて構成される画像を徐々に用紙に印刷する。
排紙処理(S006):印刷中の用紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その用紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙の給紙処理を開始する。次の用紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ラスタラインの形成について>
まず、通常印刷について説明する。本実施形態の通常印刷は、インターレース方式と呼ばれる印刷方法(以下、インターレース印刷という)により行われる。ここで、『インターレース印刷』とは、1回のパスで記録されるラスタライン間に、ラスタラインが記録されない列領域が挟まれるような印刷を意味する。また、『パス』とはキャリッジ31が1回移動する間に実行されるドット形成動作を指し、『パスn』とはn回目のドット形成動作を意味する。『ラスタライン』とは、移動方向に並ぶドットの列であり、『列領域』はラスタラインが形成されうる領域である。
図8は、インターレース印刷を説明するための図である。説明の便宜上、複数あるノズル群のうちの一つのノズル群のみを示し、ノズル群のノズル数も少なくしている。また、ヘッド41(又はノズル群)が用紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッド41と用紙との相対的な位置を示すものであって、実際には用紙が搬送方向に移動される。
また、説明の都合上、各ノズルは数ドットしか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる(このドットの列がラスタラインである)。もちろん、単位領域データに応じてインクが吐出されるのでドットが形成されないこともある。
同図において、コントローラ60の各搬送処理による搬送動作後のノズルの位置を示す記号と、各ノズルにて紙面上に形成されるドットのイメージを示す記号とは、同じ記号にて対応付けている。
このインターレース印刷では、用紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上、すなわち搬送方向の下流側のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである(D=1/720インチ)。
===濃度ムラの補正(概略)===
<濃度ムラ(バンディング)について>
ここでは、説明の簡略化のため、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。なお、多色印刷の場合、以下に説明する濃度ムラの発生原因が色毎に生じている。
図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは単位領域に正確に形成され、ラスタラインは列領域に正確に形成される。図中、列領域は、点線に挟まれる領域として示されており、ここでは搬送方向に1/720インチ幅の領域である。各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の画像片が形成されている。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとする。
図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図である。ここでは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、2番目の列領域に形成されたラスタラインが、3番目の列領域側(搬送方向上流側)に寄って形成されている。また、5番目の列領域に向かって吐出されたインク滴のインク量が少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。
本来であれば同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、加工精度のばらつき等により、ラスタラインが形成された位置に応じて画像片に濃度差が発生する。例えば、2番目の列領域の画像片は比較的淡くなり、3番目の列領域の画像片は比較的濃くなる。また、5番目の列領域の画像片は、比較的淡くなる。
そして、このようなラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、キャリッジの移動方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
図9Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。本実施形態では、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する単位領域の単位領域データ(CMYK単位領域データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する単位領域の単位領域データの階調値を補正する。例えば、図中の2番目の列領域のドットの生成率が高くなり、3番目の列領域のドットの生成率が低くなり、5番目の列領域のドットの生成率が高くなるように、各列領域に対応する単位領域の単位領域データの階調値が補正される。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
ところで、図9Bにおいて、第3列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、第3列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものである。このため、第3列領域にラスタラインを形成するノズルが別の列領域にラスタラインを形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域毎に設定される補正値に基づいて、単位領域データの階調値を補正している。
このために、本実施形態では、プリンタ製造工場の検査工程において、プリンタに補正用パターンを印刷させ、補正用パターンをスキャナで読み取り、補正用パターンにおける各列領域の濃度に基づいて、各列領域に対応する補正値をプリンタのメモリに記憶する。プリンタに記憶される補正値は、個々のプリンタにおける濃度ムラの特性を反映させたものになる。
そして、プリンタを購入したユーザーの下において、プリンタドライバが、プリンタから補正値を読み取り、単位領域データの階調値を補正値に基づいて補正し、補正された階調値に基づいて印刷データを生成し、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行う。
<プリンタ製造工場での処理について>
図10は、プリンタの製造後に行われる補正値取得処理のフロー図である。まず、作業者は、対象となるプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する(S101)。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150にも接続されており、予め、テストパターンをプリンタ1に印刷させるためのプリンタドライバと、スキャナ150を制御するためのスキャナドライバと、スキャナから読み取った補正用パターンの画像データに対して画像処理や解析等を行うための補正値取得プログラムがインストールされている。
次に、コンピュータ110のプリンタドライバは、プリンタ1にテストパターンを印刷させる(S102)。
コントローラ60は、プリンタ1の電源が投入されると、搬送モータ22を駆動して搬送ローラ23を回転させる。このとき、コントローラ60は、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて搬送ローラ23の基準位置検出し、検出した後のロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて基準位置の周方向における変位を管理する。本実施形態の場合には、コントローラ60は、基準位置を検出すると、検出した基準位置を搬送ローラ23の初期位置として予め設定されている、例えば搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置させるように搬送ローラ23を回転させる。
また、本実施形態の搬送ローラ23の理論上の周長は、インターレース印刷における搬送動作8回分の理論上の搬送量と一致するように設定されており、図4に示すように、搬送ローラ23は周方向に等角度にて8つに仮想分割した8つの設定領域(領域A、領域B、領域C・・・領域H)が設定されている。これら設定領域は、各々の設定領域が有する周面の理論上の長さが、1回の搬送動作における理論上の搬送量と等しくなるように設定されている。そして、各設定領域の位置は、搬送ローラ23の基準位置を基準とする相対位置を示す情報としてメモリに記憶されている。
以下、図8に示したインターレース印刷を例に挙げて説明する。すなわち、7つのノズルを有するヘッドを用い、1回の搬送動作にて7本のラスタラインに相当する距離だけ用紙が搬送されるようなインターレース印刷である。図8に示す例では、用紙の最も先端側に形成されるラスタライン(第1ラスタライン)は、搬送動作により領域Cの周面にて搬送された後に実行されるドット形成動作にて、第2ノズル#2から吐出されるインクにて形成される。第2ラスタラインは、搬送動作により領域Bの周面にて搬送された後に実行されるドット形成動作にて、第4ノズル#4から吐出されるインクにて形成される。このように、形成される各々のラスタラインは、搬送ローラ23のいずれの領域にて搬送された後に実行されるドット形成動作にて、いずれのノズルにて形成されるラスタラインかが特定されている。そして、領域Cの周面による搬送動作後に実行されるドット形成動作にて、第2ノズル#2から吐出されるインクにて形成されるラスタラインを、第1ラスタラインとしたときに、各設定領域にて搬送された後のドット形成動作にて各ノズルから吐出したインクにて形成されるすべてのラスタラインが含まれるような補正用パターンを印刷するためには、第56ラスタラインよりも多くのラスタラインを印刷する必要がある。
補正用パターンを印刷する際には、例えば、給紙した用紙を搬送ローラ23にて搬送し、用紙の先端を所定の位置に位置決めする。このとき、コントローラ60は、搬送ローラ23の基準位置の変位をロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて検出し、用紙が位置決めされたときの基準位置の周方向における位置から、用紙を位置決めする際の搬送動作にて用紙が最後に接触していた搬送ローラ23の設定領域を検出する。例えば、用紙が位置決めされたときに、領域Aと領域Bとの境界部分が搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置していることが、ローラリー式エンコーダ52の出力により検出された場合には、この搬送動作により用紙は領域Aにて搬送されたことが検出される。
そして、最初のドット形成動作にて第6ノズルから吐出されたインクにより第3ラスタラインが形成され、第7ノズルから吐出されたインクにより第7ラスタラインが形成される。次の搬送動作では、用紙は領域Bにより搬送される。このため、2回目の搬送動作後に実行されるドット形成動作にて第4ノズルから吐出されたインクにより第2ラスタラインが形成され、第5ノズルから吐出されたインクにより第6ラスタラインが形成され、第6ノズルから吐出されたインクにより第10ラスタラインが形成され、第7ノズルから吐出されたインクにより第14ラスタラインが形成される。このように、各搬送動作にて用紙と接触していた設定領域ごとに、ノズルと、ノズルから吐出されたインクにて形成されるラスタラインとが対応付けられている。以下、搬送動作及びドット形成動作が交互に実行され、領域Cによる2回目の搬送動作後のドット形成動作が終了した後に用紙が排出される。
図11は、テストパターンの説明図である。図12は、補正用パターンの説明図である。テストパターンには、色別に4つの補正用パターンが形成される。各補正用パターンは、5種類の濃度の帯状パターンと、上罫線と、下罫線と、左罫線と、右罫線とにより構成されている。帯状パターンは、それぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものであり、左の帯状パターンから順に階調値76(濃度30%)、102(濃度40%)、128(濃度50%)、153(濃度60%)及び179(濃度70%)となり、順に濃い濃度のパターンになっている。なお、これらの5種類の階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼び、記号でSa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179)と表す。通常の印刷では印刷領域に数千個のラスタラインが形成可能であるが、補正用パターンの印刷では、各帯状パターンは、印刷領域に形成可能なラスタラインと同数のラスタラインを有する必要はない。本実施形態においては、搬送ローラ23が1回転する際の理論上の搬送量が、8回の搬送動作により用紙が搬送される距離とが一致するように設定されている。すなわち、搬送ローラ23は、互いに異なる8つの仮想的な設定領域が設定されている。このため、各帯状パターンは、各設定領域にて搬送された後のドット形成動作にて、各ノズルから吐出されたインクにて形成されるドット列が、少なくとも1列ずつ含まれるように印刷される。このとき、形成された最終ラスタラインが、補正値を取得するために濃度が読み取られる列領域に形成されていると、搬送方向における隣にラスタラインが形成されないため、最終ラスタラインの濃度が低く読み取られる畏れがある。このため、帯状パターンは、必要とするラスタライン(本実施形態では56ラスタライン)より少し多くのラスタラインが形成されている。ここでは、各帯状パターンは、60本のラスタラインにて構成されていることとする。
上罫線は、帯状パターンを構成する1番目のラスタライン(搬送方向最下流側のラスタライン)により形成される。下罫線は、帯状パターンを構成する最終ラスタライン(搬送方向最上流側のラスタライン)により形成される。
次に、作業者は、プリンタ1によって印刷されたテストパターンを、スキャナ150の原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉めて、テストパターンをスキャナ150にセットする。そして、コンピュータ110のスキャナドライバは、スキャナ150に補正用パターンを読み取らせる(S103)。以下、シアンの補正用パターンの読み取りについて、説明する(なお、他の色の補正用パターンの読み取りも同様に行なわれる)。
図13は、シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。シアンの補正用パターンを囲む一点鎖線の範囲が、シアンの補正用パターンを読み取る際の読み取り範囲である。この範囲を特定するためのパラメータSX1、SY1、SW1及びSH1は、補正値取得プログラムによって予めスキャナドライバに設定されている。この範囲をスキャナ150に読み取らせれば、テストパターンが多少ずれてスキャナ150にセットされても、シアンの補正用パターンの全体を読み取ることができる。この処理により、図中の読み取り範囲の画像が、2880×2880dpiの解像度の正方形にて区画される最小読取領域毎の単位読取画像データを有する読取画像データとして、コンピュータ110に読み取られる。
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、読取画像データに含まれる補正用パターンの傾きθを検出し(S104)、読取画像データに対して傾きθに応じた回転処理を行う(S105)。
図14Aは、傾き検出の際の読取画像データの説明図である。図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図である。図14Cは、回転処理後の読取画像データの説明図である。補正値取得プログラムは、読み取られた読取画像データの中から、左からKX1の最小読取領域であって上からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、左からKX2の最小読取領域であって上からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、を取り出す。このとき取り出される最小読取領域の中に上罫線が含まれ右罫線及び左罫線が含まれないように、パラメータKX1、KX2、KHが予め定められている。そして、補正値取得プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個のデータの階調値の重心位置KY1、KY2、すなわち濃度分布における重心位置をそれぞれ求める。
そして、補正値取得プログラムは、パラメータKX1、KX2と、濃度分布における重心位置KY1、KY2とに基づいて、次式により補正用パターンの傾きθを算出し、算出された傾きθに基づいて、読取画像データの回転処理を行う。
θ = tan−1{(KY2−KY1)/(KX2−KX1)}
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、読取画像データをトリミングし、読取画像データの中から必要な単位読取画像データを抽出する(S106)。
図15Aは、トリミングの際の読取画像データの説明図である。図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図である。ステップS104での処理と同様に、補正値取得プログラムは、回転処理された読取画像データのうち、左からKX1の最小読取領域であって上からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、左からKX2の最小読取領域であって上からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、を取り出す。そして、補正値取得プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個の単位読取画像データの階調値の重心位置KY1、KY2をそれぞれ求め、2つの重心位置の平均値を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ上側の位置において最も近い最小読取領域の境界をトリミング位置に決定する。なお、本実施形態では、読取画像データの解像度が2880dpiであり、列領域の幅は720dpiであるので、列領域の幅の1/2は最小読取領域2つ分の幅に相当する。そして、補正値取得プログラムは、決定されたトリミング位置よりも上側の最小読取領域を切り取り、トリミングを行う。
図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。上罫線側とほぼ同様に、補正値取得プログラムは、回転処理された読取画像データの中から、左からKX1の最小読取領域であって下からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、左からKX2の最小読取領域であって下からKH個の最小読取領域の単位読取画像データと、を取り出し、下罫線の重心位置を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ下側の位置において最も近い最小読取領域の境界をトリミング位置に決定する。そして、補正値取得プログラムは、トリミング位置よりも下側の最小読取領域を切り取り、トリミングを行う。 次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、Y方向の最小読取領域の数が、補正用パターンを構成するラスタラインの数と同数になるように、トリミングされた後の読取画像データを解像度変換する(S107)。
図16は、解像度変換の説明図である。仮に、プリンタ1が720dpiのn個のラスタラインからなる補正用パターンを理想的に形成し、スキャナ150が補正用パターンを2880dpi(補正用パターンの4倍の解像度)で理想的に読み取れば、トリミング後の読取画像データのY方向の最小読取領域の数は、4n個になるはずである。しかし、実際には印刷時や読み取り時のズレの影響があって、読取画像データのY方向の最初読取領域の数が4n個にならないことがあり、ここでは、トリミング後の読取画像データのY方向の最小読取領域の数は4n+α個である。コンピュータ110の補正値取得プログラムは、この読取画像データに対して、n/(4n+α)〔=[補正用パターンを構成するラスタラインの数]/[トリミング後の読取画像データのY方向の最初読取領域の数]〕の倍率で解像度変換(縮小処理)を行う。ここでは解像度変換にバイキュービック法が用いられる。これにより、解像度変換後の読取画像データのY方向のデータ数がn個になる。このように変換された後の個々のデータが示す領域は、1つのドットが形成され得る領域である単位領域に相当し、それら個々のデータを単位領域データとする。言い換えると、2880dpiの単位読取画像データにて構成された補正用パターンの読取画像データが、720dpiの単位領域データにて構成された補正用パターンの読取画像データに変換される。この結果、Y方向に並ぶ単位領域の数と列領域の数とが同数になり、X方向の単位領域列と列領域とが、一対一で対応することになる。例えば、一番上に位置するX方向の単位領域列は1番目の列領域に対応し、その下に位置する単位領域列は2番目の列領域に対応する。なお、この解像度変換ではY方向の単位領域列数をn個にするのが目的なので、X方向の解像度変換(縮小処理)は行われなくても良い。
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、各列領域における5種類の帯状パターンのそれぞれの濃度を測定する(S108)。以下、1番目の列領域における階調値76(濃度30%)で形成された左側の帯状パターンの濃度の測定について説明する(なお、他の列領域における測定も同様に行なわれる。また、他の帯状パターンの濃度の測定も同様に行なわれる)。
図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図である。図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図である。図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。補正値取得プログラムは、解像度変換された読取画像データの中から、上からH2の単位領域であって、左からKX個の単位領域の単位領域データを取り出す。このとき取り出される単位領域データの中に左罫線が含まれるように、パラメータKXが予め定められている。そして、補正値取得プログラムは、左罫線の位置を検出するため、取り出されたKX個の単位領域の単位領域データの階調値の重心位置を求める。この重心位置(左罫線の位置)からX2だけ右側に、幅W3の濃度30%の帯状パターンが存在していることは、補正用パターンの形状から既知になっている。そこで、補正値取得プログラムは、重心位置を基準にして、帯状パターンの左右W4の範囲を除いた点線の範囲の単位領域データを抽出し、この範囲の単位領域データの階調値の平均値を、1番目の列領域の濃度30%の測定値とする。なお、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度を測定する場合、図中の点線の範囲の1単位領域下の範囲の単位領域データを抽出する。このようにして、補正値取得プログラムは、5種類の帯状パターンの濃度を列領域毎にそれぞれ測定する。
図18は、シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。このように、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、列領域毎に、5種類の帯状パターンの濃度の測定値を対応付けて、測定値テーブルを作成する。他の色についても、測定値テーブルが作成される。なお、以下の説明では、ある列領域について、階調値Sa〜Seの帯状パターンの測定値をそれぞれCa〜Ceとしている。
図19は、シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。各帯状パターンは、それぞれの指令値で一様に形成されたにもかかわらず、列領域毎に濃淡が生じている。この列領域毎の濃淡差が、印刷画像の濃度ムラの原因である。
濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンの測定値が一定になることが望ましい。そこで、階調値Sb(濃度40%)の帯状パターンの測定値を一定にするための処理について検討する。ここでは、階調値Sbの帯状パターンの全列領域の測定値の平均値Cbtを、濃度40%の目標値と定める。この目標値Cbtよりも測定値が淡い列領域iでは、濃度の測定値が目標値Cbtに近づくためには、階調値を濃くする方へ補正すればよいと考えられる。一方、目標値Cbtよりも測定値が濃い列領域jでは、濃度の測定値が目標Cbtに近づくためには、階調値を淡くする方へ補正すればよいと考えられる。
そこで、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、列領域に対応する補正値を算出する(S109)。ここでは、ある列領域における指令階調値Sbに対する補正値の算出について説明する。以下に説明するように、図19の列領域iの指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sc(濃度50%)の測定値に基づいて算出される。一方、列領域jの指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sa(濃度30%)の測定値に基づいて算出される。
図20Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも小さい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Cbt−Cb)/(Cc−Cb)}
図20Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも大きい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、次式(直線ABに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Cbt−Cb)/(Ca−Cb)}
このようにして目標指令階調値Sbtを算出した後、補正値取得プログラムは、次式により、この列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。
Hb = (Sbt−Sb)/Sb
コンピュータ110の補正値取得プログラムは、列領域毎に、階調値Sb(濃度40%)に対する補正値Hbを算出する。また、同様に、補正値取得プログラムは、階調値Sc(濃度50%)に対する補正値Hcを、各列領域の測定値Ccと、測定値Cb又はCdとに基づいて、列領域毎に算出する。また、同様に、補正値取得プログラムは、階調値Sd(濃度60%)に対する補正値Hdを、各列領域の測定値Cdと、測定値Cc又はCeとに基づいて、列領域毎に算出する。また、他の色についても、列領域毎に、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出する。
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S110)。
図21は、シアンの補正値テーブルの説明図である。補正値テーブルには、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)が、各列領域にドット列が形成される直前の搬送動作の際に用紙に接触していた搬送ローラ23の領域と、各々の列領域にドット列を形成する際に当該ドット列を形成するためにインクを吐出するノズルとに対応付けられている。すなわち、図8を用いて既に説明したように、各列領域に形成されるラスタラインは、何回目の搬送動作において、何番目のノズルから吐出されるインクにて形成されるかは、印刷方式等の印刷条件により予め特定されている。このため、印刷条件に基づいて、各列領域対応付けられた3つの補正値と、用紙が搬送される領域及びインクが吐出されるノズルとが対応付けられる。本実施形態の場合には、補正用パターンの印刷は、1回の搬送動作による搬送量が、7つの列領域分に相当する距離であり、1ラスタラインが1つのノズルから吐出されるインクにて形成されるインターレース印刷あるという印刷条件に基づいて、例えば、用紙の先端側の1番目の列領域に対応する3つの補正値(Hb_1、Hc_1、Hd_1)は、領域Cと第2ノズルに対応付けられている。3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)は、それぞれ、指令階調値Sb(=102)、Sc(=128)及びSd(=153)に対応する。なお、他の色の補正値テーブルも同様である。
プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させた後、補正値取得処理は終了する。その後、プリンタ1とコンピュータ110との接続が外され、プリンタ1に対する他の検査を終えて、プリンタ1が工場から出荷される。プリンタ1には、プリンタドライバを記憶したCD−ROMも同梱される。
<ユーザー下での処理について>
図22は、ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。
プリンタ1を購入したユーザーは、所有するコンピュータ110(もちろん、プリンタ製造工場のコンピュータとは別のコンピュータ)に、プリンタ1を接続する(S201、S300)。なお、ユーザーのコンピュータ110には、スキャナ150は接続されていなくても良い。
ユーザーによりプリンタ1の電源が投入されると、プリンタ1は所定の初期動作を実行するが、このときコントローラ60は、ロータリー式エンコーダ52の出力を監視しつつ搬送ローラ23を回転させて、搬送ローラ23の基準位置を検出し、検出した基準位置を搬送ローラ23の初期位置まで回転させる(S301)。本実施形態では基準位置が搬送ローラ23の軸の鉛直上となる位置を初期位置としている。コントローラ60は、この初期位置を基準として搬送ローラ23の変位を管理し、その後、用紙が搬送される際に、搬送される用紙と搬送ローラ23とが接触している領域を検出することを可能としている。
次に、ユーザーは、同梱されているCD−ROMを記録再生装置140にセットし、プリンタドライバをインストールする(S202)。コンピュータにインストールされたプリンタドライバは、コンピュータ110に、プリンタ1に対して補正値の送信を要求する(S203)。プリンタ1は、要求に応じて、メモリ63に記憶されている補正値テーブルをコンピュータ110へ送信する(S302)。プリンタドライバは、プリンタ1から送られてくる補正値をメモリに記憶する(S204)。これにより、コンピュータ側に補正値テーブルが作成される。ここまでの処理を終えた後、プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令があるまで、待機状態になる(S205でNO)。
プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令を受けると(S205でYES)、補正値に基づいて印刷データを生成し(S206)、印刷データをプリンタ1に送信する。プリンタ1は、印刷データに従って、印刷処理を行う(S303)。
図23は、印刷データ生成処理のフロー図である。これらの処理は、プリンタドライバによって行われる。
まず、プリンタドライバは、解像度変換処理を行う(S211)。解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、用紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(RGBデータ)である。 次に、プリンタドライバは、色変換処理を行う(S212)。色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバが参照することによって行われる。この色変換処理により、各単位領域についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。
次に、プリンタドライバは、濃度補正処理を行う(S213)。濃度補正処理は、各単位領域データの階調値を、メモリに記憶されている補正値テーブルに基づいて補正する処理である。すなわち、画像を印刷する際の印刷条件等の印刷情報に基づいて、印刷される画像の基となる画像データの各単位領域データは、いずれの列領域の単位領域にドットを形成するためのデータであるかが特定されている。また、各列領域には、各々の列領域にドット列は、何度目の搬送動作後のドット形成動作において、何番目のノズルから吐出されたインクにて形成されるかが特定されている。このため、コントローラ60は、補正値テーブルに基づいて画像データの各単位領域データを補正する。このとき、プリンタドライバは、最初のドット形成動作を実行する直前の搬送動作、すなわち、用紙を位置決めするための搬送動作にて、搬送された用紙と接触していた最後の設定領域を、印刷情報に基づいて用紙が搬送されるべき搬送量から特定する。そして、特定された設定領域に対応付けられた補正値に基づいて画像データを補正する。例えば、用紙を位置決めするための搬送動作にて、搬送された用紙と接触していた最後の設定領域が、領域Aと特定された場合には、図8に示すように、第1ラスタラインを形成するための単位領域データは、領域Cの第2ノズル#2に対応付けられた補正値に基づいて補正され、第2ラスタラインを形成する単位領域データは、領域Bの第4ノズル#4に対応付けられた補正値に基づいて補正され、第3ラスタラインを形成する単位領域データは、領域Aの第6ノズル#6に対応付けられた補正値に基づいて補正される。このように、画像データは、補正値テーブルに基づいて補正され補正データが生成される。
図24は、シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。同図は、シアンのn番目の列領域に属する単位領域の単位領域データの階調値S_inを補正する様子を示している。なお、補正後の階調値はS_outである。
仮に補正前の単位領域データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、プリンタドライバは、階調値S_inを目標指令階調値Sbtに補正すれば、その単位領域データの対応する単位領域に目標濃度Cbtの画像を形成することができる。つまり、補正前の単位領域データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、指令階調値Sbに対応する補正値Hbを用いて、階調値S_in(=Sb)をSb×(1+Hb)に補正するのが良い。同様に、補正前の単位領域データの階調値Sが指令階調値Scと同じであれば、階調値S_in(=Sc)をSc×(1+Hc)に補正するのが良い。
これに対し、補正前の階調値S_inが指令階調値とは異なる場合、図に示すような直線補間によって、出力すべき階調値S_outが算出される。図中の直線補間では、各指令階調値(Sb、Sc、Sd)に対応する補正後の各階調値S_out(Sbt、Sct、Sdt)の間を直線補間している。但し、これに限られるものではない。例えば、各指令階調値に対応する各補正値(Hb、Hc、Hd)の間を直線補間して階調値S_inに対応する補正値Hを算出し、算出された補正値Hに基づいて補正後の階調値をS_in×(1+H)として算出しても良い。
以上の濃度補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の単位領域データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の単位領域データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の他の列領域に対しても、プリンタドライバは、同様に補正処理を行う。このようにして、画像データが補正されて補正データが生成される。
次に、プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行う(S214)。ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように単位領域データを作成する。プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。
本実施形態では、プリンタドライバは、濃度補正処理によって補正された階調値の単位領域データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい列領域では、その列領域の単位領域データの階調値が低くなるように補正されているので、その列領域のラスタラインを構成するドットのドット生成率が低くなる。逆に、淡く視認されやすい列領域では、ドット生成率が高くなる。
次に、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を行う(S215)。ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる単位領域データとして、プリンタに出力される。
このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタが印刷処理を行えば、図9Cに示すように、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
本実施形態のプリンタ1によれば、搬送ローラ23の周方向における基準位置からの理論上の周面の長さが、1回の搬送動作にて搬送ローラ23により用紙が断続的に搬送される理論上の搬送量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、画像データを補正するための補正値とが対応付けられているので、搬送動作における1回の搬送に対応させて画像データを補正することが可能である。このため、用紙が断続的に搬送される各搬送動作に対応させた補正を実行することが可能である。
また、補正値は、補正された補正データに基づいてドットが形成される直前の搬送動作の際に用紙が接触していた設定領域と対応付けられているので、画像データが補正される補正値はドットが形成される直前の搬送動作にて用紙が触れていた搬送ローラ23の部位と対応している。ところで、本実施形態における補正は、搬送方向と交差する、キャリッジ31の移動方向に沿うドット列が形成された列領域間の濃度ムラを抑制するための補正である。そして補正値は、画像を印刷する際と同じ領域にて搬送された用紙に印刷した補正用パターンを読み取った結果に基づいて取得されている。すなわち、ドット形成動作の直前の搬送動作にて搬送される搬送量が理論上の搬送量と相違して誤差等を含んでいる場合であっても、その誤差を抑制すべく画像データを補正するように補正値を設定しておくことにより、良好な画像を印刷することが可能である。具体的には、搬送ローラ23が偏心していた場合であっても、画層を印刷する際及び補正用パターンを印刷する際のいずれも、用紙が搬送された同じ設定領域に対応した補正値に基づいて画像でデータが補正されるので、偏心による搬送量のばらつきによる濃度ムラの発生を抑制することが可能である。
また、本実施形態における補正用パターンは、所定の濃度を示す階調値に基づいて、移動方向に移動されるノズルから吐出されるインクにて形成される複数のドット列が、搬送方向に沿って並べて印刷されているので、印刷された補正用パターンを読み取ることによりドット列が形成された列領域間にて、実際に生じている濃度ムラを読み取りことが可能であり、この補正用パターンを読み取った結果に基づいて画像データを補正するので、各々のプリンタに特有の搬送特性に基づいて画像データを補正し、画像における列領域間の濃度ムラを適切に抑制することが可能である。
また、搬送ローラ23のn回転分(nは整数)の理論上の前記周面の長さと、1回の搬送動作により搬送される理論上の搬送量を整数倍した量とが一致するように設定したので、搬送ローラ23がn回転以上する場合には、用紙を同じ設定領域にて搬送する搬送動作が繰り返し発生することになる。例えば、搬送動作をm回繰り返すと搬送ローラ23がちょうどn回転する場合には、m+1回目の搬送動作の際に用紙と接触していた設定領域は、1回目の搬送動作の際に用紙と接触していた設定領域と同じである。よって、画像を印刷する際に実行されるすべての搬送動作に対応させて、用紙と接触する設定領域毎に補正値を設ける必要はなく、搬送ローラ23がn回転する際に実行される搬送動作の際に、用紙と接触する設定領域分の補正値を有していればよい。このため、設定領域と対応させる補正値の数を少なくし補正値テーブルが占有するメモリの領域を小さくすることが可能である。
また、補正用パターンが有する帯状パターンのサイズを、搬送ローラ23がn回転する際に、各ノズルから吐出されたインクにて形成されるドット列がすべて含まれる程度の大きさとしたので、補正用パターンのサイズが小さくしつつ画像を構成するラスタラインが形成されるすべての列領域に対応する補正値を取得することが可能である。このため、補正用パターンを印刷する際の消耗品の消費を抑えることが可能である。
本実施形態においては、搬送ローラ23の理論上の周長と、8回の搬送動作にて搬送される理論上の距離とが一致するように設定した例について説明したが、これに限るものではない。例えば、搬送ローラ23の理論上の周長の2倍や3倍の距離と、15回の搬送動作にて搬送される理論上の距離とが一致するように設定しても良い。
また、搬送ローラ23の基準位置と、搬送動作における基準位置の変位量とを検出するためのロータリー式エンコーダ52を有する構成としたので、コントローラ60は、ロータリー式エンコーダ52にて基準位置の変位量を検出することにより、搬送動作により搬送される際に用紙に接触していた設定領域をより正確に検出すること可能である。
本実施形態においては、用紙の先端を位置決めする際の搬送動作にて、搬送ローラ23の領域Aと領域Bとの境界部分が搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置している場合、すなわち、領域Aにて搬送された用紙に最初のドット形成動作を実行する例について説明したが、これに限らず、搬送ローラ23の領域Cと領域Dの境界部分や、領域Fと領域Gとの境界部分等、他の設定領域が搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置していてもよい。このとき、搬送ローラ23の領域Cと領域Dの境界部分が搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置している場合には、用紙はその直前の搬送動作にて領域Cにて搬送されたことになるため、第1ラスタラインを形成するための画像データは、領域Eと第2ノズルとに対応付けられた補正値にて補正されることになる。また、用紙の先端が位置決めされた状態にて、搬送ローラ23の軸の鉛直上に位置する部位は、必ずしも2つ設定領域の境界部分でなくてもよい。例えば、用紙の先端が位置決めされた状態にて、搬送ローラ23の軸の鉛直上に領域Eのいずれかの部位が位置していた場合には、その直前の搬送動作にて領域Eにて搬送された場合と同じ補正値を用いても良い。この場合には、補正用パターンの列領域を読み取って取得した補正値と、画像を印刷する際の列領域とは正確に一致しないが、少なくとも、領域Eの反対側に位置する領域Aに対応する補正値にて画像データを補正した場合より、濃度ムラを抑制することが可能である。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として印刷システムについて記載されているが、その中には、プリンタ1、印刷装置、印刷方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としての印刷システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
また、本実施形態においては、用紙搬送方向に発生する濃度ムラを補正する印刷システム及び印刷方法について説明したが、上記補正により、例えばヘッドが搭載されたキャリッジの移動に伴う振動などプリンタ1を構成する機構に起因して、搬送方向に沿う方向に発生する縦縞状の濃度ムラにも適用可能である。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、印刷部としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1のノズルから染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に気泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を行っても良い。
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用紙S上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。
印刷システムの構成を説明するための図である。 プリンタの全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタの全体構成の概略図である。図3Bは、プリンタの全体構成の縦断面図である。 本実施形態における搬送ローラの基準位置と、設定された設定領域を説明するための図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図6Aは、スキャナの縦断面図である。図6Bは、上蓋を外した状態のスキャナの上面図である。 印刷時の処理のフロー図である。 インターレース印刷を説明するための図である。 図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図である。図9Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。 プリンタの製造後に行われる補正値取得処理のフロー図である。 テストパターンの説明図である。 補正用パターンの説明図である。 シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。 図14Aは、傾き検出の際の読取画像データの説明図である。図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図である。図14Cは、回転処理後の読取画像データの説明図である。 図15Aは、トリミングの際の読取画像データの説明図である。図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図である。図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。 解像度変換の説明図である。 図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図である。図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図である。図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。 シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。 シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。 図20Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。図20Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 シアンの補正値テーブルの説明図である。 ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。 印刷データ生成処理のフロー図である。 シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ(インクジェットプリンタ)、5 原稿、20 搬送ユニット、
21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、24 プラテン、
25 排紙ローラ、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ、40 ヘッドユニット、41 ヘッド、50 検出器群、
51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、52a 符号盤、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、60 コントローラ、
61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置、130 入力装置、
140 記録再生装置、150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部材、155 移動機構、157 ランプ、
158 ラインセンサ、159 光学系

Claims (13)

  1. (a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、
    (b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、
    (c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、
    (d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、
    (e)を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記媒体を搬送する搬送動作と前記ドットを形成するドット形成動作とを交互に繰り返すことにより前記画像が印刷され、
    前記補正値テーブルは、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該搬送動作後の前記ドット形成動作にて用いられる前記画像データを補正するための補正値とが対応付けられていることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置において、
    前記搬送ローラのn回転分(nは整数)の理論上の前記周面の長さと、前記理論上の所定量を整数倍した量とは一致することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の印刷装置において、
    前記基準位置と、前記搬送動作における前記基準位置の変位量とを検出するための検出部を有し、
    前記コントローラは、前記検出部にて前記変位量を検出することにより、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域を検出することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記検出部は、前記搬送ローラの回転量を検出するためのロータリー式エンコーダであることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記ノズルは、前記搬送方向と交差する移動方向に移動されつつインクを吐出して前記媒体にドット列を形成し、
    前記補正値テーブルは、前記移動方向に沿う前記ドット列が形成された列領域間の濃度ムラを抑制すべく、補正用パターンを読み取った結果に基づいて生成されていることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記画像データは、単位領域毎の階調値を示しており、
    所定階調値を示す前記画像データに基づいて印刷された前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、各列領域ごとに補正値を取得し、
    前記補正値テーブルは、前記補正用パターンを構成する前記ドット列を形成した前記ドット形成動作の直前の前記搬送動作の際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該ドット列形成動作にてドット列が形成された前記列領域に対応する補正値と、が対応付けられていることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の印刷装置において、
    前記補正用パターンは、所定の濃度を示す階調値に基づいて、
    前記移動方向に移動される前記ノズルから吐出されるインクにて形成される複数のドット列が、前記搬送方向に沿って並べて印刷されることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記補正用パターンは、前記搬送ローラが前記理論上の所定量を整数倍した量と一致するn回転した際に前記媒体が搬送される理論上の搬送距離に含まれる列領域分のドット列を、有することを特徴とする印刷装置。
  10. (a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、
    (b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、
    (c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、
    (d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させるためのコントローラと、を有し、
    (e)前記媒体を搬送する搬送動作と前記ドットを形成するドット形成動作とを交互に繰り返すことにより前記画像が印刷され、
    前記補正値テーブルは、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該搬送動作後の前記ドット形成動作にて用いられる前記画像データを補正するための補正値とが対応付けられており、
    (f)前記搬送ローラのn回転分(nは整数)の理論上の前記周面の長さと、前記理論上の所定量を整数倍した量とは一致し、
    (g)前記基準位置と、前記搬送動作における前記基準位置の変位量とを検出するための検出部を有し、
    前記コントローラは、前記検出部にて前記変位量を検出することにより、前記搬送動作により搬送される際に前記媒体に接触していた前記設定領域を検出し、
    (h)前記検出部は、前記搬送ローラの回転量を検出するためのロータリー式エンコーダであり、
    (i)前記ノズルは、前記搬送方向と交差する移動方向に移動されつつインクを吐出して前記媒体にドット列を形成し、
    前記補正値テーブルは、前記移動方向に沿う前記ドット列が形成された列領域間の濃度ムラを抑制すべく、補正用パターンを読み取った結果に基づいて生成され、
    (j)前記画像データは、単位領域毎の階調値を示しており、
    所定階調値を示す前記画像データに基づいて印刷された前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、各列領域ごとに補正値を取得し、
    前記補正値テーブルは、前記補正用パターンを構成する前記ドット列を形成した前記ドット形成動作の直前の前記搬送動作の際に前記媒体に接触していた前記設定領域と、当該ドット列形成動作にてドット列が形成された前記列領域に対応する補正値と、が対応付けられており、
    (k)前記補正用パターンは、所定の濃度を示す階調値に基づいて、
    前記移動方向に移動される前記ノズルから吐出されるインクにて形成される複数のドット列が、前記搬送方向に沿って並べて印刷され、
    (l)前記補正用パターンは、前記搬送ローラが前記理論上の所定量を整数倍した量と一致するn回転した際に前記媒体が搬送される理論上の搬送距離に含まれる列領域分のドット列を、有することを特徴とする印刷装置。
  11. (a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部と、
    (b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、
    (c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、を有する印刷装置にて、
    (d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドットを形成させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  12. (A)コンピュータ、及び、
    (B)このコンピュータに接続され、
    (a)画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するため の搬送ローラを備えた搬送部と、
    (b)前記搬送部により搬送された前記媒体に、前記画像を印刷するための画像 データを補正した補正データに基づいてドットを形成するためのノズルと、
    (c)前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長 さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、 前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルと、
    (d)前記補正値テーブルに基づいて補正された前記補正データに基づいてドッ トを形成させるためのコントローラと、
    (e)を有する印刷装置、
    (C)を有することを特徴とする印刷システム。
  13. 画像を印刷するための媒体を搬送方向に所定量ずつ断続的に搬送するための搬送ローラを備えた搬送部により前記媒体を搬送するステップと、
    前記搬送ローラの周方向における所定の基準位置からの理論上の周面の長さが、理論上の前記所定量と等しくなるように仮想的に設定される設定領域と、前記補正をするための補正値とを対応付けた補正値テーブルに基づいて、前記画像を印刷するための画像データを補正した補正データに基づいてドットを形成するステップと、
    を有することを特徴とする印刷方法。

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